JP2000119218A - 2―メチル―1,3―ジカルボン酸エステルの製造法 - Google Patents

2―メチル―1,3―ジカルボン酸エステルの製造法

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JP2000119218A JP11290143A JP29014399A JP2000119218A JP 2000119218 A JP2000119218 A JP 2000119218A JP 11290143 A JP11290143 A JP 11290143A JP 29014399 A JP29014399 A JP 29014399A JP 2000119218 A JP2000119218 A JP 2000119218A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い収量、およびメチル化されていない出発
材料の最小含量を有する目的生成物を生じる、相応する
非置換1,3−ジカルボン酸エステルから、一般式Iの
化合物を製造する方法の提供。 【解決手段】 エステル基中に含有される基が互いに無
関係に、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アラ
ルキル基、アリール基またはシクロアルキル基を表す
か、もしくは炭化水素鎖の共通部分であるような、2−
メチル−1,3−ジカルボン酸エステルを、1,3−ジ
カルボン酸エステルと、ホルムアルデヒドおよび水素と
を反応させることによって製造する場合に、ジカルボン
酸エステル1.0モルに対して、ホルムアルデヒド1.0
〜2.0モルを使用し、かつ反応混合物または反応混合
物から単離される化合物を、50〜300℃の温度で熱
分解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式I:
【0002】
【化4】
【0003】[式中、RおよびRは互いに無関係
に、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アラルキ
ル基、アリール基またはシクロアルキル基を表すか、も
しくは炭化水素鎖の共通部分である]で示される2−メ
チル−1,3−ジカルボン酸エステルの製造法に関す
る。
【0004】
【従来の技術】一般式Iの2−メチル−1,3−ジカル
ボン酸エステルおよび2−メチル−1,3−ジカルボン
酸ジエチルエステルは、有機中間生成物として、大変重
要である。
【0005】一般式Iの化合物を製造するための文献上
公知の方法では一般的に、相応する、一般式:
【0006】
【化5】
【0007】で示される非置換1,3−ジカルボン酸エ
ステルから出発する。
【0008】“古典的な”アルキル化剤、たとえば硫酸
ジメチルまたは臭化メチルを用いたメチル化の場合、一
般に、モノメチル化した生成物、ジメチル化した生成物
と非置換の出発材料とからなる混合物が存在し、この混
合物は蒸留法により専ら高価な費用のもとに分離されう
るという難点がある。
【0009】したがって、一般式Iの純粋なモノメチル
化合物取得のため、より好適であるのは、水素添加条件
下でホルムアルデヒドとの反応による、一般式IIの化
合物の還元的アルキル化である。
【0010】この場合、すでにドイツ連邦共和国特許出
願公開第326635号明細書中に記載されているよう
に、比較的高い変換率を達成するため、全く決まった反
応条件が維持されなければならない。具体的には、高め
られた温度で、およびクネーベナーゲル(Knoevenagel)
触媒ならびに水素添加触媒の存在下に、その他の反応成
分を混合するための、一般式IIのメチル化すべき化合
物の配量は、特許の保護を請求されている。
【0011】しかし、この処置法の場合も、ホルムアル
デヒドおよび溶剤の常法により使用される量の使用下
で、一般式IIの出発化合物の完全に定量的な変換率は
達成されない。したがって、このようにして製造された
一般式Iの化合物は、− 反応条件、および蒸留法によ
る生成物単離の際に選択される分離条件に応じて −例
えば一般式IIの反応されていない出発材料、0.5〜
2.0%を含有しうる。しかし、この化合物は、一般式
Iの化合物使用を背景とするその前には、薬学作用物質
または植物保護剤用の前駆生成物としては、全く受け入
れがたい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】したがって、高い収
量、およびメチル化されていない出発材料の最小含量を
有する目的生成物を生じる、相応する非置換1,3−ジ
カルボン酸エステルから、一般式Iの化合物を製造する
方法への需要があった。
【0013】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の対
象は、式中、エステル基中に含有される基が互いに無関
係に、炭素原子1〜12個を有するアルキル基、アラル
キル基、アリール基またはシクロアルキル基を表すか、
もしくは炭化水素鎖の共通部分であるような、2−メチ
ル−1,3−ジカルボン酸エステルを、1,3−ジカル
ボン酸エステルと、ホルムアルデヒドおよび水素とを反
応させることによって製造する方法であり、この方法
は、ジカルボン酸エステル1.0モルに対して、ホルム
アルデヒド1.0〜2.0モルを使用し、かつ反応混合物
または反応混合物から単離される化合物を、50〜30
0℃の温度で熱分解させることによって特徴付けられ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】マロンエステルを還元法によりア
ルキル化する、本発明による方法の場合、常用の水素添
加触媒と常用のクネーベナーゲル(Knoevenagel)触媒と
からなる、触媒組み合わせ物が使用される。この場合、
マロンエステルとホルムアルデヒドとの縮合反応に必要
とされる常用のクネーベナーゲル(Knoevenagel)触媒
は、酸性または塩基性の性質であってよい。典型的なこ
の種の触媒は、例えばピリジンおよび/または脂肪族ア
ミンである。
【0015】水素添加触媒としては、常用の触媒、例え
ばラネーニッケルまたは貴金属、例えばパラジウム、白
金またはロジウムを、純粋な形または組み合わせた組成
物の形で、有利には適当な担持材料、例えば活性炭また
は酸化アルミニウム上で使用することができる。好まし
くは、活性炭上パラジウムが使用される。
【0016】ドイツ連邦共和国特許出願公開第3326
635号明細書に関して、まず驚くべきことに、一般式
Iの化合物の、例えば理論値70%の良好な収量が、ホ
ルムアルデヒドが反応混合物の残りの成分に配量される
場合でも、達成されうることが見いだされた。この場合
も、反応混合物の残りの成分は、すでに必要とされる反
応温度に加熱されたことを前提とする。配量工程に必要
な時間は、反応混合物の残りの成分に、一般式IIの化
合物を配量する場合よりも長くなることは決してなく、
かつ実験室規模で反応を実施する場合には、一般的に1
0時間未満、好ましくは0.3〜1.5時間である。
【0017】期待に応じて、ホルムアルデヒドまたは一
般式IIの化合物が、反応混合物の残りの成分に配量さ
れたかどうかにかかわらず、十分なホルムアルデヒド過
剰量の選択によって、実際に、例えば99.95%を上
回る一般式IIの化合物の定量的変換率が達成されるこ
とができた。ホルムアルデヒドは、1,3−ジカルボン
酸エステル1モル当たり、1.0〜2.0モル、殊に1.
25〜1.50モルの量で供給される。しかし、一般式
Iの化合物の収量は、一般式IIの化合物の使用される
量に対して、ホルムアルデヒド過剰量の増大にともなっ
て、激減し、その一方で、一般式III:
【0018】
【化6】
【0019】の2−ヒドロキシメチル−2−メチル−
1,3−ジカルボン酸エステルの形成は、ますます増大
するのが確認された。
【0020】すなわち、またドイツ連邦共和国特許出願
公開第3326635号明細書中に、ホルムアルデヒド
および水素を用いたマロン酸ジエチルエステルの還元法
によるアルキル化に関して記載された副生成物は、“メ
トキシメチルマロン酸ジエチルエステル”ではなく、2
−ヒドロキシメチル−2−メチルマロン酸ジエチルエス
テルである。
【0021】還元法によるアルキル化の反応条件下での
一般式IIIの生成物形成は、適当な溶剤、例えばエタ
ノールまたは酢酸を用いて、系を著しく希釈することに
よって確かに抑制されうるが、しかしホルムアルデヒド
と一般式IIの出発化合物とのモル比が同一である場
合、変換率も改善される。しかし、実際に完全な変換の
達成に必要な溶剤量は、工業的規模での一般式Iの化合
物の製造に不適当であるように、この方法の空時収量を
劣悪にする。
【0022】さらに収量の損失は、エステル縮合物か
ら、一般式IIIの化合物のヒドロキシメチル基の関与
によって生じることがあり、かつ殊に100℃を上回る
温度では、高い空時収量達成の意味で、どちらを得るこ
とを目的とすべきかが注目される。この点では、副生成
物として形成される一般式IIIの化合物から、一般式
Iの化合物を蒸留法により分離するための可能な条件に
関して、制限も見られるべきである。もう1つの制限
は、一般式Iの化合物と一般式IIIの化合物との混合
物の蒸留中に、工業的に重要な50℃を上回る温度で、
分解反応によって絶えずホルムアルデヒドも遊離され、
このホルムアルデヒドが生成物の受け入れがたい汚染物
とともに、装置部分の被覆および最悪の場合には閉塞を
もたらしうることが、観察から判明する。
【0023】驚くべきことに、一般式IIの化合物の実
際に定量的な変換率を達成するため必要なホルムアルデ
ヒド量は、反応混合物が引き続き、50〜300℃、有
利に100〜200℃、特に好ましくは130〜170
℃で熱分解される場合には、収量の損失なしで使用され
ることができる。
【0024】基本的に、還元法によるアルキル化の好ま
しい反応条件下で、増加され、形成された、一般式II
Iの化合物を単離し、かつ特に熱分解させることも、可
能である。この2つの場合、反応条件下で反応混合物の
他の成分と言及するほどの反応をしない適当な溶剤の併
用下に作業することが、有利であることが判明した。こ
のようなものとしては、次のものが当てはまる:場合に
よってはハロゲン化した(芳香族または脂肪族)炭化水
素、アルカノール(R≡R理想的にはROHであ
り、それというのもこの場合、混合されたマロンエステ
ルの形成は不可能である)、カルボン酸、エーテル、環
状エーテルおよびポリエーテル、例えばジエチレングリ
コールジエチルエーテル。殊にエタノールまたは酢酸が
適当である。また溶剤混合物であってもよい。しかし、
溶剤は十分な、水に対する可溶性を有するべきであり、
それというのも、反応の際に形成された水は、それ以外
の場合、場合によっては水素添加接触での障害をもたら
しうるからである。
【0025】処理工程の最小化に従って、この方法は有
利に、熱分解工程のための溶剤として、一般式IIの化
合物とホルムアルデヒドおよび水素との反応に使用され
る場合と同様の溶剤もしくは溶剤混合物が使用されるよ
うにして、実施される。しかし、特に有利な方法の場
合、一般式IIIの化合物の分離および別々の熱分解が
不用にされてよい。このため、一般式IおよびIIIの
化合物、溶剤、水素添加触媒およびクネーベナーゲル(K
noevenagel)触媒を含有する反応混合物は、それ以上の
加工なしで、または一般に個体の水素添加触媒の任意に
行われる分離後、熱分解される。
【0026】前記の処理方法の場合、溶解したホルムア
ルデヒドの溶剤からの除去は、安価かつリソースを節約
する方法で、溶解したホルムアルデヒドが、一般式II
の化合物との新たな反応に使用されるようにして行われ
てよい。
【0027】溶剤または溶剤混合物の効果のある返送の
ためには、いずれにせよ還元法によるアルキル化の際に
形成される水が熱分解の前に少なくとも部分的に分離さ
れるか、または溶剤もしくは溶剤混合物の少なくとも部
分的な脱水が、再使用される前に行われることが前提で
ある。
【0028】したがって、熱分解工程のために好ましい
溶剤もしくは溶剤混合物は、簡単な方法で水が除去され
ることができるようなものである。
【0029】熱分解反応の選択性、すなわちオリゴマー
およびポリマーの消費による2−メチル−1,3−ジカ
ルボン酸エステルの形成、ならびに反応速度は、適当な
触媒を添加することによって改善されることができる。
反応混合物中に均質に溶解された、酢酸カリウムおよび
殊に銅含有触媒、例えば銅塩、殊に酢酸銅(第二)は、
特に好適であることが判明した。しかし、より簡単に操
作でき、かつ分離できる床触媒、例えば酸化アルミニウ
ムまたは担持材料上に固定された触媒、殊に銅含有触媒
も、使用されてよい。
【0030】常法によれば、使用される一般式IIの化
合物1モル当たり0.01〜50.0g、好ましくは0.
05〜5.0gの触媒量で十分である。特に好ましく
は、一般式IIの化合物一モル当たり、触媒0.1〜2.
0g、特に好ましくは0.5〜1.6gが使用される。
【0031】熱分解触媒としての酢酸銅(第二)の使用
の場合、触媒の分けた添加、または − 好ましくは − 連続的な添加が有利であることが
判明した。すなわち、触媒ならびに − 触媒の可溶性
を高めるため − 最適には、酸、例えば酢酸を添加し
た反応混合物を、還元法によるアルキル化のため数時間
にわたって貯蔵する場合、熱分解収量は明らかに減少す
る。
【0032】熱分解反応は、触媒の存在下、および殊に
80℃を上回る温度で、きわめて迅速に進行するので、
本発明による方法は有利には連続的に実施される。この
ためには、個々の反応器に変わって、例えば二段階のカ
スケード状攪拌容器が使用されてよい。しかし実際に
は、沈殿フィルム蒸発器、薄層蒸発器または短絡蒸発器
の熱分解反応器としての使用が、さらに効果的であるこ
とが確認された。
【0033】連続的で、したがって特に経済的な運転の
利点とともに、反応帯域からの2−メチル−1,3−ジ
カルボン酸エステルの迅速な除去、およびしたがって僅
かな副生成物形成を生じさせ、ならびに同時に一般式I
の化合物と遊離したホルムアルデヒドとの逆反応を抑制
するという条件が、当業者によって簡単に課せられるこ
とができる。
【0034】十分に迅速な、一般式Iの化合物の蒸発を
達成するため、一般に蒸発器で真空に引かれなければな
らない。したがって、好ましくは熱分解は5ミリバール
〜900ミリバール、特に好ましくは100ミリバール
〜300ミリバールの減圧下に実施される。
【0035】すなわち、2−ヒドロキシメチル−2−メ
チルジカルボン酸ジエチルエステルと2−メチル−1,
3−ジカルボン酸ジエチルエステルとからなる混合物の
熱分解の場合、純粋な2−メチル−1,3−ジカルボン
酸ジエチルエステル(非置換1,3−ジカルボン酸ジエ
チルエステルの含量500ppm未満)の収量は、熱分
解が溶液中で攪拌下に実施される場合に得られる化合物
の少量を上回って、6%までである。
【0036】同様に良好な収量および生成物純度は、一
般式IIIの化合物、もしくは一般式IIIの化合物を
含有する混合物が、一般式Iの化合物を留去しながら連
続的に、熱い熱分解塔底物中へ配量される場合に、達成
されることができる。
【0037】実際には、殊に一般式IIIの化合物の連
続的な熱分解の際、一般式IIIの化合物の僅かな含量
の熱分解生成物が許容される場合にだけ、きわめて高く
かつ経済的に魅力のある通過量が達成されることが示さ
れた。
【0038】すでに前述されたように、一般式IIIの
化合物の熱に対する不安定性のため、一般式Iの生成物
を蒸留単離する場合には、しかし困難が生じることがあ
る。
【0039】しかし幸いなことに熱分解が、熱分解帯域
から出る蒸気が分別され、かつ一般式IIIの化合物に
富む分画が、 − 場合によっては触媒および/または
溶剤の補足後 − 熱分解帯域中に環流されるようにし
て実施される場合、通過量が高い場合でも、一般式II
Iの化合物の僅かな含量を有する熱分解生成物が得られ
うることが判明した。したがって、最も簡単な場合、熱
分解は反応器として薄層蒸発器の使用下に行われ、この
場合、蒸気導管中には、例えばバブル・プレートまたは
充填物からなる精留単位が存在する。精留単位の環流
は、このように新たに熱い熱分解帯域中に到達する。
【0040】二者択一的に、精留単位の環流は熱分解反
応器の装置の中へポンプ導入され、そこで特に簡単な方
法で、触媒との新たな混合が行われる。
【0041】次の例につき、本発明による方法をさらに
詳説するが、その使用範囲は限定されない。
【0042】
【実施例】例1:2−メチル−1,3−ジカルボン酸ジ
エチルエステル 1.5リットル用引き揚げ攪拌器−オートクレーブ中
に、攪拌下に、1,3−ジカルボン酸ジエチルエステル
320.0g、エタノール78.5g、ピリジン8.6g
およびPd/C(5%)8.0gからなる混合物を予め
装入した。オートクレーブ中に存在する空気を、窒素を
用いて3回洗浄し、引き続き水素5バールを加圧するこ
とによって除去した。
【0043】次に、60分でエタノール性ホルムアルデ
ヒド溶液(エタノール177.0g中p−HCHO 6
6.0g;過剰量10%)243.0gを、フラスコポン
プを介してオートクレーブ中に配量する前に、混合物を
120℃に加熱し、かつ水素圧を35〜40バールに調
節した。ホルムアルデヒドの全体量を、オートクレーブ
中に移行させるため、配量系統を引き続きエタノール3
9.3gを用いて洗浄した。
【0044】さらに120℃/35バールで80分間後
反応させ、次にバッチを室温に冷却し、かつ濾過によっ
て触媒を除去した。触媒に付着する生成物を、エタノー
ル39.3gを用いて洗浄することによって濾液中に移
行させた。
【0045】この混合物から60℃/10ミリバール
で、低沸点物質を除去し、この場合、透明で無色の残滓
338.0gが残留した。ガスクロマトグラフィー法に
より測定した、2−メチル−1,3−ジカルボン酸ジエ
チルエステルと2−ヒドロキシメチル−2−メチル−
1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルとの生成物比
は、シリル化によるFID−面積パーセントに基づき、
約7:1であった。反応されていない1,3−ジカルボ
ン酸ジエチルエステルでの残滓の含量を、シリル化によ
り、3.0FID面積パーセントまで測定した。
【0046】例2:2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステル 水素添加工程:5リットル用引き揚げ攪拌器−オートク
レーブ中に、攪拌下に、1,3−ジカルボン酸ジエチル
エステル1600.0g、エタノール392.5g、トリ
エチルアミン86.0gとPd/C(5%)40.0gと
からなる混合物を予め装入した。オートクレーブ中に存
在する空気を、窒素を用いて3回洗浄し、引き続き水素
5バールを加圧することによって除去した。
【0047】次に、60分でエタノール性ホルムアルデ
ヒド溶液(エタノール1002.2g中p−HCHO
400.8g;過剰量33%)1403.0gを、フラス
コポンプを介してオートクレーブ中に配量する前に、混
合物を120℃に加熱し、かつ水素圧を35〜40バー
ルに調節した。ホルムアルデヒドの全体量を、オートク
レーブ中に移行させるため、配量系統を引き続きエタノ
ール39.3gを用いて洗浄した。
【0048】さらに120℃/35バールで80分間後
反応させ、次にバッチを室温に冷却し、かつ濾過によっ
て触媒を除去した。触媒に付着する生成物を、エタノー
ル39.3gを用いて洗浄することによって濾液中に移
行させた。この方法で、透明でほとんど無色の、エタノ
ール/トリエチルアミン中に2−メチル−1,3−ジカ
ルボン酸ジエチルエステルと2−ヒドロキシメチル−2
−メチル−1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルの溶
液3559.6gが得られた。ガスクロマトグラフィー
法により測定した、2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステルと2−ヒドロキシメチル−2−メチル
−1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルとの生成物比
は、シリル化によるFID−面積パーセントに基づき、
約3:1であった。
【0049】熱分解工程:濾過した水素添加搬出物14
23.8gに、攪拌下に(96%の)酢酸100.0gな
らびに酢酸銅(第二)−水和物8.0gを添加し、引き
続き、45℃で15分間強力に攪拌し、触媒を完全に溶
液にした。
【0050】得られたトルコ玉青色の溶液を、約90ミ
リバールの真空で、取り付けた噴霧保護および30cm
充填塔を備えた250ミリリットル用熱分解フラスコ内
に配量した。熱分解中に存在する − 熱時に低粘度の
− 塔底物を十分に混和するため、電磁攪拌器核があ
る熱分解フラスコを、200℃の油浴を用いて加熱し
た。
【0051】配量速度を、内部温度(ガス相および後に
はまた塔底物)が約130℃となるように調節した。前
記条件下に、熱分解は約5時間を要求した。
【0052】充填塔の塔頂部に存在する蒸気を、非加熱
の蒸気導管を介して、30cmの分留部分および60c
mの強化部分を備えたもう1つの充填塔内に導入した。
【0053】この塔内で、塔の塔底部から排出される2
−メチル−1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルから
の、低沸点物質(エタノール、水、HCHO)の分離を
行った。
【0054】この方法で、非置換1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステルの500ppmを下回る含量を有す
る、1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルの使用した
量に対して、2−メチル−1,3−ジカルボン酸ジエチ
ルエステルの理論値の78%を得ることができた。
【0055】例3:2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステル 水素添加工程:例1中と同様に処理した。
【0056】熱分解工程:それぞれ濾過した水素添加搬
出物500.0gもしくは423.8gに、攪拌下に(9
6%の)酢酸、合計で40.0gならびに酢酸銅(第
二)−水和物、合計で6.5gを添加し、引き続き、そ
れぞれ45℃で5分間強力に攪拌し、触媒を完全に溶液
にした。
【0057】得られたトルコ玉青色の溶液を、220℃
の蒸発器のジャケット温度および約155ミリバールの
真空で、約1100g/hの配量率を用いて連続的に、
取り付けた30cm充填塔を備えた薄相蒸発器(蒸発器
面積:700cm)上に配量した。分留部分および強
化部分を備えた塔の中に蒸気を供給することによって、
低沸点物質を連続的に分離した後、非置換1,3−ジカ
ルボン酸ジエチルエステルの500ppmを下回る含量
を有する、1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルの使
用した量に対して、2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステルの理論値の80%が得られた。
【0058】例4:2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステル 水素添加工程:例1中と同様に処理した。
【0059】熱分解工程:例2と同様に行ったが、2−
ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステルおよび2−メチル−1,3−ジカルボ
ン酸ジエチルエステルの分離に使用される塔の環流液
の、蒸発器の配量装置内への返送を行った。この方法
で、非置換1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルの5
00ppmを下回る含量を有する、1,3−ジカルボン
酸ジエチルエステルの使用した量に対して、2−メチル
−1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルの理論値の8
5%の収率が得られた。
【0060】例5:2−メチル−1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステル 水素添加工程:例1中と同様に処理した。
【0061】熱分解工程:濾過した水素添加搬出物14
23.8gから、蒸留法により溶剤を除去し、かつ攪拌
下に(96%の)酢酸40.0gならびに酢酸銅(第
二)−水和物8.0gを添加した。このようにして得ら
れた溶液を120℃で2時間攪拌し、次に触媒から蒸留
分離した。
【0062】この方法で、非置換1,3−ジカルボン酸
ジエチルエステルの500ppmを下回る含量を有す
る、1,3−ジカルボン酸ジエチルエステルの使用した
量に対して、理論値の76%の2−メチル−1,3−ジ
カルボン酸ジエチルエステルの収率を得ることができ
た。
【0063】
【発明の効果】熱分解生成物中に残留する、一般式II
Iの化合物の含量は、最終的に、化合物IIIを温度安
定性で、したがって蒸留可能な二次製品に変える、適当
な誘導化剤、例えば有機酸、例えば酢酸およびその無水
物、高次(カルボン)酸、酸塩化物およびシリル化剤、
例えば殊に塩化トリメチルシリルを用いて誘導化するこ
とによって、熱安定性の二次製品に変えられ、その結
果、大規模工業的規模で切望されるべきであるような条
件下でも、一般式Iの化合物の問題のない単離が、分別
蒸留によって可能にされる。好ましい誘導化剤は、無水
酢酸である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [式中、RおよびRは互いに無関係に、炭素原子1
    〜12個を有するアルキル基、アラルキル基、アリール
    基またはシクロアルキル基を表すか、もしくは炭化水素
    鎖の共通部分である]で示される2−メチル−1,3−
    ジカルボン酸エステルを、一般式II: 【化2】 で示される1,3−ジカルボン酸エステルと、ホルムア
    ルデヒドおよび水素とを反応させることによって製造す
    る方法において、一般式IIのジカルボン酸エステル
    1.0モルに対して、ホルムアルデヒド1.0〜2.0モ
    ルを使用し、かつ反応混合物または反応混合物から単離
    される一般式III: 【化3】 の化合物を、50〜300℃の温度で熱分解させること
    を特徴とする、2−メチル−1,3−ジカルボン酸エス
    テルの製造法。
  2. 【請求項2】 反応混合物または単離された一般式II
    Iの化合物の熱分解を、有利に予備反応の場合にも使用
    した、同一の溶剤または溶剤混合物の存在下に実施す
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 均質に溶解された触媒の存在下に熱分解
    を実施し、この場合、メチル化のために使用した、一般
    式IIの1,3−ジカルボン酸エステル1モルあたり、
    0.01〜50.0g、有利に0.1〜2gの量で触媒を
    使用する、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 均質に溶解された触媒が、銅化合物であ
    る、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 熱分解を、担持材料上に固定された、有
    利に銅含有の触媒の存在下に実施する、請求項1または
    2記載の方法。
  6. 【請求項6】 熱分解を、5ミリバール〜900ミリバ
    ールの減圧下に実施する、請求項1から5までのいずれ
    か1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 熱分解に使用される溶液を、固定床触媒
    を介して循環させ、熱分解温度に加熱した、熱分解条件
    下で十分に安定な反応媒体中に供給する、請求項1から
    6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 熱分解に使用した溶液を、均質に溶解し
    た触媒を含有し、熱分解温度に加熱した、熱分解条件下
    で十分に安定な反応媒体中に供給し、この反応媒体を有
    利には沈殿フィルム蒸発器、薄層蒸発器または短絡蒸発
    器の形の大面積熱交換器を介して循環させる、請求項1
    から6までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 熱分解を連続的に実施する、請求項1か
    ら8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 一般式IIIの化合物の単離を不用に
    し、かつ一般式IIの1,3−ジカルボン酸エステルと
    ホルムアルデヒドおよび水素との反応の反応混合物を、
    水素添加触媒の分離なしでまたは分離を用いて、直接熱
    分解させる、請求項1から9までのいずれか1項記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 熱分解の際に変換されていない、一般
    式IIIの化合物を、触媒添加なしでまたは触媒添加を
    用いて、新たに熱分解させる、請求項1から10までの
    いずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 熱分解の際に変換されていない、一般
    式IIIの化合物を、適当な誘導化剤と反応させること
    によって、蒸留法により分離可能な二次製品に変換させ
    る、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】 熱分解の際に変換されていない、一般
    式IIIの化合物を、無水酢酸と反応させることによっ
    て、蒸留法により分離可能な二次製品に変換させる、請
    求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
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