JP2000119332A - 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JP2000119332A
JP2000119332A JP10294135A JP29413598A JP2000119332A JP 2000119332 A JP2000119332 A JP 2000119332A JP 10294135 A JP10294135 A JP 10294135A JP 29413598 A JP29413598 A JP 29413598A JP 2000119332 A JP2000119332 A JP 2000119332A
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JP
Japan
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chlorine
reactor
cpvc
chlorination reaction
pvc
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Hideaki Yoshitomi
英明 吉冨
Ryuji Tamura
柳二 田村
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Tokuyama Sekisui Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応器中の酸素濃度に着目し、熱安定性に優
れるCPVCを品質のバラツキがなく製造する方法を提
供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂を水懸濁状態で塩素化
反応を行うにあたり、塩素化反応中を通じて反応器内に
おける塩素に対する酸素含有量を500ppm以下に維
持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法に関し、詳しくは熱安定性に優れる塩
素化塩化ビニル系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩素化塩化ビニル系樹脂(以下「CPV
C」という)は、通常塩化ビニル系樹脂(以下「PV
C」という)を後塩素化して得られる。
【0003】CPVCは、PVCの長所といわれる優れ
た特性をそのまま保有し、かつPVCの欠点といわれる
性質が改良されているので、有用な樹脂として多方面の
用途に使用されている。即ち、CPVCは、PVCの長
所といわれる優れた難燃性、耐候性、耐薬品性などを保
有し、さらにPVCよりも熱変形温度が20〜40℃も
高いため、PVCの使用可能な上限温度が60〜70℃
付近であるのに対して、CPVCは100℃近くでも使
用可能であり、耐熱パイプ、耐熱継手、耐熱バルブなど
に好適に使用されている。
【0004】しかしながら、上述したように、CPVC
はPVCより熱変形温度が高いため、PVCより高温で
加熱溶融しなければ成形加工することができない。 と
ころが、CPVCは一般に熱安定性(初期着色性、耐熱
安定性)等が悪く、このように高い温度で加工しようと
すれば着色が著しく、分解してしまうこともある。その
ため熱変形温度が高いにも関わらず、PVCと同等の低
い温度で成形加工しなければならない。従って、CPV
Cの成形加工はPVCと較べて困難であり、十分にゲル
化させることができず、成形体の衝撃強度が劣るという
問題点があった。そこで、CPVCの初期着色性、熱安
定性を改良する方法が望まれている。
【0005】PVCの塩素化反応に用いる塩素には通
常、酸素、二酸化炭素、窒素等の不純物が含まれてい
る。これらのうち、酸素濃度がCPVCの品質(初期着
色性、熱安定性)に影響があることは公知であり、すな
わち特開昭47−27290号公報では酸素濃度100
0ppm以下、特開平9−328518号公報ではさら
に酸素濃度が低い200ppm以下の塩素を使用する方
法が提案されている。
【0006】一般にCPVCはPVCを水懸濁下で反応
器中に塩素を吹き込み水銀灯等の紫外光を照射する、い
わゆる光塩素化反応で生産されている。このときの塩素
は通常入手可能な、含有酸素濃度が100〜500pp
mのものが用いられているが、この光塩素化法ではCP
VCの初期着色性、熱安定性の十分に満足なCPVCは
得られていない。
【0007】また、特開平6−32822号公報では、
110〜135℃で光照射せず塩素化反応する、いわゆ
る熱塩素化法で、酸素濃度10〜100ppmの塩素を
使用する方法が提案されている。
【0008】これらに例示されるように、従来は反応器
に供給する塩素中に含有される酸素含有量に着目した熱
安定性の改良がおこなわれてきた。ところが、この方法
ではCPVCの初期着色性、熱安定性の改善が必ずしも
十分なものといえず、また得られるCPVCの品質にバ
ラツキが生じることがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであって、反応器中の酸素濃度に着目
し、熱安定性に優れるCPVCを品質のバラツキがなく
製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、PVCを水懸
濁状態で塩素化反応を行うにあたり、塩素中の酸素含有
量、塩素化反応温度に着目し検討を進めた結果、塩素化
反応中を通じて、反応器中の塩素に対する酸素濃度を5
00ppm以下に維持することを特徴とする。
【0011】通常塩素化反応中は、反応器内の圧力を一
定範囲内に制御しながら塩素を常時供給するのが一般的
である。すなわち、反応で消費された塩素の分を反応器
に継ぎ足しながら行う方法である。このとき、反応器に
供給される塩素中に含まれる酸素の大部分は未反応のま
ま、反応器中に蓄積されていき、徐々にその濃度が高く
なっていくのである。
【0012】反応器中の塩素中に含まれる酸素濃度が高
くなっていくと、酸素の一部が(C)PVCと反応し好
ましくない構造物を生成し、そのためCPVCの熱安定
性が損なわれるのである。本発明者らは、塩素化反応中
において、塩素に対する酸素濃度を常時500ppm以
下に維持することで、これを防止できることを見出し本
発明を完成した。
【0013】本発明は、低酸素濃度の塩素を使用するこ
とで達成できる。通常入手可能な塩素は酸素濃度が10
0〜500ppmであるが、この塩素を使用した場合、
塩素化反応に従って塩素供給を続けていったとき、塩素
の消費に伴って酸素が蓄積していき500ppmを超え
てしまうため本発明には使用することができない。本発
明には、さらに酸素濃度の低いさらに精製された塩素を
使用することが必要である。その酸素濃度は10ppm
以下にすることが好ましい。このような低酸素濃度の塩
素は、通常の塩素を蒸留設備等に供してさらに精製する
ことで得ることができる。
【0014】酸素濃度の比較的高い10〜500ppm
の塩素を使用することも可能である。この場合、未反応
の酸素を常に反応器外に除去しながら、反応器内におけ
る塩素に対する酸素濃度を500ppm以下に維持しな
がら反応することができる。しかしながら、このような
方法を行ったとき、不純物の酸素のみを選択的に反応器
外に取り出すことは不可能であり、塩素ガスを同時に反
応器外に除去してしまう。ところが塩素を反応器外に除
去した場合、その塩素を除害設備で処理するのにコスト
がかかったり、反応器に供給した塩素のうち塩素化反応
に消費された塩素量が不明確になり、得られるCPVC
の塩素含有率のバラツキが大きくなるという問題点を有
し、好ましくない。以上のような理由から、本発明にお
いては、酸素濃度10ppm以下の精製された塩素を使
用することが好ましい。
【0015】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
に用いられるPVCは特に制限されない。PVCは塩化
ビニル単量体の重合体または塩化ビニル単量体と共重合
可能な単量体との共重合体である。PVCと共重合可能
な単量体としてはエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等が挙げら
れ、これらの1種または2種以上が混合して用いられ
る。
【0016】原料として用いられるPVCの重合方法は
特に制限されないが、通常水懸濁重合方で製造されたも
のが好適に用いられる。
【0017】塩素化反応は以下の通りに行われる。塩素
化反応を行う反応器としては、グラスライニング製やチ
タン製のものが用いられる。反応器中に原料PVC及び
水、その他の添加剤を仕込みPVCをスラリー状にす
る。反応器内を減圧にして酸素を除去する。減圧は水の
水蒸気圧に約5mmHg(約6.7×102 Pa)足し
た圧力程度まで減圧にしておこなわれる。引き続き、5
0〜80℃の所定の温度に昇温し、0.02〜0.1M
Paの塩素分圧になるように塩素を導入し、高圧水銀灯
を照射し塩素化反応を開始する。塩素化反応中は常時、
一定塩素分圧となる様、塩素を供給し続けるのが好まし
い。PVCが所定の塩素含有率に到達したとき水銀灯の
照射を停止し、塩素の供給を停止し塩素化反応を終了す
る。未反応の塩素は除害設備に排ガスし、更に窒素ガス
で水に溶解した塩素を除去し、更に水洗、乾燥の各工程
を経てCPVCが得られる。
【0018】PVCを水懸濁状態で塩素化反応する方法
には、0.1MPaを超える比較的高圧で100℃以上
の温度で光照射せずに反応する方法、いわゆる熱塩素化
法も行われている。この方法においても、光塩素化法と
同様に、塩素化反応中における反応器内の塩素に対する
酸素濃度を500ppm以下にすることで初期着色性、
熱安定性に優れたCPVCを得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。
【0020】(実施例1)内容積300リットルのグラ
スライニング製反応器に、脱イオン水200kgと平均
重合度1000のPVC40kgを投入し、攪拌してP
VCを水中に分散させた後反応器内を加熱して、65℃
に昇温した。次いで、反応器中を減圧して酸素を除去し
た後、酸素含有量が1ppmの塩素ガスを塩素分圧が
0.05MPaになるよう導入し、次いで高圧水銀灯の
照射を始め、塩素化反応を開始した。塩素化反応は65
℃、塩素分圧0.05MPa一定に保持するように塩素
を供給し続け、塩素を反応器外に除去することは行わな
かった。
【0021】塩素含有率が66.5重量%に到達したと
き水銀灯を消灯し、塩素化反応を終了し、未反応の塩素
を除害設備に排ガスした。この廃塩素中の酸素濃度を測
定したところ50ppmであった。得られたCPVCス
ラリーを水酸化ナトリウムで中和し、水で洗浄し、脱水
した後、乾燥して粉末状のCPVCを得た。
【0022】(比較例1)内容積300リットルのグラ
スライニング製反応器に、脱イオン水200kgと平均
重合度1000のPVC40kgを投入し、攪拌してP
VCを水中に分散させた後反応器内を加熱して、65℃
に昇温した。次いで、反応器中を減圧して酸素を除去し
た後、酸素含有量が20ppmの塩素ガスを塩素分圧が
0.05MPaになるよう導入し、次いで高圧水銀灯の
照射を始め、塩素化反応を開始した。塩素化反応は65
℃、塩素分圧0.05MPa一定に保持するように塩素
を供給し続け、塩素を反応器外に除去することは行わな
かった。
【0023】塩素含有率が66.5重量%に到達したと
き水銀灯を消灯し、塩素化反応を終了し、未反応の塩素
を除害設備に排ガスした。この廃塩素中の酸素濃度を測
定したところ840ppmであった。得られたCPVC
スラリーを水酸化ナトリウムで中和し、水で洗浄し、脱
水した後、乾燥して粉末状のCPVCを得た。
【0024】(実施例2〜4、比較例2〜4)酸素濃度
の異なる塩素を用いたこと以外は、それぞれ実施例1、
比較例1と同じ方法でCPVCの製造を行った。
【0025】上記実施例1〜4、及び比較例1〜4で得
られたCPVCの初期着色度、老化熱安定性の評価を以
下の通り行い、その結果を表1に示す。
【0026】(1)初期着色度 CPVC100重量部、ブチルステアレート0.5重量
部、MBS樹脂10重量部、アクリル系加工助剤0.5
重量部及びマレート錫系安定剤2重量部からなる配合物
を2本の8インチロールに供給し、190℃で3分混練
して、厚さ0.5mmのシートを作成した。このシート
を185℃で15MPaでプレスし、プレートを作成
し、色調(YI)を測定した。 (2)老化熱安定性 上記シートをギヤオーブン中で200℃の温度で加熱し
黒化するまでの時間(分)を測定した。
【発明の効果】本発明のCPVCの製造方法は、上述の
通りであり、初期着色度、老化熱安定性に優れるCPV
Cが得られる。また、酸素含有率の少ない塩素を使用す
ることにより、廃塩素を発生することなく、低コストで
品質の優れたCPVCを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AA02Q AA03Q AC03P AG04Q AL01Q BB01H CA01 CA04 CA31 DA22 FA21 HA21 HA61 HB04 HB07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂を水懸濁状態で塩素化
    反応を行うにあたり、塩素化反応中を通じて反応器内に
    おける塩素に対する酸素含有量を500ppm以下に維
    持することを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂の製造
    方法。
JP10294135A 1998-10-15 1998-10-15 塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 Pending JP2000119332A (ja)

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