JP2000124084A - 電気二重層キャパシター - Google Patents

電気二重層キャパシター

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JP2000124084A JP10294794A JP29479498A JP2000124084A JP 2000124084 A JP2000124084 A JP 2000124084A JP 10294794 A JP10294794 A JP 10294794A JP 29479498 A JP29479498 A JP 29479498A JP 2000124084 A JP2000124084 A JP 2000124084A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐電圧とエネルギー密度が大きく、急速充放
電性に優れた電気二重層キャパシターを得る。 【解決手段】 非水系電解液を用い、最大許容印加電圧
が3.35V以上、かつ、充放電時の最大電極電流密度
が1.5mA/cm2 以上である電気二重層キャパシタ
ーにおいて、正極として、窒素吸着法による比表面積が
10m2 /g以上3000m2 /gである多孔性炭素質
物質を主成分とする分極性電極を用い、負極として、窒
素吸着法による比表面積が1.8m2 /g以上12m2
/g以下、かつ、真比重が1.80g/cc以上2.2
3g/cc未満である炭素質物質に、予めリチウムイオ
ンを吸蔵させた物質を主成分とする非分極性電極を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐電圧とエネルギ
ー密度が大きく、急速充放電性に優れた電気二重層キャ
パシターに関する。
【0002】
【従来の技術】大電流で充放電できる電気二重層キャパ
シターは、電気自動車、補助電源、深夜電力貯蔵等を用
途としたエネルギー貯蔵装置として有望である。そのた
めに、エネルギー密度が高く、急速充放電が可能であ
り、耐電圧の高い電気二重層キャパシターの実現が望ま
れている。同様にエネルギー貯蔵装置として近年着目さ
れているリチウムイオン二次電池と比べて、電気二重層
キャパシターの特長は、急速充放電が可能であること、
サイクル耐久性及び電圧印加時の耐久性が高いことが挙
げられるが、一方、上記の二次電池と比べてエネルギー
密度及び耐電圧が小さいという問題があった。したがっ
て、急速充放電性、高い耐久性を維持しながら、高エネ
ルギー密度、および高い耐電圧を有する電気二重層キャ
パシターの実現が強く望まれていた。
【0003】キャパシターのセルに蓄積されるエネルギ
ーは、1/2・C・V2で算出され、Cはセル当たりの
静電容量(F)、Vはセルに印加可能な電圧(V)であ
る。印加可能電圧Vは、その値の二乗がエネルギーに反
映されるため、エネルギー密度の向上にはキャパシター
に印加する電圧(耐電圧)を上げるの効果的であるが、
大きな電圧では電解液の分解が起こることにより、内部
抵抗の増加、静電容量の短時間での低下という問題があ
った。また、電気二重層キャパシターではその耐電圧が
2.5Vにあるのが現状であり、電気二重層キャパシタ
ーをメモリーバックアップ電源として使用する際、半導
体回路の駆動電圧は約3.3Vであるため、単セルを複
数個直列に連結して使用しなければならず、単セル当た
りの耐電圧を大きくすることが強く望まれていた。
【0004】これまでに、正極及び負極の両方に活性炭
を主体とする分極性電極を使用する非水系電解液を用い
た電気二重層キャパシターにおいて、正負側の電極、セ
パレータ、電解液、容器等を詳細に検討して単セル当た
りの耐電圧の増加させることが試みられているが、これ
らの電気二重層キャパシター耐電圧は2.5〜3.3V
程度であり不十分であった。
【0005】一方、耐電圧を3.5V以上にする手法と
して、特開平8−107048号公報では、非水系電解
液を用いた電気二重層キャパシターにおいて、正極を活
性炭を主体とする分極性電極とし、負極をリチウムをイ
オン化した状態で吸蔵、離脱しうる、フェノール樹脂の
炭化物、フラン樹脂の炭化物、人造黒鉛、天然黒鉛等の
炭素材料に化学的手法または電気化学的手法で予めリチ
ウムを吸蔵させた炭素質材料を主体とする電極とするこ
とにより、耐電圧が約4Vとなる電気二重層キャパシタ
ーが提案されている。該キャパシターには2種類の電極
が使用されており、それぞれ吸着または吸蔵するイオン
が限定されている。すなわち、正極は分極性電極であ
り、アニオンを吸着、脱着し、負極は非分極性電極であ
り、リチウムイオンのみを吸蔵、脱離できる。該キャパ
シターの負極側の電位は金属リチウムに近い電位領域
(0.05V〜0.20V 対Li/Li+ )となるた
め、充電前にすでに正極(分極性電極)と負極の間に
は、約3Vの電位差が存在する。したがって、電解液の
分解電圧付近まで充電した場合、正負極の電位差は4.
3Vとなり、この電位差が該キャパシターの耐電圧(約
4V)となる。また、負極が非分極性電極であるためセ
ル当たりの静電容量C(F)は、従来の両極に分極性電
極を用いたキャパシターの約2倍となる。また、正極が
分極性電極、負極に非分極性電極を用いた電気二重層キ
ャパシターに関して、特開平9−232190号公報、
特開平9−275041公報では、活性炭を主体とする
分極性電極中に、それぞれ、ステンレス鋼繊維、高比表
面積なカーボンブラックを添加することによる該キャパ
シターの耐電圧向上、低抵抗化等が提案されている。特
開平10−27733号公報では、負極の主成分として
ピッチの低温での熱処理過程で生じるメソフェーズ小球
体を黒鉛化して得られる炭素質物質を提案している。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、上記の公報の
方法では、耐電圧は高くなるものの、いずれの公報にお
いても実施例として記載されている電極電流密度は、約
0.5mA/cm 2 であり、これは、リチウム二次電池
において使用可能な電流密度範囲にある。即ち、該二次
電池に対するキャパシタの優位性が見られない。これ
は、上記の公報で用いられる負極用炭素質物質では、該
キャパシターの充放電時に、リチウムイオンの吸蔵・脱
離反応の反応速度が大きく律速段階となるために、高い
電流密度領域の充放電では、静電容量は著しく小さくな
るためである。特開平10−27733号公報で提案さ
れた黒鉛化物を負極とした場合、電解液組成、電極成型
条件等にもよるが、大きい電流密度で充放電した場合、
静電容量の低下だけでなく、黒鉛とリチウムイオンとの
反応によるガス発生が生じ、電気二重層キャパシターの
容器が膨張したりするという安全性の問題も考えられ
る。また、特開平8−107048号公報で提案された
フェノール樹脂炭化物、フラン樹脂炭化物の難黒鉛化性
炭素を負極に用いた場合、該炭素質の可逆的に吸蔵・脱
離するリチウムイオン量が、黒鉛等と比べて著しく小さ
い。そのため、キャパシターを安定に作動させるため
に、負極に使用する炭素質の量が多くなり、その結果、
単位セル体積あたりの静電容量は低下する。したがっ
て、1.5mA/cm2 以上の高い電極電流密度による
充放電(急速充放電)を行った場合でも、高い静電容量
を発現する電気二重層キャパシター用の負極用炭素質物
質は、これまでに見出されていないと言える。
【0007】さらに、上記の公報の方法では、エネルギ
ー密度を大きくするために、4V以上の電圧を印加する
ことにより高電圧印加時の耐久性及び充放電サイクル耐
久性に対しては不十分なものであった。これに対し、本
発明者らは、特願平10−098701号において、正
極の炭素質物質に、アルカリ金属等の金属、または、無
機物を添加して、正極の該電解液中での自然電位を0.
5V(対Li/Li+ )以上、2.6V(対Li/Li
+ )以下に調整して、実質的に電解液の分解が生じる電
圧以下の領域で充放電を行うことにより、正極の分極の
起こる電位領域を広げることが可能となった。これによ
り、正極の自然電位を制御しない場合と比べて、エネル
ギー密度が大幅に増加し、かつ、キャパシターの耐久性
の改善効果も得たが、急速充放電を可能とする適切な電
極材料については不明であった。
【0008】
【発明が解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を検討すべく鋭意検討した結果、非水系電解
液を用いた電気二重層キャパシターにおいて、負極電極
として特定の比表面積及び真比重を有する炭素質物質に
予めリチウムイオンを吸蔵させた物質を用いることによ
り、急速充放電特性に優れ、かつ、高エネルギー密度を
発現する電気二重層キャパシターが得られることを見い
出し本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の要旨は、非水系電解液
を用い、最大許容印加電圧が3.35V以上、かつ、充
放電時の最大電極電流密度が1.5mA/cm2 以上で
ある電気二重層キャパシターにおいて、正極として、窒
素吸着法による比表面積が10m2 /g以上3000m
2 /gである多孔性炭素質物質を主成分とする分極性電
極を用い、負極として、窒素吸着法による比表面積が
1.8m2 /g以上12m2 /g以下であり、かつ、真
比重が1.80g/cc以上2.23g/cc未満であ
る炭素質物質に、予めリチウムイオンを吸蔵させた物質
が主成分である非分極性電極を用いることを特徴とする
電気二重層キャパシターに存する。
【0010】更に詳しくは、本発明は上記の電気二重層
キャパシターにおいて、正極の分極性電極体の該電解液
中での自然電位がLi/Li+ を対極として、0.5V
以上2.6V以下となるように、電極体中にアルカリ金
属、アルカリ土類金属及び希土類金属から選ばれる1つ
以上の物質を添加した正極を使用する電気二重層キャパ
シターに存する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
従来の電気二重層キャパシターは、正極・負極とも分極
性電極を用いたものが多いが、本発明における電気二重
層キャパシターは正極のみ分極性電極であり、負極は非
分極性電極であることが特徴である。最近、単極又は正
極・負極が分極性電極である電気二重層キャパシターの
総称として「電気化学キャパシター」という専門用語が
定着しつつある。さらに、電気化学キャパシターとは、
電極−電解質の界面に電気エネルギーを蓄えるエネルギ
ー貯蔵デバイスであると言える。そういったことから、
本発明における電気二重層キャパシターを、電気化学キ
ャパシターまたはエネルギー貯蔵デバイスと言い換える
こともできる。本発明の最大の特徴は、電気二重層キャ
パシターの急速充放電性を得るために、負極電極として
特定の物性の炭素質物質を用いることにある。更に、正
極電極の該電解液中における自然電位を調整することに
より、高エネルギー密度化も可能となる。
【0012】具体的には、本発明は、非水系電解液を用
いた電気二重層キャパシターにおいて、負極の主成分で
ある炭素質物質は、窒素吸着法による比表面積が1.8
2/g以上12m2 /g以下であり、かつ、真比重が
1.80g/cc以上2.23g/cc未満である炭素
質物質であることを特徴としている。該炭素質物質は、
金属リチウムを対極とした場合の、リチウム塩−非水系
電解液中における初回充放電効率が、25℃において、
1.5mA/cm2 以上の電極電流密度で定電流充電
後、3mA/cm2 以上の電極電流密度で定電流放電を
行った場合、75%以上100%以下であることが好ま
しい。このようなリチウムを可逆的に吸蔵・脱離しうる
炭素質物質に、予めリチウムイオンを吸蔵させて非分極
性電極とすることにより、電気二重層キャパシターの急
速充放電が可能となる。
【0013】本発明における負極用炭素質物質の初回充
放電効率の測定は、通常の電気化学的手法を用いる。例
えば、LiClO4 、LiPF6 等のリチウム塩のエチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート等を主成分
とする非水系溶媒中に溶解して得た電解液中で、リチウ
ム金属電極と炭素質物質電極をセパレータを介して対向
せしめた電気化学セルにおいて、所定の電極電流密度
下、カットオフ電位が0.01〜1.0V(対Li/L
+ )の条件下で、初回の充電容量(mAh/g)に対
する放電容量(mAh/g)の比率から算出することが
可能である。
【0014】本発明における負極電極体に用いられる炭
素質物質は、通常、多環縮合芳香族環を含有する易黒鉛
化性有機物を炭素化の完了温度以上黒鉛化温度未満で熱
処理することによって得られる。負極電極体に用いられ
る炭素質物質の原料である「多環縮合芳香族環を含有す
る易黒鉛化性有機物」としては、石炭もしくは石油から
抽出される重質油もしくはタール、メソフェーズピッ
チ、石炭液化物等の化石燃料の他、ポリイミド樹脂、ピ
レン重合体、合成ピッチ等の合成物などが挙げられる。
【0015】本発明では、これらの易黒鉛化有機物を
「炭素化の完了温度」以上「黒鉛化温度」未満で熱処理
して炭素質物質を得ることが好ましいが、ここで「炭素
化の完了温度」とは、熱重量分析における不活性ガス雰
囲気下での、有機物の熱分解による大きな重量減少が十
分に終了した温度であり、該有機物の種類により一概に
は言えないが、一般には、800℃〜1000℃以上で
あり、本発明に言及した場合、通常1000℃とするこ
とができる。また、「黒鉛化温度」とは、例えば、炭素
質物質の粉末X線回折パターンにおいて、炭素六角網面
の積層間隔を反映する002面、004面等のピークが
著しく鋭くかつ強くなり、これらの回折ピークから算出
される平均面間隔(d002 値)が、0.340nm以下
を示し、黒鉛(0.3354nm)に近づく領域にほぼ
該当し、一般には2500℃以上である。本発明に言及
した場合の「黒鉛化温度未満」の熱処理とは、アルゴン
ガス、窒素ガス、ヘリウムガス等の不活性ガス雰囲気中
で2200℃以下の温度による熱処理とすることができ
る。易黒鉛化性有機物の種類にもよるが、熱処理温度は
通常1000〜2200℃、好ましくは1000〜18
00℃、更に好ましくは1100〜1700℃である。
尚、上記の易黒鉛化性有機物を不活性ガス雰囲気下で熱
処理する途中過程において、予め800℃以下で空気、
炭酸ガス等の酸化性ガスを接触させたり、予め1000
℃以下で炭素化処理を行った後、冷却したものを改めて
熱処理することなどにより、炭素質物質の炭素構造を若
干変化させたものについても本発明に含まれる。
【0016】また、易黒鉛化性有機物である石炭及び石
油から抽出される重質油及びタールを炭素化の完了温度
以上黒鉛化温度以下で熱処理して得られる炭素質物質
は、安価かつ大量に入手可能であることから、本発明の
負極用炭素質物質として好適に使用できる。本発明の負
極に用いる炭素質物質としては、窒素吸着法による比表
面積が1.8m2 /g以上12m2 /g以下であり、か
つ、真比重が1.8g/cc以上2.23g/cc未満
であるものを用いるが、比表面積は2.0以上8.0m
2 /g以下がより好ましく、2.0〜7.0m2 /gが
更に好ましい。また、真比重は1.9から2.20g/
ccがより好ましく、1.93から2.18が更に好ま
しい。窒素吸着法による比表面積は、市販の多点式窒素
吸着量測定装置で得られる炭素質物質の窒素吸着等温線
をBET法による解析により得られる。炭素質物質の真
比重は、1−ブタノール法等により容易に得られる。
【0017】石炭または石油から抽出される重質油及び
タールを炭素化の完了温度以上黒鉛化温度以下で熱処理
して得られる負極用炭素質物質のうち、通常、これらの
X線回折で測定される平均面間隔d002 が0.34以上
0.35nm以下、002面ピークから求めた結晶粒子
のc軸方向のサイズLcが2nm以上30nm以下であ
ることにより、高い電極電流密度で充放電を繰り返して
も、高い静電容量を維持することが可能である。d002
は0.348から0.342nmがより好ましく、0.
346から0.343nmが更に好ましい。Lcは、
2.0から25nmがより好ましく、2.0から15n
mが更に好ましい。
【0018】負極の炭素質物質へ予めリチウムを吸蔵さ
せる方法としては、電気化学的手法または化学的手法の
いずれを問わないが、例えば次のような方法がある。リ
チウム塩を含む電解液中に、該炭素質物質を成型した電
極を作用極、金属リチウムを対極として充電する、また
は、炭素質物電極と金属リチウムとを短絡させることに
より該炭素質電極へリチウムイオンが電気化学的に吸蔵
される。他のリチウムイオン吸蔵方法として、該炭素質
電極にリチウム箔を張り付けた後、非水系電解液中に浸
漬して加温する方法、炭素質電極へリチウム−アルミニ
ウム合金粉末またはリチウム粉末を添加した後、成型す
る等があるが、前述の、炭素質電極へ電気化学的にリチ
ウムイオンを吸蔵させる方法が、他の方法と比べて、リ
チウムイオンの炭素質へ短時間で吸蔵することができ、
かつ、吸蔵量を任意に制御できることから好ましい。
【0019】本発明の電気二重層キャパシターの正極と
しては、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面
積が10m2 /g以上の多孔性炭素質物質を用いること
が好ましい。多孔性炭素質物質の比表面積は、炭素質種
による単位面積あたりの静電容量(F/m2 )、高比表
面積化に伴う嵩密度の低下等の理由から一概には言えな
いが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積
は30〜2500m2/gが好ましく、特に、比表面積
が300〜2300m2 /gの活性炭は、体積あたりの
静電容量が大きく、好ましい。活性炭の原料としては、
植物物系の木材、のこくず、ヤシ殻、パルプ廃液、化石
燃料系の石炭、石油重質油、あるいはそれらを熱分解し
た石炭および石油系ピッチ、石油コークス、カーボンア
エロゲル、タールピッチを紡糸した繊維、合成高分子、
フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹
脂、液晶高分子、プラスチック廃棄物、廃タイヤ等多種
多用である。これらの原料を炭化後、賦活するが、賦活
法は、ガス賦活と薬品賦活に大別される。ガス賦活法
は、薬品賦活が化学的な活性化であるのに対して、物理
的な活性化ともいわれ、炭化された原料を高温で水蒸
気、炭酸ガス、酸素、その他の酸化ガスなどと接触反応
させて、活性炭が得られる。薬品賦活法は、原料に賦活
薬品を均等に含侵させて、不活性ガス雰囲気中で加熱
し、薬品の脱水および酸化反応により活性炭を得る方法
である。使用される薬品としては、塩化亜鉛、りん酸、
りん酸ナトリウム、塩化カルシウム、硫化カリウム、水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸カル
シウム等がある。活性炭の製法に関しては、上記に各種
あげたが、特に問わない。活性炭の形状は、破砕、造
粒、顆粒、繊維、フェルト、織物またはシート状等各種
の形状があるが、いずれも本発明に使用することができ
る。これらの活性炭のうち、ガス賦活法において、やし
がら、石炭、または、フェノール樹脂を炭化したものを
原料として得られる活性炭は、比較的高い静電容量を示
し、かつ工業的に大量生産可能であり、安価であるため
本発明に好適である。
【0020】また、薬品賦活法では、KOHを用いた薬
品賦活で得られる活性炭は、水蒸気賦活品と比べて、製
造コストは高いものの、容量が大きい傾向にあることか
ら好ましい。また、KOHを用いた薬品賦活して得た炭
素質の場合、賦活前の原料種、賦活条件により300m
2 /gより小さい比表面積を示すものもあるが、これら
のうち比較的高い静電容量を示すものも存在するため、
これらも正極材料として使用できる。
【0021】賦活処理後の活性炭を、窒素、アルゴン、
ヘリウム、キセノン等の不活性雰囲気下で、500〜2
500℃、好ましくは700〜1500℃で熱処理し、
不要な表面官能基を除去したり、炭素の結晶性を発達さ
せて電子伝導性を増加させても良い。粒状の炭素質物質
の場合、電極の嵩密度の向上、内部抵抗の低減という点
で、平均粒子径は30μm以下が好ましい。
【0022】炭素質物質を主体とする正極または負極の
電極体は、通常、炭素質物質、導電剤とバインダー物質
から構成される。該電極体は、従来より知られている方
法により成形することが可能である。例えば、炭素質物
質とアセチレンブラックの混合物に、ポリテトラフルオ
ロエチレンを添加・混合した後、プレス成形して得られ
る。また、炭素質物質とピッチ、タール、フェノール樹
脂等のバインダー物質を混合・成型した後、不活性雰囲
気下で熱処理して焼結体が得られる。さらに、導電剤、
バインダーを用いず、炭素質物質のみを焼結して分極性
電極とすることも可能である。また、導電剤を用いず炭
素質物質とバインダーとを焼結して分極性電極とするこ
とも可能である。電極は、薄い塗布膜、シート状または
板状の成形体、さらには複合物からなる板状成形体のい
ずれであっても良い。
【0023】該電極体に導電剤を用いる場合、導電剤と
しては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の
カーボンブラック、天然黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、
酸化ルテニウム、酸化チタン、アルミニウム、ニッケル
等の金属ファイバーからなる群より選ばれる少なくとも
一種の導電剤が好ましい。少量で効果的に導電性が向上
する点で、アセチレンブラック及びケッチェンブラック
が特に好ましく、例えば、炭素質物質が活性炭の場合、
活性炭との配合量は、活性炭の嵩密度により異なるが多
すぎると活性炭の割合が減り容量が減少するため、活性
炭の重量の5〜50%、特には10〜30%程度が好ま
しい。
【0024】バインダー物質としては、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、カルボキシメチ
ルセルロース、フルオロオレフィン共重合体架橋ポリマ
ー、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリイミ
ド、石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂のうち少
なくとも1種類以上用いるのが好ましい。本発明の負極
の非分極性電極は、例えば、炭素質物質として平均粒子
径が3〜40μmの粉末を用い、この炭素質粉末にポリ
フッ化ビニリデン等のバインダー物質を炭素質粉末に対
して0.5〜10重量%添加して混合・成型することに
よって得られ、内部抵抗の小さい負極を得ることができ
る。
【0025】本発明の正極としては、電気二重層キャパ
シターのエネルギー密度を増加させるために、正極電極
体の電解液中での自然電位がLi/Li+ を対極とした
場合に0.5V以上2.6V以下となるように調整し
て、有効な分極電位領域を拡張させることが好ましい。
正極の充電前の自然電位を0.5V〜2.6V(対Li
/Li+ )に調節することにより、例えば、キャパシタ
ーに4.3Vの電圧を印加すると、前述の印加可能電圧
Vは、1.7V〜2.8V付近となり、自然電位を調節
しない場合(約1.3V)より増加するため、そのエネ
ルギー密度は大幅に増大する。また、正極の充電後の電
位を電解液の分解電位(4.3V〜4.5V 対Li/
Li+ )より少しさげて、4.0〜4.2V付近にする
ことにより、エネルギー密度は若干低下するものの、電
解液の分解抑制による高電圧印加時の耐久性及び充放電
耐久性が大幅に改善される。
【0026】本発明における正極の炭素質電極の自然電
位の測定は、通常の電気化学的手法を用いて行われる。
非水系での電位測定は、水溶液での標準水素電極のよう
な電位基準は厳密には定義されていないが、実際には、
銀−銀イオン電極、銀−塩化銀電極、白金電極、リチウ
ム電極等の電極を用いて一般に広く行われている。本発
明においても同様な方法で測定可能である。
【0027】本発明で用いる正極の分極性電極体の自然
電位の調整方法は特に限定するものではないが、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、希土類金属から選ばれる少
なくとも一つ以上の物質を、電気化学的手法、化学的手
法、物理的手法等により電極体に添加することが好まし
い。例えば、簡便な方法の一つとして、非常に卑な金属
である金属リチウムまたはリチウムを含む物質からなる
リチウム含有電極、炭素質物質を主とする電極、セパレ
ータ及び非水系電解液で構成される電気化学セルにおい
て、リチウム含有電極と炭素質電極を短絡またはリチウ
ム含有電極を対極、炭素質電極を作用極として充電する
ことにより炭素質電極中にリチウムを簡単に導入するこ
とができる。リチウムを含む物質としては、特に限定す
るものではないが、例えば、リチウムを含む黒鉛、樹脂
の炭化物、ピッチ炭化物、コールタール炭化物、活性炭
等の炭素、金属リチウム、リチウム−アルミニウム合
金、リチウム−マグネシウム合金等のリチウムを含む合
金、リチウム金属間化合物、リチウムを含むマンガン酸
化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、バナジウム酸
化物等の複合酸化物、リチウムを含む硫化チタン、セレ
ン化ニオブ、硫化モリブデン等のカルコゲナイトから選
ばれる少なくとも1つ以上の物質を用いることが好まし
い。卑な電位をもつ金属として、リチウム以外に、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグ
ネシウム等のアルカリ土類金属、イットリウム、ネオジ
ウム等の希土類金属または、これらの金属を含む物質を
リチウムの場合と同様に自然電位を下げる物質として用
いてもよい。電極電位を下げすぎて0.5V未満にする
と、電解液の分解が起こる場合があり、エネルギー密度
及び耐久性が低下する場合があり好ましくない。リチウ
ムを電気化学的に導入して自然電位を0.5V以上2.
6V以下(対Li/Li+ )に調節した炭素質電極中の
リチウム含有量は、炭素質の結晶構造、比表面積、表面
性状等により一概には言えないが、0.01重量%〜3
重量%と微量であり、このリチウムの存在による電解液
の分解反応等は実質的に起こらないといってよい。
【0028】本発明の電気二重層キャパシターの集電体
は、電気化学的及び化学的に耐食性があればよく、特に
限定するものではないが、例えば、正極ではステンレ
ス、アルミニウム、チタン、タンタルがあり、負極で
は、ステンレス、ニッケル、銅等が好適に使用される。
【0029】電解液は非水系電解液とされ、また、電解
液の電解質はカチオンがリチウムイオンであるリチウム
塩を用いる。リチウム塩は、LiBF4 、LiCl
4 、LiPF6 、LiSbF6 、LiAsF6 、Li
CF3 SO3 、LiC(CF3SO2 3 、LiB(C
6 5 4 、LiC49SO3 、LiC8 17SO3
LiB(C6 5 4 、LiN(CF3 SO2 2 等が
例示され、特に、電気導電性と安定性という点から、L
iBF4 、LiClO4 、LiPF6 及びLiSbF6
がリチウム塩として好ましい。これらのリチウム塩の非
水系電解液中の濃度は電気二重層キャパシターの特性が
十分引き出せるように、0.3〜2.7モル/リットル
が好ましく、特に、0.7モル/リットル以上の濃度で
は、高い電気導電性が得られて好ましい。また、非水系
電解液の溶媒は特に限定するものではないが、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、メチルス
ルホラン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、
N−メチルオキサゾリジノン、ジメチルスルホキシド、
及びトリメチルスルホキシドから選ばれる1種類以上か
らなる有機溶媒が好ましい。電気化学的及び化学的安定
性、電気伝導性に優れる点から、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジ
メチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、スルホラン、メチルスルホラン、γ
−ブチロラクトンから選ばれる1種類以上の有機溶媒が
特に好ましい。高い耐電圧が得られるように、非水系電
解液中の水分は200ppm以下、さらには50ppm
以下が好ましい。
【0030】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例で説明する
が、本発明は以下の実施例により限定されるものではな
い。 実施例1 石炭系ピッチを約1400℃で熱処理して得た炭素質物
質を平均粒径19μmに粉砕して負極用炭素質物質とし
た。X線回折によるd002 が0.344nm、Lcが
5.6nm、窒素吸着によるBET比表面積が6.7m
2 /g、ブタノール置換法のよる密度が2.1g/c
c、アッシュが0.02%以下であった。粉砕して得ら
れた負極用炭素質物質(純度 99.9%、平均粒径1
9μm)90重量%にポリフッ化ビニリデン10重量%
からなる混合物に対し、N−メチルピロリドンを3倍重
量添加した後、これを乳鉢中で十分に混練して得たスラ
リーを、ステンレス316Lの箔上に塗布した。これ
を、150℃で2時間乾燥した後、アルゴン雰囲気のグ
ローブボックスへ移し、該塗布膜を直径10mmの円盤
に打ち抜いた。ステンレス箔の厚さを除いた炭素質塗布
膜の厚さは約100μmであった。グローブボックス中
で、炭素質塗布膜円盤と直径10mmで厚さ約0.5m
mの金属リチウムの間にポリエチレン製のセパレータ挟
み込んで、これらを対向させた後、炭素質塗布膜円盤と
金属リチウムの外側に集電体としてステンレス板を圧着
した。さらに、集電体、セパレータ、正負極の電極がよ
く接触するように、一番外側から2枚の厚さ5mmの4
個のボルト孔を有するテフロン板で挟み込んで、オープ
ンセルを組み立てた。このオープンセルを1.2モル/
リットルの濃度のLiBF4 を含むエチレンカーボネー
トとプロピレンカーボネート(容積比7:3)の溶液を
満たしたガラス製ビーカ中に浸し、30分間放置した。
次に、炭素質塗布膜電極を負極、リチウム箔電極を正極
として、北斗電工(株)充放電装置HJ201Bにより
0.01Vの定電圧下で8時間充電処理した。充電処理
後、オープンセルを分解して、炭素質塗布膜円盤を集電
体から取り外した。
【0031】次に、KOH賦活処理して得られたフェノ
ール樹脂系活性炭粉末(比表面積1880m2 /g、平
均粒子径8μm)80重量%、アセチレンブラック10
重量%、ポリテトラフルオロエチレン10重量%からな
る混合物を混練した後、50kgf/cm2 の圧力で加
圧成型して直径10mm,厚さ0.5mmの円盤状の成
型体を得た。この成型体を0.1torr以下の真空
中、300℃で3時間乾燥後、これを前述のアルゴン雰
囲気のグローブボックス中へ移動した。放冷後の活性炭
成型体を正極電極体として、ステンレス316L製コイ
ンセルの内底の中心部に設置した。さらに、前述の充電
処理後の炭素質塗布円盤電極の間にポリエチレン製セパ
レータを挟み込んで両極を対向させた後、1.2モル/
リットルの濃度のLiBF4 を含むエチレンカーボネー
トとプロピレンカーボネート(容積比7:3)の溶液を
両極中に含浸した。その後、ポリプロピレン製の絶縁ガ
スケットとステンレス304製のコインセルの上蓋を用
いて、コインセルをかしめ封口して図1のような電気二
重層キャパシターを得た。得られた電気二重層キャパシ
ターを、25℃下で、1.26mA(電極電流密度1.
6mA/cm2 )の定電流で4.3Vまで充電した後、
2.59mA(電極電流密度3.3mA/cm 2 )の定
電流で3.00Vまで放電して求めた静電容量は3.7
3F、エネルギー密度は3.2Jであった。また、対極
を金属リチウム極として、25℃下、非水系電解液(L
iClO4 のエチレンカーボネート/ジエチルカーボネ
ートの混合溶媒溶液)を使用し、1.6mA/cm2
電流密度で定電流充電後、3.3mA/cm2 で定電流
放電して得られる初回充放電効率(放電容量/充電容
量)は81%であった。
【0032】実施例2 正極の分極性電極の自然電位を調整した電気二重層キャ
パシターの製法について以下に述べる。実施例1と同様
な製法で得た活性炭成型体と厚さ0.1mmの金属リチ
ウムのシートを直径10mmの円形の間にポリエチレン
製セパレータを挟み込んで、両極を対向させた後、1.
2モル/リットルの濃度のLiBF4 を含むエチレンカ
ーボネートとプロピレンカーボネート(容積比7:3)
の溶液を両極中に含浸した。その後、ポリプロピレン製
の絶縁ガスケットとステンレス304製のコインセルの
上蓋を用いて、コインセルをかしめ封口した。得たコイ
ンセルの正極と負極をリード線で10分間接続して短絡さ
せた。アルゴン雰囲気のグローブボックス内で短絡処理
後のコインセルを分解して、活性炭成型体のみ取り出
し、この短絡処理した活性炭成型体を電気二重層キャパ
シターの正極電極体とした。以上のように自然電位を調
整した分極性電極を正極とした以外は実施例1と同様に
して電気二重層キャパシターを得た。得られた電気二重
層キャパシターを、25℃下で、1.26mA(電極電
流密度1.6mA/cm2 )の定電流で4.3Vまで充
電した後、2.59mA(電極電流密度3.3mA/c
2 )の定電流で2.10Vまで放電して求めた静電容
量は3.71F、エネルギー密度は9.0Jであった。
また、初回充放電効率は81%であった。
【0033】実施例3 石炭系ピッチを約1400℃で熱処理して得た炭素質物
を平均粒径19μmに粉砕して負極用炭素質物とした。
X線回折によるd002 が0.344nm、Lcが5.3
nm、窒素吸着によりBET比表面積が5.0m2
g、ブタノール置換法のよる密度が2.1g/cc、ア
ッシュが0.2%であった。得られた粉末を負極用炭素
質物質として用いた以外は実施例1と同様な電気二重層
キャパシターを得て、これを25℃下で、1.26mA
の定電流で4.3Vまで充電した後、2.59mAの定
電流で3.00Vまで放電して求めた静電容量は3.6
8F、エネルギー密度は3.1Jであった。また、初回
充放電効率は75%であった。
【0034】実施例4 石炭系ピッチを1100℃で熱処理して得た炭素質物を
平均粒径18μmに粉砕して負極用炭素質物とした。X
線回折によるd002 が0.344nm、Lcが2.4n
m、窒素吸着によりBET比表面積が5.1m2 /g、
ブタノール置換法のよる密度が1.95g/cc、アッ
シュが0.02%以下であった。粉砕して得られた炭素
質物質を負極用炭素質物質として用いた以外は実施例1
と同様な電気二重層キャパシターを得て、これを25℃
下で、1.26mAの定電流で4.3Vまで充電した
後、2.59mAの定電流で3.00Vまで放電して求
めた静電容量は、3.72F、エネルギー密度は3.2
Jであった。また、初回充放電効率は77%であった。
【0035】実施例5 実施例4で用いた炭素質物を、アルゴン雰囲気中で13
00℃で1時間熱処理して炭素質物を得た。平均粒径は
18μm、X線回折によるd002 が0.344nm、L
cが3.6nm、窒素吸着によりBET比表面積が2.
8m2 /g、ブタノール置換法のよる密度が2.1g/
cc、アッシュが0.02%以下であった。得られた炭
素質物質を負極用炭素質物質として用いた以外は実施例
1と同様な電気二重層キャパシターを得て、これを25
℃下で、1.26mAの定電流で4.3Vまで充電した
後、2.59mAの定電流で3.00Vまで放電して求
めた静電容量は3.74F、エネルギー密度は3.3J
であった。また、初回充放電効率は80%であった。
【0036】実施例6 実施例4で用いた炭素質物を、アルゴン雰囲気中で16
00℃で1時間熱処理して炭素質物を得た。平均粒径は
18μm、X線回折によるd002 が0.343nm、L
cが13.4nm、窒素吸着によりBET比表面積が
2.2m2 /g、ブタノール置換法のよる密度が2.1
7g/cc、アッシュが0.02%以下であった。得ら
れた負極用炭素質物質を負極用炭素質物質として用いた
以外は実施例1と同様な電気二重層キャパシターを得
て、これを25℃下で、1.26mAの定電流で4.3
Vまで充電した後、2.59mAの定電流で3.00V
まで放電して求めた静電容量は3.72F、エネルギー
密度は3.2Jであった。また、初回充放電効率は78
%であった。
【0037】比較例1 実施例1において、人造黒鉛粉末(純度99.9%、平
均粒径6μm)を負極用炭素質物質として用いた以外は
実施例1と同様な電気二重層キャパシターを得て、これ
を25℃下で、1.26mAの定電流で4.3Vまで充
電した後、2.59mAの定電流で3.00Vまで放電
して求めた静電容量は3.02F、エネルギー密度は
2.5Jであった。また、初回充放電効率は70%であ
った。
【0038】比較例2 実施例1において、ノボラック樹脂を窒素ガス雰囲気下
で1500℃で1時間熱処理した後、粉砕して得られた
炭素質物質(純度99.9%、平均粒径20μm)を負
極用炭素質物質として用いた以外は実施例1と同様な電
気二重層キャパシターを得て、これを25℃下で、1.
26mAの定電流で4.3Vまで充電した後、2.59
mAの定電流で3.00Vまで放電して求めた静電容量
は2.90F、エネルギー密度は2.4Jであった。ま
た、初回充放電効率は61%であった。
【0039】表1に、実施例1〜6、比較例1、2で用
いた負極用炭素質物質の窒素吸着法により求めた比表面
積、真比重、X線回折法で測定されるd002 値とLc
値、静電容量及びエネルギー密度を示した。実施例・比
較例においては、従来よりも高い電極電流密度で充放電
を行った。実施例においては高い静電容量とエネルギー
密度が得られているのに対し、比較例においては負極で
のリチウムイオンの吸蔵・脱離反応の反応速度が律速と
なり、静電容量とエネルギー密度が著しく小さくなって
いることがわかる。
【0040】
【表1】
【0041】
【本発明の効果】本発明の負極材料を用いることによ
り、高い電極電流密度による充放電(即ち、急速充放
電)を行った場合でも、高い静電容量を発現し、エネル
ギー密度の大きい電気二重層キャパシターを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で用いたコイン型セルの説明
図である。
【符号の説明】
1:ステンレス製容器のケース 2:正極 3:ガスケット 4:セパレータ 5:負極 6:ステンレス容器の上蓋

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水系電解液を用い、最大許容印加電圧
    が3.35V以上、かつ、充放電時の最大電極電流密度
    が1.5mA/cm2 以上である電気二重層キャパシタ
    ーにおいて、正極として、窒素吸着法による比表面積が
    10m2 /g以上3000m2 /g以下である多孔性炭
    素質物質を主成分とする分極性電極を用い、負極とし
    て、窒素吸着法による比表面積が1.8m2 /g以上1
    2m2 /g以下であり、かつ、真比重が1.80g/c
    c以上2.23g/cc未満である炭素質物質に、予め
    リチウムイオンを吸蔵させた物質が主成分である非分極
    性電極を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ
    ー。
  2. 【請求項2】 非水系電解液がリチウム塩を0.3〜
    2.5モル/リットル含むものである請求項1記載の電
    気二重層キャパシター。
  3. 【請求項3】 負極の炭素質物質として、金属リチウム
    極を対極としたリチウム塩を電解質主成分とする非水系
    電解液を用いた電気化学セルにおいて、25℃におけ
    る、1.5mA/cm2 以上の電極電流密度で定電流充
    電後、3mA/cm2 以上の電極電流密度で定電流放電
    したときの初回充放電効率が、75%以上100%以下
    である炭素質物質を使用することを特徴とする請求項1
    又は請求項2のいずれか記載の電気二重層キャパシタ
    ー。
  4. 【請求項4】 負極の炭素質物質が、多環縮合芳香族環
    を含有する易黒鉛化性有機物を炭素化の完了温度以上黒
    鉛化温度未満で熱処理して得られるものであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気二重層キ
    ャパシター。
  5. 【請求項5】 該多環縮合芳香族環を含有する易黒鉛化
    性有機物が、石油もしくは石炭から抽出される重質油も
    しくはタール成分であることを特徴とする請求項4記載
    の電気二重層キャパシター。
  6. 【請求項6】 負極の炭素質物質が、多環縮合芳香族環
    を含有する易黒鉛化性有機物を不活性雰囲気中で100
    0℃以上2200℃以下で熱処理して得られるものであ
    ることを特徴とする請求項4記載の電気二重層キャパシ
    ター。
  7. 【請求項7】 負極の炭素質物質として、X線回折で測
    定される平均面間隔d 002 が0.34以上0.35nm
    以下であり、かつ、結晶粒子のc軸方向のサイズLcが
    2.0nm以上30nm以下である炭素質物質を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気
    二重層キャパシター。
  8. 【請求項8】 正極の分極性電極として、非水系電解液
    中での自然電位が、Li/Li+ を対極として、0.5
    V以上2.6V以下である分極性電極を用いることを特
    徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシター。
  9. 【請求項9】 正極の分極性電極体に、アルカリ金属、
    アルカリ土類金属、希土類金属から選ばれる1つ以上の
    物質を含有させることにより、正極の該電極体の自然電
    位を調整したことを特徴とする請求項1記載の電気二重
    層キャパシター
  10. 【請求項10】 正極で用いられる炭素質物質が活性炭
    であることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャ
    パシター。
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