JP2000121799A - 放射線像変換パネルおよびその製造方法 - Google Patents

放射線像変換パネルおよびその製造方法

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JP2000121799A
JP2000121799A JP10301640A JP30164098A JP2000121799A JP 2000121799 A JP2000121799 A JP 2000121799A JP 10301640 A JP10301640 A JP 10301640A JP 30164098 A JP30164098 A JP 30164098A JP 2000121799 A JP2000121799 A JP 2000121799A
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Hiroshi Ogawa
博 小川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度であって、かつ感度ムラの極めて低減
した放射線像変換パネルおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 支持体、および輝尽性蛍光体とこれを含
有支持する結合剤とからなる輝尽性蛍光体層を有する放
射線像変換パネルにおいて、輝尽性蛍光体層が、フッ素
系界面活性剤を輝尽性蛍光体に対して0.01乃至5重
量%の範囲で含有していることを特徴とする放射線像変
換パネル、並びに圧縮処理によるその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を利
用する放射線像記録再生方法に用いられる放射線像変換
パネルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線写真法に代わる方法とし
て、輝尽性蛍光体を用いる放射線像記録再生方法が知ら
れている。この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線
像変換パネル(蓄積性蛍光体シート)を利用するもの
で、被写体を透過した、あるいは被検体から発せられた
放射線を該パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、その後に
輝尽性蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起
光)で時系列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体
中に蓄積されている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光
光)として放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電
気信号を得て、得られた電気信号に基づいて被写体ある
いは被検体の放射線画像を可視像として再生するもので
ある。読み取りを終えた該パネルは、残存する画像の消
去が行われた後、次の撮影のために備えられる。すなわ
ち、放射線像変換パネルは繰り返し使用される。
【0003】この放射線像記録再生方法では、放射線写
真フィルムと増感紙との組合せを用いる従来の放射線写
真法の場合に比べて、はるかに少ない被曝線量で情報量
の豊富な放射線画像を得ることができるという利点があ
る。さらに、従来の放射線写真法では一回の撮影ごとに
放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線
像記録再生方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用
するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0004】放射線像記録再生方法に用いられる放射線
像変換パネルは、基本構造として、支持体とその表面に
設けられた輝尽性蛍光体層とからなるものである。ただ
し、輝尽性蛍光体層が自己支持性である場合には必ずし
も支持体を必要としない。また、輝尽性蛍光体層の表面
(支持体に面していない側の表面)には通常、保護膜が
設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あるいは物理
的な衝撃から保護している。
【0005】輝尽性蛍光体層は、通常は輝尽性蛍光体と
結合剤とを適当な有機溶剤に分散、溶解して塗布液を調
製し、この塗布液を支持体上に塗布、乾燥することなど
により形成される。ただし、輝尽性蛍光体層としては、
蒸着法や焼結法によって形成される結合剤を含まないで
輝尽性蛍光体の凝集体のみから構成されるものも知られ
ている。また、輝尽性蛍光体の凝集体の間隙に高分子物
質が含浸されている輝尽性蛍光体層を有する放射線像変
換パネルも知られている。これらのいずれの蛍光体層で
も、輝尽性蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励
起光の照射を受けると輝尽発光を示す性質を有するもの
であるから、被写体を透過したあるいは被検体から発せ
られた放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換
パネルの輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体
あるいは被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像
として形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射す
ることにより輝尽発光光として放出させることができ、
この輝尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換す
ることにより、放射線エネルギーの蓄積像を画像化する
ことが可能となる。
【0006】放射線像記録再生方法は上述したように数
々の優れた利点を有する方法であるが、この方法に用い
られる放射線像変換パネルにあっても、できる限り高感
度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好な画
像を与えるものであることが望まれている。パネルの感
度は基本的にはパネルに含有されている輝尽性蛍光体の
総輝尽発光量に依存し、この総発光量は輝尽性蛍光体自
体の発光輝度が高いほど、また蛍光体層中の輝尽性蛍光
体の含有量が多いほど大となる。輝尽性蛍光体の含有量
が多いことはまた、X線等の放射線の吸収量も大である
ことを意味するから、一層高い感度が得られ、同時に画
質(特に粒状性)が向上する。一方、蛍光体層における
輝尽性蛍光体の含有量が一定である場合には、蛍光体粒
子が密に充填されているほどその層厚を薄くすることが
できるから、散乱による励起光の広がりを少なくして相
対的に高い鮮鋭度を得ることができる。
【0007】これまでに輝尽性蛍光体粒子の分散性を高
める目的で、例えば特公平5−52919号公報には蛍
光体粒子をシリコーンオイルで表面処理することが、特
公平6−31908号公報にはシランカップリング剤で
表面処理することが、それぞれ記載されている。これら
の表面処理によって輝尽性蛍光体の分散性および均一性
が高められ、感度の高い放射線像変換パネルが得られる
ものの、感度ムラについては十分には改善されなかっ
た。
【0008】一方、蛍光体層に輝尽性蛍光体粒子を密に
充填するために、蛍光体層を圧縮処理して蛍光体層の空
隙率を低減した放射線像変換パネルおよびその製造方法
については、既に本出願人により出願され、開示されて
いる(特開昭59−126299号、同59−1263
00号公報)。このパネルによれば、蛍光体層における
輝尽性蛍光体の充填密度が高められるので鮮鋭度の優れ
た画像が得られるが、その反面、圧縮処理により輝尽性
蛍光体が一部破壊されてしまったり、あるいは塗膜の圧
縮が均一でなかったりするために、パネルには蛍光体の
密度の不均一さが完全には解消されずに残って感度ムラ
が生じ、結果として画像の画質が十分ではないという問
題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、蛍光
体層における輝尽性蛍光体粒子の分散性に優れ、そして
高感度であってかつ感度ムラの低減した放射線像変換パ
ネルおよびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。また本発明は、蛍光体層における輝尽性蛍光
体粒子の充填率が高く、そして高感度であってかつ画質
の向上した画像を与える放射線像変換パネルおよびその
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体、およ
びその上に設けられた輝尽性蛍光体とこれを含有支持す
る結合剤とからなる輝尽性蛍光体層を有する放射線像変
換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層がフッ素系界面活
性剤を該輝尽性蛍光体に対して0.01乃至5重量%の
範囲の量(好ましくは0.01乃至1重量%の範囲の
量)で含有していることを特徴とする放射線像変換パネ
ルにある。
【0011】本発明はまた、1)輝尽性蛍光体粒子、結
合剤およびフッ素系界面活性剤を有機溶剤中に分散、溶
解して塗布液を調製した後、該塗布液を塗布、乾燥して
蛍光体シートを形成する工程、および2)該蛍光体シー
トを支持体の上に載せた後、蛍光体シートを該結合剤の
軟化温度または融点以上の温度に加熱しながら圧縮し
て、支持体上に輝尽性蛍光体層を形成する工程からなる
放射線像変換パネルの製造方法にもある。
【0012】本発明者は、蛍光体層における輝尽性蛍光
体の分散性、さらには蛍光体層の圧縮処理によっても依
然として存在する感度ムラについて研究を重ねた結果、
蛍光体層形成用塗布液にフッ素系界面活性剤を加えると
この塗布液を塗布した際にフッ素系界面活性剤は塗膜表
面に分子膜を形成し、これにより塗膜の界面張力および
溶剤の蒸発速度を調整し、そして乾燥時における蛍光体
粒子の流動を防いで均一な乾燥膜を形成し、蛍光体粒子
の分散性並びに塗膜の加工性をこれまでよりも改善でき
ることを見い出した。また、このような蛍光体層に圧縮
処理を行うと、蛍光体粒子の分散性および塗膜の均質性
が良好であるために、塗膜が均一に圧縮されて蛍光体粒
子同士が互いに破壊し合うような現象を抑制することが
でき、そして更に一層蛍光体の充填密度を高めることが
できることを見い出した。
【0013】さらに放射線像変換パネルの製造に際して
は、輝尽性蛍光体粒子と結合剤とフッ素系界面活性剤と
を含有する蛍光体シートを予め作成し、このシートを支
持体上に結合剤の軟化温度または融点以上の温度で加熱
圧縮することにより支持体上への蛍光体層の付設と圧縮
処理とを同時に行うので、より一層蛍光体粒子の破壊を
防ぐことができる。すなわち、圧縮処理に際して、蛍光
体の粒子結晶はその周囲の結合剤が少なくとも部分軟化
もしくは部分溶融しているので、ある程度の自由度を有
する状態で圧力を受けることになるため、蛍光体結晶は
破壊されずにその充填密度が高められる。しかも、蛍光
体シートは支持体に固定されていない状態で圧力が加え
られ、加圧しながら支持体上に接合されるので、シート
に加わる圧力は蛍光体結晶を破壊することなくシートを
薄く延ばし広げるように働く。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の放射線像変換パ
ネルの好ましい態様を挙げる。 (1)フッ素系界面活性剤がパーフルオロアルキル基含
有オリゴマーもしくはパーフルオロアルキル基含有ウレ
タンである放射線像変換パネル。 (2)フッ素系界面活性剤が無色乃至淡黄色である放射
線像変換パネル。 (3)結合剤が熱可塑性エラストマーを主成分とする樹
脂である放射線像変換パネル。 (4)熱可塑性エラストマーの軟化温度または融点が3
0〜300℃の範囲でである放射線像変換パネル。 (5)輝尽性蛍光体層における輝尽性蛍光体の充填率が
60体積%乃至90体積%の範囲である放射線像変換パ
ネル。 (6)輝尽性蛍光体層が加熱圧縮処理されている放射線
像変換パネル。
【0015】また、本発明の放射線像変換パネルの製造
方法の好ましい態様を挙げる。 (1)第1工程において、まず輝尽性蛍光体粒子と結合
剤とを有機溶剤中に分散、溶解し、次いでフッ素系界面
活性剤を添加混合する放射線像変換パネルの製造方法。 (2)結合剤が熱可塑性エラストマーを主成分とする樹
脂である放射線像変換パネルの製造方法。 (3)熱可塑性エラストマーの軟化温度または融点が3
0〜300℃の範囲でである放射線像変換パネルの製造
方法。 (4)圧縮を50〜1000kgw/cm2 の範囲の圧
力で行う放射線像変換パネルの製造方法。 (5)圧縮をカレンダーロールで行う放射線像変換パネ
ルの製造方法。 (6)予め支持体上に下塗層および/または光反射層を
形成する放射線像変換パネルの製造方法。
【0016】次に、本発明の放射線像変換パネルを製造
する方法について、圧縮処理する場合を例にとって詳細
に述べる。本発明において特徴的な要件である輝尽性蛍
光体層は基本的には、輝尽性蛍光体粒子と結合剤とフッ
素系界面活性剤とからなるものである。
【0017】輝尽性蛍光体としては、波長が400〜9
00nmの範囲の励起光の照射により、300〜500
nmの波長範囲の輝尽発光を示す輝尽性蛍光体が好まし
い。そのような輝尽性蛍光体の例は、特開平2−193
100号公報及び特開平4−310900号公報に詳し
く記載されている。特に好ましい輝尽性蛍光体は、ユー
ロピウムあるいはセリウムにより付活されているアルカ
リ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、そしてセリウム付活
希土類オキシハロゲン化物系蛍光体である。但し、本発
明に用いる輝尽性蛍光体はこれらの蛍光体に限られるも
のではなく、照射された放射線を蓄積してその後の任意
な時期に励起光を照射された場合に輝尽発光を示す蛍光
体であればいかなるものであってもよい。
【0018】本発明に使用するフッ素系界面活性剤は、
通常の界面活性剤の疎水基の炭素原子に結合した水素原
子の一部または全部がフッ素原子で置換されたもの、も
しくはアルキル基またはエーテル基の水素原子の一部ま
たは全部がフッ素原子で置換された基を有する低分子化
合物、オリゴマー、またはポリマーである。これらのフ
ッ素系界面活性剤のうち、ノニオン系およびオリゴマ
ー、ポリマーが特に好ましい。
【0019】フッ素系界面活性剤の具体例としては、大
日本インキ化学工業(株)製のメガファックシリーズ、
特にF−110、F−116、F−120、F−142
D、F−144D、F−150、F−160、F−17
1、F−172、F−173、F−177、F−178
A、F−178K、F−179、F−183、F−18
4、F−191、F−812;朝日ガラス(株)製のサ
ーフロンシリーズ、特にS−381、S−383、S−
393、SC−101、SC−105、KH−40;お
よび住友3M(株)製のFCシリーズ、特にFC−43
0、FC−431を挙げることができる。これらのフッ
素系界面活性剤は無色乃至淡黄色であり、励起光や発光
光を吸収するなどして放射線画像の読み取りに悪影響を
及ぼすことが殆どないので好ましい。
【0020】本発明において、結合剤としては、常温で
弾力を有し、加熱すると流動性を示すようになる高分子
物質、特に熱可塑性エラストマーを好適に用いることが
できる。熱可塑性エラストマーの例としては、ポリスチ
レン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、
ポリアミド、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル、ポ
リ塩化ビニル、天然ゴム、フッ素ゴム、ポリイソプレ
ン、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエンゴムお
よびシリコンゴムの各エラストマーを挙げることができ
る。これらのうちで、軟化温度または融点が30〜30
0℃の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは30
〜200℃の範囲であり、特に好ましくは30〜150
℃の範囲である。なお、従来より放射線像変換パネルの
結合剤として公知の各種の高分子物質もこれらの熱可塑
性エラストマーと組み合わせて、あるいは別個に用いる
ことが可能である。
【0021】輝尽性蛍光体層は、たとえば次のような方
法により支持体上に形成することができる。まず、輝尽
性蛍光体粒子と結合剤、そしてフッ素系界面活性剤を溶
剤に加え、これを充分に混合して、結合剤溶液中に輝尽
性蛍光体粒子及びフッ素系界面活性剤が均一に分散した
塗布液を調製する。あるいは、蛍光体粒子と結合剤を溶
剤に分散、溶解した後、これにフッ素系界面活性剤を添
加混合してもよい。塗布液調製用の溶剤の例としては、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタ
ノール等の低級アルコール;メチレンクロライド、エチ
レンクロライドなどの塩素原子含有炭化水素;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど
のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
低級脂肪酸と低級アルコールとのエステル;ジオキサ
ン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフランな
どのエーテル;そして、それらの混合物を挙げることが
できる。
【0022】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比は、目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光
体の種類などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光
体との混合比は、1:1乃至1:100(重量比)の範
囲から選ばれ、そして特に1:8乃至1:40(重量
比)の範囲から選ぶのが好ましい。また、フッ素系界面
活性剤は通常は、輝尽性蛍光体に対して0.01乃至5
重量%の範囲の量(好ましくは、0.01乃至1重量%
の範囲の量)で添加される。なお、塗布液にはさらに、
塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるための分
散剤、形成後の蛍光体層中における結合剤と蛍光体との
間の結合力を向上させるための可塑剤、蛍光体層の変色
を防止するための黄変防止剤、硬化剤、架橋剤など各種
の添加剤が混合されていてもよい。
【0023】このようにして調製された輝尽性蛍光体、
結合剤およびフッ素系界面活性剤等を含有する塗布液
を、次にシート形成用の仮支持体の表面に均一に塗布し
て塗布液の塗膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗
布手段、たとえばドクターブレード、ロールコータ、ナ
イフコータなどを用いる方法により行うことができる。
仮支持体としては、例えばガラス板、金属板、プラスチ
ックシート、各種の紙など放射線像変換パネルの支持体
として公知の材料から任意に選んで用いることができ
る。この塗膜を乾燥した後、仮支持体から剥がして蛍光
体シートを得る。従って、仮支持体の表面には予め離型
剤を塗布しておき、形成した蛍光体シートが仮支持体か
ら剥がしやすくなるようにしておくことが望ましい。
【0024】次に、この蛍光体シートを支持体の上に圧
縮処理しながら接着して、輝尽性蛍光体層を形成する。
支持体は、従来の放射線像変換パネルの支持体として公
知の材料から任意に選ぶことができる。公知の放射線像
変換パネルにおいて、支持体と輝尽性蛍光体層の結合を
強化するため、あるいはパネルとしての感度もしくは画
質(鮮鋭度、粒状性)を向上させるために、蛍光体層が
設けられる側の支持体表面にゼラチンなどの高分子物質
を塗布して接着性付与層としたり、あるいは二酸化チタ
ンなどの光反射性物質からなる光反射層、もしくはカー
ボンブラックなどの光吸収性物質からなる光吸収層など
を設けることが知られている。本発明で用いられる支持
体についても、これらの各種の層を設けることができ、
それらの構成は所望のパネルの目的、用途などに応じて
任意に選択することができる。さらに特開昭58−20
0200号公報に記載されているように、得られる画像
の鮮鋭度を向上させる目的で、支持体の蛍光体層側の表
面(支持体の蛍光体層側の表面に接着性付与層、光反射
層あるいは光吸収層などの補助層が設けられている場合
には、それらの補助層の表面であってもよい)には微小
な凹凸が形成されていてもよい。
【0025】上記の蛍光体シートを支持体の上に載せ、
シートに含まれる結合剤の軟化温度または融点以上の温
度に加熱しながら加圧してシートを支持体上に接着し、
支持体上への圧縮された輝尽性蛍光体層の形成を完了す
る。圧縮装置としては、カレンダーロール、ホットプレ
スなど一般に知られているものを用いることができる。
たとえばカレンダーロールによる圧縮処理は、上記温度
に加熱したローラの間を支持体とその上に載せた蛍光体
シートとを一定速度で通過させることにより行う。加熱
温度としては一般に、結合剤の軟化温度または融点より
50℃以上高くないことが望ましい。また、加圧の際の
圧力は一般に50〜1000kgw/cm2 の範囲であ
る。
【0026】このようにして支持体上に形成した輝尽性
蛍光体層の空隙率(%)は、前記の特開昭59−126
299号公報及び同59−126300号公報に記載の
式を利用して理論的に求めることができる。
【0027】本発明において、上記の方法により計算し
て求められる輝尽性蛍光体の充填率は、目的とする放射
線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体
との混合比などによっても異なるが、通常は、60体積
%乃至90体積%の範囲である。また、蛍光体層の層厚
は、通常は20μm〜1mmの範囲であり、好ましくは
50〜500μmの範囲である。
【0028】輝尽性蛍光体層の支持体に接する側とは反
対側の表面には、蛍光体層を物理的および化学的に保護
するために透明な保護膜を設けてもよい。保護膜として
は、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート、有
機溶媒可溶性フッ素系樹脂などのような透明な有機高分
子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶液を蛍光体層
の上に塗布することで形成されたもの、あるいはポリエ
チレンテレフタレートなどの有機高分子フィルムや透明
なガラス板などの保護膜形成用シートを別に形成して蛍
光体層の表面に適当な接着剤を用いて設けたもの、ある
いは無機化合物を蒸着などによって蛍光体層上に成膜し
たものなどが用いられる。また、保護膜中には酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の光散乱性微粒子、
パーフルオロオレフィン樹脂粉末、シリコーン樹脂粉末
等の滑り剤、およびポリイソシアネート等の架橋剤など
各種の添加剤が分散含有されていてもよい。保護膜の膜
厚は一般に約0.1〜20μmの範囲にある。
【0029】上述のようにして本発明の放射線像変換パ
ネルが得られるが、本発明のパネルの構成は、公知の各
種のバリエーションを含むものであってもよい。たとえ
ば、得られる画像の鮮鋭度を向上させることを目的とし
て、上記の少なくともいずれかの層を、励起光を吸収し
輝尽発光光は吸収しないような着色剤によって着色して
もよい(特公昭59−23400号公報参照)。
【0030】
【実施例】[実施例1] (1)蛍光体シートの作成 BaFBr0.90.1 :Eu2+蛍光体(輝尽性蛍光体)
100gをメチルエチルケトン50g中に加え、これを
超音波分散機で60分間分散した後、分級し、減圧下1
50℃の温度で乾燥した。
【0031】 上記輝尽性蛍光体 100g 結合剤:ポリウレタンエラストマー (デスモラックTPKL-5-2625 [固形分40%]、 住友バイエルウレタン(株)製) 22.5g フッ素系界面活性剤:パーフルオロアルキル基含有オリゴマー(メガファック F−172、大日本インキ化学工業(株)製) 0.1g 黄変防止剤:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート834、 油化シェルエポキシ(株)製) 1.0g 硬化剤:ポリイソシアネート (コロネートHL、日本ポリウレタン(株)製) 1.0g
【0032】上記組成の材料をメチルエチルケトンに加
え、プロペラミキサで分散させて粘度が3.0Pa・s
(25℃)の塗布液を調製した(結合剤/蛍光体比=1
/20)。これをシリコン系離型剤が塗布されているポ
リエチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚さ:1
80μm)上に塗布し、乾燥した後、仮支持体から剥ぎ
取って蛍光体シート(厚さ:200μm)を形成した。
【0033】 (2)下塗層の形成 軟質アクリル樹脂(固形分) 90g ニトロセルロース 50g 上記組成の材料をメチルエチルケトンに加え、プロペラ
ミキサを用いて混合して粘度が3〜6PS(25℃)の
下塗層形成用塗布液を調製した。厚さ300μmのポリ
エチレンテレフタレートシート(支持体)をガラス板上
に水平に置き、この下塗層形成用塗布液をドクターブレ
ードを用いて支持体上に均一塗布した後、温度を25℃
から100℃に徐々に上昇させて塗膜の乾燥を行い、支
持体上に下塗層(塗膜の厚さ:15μm)を形成した。
【0034】 (3)光反射層の形成 BaFBr(粒径1〜5μmの範囲の粒子を90%含有) 214g 結合剤:軟質アクリル樹脂(固形分) 25.7g ニトロセルロース(硝化度11.5%、固形分10%)64g エポキシ樹脂 10.7g 上記組成の材料をメチルエチルケトンに加え、プロペラ
ミキサで分散させて粘度が25〜35PS(25℃)の
光反射層形成用塗布液を調製した。支持体上の下塗層表
面に、この塗布液を上記と同様にして塗布し、乾燥して
光反射層(塗膜の厚さ:60μm)を形成した。
【0035】(4)輝尽性蛍光体層の付設 支持体上の光反射層表面に、先に作成した蛍光体シート
を載せて圧縮を行なった。圧縮処理は、カレンダロール
を用いて400kgw/cm2 の圧力、80℃の温度で
連続的に行った。この加熱圧縮により、光反射層に蛍光
体シートを完全に融着させて輝尽性蛍光体層を付設し
た。
【0036】(5)保護膜の形成 ポリエステル系接着剤が片面に塗布されているポリエチ
レンテレフタレートの透明フィルム(厚さ:10μm)
を、輝尽性蛍光体層上に接着剤側を下に向けて接着する
ことにより透明保護膜を形成した。以上のようにして、
支持体、下塗層、光反射層、輝尽性蛍光体層、および保
護膜から構成された本発明の放射線像変換パネルを製造
した。
【0037】[実施例2]実施例1において、まずフッ
素系界面活性剤以外の組成の材料をメチルエチルケトン
に加え、プロペラミキサで分散させて粘度が3.0Pa
・s(25℃)の分散液を得て、次いでこの分散液にフ
ッ素系界面活性剤0.1gを添加混合して塗布液を調製
したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の放射線
像変換パネルを製造した。
【0038】[実施例3]実施例1において、フッ素系
界面活性剤としてパーフルオロアルキル基含有オリゴマ
ー(メガファックF−177、大日本インキ化学工業
(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、
本発明の放射線像変換パネルを製造した。
【0039】[比較例1]実施例1において、フッ素系
界面活性剤を用いなかったこと以外は実施例1と同様に
して、比較のための放射線像変換パネルを製造した。
【0040】[比較例2]BaFBr0.90.1 :Eu
2+蛍光体(輝尽性蛍光体)100gをメチルエチルケト
ン50gに加え、これを超音波分散機で60分間分散し
た後、分級し、減圧下150℃の温度で乾燥した。この
蛍光体を、メチルハイドロジエンポリシロキサン(KF
99、信越シリコーン(株)製)1gを含むメチルエチ
ルケトン50g液に添加し、5分間分散させた。次い
で、この懸濁液を濾過したのち、乾燥し、更に150℃
の乾燥空気中で30分間熱処理した。このようにして、
メチルハイドロジエンポリシロキサンにより表面処理さ
れた蛍光体粒子を得た。
【0041】実施例1において輝尽性蛍光体としてこの
表面処理済のBaFBr0.90.1:Eu2+蛍光体を用
い、かつフッ素系界面活性剤を使用しなかったこと以外
は実施例1と同様にして、比較のための放射線像変換パ
ネルを製造した。
【0042】[比較例3]実施例1において、フッ素系
界面活性剤の代りにシランカップリング剤(γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM403、信
越化学工業(株)製)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして、比較のための放射線像変換パネルを製造し
た。
【0043】[放射線像変換パネルの性能評価]得られ
た各放射線像変換パネルについて感度および感度ムラの
試験を行ない、その性能を評価した。また、蛍光体層に
おける輝尽性蛍光体の充填率を前記の方法によって求め
た。ただし、蛍光体の密度は5.1g/cm3 とし、結
合剤の密度は1.14g/cm3 とした。
【0044】(1)感度試験 試料の放射線像変換パネルに管電圧80kVpのX線を
照射したのち、He−Neレーザ光(波長:632.8
nm)で励起して、パネルよりの輝尽発光量を測定し、
比較例1のパネルの輝尽発光量を100としたときの相
対値で感度を表示した。
【0045】(2)感度ムラ試験 六ツ切サイズのパネルを使用し、四隅及び中央部合計5
箇所の3cm角の範囲の輝尽発光量のさを測定して、感
度ムラを調べた。得られた結果をまとめて第1表に示
す。
【0046】
【表1】 第1表 ─────────────────────────────────── 蛍光体の充填率(%) 相対感度 感度ムラ(%) ─────────────────────────────────── 実施例1 74 105 1 2 75 106 1 3 74 105 1 ─────────────────────────────────── 比較例1 70 100 4 2 74 105 4 3 73 104 3 ───────────────────────────────────
【0047】第1表の結果から明らかなように、本発明
の放射線像変換パネル(実施例1〜3)はいずれも、フ
ッ素系界面活性剤が添加されていない従来の放射線像変
換パネル(比較例1)と比較しても、さらに公知の表面
処理剤が添加されている放射線像変換パネル(比較例
2、3)と比べても、蛍光体の充填率が増加している。
そして、本発明の方法に従って圧縮処理を行うことによ
り、高感度を維持しながら感度ムラを顕著に低減できる
ことが明らかである。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、塗膜の均質性を顕著に
高めることができるフッ素系界面活性剤を輝尽性蛍光体
層に添加することにより、輝尽性蛍光体の分散性を顕著
に改善することができる。さらにこの蛍光体層に圧縮処
理を行うことにより、画像の鮮鋭度の向上につながる輝
尽性蛍光体の充填率を高めることができるとともに、高
感度であってかつ感度ムラの極めて低減した放射線像変
換パネルを得ることができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体、およびその上に設けられた輝尽
    性蛍光体とこれを含有支持する結合剤とからなる輝尽性
    蛍光体層を有する放射線像変換パネルにおいて、該輝尽
    性蛍光体層が、フッ素系界面活性剤を、該輝尽性蛍光体
    に対して0.01乃至5重量%の範囲の量で含有してい
    ることを特徴とする放射線像変換パネル。
  2. 【請求項2】 フッ素系界面活性剤がパーフルオロアル
    キル基含有オリゴマーである請求項1に記載の放射線像
    変換パネル。
  3. 【請求項3】 フッ素系界面活性剤がパーフルオロアル
    キル基含有ウレタンである請求項1に記載の放射線像変
    換パネル。
  4. 【請求項4】 結合剤が熱可塑性エラストマーを主成分
    とする樹脂である請求項1乃至3のうちのいずれかの項
    に記載の放射線像変換パネル。
  5. 【請求項5】 輝尽性蛍光体層における輝尽性蛍光体の
    充填率が60体積%乃至90体積%の範囲である請求項
    1乃至4のうちのいずれかの項に記載の放射線像変換パ
    ネル。
  6. 【請求項6】 輝尽性蛍光体層が加熱圧縮処理されてい
    る請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の放射線
    像変換パネル。
  7. 【請求項7】 1)輝尽性蛍光体粒子、結合剤及びフッ
    素系界面活性剤を有機溶剤中に分散、溶解して塗布液を
    調製した後、該塗布液を塗布、乾燥して蛍光体シートを
    形成する工程、および2)該蛍光体シートを支持体の上
    に載せた後、蛍光体シートを該結合剤の軟化温度または
    融点以上の温度に加熱しながら圧縮して、支持体上に輝
    尽性蛍光体層を形成する工程からなる放射線像変換パネ
    ルの製造方法。
  8. 【請求項8】 第1工程において、まず輝尽性蛍光体粒
    子と結合剤を有機溶剤中に分散、溶解し、次いでフッ素
    系界面活性剤を添加混合する請求項7に記載の放射線像
    変換パネルの製造方法。
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