JP2000119656A5 - - Google Patents

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Description

【書類名】明細書
【発明の名称】液晶光学素子およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な一対の電極付き基板に垂直配向用ポリイミド薄膜を形成し、前記基板間に誘電異方性が負の液晶と未硬化の硬化性化合物との混合物を持し、前記混合物はカイラル剤を含まず、前記硬化性化合物が式(1)の化合物を含有し、前記混合物が液晶相を示す状態で前記硬化性化合物を光露光により硬化させて液晶/硬化物複合体層を形成する液晶光学素子の製造方法。
【化1】
Figure 2000119656
1 、A2 :それぞれ独立にアクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、アリル基
1 、R2 :それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基
Z:2価のメソゲン構造部
n、m:それぞれ独立に1〜10の整数
Z:4,4’−ビフェニレン基または、一部または全部の水素が炭素数1〜2のアルキルまたはハロゲン原子に置換された4,4’−ビフェニレン基
【請求項2】
n=m=1である請求項1に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項3】
1 およびR2 がそれぞれ独立にエチレン基またはプロピレン基である請求項1または2に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項4】
1 およびA2 がそれぞれ独立にアクリロイル基またはメタクリロイル基である請求項1、2または3に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項5】
n、mがそれぞれ独立に1〜4である請求項1、2、3または4に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項6】
前記混合物に微量の硬化触媒を含有する請求項1、2、3、4または5に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項7】
電極間の距離を4μm以上とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項8】
式(1)の化合物であって、n、mが異なる複数の化合物を組み合わせて用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載の液晶光学素子の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法で製造した液晶光学素子。
【請求項10】
一対の電極間に電圧を印加しない状態の透過率が82%を超える請求項9に記載の液晶光学素子。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電界の印加/非印加により、素子の透過、散乱、反射状態を制御し、調光素子や表示素子、光学シャッター等に利用可能な液晶光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶と透明な高分子とを複合して、高分子と液晶、または液晶内部(微小領域間)の屈折率差を生じせしめた透過−散乱型の光学素子が提案された。液晶/高分子複合体素子、液晶/樹脂複合体素子あるいは分散型液晶素子などと呼ばれている。この素子は原理的に偏光板を必要としないので、光の吸収損失が少なく、かつ高い散乱性能が得られ、素子全体における光の利用効率が高いことが大きな利点となっている。
【0003】
この特性を生かして、調光ガラス、光シャッター、レーザー装置および表示装置などに用いられている。電圧非印加で散乱状態、電圧印加で透明状態のものが商用化された。
【0004】
さらに、従来例1(USP5188760)では、液晶と重合性の液晶を用いた素子が開示された。この従来例1は、電圧非印加時において素子内の液晶と重合された液晶とが同じ配向方向を有しているので、素子をどの方向から見ても透明状態を呈する。そして、電圧印加時には、素子内の液晶の配向が電界によって制御され、液晶分子の配列方向が微小領域においてさまざまに変化することにより、素子は散乱状態を呈する。
【0005】
また、カイラル剤を添加して初期配向にヘリカル構造を設けることで、コントラスト比が向上することが開示された。この素子は、「異方性ゲル」または「液晶ゲル」と呼ばれている。この従来例1ではアクリロイル基を末端に持つメソゲンモノマーが使用された。
【0006】
また、従来例2(国際特許公開WO92/19695)にも同様の構成を持つ素子が開示された。従来例1と同様の動作モードであって、カイラルネマチック液晶中に微量の高分子を分散させ、電圧非印加時に透明状態、電圧印加時に散乱状態を得る。この素子はPSCT(ポリマー・スタビライズド・コレステリック・テクスチャー)と呼ばれている。この従来例2にもアクリロイル基を末端に持つメソゲンモノマーが開示された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
液晶と未硬化の硬化性化合物よりなる混合物を準備し、その硬化性化合物を硬化させることで液晶/硬化物複合体層を形成して得られた液晶光学素子の特性は、その液晶/硬化物複合体の構造に大きく依存する。さらに、用いる未硬化の硬化性化合物の分子構造は形成された液晶/硬化物複合体の構造に大きな影響を与える。
【0008】
一般にビフェニル構造などのメソゲン構造を含む硬化性化合物は、両端の硬化部位が結合し、硬化した後の弾性率は大きく、かつ、得られる高分子のガラス転移温度も高いことが報告されている。
【0009】
一方このことは、硬化途中の硬化性化合物の分子運動や自由体積に制限を与えるものであり、硬化過程の後期においては、硬化部位の反応性が抑制される可能性があり、硬化反応が充分行われない、または、非常に長時間の硬化時間が必要となるといった問題点が生じている。
【0010】
また、従来例の液晶光学素子は、複数回の電界印加駆動により素子の電圧透過率曲線に変化が生じたり、電界印加/非印加時のコントラストもまだ低いものであった。
【0011】
本発明では、複数回の電界印加/非印加の駆動によっても素子の電圧透過率曲線がほとんど変化せず、信頼性が高く、高いコントラストの液晶光学素子を提供する。また、容易に、かつ安定して高い歩留で液晶光学素子を製造できる製造方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の態様は、少なくとも一方が透明な一対の電極付き基板に垂直配向用ポリイミド薄膜を形成し、前記基板間に誘電異方性が負の液晶と未硬化の硬化性化合物との混合物を持し、前記混合物はカイラル剤を含まず、前記硬化性化合物が式(1)の化合物を含有し、前記混合物が液晶相を示す状態で前記硬化性化合物を光露光により硬化させて液晶/硬化物複合体層を形成する液晶光学素子の製造方法を提供する。
【0013】
【化2】
Figure 2000119656
【0014】
1 、A2 :それぞれ独立にアクリロイル基、メタクリロイル基、グリシジル基、アリル基
1 、R2 :それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基
Z:2価のメソゲン構造部
n、m:それぞれ独立に1〜10の整数
Z:4,4’−ビフェニレン基または、一部または全部の水素が炭素数1〜2のアルキル
またはハロゲン原子に置換された4,4’−ビフェニレン基
【0015】
また、第2の態様は上記の製造方法において、n=m=1である製造方法を提供する。
【0016】
また、第3の態様は上記の製造方法において、R1 およびR2 がそれぞれ独立にエチレン基またはプロピレン基である製造方法を提供する。
【0017】
また、第4の態様は上記の製造方法において、A1 およびA2 がそれぞれ独立にアクリロイル基またはメタクリロイル基である製造方法を提供する。
【0018】
また、第5の態様は上記の製造方法において、n、mがそれぞれ独立に1〜4である製造方法を提供する。
【0019】
また、第6の態様は上記の製造方法において、前記混合物に微量の硬化触媒をする製造方法を提供する。
【0020】
また、第7の態様は上記の製造方法において、電極間の距離を4μm以上とする製造方法を提供する。
【0021】
また、第8の態様は上記の製造方法において、式(1)の化合物であって、n、mが異なる複数の化合物を組み合わせて用いる製造方法を提供する。
【0022】
また、第9の態様は上記の製造方法製造した液晶光学素子を提供する。また、第10の態様は上記の液晶光学素子において、一対の電極間に電圧を印加しない状態の透過率が82%を超える液晶光学素子を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明においては、未硬化の硬化性化合物中のメソゲン構造部と硬化部位との間に分子運動性の高いオキシアルキレン構造を導入することで、硬化過程における硬化部位の分子運動性を向上させ、短時間の硬化反応においても、電界印加/非印加時の状態が安定で信頼性が高く、かつコントラストも高い液晶光学素子が得られる。図1に本発明の液晶光学素子の製造方法の一例のフローチャートを示す。
【0024】
式(1)の硬化部位(A1 、A2 )としては、一般に硬化触媒とともに光硬化、熱硬化可能な上記の官能基であればいずれでもよいが、なかでも、硬化時の温度を制御できることから光硬化に適するアクリロイル基、メタクリロイル基が好ましい。
【0025】
式(1)のオキシアルキレン部のR1 およびR2 の炭素数については、その運動性から2〜6が好ましく、さらに炭素数2のエチレン基の連鎖および炭素数3のプロピレン基が好ましい。
【0026】
式(1)のメソゲン構造部(Z)としては、1、4−フェニレン基が2個以上連結した2価のポリフェニレンが好ましい。また、このポリフェニレン基中の一部の1,4−フェニレン基が1,4−シクロヘキシレン基で置換された2価の有機基であってもよい。
【0027】
これらポリフェニレン基や2価の有機基の水素原子の一部または全部は炭素数1〜2のアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基などの置換基に置換されていてもよい。本発明において、Zは、1,4−フェニレン基が2個連結したビフェニレン基(以下、4,4’−ビフェニレン基という。)、3個連結したターフェニレン基、およびこれらの水素原子の1〜4個が炭素数1〜2のアルキル基、フッ素原子、塩素原子もしくはカルボキシル基に置換された2価の有機基である。最も、好ましいZは置換基を有しない4,4’−ビフェニレン基である。
【0028】
式(1)のn、mはあまり大きいと液晶との相溶性が低下するため、それぞれ独立に1〜10であり、硬化後の素子特性を考慮すると1〜4がさらに好ましい。
【0029】
液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物が硬化触媒を含有していてもよく、光硬化の場合、ベンゾインエーテル系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系などの一般に光硬化樹脂に用いられる光重合開始剤を使用できる。
【0030】
熱硬化の場合は、硬化部位の種類に応じて、パーオキサイド系、チオール系、アミン系、酸無水物系などの硬化触媒を使用でき、また、必要に応じてアミン類などの硬化助剤も使用できる。
【0031】
硬化触媒の含有量は、含有する未硬化の硬化性化合物の20wt%以下が好ましく、硬化後の硬化物の高い分子量や高い比抵抗が要求される場合、1〜10wt%とすることがさらに好ましい
【0032】
液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物中の未硬化の硬化性化合物は、液晶との相溶性を向上させるために、式(1)でn、mの異なる複数の未硬化の硬化性化合物を含んでいてもよく、それによりさらにコントラストを改善することができる。
【0033】
一方、液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物は、混合後均質な溶液であることが好ましい。また、液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物は、電極付き基板に持されるとき、液晶相を示すものを用いる
【0034】
液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物は、硬化されるとき、液晶相を示すようにする。液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物を持する電極付き基板の電極表面樹脂の薄膜を設ける
【0035】
【0036】
電極間の距離は、スペーサー等で保持することができ、間隔は4〜50μmが好ましく、さらには5〜30μmが好ましい。電極間隔は小さすぎるとコントラストが低下し、大きすぎると駆動電圧が上昇する。図2に本発明の液晶光学素子の模式的断面図を示す。
【0037】
ガラス基板1A、1B、電極2A、2B、配向膜3A、3B、液晶/硬化物複合体層4が備えられた液晶光学素子10である。電圧非印加で透明状態、電圧印加で散乱状態を呈する素子である。図3には本発明の液晶光学素子を自動車の窓ガラスに用いる状態を模式的に示したものである。斜め方向における透過率が高いという利点を備えている。
【0038】
電極を支持する基板は、ガラス基板でも樹脂基板でもよく、またガラス基板と樹脂基板の組み合わせでもよい。また、片方がアルミニウムや誘電体多層膜の反射電極であってもよい。
【0039】
フィルム基板の場合、連続で供給される電極付き基板を2本のゴムロール等で挟み、その間に、スペーサーを含有分散させた液晶と未硬化の硬化性化合物との混合物を供給し、挟み込み、その後連続で硬化させることができるので生産性が高い。
【0040】
ガラス基板の場合、電極面内に微量のスペーサーを散布し、対向させた基板の4辺をエポキシ樹脂等のシール剤で封止セルとし、2カ所以上の設けたシールの切り欠きの一方を液晶と未硬化の硬化性化合物の混合物に浸し、他方より吸引することでセル内に混合物を満たし、硬化させ液晶光学素子を得ることができる。また、真空注入法を用いることもできる。
以下、例7(実施例)および例1〜6、A〜E(比較例)について詳細に説明する。
【0041】
【実施例】
(例1)
シアノ系ネマック液晶(メルク社製 BL−006、誘電異方性は正)95部、式(2)の未硬化の硬化性化合物5部、ベンゾインイソプロピルエーテル0.15部の混合物(混合物A)を調製した。
【0042】
【化3】
Figure 2000119656
【0043】
この式(2)の化合物は、式(1)でA1 、A2 がアクリロイル基で、R1 、R2 がエチレン基で、Zのメソゲン構造部が4,4’−ビフェニレン基で、n、mがともに1である場合に相当する。
【0044】
この混合物Aを、透明電極上に形成したポリイミド薄膜を一方向にラビングした一対の基板をラビング方向が直交するように対向させ、直径が13μmの樹脂ビーズを微量散布し、この樹脂ビーズを介して、四辺に幅約1mmで印刷したエポキシ樹脂により張り合わせて作製した液晶セルに注入した。
【0045】
この液晶セルを25℃に保持した状態で、主波長が約365nmのHgXeランプにより、上側より3mW/cm2 、下側より同じく約3mW/cm2 の紫外線を10分間照射し、液晶光学素子を製造した。
【0046】
この液晶光学素子に、矩形波50Hz、50Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた透過率測定系(光学系のF値11.5)で液晶セルの透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で79%、50Vrms印加した状態で23%であり、電圧印加時と非印加時の透過率の差は56%であった。
【0047】
(例A)
未硬化の硬化性化合物として、式(2)の化合物の代わりに、式(3)の未硬化の硬化性化合物(4,4’−ビスアクリロイルオキシビフェニル)を用いた以外は例1と同様にして液晶光学素子を得た。
【0048】
【化4】
Figure 2000119656
【0049】
この式(3)の化合物は、式(1)中でA1 、A2 がアクリロイル基、Zのメソゲン構造部が4,4’−ビフェニレン基で、n、mがともに0である場合に相当する。
【0050】
この液晶光学素子に例1と同様に、電圧を印加した。その後、例1と同じ測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で72%、50Vrms印加した状態で29%であり、電圧印加時と非印加時の透過率の差は43%であった。
【0051】
(例2)
例1で調製した混合物Aに、カイラル剤(メルク社製 S−811とメルク社製 C15の重量比1:1の混合物)を2.5wt%溶解した混合物(混合物B)を調製した。
【0052】
この混合物Bを、例1と同じ液晶セルに注入し、25℃に保持した状態で、例1と同じ主波長が約365nmのHgXeランプにより、上側より3mW/cm2 、下側より同じく約3mW/cm2 の紫外線を3分間照射し、液晶光学素子を得た。
【0053】
この液晶光学素子に矩形波50Hz、50Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた透過率測定系(光学系のF値11.5)で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で78%であり、この値を50Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は33であった。
【0054】
(例3)
未硬化の硬化性化合物として、式(2)の化合物の代わりに、式(4)の未硬化の硬化性化合物を用いた以外は例2と同様にして液晶光学素子を得た。
【0055】
【化5】
Figure 2000119656
【0056】
この式(4)の化合物は、式(1)でA1 、A2 がアクリロイル基で、R1 、R2 がプロピレン基で、Zのメソゲン構造部が4,4’−ビフェニレン基で、n、mがともに1である場に相当する。
【0057】
この液晶光学素子に例2と同様に電圧を印加後、同じ測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で80%であり、この値を50Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は28であった。
【0058】
(例B)
未硬化の硬化性化合物として、式(2)の化合物の代わりに、式(3)の化合物を用いた以外は例2と同様にして液晶光学素子を得た。この液晶光学素子に例2と同様に電圧を印加後、同じ測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で61%であり、この値を50Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は17であった。
【0059】
(例4)
シアノ系ネマック液晶(メルク社製 BL−009)に、例2にて使用したカイラル剤を2.5wt%均一に溶解したものを97部、式(2)の未硬化の硬化性化合物3部、ベンゾインイソプロピルエーテル0.09部の混合物(混合物C)を調製した。
【0060】
この混合物Cを、例1と同じ液晶セルに注入し、25℃に保持した状態で、例1と同じ主波長が約365nmのHgXeランプにより、上側より3mW/cm2 、下側より同じく約3mW/cm2 の紫外線を30分間照射し、液晶光学素子を得た。
【0061】
この液晶光学素子に矩形波50Hz、20Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた上記と同様の透過率測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で82%であり、この値を20Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は11であった。
【0062】
さらに、この液晶光学素子に矩形波50Hz、30Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した後、同様に透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で82%であり、この値を30Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は40であった。
【0063】
(例5)
シアノ系ネマック液晶(メルク社製 BL−009)に、例2にて使用したカイラル剤を2.5wt%均一に溶解したもの97部、式(2)の未硬化の硬化性化合物2部、式(5)の未硬化の硬化性化合物1部、ベンゾインイソプロピルエーテル0.09部の混合物(混合物D)を調製した。
【0064】
【化6】
Figure 2000119656
【0065】
この式(5)の化合物は、式(1)でA1 、A2 がアクリロイル基でR1 、R2 がエチレン基で、Zのメソゲン構造部が4,4’−ビフェニレン基でnが2、mが3の場合に相当する。
【0066】
この混合物Dを、例1と同じ液晶セルに注入し、25℃に保持した状態で、例1と同じ主波長が約365nmのHgXeランプにより、上側より3mW/cm2 、下側より同じく約3mW/cm2 の紫外線を30分間照射し、液晶光学素子を得た。
【0067】
この液晶光学素子に矩形波50Hz、20Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた、上記と同様の透過率測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で82%であり、この値を20Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は28であった。
【0068】
(比較例C)
未硬化の硬化性化合物として、式(2)の化合物の代わりに、式(3)の化合物を用いた以外は例4と同様にして液晶光学素子を得た。この液晶光学素子に矩形波50Hz、20Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。
【0069】
その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた上記と同様の透過率測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で57%であり、この値を20Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は10であった。
【0070】
さらに、この液晶光学素子に矩形波50Hz、30Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。その後、上記と同様に透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で49%であり、この値を30Vrms印加した時の透過率で割ったコントラストの値は6であった。
【0071】
(例6)
シアノ系ネマック液晶(メルク社製 BL−006)65部に、カイラル剤(メルク社製 R−811とメルク社製 CB15の重量比1:1の混合物)を35部、式(2)の未硬化の硬化性化合物3.1部、ベンゾインイソプロピルエーテル0.09部の混合物Eを調製した。
【0072】
この混合物Eを、例1と同じ液晶セルに注入し、25℃に保持した状態で、例1と同じ主波長が約365nmのHgXeランプにより、上側より3mW/cm2 、下側より同じく約3mW/cm2 の紫外線を30分間照射し、液晶光学素子を得た。
【0073】
この液晶光学素子に矩形波50Hz、50Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた反射率測定系(光学系のF値8.2)において、光をほぼ反射しない黒い紙の上に液晶光学素子を載せて反射率を測定したところ、電圧を印加しないときが23%、50Vrms印加したときが8%であり、電圧印加時と非印加時との反射率の差は15%であった。
【0074】
(例D)
未硬化の硬化性化合物として、式(2)の化合物の代わりに、式(3)の化合物を用いた以外は例6と同様にして液晶光学素子を得た。この液晶光学素子に例5と同様に電圧を印加後、同じ測定系で反射率を測定したところ、電圧を印加しないときが16%、50Vrms印加したときが9%であり、電圧印加時と非印加時との反射率の差は7%であった。
【0075】
(例7)
誘電異方性が負であるネマック液晶(Tc =98℃、Δε= −5.6、Δn=0.220)95部、式(2)で示される未硬化の硬化性化合物5部、ベンゾインイソプロピルエーテル0.15部の混合物(混合物F)を調製した。
【0076】
この混合物Fを、透明電極上に垂直配向用ポリイミド薄膜を形成した一対の基板をポリイミド薄膜が対向するように、微量の6μmの樹脂ビーズを介して、四辺に幅約1mmで印刷したエポキシ樹脂により張り合わせて作製した液晶セルに注入した。
【0077】
このセルを25℃に保持した状態で、主波長が約365nmのHgXeランプにより、上側より3mW/cm2 、下側より同じく約3mW/cm2 の紫外線を10分間照射し、液晶光学素子を得た。
この液晶光学素子に矩形波50Hz、30Vrmsの電圧を10分印加後電圧を除去する操作を10回繰り返した。
【0078】
その後、530nmを中心波長とした半値幅約20nmの測定光源を用いた透過率測定系(光学系のF値11.5)で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で86%、50Vrms印加した状態で24%であり、電圧印加時と非印加時の透過率の差は62%であった。
【0079】
(例E)
未硬化の硬化性化合物として、式(2)の化合物の代わりに、式(3)の化合物を用いた以外は例7と同様にして液晶光学素子を得た。この液晶光学素子に例7と同様に電圧を印加後、同じ測定系で透過率を測定したところ、電圧を印加しない状態で64%、30Vrms印加した状態で20%であり、電圧印加時と非印加時との透過率の差は44%であった。次の表1に各例の結果をまとめて示す。
【0080】
表1
Figure 2000119656
【0081】
本発明の液晶光学素子は、透明時の透過率が高く、電界の印加/非印加時の透過率差やコントラストが高いため、透明時に高い光の透過性が要求される調光ガラスや光シャッター等に好適である。
【0082】
反射型の液晶光学素子とした場合も電圧非印加時の反射率が高く、電界の印加/非印加時のコントラストを高くできる。
【0083】
また、液晶光学素子への電界の印加/非印加時操作の繰り返しによる素子の電圧−透過率曲線または電圧−反射率曲線の変動が小さいため、信頼性の高い液晶光学素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶光学素子の製造方法の一例を示すフローチャート。
【図2】本発明の液晶光学素子の一例の模式的断面図。
【図3】本発明の液晶光学素子の使用の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1A、1B:ガラス基板
2A、2B:電極
3A、3B:配向膜
4:液晶/硬化物複合体層
10:液晶光学素子
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