JP2000122300A - 平版印刷版用アルミニウム支持体 - Google Patents

平版印刷版用アルミニウム支持体

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JP2000122300A
JP2000122300A JP29243598A JP29243598A JP2000122300A JP 2000122300 A JP2000122300 A JP 2000122300A JP 29243598 A JP29243598 A JP 29243598A JP 29243598 A JP29243598 A JP 29243598A JP 2000122300 A JP2000122300 A JP 2000122300A
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silicate
acid
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JP29243598A
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Shuichi Takamiya
周一 高宮
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版印刷版とした場合に、非画像部の汚染が
生じ難くしかも耐刷力の大きいものとなる、陽極酸化皮
膜を設けた平版印刷版用アルミニウム支持体を提供す
る。 【解決手段】 陽極酸化皮膜上に、アルキレンオキシド
基を有する化合物とシリケートとを含有する層を有す
る。陽極酸化皮膜を設けたアルミニウム板を、アルキレ
ンオキシド基を有する化合物を含むpH11.0〜1
3.5のアルカリ金属ケイ酸塩水溶液で処理することに
より作成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は平版印刷版用アルミニウ
ム支持体に関し、特に、平版印刷版とした場合に、非画
像部の汚染が生じ難くしかも耐刷力の大きいものとな
る、陽極酸化皮膜を設けた平版印刷版用アルミニウム支
持体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平版印刷版の製造に当たって
は、まず平版印刷版用支持体の少なくとも一面に感光層
が施され、この感光層に画像露光、現像等を行ない、印
刷工程でインキを受理する画像部と、親水性の画像バッ
クグラウンドとなる非画像部分が形成される。平版印刷
版の製造で使用される支持体には、次の要件が必要とな
る。 a)親水性非画像部を得るために現像によって支持体か
ら感光層が容易に除去されなければならない。 b)非画像部の露出した支持体が水に対する高親和性を
有しなければならない。つまり、支持体が著しく親水性
であって、印刷作業の間、迅速かつ持続的に水を受理
し、かつ脂性印刷インキに関して十分な反撥作用を発揮
しなければならない。
【0003】上記親水化処理の例としては、米国特許第
2,714,066号、同第3,181,461号、同
第3,280,734号又は同第3,902,734号
に記載されているように、陽極酸化皮膜を設けたアルミ
ニウム支持体を、ケイ酸ナトリウムの水溶液中で浸漬処
理するか又は電解処理して親水化する方法がある。ま
た、米国特許第3,276,868号及び同第4,15
3,461号に記載されるように陽極酸化皮膜を設けた
アルミニウム支持体を、ポリビニルホスホン酸、又はビ
ニルホスホン酸、アクリル酸及び酢酸ビニルからなるコ
ポリマーを使用して、親水化する方法が公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の親水化処理方法においては、ある程度の親水化の
効果が得られるものの、非画像部の親水性と感光層との
密着力を表す耐刷力において、満足できるものではなか
った。そこで、本発明の目的は、上記従来の技術の欠点
を克服し、平版印刷版とした場合に、非画像部の汚染が
生じ難くしかも耐刷力の大きいものとなる、陽極酸化皮
膜を設けた平版印刷版用アルミニウム支持体を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、アルキレンオキシド
基を有する化合物とシリケートとを併用することによ
り、支持体表面の親水性、および感光層と支持体との密
着性の双方が満足できることを見出し、本発明を成すに
至った。即ち本発明は以下の通りである。 (1)陽極酸化皮膜上に、アルキレンオキシド基を有す
る化合物とシリケートとを含有する層を有する平版印刷
版用アルミニウム支持体。
【0006】(2)前記アルキレンオキシド基を有する
化合物とシリケートとを含有する層が、陽極酸化皮膜を
設けたアルミニウム板を、アルキレンオキシド基を有す
る化合物を含むpH11.0〜13.5のアルカリ金属
ケイ酸塩水溶液で処理することにより形成されることを
特徴とする前記(1)の平版印刷版用アルミニウム支持
体。 (3)前記アルキレンオキシド基を有する化合物が、ア
ルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物であ
ることを特徴とする前記(2)の平版印刷版用アルミニ
ウム支持体。 (4)前記アルキレンオキシド基を有する化合物が、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール重合
型の水溶性界面活性剤であることを特徴とする前記
(2)の平版印刷版用アルミニウム支持体。
【0007】(5)前記アルキレンオキシド基を有する
化合物が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンを
置換したアルキレンジアミン化合物であることを特徴と
する前記(2)の平版印刷版用アルミニウム支持体。 (6)前記アルキレンオキシド基を有する化合物が、平
均分子量200以上のポリエチレングリコールであるこ
とを特徴とする前記(2)の平版印刷版用アルミニウム
支持体。 (7)前記アルキレンオキシド基を有する化合物が、酸
またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付
加して得られる水溶性エチレンオキシド付加物であるこ
とを特徴とする前記(2)の平版印刷版用アルミニウム
支持体。
【0008】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
は、陽極酸化皮膜上に、アルキレンオキシド基を有する
化合物とシリケートとを含有する層を有することによ
り、該層中のアルキレンオキシド基が支持体と感光層と
の密着性を向上させ平版印刷版とした場合にその耐刷性
を向上させ、また、該層のシリケートが支持体表面の親
水性を向上させ非画像部における感光層の除去性を良好
にし平版印刷版とした場合にも印刷物の非画像部の汚染
を生じ難くするものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の平版印刷版用アル
ミニウム支持体について詳しく説明する。始めに、陽極
酸化皮膜上のアルキレンオキシド基を有する化合物とシ
リケートとを含有する層について説明する。前記のアル
キレンオキシド基を有する化合物とシリケートとを含有
する層は、後述の陽極酸化皮膜を設けたアルミニウム板
を、アルキレンオキシド基を有する化合物を含むpH1
1.0〜13.5のアルカリ金属ケイ酸塩水溶液、特に
アルカリ金属ケイ酸塩が1〜30重量%、好ましくは2
〜15重量%の水溶液で15〜80℃で、0.5〜12
0秒間浸漬することにより形成される。
【0010】前記アルキレンオキシド基を有する化合物
とシリケートとを含有する層の形成に用いられるアルカ
リ金属ケイ酸塩としては、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カ
リウム、ケイ酸リチウムなどが使用される。また、pH
11.0〜13.5の水溶液とするためには、水酸化
物、そのなかでも特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウムなどが使用される。
【0011】上記のアルカリ金属ケイ酸塩水溶液に含ま
せるアルキレンオキシド基を有する化合物としては、以
下の化合物が挙げられる。 (a)アルキレングリコールが付加された有機ホウ素化
合物 アルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物
は、次式の構造式
【0012】
【化1】
【0013】(式中、R1 及びR3 はお互に同じでも異
なっていてもよく、HまたはCH3 を示す。R2 及びR
4 は互いに同じでも異なっていてもよく、H、COR5
またはCONHR6 を示す。R5 及びR6 はアルキル
基、アリール基、アルケニル基またはアルキニル基を示
す。l及びmは1〜100の整数を示す。) 上記のアルキル基としては、例えばCH3 、CH3 CH
2 、CH3 (CH2 2 、CH3 (CH2 3 、CH3
(CH2 4
【0014】
【化2】
【0015】CH3 (CH2 2 、CH3 (C
2 8 、CH3 (CH2 10、CH3 (CH 2 12
CH3 (CH2 14、CH3 (CH2 16、CH3 (C
2 18、CH 3 (CH2 20、CH3 (CH2 22
CH3 (CH2 24等の炭素数1〜26の直鎖または分
枝のアルキル基が好ましい。また、上記のアリール基と
しては例えば、フェニル、
【0016】
【化3】
【0017】等の単環または2環のアリール基およびこ
れらに直鎖または分枝のアルキル基で置換基を有するも
のが含まれる。また、上記のアルケニル基またはアルキ
ニル基としては、例えばCH2 =CH(CH2 7 −、
CH3 CH2 CH=CH(CH2 7 −、CH3 (CH
2 5CH=CH−、CH3 (CH2 7 CH=CH
−、CH3 (CH2 5 CH(OH)CH2 CH2 CH
=CH(CH2 7 −、CH3 (CH2 10CH=CH
(CH2 4 −、CH3 (CH2 5 CH=CH(CH
2 9 −、CH3 (CH24 CH=CHCH2 CH=
CH(CH2 7 −、CH3 CH2 CH=CHCH 2
H=CHCH2 CH=CH(CH2 7 −、CH3 (C
2 3 (CH=CH)3 (CH2 7 −、CH3 (C
2 8 (CH=CH)3 (CH2 4 CO(CH2
2 −、CH3 (CH2 7 C≡C(CH2 7 −、CH
3 (CH2 9 CH=CH(CH2 7 −等の炭素数1
0〜24のものが挙げられる。
【0018】これら有機ホウ素化合物の合成方法として
は東邦化学工業(株)の商品名エマルボンの商品カタロ
グ等に記載されている。又これらの有機ホウ素化合物は
特公昭42−24043号、同昭43−14322号、
同昭43−18380号の各公報、米国特許第2224
011号、同2223949号等の明細書にも記されて
いる。
【0019】(b)ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤は、次式の構
造式によって表わされる。 HO-(-C2H4O-)a-(-C3H6O-)b-(-C2H4O-)c-H、 式中a,b,cは1〜10000の整数を示す。本発明
に好適な重合体の範囲としては、総分子中におけるエチ
レンオキシドの割合が20〜80重量%、好ましくは4
0〜60重量%の範囲で、ポリオキシプロピレンの分子
量としては1000〜4000、好ましくは2000〜
3500の範囲であることが特に優れている。
【0020】(c)ポリオキシエチレン・ポリオキシプ
ロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物は、次式
の構造式によって表わされる。
【0021】
【化4】
【0022】(式中、R1 〜R8 は同一でも異なってい
てもよく、HまたはCH3 を示し、R 9 〜R12は同一で
も異なっていてもよく、H、CH3 、COR13またはC
ONR 14を示し、R13およびR14は、アルキル基、アリ
ール基、アルケニル基またはアルキニル基を示し、aは
2〜12の整数、b,c,d,e,f,g,hおよびi
は同一でも異なっていてもよく、0〜300の整数を示
し、(b+f)(c+g)(d+h)(e+i)≠0で
ある。
【0023】上記一般式で表わされる化合物のうち特に
好ましいものは、R1 =R2 =R3=R4 =CH3 、R
5 =R6 =R7 =R8 =H、R9 =R10=R11=R12
HまたはCOR13、R13=アルキルであり、エチレンオ
キサイドが総分子中40〜80重量%含まれ、プロピレ
ンオキサイドの分子量範囲が2,000〜5,000で
あり、aが2〜6の整数であるような化合物である。前
記一般式においてR13およびR14によって表わされるア
ルキル基としては、例えばCH3 、CH3 CH2 、CH
3 (CH2 2 、CH3 (CH2 3 、CH 3 (C
2 4
【0024】
【化5】
【0025】CH3 (CH2 7 、CH3 (C
2 8 、CH3 (CH2 10、CH3 (CH 2 12
CH3 (CH2 14、CH3 (CH2 16、CH3 (C
2 18、CH 3 (CH2 20、CH3 (CH2 22
CH3 (CH2 24等の炭素数1〜25の直鎖または分
枝のアルキル基が好ましい。また、R13およびR14によ
って表わされるアリール基としては例えば、フェニル、
【0026】
【化6】
【0027】等の単環または2環のアリール基およびこ
れらに直鎖または分枝のアルキル基で置換基を有するも
のが含まれる。また、R13およびR14によって表わされ
るアルケニル基またはアルキニル基としては、例えばC
2 =CH(CH2 7 −、CH3 CH2 CH=CH
(CH27 −、CH3 (CH2 5 CH=CH−、C
3 (CH2 7 CH=CH−、CH3 (CH2 5
H(OH)CH2 CH2 CH=CH(CH2 7 −、C
3 (CH2 10CH=CH(CH2 4 −、CH
3 (CH2 5 CH=CH(CH2 9 −、CH3 (C
2 4 CH=CHCH2 CH=CH(CH2 7 −、
CH3 CH2 CH=CHCH2 CH=CHCH2 CH=
CH(CH2 7 −、CH3 (CH2 3 (CH=C
H)3 (CH2 7 −、CH3 (CH2 8 (CH=C
H)3 (CH2 4 CO(CH2 2 −、CH3 (CH
2 7 C≡C(CH 2 7 −、CH3 (CH2 9 CH
=CH(CH2 7 −等の炭素数9〜24のものが挙げ
られる。これらの水溶性化合物の例としては、旭電化工
業(株)の商品名テトロニックの商品カタログ等に記載
されている化合物を挙げることができる。
【0028】(d)ポリエチレングリコールは、重量平
均分子量が200以上であるが、好ましい重量平均分子
量は400〜6000の範囲であり、特に好ましい範囲
は500〜1500である。
【0029】(e)水溶性エチレンオキシド付加化合物
は、脂肪族又は芳香族のアルコールもしくはヒドロキシ
化合物又は酸にエチレンオキシドを付加縮合して得られ
る化合物およびこれらにさらにスルホン酸またはスルホ
ン酸塩基を結合して得られる化合物であり、脂肪族アル
コールを使用する場合、該アルコールの炭素数は3以上
が好ましく、5以上がさらに好ましい。
【0030】アルコールの例としては、n−プロピルア
ルコール、イソ−プロピルアルコール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノー
ル、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、3
−ペンタノール、n−ヘキサノール、メチルアミルアル
コール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、n
−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノー
ル、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノー
ル、3,5,5−トリメチルヘキサノール、n−ドデカ
ノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノー
ル、ヘプタデカノール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール、2,6,8−トリメチル−4−ノナノー
ル、2−メチル−7−エチル−4−ウンデカノール、5
−エチル−2−ノナノール、3−エチル−6−ウンデカ
ノール、3,9−ジエチル−6−ウンデカノール、3,
9−ジエチル−6−ウンデカノール、3,9−ジエチル
−6−トリデカノール、トリデカノール、オレイルアル
コール、ラウリルアルコール、オクチルアルコール、ア
セチルアルコール、トリメチレングリコール、ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコ
ール、オクチレングリコール、グリセリン等が挙げられ
る。
【0031】又、芳香族ヒドロキシ化合物の例として
は、P−イソブチルフェノール、P−イソヘキシルフェ
ノール、P−イソオクチルフェノール、P−イソドデシ
ルフェノール、オクチルフェノール、ヘキサデシルフェ
ノール、アルキル(C6 〜C14)β−ナフトール、ジア
ルキル(C6 〜C14)フェノール、β−ナフトール、P
−フェニルフェノール等が挙げられ、更にまた酸の例と
しては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリ
ン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、
パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等を挙げる
ことができる。
【0032】これらの化合物に必要に応じてさらにプロ
ピレンオキシドをブロック共重合させたものも使用でき
る。また、これらの化合物にスルホン酸塩基を結合する
方法は、たとえば特開昭59−195641号に記載さ
れている。上記のアルキレンオキシド基を有する化合物
の添加量は、0.0001〜10.0重量%が適してお
り、より好ましい添加量の範囲として0.001〜1.
0重量%であり、更に好ましい範囲は0.01〜0.3
重量%である。(a)〜(f)の界面活性剤は単独に使
用しても良く、2種以上併用しても良い。
【0033】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
が有する、アルキレンオキシド基を有する化合物とシリ
ケートとを含有する層は、陽極酸化皮膜上の全体を均一
に覆う層でもよく、また、陽極酸化皮膜上に島状に点在
する点在膜層であってもよい。
【0034】陽極酸化皮膜上にアルキレンオキシド基を
有する化合物とシリケートとを含有する層を有する、本
発明の平版印刷版用アルミニウム支持体において、用い
られる支持体用アルミニウム板は純アルミニウムや微量
の異種原子を含むアルミニウム合金等の板状体を言う。
この異種原子には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネ
シウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンな
どがある。異種原子の量は通常10重量%以下である。
本発明に好適な支持体用アルミニウム板は純アルミニウ
ム板であるが、完全に純粋なアルミニウム板は、製錬技
術上製造が困難であるので、できるだけ異種原子を含ま
ないものがよい。又、上述した程度の含有率のアルミニ
ウム合金板であれば、本発明に適用し得る素材というこ
とができる。このように本発明に運用されるアルミニウ
ム板の組成は特に限定されるものではなく従来公知、公
用の素材を適宜使用することができる。本発明に用いら
れるアルミニウム板の厚さは、通常約0.1mm〜0.
5mm程度である。
【0035】上記アルミニウム板を、後述の陽極酸化す
るに先立ち、その表面の圧延油を除去するため、例えば
界面活性剤又はアルカリ性水溶液で処理する脱脂処理、
及び砂目立処理が所望により行なわれる。砂目立て処理
方法には、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的
に表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させ
る方法がある。機械的に表面を粗面化する方法として
は、ボール研摩法、ブラシ研摩法、ブラスト研摩法、バ
フ研摩法等と称せられる公知の方法を用いることができ
る。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸
電解液中で交流又は直流により、行なう方法がある。ま
た、米国特許第4,476,006号に記載されている
ように機械的な粗面化法と電気化学的な粗面化法を組み
合わせた方法も利用することができる。
【0036】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電
解質としては多孔質酸化皮膜を形成するものならばいか
なるものでも使用することができ、一般には硫酸、リン
酸、シュウ酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れ、それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜
決められる。陽極酸化の処理条件は、用いる電解質によ
り種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電
解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、
電流密度5〜60Å/dm2 、電圧1〜100V、電解
時間10秒〜50分の範囲である。陽極酸化皮膜の量は
0.1〜10g/m2 が好適であるが、好ましくは1〜
6g/m2 の範囲である。
【0037】上述の如き処理を施したアルミニウム板の
陽極酸化皮膜を蒸気雰囲下に暴露したり、熱水中に浸漬
する方法で封孔処理を行ってもよい。蒸気によって封孔
する場合には、加圧または常圧の水蒸気が用いられる。
常圧の蒸気を用いた場合の処理条件は相対湿度が70%
以上蒸気温度95℃以上で2秒から2分間程度が適当で
ある。熱水中に浸漬する場合には、各種の封孔促進効果
のある添加物を熱水中に添加することが好ましい。上記
のようにして得られた平版印刷版用アルミニウム支持体
の表側には、従来より知られている親水性下塗り層、感
光層を設けて、感光性平版印刷版を得ることができ、こ
れを製版処理して得た平版印刷版は優れた性能を有して
いる。
【0038】(親水性下塗り層)本発明の平版印刷版用
アルミニウム支持体に設けられる親水性下塗り層の好ま
しいものは、特開昭60−149491号公報に開示さ
れている少なくとも1個のアミノ基とカルボキシル基及
びその塩の基並びにスルホ基及びその塩の基からなる群
から選ばれた少なくとも1個の基とを有する化合物から
なる親水層、特開昭60−232998号公報に開示さ
れている、少なくとも1個のアミノ基と少なくとも1個
の水酸基を有する化合物及びその塩から選ばれた化合物
からなる親水層、特開昭62−19494号公報に開示
されているリン酸塩を含む親水層、特開昭59−101
651号公報に開示されているスルホ基を有するモノマ
ー単位の少なくとも1種を繰り返し単位として分子中に
含む高分子化合物からなる親水層等が含まれる。
【0039】(感光層)本発明の平版印刷版用アルミニ
ウム支持体に設けられる感光層の組成物としては、露光
の前後で現像液に対する溶解性又は膨潤性が変化するも
のであればいずれも使用できる。以下その代表的なもの
について説明する。
【0040】(A)o−キノンジアジド化合物からなる
感光層 ポジ型感光性組成物の感光性化合物としては、o−キノ
ンジアジド化合物が挙げられ、その代表としてo−ナフ
トキノンジアジド化合物が挙げられる。o−ナフトキノ
ンジアジド化合物としては、特公昭43−28403号
公報に記載されている1,2−ジアゾナフトキノンスル
ホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエ
ステルであるものが好ましい。その他の好適なo−キノ
ンジアジド化合物としては、米国特許第3,046,1
20号及び同第3,188,210号明細書中に記載さ
れている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロラ
イドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル
がある。その他の有用なo−ナフトキノンジアジド化合
物としては、数多くの特許に報告され、知られているも
のが挙げられる。
【0041】たとえば、特開昭47−5303号、同4
8−63802号、同48−63803号、同48−9
6575号、同49−38701号、同48−1335
4号、特公昭37−18015号、同41−11222
号、同45−9610号、同49−17481号公報、
米国特許第2,797,213号、同第3,454,4
00号、同第3,544,323号、同第3,573,
917号、同第3,674,495号、同第3,78
5,825号、英国特許第1,227,602号、同第
1,251,345号、同第1,267,005号、同
第1,329,888号、同第1,330,932号、
ドイツ特許第854,890号等の各明細書中に記載さ
れているものを挙げることができる。
【0042】特に好ましいo−ナフトキノンジアジド化
合物は、分子量1,000以下のポリヒドロキシ化合物
と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライドと
の反応により得られる化合物である。このような化合物
の具体例は、特開昭51−139402号、同58−1
50948号、同58−203434号、同59−16
5053号、同60−121445号、同60−134
235号、同60−163043号、同61−1187
44号、同62−10645号、同62−10646
号、同62−153950号、同62−178562
号、同64−76047号、米国特許第3,102,8
09号、同第3,126,281号、同第3,130,
047号、同第3,148,983号、同第3,18
4,310号、同第3,188,210号、同第4,6
39,406号等の各公報又は明細書に記載されている
ものを挙げることができる。
【0043】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル
基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
リドを0.2〜1.2当量反応させることが好ましく、
0.3〜1.0当量反応させることがさらに好ましい。
1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリドとして
は、1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホン酸クロ
リドが好ましいが、1,2−ジアゾナフトキノン−4−
スルホン酸クロリドも用いることができる。また得られ
るo−ナフトキノンジアジド化合物は、1,2−ジアゾ
ナフトキノンスルホン酸エステル基の位置及び導入量の
種々異なるものの混合物となるが、ヒドロキシル基がす
べて1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステルに
転換された化合物がこの混合物中に占める割合(完全に
エステル化された化合物の含有率)は5モル%以上であ
る事が好ましく、さらに好ましくは20〜99モル%で
ある。
【0044】またo−ナフトキノンジアジド化合物を用
いずにポジ型に作用する感光性化合物として、例えば特
公昭56−2696号に記載されているo−ニトロカル
ビノールエステル基を有するポリマー化合物も、本発明
の平版印刷版用アルミニウム支持体に設ける感光層に使
用することができる。更に光分解により酸を発生する化
合物と、酸により解離する−C−O−C−基又は−C−
O−Si基を有する化合物との組合せ系も本発明の平版
印刷版用アルミニウム支持体に設ける感光層に使用する
ことができる。 例えば光分解により酸を発生する化合
物とアセタール又はO,N−アセタール化合物との組合
せ(特開昭48−89003号)、オルトエステル又は
アミドアセタール化合物との組合せ(特開昭51−12
0714号)、主鎖にアセタール又はケタール基を有す
るポリマーとの組合せ(特開昭53−133429
号)、エノールエーテル化合物との組合せ(特開昭55
−12995号)、N−アシルイミノ炭素化合物との組
合せ(特開昭55−126236号)、主鎖にオルトエ
ステル基を有するポリマーとの組合せ(特開昭56−1
7345号)、シリルエステル化合物との組合せ(特開
昭60−10247号)及びシリルエーテル化合物との
組合せ(特開昭60−37549号、特開昭60−12
1446号)等が挙げられる。
【0045】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
に設ける感光層の感光性組成物中に占めるこれらのポジ
型に作用する感光性化合物(上記のような組合せを含
む)の量は10〜50重量%が適当であり、より好まし
くは15〜40重量%である。o−キノンジアジド化合
物は単独でも感光層を構成し得るが、結合剤(バインダ
ー)としてのアルカリ水に可溶な樹脂と共に使用するこ
とが好ましい。このようなアルカリ水に可溶性の樹脂と
しては、この性質を有するノボラック樹脂があり、たと
えばフェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール
ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒ
ド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、又はm−/
p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂
等のクレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール変性
キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン
化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報
に開示されているようなフェノール性水酸基を含有する
アクリル系樹脂、特開平2−866号公報に記載のスル
ホンアミド基を有するアクリル系樹脂や、ウレタン系の
樹脂等種々のアルカリ可溶性の高分子化合物を含有させ
ることができる。これらのアルカリ可溶性高分子化合物
は、重量平均分子量が500〜20,000で数平均分
子量が200〜60,000のものが好ましい。
【0046】このようなアルカリ可溶性の高分子化合物
は全組成物の70重量%以下の添加量で用いられる。更
に、米国特許第4,123,279号明細書に記載され
ているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド
樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のよう
な、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフ
ェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用すること
は画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0047】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
における感光性組成物中には、感度を高めるために環状
酸無水物、露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤、
画像着色剤としての染料やその他のフィラー等を加える
ことができる。環状酸無水物としては米国特許第4,1
15,128号明細書に記載されているように無水フタ
ル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無
水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン
酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン
酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等がある。これ
らの環状酸無水物を全組成物の重量に対して1〜15重
量%含有させることによって感度を最大3倍程度に高め
ることができる。露光後直ちに可視像を得るための焼出
し剤としては露光によって酸を放出する感光性化合物と
塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げるこ
とができる。
【0048】具体的には特開昭50−36209号公
報、特開昭53−8128号公報に記載されているo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩
形成性有機染料の組合せや特開昭53−36223号、
同54−74728号、同60−3626号、同61−
143748号、同61−151644号、同63−5
8440号公報に記載されているトリハロメチル化合物
と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。画
像の着色剤として前記の塩形成性有機染料以外に他の染
料も用いることができる。塩形成性有機染料を含めて好
適な染料として油溶性染料及び塩基染料を挙げることが
できる。具体的には、オイルイエロー#101、オイル
イエロー#130、オイルピンク#312、オイルグリ
ーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#60
3、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイル
ブラックT−505(以上、オリエント化学工業株式会
社製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレ
ット(CI42555)、メチルバイオレット(CI4
2535)、ローダミンB(CI45170B)、マラ
カイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー
(CI52015)等を挙げることができる。また、特
開昭62−293247号公報に記載されている染料は
特に好ましい。
【0049】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
に設ける感光層の感光性組成物は、上記各成分を溶解す
る溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用する
溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、
トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホ
ルムアミド、水、N−メチルピロリドン、テトラヒドロ
フルフリルアルコール、アセトン、ジアセトンアルコー
ル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエ
チレングリコール、ジメチルエーテル等があり、これら
の溶媒を単独あるいは混合して使用する。そして、上記
成分の溶液中の濃度(固形分)は、2〜50重量%であ
る。また、塗布量は用途により異なるが、例えば感光性
平版印刷版についていえば一般的に固形分として0.5
〜3.0g/m2 が好ましい。塗布量が薄くなるにつれ
感光性は大になるが、感光膜の物性は低下する。
【0050】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持体
に設ける感光層の感光性組成物中には、塗布性を良化す
るための界面活性剤、例えば特開昭62−170950
号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添
加することができる。好ましい添加量は、全感光性組成
物の0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜
0.5重量%である。
【0051】(B)ジアゾ樹脂とバインダーとからなる
感光層 ネガ作用型感光性ジアゾ化合物としては米国特許第2,
063,631号及び同第2,667,415号の各明
細書に開示されているジアゾニウム塩とアルドールやア
セタールのような反応性カルボニル基を含有する有機縮
合剤との反応生成物であるジフェニルアミン−p−ジア
ゾニウム塩とホルムアルデヒドとの縮合生成物(所謂感
光性ジアゾ樹脂)が好適に用いられる。この他の有用な
縮合ジアゾ化合物は特公昭49−48001号、同49
−45322号、同49−45323号の各公報等に開
示されている。これらの型の感光性ジアゾ化合物は通常
水溶性無機塩の形で得られ、従って水溶液から塗布する
ことができる。また、これらの水溶性ジアゾ化合物を特
公昭47−1167号公報に開示された方法により1個
又はそれ以上のフェノール性水酸基、スルホン酸基又は
その両者を有する芳香族又は脂肪族化合物と反応させ、
その反応生成物である実質的に水不溶性の感光性ジアゾ
樹脂を使用することもできる。
【0052】また、特開昭56−121031号公報に
記載されているようにヘキサフルオロリン酸塩又は、テ
トラフルオロホウ酸塩との反応生成物として使用するこ
ともできる。フェノール性水酸基を有する反応物の例と
しては、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4−ビス
(4′−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、レゾルシノ
ール、又はジレゾルシノールのようなジフェノール酸で
あって、これらは更に置換基を有していてもよい。ヒド
ロキシベンゾフェノンには2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベ
ンゾフェノン又は2,2′,4,4′−テトラヒドロキ
シベンゾフェノンが含まれる。好ましいスルホン酸とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタリ
ン、フェノール、ナフトール及びベンゾフェノン等のス
ルホン酸のような芳香族スルホン酸、又はそれ等の可溶
性塩類、例えば、アンモニウム及びアルカリ金属塩が例
示できる。
【0053】スルホン酸基含有化合物は、一般に低級ア
ルキル、ニトロ基、ハロ基、及び/又はもう一つのスル
ホン酸基で置換されていてもよい。このような化合物の
好ましいものとしては、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸、ナフタリンスルホン酸、2,5−ジメチル
ベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ナフタリン−2−スルホン酸、1−ナフトール−2(又
は4)−スルホン酸、2,4−ジニトロ−1−ナフトー
ル−7−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン−5−スルホン酸、m−(p′−アニリノ
フェニルアゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリザ
リンスルホン酸、o−トルイジン−m−スルホン酸及び
エタンスルホン酸等が挙げられる。アルコールのスルホ
ン酸エステルとその塩類もまた有用である。このような
化合物は通常アニオン性界面活性剤として容易に入手で
きる。その例としてはラウリルサルフェート、アルキル
アリールサルフェート、p−ノニルフェニルサルフェー
ト、2−フェニルエチルサルフェート、イソオクチルフ
ェノキシジエトキシエチルサルフェート等のアンモニウ
ム塩又はアルカリ金属塩が挙げられる。
【0054】これ等の実質的に水不溶性の感光性ジアゾ
樹脂は水溶性の感光性ジアゾ樹脂と前記の芳香族又は脂
肪族化合物の水溶液を好ましくはほぼ等量となる量で混
合することによって沈殿として単離される。また、英国
特許第1,312,925号明細書に記載されているジ
アゾ樹脂も好ましい。また特開平3−253857号公
報に記載されているリンの酸素酸基を含有するジアゾ樹
脂、また特開平04−018559号公報に記載されて
いるカルボキシル基含有アルデヒド又はそのアセタール
化合物で縮合したジアゾ樹脂、また特開平04−211
253号や特開平05−002273号公報に記載され
ているフェノキシ酢酸等のカルボキシ基含有芳香族化合
物との共縮合ジアゾ樹脂も好ましい。
【0055】ジアゾ樹脂の含有量は、感光層中に5〜5
0重量%含まれているのが適当である。ジアゾ樹脂の量
が少なくなれば感光性は当然大になるが、経時安定性が
低下する。最適のジアゾ樹脂の量は約8〜20重量%で
ある。一方、バインダーとしては、種々の高分子化合物
が使用され得るが、本発明においては、ヒドロキシ、ア
ミノ、カルボン酸、アミド、スルホンアミド、活性メチ
レン、チオアルコール、エポキシ等の基を含むものが望
ましい。このような好ましいバインダーには、英国特許
第1,350,521号明細書に記されているシェラッ
ク、英国特許第1,460,978号及び米国特許第
4,123,276号の各明細書に記されているような
ヒドロキシエチルアクリレート単位又はヒドロキシエチ
ルメタクリレート単位を主なる繰り返し単位として含む
ポリマー、米国特許第3,751,257号明細書に記
されているポリアミド樹脂、英国特許第1,074,3
92号明細書に記されているフェノール樹脂及び例えば
ポリビニルフォルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂のようなポリビニルアセタール樹脂、米国特許第3,
660,097号明細書に記されている線状ポリウレタ
ン樹脂、ポリビニルアルコールのフタレート化樹脂、ビ
スフェノールAとエピクロルヒドリンから縮合されたエ
ポキシ樹脂、ポリアミノスチレンやポリアルキルアミノ
(メタ)アクリレートのようなアミノ基を含むポリマ
ー、酢酸セルロース、セルロースアルキルエーテル、セ
ルロースアセテートフタレート等のセルロース誘導体等
が包含される。ジアゾ樹脂とバインダーからなる組成物
には、更に、英国特許第1,041,463号明細書に
記されているようなpH指示薬、米国特許第3,23
6,646号明細書に記載されているリン酸、染料等の
添加剤を加えることができる。
【0056】(C)アジド化合物とバインダー(高分子
化合物)からなる感光層 例えば英国特許第1,235,281号、同第1,49
5,861号の各明細書及び特開昭51−32331
号、同51−36128号公報等に記されているアジド
化合物と水溶性又はアルカリ可溶性高分子化合物からな
る組成物の他、特開昭50−5102号、同50−84
302号、同50−84303号、同53−12984
号の各公報等に記されているアジド基を含むポリマーと
バインダーとしての高分子化合物からなる組成物が含ま
れる。
【0057】(D)その他の感光性樹脂層 例えば、特開昭52−96696号公報に開示されてい
るポリエステル化合物、英国特許第1,112,277
号、同第1,313,390号、同第1,341,00
4号、同第1,377,747号等の各明細書に記載の
ポリビニルシンナメート系樹脂、米国特許第4,07
2,528号及び同第4,072,527号の各明細書
等に記されている光重合型フォトポリマー組成物が含ま
れる。
【0058】(E)電子写真感光層 電子写真感光層は、主として光導電性化合物とバインダ
ーからなるが、感度向上、所望の感光波長域を得る等の
目的のために、必要に応じて公知の顔料、染料、化学増
感剤、その他の添加剤等を使用することができる。感光
層は単層あるいは電荷発生と電荷輸送の機能を分離した
複数の層から構成することができる。平版印刷版は、公
知の電子写真プロセスにより感光層上にトナー画像を形
成し、これをレジスト層として、非画像部の感光層を除
去することにより得ることができる。このような感光層
は、例えば、特公昭37−17162号、同38−69
61号、特開昭56−107246号、同60−254
142号、特公昭59−36259号、同59−252
17号、特開昭56−146145号、同62−194
257号、同57−147656号、同58−1008
62号、同57−161863号をはじめ多数の刊行物
に記載されており、これらはいずれも好適に使用するこ
とができる。
【0059】感光層の膜厚は、0.1〜30μm、より
好ましくは、0.5〜10μmで使用することができ
る。支持体上に設けられる感光層の量(固形分)は約
0.1〜約7g/m2 、好ましくは0.5〜4g/m2
の範囲である。平版印刷版は画像露光された後、常法に
より現像を含む処理によって樹脂画像が形成される。例
えば、感光層(A)を有するポジ型感光性平版印刷版の
場合には画像露光後、米国特許第4,259,434号
及び特開平3−90388号明細書に記載されているよ
うなアルカリ水溶液で現像することにより露光部分の感
光層が除去されて、平版印刷版が得られる。またジアゾ
樹脂とバインダーからなる感光層(B)を有するネガ型
感光性平版印刷版の場合には画像露光後、例えば米国特
許第4,186,006号明細書に記載されているよう
な現像液で現像することにより、未露光部分の感光層が
除去されて平版印刷版が得られる。また、特開平5−0
02273号又は特開平4−219759号公報に記載
のネガ型感光性平版印刷版の場合には、同明細書に記載
されているようにアルカリ金属ケイ酸塩の水溶液で現像
することができる。
【0060】
〔実施例1〜5〕
実施例1 JIS 1050アルミニウム板をパミスー水懸濁液を
研磨剤として、回転ナイロンブラシで表面を砂目立てし
た。このときの表面粗さ(中心線平均粗さ)は0.5μ
mであった。水洗後、10%苛性ソーダ水溶液を70℃
に温めた溶液中に浸漬して、アルミニウムの溶解量が6
g/m2 となるようにエッチングした。水洗後、30%
硝酸水溶液に1分間浸漬して中和し、十分水洗した。そ
の後に、0.7%硝酸水溶液中で、陽極時電圧13V、
陰極時電圧6Vの矩形波交番波形を用いて(特開昭52
−77702号公報実施例に記載されている電源波形)
20秒間電解粗面化を行い、20%硫酸の50℃溶液中
に浸漬して表面を洗浄した後、水洗した。
【0061】更に70g/リットル硫酸水溶液(Alイ
オン濃度7g/リットル)中で陽極酸化皮膜重量が3.
0g/m2 となるように直流を用いて陽極酸化処理を施
して水洗、乾燥後、以下の親水化処理を行った。3号ケ
イ酸ナトリウム(SiO2 /Na2 Oモル比=3)2.
5%水溶液に、下記表1の化合物を0.1重量%添加し
た水溶液で、70℃に20秒間浸漬し次いで水洗乾燥し
た。
【0062】
【表1】
【0063】このように処理された基板の表面に下記組
成の溶液(I)を塗布し80℃、30秒間乾燥した。乾
燥後の被覆量は10mg/m2 であった。
【0064】溶液(I) トリエタノールアミン 0.05g メタノール 94.95g 水 5 g
【0065】このようにして作成した基板に、下記組成
物(II)を乾燥後の塗布重量が2.5g/m2 となるよ
うに感光層を設けた。
【0066】 組成物(II) ナフトキノン-1,2- ジアジド-5- スルホニルクロライド 0.75g とピロガロール 、アセトン樹脂とのエステル化合物 (米国特許3,635,709 号明細書実施例1記載のもの) クレゾールノボラック樹脂 2.00g オイルブルー#603(オリエント化学製) 0.04g エチレンジクロライド 16 g Z-メトキシエチルアセテート 12 g
【0067】このようにして作られた感光性平版印刷版
を真空焼枠中で、透明ポジティブフィルムを通して1m
の距離から3kwのメタルハライドランプにより、50
秒間露光を行なったのち、SiO2 /Na2 Oのモル比
が1.74のケイ酸ナトリウムの5.26%水溶液(p
H12.7)で現像した。このように現像した後、十分
水洗し、ガム引きしたのち、常法の手順で印刷した。こ
のときの非画像部の汚染と耐刷力を調べた結果を下記表
2に示した。
【0068】
【表2】
【0069】表2の結果から、本発明による支持体は比
較例のものに比べて、耐刷力及び非画像部の汚れのいず
れにおいても満足すべきものであることが判る。
【0070】
【発明の効果】本発明の平版印刷版用アルミニウム支持
体は、陽極酸化皮膜上に、アルキレンオキシド基を有す
る化合物とシリケートとを含有する層を有することによ
り、平版印刷版とした場合に、従来のものに比べて高い
耐刷力を与えると同時に非画像部が汚れにくいという顕
著な効果が得られる。従来より、高耐刷力を有する平版
印刷版は非画像部が汚れ易く、逆に非画像部の汚れ難い
平版印刷版は耐刷力が低いという性質をもっており、こ
れらの両者の性能を同時に改善させることは極めて困難
であるとされていた。しかし乍ら本発明のアルミニウム
支持体を用いた平版印刷版は高い耐刷力を有すると同時
に非画像部が汚れ難いという従来得られなかった優れた
性質を有している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極酸化皮膜上に、アルキレンオキシド
    基を有する化合物とシリケートとを含有する層を有する
    平版印刷版用アルミニウム支持体。
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