JPH092788A - 回転駆動装置の制動機構 - Google Patents

回転駆動装置の制動機構

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JPH092788A
JPH092788A JP17937195A JP17937195A JPH092788A JP H092788 A JPH092788 A JP H092788A JP 17937195 A JP17937195 A JP 17937195A JP 17937195 A JP17937195 A JP 17937195A JP H092788 A JPH092788 A JP H092788A
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JP
Japan
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drive
drive shaft
disc
gear
drive gear
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JP17937195A
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Inventor
Takemomo Oohashi
武百 大橋
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OHASHI KISAN UINCHI KK
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OHASHI KISAN UINCHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転駆動装置の小型化を図ることができると
ともに回転駆動装置の取付けスペースに対する制約を少
なくすることができ、さらに回転制動を確実に行うこと
ができるとともに運転音の小さい制動機構を提供する。 【構成】 駆動軸25が油圧モータMによって正回転さ
れる際には、外ねじ25Aと内ねじ28Aの螺合によっ
て駆動歯車28がディスク盤29側に移動され、ブレー
キ盤30およびディスク盤29と摩擦板31を介して一
体的に係合され、油圧モータMの回転駆動力が駆動歯車
28から歯車24および23を介してドラム1に伝達さ
れる。駆動軸25が逆回転される際には、駆動歯車28
がディスク盤29から離間して駆動軸25の段部25B
に係合されて回転駆動力がドラム1に伝達される。この
とき、ドラム1に外力が作用してその回転が加速される
と、駆動歯車28がディスク盤29側に移動して、ブレ
ーキ盤30およびディスク盤29一体的に係合され、一
方向クラッチによってブレーキ盤30の逆方向の回転が
阻止されることにより、ドラム1の回転の加速が制動さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、駆動モータの回転駆
動力を回転体に伝達してこの回転体を両方向に回転させ
るとともに回転体が所定の方向に回転される際にこの回
転体に作用する外力によって回転体の回転が加速される
のを防止するウインチ等の回転駆動装置の制動機構に関
する。
【0002】
【従来の技術】回転駆動装置としては、例えば、ワイヤ
やロープの巻上げおよび繰出しを行って重量物の吊下げ
を行うウインチ等がある。
【0003】図3および4に、従来のウインチの構造が
示されている。
【0004】この従来のウインチは、重量物を吊り下げ
るためのワイヤ等を巻き上げるドラム1を有し、このド
ラム1は、その一方の端部に固定され駆動部10の原動
歯車11に歯合された従動歯車2に原動歯車11から回
転駆動力が伝達されることによって、正逆両方向に回転
される。
【0005】駆動部10は、ケーシング10A内に回転
自在に支持された駆動軸12と、中心孔の内周壁の内ね
じ13Aが駆動軸12の外周面の外ねじ12Aに螺合さ
れた状態で駆動軸12に外嵌された駆動歯車13と、こ
の駆動歯車13に隣接する位置に配置され駆動軸12に
この駆動軸12と一体回転するように取り付けられたデ
ィスク盤14と、このディスク盤14と駆動歯車13と
の間にディスク盤14および駆動歯車13に対して相対
回転自在に介在された爪車15と、この爪車15の径方
向の外側においてケーシング10Aに一端を揺動自在に
軸支され爪車15が逆回転する際に先端部が爪車15の
歯部15Aに係合する爪16(図4参照)と、爪車15
と駆動歯車13および爪車15とディスク盤14との間
に介装された摩擦板17と、駆動軸12に平行に配置さ
れて油圧モータMに連結されるとともに外周部に形成さ
れた歯部18Aが駆動歯車13に歯合された歯車軸18
とを備えている。
【0006】この従来のウインチは、ドラム1にワイヤ
等を巻き上げる正方向運転時には、油圧モータMから歯
車軸18に正方向の回転駆動力が伝達され、この歯車軸
18の回転によって駆動歯車13が正回転される。
【0007】駆動歯車13は、正回転時にその内ねじ1
3Aと駆動軸12の外ねじ12Aとの螺合によって駆動
軸12に対し爪車15側に移動され、摩擦板17および
爪車15をディスク盤14に押圧する。この摩擦板17
および爪車15の押圧によって駆動歯車13、爪車15
およびディスク盤14が一体化されて、駆動歯車13の
回転駆動力が、内ねじ13Aおよび外ねじ12Aを介し
てまたはディスク盤14を介して駆動軸12に伝達さ
れ、駆動軸12を正方向に回転させる。このとき、爪1
6は爪車15の歯部15Aには係合しないので、爪車1
5の正方向の回転は許容される。
【0008】そして、この駆動軸12から原動歯車11
を介して回転駆動力が従動歯車2に伝達され、ドラム1
が正方向に回転されてワイヤ等が巻き上げられる。
【0009】ドラム1からワイヤ等を繰り出す逆方向運
転時には、油圧モータMから歯車軸18に逆方向の回転
駆動力が伝達され、この歯車軸18の回転によって駆動
歯車13が逆回転される。
【0010】駆動歯車13は、逆回転時にその内ねじ1
3Aと駆動軸12の外ねじ12Aとの螺合によって、前
記と反対に、駆動軸12に対し爪車15から離れる方向
に移動され、摩擦板17,爪車15およびディスク盤1
4の係合状態を解除するととも、駆動軸12のフランジ
部12Bに係合する。この駆動歯車13とフランジ部1
2Bとの係合によって、駆動歯車13の回転駆動力が直
接駆動軸12に伝達され、駆動軸12が逆方向に回転さ
れる。
【0011】そして、この駆動軸12から原動歯車11
を介して回転駆動力が従動歯車2に伝達され、ドラム1
が逆方向に回転されてワイヤ等が繰り出される。
【0012】このウインチの逆方向運転時において、ワ
イヤ等に吊り下げられた重量物の重力加速度によってド
ラム1の回転速度が増加してくると、従動歯車2および
原動歯車11を介してドラム1側から伝達される回転力
によって、油圧モータM側から伝達される回転駆動力に
よる回転速度よりも大きい回転速度で、駆動軸12が回
転するようになる場合がある。
【0013】このとき、駆動軸12と駆動歯車13との
関係は、駆動軸12の回転速度が駆動歯車13のよりも
大きくなることによって相対的に駆動歯車13の正回転
時の状態と同じ状態になる。このため、前述したよう
に、駆動歯車13が駆動軸12に対し爪車15側に移動
して摩擦板17および爪車15をディスク盤14に押圧
するので、駆動歯車13が爪車15およびディスク盤1
4と一体化される。
【0014】この駆動歯車13,ディスク盤14および
爪車15の一体化によって爪車15が駆動歯車13およ
びディスク盤14とともに逆回転しようとするが、この
とき爪16が爪車15の歯部15Aに係合することによ
って、爪車15がケーシング10Aに対して係止され
る。
【0015】この爪車15の固定によって、駆動歯車1
3およびディスク盤14が摩擦板17を介して爪車15
に対し摺動しながら回転することとなるので、ドラム1
側からの回転力によるフリー回転が阻止される。そし
て、油圧モータMの回転駆動力により駆動軸12が摩擦
板17の摩擦力によって制動されながら回転されること
により、吊り下げられた重量物が徐々に降下される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】一般にウインチ等の回
転駆動装置は非常に限定されたスペースに取り付けられ
る場合が多く、特にドラム1については、例えばクレー
ンのアーム部に取り付けられる場合等のようにその取り
付けスペースが制約される場合が非常に多い。
【0017】しかしながら、前記従来のウインチは、油
圧モータMを歯車軸18に連結してこの歯車軸18から
油圧モータMの回転を駆動歯車13に減速して伝達し、
さらにこの駆動歯車13の回転を駆動軸12を介して原
動歯車11から従動歯車2に減速して伝達する構造であ
り、このため、図3からも分るように、駆動部10の逆
転制動機構がドラム1の略側方に配置される構造にな
り、ケーシング10Aがドラム1の側方に大きく張り出
している。
【0018】このように、ドラム1の側方にケーシング
10Aが大きく張り出していると、ウインチを取り付け
る際にドラム1の周辺に大きなスペースを確保しなけれ
ばならない。このため、例えばクレーンに取り付けられ
る場合等には、クレーンの大型化を招来したりまたその
旋回範囲を制限したりするという問題が生じてくる。
【0019】また、前記従来のウインチは、ドラム1か
らワイヤ等を繰り出す逆方向運転時の逆転制動を、爪車
15と爪16とによるラチェット機構によって行ってい
るため、逆転制動時の荷重が爪車15と爪16の係合部
の一点に集中してしまう。このため、強度を増すために
爪16を厚さの大きい大型のものにしなければならず、
これによってもウインチが大型化してしまうとともに重
量が増加してしまう。
【0020】さらに、逆方向運転時の逆転制動をラチェ
ット機構によって行っているため、爪16を爪車15の
径方向外方に配置しなければならないので、その分、ケ
ーシング10Aが外側に膨らみ、ウインチが大型化する
という問題がある。
【0021】またさらに、逆方向運転時の逆転制動をラ
チェット機構によって行っているため、ウインチの逆方
向運転時に爪16が爪車15に係合しようとする際に、
回転する爪車15の歯部15Aによって弾かれて爪16
が歯部15Aに係合されない場合があり、このため吊り
下げた重量物の落下事故が発生する虞がある。またさら
に、ラチェット機構によって逆転制動を行っているため
に、爪車15の正回転時において爪16の側面が歯部1
5Aに摺接して跳ね上げられるので、その打撃音がかな
り高く、騒音発生の原因になる。
【0022】この発明は、上記従来のウインチ等の回転
駆動装置が有する問題点を解決するためになされたもの
である。
【0023】すなわち、この発明は、回転駆動装置の小
型化を図ることができるとともに回転駆動装置の取付け
スペースに対する制約を少なくすることができる制動機
構を提供することを目的とする。
【0024】さらにこの発明は、回転駆動装置の回転制
動を確実に行うことができるとともに運転音の小さい制
動機構を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明による回転駆動装置の制動機構は、ケー
シング内に回転自在に配置され外周面の一部に外ねじが
形成されるとともに一端部に駆動モータが連結されてこ
の駆動モータにより正逆両方向に回転される駆動軸と、
中心孔の内周面に内ねじが形成され駆動軸の外ねじが形
成された部分にこの外ねじに内ねじが螺合された状態で
取り付けられた駆動歯車と、駆動軸の駆動歯車に隣接す
る位置に駆動軸に一体的に取り付けられたディスク部材
と、このディスク部材と駆動歯車の間に配置され駆動軸
に対し回転自在にかつ駆動軸の軸方向に移動自在に取り
付けられたブレーキ部材と、このブレーキ部材と駆動歯
車の間およびブレーキ部材とディスク部材との間にそれ
ぞれ介装された摩擦部材と、ディスク部材に対しブレー
キ部材と反対側位置に駆動軸と同軸に配置されるととも
に被動側がケーシングに固定され駆動側がディスク部材
の径方向の外側においてブレーキ部材に一体的に連結さ
れてブレーキ部材の一方向の回転のみを許容する一方向
クラッチと、駆動歯車と回転体との間に配置されて駆動
歯車からの回転駆動力を回転体に伝達する減速部材とを
備え、駆動軸が駆動モータによってブレーキ部材の一方
向と同一方向に回転されると外ねじと駆動歯車の内ねじ
との螺合によって駆動歯車が駆動軸に対しディスク部材
側に移動して摩擦部材を介してブレーキ部材およびディ
スク部材に一体的に係合することにより駆動モータの回
転駆動力が駆動軸から駆動歯車および減速部材を介して
回転体に伝達され、駆動軸が駆動モータによってブレー
キ部材の一方向と反対方向に回転されると外ねじと駆動
歯車の内ねじとの螺合によって駆動歯車が駆動軸に対し
ディスク部材から離間する方向に移動して駆動軸の一部
に係合することにより駆動モータの回転駆動力が駆動軸
から駆動歯車および減速部材を介して回転体に伝達され
ることを特徴としている。
【0026】さらに、上記目的を達成するために、第2
の発明による回転駆動装置の制動機構は、上記第1の発
明において、一方向クラッチが、一端がブレーキ部材に
一体的に連結され他端がブレーキ部材からディスク部材
の径方向の外側を通って駆動軸の軸方向と平行に延びる
円筒形のホイールと、このホイールの内側においてケー
シングに固定された固定リングと、この固定リングとホ
イールの間に介装されホイールがブレーキ部材の一方向
と反対方向に回転されるときにホイールを固定リングに
係止するスプラグとを備えていることを特徴としてい
る。
【0027】
【作用】上記第1の発明は、駆動軸が駆動モータによっ
てブレーキ部材の一方向と同一方向に回転される際に
は、駆動軸の外ねじと駆動歯車の内ねじとの螺合によっ
て駆動歯車が駆動軸に対してディスク部材側に移動さ
れ、摩擦部材およびブレーキ部材がディスク部材に押圧
されることによって、駆動歯車,ブレーキ部材およびデ
ィスク部材が摩擦部材を介して一体的に係合される。こ
れによって、駆動モータの回転駆動力が駆動軸からディ
スク部材を介して駆動歯車に伝達され、さらに駆動歯車
から減速部材を介して回転体に伝達されて、回転体が一
方向に回転される。
【0028】このとき、駆動歯車,ブレーキ部材および
ディスク部材の一体的な係合によって、ブレーキ部材が
駆動歯車と一体的に回転するが、このときのブレーキ部
材の一方向の回転は一方向クラッチによって許容され
る。
【0029】駆動軸が駆動モータによってブレーキ部材
の一方向と反対方向に回転される際には、外ねじと駆動
歯車の内ねじとの螺合によって駆動歯車が駆動軸に対し
ディスク部材から離間する方向に移動して、駆動歯車,
ブレーキ部材およびディスク部材の一体的な係合状態が
解除される。そして、駆動歯車が駆動軸の一部に係合し
て駆動軸と一体化されることにより駆動モータの回転駆
動力が駆動軸から駆動歯車に直接伝達され、さらに駆動
歯車から減速部材を介して回転体に伝達されて、回転体
が前記と反対の方向に回転される。
【0030】この駆動軸が駆動モータによってブレーキ
部材の一方向と反対方向に回転される際に、回転体に外
力が作用して回転体の回転が加速され、この外力による
回転力が回転体から駆動歯車に反対に伝達され駆動歯車
の回転速度が駆動軸の回転速度よりも速くなると、駆動
歯車と駆動軸の相対的な関係が、前記した駆動軸の駆動
モータによるブレーキ部材の一方向と同一方向の回転の
際と同様になる。
【0031】このため、駆動歯車が駆動軸に対してディ
スク部材側に移動し、ブレーキ部材およびディスク部材
と摩擦部材を介して一体的に係合される。これによっ
て、ブレーキ部材が駆動歯車とともに一方向と反対方向
に回転されようとするが、このとき、一方向クラッチが
作動してブレーキ部材の回転が阻止されるので、駆動歯
車の回転が制動され、回転体の回転が外力によって加速
されるのが防止される。
【0032】第2の発明は、上記第1の発明の作用に加
えて、駆動軸が駆動モータによってブレーキ部材の一方
向と同一方向に回転される際には、ブレーキ部材ととも
に回転されるホイールの一方向への回転が許容され、駆
動軸が駆動モータによってブレーキ部材の一方向と反対
方向に回転される際には、スプラグの作動によってホイ
ールが固定リングに係止されることにより、ホイールお
よびブレーキ部材の一方向と反対方向への回転が阻止さ
れる。
【0033】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0034】図1は、この発明をウインチに適用した場
合の実施例を示す断面図であり、図2はこのウインチの
駆動部を拡大して示す断面図である。
【0035】図1において、貨物等の重量物Wを吊り下
げるためのワイヤロープRを巻き上げるドラム1は、ド
ラム軸1Aに回転自在に支持されており、このドラム1
の一方の端部に一体回転するように固定された従動歯車
2に後述する駆動部20から伝達される回転駆動力によ
って、正逆両方向に回転されるようになっている。この
ドラム1の構成は、従来のものとほぼ同様である。
【0036】駆動部20のケーシング20A内には、図
面上部位置に、ドラム軸1Aと平行に配置された回転軸
21がベアリング22によって回転自在に支持されてお
り、この回転軸21の図面右側端部に従動歯車2に歯合
する小径の歯車23が一体的に取り付けられるかまたは
一体成型されており、さらに回転軸21の図面左側端部
に歯車23よりも大径の歯車24が一体的に取り付けら
れている。これら回転軸21,歯車23および歯車24
によって減速部材が構成されている。
【0037】回転軸21の図面下方位置に、回転軸21
と平行に配置された駆動軸25がベアリング26および
27によってその両端を回転自在に支持されており、こ
の駆動軸25の図面右側端部に油圧モータMのシャフト
が連結されて、この油圧モータMの駆動により駆動軸2
5が回転されるようになっている。
【0038】駆動軸25には、図2からよく分るよう
に、油圧モータMとの連結部に近い部分の外周面に外ね
じ25Aが形成されている。そして、この駆動軸25の
外ねじ25Aの形成部分に、中心孔の内周壁に内ねじ2
8Aが形成された駆動歯車28が、その内ねじ28Aを
外ねじ25Aに螺合された状態で外嵌されている。
【0039】この外ねじ25Aと内ねじ28Aとの螺合
によって、駆動軸25が図面の右方向から見て時計方向
に回転(以下この方向の駆動軸25の回転を正回転とい
う)されるときには、駆動軸25に対して駆動歯車28
が図面左方向に移動し、駆動軸25が上記と逆の方向に
回転(以下この方向の駆動軸25の回転を逆回転とい
う)されるときには、駆動軸25に対して駆動歯車28
が図面右方向に移動するようになっている。
【0040】駆動歯車28は、図面右側端部の小径の歯
車部28Bと図面左側端部のディスク部28Cによって
形成され、歯車部28Bが歯車24に歯合されている。
【0041】駆動歯車28の図面左側に、ディスク盤2
9が駆動軸25に一体回転するように取り付けられてお
り、このディスク盤29は、駆動歯車28側端部の小径
部29Aと駆動歯車28と反対側端部の大径部29Bに
よって形成されている。
【0042】駆動歯車28のディスク部28Cとディス
ク盤29の大径部29Bとの間に形成される環状の隙間
に、ディスク盤29の小径部29Aに回転自在に外嵌さ
れた状態でブレーキ盤30が配置されており、このブレ
ーキ盤30と駆動歯車28のディスク部28Cとの間お
よびブレーキ盤30とディスク盤29の大径部29Bと
の間にそれぞれ摩擦板31が介装されている。
【0043】ブレーキ盤30の図面左側に、ディスク盤
29の外径よりも大きい内径を有する円筒状のホイール
32が、駆動軸25と同軸状にかつディスク盤29をそ
の内側に収容した状態で配置されており、このホイール
32の図面右端部がブレーキ盤30の外周部に一体的に
連結されている。 このホイール32は、ディスク盤2
9との間に介装されたベアリング33およびケーシング
20Aとの間に介装されたベアリング34によって、回
転自在に支持されている。
【0044】ディスク盤29の図面左側であってホイー
ル32の内側位置に、ケーシング20Aの内壁部に固定
された固定リング35が配置されており、この固定リン
グ33とホイール32との間にスプラグ36が介装され
ている。
【0045】このホイール32,固定リング35および
スプラグ36によって、一方向クラッチCLが構成され
ており、この一方向クラッチCLは駆動軸25の正回転
に伴うホイール32の回転(以下この回転も正回転とい
う)は許容するが、駆動軸25の逆回転に伴うホイール
32の回転(以下この回転も逆回転という)はスプラグ
36がホイール32を固定リング35に係止することに
よって阻止するようになっている。
【0046】次に、上記ウインチの作動を説明する。
【0047】ドラム1にワイヤロープRを巻き上げる正
方向運転時には、油圧モータMが正方向(図1および2
の右方向から見て時計回り方向)に駆動され、その回転
駆動力によって、駆動軸25が正回転される。
【0048】この駆動軸25の正回転により、その外周
部に形成された外ねじ25Aと駆動軸25に取り付けら
れた駆動歯車28の内ねじ28Aとの螺合によって、駆
動歯車28が駆動軸25に対してディスク盤29に接近
する方向(図面左方向)に移動され、ディスク部28C
がブレーキ盤30を摩擦板31を介してディスク盤29
に押圧する。
【0049】このブレーキ盤30および摩擦板31の押
圧によって駆動歯車28、ブレーキ盤30および摩擦板
31が一体的に係合されて、駆動軸25の回転駆動力
が、外ねじ25Aおよび内ねじ28Aを介して駆動歯車
28に、またディスク盤14,ブレーキ盤30および摩
擦板31を介して駆動歯車28に伝達され、駆動歯車2
8が正方向(図1および2の右方向から見て時計回り方
向)に回転される。
【0050】このとき、ホイール32もブレーキ盤30
と一体的に正方向に回転されるが、このホイール32の
正方向の回転は一方向クラッチCLによって許容される
ので、駆動歯車28の回転が制動されることはない。
【0051】そして、回転駆動力は、駆動歯車28の歯
車部28Bから歯車24に減速されて伝達され、さらに
回転軸21を介して歯車23からドラム1の従動歯車2
に伝達される。これによって、ドラム1が正方向に回転
されてワイヤロープRの巻き上げが行われる。
【0052】ドラム1からワイヤロープRを繰り出す逆
方向運転時には、油圧モータMが逆方向(図1および2
の右方向から見て反時計回り方向)に駆動され、その回
転駆動力によって、駆動軸25が逆回転される。
【0053】この駆動軸25の逆回転により、駆動軸2
5の外ねじ25Aと駆動歯車28の内ねじ28Aとの螺
合によって、正方向運転時の場合とは反対に、駆動歯車
28が駆動軸25に対してディスク盤29から離間する
方向(図面右方向)に移動され、駆動歯車28,ブレー
キ盤30,摩擦板31およびディスク盤29の一体的な
係合状態が解除される。
【0054】そして、駆動歯車28が駆動軸25の段部
25Bに係合し、これによって、駆動軸25の回転駆動
力が駆動歯車28に伝達されて駆動歯車28が逆回転さ
れる。
【0055】そしてさらに、駆動歯車28の歯車部28
Bから歯車24,回転軸21および歯車23を介して回
転駆動力がドラム1の従動歯車2に伝達される。これに
よって、ドラム1が逆方向に回転されてドラム1からワ
イヤロープRが繰り出される。
【0056】このウインチの逆方向運転時において、ワ
イヤロープRに吊り下げられた重量物Wの重力加速度に
よってドラム1の回転速度が増加し、その回転力が、上
記と反対に、従動歯車2,歯車23,回転軸21および
歯車24を介して駆動軸25に伝達され、駆動歯車28
の回転速度が駆動軸25の回転速度よりも速くなると、
駆動歯車28と駆動軸25の相対的な関係が、前記した
正方向運転時の関係と同様になる。このため、駆動歯車
28が駆動軸25に対してディスク盤29側に移動し、
駆動軸25の段部25Bから離れるとともにディスク部
28Cによりブレーキ盤30を摩擦板31を介してディ
スク盤29に押圧して、正方向運転時と同様に、ブレー
キ盤30,摩擦板31およびディスク盤29と一体的に
係合される。 駆動歯車28,ブレーキ盤30,摩擦板
31およびディスク盤29が一体的に係合されると、ブ
レーキ盤30に連結されたホイール32が駆動歯車28
およびブレーキ盤30とともに逆回転しようとするが、
このとき、一方向クラッチCLが作動して、スプラグ3
6がホイール32を固定リング35に回転不能に係止す
るので、このホイール32の逆回転が阻止される。
【0057】このホイール32の逆回転が阻止されるこ
とによって、駆動歯車28の逆回転が制動され、ワイヤ
ロープRに吊るされた重量物Wの重力加速度による駆動
歯車28の回転速度の増加が防止される。
【0058】そして、駆動歯車28は、ディスク部28
Cが摩擦板31に摺接しながら油圧モータMからの回転
駆動力によって逆回転され、これによってドラム1の油
圧モータMの回転駆動力による逆回転が行われ、ワイヤ
ロープRが繰り出されて重量物Wが徐々に降下される。
【0059】上記一方向クラッチCLを構成するスプラ
グ36には、図示されたロール形状のものの他、ボール
および繭形こま等、種々のものを使用することができ
る。
【0060】
【発明の効果】第1の発明によれば、駆動モータからの
回転駆動力が駆動軸に入力され駆動歯車から出力されて
減速部材を介して回転体に伝達されるようになっている
ので、制動機構を回転体から離れた位置に配置すること
が出来、これによってケーシングが回転体の側方に大き
く張り出すことがなくなるので、回転駆動装置の取付け
スペースに対する制約を少なくすることができ、さらに
は、この回転駆動装置が取り付けられるクレーン等の機
械の大型化を招来することがない。また、駆動モータ,
駆動軸および一方向クラッチが同軸状に配される構造で
あるので、組み立てが容易である。
【0061】第2の発明によれば、一方向クラッチが、
駆動軸と同軸に配されかつブレーキ部材の径の範囲以内
に収容されるので、一方向クラッチの取り付けのために
ケーシングを外側に膨らませる必要がなく、これによっ
て回転駆動装置を小型化することができる。またさら
に、一方向クラッチの作動が駆動側のホイールと被動側
の固定リングとの間に介装されたスプラグによって行わ
れるので、ラチェット機構による場合よりもその作動が
確実であり、しかも爪による打撃音も生じないので静音
運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を部分的に断面して示す全
体図である。
【図2】同実施例の駆動部を拡大して示す断面図であ
る。
【図3】従来例を示す断面図である。
【図4】同従来例のラチェット機構を一部を断面して示
す側面図である。
【符号の説明】
1 …ドラム 2 …従動歯車 20 …駆動部 21 …回転軸 23 …歯車 24 …歯車 25 …駆動軸 25A…外ねじ 25B…段部 28 …駆動歯車 28A…内ねじ 29 …ディスク盤 30 …ブレーキ盤 31 …摩擦板 32 …ホイール 35 …固定リング 36 …スプラグ M …油圧モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動モータの回転駆動力を回転体に伝達
    してこの回転体を両方向に回転させるとともに、回転体
    が所定の方向に回転される際にこの回転体に作用する外
    力によって回転体の回転が加速されるのを防止する回転
    駆動装置の制動機構において、 ケーシング内に回転自在に配置され外周面の一部に外ね
    じが形成されるとともに一端部に駆動モータが連結され
    てこの駆動モータにより正逆両方向に回転される駆動軸
    と、 中心孔の内周面に内ねじが形成され前記駆動軸の外ねじ
    が形成された部分にこの外ねじに内ねじが螺合された状
    態で取り付けられた駆動歯車と、 前記駆動軸の前記駆動歯車に隣接する位置に駆動軸に一
    体的に取り付けられたディスク部材と、 このディスク部材と前記駆動歯車の間に配置され前記駆
    動軸に対し回転自在にかつ駆動軸の軸方向に移動自在に
    取り付けられたブレーキ部材と、 このブレーキ部材と前記駆動歯車の間およびブレーキ部
    材と前記ディスク部材との間にそれぞれ介装された摩擦
    部材と、 前記ディスク部材に対し前記ブレーキ部材と反対側位置
    に前記駆動軸と同軸に配置されるとともに被動側がケー
    シングに固定され駆動側がディスク部材の径方向の外側
    においてブレーキ部材に一体的に連結されてブレーキ部
    材の一方向の回転のみを許容する一方向クラッチと、 前記駆動歯車と前記回転体との間に配置されて駆動歯車
    からの回転駆動力を回転体に伝達する減速部材とを備
    え、 前記駆動軸が駆動モータによって前記ブレーキ部材の一
    方向と同一方向に回転されると前記外ねじと前記駆動歯
    車の内ねじとの螺合によって駆動歯車が駆動軸に対し前
    記ディスク部材側に移動して前記摩擦部材を介してブレ
    ーキ部材およびディスク部材に一体的に係合することに
    より駆動モータの回転駆動力が駆動軸から駆動歯車およ
    び前記減速部材を介して前記回転体に伝達され、駆動軸
    が駆動モータによってブレーキ部材の一方向と反対方向
    に回転されると外ねじと駆動歯車の内ねじとの螺合によ
    って駆動歯車が駆動軸に対しディスク部材から離間する
    方向に移動して駆動軸の一部に係合することにより駆動
    モータの回転駆動力が駆動軸から駆動歯車および減速部
    材を介して回転体に伝達されることを特徴とする回転駆
    動装置の制動機構。
  2. 【請求項2】 前記一方向クラッチが、一端が前記ブレ
    ーキ部材に一体的に連結され他端がブレーキ部材から前
    記ディスク部材の径方向の外側を通って前記駆動軸の軸
    方向と平行に延びる円筒形のホイールと、このホイール
    の内側においてケーシングに固定された固定リングと、
    この固定リングとホイールの間に介装されホイールが前
    記ブレーキ部材の一方向と反対方向に回転されるときに
    ホイールを固定リングに係止するスプラグとを備えてい
    る請求項1に記載の回転駆動装置の制動機構。
JP17937195A 1995-06-22 1995-06-22 回転駆動装置の制動機構 Pending JPH092788A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002087762A (ja) * 2000-09-19 2002-03-27 Tadano Ltd 2速油圧モータの制御装置
KR200466290Y1 (ko) * 2011-11-07 2013-04-08 주식회사 두산이노텍 호이스트용 제동장치
JP2016005972A (ja) * 2014-06-20 2016-01-14 株式会社タダノ メカニカルブレーキ付きの巻上げ機

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