JP2000127442A - 記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法 - Google Patents

記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法

Info

Publication number
JP2000127442A
JP2000127442A JP10305989A JP30598998A JP2000127442A JP 2000127442 A JP2000127442 A JP 2000127442A JP 10305989 A JP10305989 A JP 10305989A JP 30598998 A JP30598998 A JP 30598998A JP 2000127442 A JP2000127442 A JP 2000127442A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording head
flow path
tank
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10305989A
Other languages
English (en)
Inventor
Mikio Sanada
幹雄 真田
Shinya Mishina
伸也 三品
Koichi Osumi
孝一 大角
Hisashi Teraoka
恒 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10305989A priority Critical patent/JP2000127442A/ja
Publication of JP2000127442A publication Critical patent/JP2000127442A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、物流時などの長期保存時における
記録ヘッドの保存性能を向上させ、かつ記録ヘッドの物
流上の制限を取り除き、取り扱いの自由度を向上させる
こと。 【解決手段】 インクジェット用の記録ヘッドを長期保
存する際に、記録ヘッドのインク流路内にアルカリ性の
保存用液体を封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置においてインクタンクと着脱自在に接続されて使
用される記録ヘッドの出荷前あるいは出荷後の使用者に
よる使用開始までの間における保存方法及び保存に好適
な状態を有する記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェット記録装置は、半永
久的に使用可能なヘッド(以下、PHと称する。)とを
有し、PHに対するインクの供給を、チューブ等を含む
構造によってPHへのインク供給を可能とするインク供
給手段に交換可能なインクカートリッジを装着して行う
のが一般的であった。しかしながら、PHの場合には、
ノズル部(インク流路)のゴミ詰まりなどに依る偶発的
な故障や吐出素子の劣化などに依る経時的な故障を皆無
にすることが難しく、記録性能の維持のためにメンテナ
ンスサービス体制が必要となっていた。
【0003】一方、信頼性向上やコストダウン等の観点
から、記録ヘッドを所定の間隔で定期的に交換するよう
にするとともに、記録ヘッドの交換を所定のインク量毎
に確実に実施できるようにインクタンクとヘッドとを一
体化した交換タイプの記録ヘッドカートリッジ(以下、
DHと称する。)を用いるインクジェット記録装置も実
用化されている。
【0004】しかしながら、DHは信頼性確保の目的と
DHカートリッジ自体の大きさ及び重さの観点から使用
可能なインク量を大きく設定できないことから、ランニ
ングコストをPH並みに低下させるには限界がある場合
が多く、また、インクを使い切った時点で記録ヘッドの
駆動機能は十分である場合でも廃棄しなければならない
という経済的な面での不都合もあった。特に、ヘッドカ
ートリッジの廃棄は、近年の世界的な潮流である環境面
での問題に影響を及ぼす虞が潜在している。
【0005】そこで、近年信頼性の面ではDHの特徴を
生かした上でランニングコストを低減するとともに地球
環境への配慮をしたカートリッジ構成として、記録ヘッ
ド部と記録ヘッドに対して供給されるインクタンク部と
をこれらを着脱自在に接続できる構成とし、使用時には
両者を接続して一体化し、インク終了時点などではそれ
ぞれ独立に交換可能な様に構成した形式のカートリッジ
が提案されてきている。
【0006】この構成のカートリッジでは、記録ヘッド
長期保存時や物流時に印字用インクを充填せず、インク
無しの状態で放置されると、記録ヘッドのヒータ表面が
周囲の環境により膜汚染されてしまい、印字時の発泡特
性が劣化してしまい印字品位が悪化してしまうことがあ
った。この現象を防止するために記録ヘッド中に印字用
インクを充填しておき、膜汚染を阻止する方法が知られ
ている。しかしながら、この方法は空気等による汚染を
防止するには効果的であるが、記録ヘッドの放置条件に
よってはインクが記録ヘッド内で固着する場合があり、
記録初期において吐出不良になる場合があった。また、
印字用インクを記録ヘッド内に充填した状態で長期保存
(物流時を含む)した場合に、インク組成が水系インク
であると放置時に溶存していた気体が気泡を形成し、そ
れが記録ヘッドのインク流路や液室内に残留し、気泡と
接している記録ヘッドの構成部材が疎水性に変化してし
まう場合もある。更に、この液室内の気泡はインクの吐
出に様々な悪影響を及ぼし、印字品位の保持という観点
からはも非常に好ましくないものであった。
【0007】一方、記録ヘッド製造時に色インクを記録
ヘッド内に充填してしまうと、各記録ヘッドが色ごとに
決定してしまい購入時や使用時の自由度が低減すること
もある。その対策として特開平5−169676では、
記録ヘッドの初期使用前に、記録用インクから着色剤成
分を所定量あるいは全量除いた組成を有する、記録用イ
ンクとは異る保存用液体(保存用インク)を記録ヘッド
内に充填することで、物流時などの長期保存時における
記録ヘッドの保存性能を向上させ、かつ記録ヘッドの物
流上の制限を取り除き、取り扱いの自由度を向上させて
いる。
【0008】しかしながら、上記の保存用インクを使用
した場合においても、長期保存(物流時を含む)におい
ては記録ヘッド構成部材より保存インク中に溶出する汚
染物質により記録ヘッドのヒータ表面が保存インク中に
溶出する汚染物質により膜汚染されてしまい、印字時の
発泡特性が劣化してしまい印字品位が悪化してしまう場
合があった。その汚染を取り除く手段として記録ヘッド
の吐出ヒータに連続的にヒートパルスを与え(数十万発
〜数百万発)吐出ヒータにより発生した酸化皮膜や不純
物をこの発泡エネルギーで剥離、分離し吐出口より排出
させるエージングを行うことでヒータ表面の汚染物質を
除去する必要があり、長期保存における記録ヘッドの保
存性能は十分なものではなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】長期保存(物流時等を
含む)において記録ヘッド内に充填した保存用インクへ
記録ヘッド構成部材から溶出した汚染物質(酸化被膜や
不純物)を除去する方法としては、記録ヘッドがインク
の吐出に吐出ヒーターからの熱エネルギーを用いる場合
では記録ヘッドの吐出ヒータに連続的にヒートパルスを
与え(数十万発〜数百万発)、吐出ヒータにより発生し
た発泡エネルギーで酸化皮膜や不純物を剥離、分離し、
吐出口より排出させるエージングを行う方法が知られて
いる。
【0010】しかしながら、このエージング動作には数
十万発〜数百万発のインクの吐出が必要となる場合があ
り、そのような場合には無駄に消費されるインク量が増
大するいった問題点があった。
【0011】本発明は、かかる問題点を解決することを
目的としてなされたものであり、記録ヘッドの物流上の
制限を取り除き、取り扱いの自由度を向上させるととも
に、物流時などの長期保存性能の更なる向上を達成する
ことをその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成し得る
本発明の記録ヘッドは、インク流路と該インク流路に連
通し、該インク流路中に供給されたインクを吐出する吐
出口とを有し、インクジェット記録装置内でインクタン
クと着脱自在に接合されることで該インクタンクから該
インク流路にインクが供給されることで該吐出口からの
インクの吐出が可能となる記録ヘッドにおいて、前記イ
ンク流路中にアルカリ性の保存用液体が封入されている
ことを特徴とする。
【0013】また、本発明のインク記録ヘッドの保存方
法は、インク流路と該インク流路に連通し、該インク流
路中に供給されたインクを吐出する吐出口とを有し、イ
ンクジェット記録装置内でインクタンクと着脱自在に接
合されることで該インクタンクから該インク流路にイン
クが供給されることで該吐出口からのインクの吐出が可
能となる記録ヘッドの保存方法であって、前記インク流
路中にアルカリ性の保存用液体を封入した状態で保存す
ることを特徴とする。
【0014】以上の構成によれば、長期保存(物流時を
含む)に記録ヘッド構成部材より保存用液体中に汚染物
質が溶出し、記録ヘッドのインク流路を構成する流路壁
や、熱エネルギーをインクの吐出に利用する場合におけ
る熱エネルギー発生手段(ヒーター)の設置部分のイン
クと接する面(ヒーター表面)に、汚染物質による膜形
成が生じても、保存用液体中のアルカリ成分により除去
されるので、記録ヘッドの初期使用前にエージングを行
う必要がなくなり、しかも物流時などの長期保存におけ
る記録ヘッドの保存安定性を向上させることができる。
【0015】なお、上述したアルカリ成分による汚染物
質の除去は、熱エネルギーをインクの吐出に利用する場
合を代表例として説明すると、以下のような現象による
ものと考えられる。
【0016】長期保存(物流時を含む)において記録ヘ
ッド構成部材の一部である封止剤より保存用液体中に水
不溶性の汚染物質が溶出し、その溶出物が記録ヘッドの
ヒータ表面に吸着することによりヒータ表面が膜汚染さ
れ発泡特性が劣化してしまい印字品位が悪化する。とこ
ろが、本発明においてはヒータ面に吸着した水不溶性の
汚染物質が保存用液体中のアルカリ成分により水可溶性
の物質へと変化することで、ヒータ面の汚染物質が取り
除かれることにより記録ヘッドの初期使用前にエージン
グを行う必要がなくなり、物流時などの長期保存におけ
る記録ヘッドの保存安定性を向上させることができるよ
うになる。
【0017】更に詳しく述べると、記録ヘッド内の隙間
をふさぎ気密性を確保することと、記録ヘッドと配線基
板との接続部の保護を目的として、封止剤が用いられて
おり、気密性の確保と接続部の保護の為の封止剤として
室温硬化型液状樹脂としてはシリコン系樹脂やウレタン
系樹脂が一般的に使われるが、これらの室温硬化型液状
樹脂中には、低分子シロキサンや低分子ポリウレタンが
存在し、それらの低分子成分が保存インク中に溶出する
とものと考えられる。これらの溶出物は水不溶性である
ために記録ヘッドのインク流路(ノズル)およびヒータ
ー面に吸着することで汚染物質となると考えられる。し
かし、本発明における強塩基性物質存在下のアルカリ条
件ではこれらの汚染物質は加水分解により分子内に可溶
化基が作られることでインク中に溶解しやすくなること
で汚染物質が取り除かれるものと考えられる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において使用される保存用
液体は、pHがアルカリ性に調製された液体で上記の様
な汚染物質の可溶化機能を有するものであれば良いが、
記録に使用可能なインクから着色剤成分を全量除いた組
成の液体を好適に用いることができる。
【0019】なお、新規使用時にインクタンクと一体化
されて装着された後、吸引回復処理により記録用インク
と置換する際に、保存用液体中の着色剤と記録用インク
の着色剤が異る場合に記録用インクと保存用液体中の着
色剤が混入することで記録用インクの色調が変化するこ
とのない程度の超低濃度であれば保存用液体中に着色剤
があっても良い。
【0020】また、このpH調整には強塩基性物質を用
い、pH緩衝物質として強酸弱塩基の塩を用いるのが好
ましい。
【0021】保存用液体のpHとしては、pHが高いほ
ど汚染物質の加水分解には有利であるが、pHが高過ぎ
る場合には、取り扱い上において高pHの液体が人体に
触れた場合に危険が生じる恐れがあり、また、pHが低
い場合には汚染物質の加水分解効果が弱くなるので好ま
しくないことから、好ましいpH領域としてはpH9.
5〜11.0が好ましい。
【0022】pH調製に用いられる強塩基性物質として
は、アルカリ金属の水酸化物もしくはアルカリ土類金属
の水酸化物が挙げられ、例えば水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が使
用可能であり、必要に応じて2種以上を用いることがで
きる。一方、pH緩衝物質として使用可能な物質として
は硫酸アンモニウム、硝酸アンモニュウム、塩酸アンモ
ニュウムなどを挙げることができ、必要に応じて2種以
上を用いることができる。
【0023】このような構成の保存用液体を記録ヘッド
のインク流路内に封入して記録ヘッドの保存が行われ
る。なお、本発明における記録ヘッドのインク流路に
は、吐出口をその開口端に有するノズル部分やインクを
貯溜する液室(複数のノズルを有する場合の共通液室)
等のインク経路を構成する全ての流路を含む。
【0024】このような構成の保存用液体の記録ヘッド
のインク流路への封入は、製造した記録ヘッドで記録用
インクにより記録後、本体の吸引回復動作により保存用
液体を置換充填するとにより行うことが好ましい。この
場合、吸引回復処理を2回以上行うことにより、記録用
インクは保存用液体によりほぼ置換される。
【0025】以下、本発明を図面に基づき更に詳細に説
明する。
【0026】本発明は、記録ヘッドとしては、電気信号
に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱
エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行う
インクジェット方式のものに特に好適に適用可能であ
る。このような熱エネルギーを用いるタイプの記録ヘッ
ドの一構成例を図1に示す。
【0027】図1において、記録ヘッド1の主たる構成
はすべて記録ヘッドベースプレート5に設けた位置決め
用の突起及び切欠きを位置基準として記録ヘッドベース
プレート5上に接着ないしは圧着して積層配置されてお
り、ヒータボード4はSi基板上に複数の列状に配され
た電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これに電力を供給す
るAl等の電気配線とが成膜技術により形成されてな
り、本体装置からの電気信号を受け取るパッド6aを端
部に配した配線を有する記録ヘッドPCB6に対して、
それぞれの配線を対応させてワイヤボンディング7によ
り接続されている。吐出ヒータに対応して複数のインク
流路を各々区分するための隔壁や供給流路8を介してイ
ンクタンク2からインクを導入してインク流路に供給す
る。記録ヘッドを構成する共通液室9と複数の吐出口を
形成するオリフィスとはポリサルフォン等で一体成型し
た溝天板10をヒータボード4に不図示のバネで押圧す
るとともに封止剤を用いて圧着固定及び封止して形成し
ている。本実施例において、封止剤として東芝シリコー
ン(株)社製の室温硬化型液状シリコーン樹脂(TSE
−399)を用いたが、他にウレタン系、エポキシ系な
どを用いても良い。溝天板10に結合封止された供給流
路8は、インクタンク2と結合可能とするために本例に
おいては記録ヘッドPCB6及び記録ヘッドベースプレ
ート5に設けた穴を通って記録ヘッドベースプレート5
の反対側へ貫通させるとともに、貫通部で記録ヘッドベ
ースプレート5に接着固定されている。また、流路8の
インクタンク2と結合する側の端部には吐出部へのゴミ
や気泡などの流入を防止するためのフィルタ11が設け
てある。また、記録ヘッド1の吐出部や電気接続用のパ
ッド6aを保護することと、記録ヘッド1の取り扱い面
から持ちやすくする為に記録ヘッドカバー12を設けて
いる。
【0028】交換用インクタンク2は内面にリブ2aを
有するタンクケース2A内に、インクを含浸させたイン
ク吸収体2bをほぼ隙間なく詰め込むとともに、記録ヘ
ッド1のインクのフィルタ11を設けた供給流路端を挿
入させて結合を行うためのインク供給部(孔)2cとイ
ンクタンク2からのインクの流出に見合うだけの大気を
インクタンク内に導入して過度の負圧発生を防止するた
めの大気連通部(孔)2dとを有する。供給部へのタン
クケース内壁を伝っての直接の大気連通を防止して、イ
ンク吸収体全領域のインクを毛管力を用いて最大限有効
に利用するために、タンク内壁にリブ2aを設けるとと
もに大気連通部2dをなるべくインク供給部2cから離
して設置している。リブ2aは同時にタンクケース2A
の補強部としても機能し、タンク交換時の操作性を向上
させてもいる。インク吸収体2b内の初期の含浸インク
量は、記録ヘッド1との結合時に吐出口のメニスカスに
負の水頭圧を付与して安定した吐出を可能にするための
機能上の目的と、インクタンク交換時に多少の衝撃が与
えられてもインクが漏出することがないようにするため
の操作性上の目的のために、インク吸収体2bの吸収可
能量よりも少なめのインクを充填している。大気連通部
2dのインク吸収体を溌液処理するか別体の溌液性の吸
収体を用いて構成し大気連通部2dからのインクの漏出
を規制しても良い。
【0029】インクのインクタンク2のインク供給限界
は、インク吸収体2bの含浸インク量が非常に少なくな
って、インク吐出に伴うノズルの毛管力による記録ヘッ
ド1へのインク供給能力よりもインク吸収体2bのイン
ク吸引力が強くなるかフィルタ11の周囲に大気連通部
2dから導入された大気が多くなってフィルタ11を介
してインク吸収体内の大気が多量に供給される様になっ
た場合である。
【0030】記録ヘッド1とインクタンク2との結合は
図1に示すように、キャリッジ3への記録ヘッド部1の
結合と同時にキャリッジ3の加圧フック13による付勢
力により一体化される。
【0031】ここで、記録装置における記録ヘッド1の
配置および動作を説明するために図4を用いて簡略に記
録装置の動作を説明する。図4で、記録媒体Sをプラテ
ンローラ5000を用いて紙面下方から上方へ案内し、
神押さえ板5002でキャリッジ移動方向にわたってプ
ラテン5000に対して押圧する。キャリッジHCは、
キャリッジ駆動ピンをそのらせん溝5004にはめ込ん
でそれ自身が回転することで駆動源として動作するリー
ドスクリュー5005とリードスクリューに平行に配置
されたスライダ5003とに支持係合されてプラテンロ
ーラ5000上に案内された記録媒体Pの記録面に沿っ
て左右に往復動する。リードスクリュー5005は駆動
伝達ギア5011、5009を介して駆動モータの正逆
回転に連動して回転駆動制御される。5007、500
8はフォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの
域での存在を確認してモータ5013の回転方向切換等
を行うためのホームポジション検知手段である。画像記
録信号は記録ヘッドを搭載するキャリッジの移動にタイ
ミングを計って記録ヘッドに送られ所定の位置でインク
滴を吐出させて記録を行う。5016は記録ヘッドの前
面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材
で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段でキ
ャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を
行う。5017はクリーニングブレードで、5019は
このブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、
本体支持板5018にこれらは支持されている。吸引手
段、ブレード等は、この形態でなくとも良く、周知のも
のが適用可能なことはいうまでもない。また、5012
は、吸引回復動作のタイミングを決めるためのレバー
で、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って
移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公
知の伝達手段で移動制御される。これらの回復手段はキ
ャリッジがホームポジション側領域にきたときにリード
スクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で
所望の処理が所定のタイミングで行える様に構成されて
いる。上述のキャリッジHCへの記録ヘッドの機械的、
電気的接続は以下の様に行われる。
【0032】キャリッジHCは、プラテン側(記録ヘッ
ドの前面側)に位置する前板と、記録ヘッドのPCB上
のパッド6aに対応する記録ヘッド駆動電極16aを具
備したフレキシブルシート及びこれを裏面側から押圧す
る弾性力を発生させるためのゴムパッドを保持する電気
接続部用支持板16と、記録ヘッドを機械的に固定する
際の記録ヘッド位置決め部と、インクタンク2及び記録
ヘッド1を矢印A方向に付勢支持するための加圧フック
13とが設けられている。前板は位置決め用基準面3
b,3cを、記録ヘッドの記録ヘッドベースプレート5
に設けた前述の位置決め用の突起14に各々対応して2
個有する。キャリッジ3の加圧フック13は図1の加圧
方向、すなわちキャリッジの移動方向に対して約10度
傾いた方向に付勢力が発生する様に構成しているので、
その付勢力によって記録ヘッドは前板3a方向と電気接
続用支持板16との2方向に押しつけられる。同時に、
電気接続用支持板16を支点として記録ヘッド位置決め
部ではキャリッジの移動方向にも付勢される。この加圧
フックの加圧係合動作はどのようなものでも良いが、キ
ャリッジの上面側から操作できるレバー等で行える構成
が好ましい。いずれにしてもこの加圧フックの係合時に
記録ヘッド及び交換用インクタンクはキャリッジHC上
でやや回転しつつ位置決め用突起及び切欠きが前板の基
準面3bに接触した上で電気的接続がなされることにな
るので記録ヘッドPCB上のパッド6aと記録ヘッド駆
動電極16aとの位置決めも確実に行われる。
【0033】記録ヘッド1とインクタンク2との結合は
図2に示す様に、記録ヘッド1の記録ヘッドベースプレ
ート5に一端を固定(不図示)したタンクバンドを交換
インクタンク2のインク結合部近傍の外壁を沿わせてタ
ンクバンド他端に設けたタンクバンドバネの終端に設け
たリング状のタンクバンドフックを記録ヘッドベースプ
レート5に設けたバンド用突起に付勢しながら引っ掛け
ることによりタンクバンドバネによる付勢力により一体
化される。更に、詳しく説明すると、交換インクタンク
2の結合は図3に示すようにキャリッジ外で行うことが
でき、まず、記録ヘッドベースプレート5のタンクガイ
ド穴15に、交換インクタンク2のタンクガイド20を
はめ込むことから始める。この係合部の位置をキャリッ
ジ3の加圧フック13の作用点に対して近接配置すると
ともに、インク供給部2cを加圧フック13の作用点か
ら可能な限り離間させて配置することで、キャリッジ3
を装着した場合の加圧力のインク供給部2cでの分力を
小さくすることが可能となり、インク供給流路の確実な
結合が可能となる。すなわち、図2で明らかなように、
記録ヘッド1と交換インクタンク2の結合に関して考え
ると、力点である加圧フック13による交換インクタン
ク2への加圧力が図中時計回りの方向に交換インクタン
ク2を回転させる際に、タンクガイド20の係合部を支
点としてインク供給部2cが作用点となるので、インク
結合部では結合を阻害する力が発生する。インク供給部
2cではタンクバンドによる結合力によって、インク吸
収体2bとフィルタ11とが圧接結合することでインク
供給流路の接続を行うとともに、記録ヘッドベースプレ
ート5と交換インクタンク外壁面とに挟まれた弾性体の
リングシール19が加圧変形して密着することによりイ
ンク供給部2cにおいてインクタンク内部と大気との連
通を完全に封止している。この封止が不十分であると、
記録ヘッド1へのインク供給に伴うインクタンク内部へ
の大気の導入がインク吸収体2bを介さずにこの部分で
直接行われてしまうので、インク吸収体2bに含浸させ
たインクの有効利用が困難となる。
【0034】しかしながら、本発明ではインク結合部に
おけるタンクバンドバネによる結合力を加圧フック13
の作用力よりも大きくしているので、キャリッジ3への
装着時でも確実なインク結合が行える。
【0035】加圧フック13は、前述のごとく記録ヘッ
ド1をキャリッジ3に対して紙面方向への位置決めを行
うために、その加圧方向が10度傾斜した方向に設定し
ているが、記録ヘッドベースプレート5に加圧フック1
3を引っ掛ける様にするには記録ヘッドベースプレート
5の形状が複雑化するので本発明の様に精度的には比較
的許容度の高い交換インクタンク2に引っ掛ける様に構
成したほうが簡易である。また、同時に記録ヘッド1と
交換インクタンク2との結合を考えた場合にも結合方向
の直交方向への力が加わるが、本例では図1に示すよう
に、タンクガイドとタンクガイド穴15との係合によっ
てその方向の力を受けるようにしている。すなわち、タ
ンクガイド20がタンクガイド穴15の紙面方向の内壁
に接合し、その力を受けて記録ヘッド位置決め部14に
おいて記録記録ヘッド1がキャリッジ3と位置決めされ
て結合される。本例では記録ヘッド1に於て特に高精度
が要求される吐出部に直接結合している流路8への余分
な機械的な力の作用を防止するために、交換インクタン
ク2のインクタンク供給部2cにおける流路8のガタを
タンクガイド穴15におけるタンクガイド20のガタよ
り大きく設定しており、インクタンク2の結合方向と直
交方向の力を全てタンクガイド20の結合部で受けるよ
うにしている。本例におけるタンクガイド20の結合部
は、さらに、記録ヘッドベースプレート5の面上での交
換インクタンク2の回転を防止する機能も付与されてお
り、その作用面でのガタの関係も同様に流路8への余分
な力の作用がないように配慮されている。
【0036】リングシール19はインク供給部2cのガ
タを許容できるように交換インクタンク外壁との接合部
を広めに取れるように、本例ではやや太い弾性体リング
で構成している。
【0037】図1、図2を用いて説明したように、本例
ではキャリッジ3上で記録ヘッド1と交換インクタンク
2とを概略係合させた上で交換インクタンク2を1方向
に付勢することで、キャリッジ3と記録ヘッド1との位
置決め及び結合と記録ヘッド1と交換インクタンク2と
の結合を確実かつ同時に行うことができた。また、本例
では、キャリッジ(記録装置本体)3と記録記録ヘッド
1との電気的接続も同時に行うように構成したので、記
録ヘッド・交換インクタンクの交換時の操作性も良好で
あるが、電気的接続を別途コネクタ接続方式などにし
て、記録ヘッドの位置決めと交換インクタンクとの結合
をより確実なものとするための構成自由度を高くするの
も良い。
【0038】図3は交換インクタンクの使用前の状態を
説明するための断面図であり、物流時のインクの漏出や
蒸発を防止するために、大気連通部2dとインク供給部
2cとに取りはずし可能なように封止部材22、23を
それぞれ設けており、交換インクタンク2使用時に矢印
方向にそれらを取り除くようにしている。
【0039】本例では、記録ヘッド1をひとつ有する単
色記録装置で説明したが、異なる色のインクを吐出可能
な複数の記録ヘッド、例えば、Bk・C・M・Yの4記
録ヘッドを持つカラーインクジェット記録装置にも適用
可能であり、ひとつの記録ヘッドで複数色のインクを吐
出できる様な記録ヘッドでも適用可能であり、その場合
は交換タンクの結合位置・方向を規制する手段を付加す
れば良い。
【0040】以上説明したように、本例ではキャリッジ
3と記録ヘッド1との結合方向及び記録ヘッド1と交換
インクタンク2の結合方向を略同方向に配置した上で交
換インクタンク2を付勢することで同時に結合させる構
成としたので、記録ヘッド・交換インクタンクの交換時
の操作性が良好で、かつ、それらの機械的・電気的結合
が簡易な構成で確実に行えるようになった。
【0041】図5に本例の記録ヘッド部1を示す。本記
録ヘッド部1は交換可能な形態でありインク流路には保
存、物流用のインクが充填されている。同図中では流路
と液室部に保存、物流用のインクが充填されていること
になる。
【0042】さて、上記記録ヘッドをプリンター本体に
搭載する場合はキャップ及びシール部材をはずした後イ
ンクタンクをセットし、上述の吸引回復動作を行う。こ
の吸引動作により記録ヘッド中の保存、物流用のインク
を吸引しかつインクタンク中の印字用インクを吸引す
る。そして記録ヘッド中の液室内に印字用インクを充填
することにより印字動作が可能になる。
【0043】以上説明したように交換式記録ヘッドのイ
ンクを保存、物流用と印字用に分けて用いることにより
記録ヘッド放置状態における記録ヘッドの劣化を防止
し、印字品質を高めた状態で保存が可能となる。
【0044】図6乃至図9は本発明にかかるインクジェ
ット記録手段の他の実施形態例を示す。
【0045】前記実施態様例と同じ名称の部材は同様の
番号を記しその具体的な説明は省略する。
【0046】本例では紙面上面を記録ヘッド1が下向き
にインクを吐出しながら印字走査するので、キャリッジ
3に対する紙面方向の記録ヘッド1の位置決めは記録ヘ
ッドの自重を利用して記録ヘッドベースプレート5の切
欠き部をキャリッジの基準面に密着させて行っている。
図6で示すように、記録記録ヘッドの印字走査方向の位
置決めはキャリッジ上に向けた付勢(加圧)部材30に
よる加圧力が交換インクタンク2を介して記録ヘッド1
に作用して記録ヘッド位置決め部で記録ヘッドの突起基
準面がキャリッジの基準面3aに圧接することで達成さ
れる。本例における電気的接続は前記実施例と同様に交
換インクタンク2を介した加圧力で、キャリッジ3上の
記録ヘッド駆動電極16aに記録ヘッドフレキ上のパッ
ド6aが圧接するように構成している。ただし、本例で
は記録ヘッド1への電気配線を可撓性の優れたフレキシ
ブル基板上に配した上で、記録ヘッド1の吐出部とは反
対側の記録ヘッドベースプレート面に圧接用パッド6a
を設けているので、記録ヘッド1が若干回転して装着さ
れる前記実施例に比べて接続の信頼性が向上している。
更に、記録記録ヘッド1の傾斜装着を防止するために、
記録ヘッドベースプレート5の後端部の電極部近傍に位
置決めのための基準突起(不図示)を設けるとともに、
電極接続をより確実化するために記録ヘッド駆動電極の
下層に前記実施例よりも厚めかつ高弾性の弾性部材を配
して基準突起の圧接時にも記録ヘッドフレキと記録ヘッ
ド゛駆動電極との間に適正な圧接力を得る様にしてい
る。
【0047】すなわち、本例では交換インクタンク2を
介して記録ヘッド1に作用する加圧力は記録ヘッドベー
スプレート5の前後に設けた基準用突起で受け止められ
る様になっている。
【0048】本例における流路は、前記実施例と異なり
液室の直上部に設けられており、記録ヘッドベースプレ
ートの吐出部側で交換インクタンクと結合する様に構成
されている。記録ヘッドベースプレートを貫通すること
もないので流路を短くかつ太くすることが容易であり流
路の流体抵抗を前記実施例に比べ小さくできるようにな
っており、記録ヘッドへのインク供給時の圧力損失が小
さくなり、記録周波数を向上させることが可能である。
反面、交換インクタンク2と記録ヘッド1の結合時の加
圧力が流流路を介して吐出部に作用しやすくなっている
ので、本例では流流路部材の機械的強度を高くした上で
流路を記録ヘッドベースプレートに直接固定支持する様
にし、流路と液室との結合部の密閉性は十分な封止剤の
付与で達成している。逆に、本例の記録記録ヘッドの構
成は記録ヘッドベースプレート上にヒータボードや溝天
板を積層する様にしているので、交換インクタンクを介
して作用する加圧力を適正な圧力に調整した上でそれら
の結合力を補強する様にしても良い。
【0049】本例における記録ヘッドと交換インクタン
クの着脱について、図6〜図8を用いて説明する。本例
の記録ヘッド及び交換インクタンクは図7〜図8に示す
様に、記録装置から取り出した状態でそれらを着脱でき
る様にしている。もちろん、キャリッジにそれらの着脱
を容易化するための補助手段を設けて、キャリッジ上で
の着脱をできるようにしても良い。
【0050】記録ヘッドと交換インクタンクの装着は図
7の状態から図6の状態になるようにタンクガイド25
とインク供給部の係合ガイド28とを用いて行う。タン
クガイド25は記録ヘッド1の上面での交換インクタン
ク2の回転を概略規制する機能を有し、インク供給部の
結合である係合ガイド28の結合を疎外しない様にガタ
を持たせてある。インク供給部の結合は交換インクタン
ク2に設けた弾性変形可能な係合ガイドと記録ヘッド2
8の記録ヘッドベースプレート5に支持された流流路形
成部材のくぼみ部とをはめ合わせることで行う。そのた
め、係合ガイド28の先端部は丸みを持たせている。本
例においては係合ガイド28を3つ(ひとつは不図示)
設けており、係合部が円筒形状の流路形成部材に3点で
結合させている。ただし、係合ガイドは更に多数である
か円筒形であっても良く、また、流路形成部材の係合部
が非円筒形でなくても良い。係合ガイド28の弾性力は
着脱を容易にするために強固なものでなく、したがっ
て、図7の状態ではインク供給部の結合は十分でなくリ
ングシール19の変形密着や、フィルタとインク吸収体
との接触も不十分であり、ただ、記録ヘッド1と交換イ
ンクタンク2とを交換時に一体的に取り扱えられる程度
の結合である。
【0051】略結合されたこの状態の記録ヘッド1及び
交換インクタンク2を図6に示すように、記録装置本体
のキャリッジ3に装着する。前述のごとく、キャリッジ
3上の記録ヘッド位置決め部3aに記録ヘッドの位置決
め基準5aを係合した上で、キャリッジ3上に配した加
圧手段30で交換インクタンク2を図6の矢印方向に加
圧する。交換インクタンク2を加圧することで、記録ヘ
ッド1をキャリッジ3に圧着固定するとともに、記録ヘ
ッド1と交換インクタンク2とを完全に結合する。すな
わち、図6に示す様に、交換インクタンクの係合ガイド
28は流路形成部材のくぼみ部よりもさらに深く挿入さ
れ、流路端部のフィルタ11とインク供給部のインク吸
収体とが十分に密着してインクの供給を可能にするとと
もに、交換インクタンク2の外壁と流路端部の上面とが
接するまでリングシールが弾性変形して結合部での大気
との直接の連通を完全に封止する。
【0052】この状態でも、タンクガイド部25は記録
ヘッドと交換インクタンクの結合方向に関しては十分な
隙間を残す様に配置しており、インク供給部での結合に
不要な力が作用しない様にしている。そうした意味で図
9に示す様に、交換インクタンクを円柱状に構成して記
録ヘッド上面における交換インクタンクの結合方向を自
由に(回転自在に)構成すればタンクガイドはなくても
良い。
【0053】以上説明したように、本例ではキャリッジ
と記録ヘッドとの結合方向及び記録ヘッドと交換インク
タンクの結合方向を完全に同一方向に配置した上で、交
換インクタンクを付勢することで同時に結合させる構成
としたので、記録ヘッド・交換インクタンクの交換時の
操作性が良好で、かつ、それらの機械的・電気的結合が
簡易な構成でより確実に行えるようになった。更に、キ
ャリッジ装着されていなくても記録ヘッドと交換インク
タンクとを略一体化できる様に構成したので、交換時の
取り扱い性をより向上させることができた。
【0054】なお、本例においてインクタンクの形態と
しては、図10、図11に示されるようなインク吸収体
を取り去り、タンク全体にインクを収容した構成のもの
も適用できる。
【0055】図10のインク容器は、一端面が底板10
4により閉鎖された円筒状の外筒1の他端面の開口部が
ゴム、軟質のプラスチック等の可撓性材料からなる可撓
性部材102で閉鎖され、底板104には非使用時には
閉塞手段であるボール線で閉塞されたインク取り出し用
の排出口105が形成されたものであり、その内部には
インク106が収容されている。
【0056】前記可撓性部材102は、その周縁部が外
筒101の開口部の端面に固定され、前記周縁部近傍か
ら外筒101の内壁にそって折り曲げられて外筒101
の長手方向に延びる外壁部102aと外筒101のほぼ
中央部で逆方向に折れ曲がった屈曲部102b、この屈
曲部102bから前記外壁部102aに沿って外筒10
1の開口部近傍まで延びる内壁部2c及び内壁部2cに
続く円板状の底壁部102dを有する。図10は模式的
な図面であり、屈曲部102bは図のような形状だけで
なく材質の特性によってふくらみを有するような比較的
大きな曲率で屈曲している形態も当然含むものである。
【0057】また、図11のインク容器121は、その
底壁121a上にスポンジ等に代表される多孔質体12
3が配設されており、多孔質体123の部分以外は5枚
の仕切り板122a〜122eによって6個の室に区分
されている。この容器の材料を内部が確認可能な材質と
することができ、この場合にはインクの残量を目視で知
ることができる。また、容器本体121の後面壁121
cには管状に形成された大気連通孔124が室のほぼ中
央部位に突出して設けられている。このように構成され
た大気連通孔124の室にインクが溜った場合でも室の
容積の半分までのインクであればインク容器の姿勢にか
かわらず濡れ出すことはない。
【0058】前述のような記録ヘッド部には保存、物流
用のインクが充填されているがこのインクの排出は、記
録装置の吸引回復装置を使用して記録ヘッド゛内の保存
用インクを吸引して行う。
【0059】なお、本例では、インクタンクの容量を8
g、記録ヘッド部のインク容量を0.1gとして設定し
てあるので、記録ヘッドの保存用液体を置き換えるのに
インクタンク側のインクを余り多量には使用しないで確
実に入れ替えることができる。しかも吸引動作によって
は約0.07gのインク量を吸引するように設計されて
いるので、ほぼ2回の吸引回復動作を行うことで容易に
記録ヘッド内のインクが記録用のインクになる。
【0060】上記構成の記録装置に使用する記録用イン
クとしては、水性媒体に着色剤を含有し、必要に応じて
粘度調整剤、防腐剤、防カビ剤、界面活性剤、酸化防止
剤等を更に含有するインクジェット記録用として用いら
れているインクが利用可能である。
【0061】ここで使用し得る水性媒体は、水単独、ま
たは水と水溶性有機溶剤とからなるものが利用できる。
水溶性有機溶剤としては、インクの乾燥防止効果を有す
るものが特に好ましく、また、水は、種々のイオンを含
有する一般の水ではなく、脱イオン水を使用することが
望ましい。
【0062】本発明で使用する水溶性有機溶剤として
は、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4の
アルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンア
ルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキ
レングリコール類;エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコー
ル、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類;ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ルセテート等の低級アルキルエーテルアセテート;グリ
セリン、エチレングリコールモノメチル(またはエチ
ル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエ
チル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル
(またはエチル)エーテルなどの多価アルコールの低級
アルキルエーテル類;トリメチロールプロパン、トリメ
チロールエタン等の多価アルコール;N−メチル−2−
ピロリドン、2−ピロリドン、1,3ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有
機溶剤は、単独でもあるいは混合物としても使用するこ
とができる。水溶性有機溶剤の含有量は特に限定されな
いが、インク全重量に対して、好ましくは3〜50重量
%の範囲である。また、インクに含有される水の含有量
は、インク全重量に対して、好ましくは50〜95重量
%の範囲である。
【0063】また、着色剤としては、通常の染料や顔料
が用いられる。染料としては、例えば酸性染料、直接染
料、塩基性染料、反応性染料等が使用できる。該着色剤
の含有量については特に制限はないが、インク全重量に
対して0.1〜20重量%の範囲が好ましい。更に、先
に述べたとおり、アルカリ性の保存用液体が用いられ
る。
【0064】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。 実施例1 (記録用インクの調製)以下の成分を混合して十分に攪
拌した後、孔径0.22μmのフロロポアフィルター
(住友電気工業製)で加圧ろ過し、記録用インク得た。 グリセリン: 7.5部 エチレングリコール: 7.5部 尿素: 7.5部 染料 C.I.ダイレクトブルー199: 3.0部 非イオン性界面活性剤 アセチレノール(川研ファイン
ケミカル製):1部 イオン交換水: 残部 (保存用液体の調製)以下の成分を混合して十分に攪拌
した後、孔径0.22μmのフロロポアフィルター(住
友電気工業製)で加圧ろ過し、保存用液体を得た。 グリセリン: 7.5部 エチレングリコール: 7.5部 尿素: 7.5部 非イオン性界面活性剤 アセチレノール(川研ファイン
ケミカル製): 1部 水酸化ナトリウム: 0.7部 硫酸アンモニウム: 2.5部 イオン交換水: 残部 実施形態に記載した記録ヘッド製造後に上記より調製し
た記録用インクにて市販の普通紙に印字を行い、それを
初期印字とした。次に、上記の操作によって得たpH約
10の保存用液体を図1の構造を有する記録ヘッド内部
に充填して封止し、物流形態で1ヶ月保存した後に、図
1の構造を有する記録装置に装着し、2回の吸引回復動
作により記録用インクと置換した後市販の普通紙に印字
を行った。保存用液体の充填は、初期印字を行った記録
ヘッド内の記録インクを実施形態に記載した本体を用い
2回の吸引回復動作により上記により調製した保存用液
体と完全に置換充填することで、記録用インクを保存用
液体で希釈した。また、同様に初期印字を行った記録ヘ
ッド内の記録インクを実施形態に記載した本体を用い5
回の吸引回復動作により上記より調製した保存用液体と
完全に置換充填した。
【0065】比較例1 また、比較例として上記実施例にて使用した保存用液体
から水酸化ナトリウムと硫酸アンモニウムを除いた保存
用液体を作成し、実施例1と同様に充填して封止してか
ら保存した後、記録装置に装着して記録ヘッド内の保存
用液体の記録用インクへの置換を行った後に市販の普通
紙に印字を行った。
【0066】[印字結果]実施例で示した保存用液体を
用い物流形態にて1ヶ月保存した後記録用インクに置換
し印字を行った結果、保存用液体置換前と変わらぬ印字
結果がえられた。
【0067】一方比較例で示した保存用液体を用い物流
形態にて1ヶ月保存した後記録用インクに置換し印字を
行った結果、保存用液体置換前と比較して文字がかすれ
るなど明らかに保存用液体置換前よりも劣る印字結果が
得られた。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はインクタ
ンク・記録ヘッド分離交換型であって、交換記録ヘッド
中に充填するインクをアルカリ性に調整した保存、物流
用インクと、実際に印字に使用する印字用インクとに分
けることにより記録ヘッドの保存性能を向上されかつ記
録ヘッドの色インクによる使用、物流上の制限を取り除
き取り扱いの自由度を向上させることができるインクジ
ェット記録手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される交換可能な記録ヘッド及び
交換インクタンクの本体への装着状態を表す断面図であ
る。
【図2】交換可能な記録ヘッド及び交換インクタンクの
装着工程を説明する断面図である。
【図3】交換可能なインクタンクの概略を示す断面図で
ある。
【図4】本発明の適用可能なインクジェット記録装置の
概略を示す斜視図である。
【図5】交換可能な記録ヘッドの概略を示す断面図であ
る。
【図6】本発明が適用される交換可能な記録ヘッド及び
交換インクタンクの本体への装着状態を表す他の例の断
面図。
【図7】図6で示された交換可能な記録ヘッド及び交換
インクタンクの結合状態を説明する断面図である。
【図8】図6で示された交換可能な記録ヘッド及び交換
インクタンクの交換手順を説明する断面図である。
【図9】本発明が適用される交換可能な記録ヘッド及び
交換インクタンクの本体への装着状態を表すさらに他の
例の断面図。
【図10】他の交換可能なインクタンクの概略を示す断
面図である。
【図11】さらに他の交換可能なインクタンクの概略を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 交換インクタンク 3 キャリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大角 孝一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 寺岡 恒 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA19 EA20 EA25 EC03 EC08 EC57 FA03 KC02 KC22 2C057 AF61 AF72 AF84 AH20 AM03 AM32 BA13

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路と該インク流路に連通し、該
    インク流路中に供給されたインクを吐出する吐出口とを
    有し、インクジェット記録装置内でインクタンクと着脱
    自在に接合されることで該インクタンクから該インク流
    路にインクが供給されることで該吐出口からのインクの
    吐出が可能となる記録ヘッドにおいて、 前記インク流路中にアルカリ性の保存用液体が封入され
    ていることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記保存用液体が、前記記録ヘッドで使
    用可能なインクから着色剤成分を除去または該着色剤成
    分の含有量を低減させた組成を有する請求項1に記載の
    記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保存用液体のpHが、強塩基性物質
    と強酸弱塩基の塩の組合せにより9.5以上に調整され
    ている請求項1または2に記載の記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 新規使用時にインクタンクと一体化され
    て装置に装着された後、吸引回復処理を行うことで前記
    保存用液体が前記インク流路内から排出されると同時
    に、該インクタンクからのインクが充填される請求項1
    〜3のいずれかに記載の記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記インク流路内のインクに前記吐出口
    からの該インクの吐出のためのエネルギーを付与する吐
    出エネルギー発生手段を有する請求項1〜4のいずれか
    に記載の記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記吐出エネルギー発生手段が、熱エネ
    ルギー発生手段である請求項5に記載の記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記記録ヘッドを構成する部材の少なく
    とも一部が樹脂からなる請求項1〜6のいずれかに記載
    の記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 インク流路と該インク流路に連通し、該
    インク流路中に供給されたインクを吐出する吐出口とを
    有し、インクジェット記録装置内でインクタンクと着脱
    自在に接合されることで該インクタンクから該インク流
    路にインクが供給されることで該吐出口からのインクの
    吐出が可能となる記録ヘッドの保存方法であって、 前記インク流路中にアルカリ性の保存用液体を封入した
    状態で保存することを特徴とする記録ヘッドの保存方
    法。
  9. 【請求項9】 前記保存用液体が、前記記録ヘッドで使
    用可能なインクから着色剤成分を除去または該着色剤成
    分の含有量を低減させた組成を有する請求項8に記載の
    保存方法。
  10. 【請求項10】 前記保存用液体のpHが、強塩基性物
    質と強酸弱塩基の塩の組合せにより9.5以上に調整さ
    れている請求項8または9に記載の保存方法。
  11. 【請求項11】 前記保存用液体は、脱気処理されてい
    ることで溶存する気体の濃度を低減させたものである請
    求項8〜10のいずれかに記載の保存方法。
  12. 【請求項12】 前記記録ヘッドが、新規使用時にイン
    クタンクと一体化されて装置に装着された後、吸引回復
    処理を行うことで前記保存用液体が前記インク流路内か
    ら排出されると同時に、該インクタンクからのインクが
    充填されるものである請求項8〜11のいずれかに記載
    の保存方法。
  13. 【請求項13】 前記インク流路内のインクに前記吐出
    口からの該インクの吐出のためのエネルギーを付与する
    吐出エネルギー発生手段を有する請求項8〜12のいず
    れかに記載の保存方法。
  14. 【請求項14】 前記吐出エネルギー発生手段が、熱エ
    ネルギー発生手段である請求項13に記載の保存方法。
  15. 【請求項15】 前記記録ヘッドを構成する部材の少な
    くとも一部が樹脂からなる請求項8〜14のいずれかに
    記載の保存方法。
JP10305989A 1998-10-27 1998-10-27 記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法 Pending JP2000127442A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10305989A JP2000127442A (ja) 1998-10-27 1998-10-27 記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10305989A JP2000127442A (ja) 1998-10-27 1998-10-27 記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000127442A true JP2000127442A (ja) 2000-05-09

Family

ID=17951741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10305989A Pending JP2000127442A (ja) 1998-10-27 1998-10-27 記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000127442A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1184182A2 (en) 2000-09-04 2002-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording system and method of preserving recording head
JP2010046824A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び画像形成装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1184182A2 (en) 2000-09-04 2002-03-06 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording system and method of preserving recording head
EP1184182A3 (en) * 2000-09-04 2003-07-09 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording system and method of preserving recording head
US6688730B2 (en) 2000-09-04 2004-02-10 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet recording system and method of preserving recording head
JP2010046824A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3021149B2 (ja) インクジェット記録手段
JP3238805B2 (ja) インクタンク、インクジェット用カートリッジ及びインクジェット記録方法
JPH106521A (ja) 液体補充方法、液体供給装置及び液体吐出記録装置
US8038256B2 (en) Discharging apparatus and removing method
JP2004209847A (ja) インクジェット記録装置
CN107433781B (zh) 液体供给阀及流道系统以及液体供给阀的使用方法
KR20060006083A (ko) 액체 분사 장치
JP3224643B2 (ja) インクジェットカートリッジ
JP2000127442A (ja) 記録ヘッド及び記録ヘッドの保存方法
JP3359156B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2001026112A (ja) インクジェット式記録装置
JP3543315B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2003191480A (ja) インクジェット式記録装置
EP3925784B1 (en) Liquid ejection apparatus and liquid ejection head
JPH11198396A (ja) インクジェットプリント方法およびその装置
JP4687063B2 (ja) 洗浄方法、および置換方法
JP4826844B2 (ja) 液体吐出装置
JPH02217257A (ja) インクジェット記録装置
JP2000062212A (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録システム
JP2001180004A (ja) インク再充填キット及び充填方法
JP2004114647A (ja) インクジェット記録装置およびインク充填方法
JP2003211688A (ja) インクジェット式記録装置および同装置におけるインク供給路内の洗浄方法
JP2020121525A (ja) 画像形成装置、プログラム、プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体、及び画像形成装置のフィルタの付着物の排出方法
JPH10193633A (ja) インクカートリッジ
JPH1120182A (ja) インクカートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees