JP2000128722A - スズ化合物を用いたコンポジットレジン - Google Patents

スズ化合物を用いたコンポジットレジン

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JP2000128722A JP10296849A JP29684998A JP2000128722A JP 2000128722 A JP2000128722 A JP 2000128722A JP 10296849 A JP10296849 A JP 10296849A JP 29684998 A JP29684998 A JP 29684998A JP 2000128722 A JP2000128722 A JP 2000128722A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長い可使時間を有し、且つ硬化後の物理的強
度の優れたコンポジットレジンを提供する。 【解決手段】 (a)重合性単量体、(b)充填材、
(c)光重合開始剤および(d)一般式(1)(R1)n
Sn(XR2)m〔式中、nおよびmは1、2または3の整
数で、n+m=4を表す〕、一般式(2)([R3]3
n)2Xまたは一般式(3)−([R4]2SnXR5X)p
〔pは平均値が1〜20の数値を表す〕〔上記式中、;
1、R3およびR4はそれぞれ炭素原子数1〜18個の
直鎖状または分岐状のアルキル、アルケニルまたはアリ
ール基、R5は同様のアルキレンまたはアルケニレン基
であり、XはOまたはS原子を表す〕で表される特定の
錫化合物、を含んでなる歯科用コンポジットレジン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯科治療の分野にお
いて、齲触等による歯牙欠損部の直接修復、あるいはイ
ンレーおよびクラウンなどの間接修復の材料として好適
に用いられる歯科用コンポジットレジンに関する。更に
詳しくは光重合型の歯科用コンポジットレジンとして、
硬化物の機械的強度に優れ、かつ重合前の作業時間を十
分に長くできる組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、重合性単量体と充填材よりなる光
重合型の歯科用コンポジットレジンが広く使用されてい
る。これらの歯科用コンポジットレジンは齲触等による
歯牙欠損部の直接修復、あるいはインレーおよびクラウ
ンなどの間接修復の材料としても利用されている。通
常、光重合型の歯科用コンポジットレジンは硬化に関与
する光線を遮断した容器に入れて製造業者より供給さ
れ、使用される時点で遮光容器より取り出される。その
後、術者の手によって歯牙の形態に合わせて充填あるい
は形成され、光線を照射することにより硬化させられ
る。光重合型の歯科用コンポジットレジンに求められる
特性の一つとして、容器から取り出してから硬化させる
までの作業時間が十分に長いことが挙げられる。すなわ
ち、これらのコンポジットレジンは流動性をもったペー
スト状であり、患者の歯牙形態に合わせて充填、形成を
行う作業時間が必要である。したがってこれらの歯科用
コンポジットレジンには、日常で用いられる蛍光灯など
の室内光や作業用ランプの光では硬化せずに、光重合装
置の光によって確実に硬化する光重合型の材料が求めら
れるのである。
【0003】現在までに開発されてきた光重合型の歯科
用コンポジットレジンは、そのほとんどが光重合開始剤
+還元剤を配合することにより重合を行っている。特公
昭54−10986号公報には感光剤としてα−ジケト
ン等から選択される化合物と、感光剤が励起状態にある
ときその感光剤を還元しうる還元剤の光重合性組成物が
開示されている。この発明における還元剤は具体的には
脂肪族アミン化合物である。
【0004】特開昭60−26002号公報には感光性
触媒として(a)少なくとも1種のビシナルジケトン化
合物と、(b)4-(N,N-ジメチルアミノ)安息香酸
もしくはその低級アルキルエステルからなる光重合組成
物が開示されている。この発明においては4-(N,N-
ジメチルアミノ)安息香酸もしくはその低級アルキルエ
ステルが脂肪族アミン化合物より速やかに硬化する組成
物を与えることが示唆されている。特公平3−2668
5号公報にはα−ジケトン、第3アミンおよびオキシカ
ルボン酸化合物からなる光重合用触媒組成物が開示され
ている。この発明では、従来の光重合組成物より高い重
合活性が得られることが示唆されている。特公平7−4
5374号公報には光増感剤としてのα−ジケトンまた
はキノン誘導体と光重合促進剤としての特定のアミン化
合物よりなる歯科用光硬化性組成物が開示されている。
この発明においては、光重合後のモノマーあるいは触媒
成分の溶出量が少ない組成物が得られることが開示され
ている。
【0005】特公平7−119251号公報にはα−ジ
ケトン化合物と特定の第3級アミンから成る光硬化性組
成物が開示されている。この発明では、保存安定性の良
い硬化性組成物が得られることが示唆されている。特開
平6−336410号公報には光重合開始剤としてカン
ファーキノンとアミノベンゾフェノン化合物を含有して
なる歯科用光不透過性コーティング剤が開示されてい
る。この発明では、表面の未硬化層が薄くなる硬化性組
成物を提供している。特開平10−36212号公報に
は光重合開始剤としてのカルボニル化合物と還元剤とし
ての特定のN−フェニルグリシン誘導体よりなる歯科用
光重合性組成物が開示されている。この発明では、重合
前の保存安定性が良く、重合後の耐候性の良い光重合性
組成物を提供している。
【0006】一般に歯科用コンポジットレジンは流動性
をもったペーストであり、歯牙の形態に合わせて充填あ
るいは築成作業が必要となってくる。よって寸法精度の
高い修復物を作成するには重合前の作業時間が十分に長
く取れることが要求される。しかし、上記の従来の発明
による光重合型歯科用コンポジットレジンでは、重合後
の物理学的強度を高めるために触媒の配合量を多くする
場合には、重合前の作業時間が十分にとれず、反対に触
媒の配合量を減らす場合には重合後の物理学的強度が低
下するという欠点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、歯科治療に
おける作業時間が十分にとれる長い可使時間を有し、且
つ硬化後の物理的強度の優れたコンポジットレジンを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)重合性
単量体、(b)充填材、(c)光重合開始剤、および
(d)一般式(1) (R1)nSn(XR2)m (1) 〔式中、nおよびmは1、2または3の整数で、n+m
=4であり;R1は炭素原子数1〜18個の直鎖状また
は分岐状のアルキルまたはアルケニルもしくはアリール
基であり、R1は置換基を有してもよく置換基中には−
C(=O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を含ん
でもよく、R2はR1またはR1C(=O)−であり、各R1
および各R2は同じであっても異なっていてもよく;X
はOまたはS原子を表す〕;一般式(2) ([R3]3Sn)2X (2) 〔式中、R3は炭素原子数1〜18個の直鎖状または分
岐状のアルキルまたはアルケニルもしくはアリール基で
あり、R3は置換基を有してもよく置換基中には−C(=
O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を含んでも
よく、各R3は同じであっても異なっていてもよく;X
はOまたはS原子を表す〕;または一般式(3) −([R4]2SnXR5X)p− (3) 〔式中、pは平均値が1〜20の大きさの数値;R4
炭素原子数1〜18個の直鎖状または分岐状のアルキル
またはアルケニルもしくはアリール基であり、置換基を
有してもよく置換基中には−C(=O)O―、―C(=O)
―、―O―、―NH−を含んでもよく、R5は炭素原子
数1〜18個の直鎖状または分岐状のアルキレンまたは
アルケニレン基であり、置換基を有してもよく置換基中
には−C(=O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−
を含んでもよく;XはOまたはS原子を表し、各Xは同
じであっても異なっていてもよい〕で表される特定の錫
化合物、を含んでなる歯科用コンポジットレジンに関す
る。すなわち、本発明は、還元剤として特定の錫化合物
を用いるところに特徴があり、これを(a)、(b)お
よび(c)の成分と組み合わせることにより、重合前の
作業時間が十分にとれ、重合後の物理学的強度も増すこ
とができるコンポジットレジンが得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係る歯科用コンポ
ジットレジンについて具体的に説明する。本発明におけ
る(a)重合性単量体は一般に歯科用組成物として用い
られている公知の単官能および/または多官能の重合性
単量体を使用することができる。単官能重合性単量体の
例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート
等メタクリル酸の炭化水素エステル類、およびこれらの
メタクリレート類に対応するアクリレート類が挙げられ
る。好ましくはメチルメタクリレートである。
【0010】また、単官能重合性単量体の例として、2
-ヒドロキシエチルメタクリレート、2または3-ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメ
タクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ジプロピレングリコールモノメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタク
リレート、アリルメタクリレート等のメタクリレート
類、およびこれらのメタクリレート類に対応するアクリ
レート類が挙げられる。これらのうち、特に好ましいも
のは2-ヒドロキシエチルメタクリレートである。
【0011】単官能重合性単量体としては、更にメタク
リロキシアルキル基を有するシラン化合物を使用するこ
とができる。これらの例としては、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン等、およびこれらのメタクリレ
ート類に対応するアクリレート類が挙げられる。好まし
くはγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで
ある。
【0012】多官能重合性単量体としては2官能単量
体、3官能単量体、4官能単量体、および更に多官能の
単量体が含まれる。2官能単量体の例としては、エチレ
ングリコールジメタクリレート、プロピレングリコール
ジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリ
レート等のアルカンポリオールのジメタクリレート類、
およびこれらのメタクリレート類に対応するアクリレー
ト類が挙げられる。好ましくはエチレングリコールジメ
タクリレートである。
【0013】また、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ジプ
ロピレングリコールジメタクリレート等のポリオキシア
ルカンポリオールジメタクリレート類、およびこれらの
メタクリレートに対応するアクリレート類も用いること
ができる。好ましくはトリエチレングリコールジメタク
リレートである。
【0014】更にまた、ジイソシアネート化合物1モル
と2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の水酸基含有
メタクリレート2モルとの付加反応によって得られるウ
レタン結合を有する2官能メタクリレート類、およびこ
れらのメタクリレート類に対応するアクリレート類も使
用できる。
【0015】2官能単量体としては、更に、2,2−ビ
ス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポ
キシ)フェニル)プロパン(bis−GMA)、2,2
−ビス−(4−メタクリロイルオキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス−(4−メタクリロイルオキシポリエ
トキシフェニル)プロパン(D−2.6E)、2,2−
ビス(4−メタクリロイルオキシジエトキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシテ
トラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−
メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシジプロポ
キシフェニル)プロパン等のメタクリレート類、および
これらのメタクリレート類に対応するアクリレート類も
使用することができる。好ましくは2,2−ビス(4−
(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フ
ェニル)プロパン(bis−GMA)である。
【0016】3官能性単量体としては、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、トリメチロールエタント
リメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリ
レート、トリメチロールメタントリメタクリレート等の
メタクリレート類、およびこれらのメタクリレート類に
対応するアクリレート類を挙げることができる。好まし
くはトリメチロールプロパントリメタクリレートであ
る。
【0017】4官能性単量体としては、ペンタエリスト
ールテトラメタクリレート、4官能性ウレタンメタクリ
レート、およびこれらのメタクリレートに対応するアク
リレート等が使用できる。また、5官能性以上の単量体
を使用することもできる。これらの単官能あるいは多官
能重合性単量体は単独でもしくは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0018】本発明(b)充填材としては、一般に歯科
用複合材料に用いられている公知の無機充填材、有機充
填剤を単独もしくは2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。本発明で使用することのできる無機充填材
としては、例えば、シリカ、アルミニウムシリケート、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、種々のガラス類(フ
ッ素ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウ
ムガラス、バリウムアルミニウムシリカガラス、ストロ
ンチウムやジルコニウムを含むガラス、ガラスセラミッ
クス、フルオロアルミノシリケートガラス、また、ゾル
ゲル法による合成ガラスなどを含む)、アエロジル(登
録商標)、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、
炭酸カルシウム、カオリン、クレー、雲母、硫酸アルミ
ニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、
リン酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロン
チウム、ゼオライト等が挙げられる。好ましくはシリ
カ、アルミニウムシリケート、アルミナ、バリウムガラ
ス、バリウムアルミニウムシリカガラス、ゾルゲル法に
よるシリカガラス、アエロジル(登録商標)が用いられ
る。
【0019】有機充填材としては、例えば、ポリメタク
リル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル、
ポリメタクリル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、
ポリ酢酸ビニル、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリビニルアルコール等が挙げられ
る。好ましくはポリメタクリル酸メチル(PMMA)、
ポリメタクリル酸エチルが用いられる。また、有機質複
合充填材として、先の無機充填材の表面を(a)重合性
単量体で例示したような化合物で重合被覆した後に適当
な粒子径に粉砕したもの、あるいは、予め重合性単量体
に無機充填材を含有させておいた後に、乳化重合または
懸濁重合などの操作により得られる粒子等が挙げられ
る。
【0020】これらの充填材は、適当なシランカップリ
ング剤により表面処理されることが好ましい。シランカ
ップリング剤としては、例えば、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン等が挙げられる。好ましくはγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが用いられ
る。
【0021】本発明(c)光重合開始剤としては、当該
分野では公知の種々のケトン化合物が用いられ、特に好
適には例えば、ベンジル、カンファーキノン、α−ナフ
トキノン、9,10−フェナントレンキノン、ビアセチ
ル等のα−ジケトン化合物またはその誘導体が例示され
る。好ましくはカンファーキノンが用いられる。
【0022】本発明では還元剤として(d)一般式
(1) (R1)nSn(XR2)m (1) 〔式中、nおよびmは1、2または3の整数で、n+m
=4であり;R1は炭素原子数1〜18個の直鎖状また
は分岐状のアルキルまたはアルケニルもしくはアリール
基であり、R1は置換基を有してもよく置換基中には−
C(=O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を含ん
でもよく、R2はR1またはR1C(=O)−であり、各R1
および各R2は同じであっても異なっていてもよく;X
はOまたはS原子を表す〕;一般式(2) ([R3]3Sn)2X (2) 〔式中、R3は炭素原子数1〜18個の直鎖状または分
岐状のアルキルまたはアルケニルもしくはアリール基で
あり、R3は置換基を有してもよく置換基中には−C(=
O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を含んでも
よく、各R3は同じであっても異なっていてもよく;X
はOまたはS原子を表す〕;または一般式(3) −([R4]2SnXR5X)p− (3) 〔式中、pは平均値が1〜10の大きさの数値;R4
炭素原子数1〜18個の直鎖状または分岐状のアルキル
またはアルケニルもしくはアリール基であり、置換基を
有してもよく置換基中には−C(=O)O―、―C(=O)
―、―O―、―NH−を含んでもよく、R5は炭素原子
数1〜18個の直鎖状または分岐状のアルキレンまたは
アルケニレン基であり、置換基を有してもよく置換基中
には−C(=O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を
含んでもよく;XはOまたはS原子を表し、各Xは同じ
であっても異なっていてもよい〕で表される特定の錫化
合物が用いられる。
【0023】これらの錫化合物としては、例えば、ジブ
チルスズジアセテート(C49)2Sn(OOCCH3)2、ジ
ブチルスズジラウレート(C49)2Sn(OOCC1123)
2、ジオクチルスズジラウレート(C817)2Sn(OOC
1123)2、ジオクチルスズジバーサテート(C817)2
Sn(OOCC919)2、ジオクチルスズビス(メルカプ
ト酢酸イソオクチルエステル)塩(C817)2Sn(SCH
2COOC817)2、テトラメチル-1,3-ジアセトキシ
ジスタノキサンCH3COO(CH3)2SnOSn(CH3)
2OOCCH3、ビス(トリエチルスズ)オキサイド(C2
5)3SnOSn(C25)3、テトラメチル-1,3-ジフ
ェノキシジスタノキサンC65O(CH3)2SnOSn
(CH3)2OC65、ビス(トリプロピルスズ)オキサイ
ド(C37)3SnOSn(C37)3、ビス(トリブチルス
ズ)オキサイド(C49)3SnOSn(C49)3、ビス
(トリフェニルスズ)オキサイド(C65)3SnOSn
(C65)3、ポリ(マレイン酸ジブチルスズ)−〔(C4
9)2SnOOCCH=CHCOO〕p−(ただし、p=
1〜20)、ポリ(マレイン酸ジオクチルスズ)−
〔(C817)2SnOOCCH=CHCOO〕p−(pは
上記と同じ)等が用いられる。
【0024】本発明の歯科用コンポジットレジンにおい
ては、(a)重合性単量体、(b)充填剤、(c)光重
合開始剤および(d)錫化合物を、(a)1〜90重量
部、(b)10〜99重量部、(c)0.01〜10重
量部および(d)0.01〜10重量部の割合で含有す
る。このうち、(a)重合性単量体と(b)充填材との
配合比率は、重量で(a):(b)=1〜90:99〜
10である。好ましくは(a):(b)=5〜85:9
5〜15である。(a)と(b)の合計量に対して
(a)重合性単量体が1重量%より少ない場合は重合性
単量体中に充填材を配合させることが困難になる。一
方、(a)重合性単量体が90重量%を超えると硬化性
組成物の機械的強度が低下することになる。(c)光重
合開始剤および(d)還元剤が0.01重量部より少な
い場合は硬化性組成物が十分に硬化せず機械的強度が低
下し、10重量部より多い場合は容器より取り出した後
の作業時間が著しく短くなる。
【0025】本発明の歯科用コンポジットレジンは必要
に応じて各種添加剤を配合することができる。かかる添
加剤としては重合禁止剤、着色剤、蛍光剤、紫外線吸収
剤、抗菌剤などが挙げられる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例によって説明するが
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例 1 2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロ
キシプロポキシ)フェニル)プロパン70重量部、トリ
エチレングリコールジメタクリレート30重量部、カン
ファーキノン0.2重量部、ジオクチルスズジラウレー
ト2重量部を混合し、バインダーレジン組成とした。
【0027】バリウムガラス「UP−BA42」(ユニ
オン社製)を平均粒子径5μmに粉砕しγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン「KBM-503」
(信越化学工業社製)で表面処理したもの60重量部お
よび微粒子けい酸「OX-50」(デグサ社製)をγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM-
503」で表面処理したもの10重量部とを上記バイン
ダーレジン30重量部と混合し、ペースト状の歯科用コ
ンポジットレジンを作成した。このコンポジットレジン
の特性を可使時間と曲げ特性について評価した。結果を
表1に示した。
【0028】実施例 2 ジオクチルスズジラウレートの代わりにジブチルスズジ
ラウレートを用いた以外は実施例1と同様の方法で硬化
性組成物を作成しその特性を評価した。結果を表1に示
した。
【0029】比較例 1 還元剤として、ジオクチルスズジラウレートの代わりに
メタクリル酸ジメチルアミノエチルを用いた以外は実施
例1と同様にして歯科用コンポジットレジンを作成し
た。結果を表1に示した。
【0030】比較例 2 還元剤として、ジオクチルスズジラウレートの代わりに
p-ジメチルアミノ安息香酸エチルを用いた以外は実施
例1と同様にして歯科用コンポジットレジンを作成し
た。結果を表1に示した。
【0031】実施例および比較例におけるコンポジット
レジンの可使時間および曲げ特性の評価は次のようにし
て行った。 〔可使時間の測定〕スライドガラス上に硬化性組成物
(コンポジットレジン)を約30mg置き、この試料の
上方から10000ルクスの光量に調整された「デンタ
ルランプ」(モリタ製作所社製)の光を照射した。一定
時間照射後に試料の上よりもう一枚のスライドガラスで
圧接し、試料が薄く均一に伸びる状態を未硬化、もはや
薄く伸びなくなった状態を硬化したものとして判定し
た。この方法により試料が硬化するまでの時間を可使時
間とした。
【0032】〔曲げ強度および曲げ弾性率の測定〕25
×2×2mmのステンレス製金型に硬化性組成物(コン
ポジットレジン)を充填し、光重合器「ソリディライ
ト」(松風社製)により3分間×2回光照射を行いコン
ポジットレジンを重合硬化して試験体を作成した。作成
された試験体は37℃水中に24時間保存後、万能材料
試験器インストロン形式5567を用いて、クロスヘッ
ドスピード1mm/minで3点曲げ試験を行った。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明による歯科用コンポジットレジン
は室内光などの比較的弱い光の下では硬化せずに、光重
合器の強い光によっては十分に硬化するという性質をも
っている。よって、本発明の組成物は従来の光重合型の
歯科用コンポジットレジンと比較して機械的強度が高
く、かつ容器から取り出した後の歯牙形態修復の為の作
業時間を十分にとることができる材料を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺前 充司 京都府京都市東山区福稲上高松町11番地 株式会社松風内 Fターム(参考) 4C089 AA06 AA09 BC02 BC20 BD01 BD02 CA06 CA09 CA10 4H049 VN03 VP01 VP02 VP10 VQ19 VQ21 VQ24 VQ30 VQ35 VQ49 VQ78 VQ79 VQ82 VR23 VR41 VR42 VR61 VR62 VU32 VW02 VW37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)重合性単量体、(b)充填材、
    (c)光重合開始剤、および(d)一般式(1) (R1)nSn(XR2)m (1) 〔式中、nおよびmは1、2または3の整数で、n+m
    =4であり;R1は炭素原子数1〜18個の直鎖状また
    は分岐状のアルキルまたはアルケニルもしくはアリール
    基であり、R1は置換基を有してもよく置換基中には−
    C(=O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を含ん
    でもよく、R2はR1またはR1C(=O)−であり、各R1
    および各R2は同じであっても異なっていてもよく;X
    はOまたはS原子を表す〕;一般式(2) ([R3]3Sn)2X (2) 〔式中、R3は炭素原子数1〜18個の直鎖状または分
    岐状のアルキルまたはアルケニルもしくはアリール基で
    あり、R3は置換基を有してもよく置換基中には−C(=
    O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−を含んでも
    よく、各R3は同じであっても異なっていてもよく;X
    はOまたはS原子を表す〕;または一般式(3) −([R4]2SnXR5X)p− (3) 〔式中、pは平均値が1〜20の大きさの数値;R4
    炭素原子数1〜18個の直鎖状または分岐状のアルキル
    またはアルケニルもしくはアリール基であり、置換基を
    有してもよく置換基中には−C(=O)O―、―C(=O)
    ―、―O―、―NH−を含んでもよく、R5は炭素原子
    数1〜18個の直鎖状または分岐状のアルキレンまたは
    アルケニレン基であり、置換基を有してもよく置換基中
    には−C(=O)O―、―C(=O)―、―O―、―NH−
    を含んでもよく;XはOまたはS原子を表し、各Xは同
    じであっても異なっていてもよい〕で表される特定の錫
    化合物、を含んでなる歯科用コンポジットレジン。
  2. 【請求項2】 (a)を1〜90重量部、(b)を10
    〜99重量部、(c)を0.01〜10重量部および
    (d)を0.01〜10重量部含む請求項1に記載の歯
    科用コンポジットレジン。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63132984A (ja) * 1986-11-03 1988-06-04 ゼネカ・リミテッド 可視光‐硬化可能な一成分系液状接着剤組成物及びこれを用いる歯の処置法
JPH07291819A (ja) * 1994-04-28 1995-11-07 San Medical Kk 1ペースト状の歯科用硬化性組成物および硬化方法
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