JP2000128488A - チェーンブロック - Google Patents

チェーンブロック

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JP2000128488A
JP2000128488A JP10301897A JP30189798A JP2000128488A JP 2000128488 A JP2000128488 A JP 2000128488A JP 10301897 A JP10301897 A JP 10301897A JP 30189798 A JP30189798 A JP 30189798A JP 2000128488 A JP2000128488 A JP 2000128488A
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Yoshiaki Okamoto
圭晃 岡本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過負荷防止機構が装備されていないチェーン
ブロックの部品を、より多く共通して使用することがで
き、製造工程の簡略化およびコストの低減化を図ること
ができる、過負荷防止機構が装備されているチェーンブ
ロックを提供すること。 【解決手段】 過負荷防止機構8に、駆動軸6に螺着さ
れハンドホイール7を自由回転可能に支持する第1ハブ
13を備え、その第1ハブ13の小径筒部31に第1凹
部32を形成し、この第1凹部32内において、止めナ
ット34を、駆動軸6に対して軸方向移動不能に固定す
る。これによって、過負荷防止機構8が装備されていな
い同様の仕様のチェーンブロックに使用される駆動軸6
と、実質的に同じ駆動軸6が使用可能とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンブロッ
ク、詳しくは、ハンドホイールに巻回されるハンドチェ
ーンの操作により、ロードシーブを回転させて、そのロ
ードシーブに巻回されるロードチェンの巻上げ、巻下げ
を行なう、手動式のチェーンブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の手動式のチェーンブ
ロックは、互いに対向する2つのサイドプレートの間に
軸受を介して支持されるロードシーブと、一方のサイド
プレートの外側に設けられ、駆動軸および歯車減速機構
を介してロードシーブを駆動するハンドホイールと、こ
のハンドホイールとロードシーブとの間に介在されて、
所定の制動動作が行なわれる、メカニカルブレーキを備
えた伝動機構とを備えており、ハンドホイールに巻回さ
れるハンドチェーンの操作により、ロードシーブに巻回
されているロードチェーンのフックに吊り下げられた荷
物を、巻上げまたは巻下げできるように構成されてい
る。
【0003】このようなチェ−ンブロックにおいては、
そのチェ−ンブロックの有する定格荷重以上の荷物の巻
上げを防止するために、ロードシーブに定格荷重以上の
負荷がかかった時に、ハンドホイールの巻上げ方向の自
由回転を許容する過負荷防止機構が装備されているもの
が知られている。
【0004】この過負荷防止機構は、たとえば、駆動軸
に螺着され、ハンドホイールを自由回転可能に支持する
ハブ部材と、定格荷重を設定するために、このハブ部材
における軸方向外側端部に設けられる荷重設定機構と、
ハブ部材とハンドホイールとの間およびハンドホイール
と荷重設定機構との間にそれぞれ自由回転可能に設けら
れる2つのライニング板とを備えている。そして、荷重
設定機構によってライニング板を押圧することで所定の
定格荷重を設定しておき、その定格荷重以上の負荷がか
かった状態でハンドホイールを巻上げ方向に回転させた
時には、ハンドホイールを、その両側に配置させた2つ
のライニング板との間ですべらせることによって、ハブ
部材に対するハンドホイールの自由回転を、許容するよ
うに構成している。
【0005】また、一方で、たとえば、荷物が途中まで
巻上げられた状態で定格荷重以上の負荷がかかって過負
荷防止機構が作動した場合には、ハンドホイールがその
両側に配置される2つのライニング板との間ですべった
ままの状態となり、荷物の巻下げができないため、ハブ
部材の外周面に凹所を形成して、この凹所内に、ピン
と、そのピンを径方向外方に向かって付勢するばねを設
けるとともに、ハンドホイールのボス部の内周面に、そ
のピンを、巻下げ方向に回転させた時のみ係止可能な受
入部を設けて、これによって、ハンドホイールのハブ部
材に対する巻上げ方向の自由回転のみを許容し、巻下げ
方向の自由回転を規制するワンウエイ機構を構成し、そ
の結果、定格荷重以上の負荷がかかった場合でも、荷物
の巻下げができるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような過
負荷防止機構は、通常、チェーンブロックの上級機種に
装備されているものであり、過負荷防止機構は装備され
ていないが、それ以外の使用が同じチェーンブロック
も、同時に製造販売されることが常となっている。この
ように、過負荷防止機構が装備されていないチェーンブ
ロックと過負荷防止機構が装備されているチェーンブロ
ックとの両方を製造するにあたっては、過負荷防止機構
以外の部品を共通化することが、製造工程の簡略化およ
びコストの低減化を図る上において好ましい。
【0007】しかし、過負荷防止機構のハブ部材は、駆
動軸に螺着されるため、駆動軸はハブ部材を螺着させる
ための長さを有することが必要とされる。そのため、過
負荷防止機構が装備されるチェーンブロックに使用され
る駆動軸は、過負荷防止機構が装備されないチェーンブ
ロックに使用される駆動軸とは、別の形状および長さと
して用意しておく必要がある。
【0008】しかるに、駆動軸を、予め比較的長い長さ
で用意して、これを過負荷防止機構が装備されるチェー
ンブロックおよび過負荷防止機構が装備されないチェー
ンブロックの両方に使用することも考えられるが、たと
えば、小型のチェーンブロックでは、全体的な小型化を
図るために、駆動軸の長さを十分にとることができな
い。
【0009】本発明の目的は、上記した課題を解決する
ためになされたものであり、過負荷防止機構が装備され
ていないチェーンブロックの部品を、より多く共通して
使用することができ、製造工程の簡略化およびコストの
低減化を図ることができる、過負荷防止機構が装備され
ているチェーンブロックを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、ロードチェーンが噛み合
うロードシーブと、ハンドチェーンが噛み合うハンドホ
イールと、前記ハンドホイールと前記ロードシーブとの
間に介在される、メカニカルブレーキを備えた伝動機構
と、前記ハンドホイールを支持し、前記ロードシーブに
定格荷重以上の負荷がかかった時に、前記ハンドホイー
ルの巻上げ方向の自由回転を許容する過負荷防止機構
と、前記ロードシーブ、前記伝動機構および前記過負荷
防止機構に挿通され、前記ハンドホイールからの駆動を
前記ロードシーブに伝達するための駆動軸とを備える、
チェーンブロックにおいて、前記過負荷防止機構は、前
記駆動軸に螺着され、前記ハンドホイールを自由回転可
能に支持するハブ部材を備えるとともに、前記駆動軸の
軸端部には、前記ハブ部材の軸方向移動範囲を規制する
ための規制部材が設けられ、前記ハブ部材には、前記規
制部材を受け入れるための凹部が形成されるとともに、
前記駆動軸は、前記過負荷防止機構が装備されていない
チェーンブロックに使用される駆動軸と実質的に同じ駆
動軸が使用され、前記規制部材は、その少なくとも一部
が、前記凹部内において前記駆動軸に対して軸方向移動
不能に固定されていることを特徴としている。
【0011】このような構成によると、過負荷防止機構
が装備されていないチェーンブロックに使用される駆動
軸と実質的に同じ駆動軸が使用され、その駆動軸の軸端
部には、駆動軸にハブ部材が螺着された状態で、規制部
材がハブ部材の凹部内において駆動軸に対して軸方向移
動不能に固定される。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記ハンドホイールは、その外
周側に、前記ハンドチェーンを受け入れるための複数の
ポケット部と、その基側に、前記ハブ部材を受け入れる
ための受入孔が形成されるボス部とを備えるとともに、
前記過負荷防止機構は、前記ハンドホイールの前記ボス
部の少なくとも一方側に隣り合い、前記ハブ部材に自由
回転可能に支持される制動板を備えており、前記ハンド
ホイールの前記ボス部には、前記制動板を受け入れるた
めの凹部が形成されていることを特徴としている。
【0013】このような構成によると、過負荷防止機構
を構成する制動板がハンドホイールのボス部に形成され
る凹部に受け入れられる。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において、前記制動板は、前記ハンドホイ
ールの両側に設けられるとともに、前記制動板を受け入
れるための凹部が、前記ハンドホイールの前記ボス部の
両側に形成されていることを特徴としている。
【0015】このような構成によると、ハンドホイール
の両側に設けられる制動板が、ハンドホイールのボス部
の両側に形成される凹部に受け入れられる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を示
す手動式の小型のチェーンブロックの縦断面図である。
このチェーンブロックは、互いに対向する左サイドプレ
ート1と右サイドプレート2との間に、ロードチェーン
61が噛み合うように巻回されるロードシーブ3が、2
つの軸受4および5を介して回転自在に支持されてい
る。
【0017】このロードシーブ3には、その軸孔に駆動
軸6が回転自在に挿通されており、この駆動軸6に、右
サイドプレート2の外側において、メカニカルブレーキ
9を備えた伝動機構10および過負荷防止機構8が、挿
通された状態で支持されている。また、過負荷防止機構
8には、ハンドチェーン62が噛み合うように巻回され
るハンドホイール7が支持されている。なお、この駆動
軸6は、後で詳述するが、過負荷防止機構8が装備され
ていないチェーンブロックに使用される駆動軸と実質的
に同じものが使用されている。
【0018】伝動機構10は、駆動軸6に相対回転不能
に結合(図1では、ねじ結合されている。)される第2
ハブ11、第3ライニング板17、逆転防止ギヤ12お
よび第4ライニング板18を備えている。
【0019】第2ハブ11には、フランジ部と、そのフ
ランジ部から軸方向外方に突出する筒部とが一体に形成
されており、逆転防止ギヤ12、第3ライニング板17
および第4ライニング板18は、逆転防止ギヤ12と過
負荷防止機構8の後述する第1ハブ13との間に第3ラ
イニング板17が介在され、また、第2ハブ11のフラ
ンジ部と逆転防止ギヤ12との間に第4ライニング板1
8が介在されるような状態で、第2ハブ11の筒部に自
由回転可能に支持されている。
【0020】また、右サイドプレート2上には爪軸14
が設けられ、この爪軸14に、逆転防止ギヤ12に噛み
合う逆転防止爪15が揺動可能に枢着されている。さら
に、この逆転防止爪15と右サイドプレート2との間に
は、逆転防止爪15を逆転防止ギヤ12に向けて付勢す
る爪ばね16が設けられている。なお、この伝動機構1
0において、メカニカルブレーキ9は、第2ハブ11、
逆転防止ギヤ12、逆転防止爪14、第3ライニング板
17および第4ライニング板18により構成されてい
る。
【0021】ハンドホイール7は、図2および図3に示
すように、その外周側に、ハンドチェーン62を受け入
れるための複数のポケット部20と、その基側に、過負
荷防止機構8の後述する第1ハブ13を受け入れるため
の受入孔58が形成されるボス部22とを備えている。
ボス部22の両側には、後述する第1ライニング板23
および第2ライニング24をそれぞれ受け入れるための
凹部としての第2凹部56および第3凹部57が形成さ
れている。これら第2凹部56および第3凹部57は、
その側面視において、第1ライニング板23および第2
ライニング24の外径よりもやや大きい円形状に形成さ
れ、また、第1ライニング板23および第2ライニング
24の厚さと、同じくらいの深さで形成されている。
【0022】過負荷防止機構8は、図1に示すように、
駆動軸6に螺着されるハブ部材としての第1ハブ13、
定格荷重を設定するための荷重設定機構21、制動板と
しての第1ライニング板23、制動板としての第2ライ
ニング板24、およびハンドホイール7の第1ハブ13
に対する巻上げ方向の自由回転を許容し、巻下げ方向の
自由回転を規制するワンウエイ機構25を備えている。
【0023】第1ハブ13には、図4および図5に示す
ように、フランジ部19と、そのフランジ部19から軸
方向外方に突出する大径筒部30と、その大径筒部30
から軸方向外方に突出し、大径筒部30よりも小径とさ
れた小径筒部31とが一体に形成されており、小径筒部
31には、その先端面に凹部としての第1凹部32が開
口されている。この第1凹部32は、その側面視におい
て、少なくとも後述する止めナット34の外径よりも大
きい円形状に形成され、また、少なくとも止めナット3
4の一部を受け入れることができるような深さで形成さ
れている。また、小径筒部31の外周面には、めねじが
形成されている。
【0024】ハンドホイール7、第1ライニング板23
および第2ライニング板24は、ハンドホイール7のボ
ス部22と荷重設定機構21の後述するライニング押え
部材26との間に第1ライニング板23が介在され、ま
た、第1ハブ13のフランジ部19とハンドホイール7
のボス部22との間に第2ライニング板24が介在され
るような状態で、第1ハブ13の大径筒部30に自由回
転可能に支持されている。これによって、ハンドホイー
ル7のボス部22の両側に形成される第2凹部56およ
び第3凹部57に、第1ライニング板23および第2ラ
イニング板24がそれぞれ嵌め込まれる。
【0025】荷重設定機構21は、ライニング押え部材
26、付勢手段としての皿ばね27、回り止め部材2
8、および締め込みナット29により構成されている。
ライニング押え部材26は、前述したように、第1ライ
ニング板23に当接させた状態で、第1ハブ13の大径
筒部30に自由回転可能に支持させるとともに、そのラ
イニング押え部材26を第1ライニング板23に向けて
付勢するために、皿ばね27が、ライニング押え部材2
6に当接した状態で、第1ハブ13の小径筒部31に支
持されている。また、その皿ばね27の付勢力を調節す
るために、締め込みナット29が、回り止め部材28を
介して皿ばね27を押圧する状態で、第1ハブ13の小
径筒部31に螺着されている。
【0026】これによって、締め込みナット29を第1
ハブ13の小径筒部31に対し螺進させると、この締め
込みナット29と第1ハブ13のフランジ部17との間
において、皿ばね29がライニング押え部材26を介し
て第1ライニング板23、ハンドホイール7、第2ライ
ニング板24を強く押圧して、重たい荷物を巻上げる時
でも、第1ライニング板23および第2ライニング板2
4に対してハンドホイール7がすべらないように、言い
換えると、定格荷重を高く設定することができ、逆に、
締め込みナット29を第1ハブ13の小径筒部31に対
し螺退させると、この締め込みナット29と第1ハブ1
3のフランジ部17との間において、皿ばね29の第1
ライニング板23、ハンドホイール7、第2ライニング
板24に対する押圧力が弱くなり、重たい荷物を巻上げ
る時に、第1ライニング板23および第2ライニング板
24に対してハンドホイール7をすべらせるように、言
い換えると、定格荷重を低く設定することができる。
【0027】また、駆動軸6における過負荷防止機構8
が取り付けられる側の軸端部には、その駆動軸6に螺着
されている第1ハブ13と所定の間隔を隔てた状態にお
いて、規制部材としての止めナット34が螺着されてい
る。この止めナット34は、第1ハブ13の小径筒部3
1の先端面に開口される第1凹部32内において、駆動
軸6の軸端部にその軸方向移動不能に止めピン59によ
って固定されており、止めナット34と第1凹部32の
底面との間にワッシャ33を介在させた状態で、第1ハ
ブ13の軸方向移動範囲を規制している。
【0028】一方、駆動軸6の軸方向他端側の軸端部
は、軸受35により支持されており、この軸受35とロ
ードシーブ3との間であって、左サイドプレート1の外
側には、複数の減速ギヤをもつ歯車減速機構36が設け
られている。この歯車減速機構36は、駆動軸6の軸端
部に一体に形成される第1ギヤ37と、この第1ギヤ3
7に噛み合い、図示しない1対の中間軸にそれぞれ支持
される第2ギヤ38および第3ギヤ39(図1では、中
間軸は現れず、第2ギヤ38および第3ギヤ39の一方
のみが現れている。)と、ロードシーブ3の延長部に結
合され、第3ギヤ39に噛み合う第4ギヤ40とによっ
て構成されている。駆動軸6からの駆動は、第1ギヤ3
7からそれと噛み合う第2ギヤ38に伝達され、この第
2ギヤ38を支持している中間軸から同じくこの中間軸
に支持されている第3ギヤ39を介して第4ギヤ40に
伝達され、これによって、所定の減速比で駆動軸6から
の駆動がロードシーブ3に伝達される。
【0029】また、左サイドプレート1の外側には、歯
車減速機構36を覆うギヤカバー41が、右サイドプレ
ート2の外側には、ハンドホイール7を覆う一側開放の
ホイールカバー42が、それぞれ、左サイドプレート1
および右サイドプレート2を連結する3本のステーボル
ト(図1では、2本のステーボルト43および44のみ
が現れている。)により脱着可能に取り付けられてい
る。また、右サイドプレート2とハンドホイール7との
間には、逆転防止ギヤ21の外周りを覆うブレーキカバ
ー45が設けられている。さらに、左サイドプレート1
および右サイドプレート2の間における下側にはチェー
ンけり46が、左サイドプレート1および右サイドプレ
ート2の間におけるロードシーブ3の上側には、ロード
チェーン61を案内するチェーンガイド47が設けられ
ており、また、そのチェーンガイド47の上方には、こ
のチェーンブロックを吊り下げるための上フック48が
設けられている。
【0030】このように構成された本実施形態のチェー
ンブロックでは、止めナット34を第1ハブ13の小径
筒部31に開口される第1凹部32内において固定する
ことによって、たとえば、図5にその要部を示すよう
な、過負荷防止機構8が装備されていない本実施形態と
同様の仕様のチェーンブロックに使用される駆動軸6と
実質的に同じ駆動軸6を使用できるようにしたので、過
負荷防止機構8が装備されていない同様の仕様のチェー
ンブロックとの部品の共通化を図ることができ、これに
よって、製造工程の簡略化およびコストの低減化が図ら
れている。とりわけ、本実施形態のように小型のチェー
ンブロックなど、全体的な小型化を図るために、駆動軸
6の長さを十分にとることができないようなものであっ
ても、上記した構成によって過負荷防止機構8が装備さ
れていない同様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6と
実質的に同じ駆動軸6の使用が可能であるため、その効
果の意義は特に大きい。
【0031】なお、図6に示すチェーンブロックは、過
負荷防止機構が装備されていない以外は、本実施形態の
チェーンブロックと同様の仕様であり、図6において、
同じ部材は同じ符号で示している。すなわち、図6にお
いては、図には現れていないが、その一端がロードシー
ブ3の軸孔に回転自在に挿通される駆動軸6には、メカ
ニカルブレーキ9を備えた伝動機構10の第2ハブ11
が相対回転不能に結合されており、その軸方向外方にお
いては、過負荷防止機構8の第1ハブ13が螺着される
ことなく、直接、ハンドホイール7Aのボス部22Aが
螺着されている。また、駆動軸6の軸端部には、その駆
動軸6に螺着されているハンドホイール7Aのボス部2
2Aと所定の間隔を隔てた状態において、止めナット3
4が螺着されている。この止めナット34は、駆動軸6
の軸端部にその軸方向移動不能に止めピン59によって
固定されており、止めナット34とハンドホイール7A
のボス部22Aとの間に、駆動軸6に対してスプライン
結合されるチェックワッシャー60を介在させた状態
で、ハンドホイール7Aの軸方向移動範囲を規制してい
る。
【0032】また、本実施形態のチェーンブロックで
は、過負荷防止機構8の第1ライニング板23および第
2ライニング板24がハンドホイール7のボス部22に
形成される第2凹部56および第3凹部57に受け入れ
られているので、その受け入れられた第1ライニング板
23および第2ライニング板24の厚み分だけ、過負荷
防止機構8の軸方向における小型化が図られている。そ
のため、本実施形態のように、かなり小型のチェーンブ
ロックで、駆動軸6の長さが非常に短いようなものであ
っても、止めナット34を第1ハブ13の小径筒部31
に開口される第1凹部32内において固定することに加
えて、さらに、第1ライニング板23および第2ライニ
ング板24を第2凹部56および第3凹部57に受け入
れさせることによって、過負荷防止機構8が装備されて
いない同様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6と実質
的に同じ駆動軸6の使用が可能とされている。
【0033】また、過負荷防止機構8を装備するにあた
っては、ハンドホイール7は、第1ハブ13に自由回転
可能に支持させる必要があることから、過負荷防止機構
8が装備されていないチェーンブロックのハンドホイー
ル7Aとは必ず別途用意する必要がある。そのため、過
負荷防止機構8を装備するにあたって必ず別途用意しな
ければならない、第1ハブ13およびハンドホイール7
のみに所定の第1凹部32、第2凹部56および第3凹
部57を形成することにより、過負荷防止機構8が装備
されていない同様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6
と実質的に同じ駆動軸6の使用が可能とされているの
で、最小限の部品の加工により、上記したような小型の
チェーンブロックなどにおける、部品の共通化が図られ
ており、これによって、そのような小型のチェーンブロ
ックの製造工程の簡略化およびコストの低減化が著しく
図られている。
【0034】さらに、第1ライニング板23および第2
ライニング板24は、ハンドホイール7のボス部22に
形成される第2凹部56および第3凹部57に受け入れ
られるので、第1ライニング板23および第2ライニン
グ板24のハンドホイール7のボス部22に対する位置
ずれが防止される。そのため、ハンドホイール7は、第
1ライニング板23および第2ライニング板24によっ
て確実に制動され、これによって、過負荷防止機構8の
信頼性を向上させることができる。
【0035】特に、本実施形態のチェーンブロックで
は、ハンドホイール7の両側に設けられる第1ライニン
グ板23および第2ライニング板24の両方が、ハンド
ホイール7のボス部22の両側に形成される第2凹部5
6および第3凹部53に受け入れられるので、その受け
入れられた第1ライニング板23および第2ライニング
板24の2つの厚み分、過負荷防止機構8の軸方向の小
型化が図られている。そのため、より長さの短い駆動軸
6であっても、過負荷防止機構8が装備されていない同
様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6と実質的に同じ
駆動軸6の使用が可能とされており、かつ、ハンドホイ
ール7は、第1ライニング板23および第2ライニング
板24の両方によって確実に制動されるので、過負荷防
止機構8の信頼性がより向上されている。
【0036】次に、このようにして構成された本実施形
態のチェーンブロックの使用方法について説明する。
【0037】まず、ロードチェーン61の先端に設けら
れる下フック(図示せず。)に、荷重設定機構21によ
って設定された定格荷重未満の荷物を巻上げる場合およ
び巻下げる場合について説明する。荷物を巻上げる場合
には、ハンドチェーン62を操作してハンドホイール7
を巻上げ方向に回転させると、このハンドホイール7と
共に回転される過負荷防止機構8の第1ハブ13が駆動
軸6上を螺進して、伝動機構10の第3ライニング17
を押圧し、これによって、駆動軸6に相対回転不能に結
合される伝動機構10の第2ハブ11を介して、駆動軸
6が正回転方向に駆動される。そして、駆動軸6が駆動
されると、この駆動が歯車減速機構36を介してロード
シーブ3に伝達され、これによって、ロードシーブ3が
荷物を巻き上げる方向に回転する。その結果、このロー
ドシーブ3に巻装されるロードチェーン61の先端に設
けられる下フックに吊り下げられた荷物が巻上げられ
る。なお、巻上げられた状態は、メカニカルブレーキ9
の作用、すなわち、逆転防止ギヤ12に対する逆転防止
爪15の噛み合いによって保持される。
【0038】また、荷物を巻下げる場合には、ハンドチ
ェーン62を操作してハンドホイール7を巻下げ方向に
回転させると、このハンドホイール7と共に回転される
過負荷防止機構8の第1ハブ13が駆動軸6上を螺退す
る。そうすると、第1ハブ13のフランジ部17と、伝
動機構10の第3ライニング17とが離れるので、メカ
ニカルブレーキ9の作用は解除され、駆動軸6は自由回
転可能となって、荷物の重みにより逆回転方向に回転さ
れ、荷物が巻下げられる。しかし、この駆動軸6の逆回
転方向の回転によって、この駆動軸6に螺着されている
過負荷防止機構8の第1ハブ13が、再び駆動軸6上を
螺進して、伝動機構10の第3ライニング17を押圧す
るので、メカニカルブレーキ9が作用して、駆動軸6の
逆回転方向の回転が阻止される。このように、荷物を巻
下ろす場合には、メカニカルブレーキ12の作用および
不作用が繰り返されながら、ロードシーブ3が少しずつ
巻下げ方向に回転し、これによって、荷物が巻下げられ
る。
【0039】そして、荷物が荷重設定機構21によって
設定された定格荷重以上である場合には、その荷物を巻
上げようとして、ハンドチェーン62を操作してハンド
ホイール7を巻上げ方向に回転させても、過負荷防止機
構8が作動して、つまり、ハンドホイール7が第1ライ
ニング板23および第2ライニング板24との間ですべ
り、第1ハブ13に対して自由回転するので、これによ
って、そのチェ−ンブロックの有する定格荷重以上の荷
物の巻上げが防止される。
【0040】また、一方で、たとえば、定格荷重以上の
荷物が途中まで巻上げられた状態で過負荷防止機構8が
作動した場合には、ハンドホイール7が第1ライニング
板23および第2ライニング板24との間ですべった状
態では、荷物の巻下げができないため、ワンウエイ機構
25によって、ハンドホイール7の第1ハブ13に対す
る巻下げ方向の自由回転を規制するようにして、定格荷
重以上の荷物であっても、巻下げができるようにしてい
る。
【0041】図6および図7は、このワンウエイ機構2
5を説明するための要部断面図である。以下、図3、図
6および図7を参照して、ワンウエイ機構25を説明す
る。
【0042】図3において、このワンウエイ機構25
は、第1ハブ13の大径筒部30の外周面に形成される
凹所49と、この凹所49内に設けられる係合部材とし
てのピン50と、このピン50を径方向外方に向けて付
勢するための付勢手段としてのばね51と、ハンドホイ
ール7のボス部22の受入孔58の内周面に開口され、
ピン50を受け入れ可能な凹状の受入部52とによって
構成されている。
【0043】凹所49は、大径筒部30の外周面から径
方向内方に向けて側面視略矩形状に開口されており、そ
の凹所49内に、ばね51が挿入されるとともに、この
ばね51の遊端部に円柱状のピン50が配置される。こ
れによって、ピン51は、常には、ばね51の付勢力に
よって大径筒部30の径方向外方に向けて付勢される。
一方、ハンドホイール7のボス部22の内周面には、そ
の内周面において互いに対向する位置、つまり、互いに
180°変位した位置に、2つの受入部52がそれぞれ
形成されている。
【0044】この受入部52は、図6および図7に示す
ように、ハンドホイール7を巻上げ方向に回転させた時
に、この受入部52に受け入れられたピン50を、ボス
部22の内周面に案内するために、傾斜状に形成される
傾斜面53と、ハンドホイール7を巻下げ方向に回転さ
せた時に、受入部52に受け入れられたピン50を、こ
の受入部52内で係止させるために、ボス部22の内周
面の径方向に実質的に沿って形成される係止面55と、
これら傾斜面53と係止面55とに連続し、受入部52
に受け入れられたピン50を保持するための平坦面54
とから構成されている。
【0045】傾斜面53は、ハンドホイール7のボス部
22の内周面の接線方向に沿い、かつハンドホイール7
のボス部22の内周面と傾斜面53との境に段差のない
形状であって、互いに対向する各受入部52の傾斜面5
3が、互いに平行となるように形成されている。
【0046】このように構成されたワンウエイ機構25
によると、定格荷重以上の荷物を巻上げようとして、ハ
ンドホイール7を巻上げ方向に回転させた場合、ハンド
ホイール7は第1ハブ13に対して自由回転するが、そ
の時、ワンウエイ機構25を構成するピン50は、常に
は径方向外方、つまりハンドホイール7のボス部22の
内周面に向かって付勢されているので、ハンドホイール
7のボス部22の内周面に形成される受入部52と対向
する毎に、その受入部52に受け入れられるが、その受
け入れられたピン50は、受入部52に形成される傾斜
面53に沿って、再びハンドホイール7のボス部22の
内周面に良好に案内される。(この状態が図6に示され
ている。)すなわち、ピン50は、ハンドホイール7の
ボス部22の内周面の接線方向に沿い、かつハンドホイ
ール7のボス部22の内周面との境に段差のない傾斜面
53に沿って、再びハンドホイール7のボス部22の内
周面に良好に案内されるので、受入部52に受け入れら
れたピン50をがたつかせることなく、そのままスムー
ズにハンドホイール7のボス部22の内周面に案内する
ことができる。
【0047】そのため、ピン50が受入部52に引っ掛
かって、定格荷重以上の荷物が不安定な状態で巻上げら
れたり、あるいは、ピン50や受入部52が損傷するこ
とを少なくすることができる。また、ハンドホイール7
を回転させた時にがたつきを生じることも少なく、第1
ハブ13やハンドホイール7に損傷を生ずるおそれも少
ない。
【0048】一方、たとえば、荷物が途中まで巻上げら
れた状態で定格荷重以上の負荷がかかって過負荷防止機
構8が作動した場合には、ハンドホイール7が第1ライ
ニング板23および第2ライニング板24との間ですべ
る状態にあっても、ワンウエイ機構25を構成するピン
50が受入部52に受け入れられることによって、巻下
げ方向における第1ハブ13に対するハンドホイール7
の自由回転が規制される。そのため、定格荷重以上の荷
物であっても巻下げることができる。そしてこの時、受
入部52に受け入れられたピン50は、受入部52に形
成される係止面55によって良好に係止される(この状
態が図7に示されている。)ので、第1ハブ13に対す
るハンドホイール7の自由回転を確実に規制でき、これ
によって、定格荷重以上の荷物であっても確実に巻下げ
ることができる。
【0049】また、ハンドホイール7を巻上げ方向に回
転させて、ハンドホイール7が第1ハブ13に対して自
由回転する時には、ピン50は、ハンドホイール7が1
回転する毎に、互いに対向する各受入部52にそれぞれ
受け入れられるが、各受入部52に形成される傾斜面5
3が、実質的に互いに平行となるように形成されている
ので、いずれの受入部52で受け入れられた場合でも、
その受け入れられたピン50は、同じような状態でその
傾斜面53に沿ってハンドホイール7のボス部22の内
周面に案内される。そのため、たとえば、ハンドチェー
ン62を巻上げ方向に少し引っ張っただけでも、第1ハ
ブ13に対してハンドホイール7が数回回転して、ピン
50と受入部52とが数回対向するような、本実施形態
の手動式のチェーンブロックにおいては、各受入部52
が対向位置にそれぞれ設けられ、かつ各傾斜面53が実
質的に平行となっているため、ピン50は、受入部52
と対向する機会が多くても、ハンドホイール7の回転に
伴って周期的に受入部52に受け入れられ、かつ各受入
部52において同じような状態でその傾斜面53に沿っ
てハンドホイール7のボス部22の内周面に案内される
ので、規則性をもった動作が確保される。そのため、ワ
ンウエイ機構25の耐久性および信頼性を向上させるこ
とができる。
【0050】その一方で、ハンドホイール7を巻下げ方
向に回転させた時は、ピン50は、ハンドホイール7が
1回転する間の途中において、互いに対向する各受入部
52のいずれか一方に受け入れられる。そのため、ハン
ドホイール7が1回転するまでの間に必ずピン50と受
入部52とが係合し、これによって、直ちに荷物の巻下
げを行なうことができる。
【0051】したがって、本実施形態のチェーンブロッ
クのように、ハンドチェーン62を巻上げ方向に少し引
っ張っただけでも、第1ハブ13に対してハンドホイー
ル7が数回回転して、ピン50と受入部52とが数回対
向するような手動式のものであっても、ハンドホイール
7を巻上げ方向に回転させた時には、第1ハブ13に対
するハンドホイール7のスムーズな自由回転を確保でき
るとともに、ハンドホイール7を巻下げ方向に回転させ
た時にも、ピン50をスムーズに受入部52に受け入れ
て、荷物の巻下げを良好に行なうことができる。
【0052】特に、ハンドホイール7の径が小さく、ハ
ンドチェーン62を少しでも引っ張るとピン50と受入
部52とが何度も対向するような、本実施形態のような
小型のチェーンブロックにおいては、このような構成に
よって、ピン50や受入部52の良好な動作を確保でき
るため、ワンウエイ機構25の耐久性や信頼性を一層向
上させることができる。
【0053】なお、本実施形態のワンウエイ機構25で
は、受入部52を、ハンドホイール7のボス部22の挿
通孔58の内周面において、互いに対向する位置に2つ
形成したが、互いに対向する位置でなくても、さらに
は、1つまたは3つ以上形成してもよい。しかし、受入
部52の数があまりに多いと第1ハブ13に対するハン
ドホイール7のがたつきが大きくなり、一方、たとえ
ば、受入部52が1つであると、上述したように直ちに
巻下げることができない。そのため、本実施形態のよう
な小型のチェーンブロックでは、互いに対向する位置に
2つ形成することが、チェーンブロックの操作性、耐久
性および信頼正を向上させる点から最も好ましい。
【0054】また、本実施形態のハンドホイール7のボ
ス部22には、その両側に、第2凹部56および第3凹
部57を形成したが、いずれか一方のみ形成するように
してもよい。さらに、ワンウエイ機構25においてピン
50を使用したが、ピン50に代えてボールを使用して
もよい。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、規制部材をハブ部材の凹部内において固定
することによって、過負荷防止機構が装備されていない
チェーンブロックに使用される駆動軸と実質的に同じ駆
動軸を使用するようにしたので、過負荷防止機構が装備
されていないチェーンブロックとの部品の共通化を図る
ことができ、これによって、製造工程の簡略化およびコ
ストの低減化を図ることができる。
【0056】とりわけ、小型のチェーンブロックなど、
全体的に小型化を図るために、駆動軸の長さを十分にと
ることができないようなものであっても、上記した構成
によって過負荷防止機構が装備されていないチェーンブ
ロックの駆動軸と実質的に同じ駆動軸の使用が可能であ
るため、その効果の意義は特に大きい。
【0057】請求項2に記載の発明によれば、過負荷防
止機構を構成する制動板がハンドホイールのボス部に形
成される凹部に受け入れられるので、その受け入れられ
た制動板の厚み分だけ、過負荷防止機構の軸方向の小型
化を図ることができる。そのため、かなり小型のチェー
ンブロックなど、駆動軸の長さが非常に短いようなもの
であっても、規制部材をハブ部材の凹部内において固定
することに加えて、さらに、このように、制動板をハン
ドホイールのボス部に受け入れさせることによって、過
負荷防止機構が装備されていないチェーンブロックの駆
動軸と実質的に同じ駆動軸の使用を可能とすることがで
きる。
【0058】また、過負荷防止機構を装備するにあたっ
ては、ハンドホイールは、ハブ部材に自由回転可能に支
持させる必要があることから、過負荷防止機構が装備さ
れていないチェーンブロックのハンドホイールとは必ず
別途用意する必要がある。そのため、過負荷防止機構を
装備するにあたって必ず別途用意しなければならない、
ハブ部材およびハンドホイールのみに所定の凹部を形成
することにより、過負荷防止機構が装備されていないチ
ェーンブロックの駆動軸と実質的に同じ駆動軸の使用を
可能としているので、最小限の部品の加工により、上記
したような小型のチェーンブロックなどにおける、部品
の共通化を図ることができ、これによって、そのような
小型のチェーンブロックの製造工程の簡略化およびコス
トの低減化を著しく図ることができる。
【0059】さらに、制動板は、ハンドホイールのボス
部に形成される凹部に受け入れられるので、制動板のハ
ンドホイールのボス部に対する位置ずれが防止される。
そのため、ハンドホイールは、制動板によって確実に制
動されることができ、過負荷防止機構の信頼性を向上さ
せることができる。
【0060】請求項3に記載の発明によれば、ハンドホ
イールの両側に設けられる制動板がハンドホイールのボ
ス部の両側に形成される凹部に受け入れられるので、そ
の受け入れられた2つの制動板の厚み分、過負荷防止機
構の軸方向の小型化を図ることができる。そのため、よ
り長さの短い駆動軸であっても、過負荷防止機構が装備
されていないチェーンブロックの駆動軸と実質的に同じ
駆動軸の使用を可能とすることができ、かつ、ハンドホ
イールは、2つの制動板によって確実に制動されるの
で、過負荷防止機構の信頼性をさらに向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチェーンブロックの一実施形態として
の、手動式の小型のチェーンブロックを示す縦断面図で
ある。
【図2】図1に示すチェーンブロックのハンドホイール
を示す側面図である。
【図3】図2に示すハンドホイールの正面図である。
【図4】図1に示すチェーンブロックの第1ハブを示す
側面図である。
【図5】図2に示す第1ハブの正面図である。
【図6】過負荷防止機構が装備されていないチェーンブ
ロックの一実施形態を示す要部縦断面図である。
【図7】ワンウエイ機構を説明するための要部側面図で
ある。
【図8】ワンウエイ機構を説明するための要部側面図で
ある。
【符号の説明】
3 ロードシーブ 6 駆動軸 7 ハンドホイール 8 過負荷防止機構 9 メカニカルブレーキ 10 伝動機構 13 第1ハブ 20 ポケット部 22 ボス部 23 第1ライニング板 24 第2ライニング板 32 第1凹部 34 止めナット 56 第2凹部 57 第3凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月26日(1999.10.
26)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 チェーンブロック
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンブロッ
ク、詳しくは、ハンドホイールに巻回されるハンドチェ
ーンの操作により、ロードシーブを回転させて、そのロ
ードシーブに巻回されるロードチェンの巻上げ、巻下げ
を行なう、手動式のチェーンブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の手動式のチェーンブ
ロックは、互いに対向する2つのサイドプレートの間に
軸受を介して支持されるロードシーブと、一方のサイド
プレートの外側に設けられ、駆動軸および歯車減速機構
を介してロードシーブを駆動するハンドホイールと、こ
のハンドホイールとロードシーブとの間に介在されて、
所定の制動動作が行なわれる、メカニカルブレーキを備
えた伝動機構とを備えており、ハンドホイールに巻回さ
れるハンドチェーンの操作により、ロードシーブに巻回
されているロードチェーンのフックに吊り下げられた荷
物を、巻上げまたは巻下げできるように構成されてい
る。
【0003】このようなチェ−ンブロックにおいては、
そのチェ−ンブロックの有する定格荷重以上の荷物の巻
上げを防止するために、ロードシーブに定格荷重以上の
負荷がかかった時に、ハンドホイールの巻上げ方向の自
由回転を許容する過負荷防止機構が装備されているもの
が知られている。
【0004】この過負荷防止機構は、たとえば、駆動軸
に螺着され、ハンドホイールを自由回転可能に支持する
ハブ部材と、定格荷重を設定するために、このハブ部材
における軸方向外側端部に設けられる荷重設定機構と、
ハブ部材とハンドホイールとの間およびハンドホイール
と荷重設定機構との間にそれぞれ自由回転可能に設けら
れる2つのライニング板とを備えている。そして、荷重
設定機構によってライニング板を押圧することで所定の
定格荷重を設定しておき、その定格荷重以上の負荷がか
かった状態でハンドホイールを巻上げ方向に回転させた
時には、ハンドホイールを、その両側に配置させた2つ
のライニング板との間ですべらせることによって、ハブ
部材に対するハンドホイールの自由回転を、許容するよ
うに構成している。
【0005】また、一方で、たとえば、荷物が途中まで
巻上げられた状態で定格荷重以上の負荷がかかって過負
荷防止機構が作動した場合には、ハンドホイールがその
両側に配置される2つのライニング板との間ですべった
ままの状態となり、荷物の巻下げができないため、ハブ
部材の外周面に凹所を形成して、この凹所内に、ピン
と、そのピンを径方向外方に向かって付勢するばねを設
けるとともに、ハンドホイールのボス部の内周面に、そ
のピンを、巻下げ方向に回転させた時のみ係止可能な受
入部を設けて、これによって、ハンドホイールのハブ部
材に対する巻上げ方向の自由回転のみを許容し、巻下げ
方向の自由回転を規制するワンウエイ機構を構成し、そ
の結果、定格荷重以上の負荷がかかった場合でも、荷物
の巻下げができるように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような過
負荷防止機構は、通常、チェーンブロックの上級機種に
装備されているものであり、過負荷防止機構は装備され
ていないが、それ以外の使用が同じチェーンブロック
も、同時に製造販売されることが常となっている。この
ように、過負荷防止機構が装備されていないチェーンブ
ロックと過負荷防止機構が装備されているチェーンブロ
ックとの両方を製造するにあたっては、過負荷防止機構
以外の部品を共通化することが、製造工程の簡略化およ
びコストの低減化を図る上において好ましい。
【0007】しかし、過負荷防止機構のハブ部材は、駆
動軸に螺着されるため、駆動軸はハブ部材を螺着させる
ための長さを有することが必要とされる。そのため、過
負荷防止機構が装備されるチェーンブロックに使用され
る駆動軸は、過負荷防止機構が装備されないチェーンブ
ロックに使用される駆動軸とは、別の形状および長さと
して用意しておく必要がある。
【0008】しかるに、駆動軸を、予め比較的長い長さ
で用意して、これを過負荷防止機構が装備されるチェー
ンブロックおよび過負荷防止機構が装備されないチェー
ンブロックの両方に使用することも考えられるが、たと
えば、小型のチェーンブロックでは、全体的な小型化を
図るために、駆動軸の長さを十分にとることができな
い。
【0009】本発明の目的は、上記した課題を解決する
ためになされたものであり、過負荷防止機構が装備され
ていないチェーンブロックの部品を、より多く共通して
使用することができ、製造工程の簡略化およびコストの
低減化を図ることができる、過負荷防止機構が装備され
ているチェーンブロックを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、ロードチェーンが噛み合
うロードシーブと、ハンドチェーンが噛み合うハンドホ
イールと、前記ハンドホイールと前記ロードシーブとの
間に介在される、メカニカルブレーキを備えた伝動機構
と、前記ハンドホイールを支持し、前記ロードシーブに
定格荷重以上の負荷がかかった時に、前記ハンドホイー
ルの巻上げ方向の自由回転を許容する過負荷防止機構
と、前記ロードシーブ、前記伝動機構および前記過負荷
防止機構に挿通され、前記ハンドホイールからの駆動を
伝達するための駆動軸と、前記駆動軸の軸端部に設けら
れ、前記駆動軸からの駆動を前記ロードシーブに所定の
減速比で伝達するための歯車減速機構とを備え、前記ハ
ンドホイールからの駆動が、前記駆動軸および前記歯車
減速機構を介して、所定の減速比で前記ロードシーブに
伝達される、チェーンブロックにおいて、前記過負荷防
止機構は、前記駆動軸に螺着され、前記ハンドホイール
を自由回転可能に支持するハブ部材を備えるとともに、
前記駆動軸の軸端部には、前記ハブ部材の軸方向移動範
囲を規制するための規制部材が設けられ、前記ハブ部材
には、前記規制部材を受け入れるための凹部が形成され
るとともに、前記駆動軸は、前記過負荷防止機構が装備
されていないチェーンブロックに使用される駆動軸と実
質的に同じ駆動軸が使用され、前記規制部材は、その少
なくとも一部が、前記凹部内において前記駆動軸に対し
て軸方向移動不能に固定されていることを特徴としてい
る。
【0011】このような構成によると、過負荷防止機構
が装備されていないチェーンブロックに使用される駆動
軸と実質的に同じ駆動軸が使用され、その駆動軸の軸端
部には、駆動軸にハブ部材が螺着された状態で、規制部
材がハブ部材の凹部内において駆動軸に対して軸方向移
動不能に固定される。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記ハンドホイールは、その外
周側に、前記ハンドチェーンを受け入れるための複数の
ポケット部と、その基側に、前記ハブ部材を受け入れる
ための受入孔が形成されるボス部とを備えるとともに、
前記過負荷防止機構は、前記ハンドホイールの前記ボス
部の両側に設けられ、前記ハブ部材に自由回転可能に支
持される制動板を備えており、前記ハンドホイールの前
記ボス部の両側には、前記制動板を受け入れるための凹
部が、前記制動板の厚さと同じくらいの深さで形成され
ていることを特徴としている。
【0013】このような構成によると、ハンドホイール
のボス部の両側に設けられる制動板がハンドホイールの
ボス部の両側に形成される凹部に受け入れられる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を示
す手動式の小型のチェーンブロックの縦断面図である。
このチェーンブロックは、互いに対向する左サイドプレ
ート1と右サイドプレート2との間に、ロードチェーン
61が噛み合うように巻回されるロードシーブ3が、2
つの軸受4および5を介して回転自在に支持されてい
る。
【0015】このロードシーブ3には、その軸孔に駆動
軸6が回転自在に挿通されており、この駆動軸6に、右
サイドプレート2の外側において、メカニカルブレーキ
9を備えた伝動機構10および過負荷防止機構8が、挿
通された状態で支持されている。また、過負荷防止機構
8には、ハンドチェーン62が噛み合うように巻回され
るハンドホイール7が支持されている。なお、この駆動
軸6は、後で詳述するが、過負荷防止機構8が装備され
ていないチェーンブロックに使用される駆動軸と実質的
に同じものが使用されている。
【0016】伝動機構10は、駆動軸6に相対回転不能
に結合(図1では、ねじ結合されている。)される第2
ハブ11、第3ライニング板17、逆転防止ギヤ12お
よび第4ライニング板18を備えている。
【0017】第2ハブ11には、フランジ部と、そのフ
ランジ部から軸方向外方に突出する筒部とが一体に形成
されており、逆転防止ギヤ12、第3ライニング板17
および第4ライニング板18は、逆転防止ギヤ12と過
負荷防止機構8の後述する第1ハブ13との間に第3ラ
イニング板17が介在され、また、第2ハブ11のフラ
ンジ部と逆転防止ギヤ12との間に第4ライニング板1
8が介在されるような状態で、第2ハブ11の筒部に自
由回転可能に支持されている。
【0018】また、右サイドプレート2上には爪軸14
が設けられ、この爪軸14に、逆転防止ギヤ12に噛み
合う逆転防止爪15が揺動可能に枢着されている。さら
に、この逆転防止爪15と右サイドプレート2との間に
は、逆転防止爪15を逆転防止ギヤ12に向けて付勢す
る爪ばね16が設けられている。なお、この伝動機構1
0において、メカニカルブレーキ9は、第2ハブ11、
逆転防止ギヤ12、逆転防止爪15、第3ライニング板
17および第4ライニング板18により構成されてい
る。
【0019】ハンドホイール7は、図2および図3に示
すように、その外周側に、ハンドチェーン62を受け入
れるための複数のポケット部20と、その基側に、過負
荷防止機構8の後述する第1ハブ13を受け入れるため
の受入孔58が形成されるボス部22とを備えている。
ボス部22の両側には、後述する第1ライニング板23
および第2ライニング板24をそれぞれ受け入れるため
の凹部としての第2凹部56および第3凹部57が形成
されている。これら第2凹部56および第3凹部57
は、その側面視において、第1ライニング板23および
第2ライニング板24の外径よりもやや大きい円形状に
形成され、また、第1ライニング板23および第2ライ
ニング板24の厚さと、同じくらいの深さで形成されて
いる。
【0020】過負荷防止機構8は、図1に示すように、
駆動軸6に螺着されるハブ部材としての第1ハブ13、
定格荷重を設定するための荷重設定機構21、制動板と
しての第1ライニング板23、制動板としての第2ライ
ニング板24、およびハンドホイール7の第1ハブ13
に対する巻上げ方向の自由回転を許容し、巻下げ方向の
自由回転を規制するワンウエイ機構25を備えている。
【0021】第1ハブ13には、図4および図5に示す
ように、フランジ部19と、そのフランジ部19から軸
方向外方に突出する大径筒部30と、その大径筒部30
から軸方向外方に突出し、大径筒部30よりも小径とさ
れた小径筒部31とが一体に形成されており、小径筒部
31には、その先端面に凹部としての第1凹部32が開
口されている。この第1凹部32は、その側面視におい
て、少なくとも後述する止めナット34の外径よりも大
きい円形状に形成され、また、少なくとも止めナット3
4の一部を受け入れることができるような深さで形成さ
れている。また、小径筒部31の外周面には、おねじが
形成されている。
【0022】ハンドホイール7、第1ライニング板23
および第2ライニング板24は、ハンドホイール7のボ
ス部22と荷重設定機構21の後述するライニング押え
部材26との間に第1ライニング板23が介在され、ま
た、第1ハブ13のフランジ部19とハンドホイール7
のボス部22との間に第2ライニング板24が介在され
るような状態で、第1ハブ13の大径筒部30に自由回
転可能に支持されている。これによって、ハンドホイー
ル7のボス部22の両側に形成される第2凹部56およ
び第3凹部57に、第1ライニング板23および第2ラ
イニング板24がそれぞれ嵌め込まれる。
【0023】荷重設定機構21は、ライニング押え部材
26、付勢手段としての皿ばね27、回り止め部材2
8、および締め込みナット29により構成されている。
ライニング押え部材26は、前述したように、第1ライ
ニング板23に当接させた状態で、第1ハブ13の大径
筒部30に自由回転可能に支持させるとともに、そのラ
イニング押え部材26を第1ライニング板23に向けて
付勢するために、皿ばね27が、ライニング押え部材2
6に当接した状態で、第1ハブ13の小径筒部31に支
持されている。また、その皿ばね27の付勢力を調節す
るために、締め込みナット29が、回り止め部材28を
介して皿ばね27を押圧する状態で、第1ハブ13の小
径筒部31に螺着されている。
【0024】これによって、締め込みナット29を第1
ハブ13の小径筒部31に対し螺進させると、この締め
込みナット29と第1ハブ13のフランジ部19との間
において、皿ばね27がライニング押え部材26を介し
て第1ライニング板23、ハンドホイール7、第2ライ
ニング板24を強く押圧して、重たい荷物を巻上げる時
でも、第1ライニング板23および第2ライニング板2
4に対してハンドホイール7がすべらないように、言い
換えると、定格荷重を高く設定することができ、逆に、
締め込みナット29を第1ハブ13の小径筒部31に対
し螺退させると、この締め込みナット29と第1ハブ1
3のフランジ部19との間において、皿ばね27の第1
ライニング板23、ハンドホイール7、第2ライニング
板24に対する押圧力が弱くなり、重たい荷物を巻上げ
る時に、第1ライニング板23および第2ライニング板
24に対してハンドホイール7をすべらせるように、言
い換えると、定格荷重を低く設定することができる。
【0025】また、駆動軸6における過負荷防止機構8
が取り付けられる側の軸端部には、その駆動軸6に螺着
されている第1ハブ13と所定の間隔を隔てた状態にお
いて、規制部材としての止めナット34が螺着されてい
る。この止めナット34は、第1ハブ13の小径筒部3
1の先端面に開口される第1凹部32内において、駆動
軸6の軸端部にその軸方向移動不能に止めピン59によ
って固定されており、止めナット34と第1凹部32の
底面との間にワッシャ33を介在させた状態で、第1ハ
ブ13の軸方向移動範囲を規制している。
【0026】一方、駆動軸6の軸方向他端側の軸端部
は、軸受35により支持されており、この軸受35とロ
ードシーブ3との間であって、左サイドプレート1の外
側には、複数の減速ギヤをもつ歯車減速機構36が設け
られている。この歯車減速機構36は、駆動軸6の軸端
部に一体に形成される第1ギヤ37と、この第1ギヤ3
7に噛み合い、図示しない1対の中間軸にそれぞれ支持
される第2ギヤ38および第3ギヤ39(図1では、中
間軸は現れず、第2ギヤ38および第3ギヤ39の一方
のみが現れている。)と、ロードシーブ3の延長部に結
合され、第3ギヤ39に噛み合う第4ギヤ40とによっ
て構成されている。駆動軸6からの駆動は、第1ギヤ3
7からそれと噛み合う第2ギヤ38に伝達され、この第
2ギヤ38を支持している中間軸から同じくこの中間軸
に支持されている第3ギヤ39を介して第4ギヤ40に
伝達され、これによって、所定の減速比で駆動軸6から
の駆動がロードシーブ3に伝達される。
【0027】また、左サイドプレート1の外側には、歯
車減速機構36を覆うギヤカバー41が、右サイドプレ
ート2の外側には、ハンドホイール7を覆う一側開放の
ホイールカバー42が、それぞれ、左サイドプレート1
および右サイドプレート2を連結する3本のステーボル
ト(図1では、2本のステーボルト43および44のみ
が現れている。)により脱着可能に取り付けられてい
る。また、右サイドプレート2とハンドホイール7との
間には、逆転防止ギヤ12の外周りを覆うブレーキカバ
ー45が設けられている。さらに、左サイドプレート1
および右サイドプレート2の間における下側にはチェー
ンけり46が、左サイドプレート1および右サイドプレ
ート2の間におけるロードシーブ3の上側には、ロード
チェーン61を案内するチェーンガイド47が設けられ
ており、また、そのチェーンガイド47の上方には、こ
のチェーンブロックを吊り下げるための上フック48が
設けられている。
【0028】このように構成された本実施形態のチェー
ンブロックでは、止めナット34を第1ハブ13の小径
筒部31に開口される第1凹部32内において固定する
ことによって、たとえば、図6にその要部を示すよう
な、過負荷防止機構8が装備されていない本実施形態と
同様の仕様のチェーンブロックに使用される駆動軸6と
実質的に同じ駆動軸6を使用できるようにしたので、過
負荷防止機構8が装備されていない同様の仕様のチェー
ンブロックとの部品の共通化を図ることができ、これに
よって、製造工程の簡略化およびコストの低減化が図ら
れている。とりわけ、本実施形態のように小型のチェー
ンブロックなど、全体的な小型化を図るために、駆動軸
6の長さを十分にとることができないようなものであっ
ても、上記した構成によって過負荷防止機構8が装備さ
れていない同様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6と
実質的に同じ駆動軸6の使用が可能であるため、その効
果の意義は特に大きい。
【0029】なお、図6に示すチェーンブロックは、過
負荷防止機構が装備されていない以外は、本実施形態の
チェーンブロックと同様の仕様であり、図6において、
同じ部材は同じ符号で示している。すなわち、図6にお
いては、図には現れていないが、その一端がロードシー
ブ3の軸孔に回転自在に挿通される駆動軸6には、メカ
ニカルブレーキ9を備えた伝動機構10の第2ハブ11
が相対回転不能に結合されており、その軸方向外方にお
いては、過負荷防止機構8の第1ハブ13が螺着される
ことなく、直接、ハンドホイール7Aのボス部22Aが
螺着されている。また、駆動軸6の軸端部には、その駆
動軸6に螺着されているハンドホイール7Aのボス部2
2Aと所定の間隔を隔てた状態において、止めナット3
4が螺着されている。この止めナット34は、駆動軸6
の軸端部にその軸方向移動不能に止めピン59によって
固定されており、止めナット34とハンドホイール7A
のボス部22Aとの間に、駆動軸6に対してスプライン
結合されるチェックワッシャー60を介在させた状態
で、ハンドホイール7Aの軸方向移動範囲を規制してい
る。
【0030】また、本実施形態のチェーンブロックで
は、過負荷防止機構8の第1ライニング板23および第
2ライニング板24がハンドホイール7のボス部22に
形成される第2凹部56および第3凹部57に受け入れ
られているので、その受け入れられた第1ライニング板
23および第2ライニング板24の厚み分だけ、過負荷
防止機構8の軸方向における小型化が図られている。そ
のため、本実施形態のように、かなり小型のチェーンブ
ロックで、駆動軸6の長さが非常に短いようなものであ
っても、止めナット34を第1ハブ13の小径筒部31
に開口される第1凹部32内において固定することに加
えて、さらに、第1ライニング板23および第2ライニ
ング板24を第2凹部56および第3凹部57に受け入
れさせることによって、過負荷防止機構8が装備されて
いない同様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6と実質
的に同じ駆動軸6の使用が可能とされている。
【0031】また、過負荷防止機構8を装備するにあた
っては、ハンドホイール7は、第1ハブ13に自由回転
可能に支持させる必要があることから、過負荷防止機構
8が装備されていないチェーンブロックのハンドホイー
ル7Aとは必ず別途用意する必要がある。そのため、過
負荷防止機構8を装備するにあたって必ず別途用意しな
ければならない、第1ハブ13およびハンドホイール7
のみに所定の第1凹部32、第2凹部56および第3凹
部57を形成することにより、過負荷防止機構8が装備
されていない同様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6
と実質的に同じ駆動軸6の使用が可能とされているの
で、最小限の部品の加工により、上記したような小型の
チェーンブロックなどにおける、部品の共通化が図られ
ており、これによって、そのような小型のチェーンブロ
ックの製造工程の簡略化およびコストの低減化が著しく
図られている。
【0032】さらに、第1ライニング板23および第2
ライニング板24は、ハンドホイール7のボス部22に
形成される第2凹部56および第3凹部57に受け入れ
られるので、第1ライニング板23および第2ライニン
グ板24のハンドホイール7のボス部22に対する位置
ずれが防止される。そのため、ハンドホイール7は、第
1ライニング板23および第2ライニング板24によっ
て確実に制動され、これによって、過負荷防止機構8の
信頼性を向上させることができる。
【0033】特に、本実施形態のチェーンブロックで
は、ハンドホイール7の両側に設けられる第1ライニン
グ板23および第2ライニング板24の両方が、ハンド
ホイール7のボス部22の両側に形成される第2凹部5
6および第3凹部57に受け入れられるので、その受け
入れられた第1ライニング板23および第2ライニング
板24の2つの厚み分、過負荷防止機構8の軸方向の小
型化が図られている。そのため、より長さの短い駆動軸
6であっても、過負荷防止機構8が装備されていない同
様の仕様のチェーンブロックの駆動軸6と実質的に同じ
駆動軸6の使用が可能とされており、かつ、ハンドホイ
ール7は、第1ライニング板23および第2ライニング
板24の両方によって確実に制動されるので、過負荷防
止機構8の信頼性がより向上されている。
【0034】次に、このようにして構成された本実施形
態のチェーンブロックの使用方法について説明する。
【0035】まず、ロードチェーン61の先端に設けら
れる下フック(図示せず。)に、荷重設定機構21によ
って設定された定格荷重未満の荷物を巻上げる場合およ
び巻下げる場合について説明する。荷物を巻上げる場合
には、ハンドチェーン62を操作してハンドホイール7
を巻上げ方向に回転させると、このハンドホイール7と
共に回転される過負荷防止機構8の第1ハブ13が駆動
軸6上を螺進して、伝動機構10の第3ライニング板1
7を押圧し、これによって、駆動軸6に相対回転不能に
結合される伝動機構10の第2ハブ11を介して、駆動
軸6が正回転方向に駆動される。そして、駆動軸6が駆
動されると、この駆動が歯車減速機構36を介してロー
ドシーブ3に伝達され、これによって、ロードシーブ3
が荷物を巻き上げる方向に回転する。その結果、このロ
ードシーブ3に巻装されるロードチェーン61の先端に
設けられる下フックに吊り下げられた荷物が巻上げられ
る。なお、巻上げられた状態は、メカニカルブレーキ9
の作用、すなわち、逆転防止ギヤ12に対する逆転防止
爪15の噛み合いによって保持される。
【0036】また、荷物を巻下げる場合には、ハンドチ
ェーン62を操作してハンドホイール7を巻下げ方向に
回転させると、このハンドホイール7と共に回転される
過負荷防止機構8の第1ハブ13が駆動軸6上を螺退す
る。そうすると、第1ハブ13のフランジ部19と、伝
動機構10の第3ライニング板17とが離れるので、メ
カニカルブレーキ9の作用は解除され、駆動軸6は自由
回転可能となって、荷物の重みにより逆回転方向に回転
され、荷物が巻下げられる。しかし、この駆動軸6の逆
回転方向の回転によって、この駆動軸6に螺着されてい
る過負荷防止機構8の第1ハブ13が、再び駆動軸6上
を螺進して、伝動機構10の第3ライニング板17を押
圧するので、メカニカルブレーキ9が作用して、駆動軸
6の逆回転方向の回転が阻止される。このように、荷物
を巻下ろす場合には、メカニカルブレーキ9の作用およ
び不作用が繰り返されながら、ロードシーブ3が少しず
つ巻下げ方向に回転し、これによって、荷物が巻下げら
れる。
【0037】そして、荷物が荷重設定機構21によって
設定された定格荷重以上である場合には、その荷物を巻
上げようとして、ハンドチェーン62を操作してハンド
ホイール7を巻上げ方向に回転させても、過負荷防止機
構8が作動して、つまり、ハンドホイール7が第1ライ
ニング板23および第2ライニング板24との間ですべ
り、第1ハブ13に対して自由回転するので、これによ
って、そのチェ−ンブロックの有する定格荷重以上の荷
物の巻上げが防止される。
【0038】また、一方で、たとえば、定格荷重以上の
荷物が途中まで巻上げられた状態で過負荷防止機構8が
作動した場合には、ハンドホイール7が第1ライニング
板23および第2ライニング板24との間ですべった状
態では、荷物の巻下げができないため、ワンウエイ機構
25によって、ハンドホイール7の第1ハブ13に対す
る巻下げ方向の自由回転を規制するようにして、定格荷
重以上の荷物であっても、巻下げができるようにしてい
る。
【0039】図7および図8は、このワンウエイ機構2
5を説明するための要部断面図である。以下、図2、図
7および図8を参照して、ワンウエイ機構25を説明す
る。
【0040】図2において、このワンウエイ機構25
は、第1ハブ13の大径筒部30の外周面に形成される
凹所49と、この凹所49内に設けられる係合部材とし
てのピン50と、このピン50を径方向外方に向けて付
勢するための付勢手段としてのばね51と、ハンドホイ
ール7のボス部22の受入孔58の内周面に開口され、
ピン50を受け入れ可能な凹状の受入部52とによって
構成されている。
【0041】凹所49は、大径筒部30の外周面から径
方向内方に向けて側面視略矩形状に開口されており、そ
の凹所49内に、ばね51が挿入されるとともに、この
ばね51の遊端部に円柱状のピン50が配置される。こ
れによって、ピン50は、常には、ばね51の付勢力に
よって大径筒部30の径方向外方に向けて付勢される。
一方、ハンドホイール7のボス部22の内周面には、そ
の内周面において互いに対向する位置、つまり、互いに
180°変位した位置に、2つの受入部52がそれぞれ
形成されている。
【0042】この受入部52は、図7および図8に示す
ように、ハンドホイール7を巻上げ方向に回転させた時
に、この受入部52に受け入れられたピン50を、ボス
部22の内周面に案内するために、傾斜状に形成される
傾斜面53と、ハンドホイール7を巻下げ方向に回転さ
せた時に、受入部52に受け入れられたピン50を、こ
の受入部52内で係止させるために、ボス部22の内周
面の径方向に実質的に沿って形成される係止面55と、
これら傾斜面53と係止面55とに連続し、受入部52
に受け入れられたピン50を保持するための平坦面54
とから構成されている。
【0043】傾斜面53は、ハンドホイール7のボス部
22の内周面の接線方向に沿い、かつハンドホイール7
のボス部22の内周面と傾斜面53との境に段差のない
形状であって、互いに対向する各受入部52の傾斜面5
3が、互いに平行となるように形成されている。
【0044】このように構成されたワンウエイ機構25
によると、定格荷重以上の荷物を巻上げようとして、ハ
ンドホイール7を巻上げ方向に回転させた場合、ハンド
ホイール7は第1ハブ13に対して自由回転するが、そ
の時、ワンウエイ機構25を構成するピン50は、常に
は径方向外方、つまりハンドホイール7のボス部22の
内周面に向かって付勢されているので、ハンドホイール
7のボス部22の内周面に形成される受入部52と対向
する毎に、その受入部52に受け入れられるが、その受
け入れられたピン50は、受入部52に形成される傾斜
面53に沿って、再びハンドホイール7のボス部22の
内周面に良好に案内される。(この状態が図7に示され
ている。)すなわち、ピン50は、ハンドホイール7の
ボス部22の内周面の接線方向に沿い、かつハンドホイ
ール7のボス部22の内周面との境に段差のない傾斜面
53に沿って、再びハンドホイール7のボス部22の内
周面に良好に案内されるので、受入部52に受け入れら
れたピン50をがたつかせることなく、そのままスムー
ズにハンドホイール7のボス部22の内周面に案内する
ことができる。
【0045】そのため、ピン50が受入部52に引っ掛
かって、定格荷重以上の荷物が不安定な状態で巻上げら
れたり、あるいは、ピン50や受入部52が損傷するこ
とを少なくすることができる。また、ハンドホイール7
を回転させた時にがたつきを生じることも少なく、第1
ハブ13やハンドホイール7に損傷を生ずるおそれも少
ない。
【0046】一方、たとえば、荷物が途中まで巻上げら
れた状態で定格荷重以上の負荷がかかって過負荷防止機
構8が作動した場合には、ハンドホイール7が第1ライ
ニング板23および第2ライニング板24との間ですべ
る状態にあっても、ワンウエイ機構25を構成するピン
50が受入部52に受け入れられることによって、巻下
げ方向における第1ハブ13に対するハンドホイール7
の自由回転が規制される。そのため、定格荷重以上の荷
物であっても巻下げることができる。そしてこの時、受
入部52に受け入れられたピン50は、受入部52に形
成される係止面55によって良好に係止される(この状
態が図8に示されている。)ので、第1ハブ13に対す
るハンドホイール7の自由回転を確実に規制でき、これ
によって、定格荷重以上の荷物であっても確実に巻下げ
ることができる。
【0047】また、ハンドホイール7を巻上げ方向に回
転させて、ハンドホイール7が第1ハブ13に対して自
由回転する時には、ピン50は、ハンドホイール7が1
回転する毎に、互いに対向する各受入部52にそれぞれ
受け入れられるが、各受入部52に形成される傾斜面5
3が、実質的に互いに平行となるように形成されている
ので、いずれの受入部52で受け入れられた場合でも、
その受け入れられたピン50は、同じような状態でその
傾斜面53に沿ってハンドホイール7のボス部22の内
周面に案内される。そのため、たとえば、ハンドチェー
ン62を巻上げ方向に少し引っ張っただけでも、第1ハ
ブ13に対してハンドホイール7が数回回転して、ピン
50と受入部52とが数回対向するような、本実施形態
の手動式のチェーンブロックにおいては、各受入部52
が対向位置にそれぞれ設けられ、かつ各傾斜面53が実
質的に平行となっているため、ピン50は、受入部52
と対向する機会が多くても、ハンドホイール7の回転に
伴って周期的に受入部52に受け入れられ、かつ各受入
部52において同じような状態でその傾斜面53に沿っ
てハンドホイール7のボス部22の内周面に案内される
ので、規則性をもった動作が確保される。そのため、ワ
ンウエイ機構25の耐久性および信頼性を向上させるこ
とができる。
【0048】その一方で、ハンドホイール7を巻下げ方
向に回転させた時は、ピン50は、ハンドホイール7が
1回転する間の途中において、互いに対向する各受入部
52のいずれか一方に受け入れられる。そのため、ハン
ドホイール7が1回転するまでの間に必ずピン50と受
入部52とが係合し、これによって、直ちに荷物の巻下
げを行なうことができる。
【0049】したがって、本実施形態のチェーンブロッ
クのように、ハンドチェーン62を巻上げ方向に少し引
っ張っただけでも、第1ハブ13に対してハンドホイー
ル7が数回回転して、ピン50と受入部52とが数回対
向するような手動式のものであっても、ハンドホイール
7を巻上げ方向に回転させた時には、第1ハブ13に対
するハンドホイール7のスムーズな自由回転を確保でき
るとともに、ハンドホイール7を巻下げ方向に回転させ
た時にも、ピン50をスムーズに受入部52に受け入れ
て、荷物の巻下げを良好に行なうことができる。
【0050】特に、ハンドホイール7の径が小さく、ハ
ンドチェーン62を少しでも引っ張るとピン50と受入
部52とが何度も対向するような、本実施形態のような
小型のチェーンブロックにおいては、このような構成に
よって、ピン50や受入部52の良好な動作を確保でき
るため、ワンウエイ機構25の耐久性や信頼性を一層向
上させることができる。
【0051】なお、本実施形態のワンウエイ機構25で
は、受入部52を、ハンドホイール7のボス部22の受
入孔58の内周面において、互いに対向する位置に2つ
形成したが、互いに対向する位置でなくても、さらに
は、1つまたは3つ以上形成してもよい。しかし、受入
部52の数があまりに多いと第1ハブ13に対するハン
ドホイール7のがたつきが大きくなり、一方、たとえ
ば、受入部52が1つであると、上述したように直ちに
巻下げることができない。そのため、本実施形態のよう
な小型のチェーンブロックでは、互いに対向する位置に
2つ形成することが、チェーンブロックの操作性、耐久
性および信頼正を向上させる点から最も好ましい。
【0052】また、本実施形態のハンドホイール7のボ
ス部22には、その両側に、第2凹部56および第3凹
部57を形成したが、いずれか一方のみ形成するように
してもよい。さらに、ワンウエイ機構25においてピン
50を使用したが、ピン50に代えてボールを使用して
もよい。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、規制部材をハブ部材の凹部内において固定
することによって、過負荷防止機構が装備されていない
チェーンブロックに使用される駆動軸と実質的に同じ駆
動軸を使用するようにしたので、過負荷防止機構が装備
されていないチェーンブロックとの部品の共通化を図る
ことができ、これによって、製造工程の簡略化およびコ
ストの低減化を図ることができる。
【0054】とりわけ、小型のチェーンブロックなど、
全体的に小型化を図るために、駆動軸の長さを十分にと
ることができないようなものであっても、上記した構成
によって過負荷防止機構が装備されていないチェーンブ
ロックの駆動軸と実質的に同じ駆動軸の使用が可能であ
るため、その効果の意義は特に大きい。
【0055】請求項2に記載の発明によれば、ハンドホ
イールのボス部の両側に設けられる制動板が、ハンドホ
イールのボス部の両側に制動板の厚さと同じくらいの深
さで形成される凹部に受け入れられるので、その受け入
れられた2つの制動板の厚み分だけ、過負荷防止機構の
軸方向の小型化を図ることができる。そのため、かなり
小型のチェーンブロックなど、駆動軸の長さが非常に短
いようなものであっても、規制部材をハブ部材の凹部内
において固定することに加えて、さらに、このように、
制動板をハンドホイールのボス部に受け入れさせること
によって、過負荷防止機構が装備されていないチェーン
ブロックの駆動軸と実質的に同じ駆動軸の使用を可能と
することができる。
【0056】また、過負荷防止機構を装備するにあたっ
ては、ハンドホイールは、ハブ部材に自由回転可能に支
持させる必要があることから、過負荷防止機構が装備さ
れていないチェーンブロックのハンドホイールとは必ず
別途用意する必要がある。そのため、過負荷防止機構を
装備するにあたって必ず別途用意しなければならない、
ハブ部材およびハンドホイールのみに所定の凹部を形成
することにより、過負荷防止機構が装備されていないチ
ェーンブロックの駆動軸と実質的に同じ駆動軸の使用を
可能としているので、最小限の部品の加工により、上記
したような小型のチェーンブロックなどにおける、部品
の共通化を図ることができ、これによって、そのような
小型のチェーンブロックの製造工程の簡略化およびコス
トの低減化を著しく図ることができる。
【0057】さらに、ハンドホイールのボス部の両側に
設けられる制動板は、ハンドホイールのボス部の両側に
制動板の厚さと同じくらいの深さで形成される凹部に受
け入れられるので、制動板のハンドホイールのボス部に
対する位置ずれが防止される。そのため、ハンドホイー
ルは、2つの制動板によって確実に制動されることがで
き、過負荷防止機構の信頼性を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチェーンブロックの一実施形態として
の、手動式の小型のチェーンブロックを示す縦断面図で
ある。
【図2】図1に示すチェーンブロックのハンドホイール
を示す側面図である。
【図3】図2に示すハンドホイールの正面図である。
【図4】図1に示すチェーンブロックの第1ハブを示す
側面図である。
【図5】図2に示す第1ハブの正面図である。
【図6】過負荷防止機構が装備されていないチェーンブ
ロックの一実施形態を示す要部縦断面図である。
【図7】ワンウエイ機構を説明するための要部側面図で
ある。
【図8】ワンウエイ機構を説明するための要部側面図で
ある。
【符号の説明】 3 ロードシーブ 6 駆動軸 7 ハンドホイール 8 過負荷防止機構 9 メカニカルブレーキ 10 伝動機構 13 第1ハブ 20 ポケット部 22 ボス部 23 第1ライニング板 24 第2ライニング板 32 第1凹部 34 止めナット 56 第2凹部 57 第3凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロードチェーンが噛み合うロードシーブ
    と、 ハンドチェーンが噛み合うハンドホイールと、 前記ハンドホイールと前記ロードシーブとの間に介在さ
    れる、メカニカルブレーキを備えた伝動機構と、 前記ハンドホイールを支持し、前記ロードシーブに定格
    荷重以上の負荷がかかった時に、前記ハンドホイールの
    巻上げ方向の自由回転を許容する過負荷防止機構と、 前記ロードシーブ、前記伝動機構および前記過負荷防止
    機構に挿通され、前記ハンドホイールからの駆動を前記
    ロードシーブに伝達するための駆動軸とを備える、チェ
    ーンブロックにおいて、 前記過負荷防止機構は、前記駆動軸に螺着され、前記ハ
    ンドホイールを自由回転可能に支持するハブ部材を備え
    るとともに、 前記駆動軸の軸端部には、前記ハブ部材の軸方向移動範
    囲を規制するための規制部材が設けられ、 前記ハブ部材には、前記規制部材を受け入れるための凹
    部が形成されるとともに、 前記駆動軸は、前記過負荷防止機構が装備されていない
    チェーンブロックに使用される駆動軸と実質的に同じ駆
    動軸が使用され、前記規制部材は、その少なくとも一部
    が、前記凹部内において前記駆動軸に対して軸方向移動
    不能に固定されていることを特徴とする、チェーンブロ
    ック。
  2. 【請求項2】 前記ハンドホイールは、その外周側に、
    前記ハンドチェーンを受け入れるための複数のポケット
    部と、その基側に、前記ハブ部材を受け入れるための受
    入孔が形成されるボス部とを備えるとともに、 前記過負荷防止機構は、前記ハンドホイールの前記ボス
    部の少なくとも一方側に隣り合い、前記ハブ部材に自由
    回転可能に支持される制動板を備えており、 前記ハンドホイールの前記ボス部には、前記制動板を受
    け入れるための凹部が形成されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載のチェーンブロック。
  3. 【請求項3】 前記制動板は、前記ハンドホイールの両
    側に設けられるとともに、前記制動板を受け入れるため
    の凹部が、前記ハンドホイールの前記ボス部の両側に形
    成されていることを特徴とする、請求項2に記載のチェ
    ーンブロック。
JP30189798A 1998-10-23 1998-10-23 チェーンブロック Expired - Fee Related JP3158185B2 (ja)

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JP2010116957A (ja) * 2008-11-12 2010-05-27 Kito Corp 負荷感応型自動変速装置と負荷感応型自動変速機を内蔵した巻上機

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