JP2000127985A - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置

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JP2000127985A
JP2000127985A JP19464299A JP19464299A JP2000127985A JP 2000127985 A JP2000127985 A JP 2000127985A JP 19464299 A JP19464299 A JP 19464299A JP 19464299 A JP19464299 A JP 19464299A JP 2000127985 A JP2000127985 A JP 2000127985A
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JP
Japan
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transmission ratio
gear
output shaft
input shaft
sun gear
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JP19464299A
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English (en)
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Yoji Yamauchi
洋司 山内
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝達比可変機構の故障時には、アクチュエー
タが停止した状態のベース伝達比に固定され、車両の走
行状態によっては操舵感が急激に変化する。 【解決手段】 出力軸40の下端に油圧機構部180を
設け、油圧により出力軸40及びリングギヤ130を上
方に変位させる。これにより、伝達比可変機構100を
構成するリングギヤ130とプラネタリギヤ120との
噛合が解除されると共に、入力軸20と一体の連結軸2
2がリングギヤ130の嵌合凹部131と嵌合し入力軸
20と出力軸40とが直結される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵ハンドルの操
舵に応じて転舵輪を転舵させる車両用操舵装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、操舵ハンドルの操舵角と転舵
輪の転舵角との間の伝達比を変化させる伝達比可変機構
を備えた車両用操舵装置が知られている。この伝達比可
変機構は、操舵ハンドル側に連結された入力軸とラック
軸側に連結された出力軸とを所定のギヤ機構で連結し、
このギヤ機構をアクチュエータで駆動することで、入力
軸−出力軸間の回転量の伝達比を、車両の走行状態に応
じて変更可能な機構となっている。
【0003】特開昭62−23869号に開示された操
舵装置では、このような伝達比可変機構が故障した場合
に備え、伝達比可変機構のアクチュエータが停止した状
態における入力軸−出力軸間の伝達比となるベース伝達
比を伝達比可変幅の中間値に設定している。このように
設定することで、伝達比を変化させるアクチュエータが
停止した場合にも、正常時に比べて伝達比が大きく変化
する事態を回避し、運転者が受ける操舵違和感を低減さ
せている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このように故
障時のベース伝達比を伝達比可変幅の中間値に設定した
場合であっても、故障発生時には、この伝達比可変幅の
中間値まで設定伝達比が急激に変化するため、車両の走
行状態によっては、操舵感が急激に変化して運転者に操
舵違和感を与えてしまう。
【0005】本発明はこのような課題を解決すべくなさ
れたものであり、その目的は、伝達比可変機構の故障時
に運転者が感じる操舵違和感を低減する車両用操舵装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1にかかる
車両用操舵装置は、操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪
を転舵させる車両用操舵装置であって、操舵ハンドル側
に連結される入力軸と、転舵輪側に連結される出力軸
と、入力軸と出力軸とを連結するギヤ機構及びこのギヤ
機構を駆動するアクチュエータを有し、操舵ハンドルの
操舵角に対する転舵輪の転舵角の比となる伝達比を変化
させる第1連結手段と、アクチュエータが停止した状態
における第1連結手段の伝達比とは異なる伝達比で、入
力軸と出力軸とを連結する第2連結手段と、第1連結手
段の故障時に、入力軸と出力軸との連結を、第1連結手
段から第2連結手段へ切り換える切り換え手段とを備え
て構成する。
【0007】第1連結手段が故障した場合には伝達比を
変化させる機構は機能せず、アクチュエータが停止した
状態の伝達比となるベース伝達比に固定される。これに
対し、第2連結手段は、ベース伝達比と異なる所定の伝
達比で入力軸と出力軸とを連結する構造である。このた
め、第1連結手段が故障した際に、切り換え手段によっ
て入力軸と出力軸との連結を第1連結手段から第2連結
手段に切り換えることで、ベース伝達比とは異なる所定
の伝達比で入力軸−出力軸間を連結することができる。
【0008】請求項2にかかる車両用操舵装置は、請求
項1における車両用操舵装置において、第1連結手段は
入力軸に対して同心的に配設され、アクチュエータによ
り回転駆動されるサンギヤと、サンギヤと噛合しつつこ
のサンギヤのまわりを回転するプラネタリギヤと、プラ
ネタリギヤを回転自在に支持すると共に、入力軸に対し
て固定されるキャリアと、出力軸に連結されると共に、
内周がプラネタリギヤと噛合する円環状のリングギヤと
を備えて構成し、キャリアとリングギヤとは、切り換え
手段によって相対的に変位駆動され、機械的に直結状態
となる。
【0009】キャリアとリングギヤとが機械的に直結状
態となることにより、入力時軸と出力軸とが直結され、
入力軸の回転が増減速されずにそのまま出力軸に伝達さ
れる。
【0010】従って、例えばベース伝達比が、第1連結
手段の伝達比可変範囲のほぼ中央値に設定されている場
合には、第2連結手段の伝達比をベース伝達比に比べて
よりスロー側に設定することで、高速走行中に故障が発
生して第2連結手段に切り換えられた場合にも、ベース
伝達比で連結される場合に比べて故障前後における伝達
比の変更幅が抑制され、運転者が感じる操舵感の変化が
抑制される。
【0011】なお、第1連結手段の故障発生後、切り換
え手段を動作させることにより、入力軸と出力軸との連
結状態を、例えば車両の走行状態に応じて選択的に切り
換えることも可能であり、これにより、第1連結手段の
故障発生後においても、車両の走行状態に応じ伝達比を
2段階に切り換えることができる。
【0012】請求項3にかかる車両用操舵装置は、請求
項1における車両用操舵装置において、第1連結手段
は、入力軸に連結されるサンギヤと、サンギヤと噛合し
つつ、このサンギヤのまわりを回転するプラネタリギヤ
と、プラネタリギヤを回転自在に支持すると共に、出力
軸に連結されるキャリアと、アクチュエータによって回
転駆動され、内周がプラネタリギヤと噛合する円環状の
リングギヤとを備えており、サンギヤとキャリアとは、
切り換え手段によって相対的に変位駆動され、機械的に
直結状態となる。
【0013】サンギヤとキャリアとが機械的に直結状態
となることにより、入力時軸と出力軸とが直結され、入
力軸の回転が増減速されずにそのまま出力軸に伝達され
る。
【0014】従って、例えばベース伝達比が、第1連結
手段の伝達比可変範囲から大きく離れてスロー側に設定
されている場合には、第2連結手段の伝達比がベース伝
達比に比べてよりクイック側に設定されるため、故障が
発生して第2連結手段に切り換えられた場合にも、ベー
ス伝達比で連結される場合に比べて、運転者のハンドル
操作量を軽減することができる。
【0015】請求項4にかかる車両用操舵装置は、請求
項1における車両用操舵装置において、第1連結手段
は、入力軸に連結されるサンギヤと、サンギヤと噛合し
つつ、このサンギヤのまわりを回転するプラネタリギヤ
と、プラネタリギヤを回転自在に支持すると共に、出力
軸に連結されるキャリアと、アクチュエータによって回
転駆動され、内周がプラネタリギヤと噛合する円環状の
リングギヤとを備えており、サンギヤ、プラネタリギ
ヤ、キャリア及びリングギヤは、切り換え手段によって
互いの相対回転が拘束される。
【0016】このように切り換え手段によって、サンギ
ヤ、プラネタリギヤ、キャリア及びリングギヤの相対回
転が拘束されることで、入力軸の回転に伴い、第1連結
手段が全体として一体的に回転する状態となり、この場
合も入力軸の回転が増減速されずにそのまま出力軸に伝
達される。
【0017】従って、この場合も請求項3と同様に、ベ
ース伝達比が第1連結手段の伝達比可変範囲から大きく
離れてスロー側に設定されている場合であっても、第1
連結手段の故障時に、運転者のハンドル操作量を軽減す
ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる第1の実施
形態につき、添付図面を参照して説明する。
【0019】図1に実施形態にかかる車両用操舵装置の
構成を示す。
【0020】入力軸20と出力軸40とは伝達比可変機
構100を介して連結されており、入力軸20には操舵
ハンドル10が連結されている。出力軸40は、ラック
アンドピニオン式のギヤ装置50を介してラック軸51
に連結されており、ラック軸51の両側には車輪FWが
連結されている。
【0021】また、入力軸20には操舵ハンドル10の
操舵位置を検出する入力角センサ21を設け、出力軸4
0には出力軸40の回転位置を検出する出力角センサ4
1を設けている。この出力軸40の回転位置はラック軸
51のストローク位置に対応し、さらにラック軸51の
ストローク位置は車輪FWの転舵角に対応するため、出
力角センサ41によって出力軸40の回転角を検出する
ことで、車輪FWの転舵角を検出している。
【0022】伝達比可変機構100は、操舵ハンドル1
0の操舵角と車輪FWの転舵角との間の伝達比G(G=
転舵角/操舵角)を変化させる機能を有しており、この
伝達比Gを変化させる駆動源となるアクチュエータ10
1を備えている。
【0023】図2に伝達比可変機構100の構造を示
し、図3に伝達比可変機構100の構造を概略的に示す
と共に制御システムの構成をブロック図として示す。な
お、図2では、入力角センサ21及び出力角センサ41
の図示は省略する。
【0024】この伝達比可変機構100は、スリーブ体
110、プラネタリギヤ120及びリングギヤ130な
どを備えて構成している。
【0025】スリーブ体110は、出力軸40側の端部
に円環状のサンギヤ111を有し、他端側に円環状のウ
ォームホイール112を有する筒形状を呈しており、そ
の内部に入力軸20が貫通しており、入力軸20に対し
て同心的に配設している。入力軸20の外周部とスリー
ブ体110の内周部との間には、ベアリング105が介
在しており、入力軸20とスリーブ体110とは、互い
に回転を拘束されることなく、別々に回転する機構とな
っている。
【0026】スリーブ体110を貫通した入力軸20の
貫通端部には、サンギヤ111よりも大なる外径を有す
る円盤状のキャリア140を固定している。このキャリ
ア140の周縁部には、等間隔で3箇所に支持ピン14
1を固定しており、各支持ピン141は、それぞれプラネ
タリギヤ120を回転自在に支持している。これら3個
のプラネタリギヤ120は、中心部に位置するサンギヤ
111とそれぞれ噛合しており、キャリア140が入力
軸20と一体的に回転することで、各プラネタリギヤ1
20は、サンギヤ111と噛合しつつサンギヤ111の
周囲を回転移動する機構となっている。
【0027】また、各プラネタリギヤ120を囲むよう
に、出力軸40と一体化した円環状のリングギヤ130
を配設しており、リングギヤ130の内周部に形成され
たギヤ歯が各プラネタリギヤ120と噛合している。従
って、図4に示すように、サンギヤ111、プラネタリ
ギヤ120及びリングギヤ130が同心的に配設され、
サンギヤ111と各プラネタリギヤ120とが噛合し、
各プラネタリギヤ120とリングギヤ130とが噛合し
た状態となった遊星歯車機構を構成している。
【0028】一方、スリーブ体110を構成するウォー
ムホイール112にはウォーム113が噛合しており、
このウォーム113は、アクチュエータ101によって
回転駆動される機構となっている。
【0029】ここで各ギヤの動作について説明する。
【0030】運転者が操舵ハンドル10を回転させる
と、入力軸20は操舵ハンドル10と同方向に回転す
る。この際、キャリア140も入力軸20と一体的に回
転するため、キャリア140に支持された各支持ピン1
41も、サンギヤ111の周囲を回転移動する。
【0031】例えば、図4に矢印aで示す向きに支持ピ
ン141が移動した場合を想定すると、各支持ピン14
1が移動することで、この支持ピン141によって支持
された各プラネタリギヤ120が、支持ピン141を中
心に矢印bで示す向きに回転しつつ、サンギヤ111の
周囲を矢印a方向に沿って移動する。また、プラネタリ
ギヤ120が矢印b方向に回転すると、プラネタリギヤ
120と噛合するリングギヤ130が矢印c方向に回転
し、この方向に出力軸40が回転する。従って入力軸2
0の回転が、同方向に出力軸40に伝達され、出力軸4
0は入力軸20と同一方向に回転する状態となる。
【0032】なお、運転者が操舵ハンドル10を逆方向
に回転させた場合には、各ギヤは、図4に示す矢印とは
反対方向へ回転或いは移動し、この場合も同様に入力軸
20の回転方向と出力軸40の回転方向は一致する。
【0033】一方、アクチュエータ101によってウォ
ーム113が回転駆動されると、この回転がウォームホ
イール112を介してスリーブ体110に伝達され、ス
リーブ体110全体が回転する。すなわち、ウォーム1
13の回転方向に応じた方向に、スリーブ体110が回
転駆動される。従って、スリーブ体110を構成するサ
ンギヤ111も回転し、サンギヤ111が回転すること
で、サンギヤ111と噛合する各プラネタリギヤ120
の回転量が変化する。
【0034】例えば、プラネタリギヤ120が操舵に伴
って矢印a方向に移動する際には、サンギヤ111が図
4の矢印d方向に回転することで、矢印b方向に回転す
るプラネタリギヤ120の回転量が増加され、プラネタ
リギヤ120と噛合するリングギヤ130の回転量も増
大する。また、サンギヤ111が図4の矢印dと反対方
向に回転することで、プラネタリギヤ120の回転量が
減少され、リングギヤ130の回転量も減少する。
【0035】このようにアクチュエータ101の駆動制
御を実施することでサンギヤ111の回転量を制御し、
入力軸20の回転が出力軸40に伝達される回転量の伝
達比を変化させることができる。
【0036】また、出力軸40の下端部には、出力軸4
0及びリングギヤ130等を、出力軸40の軸線方向に
沿って変位させる油圧機構部180を備えている。この
油圧機構部180のハウジング181内には油室182
が形成されており、油室182はポート183を介して
油圧ポンプ184と接続され、油圧ポンプ184によっ
て油室182内に圧油が導入される構造となっている。
この油室182の上部は、ハウジング181内を変位可
能なピストン185によって仕切られており、油室18
2内の油圧を油圧ポンプ184によって制御することに
より、ピストン185が出力軸40の軸線方向に沿って
上下にスライドする機構となっている。
【0037】油室182内の油圧が上昇すると、図2の
状態からピストン185が上方に押し上げられ、ピスト
ン185上部に位置する出力軸40及びリングギヤ13
0と、出力軸40をハウジング181に対して回転自在
に支持するベアリング186とが、ともに上方にスライ
ドする機構となっている。
【0038】一方、キャリア140の下面には、入力軸
20と同一軸上に、連結軸22が突出形成されており、
実質的に、入力軸20がキャリア140の下方に延長さ
れた状態となっている。そして連結軸22下端の外周部
にはセレーション23が形成されている。また、リング
ギヤ130の中心部には、この連結軸22と嵌合する嵌
合凹部131を形成しており、嵌合凹部131の底部付
近の内周面にもセレーション(図示せず)が形成されて
いる。このため、ピストン185によって出力軸40等
が上方に押し上げられた際には、図5に示すように、連
結軸22と嵌合凹部131とが嵌合し、互いのセレーシ
ョン同士が噛合して、入力軸20と出力軸40とは直結
状態となって一体的に回転可能な状態となる。また、同
時に、リングギヤ130が上方にスライドするため、リ
ングギヤ130と各プラネタリギヤ120との噛合が解
除され、これにより入力軸20−出力軸40と伝達比可
変機構100との連結が解除される。
【0039】このように構成する伝達比可変機構100
のアクチュエータ101と油圧ポンプ184の駆動制御
は、ECU1によって実施される。ECU1には、入力
角センサ21、出力角センサ41の他、車速Vを検出す
る車速センサ60の各検出信号が与えられ、これらの信
号をもとにアクチュエータ101及び油圧ポンプ184
の駆動制御を実施している。
【0040】伝達比可変機構100で設定される伝達比
Gは、図6に示すように、低速時には操舵ハンドル10
の操舵量に対する車輪FWの転舵量が大きくなるように
(よりクイック側に)、高速時には操舵ハンドル10の
操舵量に対する車輪FWの転舵量が小さくなるように
(よりスロー側に)設定される。具体的には、ECU1
によってアクチュエータ101の回転方向及び回転速度
を制御することにより、車速Vに応じた伝達比Gが設定
される。また、アクチュエータ101が停止した状態、
すなわち、サンギヤ111の回転が停止した状態の伝達
比となるベース伝達比は、伝達比可変機構100におけ
る伝達比可変幅の中間値になるように構造上設計されて
いる。これに対し、前述したように入力軸20と出力軸
40とが直結状態となった場合には、入力軸20の回転
量が増速されずにそのまま出力軸40の回転として伝達
されることになり、この場合の伝達比は、伝達比可変機
構100における伝達比の可変領域を超え、よりスロー
側に設定される(図6参照)。
【0041】ここで、ECU1で実施されるアクチュエ
ータ101及び油圧ポンプ184の制御処理につき、図
7のフローチャートに沿って説明する。
【0042】このフローチャートは、イグニションスイ
ッチのオン操作によって起動する。まず、ステップ(以
下、ステップを「S」と記す)102に進んで、入力角
センサ21で検出された入力角θh、出力角センサ41
で検出された出力角θp及び車速センサ60で検出され
た車速Vの値をそれぞれ読み込む。
【0043】続くS104では、伝達比可変機構100
が正常に機能しているか否かを判定する。例えば、入力
角θhが検出されない或いは異常値を示す、後述する制
御信号Isに対する出力角θpが一致しない、アクチュ
エータ101に過電流が流れる等の場合には、伝達比可
変機構100に故障が発生していると判断する。
【0044】まず、S104で伝達比可変機構100が
正常に機能していると判定された場合について説明す
る。この場合、S106に進み図6に示す車速Vと伝達
比Gとの関係を示すマップから、S102で読み込んだ
車速Vをもとにマップ検索し、車速Vに応じた伝達比G
を設定する。
【0045】続くS108では、S106で設定された
伝達比GとS102で読み込まれた入力角θhとをもと
にθpm=G・θhを演算し、出力角目標値θpmを設
定する。
【0046】続くS110では、S108で設定された
出力角目標値θpmと、出力角センサ41で検出された
出力角θpとの偏差eを、e=θpm−θpとして演算
する。
【0047】続くS112では、オーバーシュートする
ことなく偏差eを0にするように、アクチュエータ10
1を制御する制御信号Isを決定する。この処理の一例
としては、Is=C(s)・eの演算式に基づいて、P
ID制御のパラメータを適切に設定することにより制御
信号Isを決定することができる。なお、式中の(s)
はラプラス演算子である。
【0048】続くS114では、S112で決定された
制御信号Isをアクチュエータ101に出力し、制御信
号Isに応じてアクチュエータ101を駆動する。
【0049】そしてこの後、S116に進み、イグニシ
ョンスイッチ(IG)がオフ操作されたかを判断し、
「No」の場合にはS102に戻り、S116で「Ye
s」と判断されるまで、前述したS102以降の処理が
繰り返し実行される。
【0050】このような処理を繰り返すことで、車速V
に応じて伝達比Gを設定し、設定した伝達比Gをもとに
入力角θhに応じた車輪FWの転舵制御を実施する。
【0051】次に、先のS104で、伝達比可変機構1
00に故障が発生していると判定された場合(S104
で「No」)について説明する。この場合、S118に
進んで、S102で読み込まれた車速Vがしきい値Vh
以上かを判定する。このしきい値Vhは、伝達比Gを中
心として、ベース伝達比Gb側へ移行する移行幅と、直
結時の伝達比Gc側へ移行する移行幅が略等しくなる車
速として設定した値であり、この車速Vhを図6に示
す。
【0052】S102で読み込んだ車速Vがしきい値V
h以上の場合には(S118で「Yes」)、車両が高
速で走行中であると判定して、S120に進み、油圧ポ
ンプ184を駆動する。これにより、先に図5で示した
ように、入力軸20と出力軸40とが直結状態となり、
入力軸20−出力軸40間の伝達比は、可変制御中の伝
達比Gから直結時の伝達比Gcに変更される。この後、
S122に進み、イグニションスイッチ(IG)がオフ
操作されたかを判断し、「No」の場合にはS120に
戻り、S122で「Yes」と判断されるまで、S12
0が繰り返し実行される。従って、この間、伝達比Gc
に固定される。
【0053】一方、S118で、S102で読み込まれ
た車速Vがしきい値Vhよりも小であると判定された場
合は(S118で「No」)、油圧ポンプ184を駆動
することなく、このフローを終了する。これにより、入
力軸20と出力軸40とは伝達比可変機構100を介し
て連結され、入力軸20−出力軸40間の伝達比は、可
変制御中の伝達比Gからベース伝達比Gbに変更され、
このベース伝達比Gbに固定される(図6参照)。
【0054】このように、伝達比可変機構100に故障
が発生した場合にも、故障発生時の車速Vに応じて、入
力軸20と出力軸40とを連結する伝達比を、ベース伝
達比Gb側へ移行させるか、直結時の伝達比Gc側へ移
行させるかを選択することが可能となる。特に、車両が
しきい値Vh以上の高速で走行中に、伝達比可変機構1
00に故障が発生した場合には、ベース伝達比Gb側へ
の変更のみとなる従来のタイプに比べ、伝達比の変更幅
を抑制することができ、しかも、この場合、故障発生後
には、伝達比がよりスローとなる方向に変更されるた
め、高速走行中の操縦安定性を十分に確保しつつ、運転
者が感じる操舵感の変化を十分に抑制できる。
【0055】以上説明した第1の実施形態では、入力軸
20と出力軸40とを直結させる機構を例示したが、油
圧ポンプ184の駆動を停止して油室182内の油圧を
低下させることで、出力軸40、リングギヤ130及び
ベアリング186が、自重により図2の位置に復帰す
る。従って、伝達比可変機構100に故障が発生した後
も、ベース伝達比Gbと直結時の伝達比Gcとを、車速
Vを含む車両の走行状態に応じて切り換えることも可能
である。
【0056】また、以上説明した第1の実施形態では、
入力軸20と出力軸40同士を直接連結する場合を例示
したが、この例に限定するものではなく、例えば、伝達
比可変機構100とは所定のギヤ機構を介して、所定の
伝達比で入力軸20と出力軸40とを連結してもよい。
【0057】さらに、ベース伝達比Gb及び直結時の伝
達比Gcの設定値も、図6に示す例に限定するものでは
なく、例えば、ベース伝達比Gbがスロー側に設定され
たタイプの伝達比可変機構であれば、直結時の伝達比G
cをベース伝達比Gbよりもクイック側に設定してもよ
い。
【0058】また、出力軸40等を変位させる機構とし
て油圧機構を例示したが、この油圧機構に限定するもの
ではなく、例えば電磁力やモータの駆動力等によって出
力軸40等を変位させる機構を採用することもできる。
【0059】次に第2の実施形態について説明する。
【0060】図8に示す伝達比可変機構200は、伝達
比可変機構200に故障が発生した状況下でハンドル操
作をした場合の操舵力を軽減するために、アクチュエー
タ201が停止した状態のベース伝達比Gbが、可変設
定される伝達比の範囲から大きく外れたスロー側に設定
された構造となっている(図9)。従って、故障時にア
クチュエータ201が停止すると、伝達比可変機構20
0で設定される伝達比は、正常時に比べてより一層小さ
な値となるため、車輪FWを転舵させる際の操舵力は軽
減されるものの、ハンドル操作量が増大し運転者の負担
が大となる。そこで伝達比可変機構200は、以下に説
明するようにこの点を考慮した構造となっている。
【0061】入力軸20の下端にはサンギヤ210を一
体的に設けており、サンギヤ210の周囲には、プラネ
タリギヤ220が等間隔で配置され、それぞれサンギヤ
210と噛合している。各プラネタリギヤ220は、支
持ピン241によって回転自在に支持されており、各支
持ピン241の基端部はキャリア240に固定され、キ
ャリア240には出力軸40が固定されている。
【0062】円環状のリングギヤ230が各プラネタリ
ギヤ220を囲むように配設されており、リングギヤ2
30の内周部に形成されたギヤ歯が各プラネタリギヤ2
20と噛合している。このリングギヤ230の外周部に
もウォーム250と噛合するギヤ歯が形成されており、
アクチュエータ201によってウォーム250が回転駆
動されることで、ウォームホイールとしてのリングギヤ
230が回転駆動される機構となっている。
【0063】入力軸20は、伝達比可変機構200のケ
ース(図示せず)側に固定された円筒形のハウジング2
60内を貫通しており、入力軸20から径方向に突出す
るフランジ部20Fがハウジング260内に収容されて
いる。このハウジング260内の上部及び下部には、そ
れぞれ電磁コイル261が配設されており、電磁力によ
ってフランジ部20Fを変位駆動する機構となってい
る。
【0064】一方、キャリア240の中央部には、サン
ギヤ210を内部に受け容れる嵌合凹部242を設けて
おり、嵌合凹部242の内周面にはサンギヤ240と噛
合するセレーションが形成されている。
【0065】このように構成する伝達比可変機構200
では、操舵ハンドル10のハンドル操作により、入力軸
20と共にサンギヤ210が回転し、サンギヤ210に
連動して各プラネタリギヤ220が回転する。リングギ
ヤ230が不動とすると、リングギヤ230と噛合する
各プラネタリギヤ220は、回転(自転)することで、
サンギヤ210の周囲を公転する状態となり、この公転
運動によってプラネタリギヤ220を支持するキャリア
240が回転され、キャリア240と一体的に出力軸4
0が回転する。このようして入力軸20の回転が出力軸
40に伝達され、このようにリングギヤ230が不動の
場合における入力軸20−出力軸40間の伝達比がベー
ス伝達比Gbであり、前述したように、可変設定される
伝達比Gの範囲から大きく離れて、ベース伝達比Gbが
スロー側に設定されている。
【0066】実際の伝達比可変制御の際には、入力軸2
0の回転方向及び回転速度に応じて、アクチュエータ2
01を介したリングギヤ230の回転制御を実施するこ
とで、各プラネタリギヤ220の公転方向及び公転速度
を制御することができ、これにより入力軸20−出力軸
40間の伝達比を可変制御している。
【0067】そして、このような伝達比可変機構200
に故障が発生した際には、電磁コイル261の電磁力に
よって、フランジ部20Fを入力軸20の軸線方向に沿
って変位させると、入力軸20及びサンギヤ210が一
体で変位し、サンギヤ210がキャリア240の嵌合凹
部242内に進入し、嵌合凹部242のセレーションと
サンギヤ210が噛合する状態となる。これにより、サ
ンギヤ210とキャリア240が機械的に直結状態とな
り、入力軸20と出力軸40とが直結されることにな
る。このように入力軸20と出力軸40とが直結される
ことで、入力軸20の回転が減速されずにそのまま出力
軸40に伝達されることとなり、故障時の伝達比Gf
は、ベース伝達比Gbに比べてクイック側に設定される
(図9参照)。
【0068】以上説明した第2の実施形態では、故障時
の伝達比Gfをベース伝達比Gbよりもクイックに設定
する機構として、サンギヤ210を変位させる構成を例
示したが、この他にも図10に示すように、伝達比可変
機構200を構成する出力軸40を、ギヤを介して連結
される出力軸40Aと出力軸40Bで構成し、伝達比可
変機構200の故障時の伝達比をベース伝達比Gbと
し、出力軸40A、40B間のギヤ比を変化させる構成
を採用することもできる。この場合、通常時には、ギヤ
201とギヤ202とを連結させた倍力機構を介して両
出力軸40A、40Bを連結し、伝達比可変機構200
の故障時には、例えば出力軸40Aを相対的に変位させ
てギヤ201とギヤ202との連結を解除し、ギヤ20
3とギヤ204とを連結させて、この間のギヤ比をより
クイック側に切り換える。このように構成することで、
伝達比可変機構200の故障時に、第2の実施形態と同
様な効果を発揮させることができる。
【0069】次に、第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態で示す伝達比可変機構300も、第
2の実施形態と同様に、サンギヤを入力、プラネタリギ
ヤを出力とし、ベース伝達比Gbが、可変設定される伝
達比の範囲から大きく外れたスロー側に設定された構造
を想定している。そして、伝達比可変機構300の故障
時には、入力軸20と出力軸40との相対回転を拘束し
て、入力軸20と出力軸40とを一体的に回転させ得る
機構を備えている。
【0070】この構造を図11に示す。伝達比可変機構
300の入力軸20には、2つのサンギヤ310A、3
10Bが固定されており、一方のサンギヤ310Aの周
囲には、各プラネタリギヤ320Aが等間隔で配置さ
れ、それぞれサンギヤ310Aと噛合している。各プラ
ネタリギヤ320Aは、支持ピン341Aによって回転
自在に支持されており、各支持ピン341Aの基端部
は、円盤状のキャリア340Aに固定されている。ま
た、キャリア340Aの中央部には開口部が形成されて
おり、開口部内には入力軸20が遊挿された状態となっ
ている。
【0071】他方のサンギヤ310B側も同様な構造と
なっており、プラネタリギヤ320B、支持ピン341
B、キャリア340Bを備えており、キャリア340B
は出力軸40に連結されている。
【0072】各プラネタリギヤ320A,320Bを囲
むように、円筒形状のリングギヤ330を設けており、
リングギヤ330の内周面に形成したギヤ歯が各プラネ
タリギヤ320A、320Bと噛合している。このリン
グギヤ330の外周部には永久磁石360が固定されて
おり、相対する位置にはコイル370が設けられてお
り、リングギヤ330側をロータ、コイル370側をス
テータとするモータを構成している。
【0073】また、図におけるキャリア340Aの上部
表面にはライニングが施されており、このライニングに
相対する側には、入力軸20に支持・固定された駆動コ
イル381及びプレッシャープレート382を配設して
おり、キャリア340A、駆動コイル381及びプレッ
シャープレート382によって、摩擦クラッチ380を
構成している。摩擦クラッチ380の動作時には、駆動
コイル381の電磁力によって、プレッシャープレート
382が下方へ撓んでキャリア340Aを下方へ押圧
し、この際に発生する摩擦力によってプレッシャープレ
ート382とキャリア340Aとが摩擦連結される。そ
して、プレッシャープレート382が入力軸20に固定
されているため、キャリア340Aは入力軸20との間
の相対回転が拘束される状態となる。
【0074】このように構成する伝達比可変機構300
では、操舵ハンドル10のハンドル操作により、入力軸
20と共に、駆動コイル381、プレッシャープレート
382、サンギヤ310A、310Bが一体的に回転す
る。これにより上方のサンギヤ310Aに連動して各プ
ラネタリギヤ320Aが回転し、下方のサンギヤ310
Bに連動して各プラネタリギヤ320Bが回転する。リ
ングギヤ330が不動とすると、リングギヤ330と噛
合する下方のプラネタリギヤ320Bは、回転(自転)
することで、下方のサンギヤ310Bの周囲を公転する
状態となり、この公転運動によってプラネタリギヤ32
0Bを支持するキャリア340Bが回転され、キャリア
340Bと一体的に出力軸40が回転する。
【0075】この際、上方のキャリア340Aが入力軸
20に対してフリーな状態となっているため、上方のプ
ラネタリギヤ320Aは、サンギヤ310Aとリングギ
ヤ330との間にあってフリーな存在となっており、キ
ャリア340A及びプラネタリギヤ320Aは、この状
態では入力軸20−出力軸40間の伝達機構には何ら関
与していない。
【0076】実際の伝達比可変制御の際には、入力軸2
0の回転方向及び回転速度に応じて、ロータとしてのリ
ングギヤ330の回転制御を実施することで、下方のプ
ラネタリギヤ320Bの公転方向及び公転速度を制御す
ることができ、これにより入力軸20−出力軸40間の
伝達比を可変制御している。
【0077】そして、このような伝達比可変機構300
に故障が発生した際には、摩擦クラッチ380を動作さ
せて、入力軸20に対するキャリア340Aの相対回転
を拘束すると、キャリア340Aと入力軸20は一体的
に回転する。これにより、中央のサンギヤ310Aとプ
ラネタリギヤ320Aとの相対回転が拘束されるため、
プラネタリギヤ320Aとリングギヤ330との相対回
転も拘束される。この作用により、下方のサンギヤ31
0Bとリングギヤ330との相対回転も拘束されること
となり、その間に介在するプラネタリギヤ320Bの回
転(自転)も拘束される。この結果、入力軸20と出力
軸40とは互いの相対回転が拘束された状態となり、入
力軸20の回転に伴い、入力軸20、伝達比可変機構3
00及び出力軸40が全体として一体的に回転する状態
となる。
【0078】さらに、図12に第4の実施形態として示
す伝達比可変機構400も、第3の実施形態で例示した
伝達比可変機構300と同様に機能する。
【0079】伝達比可変機構400においても、駆動コ
イル481、プレッシャープレート482及びキャリア
440Aによって摩擦クラッチ480を構成しており、
キャリア440Aには、キャリア440Bから延びる支
持ピン441の先端部が固定されている。この支持ピン
441によってプラネタリギヤ420が回転自在に支持
されており、プラネタリギヤ420には、入力軸20に
固定されたサンギヤ410と、リングギヤ430がそれ
ぞれ噛合している。また、リングギヤ430はウォーム
ホイールを構成しており、アクチュエータ401によっ
て回転駆動されるウォーム450と噛合している。
【0080】このように構成する伝達比可変機構400
は、先の図8に示した伝達比可変機構200と同様に伝
達比の可変制御を実施するが、故障時には摩擦クラッチ
480を作動させて、入力軸20に対するキャリア44
0Aの相対回転を拘束する。これにより、支持ピン44
1を介して一体的に連結されたキャリア440A、44
0Bが、入力軸20と一体化する状態となり、サンギヤ
410、プラネタリギヤ420、リングギヤ430、キ
ャリア440A、440Bは、互いの相対回転が拘束さ
れ、入力軸20の回転に伴って伝達比可変機構400及
び出力軸が全体として一体的に回転する状態となる。
【0081】以上説明した第2〜第4の実施形態では、
サンギヤ210の変位、或いは摩擦クラッチ380、4
80の動作を電磁力を用いる構成を例示したが、この他
にも、スプリングによるバネ力や油圧などを利用する機
構を採用してもよく、特に限定するものではない。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
車両用操舵装置によれば、伝達比可変機構を構成する第
1連結手段に加えて、第2連結手段を備え、第1連結手
段の故障時には、切り換え手段によって入力軸−出力軸
間の連結を、第1連結手段から第2連結手段に切り換え
る構成を採用した。
【0083】これにより、第1連結手段の故障時には、
第2連結手段によって、いわゆるベース伝達比とは異な
る伝達比で入力軸−出力軸間を連結することできるた
め、この第2連結手段の伝達比を適宜設定することで、
伝達比可変機構の故障時に運転者が感じる操舵違和感を
十分に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態にかかる車両用操舵装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】伝達比可変機構を示す断面図である。
【図3】伝達比可変機構の制御システムを示すブロック
図である。
【図4】伝達比可変機構における遊星歯車機構のみを取
り出して示す平面図である。
【図5】図2の状態から出力軸等が変位し、入力軸と出
力軸とが直結された状態を示す断面図である。
【図6】車速Vと伝達比Gとの関係を規定したマップで
ある。
【図7】伝達比の設定処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】第2の実施形態にかかる車両用操舵装置の構成
を概略的に示す構成図である。
【図9】ベース伝達比Gbと故障時の伝達比Gfとの関
係を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態にかかる車両用操舵装置の変
形例を示す構成図である。
【図11】第3の実施形態にかかる車両用操舵装置の構
成を概略的に示す構成図である。
【図12】第4の実施形態にかかる車両用操舵装置の構
成を概略的に示す構成図である。
【符号の説明】
1…ECU、10…操舵ハンドル、20…入力軸、40
…出力軸 100、200、300、400…伝達比可変機構 101、201、301…アクチュエータ 111、210、310、410…サンギヤ 120、220、320、420…プラネタリギヤ 130、230、330、430…リングギヤ 140、240、340A、340B、440…キャリ
ア 180…油圧機構部、182…油室、184…油圧ポン
プ 185…ピストン、380、480…摩擦クラッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵ハンドルの操舵に応じて転舵輪を転
    舵させる車両用操舵装置であって、 操舵ハンドル側に連結される入力軸と、 転舵輪側に連結される出力軸と、 前記入力軸と前記出力軸とを連結するギヤ機構及びこの
    ギヤ機構を駆動するアクチュエータを有し、操舵ハンド
    ルの操舵角に対する転舵輪の転舵角の比となる伝達比を
    変化させる第1連結手段と、 前記アクチュエータが停止した状態における第1連結手
    段の伝達比とは異なる伝達比で、前記入力軸と出力軸と
    を連結する第2連結手段と、 前記第1連結手段の故障時に、前記入力軸と出力軸との
    連結を、前記第1連結手段から第2連結手段へ切り換え
    る切り換え手段とを備える車両用操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記第1連結手段は、 前記入力軸に対して同心的に配設され、前記アクチュエ
    ータにより回転駆動されるサンギヤと、 前記サンギヤと噛合しつつこのサンギヤのまわりを回転
    するプラネタリギヤと、 前記プラネタリギヤを回転自在に支持すると共に、前記
    入力軸に対して固定されるキャリアと、 前記出力軸に連結されると共に、内周が前記プラネタリ
    ギヤと噛合する円環状のリングギヤとを備えて構成し、 前記キャリアとリングギヤとは、前記切り換え手段によ
    って相対的に変位駆動され、機械的に直結状態となる請
    求項1記載の車両用操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記第1連結手段は、 前記入力軸に連結されるサンギヤと、 前記サンギヤと噛合しつつ、このサンギヤのまわりを回
    転するプラネタリギヤと、 前記プラネタリギヤを回転自在に支持すると共に、前記
    出力軸に連結されるキャリアと、 前記アクチュエータによって回転駆動され、内周が前記
    プラネタリギヤと噛合する円環状のリングギヤとを備え
    ており、 前記サンギヤとキャリアとは、前記切り換え手段によっ
    て相対的に変位駆動され、機械的に直結状態となる請求
    項1記載の車両用操舵装置。
  4. 【請求項4】 前記第1連結手段は、 前記入力軸に連結されるサンギヤと、 前記サンギヤと噛合しつつ、このサンギヤのまわりを回
    転するプラネタリギヤと、 前記プラネタリギヤを回転自在に支持すると共に、前記
    出力軸に連結されるキャリアと、 前記アクチュエータによって回転駆動され、内周が前記
    プラネタリギヤと噛合する円環状のリングギヤとを備え
    ており、 前記サンギヤ、プラネタリギヤ、キャリア及びリングギ
    ヤは、前記切り換え手段によって互いの相対回転が拘束
    される請求項1記載の車両用操舵装置。
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