JP2000119562A - アクリル系粉体塗料組成物及びアルミニウムロウ付け部被覆用アクリル系粉体塗料組成物 - Google Patents

アクリル系粉体塗料組成物及びアルミニウムロウ付け部被覆用アクリル系粉体塗料組成物

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JP2000119562A
JP2000119562A JP10295822A JP29582298A JP2000119562A JP 2000119562 A JP2000119562 A JP 2000119562A JP 10295822 A JP10295822 A JP 10295822A JP 29582298 A JP29582298 A JP 29582298A JP 2000119562 A JP2000119562 A JP 2000119562A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウムロウ付け部での塗膜の密着性を
高め、耐水性、耐食性及び耐候性にも優れた塗膜を形成
するアクリル系粉体塗料組成物を提供する。 【解決手段】 本発明のアクリル系粉体塗料組成物は、
グリシジル基を有するアクリル樹脂及び炭素数16〜2
4の二価カルボン酸(エイコサン二酸等)を含有し、該
二価カルボン酸が上記グリシジル基に対して0.5〜
3.0当量配合されるものである。このアクリル系粉体
塗料組成物は、硬化剤としてドデカン二酸を用いた従来
のアクリル系粉体塗料と比べて、Al−Si系ロウ付け
部における塗膜の密着性を著しく向上させることができ
る。その結果、従来のアクリル系粉体塗料に劣らない塗
膜表面性、可撓性、耐衝撃性、耐候性を示すと共に、従
来のアクリル系粉体塗料をはるかに上回る優れた耐水
性、耐食性を示す。従って、屋外で使用される被塗物
へ、更に好適に使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系粉体塗料
及びアルミニウムロウ付け部被覆用アクリル系粉体塗料
組成物に関し、更に詳しくは、本発明はアルミニウムロ
ウ付け部に塗装した際に塗膜が密着し、耐水性、耐食性
及び耐候性に優れたアクリル系粉体塗料及びアルミニウ
ムロウ付け部被覆用アクリル系粉体塗料組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料は、有機溶剤などの揮発性成分
を含まず、塗膜形成成分のみを被塗物に塗着、溶融して
塗膜を形成する塗料である。粉体塗料は、従来の溶剤型
塗料と比較して、1回で厚く塗れること、付着しな
かった粉体は回収して再利用ができること、廃塗料が
少ない等の利点が認められることから、塗装の合理化、
環境対応の点より現在、自動車部品、車両あるいは家電
製品等の様々な工業用製品分野において広く使用されて
いる。
【0003】このような粉体塗料として、従来よりエポ
キシ系、塩化ビニル系、ポリオレフィン系、ポリエステ
ル系、アクリル系の粉体塗料が使用されている。この中
でもアクリル系粉体塗料は、一般に太陽光などによる塗
膜の劣化が少ないという利点があることから、従来よ
り、自動車部品、車両など、屋外で使用され、塗膜表面
の外観を重視する屋外物用に多く採用されている。
【0004】このようなグリシジル基を含有するアクリ
ル系粉体塗料として、例えば特開平7−179789号
公報には、(A)グリシジル基含有モノマーを40重量
%以上含有し、溶解性パラメーター値が11.0〜1
1.6の範囲内であり、ガラス転移温度が20℃以上で
あるアクリル樹脂と、(B)溶解性パラメーター値が1
0.4〜11.0の範囲内であるポリマーからなる表面
調整剤、及び(C)多価カルボン酸を含み、低温焼き付
けが可能な粉体塗料組成物が記載されている。グリシジ
ル基を含有するアクリル系粉体塗料の場合、塗料を塗布
後、焼き付け工程においてアクリル系粉体塗料のグリシ
ジル基が開環付加反応をすることにより塗膜が熱硬化
し、塗膜が形成されるものである。
【0005】二輪車のラジエター部は、素材がアルミニ
ウム製であり、各構成部分をロウ付けにより接合して形
状を完成させた後、ラジエター部全体を塗装して仕上げ
ていた。このようなロウ付けには、通常、アルミニウム
−ケイ素(Al−Si)系ロウのようなアルミニウム用
ロウ材料が用いられている。しかし、従来のアクリル系
粉体塗料の場合、このロウ付けした部分での塗膜の密着
性が悪いことから、耐水性及び耐食性が悪くなり、二輪
車等のように屋外にさらされる場合には塗膜剥離が生じ
る危険性があった。一方、この問題を解決するために、
エポキシ樹脂のような密着性向上剤を過剰に添加する
と、耐候性が大幅に低下するため、やはり二輪車等の屋
外にさらされる用途には使用することができないという
問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みてなされたものであり、アルミニウムロウ付け部で
の塗膜の密着性を高めると共に、耐水性、耐食性及び耐
候性にも優れたアクリル系粉体塗料組成物及びアルミニ
ウムロウ付け部被覆用アクリル系粉体塗料組成物を提供
することを目的とする。
【0007】
【問題を解決するための手段】従来は、アクリル系粉体
塗料の硬化剤としては、二価カルボン酸としてドデカン
二酸(以下、「DDA」という。)が一般的に用いられ
ていた。上記特開平7−179789号公報にも、硬化
剤として多価カルボン酸を利用することができる旨の記
載はあるが、実際に実施例で使用しているのは炭素数1
0のデカン二酸であり、エイコサン二酸(以下、「ED
A」という。)等の炭素数の多いものを使用したものは
ない。また、硬化剤としての二価カルボン酸とアルミニ
ウムロウ付け部との密着性に関する事項は全く記載も示
唆もされていない。
【0008】これに対し、本発明者らは上記課題を解消
すべく鋭意検討した結果、硬化剤として従来より用いら
れてきたDDAの代わりに、それよりも炭素数の多い二
価カルボン酸を用いることにより、耐水性、耐食性及び
耐候性に優れると共に、アルミニウムロウ付け部におけ
る塗膜の密着性も向上することを見いだして本発明を完
成した。即ち、本第1発明のアクリル系粉体塗料組成物
は、グリシジル基を有するアクリル樹脂及びアルキレン
基の両末端にカルボキシル基を持ち、且つ、炭素数16
〜24の二価カルボン酸を含有し、二価カルボン酸を上
記グリシジル基に対して0.5〜3.0当量配合してな
り、Al−Si系ロウによりロウ付けされたアルミニウ
ム基材上に形成された塗膜において、所定の耐水性試験
による塗膜の残存数が(80個/100個)以上であ
り、且つ、所定の耐食性試験による腐食が3mm以下で
あることを特徴とする。尚、上記所定の耐水性試験及び
耐食性試験とは、実施例に記載されている試験方法と同
じである。
【0009】上記「アクリル樹脂」は、グリシジル基を
有するアクリル樹脂であり、通常、グリシジル基を有す
る(メタ)アクリル系モノマーと共重合可能なモノマー
を共重合させて得られたものである。グリシジル基を有
するエチレン性不飽和結合モノマーとしては、例えば、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、
α−メチルグリシジルアクリレート、α−メチルグリシ
ジルメタクリレート等を用いることができる。これらの
モノマーを単独で使用する他、2種以上を混合して用い
てもよい。
【0010】また、グリシジル基を有するモノマーと共
重合可能なモノマーとしては、アクリル酸又はメタクリ
ル酸のアルキルエステル、例えば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t
−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル
酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル等が挙げら
れる。また、その他にも例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミ
ド等が挙げられ、更に、アクリル酸又はメタクリル酸の
ヒドロキシアルキルエステル、例えば、アクリル酸ヒド
ロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタク
リル酸ヒドリキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロ
ピル等や、不飽和二塩基酸のジアルキルエステル類等が
挙げられる。
【0011】上記「アクリル樹脂」におけるグリシジル
基含有モノマーの含有量は、10〜80%、好ましくは
20〜60%である。グリシジル基含有モノマーの含有
量が10%未満では、塗膜の硬化性や耐衝撃性、可撓性
等の機械的強度が低下するため好ましくない。一方、8
0%を超えると、貯蔵安定性の低下とコストの上昇等に
つながるため好ましくない。
【0012】上記「二価カルボン酸」としては、通常、
以下の構造式によって示される、アルキレン基の両末端
にカルボキシル基を持つ二価カルボン酸である。 HOOC−(CH2n−COOH 尚、上式でnは14〜22の整数である。両末端に位置
するカルボキシル基の間に位置するアルキレン基は通
常、上記のように直鎖のものが用いられるが、分枝した
ものや脂環族アルキレン基でもよい。また、この二価カ
ルボン酸としては、本第2発明のようにEDAを用いる
のが特に好ましい。上記二価カルボン酸の含有量は、上
記アクリル樹脂のグリシジル基に対して0.5〜3.0
当量である。上記二価カルボン酸の含有量がアクリル樹
脂のグリシジル基に対して0.5当量未満では、塗膜架
橋が不十分となり、耐水性、耐食性等の物性が大幅に低
下するため好ましくない。一方、3.0当量を超えると
架橋に関与しない硬化剤量が増えるため、エリクセン値
等の塗膜の強度や、塗膜の耐候性が低下するため好まし
くない。
【0013】本第3発明のアルミニウムロウ付け部被覆
用アクリル系粉体塗料組成物は、グリシジル基を有する
アクリル樹脂及びアルキレン基の両末端にカルボキシル
基を持ち、且つ、炭素数16〜24の二価カルボン酸を
含有し、該二価カルボン酸を上記グリシジル基に対して
0.5〜3.0当量配合してなり、アルミニウムロウ付
け部被覆用に用いられることを特徴とする。
【0014】上記「二価カルボン酸」としては、通常、
以下の構造式によって示される、アルキレン基の両末端
にカルボキシル基を持つ二価カルボン酸が挙げられる。 HOOC−(CH2n−COOH 尚、上式でnは14〜22の整数である。両末端に位置
するカルボキシル基の間に位置するアルキレン基は通
常、上記のように直鎖のものが用いられるが、分枝した
ものや脂環族アルキレン基でもよい。また、この二価カ
ルボン酸としては、本第4発明のようにEDAを用いる
のが特に好ましい。
【0015】上記「アルミニウムロウ付け部」とは、ア
ルミニウム単独又はアルミニウム合金から構成されるア
ルミニウム金属系基材同士を、アルミニウム用ロウ材料
によりロウ付けした部分である。このようなアルミニウ
ム用ロウ材料としては、例えば、溶融温度の高いAl−
Si系ロウ等の硬ロウの他、Zn−Al系ロウ、Znロ
ウ、Zn−Cd系ロウ、Zn−Sn系ロウ、Pb−Sn
系ロウ等の軟ロウが挙げられる。この中では通常Al−
Si系ロウが用いられる。このAl−Si系ロウの化学
成分は一般に、アルミニウムと、6〜13%のケイ素及
び微量のFe、Mn等を含み、更に、Cuを3〜5%程
度含むものもある。
【0016】本第1発明〜第4発明の粉体塗料組成物に
は、上記成分以外にも必要に応じてレベリング剤(ポリ
ブチルアクリレート系等)、カーボンブラックその他の
充填剤(炭酸カルシウム等)などの各種添加剤が含有さ
れていてもよい。また、流動性調整剤としては、アエロ
ジルの他、シリカ粉体、アルミナ粉体、アルミナシリカ
粉体、二酸化チタン粉体等の無機粉体を用いることがで
きる。また、無機粉体の親水化表面に、オルガノシラン
基やオルガノシロキサン基等を付与して疎水化して、摩
擦帯電作用を向上させたものでもよい。このうち中で特
に平均粒子径は0.1〜5.0μのシリカ粉末を、本第
1発明〜第4発明の粉体塗料組成物全体を100重量部
とした場合、0.1〜2.0重量部添加するのが好まし
い。
【0017】本第1発明〜第4発明の粉体塗料組成物の
製造するにあたっては、例えば、流動性調整剤以外の上
記構成成分を、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー
あるいはナウターミキサーなどで乾式混合し、次いでエ
クストルーダー等を用いて溶融混練した後冷却する。そ
の後、流動性調整剤をドライブレンドしてからハンマー
ミル、ピンミル等の衝撃式粉砕機により粉砕し、振動ふ
るい等により分級して、特定の粒度の範囲のものが集め
られて製造される。これにより粉体塗料組成物の表面上
に流動性調整剤を付着させることができる。
【0018】また、このようにして得られたアクリル系
粉体塗料組成物は、静電塗装法や流動浸漬塗装法のよう
な、従来より用いられている粉体塗装法により、被塗物
に塗装される。その結果、アルミニウムロウ付け部での
塗膜の密着性が向上することから、以下に示すように実
用的で優れたものとなる。尚、試験方法は実施例で示す
ものである。即ち、耐水性試験において、残存する塗膜
数が(80個/100個)以上、好ましくは(90個/
100個)、更に好ましくは(100個/100個)で
ある。また、耐食性試験において、クロスカット部から
の腐食幅が3mm以下、好ましくは2mm以下、更に好
ましくは0mmである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のアクリル系粉体塗
料について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明す
る。 (1)アクリル系粉体塗料の調製 本発明の実施例及び比較例の成分配合を以下に示す。下
記の成分を表1に示す重量部の割合で配合し、これを三
井三池製作所製「FM10B型ヘンシェルミキサー」で
3分間乾式混合し、次いでBUSS社製エクストルーダ
ー「PR46」を用いて110℃で溶融混練した後冷却
した。 アクリル樹脂:大日本インキ社製、商品名「ファイン
ディックA247S」 エイコサン二酸:三井化学社製、商品名「エイコサン
二酸」 ドデカン二酸:デュポン社製、商品名「ドデカン二
酸」 レベリング調整剤:BASF社製、商品名「アクロナ
ール4F」 炭酸カルシウム:丸尾カルシウム社製、商品名「特製
白亜」 エポキシ樹脂:東都化成社製、商品名「エポトートY
D012」 カーボンブラック:三菱化学社製、商品名「MA10
0」 そして、流動性調整用粉末として「アエロジル200」
(日本アエロジル社製)を上記配合物100重量部に対
し0.2重量部ドライブレンドし、ピンミルで常温粉砕
した後、150メッシュの金網で分級し、実施例及び比
較例のアクリル系粉体塗料組成物を調製した。
【0020】
【表1】
【0021】(2)性能試験 上記のようにして調製した実施例及び比較例のアクリル
系粉体塗料を用いて、以下の性能試験を行った。その結
果を表1に示す。尚、以下[1]〜[4]の性能試験に
おいては、0.8T×70×150mmのリン酸亜鉛処
理板を被塗物として、上記実施例及び比較例の粉体塗料
を厚さ50〜70μに塗装した後、160℃で20分間
焼き付けを実施したサンプルを用いて評価した。一方、
[5]〜[6]の性能試験は、Al−Si系ロウにより
ロウ付けされたアルミニウム基材(ロウ付け面:縦20
mm×横100mm)を用いて、上記実施例及び比較例
の粉体塗料を膜厚50〜70μとなるように静電塗装法
により塗布した後、160℃で20分間焼き付けを実施
したサンプルを用いて、ロウ材部で評価した。また、
[7]及び[8]の性能試験は、4T×70×150m
mのテフロン板を160℃に加熱し、予熱静電方法によ
り100μに塗装し、160℃で20分間焼き付け後、
剥離し、作製した塗膜を用いて評価した。
【0022】[1]塗膜表面性 塗膜の表面状態を平滑性目視により評価した。尚、表1
において「○」は良好、「△」はやや劣る、「×」は劣
ることを表す。 [2]エリクセン値(mm) JIS K5400 8.2.1に規定する定距離法に
より測定した。 [3]耐衝撃性(cm) ポンチ径0.5インチ、重さ500gの重りを使用し
て、JIS K54008.3.2に準じ、塗膜割れが
発生しない高さを測定した。 [4]耐候性(%) JIS K5400 9.8.1の規定するサンシャイ
ンカーボンアーク灯式に従い、300時間経過後の光沢
保持率を測定した。
【0023】[5]耐水性(個) JIS K5400 7.2に準じて行った。即ち、4
0℃の蒸留水に120時間浸漬した後取り出して、1時
間常温で放置する。その後、JIS K5400 8.
5.2の碁盤目テープ法による付着性試験を、1mm
角、100個で実施し、塗膜の残存数を数えた。 [6]耐食性(mm) JIS K5400 9.1の耐塩水噴霧性に準じて行
った。即ち、35℃、5%の塩水噴霧試験を120時間
実施した後、水洗し、1時間放置した後に、クロスカッ
ト部からの腐食幅を測定した。
【0024】[7]ガラス転移点(℃) 粘弾性スペクトル法により求めた。即ち、上記記載の塗
膜を用いて、セイコーインスツルメンツ製DMS610
0型粘弾性測定機を用いてガラス転移点を測定した。 [8]透湿度(g/m2・24h) JIS Z0208(カップ法)の条件Bに準じて行っ
た。上記記載の塗膜を用いて、t=40℃、湿度90%
の条件で、96時間後、直径60mmの塗膜を通過した
水分量を測定した。
【0025】[9]ゲルタイム(sec) JIS C2104に準じて行った。160℃に昇温し
たホットプレートに0.8Tの鋼板を置き、この上に実
施例及び比較例の粉体塗料を0.2gのせ、針で塗料を
約15mmφに広げながらかき混ぜる。そして硬化が完
了し、塗料が糸を引かなくなった時間を測定する。 [10]ペレットフロー(%) 実施例及び比較例の粉体塗料を0.5g秤取し、ペレッ
ト成形装置を使用して、直径10.9mmのペレットを
作製する。160℃の雰囲気に設定した乾燥機に10分
間以上、水平に保持(予熱)した鋼板(0.8T×70
×150mm)の上に上記ペレットをのせ、20分間保
持する。その後、鋼板を乾燥機より取り出して冷却す
る。そして加熱後のペレットの長径と短径を測定し、そ
の平均値を加熱後のペレット径(mm)とした。ペレッ
トフローは次式により求めた。 ペレットフロー(%)=〔加熱後のペレット径−10.
9〕×100/10.9 以上の試験を繰り返し3回行い、その平均値を評価値と
する。 [11]45度傾斜フロー 試験を開始する前に、試験に供するペレットの厚み(m
m)を測定する。160℃の雰囲気に設定した乾燥機に
10分間以上、約45度に保持(予熱)した鋼板(0.
8T×70×150mm)の上に上記ペレットをのせ、
20分間保持する。その後、鋼板を乾燥機より取り出し
て冷却する。そして、鋼板上を溶融して流れたペレット
の距離をペレットの溶融長さ(mm)として測定した。
45度傾斜フローは次式により求めた。 45度傾斜フロー=〔溶融長さ−10.9〕/ペレット
の厚み 以上の試験を繰り返し3回行い、その平均値を評価値と
する。
【0026】(3)実施例の効果 表1の結果より、硬化剤としてEDAを用いた実施例
と、DDAを用いた比較例について、ロウ付け部での耐
水性試験の結果、比較例の方は蒸留水に浸した後にかな
り剥がれ易くなっているのに対し、実施例の方は蒸留水
に浸した後であっても塗膜が剥がれにくいことが分か
る。また、ロウ付け部での耐食性試験の結果より、比較
例では腐食が発生しているのに対し、実施例では腐食の
発生を完全に抑えていることが分かる。更に、透湿性も
実施例の方が低いことから、実施例の塗膜は水分を通し
にくく、耐水性に優れていることが裏付けられる。以上
の結果より、塗膜と被塗物との密着性に関連する耐水性
及び耐食性についてみると、圧倒的に実施例の方が優れ
ていることが分かる。即ち、実施例の塗膜がAl−Si
系ロウ付け部に密着していることにより、比較例の塗膜
よりも耐水性及び耐食性に優れていることが明らかであ
る。
【0027】また、ペレットフローについても実施例の
方が比較例よりも大きい。この結果より、実施例の方が
塗布後によく流動して、比較例の塗膜よりも平らで滑ら
かな塗膜ができることが分かる。更に、フロー性が向上
していることから、ロウ材面とのぬれ性が向上し、その
結果、塗膜の密着強度が向上することにより、耐水性及
び耐食性向上に寄与しているものと考えられる。また、
塗膜の性質として要求されるその他の性質(塗膜表面
性、可撓性、耐衝撃性、耐候性)は、比較例と比べて全
く劣らないことも分かる。
【0028】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
本発明のアクリル系粉体塗料は、表1に示す組成及び配
合割合に限られず、本発明の範囲内における種々の組成
及び配合割合とすることができる。また、本発明の性能
を損なわない限り、上記成分以外にも必要に応じてピン
ホール防止剤、カーボンブラック、有機顔料等の着色顔
料あるいはその他の充填剤などの各種添加剤が含有され
ていてもよい。
【0029】
【発明の効果】本第1発明及び第2発明のアクリル系粉
体塗料組成物によれば、グリシジル基を有するアクリル
樹脂に、硬化剤としてDDAの代わりに、炭素数16〜
24の二価カルボン酸、特にエイコサン二酸を用いるこ
とにより、アルミニウム製二輪車ラジエター部等のアル
ミニウムロウ付け部における塗膜の密着性を著しく向上
させることができる。よって、本第3発明及び第4発明
のアルミニウムロウ付け部被覆用アクリル系粉体塗料組
成物のように、アルミニウムロウ付け部を被覆するため
に好適に用いることができる。そして、被塗物に塗布し
た結果、従来の粉体塗料に劣らない塗膜表面性、可撓
性、耐衝撃性、耐候性を示すと共に、従来の粉体塗料を
はるかに上回る優れた耐水性、耐食性を示す塗膜を形成
することができる。従って、屋外で使用される被塗物
へ、更に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AK11 DB15 DB17 DB18 JA01 JA03 4J038 CG141 CH171 CJ021 CJ031 CJ041 CJ131 CJ141 DB221 GA06 GA07 JA39 KA03 MA02 NA03 NA04 NA12 PB07 PB09 PC02 4J100 AB02Q AB03Q AB04Q AJ02Q AL03Q AL04Q AL05Q AL08P AL08Q AL09Q AM02Q AM15Q BC04Q BC54P CA01 CA04 DA28 DA29 HA11 HC28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリシジル基を有するアクリル樹脂及び
    アルキレン基の両末端にカルボキシル基を持ち、且つ、
    炭素数16〜24の二価カルボン酸を含有し、該二価カ
    ルボン酸を上記グリシジル基に対して0.5〜3.0当
    量配合してなり、 Al−Si系ロウによりロウ付けされたアルミニウム基
    材上に形成された塗膜において、以下の耐水性試験によ
    る塗膜の残存数が(80個/100個)以上であり、且
    つ、以下の耐食性試験による腐食が3mm以下であるこ
    とを特徴とするアクリル系粉体塗料組成物。 「耐水性試験:JIS K5400 7.2に準じ、4
    0℃の蒸留水に120時間浸漬した後取り出して、1時
    間常温で放置する。その後、JIS K5400 8.
    5.2の碁盤目テープ法による付着性試験を、1mm
    角、100個で実施した時の塗膜の残存数(個)」 「耐食性試験:JIS K5400 9.1の耐塩水噴
    霧性に準じ、35℃、5%の塩水噴霧試験を120時間
    実施した後、水洗し、1時間放置した後に測定したクロ
    スカット部からの腐食幅(mm)」
  2. 【請求項2】 上記二価カルボン酸はエイコサン二酸で
    ある請求項1記載のアクリル系粉体塗料組成物。
  3. 【請求項3】 グリシジル基を有するアクリル樹脂及び
    アルキレン基の両末端にカルボキシル基を持ち、且つ、
    炭素数16〜24の二価カルボン酸を含有し、該二価カ
    ルボン酸を上記グリシジル基に対して0.5〜3.0当
    量配合してなるアルミニウムロウ付け部被覆用アクリル
    系粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】 上記二価カルボン酸はエイコサン二酸で
    ある請求項3記載のアルミニウムロウ付け部被覆用アク
    リル系粉体塗料組成物。
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