JP2000127834A - 車輌運搬車のウインチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌積載用の荷台３を後傾させた状態で、荷
台前部に装備したウインチ装置６を引込み駆動すること
で荷台上に被運搬車輌を積込むよう構成した車輌運搬車
のウインチ装置において、ウインチ装置６の引込み駆動
の停止操作を自動化する。 【解決手段】 ウインチ装置６による引込み駆動を規制
する引込み駆動規制手段18と、ウインチ装置６により被
運搬車輌が車輌搭載位置まで引込まれたことを検出する
引込み完了検出手段17を設け、当該引込み完了検出手段
17が引込み完了を検出した時に前記引込み駆動規制手段
18を作動させるよう引込み完了検出手段17と引込み駆動
規制手段18とを関連接続した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、車輌運搬車のウ
インチ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車輌積載用の荷台上に被運搬車輌を積込
んで運搬するよう構成した車輌運搬車輌は、荷台上への
被運搬車輌の積込み作業を容易にするため、例えば図２
に示す如き荷台後傾手段１と車輌引込み手段２を装備し
ている。

【０００３】荷台後傾手段１は、荷台３を車輌後方に移
動しつつ後傾させる荷台移動用シリンダ４と荷台後傾用
ガイドレール５とで構成されており、荷台移動用シリン
ダ４の伸長駆動により荷台３を荷台後傾用ガイドレール
５に沿って車輌後方に移動させると共に後傾させ、移動
終端位置で荷台後端を接地させて被運搬車輌を積込み易
くするよう構成している（図２図示状態）。この状態
が、被運搬車輌を荷台３上に積込む車輌積込み姿勢であ
る。

【０００４】また、車輌引込み手段２は、荷台３の前部
に装備したウインチ装置６で構成されており、前述した
如く荷台後傾手段１により荷台３を車輌積込み姿勢にし
た状態で、ウインチ装置６から牽引ロープ７を引出し当
該ロープ先端部を被運搬車輌に係止した後、ウインチ装
置６を引込み駆動することで荷台３上に被運搬車輌を引
込むよう構成している。

【０００５】図３は、荷台移動用シリンダ４とウインチ
装置６の駆動油圧回路である。８は、荷台移動用シリン
ダ４を駆動制御する荷台スライド制御弁、９はウインチ
装置６を駆動制御するウインチ制御弁である。また、11
は油圧ポンプ、12は主リリーフ弁である。荷台スライド
制御弁８とウインチ制御弁９は、それぞれ６ポート３位
置型の電磁切換弁で構成されており、オペレータが携帯
する送信器13の操作スイッチ14、すなわち荷台後傾スイ
ッチ14a 、荷台復帰スイッチ14b 、ウインチ引込みスイ
ッチ14c 及びウインチ繰出しスイッチ14d を操作するこ
とで、有線あるいは無線により遠隔操作されるようにな
っている。すなわち、送信器13の荷台後傾スイッチ14a
を操作すれば、送信器13から操作信号が送信され、これ
を受信した受信器15が対応する荷台スライド制御弁８の
ソレノイド8aに励磁信号を出力して当該制御弁８が荷台
後傾位置ａに切換わり荷台移動用シリンダ４が伸長駆動
するようになっている。同様に、荷台復帰スイッチ14b
を操作すればソレノイド8bに励磁信号が出力され荷台ス
ライド制御弁８が荷台復帰位置ｂに切換わり荷台移動用
シリンダ４が縮小駆動し、ウインチ引込みスイッチ14c
を操作すればソレノイド9aに励磁信号が出力されウイン
チ制御弁９が引込み位置ａに切換わりウインチ装置６が
引込み側に駆動し、ウインチ繰出しスイッチ14d を操作
すればソレノイド9bに励磁信号が出力されウインチ制御
弁９が繰出し位置ｂに切換わりウインチ装置６が繰出し
側に駆動するようになっている。

【０００６】このように構成された車輌運搬車は、荷台
３上への被運搬車輌の積込み作業を次の如き手順で行う
ようになっている。すなわち、まず送信器13の荷台後傾
スイッチ14a を操作して、荷台スライド制御弁８を荷台
後傾位置ａに切換え、荷台移動用シリンダ４を伸長させ
て荷台３を車輌積込み姿勢にする。

【０００７】次に、オペレータは、ウインチ装置６から
牽引ロープ７を引出してロープ先端部を被運搬車輌に係
止した後、被運搬車輌に乗込みステアリングを操作しつ
つ送信器13のウインチ引込みスイッチ14c を操作する。
これにより、ウインチ制御弁９が引込み位置ａに切換わ
り、ウインチ装置６が引込み側に駆動して被運搬車輌が
荷台３上に引込まれる。そして、被運搬車輌の車輪が荷
台３上の車輪止め16に当接した時点、すなわち被運搬車
輌が車輌搭載位置まで引込まれ引込み作業が完了した時
点で、オペレータがウインチ引込みスイッチ14c の操作
を中止すれば、ウインチ制御弁９が中立位置ｃに帰りウ
インチ装置６の引込み駆動が停止するのである。

【０００８】最後に、荷台復帰スイッチ14b を操作すれ
ば、荷台スライド制御弁８が荷台復帰位置ｂに切換わ
り、荷台移動用シリンダ４が縮小駆動して荷台３が前方
に移動して走行姿勢となるのである。この状態で被運搬
車輌を荷台３に固定すれば、運搬車を走行させて運搬す
ることができるのである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車輌運搬車は、ウインチ装置６により被運搬車輌を荷台
３上に引込む際に、オペレータが被運搬車輌に乗込んで
ステアリングを操作しつつウインチ装置６の駆動・停止
操作を行う必要があり、被運搬車輌に乗込んだオペレー
タの位置から引込み停止位置である車輪止め16の位置が
確認し難く、停止操作が遅れて車輪止め16を乗り越えて
停止するという問題があった。

【００１０】本発明は、上記の如き問題点に鑑み、ウイ
ンチ装置による被運搬車輌の引込み停止操作を自動化し
て、引込み作業の操作性を向上させた車輌運搬車のウイ
ンチ装置を提供することを目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための手段として次の構成を有している。本発明
の車輌運搬車のウインチ装置は、前部に車輌引込み用の
ウインチ装置を装備した車輌積載用の荷台を車体フレー
ム上に後傾可能に搭載し、当該荷台を後傾させた状態で
ウインチ装置を引込み駆動することで荷台上に被運搬車
輌を積込むよう構成した車輌運搬車のウインチ装置を対
象にしている。

【００１２】そして、ウインチ装置による引込み駆動を
規制する引込み駆動規制手段と、ウインチ装置により被
運搬車輌が車輌搭載位置まで引込まれたことを検出する
引込み完了検出手段を設け、当該引込み完了検出手段が
引込み完了を検出した時に前記引込み駆動規制手段を作
動させるよう引込み完了検出手段と引込み駆動規制手段
とを関連接続して構成している。

【００１３】このように構成したことにより、ウインチ
装置による被運搬車輌の引込み作業中に、被運搬車輌が
車輌搭載位置まで引込まれれば、引込み完了検出手段が
車輌搭載位置まで引込まれたことを検出して検出信号を
出力するので、この検出信号を受取った引込み駆動規制
手段はウインチ装置の引込み駆動を自動的に停止させる
のである。このため、オペレータは、被運搬車輌の引込
み停止位置を確認して引込み駆動を停止させる必要がな
くなり、引込み作業の操作性が向上するのである。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図１に基づき本発明の好適
な実施形態について説明する。なお、本発明の車輌運搬
車のウインチ装置は、従来技術として説明した車輌運搬
車のウインチ装置に、引込み駆動規制手段と引込み完了
検出手段を付加したものであり、以下の説明ではこの変
更点についてのみ説明するものとする。従って、従来技
術として説明した１〜16の符号については、以下の説明
においても援用して用いるものとする。

【００１５】17は、ウインチ装置６による被運搬車輌の
引込み停止位置を検出する引込み完了検出手段であり、
荷台３上に設けられた車輪止め16に被運搬車輌の車輪が
当接したことを検出して検出信号を出力するよう構成し
ている。すなわち、車輪止め16の車輪止め面16a に車輪
当接検出部材17a を取付け、当該車輪当接検出部材17a
に被運搬車輌の車輪が当接したことを検出スイッチ17b
で検出して検出信号を出力するように構成している。す
なわち、ウインチ装置６の引込み駆動の停止位置を、引
込み駆動中の被運搬車輌の車輪が車輪止め16に当接した
ことで検出するよう構成しているのである。なお、車輪
止め16が荷台３の左右位置に設けられている車輌運搬車
の場合には、左右の車輪止め16に夫々検出スイッチ17b
を取付け、何れか一方の検出スイッチ17b が車輪の当接
状態を検出した時に検出信号を出力するよう構成すれば
よい。

【００１６】18は、引込み駆動規制手段であり、ウイン
チ制御弁９の引込み位置切換用ソレノイド9aの励磁回路
19中に介装した常接リレー接点18a を有するリレーで構
成している。当該リレー18は、前記引込み完了検出手段
17の検出信号で作動し、リレー作動状態においてリレー
接点18a （常接接点）が断となり、ソレノイド9aの励磁
回路19が遮断されてウインチ制御弁９が引込み位置ａか
ら中立位置ｃに切換わり、これにより引込み側に駆動中
のウインチ装置６が自動的に停止するように構成してい
る。

【００１７】この実施形態の車輌運搬車のウインチ装置
は、次の如く機能する。すなわち、被運搬車輌を荷台３
上に引込むには、まず従来の車輌運搬車と同様に、送信
器13の荷台後傾スイッチ14a を操作して、荷台移動用シ
リンダ４を伸長させて荷台３を車輌積込み姿勢とする。

【００１８】次に、ウインチ装置６から牽引ロープ７を
引出してロープ先端部を被運搬車輌に係止した後、オペ
レータが被運搬車輌に乗込んでステアリングを操作しつ
つ送信器13のウインチ引込みスイッチ14c を操作する。
これにより、ウインチ制御弁９が引込み位置ａに切換え
られ、ウインチ装置６が引込み側に駆動して被運搬車輌
が荷台３上に引込まれる。

【００１９】被運搬車輌が車輌搭載位置（車輪が車輪止
め16に当接した位置）まで引込まれて車輪が車輪止め16
に当接すれば、引込み完了検出手段17が車輪の当接状態
を検出して検出信号を出力し、この検出信号を受けて引
込み駆動規制手段18が作動してリレー接点18a が断とな
り、ウインチ制御弁９が引込み位置ａから中立位置ｃに
切換わり、ウインチ装置６が自動的に停止し被運搬車輌
の引込み駆動が停止するのである。

【００２０】このため、オペレータは、被運搬車輌の引
込み停止位置を確認して引込み駆動を停止させる必要が
なくなり、引込み作業の操作性が向上するのである。

【００２１】なお、この実施形態では、引込み完了検出
手段17を機械式のスイッチで構成しているが、超音波や
光学式の非接触センサーを用いて、車輪止め16に車輪が
当接した当接状態、あるいは当接直前状態を検出するよ
う構成してもよい。

【００２２】また、この実施形態では、引込み駆動規制
手段18を、ウインチ制御弁９のソレノイド励磁回路19中
に介装したリレーで構成し、ウインチ制御弁９を引込み
位置ａから中立位置ｃに強制的に切換えてウインチ装置
６による被運搬車輌の引込み駆動を停止させよう構成し
ているが、主リリーフ弁12のベント回路12a に電磁開閉
弁12b を介装して、当該電磁開閉弁12b をウインチ制御
弁９を引込み位置ａに切換えるソレノイド励磁回路19中
に介装した前記リレー18の常開接点18ｂを用いて、ウイ
ンチ６を引込み駆動状態で引込み完了検出手段17が作動
した時に開弁させ、油圧ポンプ11の吐出油をタンクに開
放してウインチ装置６の引込み駆動を停止させるよう構
成してもよい。

【００２３】

【発明の効果】本願発明の車輌運搬車のウインチ装置
は、次のような効果がある。すなわち、ウインチ装置に
より被運搬車輌を引込み駆動中に、被運搬車輌が車輌搭
載位置まで引込まれれば、これを引込み完了検出手段が
検出して引込み駆動規制手段が作動し、ウインチ装置の
引込み駆動が自動的に停止するようになっているので、
オペレータは被運搬車輌の引込み停止位置を確認して引
込み駆動を停止させる必要がなくなり、引込み作業の操
作性が向上するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車輌運搬車のウインチ装置の駆動制御
回路図である。

【図２】車輌運搬車の説明図である。

【図３】従来の車輌運搬車のウインチ装置の駆動制御回
路図である。

【符号の説明】

１ 荷台後傾手段 ２ 車輌引込み手段 ３ 荷台 ４ 荷台移動用シリンダ ５ 荷台後傾用ガイドレール ６ ウインチ装置 ７ 牽引ロープ ８ 荷台スライド制御弁 ９ ウインチ制御弁 11 油圧ポンプ 12 主リリーフ弁 13 送信器 14 操作スイッチ 15 受信器 16 車輪止め 17 引込み完了検出手段 18 引込み駆動規制手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前部に車輌引込み用のウインチ装置を装
   備した車輌積載用の荷台を車体フレーム上に後傾可能に
   搭載し、当該荷台を後傾させた状態でウインチ装置を引
   込み駆動することで荷台上に被運搬車輌を積込むよう構
   成した車輌運搬車のウインチ装置において、 当該ウインチ装置による引込み駆動を規制する引込み駆
   動規制手段と、ウインチ装置により被運搬車輌が車輌搭
   載位置まで引込まれたことを検出する引込み完了検出手
   段を設け、当該引込み完了検出手段が引込み完了を検出
   した時に前記引込み駆動規制手段を作動させるよう引込
   み完了検出手段と引込み駆動規制手段とを関連接続した
   ことを特徴とする車輌運搬車のウインチ装置。