JP2000119639A - 研磨液組成物 - Google Patents

研磨液組成物

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JP2000119639A JP28975198A JP28975198A JP2000119639A JP 2000119639 A JP2000119639 A JP 2000119639A JP 28975198 A JP28975198 A JP 28975198A JP 28975198 A JP28975198 A JP 28975198A JP 2000119639 A JP2000119639 A JP 2000119639A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被研磨物に表面欠陥を生じさせることなく、研
磨速度が向上し、かつ表面粗さを低減し得る研磨液組成
物、被研磨基板の研磨方法及び精密部品用基板の製造方
法を提供すること。 【解決手段】ポリオキソ酸誘導体及び/又はその塩と、
水とを含有してなる研磨液組成物、さらに研磨材を含有
してなる該研磨液組成物、該研磨液組成物を用いて被研
磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方法、並びに該研磨
液組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有する精
密部品用基板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、研磨液組成物、研
磨方法、及び精密部品用基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスクの高密度化が進み、磁気
ヘッドの浮上量はますます小さくなってきている。その
結果、ハードディスク基板の研磨工程で、研磨速度の向
上及び表面粗さの低減が図られた、研磨液組成物や研磨
方法が検討されている(特開平5-311153号公報、 特開平
7-216345号公報等)。また、半導体分野においても、高
集積化、高速化が進むに伴って半導体装置のデザインル
ームの微細化が進み、デバイス製造プロセスでの焦点深
度が浅くなり、パターン形成面の平坦化がより一層求め
られている。
【0003】しかしながら、従来の研磨液組成物では前
述した基板及び半導体パターン形成面の表面粗さの低
減、高平坦化及び研磨速度が充分ではなく、また被研磨
物によってはスクラッチ、ピット等の表面欠陥を生じさ
せることがあり、研磨液組成物としては満足するもので
あるとはいえなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、被研
磨物に表面欠陥を生じさせることなく、研磨速度が向上
し、かつ表面粗さを低減し得る研磨液組成物、被研磨基
板の研磨方法及び精密部品用基板の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕ポリオキソ酸誘導体及び/又はその塩と、水とを
含有してなる研磨液組成物(以下、第1研磨液組成物と
いう)、〔2〕さらに研磨材を含有してなる前記〔1〕
記載の研磨液組成物(以下、第2研磨液組成物とい
う)、〔3〕前記〔1〕又は〔2〕に記載の研磨液組成
物を用いて被研磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方
法、並びに〔4〕前記〔1〕又は〔2〕に記載の研磨液
組成物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有する精密
部品用基板の製造方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明におけるポリオキソ酸誘導
体とは、周期律表(長周期型)3B、4A、4B、5
A、5B、6A、6B、7A族に属する金属元素の酸素
酸が縮合したポリオキソ酸の誘導体を指す。ポリオキソ
酸の具体例としては、ポリモリブデン酸、ポリタングス
テン酸、ポリバナジン酸、ポリチタン酸、ポリニオブ
酸、ポリタンタル酸等が挙げられる。これらの中では、
研磨速度及び表面粗さの低減の観点から、ポリモリブデ
ン酸、ポリタングステン酸及びポリバナジン酸が好まし
い。これらのポリオキソ酸の誘導体としては、例えば、
ポリオキソ酸を過酸化水素等の過酸化物を用いて過酸化
処理を行うことにより得られるポリオキソ酸の過酸化
物、ポリオキソ酸に有機金属基を付加させることにより
得られるポリオキソ酸の有機金属付加物、ポリオキソ酸
を構成する金属と異なる元素、即ちヘテロ元素を組み込
むことによって得られるポリオキソ酸のヘテロ化物等が
挙げられる。これらの中では研磨速度及び表面粗さ低減
の観点から、ポリオキソ酸の過酸化物及びポリオキソ酸
のヘテロ化物が好ましく、ポリオキソ酸のヘテロ化物が
特に好ましい。
【0007】ヘテロ元素としては、ポリオキソ酸に組み
込むことが可能な元素であれば特に限定されるものでは
ない。ヘテロ元素の具体例としては、周期律表(長周期
型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、4
B、5A、5B、6A、6B、7A、7B、8族に属す
る元素が挙げられる。具体的には、「第4版 実験化学
講座16 無機化合物 平成5年1月20日発行 丸善
株式会社」の第579頁表5・10に記載のヘテロ元素
が挙げられる。これらの中では研磨速度の観点から、ア
ルミニウム、バナジウム、セリウム、タングステン、モ
リブデン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が好ま
しい。なお、ヘテロ元素は単独又は2種以上がポリオキ
ソ酸に組み込まれていてもかまわない。
【0008】ポリオキソ酸ヘテロ化物の具体例として
は、アルミノ六モリブデン酸、マンガノ九モリブデン
酸、セロ十二モリブデン酸、ゲルマノ十二モリブデン
酸、コバルト六モリブデン酸、ホスホ十二モリブデン
酸、ジホスホ十八モリブデン、シリコ十二モリブデン
酸、マンガノ六タングステン酸、シリコ十二タングステ
ン酸等が挙げられ、研磨速度向上又は表面粗さ低減の観
点から、アルミノ六モリブデン酸、マンガノ九モリブデ
ン酸、セロ十二モリブデン酸、コバルト六モリブデン酸
及びマンガノ六タングステン酸が好ましい。
【0009】ポリオキソ酸誘導体の塩としては、ポリオ
キソ酸誘導体と金属、アンモニウム、アルキルアンモニ
ウム、アルカノールアミン等との塩が挙げられる。金
属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノー
ルアミン等は、ポリオキソ酸誘導体の塩を形成し得るも
のであれば特に限定されない。
【0010】金属の具体例としては、周期律表(長周期
型)1A、1B、2A、2B、3A、3B、7B、8族
等に属する金属元素が挙げられる。
【0011】アルキルアンモニウムの具体例としては、
ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テト
ラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テ
トラブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0012】アルカノールアミンの具体例としては、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等が挙げられる。
【0013】ポリオキソ酸誘導体の塩の中では、リチウ
ム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩及び
ジメチルアンモニウム塩が好ましく、ナトリウム塩、カ
リウム塩及びアンモニウム塩がさらに好ましい。
【0014】ポリオキソ酸誘導体の塩の具体例として
は、ペルオキソ二モリブデン酸、ペルオキソ二タングス
テン酸、過酸化ポリタングステン酸、クロモ六モリブデ
ン酸、ゲルマノ十二モリブデン酸、ホスホ十二モリブデ
ン酸、ジホスホ十八モリブデン酸、シリコ十二モリブデ
ン酸、セロ十二モリブデン酸、アルミノ六モリブデン
酸、フェロ六モリブデン酸、コバルト六モリブデン酸、
ジコバルト十モリブデン酸、マンガノ九モリブデン酸、
シリコ十二タングステン酸、ジホスホ十八タングステン
酸、コバルト六タングステン酸、コバルト十一タングス
テン酸、マンガノ六タングステン酸、ヘンデカタングス
トニッケロ(II)ケイ酸等のナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中では、
研磨速度又は表面粗さの低減の観点から、セロ十二モリ
ブデン酸、アルミノ六モリブデン酸、フェロ六モリブデ
ン酸、コバルト六モリブデン酸、ジコバルト十モリブデ
ン酸、マンガノ九モリブデン酸、コバルト六タングステ
ン酸、コバルト十一タングステン酸、マンガノ六タング
ステン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
等が好ましく、セロ十二モリブデン酸、アルミノ六モリ
ブデン酸、フェロ六モリブデン酸、コバルト六モリブデ
ン酸、ジコバルト十モリブデン酸、マンガノ九モリブデ
ン酸、コバルト十一タングステン酸、マンガノ六タング
ステン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
等がさらに好ましい。
【0015】ポリオキソ酸誘導体とその塩は、単独で又
はそれらを混合して用いてもよい。
【0016】本発明の第1研磨液組成物は、固定砥石等
を用いる研磨方式において有効である。例えば、固定砥
石による研磨方式の研磨中に本発明の第1研磨液組成物
を使用することによって被研磨基板にスクラッチやピッ
ト等の表面欠損を生じさせずに、研磨速度を向上させる
ことができる。
【0017】第1研磨液組成物におけるポリオキソ酸誘
導体及びその塩の含有量は、研磨速度を向上させる観点
及び経済性の観点から、好ましくは0.05〜20重量%、よ
り好ましくは0.1 〜15重量%、さらに好ましくは0.5 〜
10重量%である。
【0018】本発明の第1研磨液組成物中の水は媒体と
して用いられるものであり、その含有量は、被研磨物を
効率よく研磨することができるようにする観点から、好
ましくは50〜99.95 重量%、より好ましくは70〜99.9重
量%、さらに好ましくは90〜99.5重量%である。
【0019】本発明の第2研磨液組成物は、第1研磨液
組成物に研磨材を含有させたものである。
【0020】本発明の第2研磨液組成物に用いられる研
磨材は、研磨用に一般に使用されている砥粒を使用する
ことができる。該砥粒の例としては、金属;金属又は半
金属の炭化物、窒化物、酸化物、ホウ化物;ダイヤモン
ド等が挙げられる。金属又は半金属元素は周期律表(長
周期型)の2A、2B、3A、3B、4A、4B、5
A、6A、7A、8族由来のものである。砥粒の具体例
としては、アルミナ粒子、炭化ケイ素粒子、ダイヤモン
ド粒子、酸化マグネシウム粒子、酸化セリウム粒子、酸
化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒子、ヒューム
ドシリカ粒子等が挙げられ、これらは研磨速度を向上さ
せる観点から好ましい。特に、アルミナ粒子、酸化セリ
ウム粒子、酸化ジルコニウム粒子、コロイダルシリカ粒
子及びヒュームドシリカ粒子は、半導体ウェハや半導体
素子、磁気記録媒体用基板等の精密部品の研磨に適して
おり、特にアルミナ粒子及びコロイダルシリカ粒子は磁
気記録媒体用基板の研磨に適している。アルミナ粒子の
中では、中間アルミナ粒子が、被研磨物の表面粗さを極
めて低くし得るので好ましい。なお、本明細書にいう中
間アルミナ粒子とは、α―アルミナ粒子以外のアルミナ
粒子の総称であり、具体的には、γ―アルミナ粒子、δ
―アルミナ粒子、θ―アルミナ粒子、η―アルミナ粒子
及び無定型アルミナ粒子等が挙げられる。アルミナ粒子
は、本発明の研磨液組成物を機械的に攪拌したり、研磨
する際に、二次粒子が一次粒子に再分散するアルミナ系
粒子を好適に用いることができる。
【0021】研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨速度
を向上させる観点及び被研磨物の表面粗さを低減させる
観点から、好ましくは0.002 〜3 μm、より好ましくは
0.01〜1 μm、さらに好ましくは0.02〜0.8 μm、特に
好ましくは0.05〜0.5 μmである。特に研磨材としてア
ルミナ系粒子を用いた場合には、被研磨物の表面粗さを
低減させる観点から、好ましくは0.01〜1 μm、さらに
好ましくは0.02〜0.5μm、特に好ましくは0.05〜0.3
μmである。さらに、一次粒子が凝集して二次粒子を形
成している場合は、同様に研磨速度を向上させる観点及
び被研磨物の表面粗さを低減させる観点から、その二次
粒子の平均粒径は、好ましくは0.05〜2μm、さらに好
ましくは0.1 〜1.5 μm、特に好ましくは0.3 〜1.2 μ
mである。研磨材の一次粒子の平均粒径は、走査型電子
顕微鏡で観察(好適には3000〜10000 倍)して画像解析
を行い、2軸平均径を測定することにより求めることが
できる。また、二次粒子の平均粒径は、レーザー光回折
法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
【0022】研磨材のヌープ硬度(JIS Z-2251)は、充
分な研磨速度を得る観点と被研磨物の表面欠陥を発生さ
せない観点から、700 〜9000であることが好ましく、10
00〜5000がさらに好ましく、1500〜3000であることがよ
り一層好ましい。
【0023】研磨材の比重は、分散性及び研磨装置への
供給性や回収再利用性の観点から、その比重は2〜6で
あることが好ましく、2〜4であることがより好まし
い。
【0024】本発明の第2研磨液組成物において、ポリ
オキソ酸誘導体及び/又はその塩と研磨材とを配合する
ことによる研磨速度の向上と表面欠陥の発生防止との相
乗効果が向上する観点から、特に好ましく用いられる研
磨材はヌープ硬度1500〜3000、純度が98重量%以上、好
ましくは99重量%以上、特に好ましくは99.9重量%以上
のα−アルミナ粒子又はγ−アルミナ粒子である。これ
らの研磨材は高純度アルミニウム塩を用いた結晶成長法
(ベルヌーイ法等)により製造することができる。な
お、これらの研磨材の純度は、研磨材1〜3gを酸又はア
ルカリ水溶液に溶かし、プラズマ発光分析測定法を用い
てアルミニウムイオンを定量することによって測定でき
る。
【0025】研磨材は、水を媒体としたスラリー状態で
使用される。本発明の第2研磨液組成物における研磨材
の含有量は、研磨液組成物の粘度や被研磨物の要求品質
等に応じて適宜決定することが好ましい。本発明の第2
研磨液組成物における配合量は、経済性及び表面粗さを
小さくし、効率よく研磨することができるようにする観
点から、本発明の第1研磨液組成物100 重量部に対し
て、0.01〜40重量部、好ましくは0.1 〜25重量部、さら
に好ましくは1 〜15重量部とすることが望ましい。
【0026】また、研磨速度を向上させ、表面粗さを低
減させる効果を十分に発現させる観点から、本発明の第
2研磨液組成物中における研磨材とポリオキソ酸誘導体
及びその塩との含有量比〔研磨材の含有量(重量%)/
ポリオキソ酸誘導体及びその塩の含有量(重量%)〕
は、0.001 〜200 、好ましくは0.01〜100 、より好まし
くは0.1 〜50、さらに好ましくは1〜25となるように配
合することが望ましい。
【0027】本発明の第1及び第2研磨液組成物は、必
要に応じて他の成分を配合することができる。該他の成
分としては、単量体型の酸化合物の金属塩、アンモニウ
ム塩や過酸化物、増粘剤、分散剤、防錆剤、キレート
剤、塩基性物質、界面活性剤等が挙げられる。単量体型
の酸化合物の金属塩・アンモニウム塩や過酸化物、増粘
剤、分散剤の具体例としては、特開昭62-25187号公報2
頁右上欄3〜11行、特開昭63-251163 号公報3頁左上欄
4行〜右上欄2行、特開平1-205973号公報2頁右上欄3
〜11行、特開平3-115383号公報2頁右下欄16行〜3頁左
上欄11行、特開平4-275387号公報2頁右欄27行〜3頁左
欄12行、特開平5-59351 号公報2頁右欄23〜37行、特開
平2-158683号公報2頁左下欄35行〜右上欄21行、特開平
7-216345号公報3頁左欄4行〜右欄25行に記載されてい
るものが挙げられる。
【0028】これらの成分の本発明の第1又は第2研磨
液組成物における含有量は、特に限定されないが、通
常、それぞれ0.1 〜10重量%程度であることが好まし
い。
【0029】本発明の第1及び第2研磨液組成物のpH
は、被研磨物の種類や要求品質等に応じて適宜決定する
ことが好ましい。例えば、本発明の第1及び第2研磨液
組成物のpHは、基板の洗浄性、加工機械の腐食防止性
の観点から、2〜12がより好ましい。また、被研磨物が
Ni-Pメッキされたアルミニウム基板等の金属を主対象と
した精密部品用基板においては、研磨速度の向上と表面
品質の向上の観点から、2〜8が特に好ましい。さらに
半導体ウェハや半導体素子等の研磨、特にシリコンウェ
ハの研磨に用いる場合は、研磨速度の向上と表面品質の
向上の観点から、7〜12が好ましく、8〜12がより好ま
しく、9〜11が特に好ましい。該pHは、必要により、
硝酸、硫酸等の無機酸、前記の単量体型の酸化合物の金
属塩、アンモニウム塩、過酸化物、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウ
ム、有機アミン等の塩基性物質を適宜、所望量で配合す
ることで調整することができる。
【0030】本発明の被研磨基板の研磨方法は、本発明
の第1又は第2研磨液組成物を用いて被研磨基板を研磨
する工程を有し、特に本発明の第2研磨液組成物を用い
ると精密部品用基板を好適に製造することができる。
【0031】また、本発明の精密部品用基板の製造方法
は、本発明の第1又は第2研磨液組成物を用いて被研磨
基板を研磨する工程を有する。
【0032】被研磨基板等に代表される被研磨物の材質
は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タン
グステン、銅等の金属又は半金属、及びこれらの金属を
主成分とした合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモル
ファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、炭化チタ
ン、二酸化ケイ素等のセラミック材料、ポリイミド樹脂
等の樹脂、等が挙げられる。これらの中では、アルミニ
ウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれら
の金属を主成分とする合金が被研磨物であるか、又はそ
れらの金属を含んだ半導体素子等の半導体基板が被研磨
物であるのが好ましい。特にNi-Pメッキされたアルミニ
ウム合金からなる基板を研磨する際に、本発明の研磨液
組成物を用いた場合、表面欠陥の発生が抑制され、表面
粗さを従来より低くしながら高速で研磨できるので好ま
しい。
【0033】これらの被研磨物の形状には、特に制限は
なく、例えばディスク状、プレート状、スラブ状、プリ
ズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を
有する形状が本発明の研磨液組成物を用いた研磨の対象
となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特
に優れている。
【0034】本発明の第1研磨液組成物は、特に精密部
品の平面、曲面、円筒内面等の高精度の研磨に好適に用
いられる。例えば光学レンズ、光学ミラー、ハーフミラ
ー、光学プリズム等の高精度の平面や曲面を必要とする
研磨に適している。
【0035】本発明の第2研磨液組成物は、特に精密部
品基板の研磨に好適に用いられる。例えば、ハードディ
スク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の
基板や半導体ウェハや半導体素子等の半導体基板、光学
レンズ、光学ミラー、ハーフミラー及び光学プリズム等
の研磨に適している。これらの中でも、磁気記録媒体の
基板や半導体基板、特に、ハードディスク基板の研磨に
適している。尚、半導体素子の研磨には、例えば、層間
絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋
め込み素子分離膜の形成工程、埋め込みキャパシタ形成
工程等において行われる研磨がある。
【0036】以上のようにして被研磨基板を研磨するこ
とにより、精密部品用基板等を製造することができる。
【0037】なお、本発明の研磨液組成物は、ポリッシ
ング工程において特に効果があるが、これ以外の研磨工
程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用すること
ができる。
【0038】
【実施例】製造例1〔アルミノ六モリブデン酸アンモニ
ウムの製造〕 パラモリブデン酸アンモニウム〔和光純薬工業(株)
製、試薬特級〕30gを水に溶解させ総量170mL の水溶液
とし、これを加熱装置付きマグネチックスターラーにて
攪拌しながら沸騰させた。沸騰を維持しながら硫酸アン
モニウムアルミニウム〔和光純薬工業(株)製、試薬特
級〕の水溶液(0.1 mol/L) を滴下し、濁りが生じた時点
で滴下を終了し25℃に冷却した。冷却後、析出した無色
の結晶を濾過により得た。得られた結晶を熱水に再溶解
させ、冷却、再結晶化、濾過、乾燥を行い結晶15gを得
た。得られた結晶をプラズマ発光分析測定法を用いてモ
リブデンとアルミニウムの定量を行ったところ、モリブ
デンとアルミニウムの比率 (重量比) が21.1:1 である
ことから、アルミノ六モリブデン酸アンモニウムである
と同定された。
【0039】製造例2〔フェロ六モリブデン酸アンモニ
ウムの製造〕 パラモリブデン酸アンモニウム〔和光純薬工業(株)
製、試薬特級〕26gを水に溶解させ、総量300mL の水溶
液とし、これを80℃まで加熱した。その後、80℃、撹拌
下で硝酸第二鉄〔和光純薬工業(株)製、試薬特級〕の
水溶液(0.1mol/L)20mLを添加し、次いで、5 ℃に冷却
し、12時間放置した。析出した結晶を濾過で回収した
後、5 ℃の冷水100mL にて洗浄し、次いで乾燥して、結
晶15gを得た。得られた結晶をプラズマ発光分析測定法
を用いてモリブデンと鉄との定量を行ったところ、モリ
ブデンと鉄との比率(重量比)が10.2:1であることか
ら、フェロ六モリブデン酸アンモニウムであると同定さ
れた。
【0040】製造例3〔ペルオキソポリタングステン酸
カリウムの製造〕 水2Lに、タングステン酸〔和光純薬工業(株)製、試
薬〕40gと水酸化カリウム〔(85%品)和光純薬工業
(株)製、試薬特級〕10.6gを添加し、1時間煮沸した
後、25℃に冷却する。次いで、25℃を維持しながら、撹
拌下、30%過酸化水素水2Lを添加する。その後、白金黒
を使用し、過剰の過酸化水素水を除去後、減圧乾燥し
て、目的物(ペルオキソポリタングステン酸カリウム)
40gを得た。
【0041】なお、後述の実施例3〜13で使用したポ
リオキソ酸誘導体の塩は、製造例1に準じて、また、実
施例15で使用したペルオキソポリモリブデン酸カリウ
ムは、製造例3に準じて製造した。
【0042】実施例1〜15及び比較例1〜2 表1に示す組成となるように、ポリオキソ酸誘導体及び
/又はその塩とイオン交換水とを混合・攪拌し、表1に
示す第1研磨液組成物を得た。この第1研磨液組成物10
0 重量部に対して、ヌープ硬度2000、一次平均粒径0.29
μm、二次平均粒径0.56μmのα−アルミナ(純度約9
9.9%)10重量部を添加、混合、攪拌して第2研磨液組
成物を得た。得られた第2研磨液組成物を用い、下記の
方法によって測定した中心線平均粗さRaが 0.1μm、厚
さ0.9mm 、直径2.5 インチのNi-Pメッキされたアルミニ
ウム合金基板の表面を両面加工機により、以下の両面加
工機の設定条件でポリッシングし、磁気記録媒体用基板
として用いられるNi-Pメッキされたアルミニウム合金基
板の研磨物を得た。
【0043】両面加工機の設定条件を以下に示す。 両面加工機:共立精機(株)製、6B型両面加工機 加工圧力:9.8kPa 研磨パッド:ポリテックスDG(ロデールニッタ社製) 定盤回転数:40r/min 研磨液組成物供給流量:30mL/min 研磨時間:7min
【0044】研磨後、アルミニウム合金基板の厚さを測
定し、研磨前後のアルミニウム合金基板の厚さの変化か
ら、厚さの減少速度を求め、比較例1を基準として相対
値(相対速度)を求めた。その結果を表1に示す。
【0045】また、研磨後の各基板の表面の中心線平均
粗さRa及びスクラッチを以下の方法に従って測定した。
なお、中心線平均粗さRaは比較例1を基準として相対値
(相対粗さ)を求めた。その結果を表1に示す。
【0046】[中心線平均粗さRa]ランク・テーラーホ
ブソン社製のタリーステップを用いて以下の条件で測定
した。 触針先端サイズ:25μm×25μm、ハイパスフィルタ
ー:80μm、測定長:0.64mm
【0047】[表面欠陥(スクラッチ)]光学顕微鏡観
察(微分干渉顕微鏡)を用いて倍率×50倍で各基板の表
面を60度おきに6ヵ所測定した。スクラッチの深さはザ
イゴ(Zygo)社製により測定した。評価基準は下記のと
おりである。
【0048】 S:深さ50nmを越えるスクラッチが0本/1視野 A:深さ50nmを越えるスクラッチが平均0.5 本未満/1
視野 B:深さ50nmを越えるスクラッチが平均0.5 本以上1本
未満/1視野 C:深さ50nmを越えるスクラッチが平均1本以上/1視
【0049】
【表1】
【0050】表1に示された結果から、実施例1〜15
で得られた第2研磨液組成物を用いた場合には、比較例
1〜2で得られたものを用いた場合と対比して、研磨速
度が高く、表面粗さが小さく、スクラッチも少なく、良
好な研磨表面を有する被研磨基板を得ることができるこ
とがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、研磨速度を向上させ、
被研磨物の表面にスクラッチやピット等の表面欠陥を生
じさせることなく、表面粗さが低減させ得る研磨液組成
物を得ることができる。また、本発明の研磨液組成物を
用いれば、研磨速度を向上させ、被研磨物の表面に表面
欠陥を生じさせることなく、表面粗さを低くすることが
できるという効果が奏される。
フロントページの続き (72)発明者 大島 良暁 和歌山市湊1334番地 花王株式会社研究所 内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AC04 CA01 CB01 CB03 DA02 DA17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオキソ酸誘導体及び/又はその塩
    と、水とを含有してなる研磨液組成物。
  2. 【請求項2】 さらに研磨材を含有してなる請求項1記
    載の研磨液組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオキソ酸誘導体及び/又はその塩が
    ポリオキソ酸ヘテロ化物及び/又はその塩である請求項
    1又は2記載の研磨液組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の研磨液組成
    物を用いて被研磨基板を研磨する被研磨基板の研磨方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の研磨液組成
    物を用いて被研磨基板を研磨する工程を有する精密部品
    用基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003021651A1 (fr) * 2001-08-16 2003-03-13 Asahi Kasei Chemicals Corporation Fluide de polissage conçu pour un film metallique et procede de production d'un substrat semi-conducteur au moyen de ce fluide de polissage
WO2014156381A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
JP2015199838A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 山口精研工業株式会社 炭化ケイ素基板研磨用組成物

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