JP2000121256A - 熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷却流体を要することなく、蒸気を確実に凝
縮することのできる熱交換器を提供する。 【解決手段】 蒸気や高温ドレンの流入口５と蒸気の凝
縮したドレンや低温ドレンの排出口８と大気開放口６と
が開口し内部にドレン溜室３を有する熱交換容器１と、
前記ドレン溜室３内に延長した蒸発部１５と該ドレン溜
室３から外部へ延長した凝縮部１６とを有するヒートパ
イプ２と、を具備する。流入口５からドレン溜室３内に
流入してくる蒸気や高温ドレンから発生した再蒸発蒸気
はヒートパイプ２によって凝縮せしめられる。そのた
め、冷却流体を要することなく、蒸気を確実に凝縮させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は各種蒸気使用装置で
熱源等として使用されて残った蒸気や、高温ドレンから
発生した再蒸発蒸気などを凝縮させることによりモヤモ
ヤと立ち込める蒸気を無くすことのできる熱交換器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の熱交換器としては、例え
ば特開昭６０−１２０１８６号公報に示されたものがあ
る。これは、蒸気供給口を有する熱回収室に冷却管を内
設し、この熱回収室に大気開放部を連通して、大気開放
部と熱回収室の下部に凝縮液を貯溜させることにより、
熱回収室内へ不凝縮気体が流入することを防止して効率
良く熱交換することができるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の熱交換器で
は、蒸気を凝縮させるために冷却水を必要とし、また蒸
気を完全に凝縮させるには大量の冷却水を必要とする問
題があった。従って本発明の技術的課題は、冷却流体を
要することなく、蒸気を確実に凝縮することのできる熱
交換器を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた手段は、蒸気や高温ドレンの流入口と蒸気の
凝縮したドレンや低温ドレンの排出口と大気開放口とが
開口し内部にドレン溜室を有する熱交換容器と、前記ド
レン溜室内に延長した蒸発部と該ドレン溜室から外部へ
延長した凝縮部とを有するヒートパイプと、を具備する
ことを特徴とする熱交換器にある。

【０００５】

【発明の実施の形態】上記ヒートパイプとは、密閉され
た管と、該管内に内張りされた毛細管作用のよく働くウ
イックと呼ばれる組織と、該ウイックを充分満たす程度
に該管内に封入された熱伝達流体とから成る。また、上
記管には、銅，アルミニウム，ニッケル，ステンレス等
の金属材料が使用され、ウイックとしては、金網，焼結
金属，金属繊維，ガラス繊維等あるいは管内壁に直接溝
を切ったものが使用され、熱伝達流体としては、水，ア
ルコール，アンモニア，フレオンの他、水銀，ナトリウ
ム等の金属も使用される。

【０００６】熱伝達流体は、常態では、ヒートパイプの
蒸発部に溜まっている。そして、蒸気や高温ドレンが流
入口からドレン溜室内に流入してくると、熱伝達流体が
蒸発して、蒸気や高温ドレンから発生した再蒸発蒸気か
ら気化熱を奪って凝縮させる。蒸気の凝縮したドレンや
低温ドレンはドレン溜室に溜まり、排出口から所定箇所
へ排出される。蒸発した熱伝達流体は、ヒートパイプの
管中央を通って凝縮部に移動し、ヒートパイプの外面の
空気によって冷却されて凝縮して液化熱を放出する。凝
縮した熱伝達流体は、ウイック内を通って凝縮部から蒸
発部へ戻り、蒸発部で再び蒸発するサイクルを繰り返
す。

【０００７】ドレン溜室内に流入してくる蒸気や高温ド
レンから発生した再蒸発蒸気をヒートパイプを用いて凝
縮させるものであるので、冷却流体を要することなく、
確実に凝縮させることができる。

【０００８】

【実施例】図１において、熱交換容器１と、熱交換容器
１に取り付けたヒートパイプ２で熱交換器を構成する。

【０００９】熱交換容器１は、内部にドレン溜室３を有
し、頂壁４に蒸気や高温ドレンの流入口５と大気開放口
６が開口し、底壁７に蒸気の凝縮したドレンや低温ドレ
ンの排出口８が開口したものである。流入口５に蒸気や
高温ドレンの供給管９が接続され、大気開放口６にベン
ト管１０が接続され、排出口８に排出管１１が接続され
ている。

【００１０】頂壁４にヒートパイプ２を複数取り付け
る。ヒートパイプ２は、内部が真空の金属管１２と、金
属管１２の内面に内張りされたウイック１３と、ウイッ
ク１３を充分満たす程度に封入された熱伝達流体から形
成され、蒸発部１５がドレン溜室３内に延長され、凝縮
部１６がドレン溜室３から外部へ延長されたものであ
る。凝縮部１６の外周には図示はしていないが放熱用の
フィンを形成してもよい。

【００１１】供給管９は図示しない蒸気使用装置の出口
側や再蒸発タンク等と接続して蒸気や高温ドレンを流入
口５からドレン溜室３内へ供給する。排出管１１は蒸気
の凝縮したドレンや低温ドレンを所定箇所へ排除する。

【００１２】蒸気や高温ドレンが供給管９を通して流入
口５からドレン溜室３内に流入してくると、ヒートパイ
プ２の蒸発部１５に溜まっている熱伝達流体が蒸発し
て、蒸気や高温ドレンから発生した再蒸発蒸気を凝縮さ
せる。蒸発した熱伝達流体は、ヒートパイプ２の管中央
を通って凝縮部１６へ移動し、ヒートパイプ２の外面の
空気によって冷却されて凝縮し、ウイック１３内を通っ
て蒸発部１５へ戻り、再び蒸発するサイクルを繰り返
す。ヒートパイプ２によって蒸気の凝縮したドレンや低
温ドレンはドレン溜室３に溜まり、排出口８から排出管
１５を通って所定箇所へ排出される。

【００１３】上記の実施例においては、ヒートパイプを
５列配置した例を示したが、ヒートパイプの数は熱交換
容器の大きさや凝縮させる蒸気の供給量に応じて適宜設
計することができる。

【００１４】

【発明の効果】上記のように、本発明は、蒸気や高温ド
レンから発生した再蒸発蒸気をドレン溜室においてヒー
トパイプを用いて凝縮させることにより、冷却流体を要
することなく、蒸気を確実に凝縮させることができると
言う優れた効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱交換器の実施例を示す一部断面構成
図である。

【符号の説明】

１ 熱交換容器 ２ ヒートパイプ ３ ドレン溜室 ５ 流入口 ６ 大気開放口 ８ 排出口 １５ 蒸発部 １６ 凝縮部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 蒸気や高温ドレンの流入口と蒸気の凝縮
   したドレンや低温ドレンの排出口と大気開放口とが開口
   し内部にドレン溜室を有する熱交換容器と、前記ドレン
   溜室内に延長した蒸発部と該ドレン溜室から外部へ延長
   した凝縮部とを有するヒートパイプと、を具備すること
   を特徴とする熱交換器。