JP2000117041A - 乾燥剤 - Google Patents

乾燥剤

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JP2000117041A
JP2000117041A JP11063717A JP6371799A JP2000117041A JP 2000117041 A JP2000117041 A JP 2000117041A JP 11063717 A JP11063717 A JP 11063717A JP 6371799 A JP6371799 A JP 6371799A JP 2000117041 A JP2000117041 A JP 2000117041A
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desiccant
moisture
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permeable
dehumidifying
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JP11063717A
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Kikuo Tamaoki
起久男 玉置
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Sanwa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 雰囲気中から効果的に水分を除湿し、吸収し
た水分の放出を防止した乾燥剤を提供すること。 【解決手段】 乾燥剤は、除湿成分に対して保水成分を
40%の割合で添加した乾燥材料を、透湿防水性の材質
の膜部材、難透過性の材質の膜部材、及び/又は透湿度
1.6(g/m・24時間)を超えない材質の膜部材
を備えた包装材料内に封入している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内、倉庫等に設
置され、雰囲気中の過度の湿気を除湿する乾燥剤に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、マンション等のコンクリ
ート住宅、貨物輸送のための船体内倉庫等の通気性の良
くない場所の湿気を除去するために、除湿効果を有する
種々の乾燥剤が使用されている。
【0003】これらの乾燥剤は、一般に、吸湿性を有す
る化学物質を利用しており、塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム等の潮解性化合物を除湿成分としたものや、シ
リカゲル、ゼオライト等の多孔性吸湿物質等除湿成分と
したものを用いている。
【0004】前記除湿成分を主成分とした除湿剤は、雰
囲気中に存在する湿気を吸湿した後、吸湿した水分を保
持する工夫が成されている。
【0005】例えば、前記塩化カルシウム等の潮解性無
機化合物を除湿成分として用いた場合は、例えば、ポリ
ビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリ
エチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アル
ギン酸ナトリウム、天然ガム等の親水性ポリマーが添加
され、吸湿分の保持がなされている。
【0006】また、これらの除湿剤は、一般的に、雰囲
気中の水蒸気は透過するが、水は透過しないという、透
湿遮水性の袋体内に保持された形状に形成されている。
【0007】例えば、特開平3−169322号公報に
記載の発明は、少なくとも一部の透湿性遮水性膜で形成
された遮水性包材で囲まれた空間を透水可能な隔壁シー
トで複数の室に分割し、このうち少なくとも一つの室に
は、粉粒状の潮解性物質を収容し、他の室には、粉粒状
の高級水性樹脂を収容している。空気中の湿分は、遮水
性包材の透湿遮水性膜を経て、粉粒状の潮解性物質に吸
収され、湿分の吸収が進むにつれて生じる潮解液は、隔
壁シートを通って隣り合う室に入り、この隣り合う室に
収容されている高級水性樹脂に吸収されて蓄えられ、吸
湿がなされている。
【0008】その他、特開平5−68842号公報、特
開平5−68843号公報に記載の発明は、難透湿性フ
ィルムと、透湿性フィルムとで形成される袋体内に吸湿
薬剤を封入して当該透湿性フィルム面の前に保気保護材
を設けて除湿材を形成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記除湿剤は、雰囲気
中に含まれる水蒸気を前述した乾燥剤が吸湿すると、吸
湿した水分により、乾燥剤表面に結露が生じ、水分が滲
みだしてくるのを回避すべく、難透湿性フィルム等を用
いて形成されている。
【0010】しかし、温度や、湿度等の室内環境によっ
て、乾燥剤に吸湿した水分を保持することは困難であ
る。
【0011】また、乾燥剤により雰囲気中の水蒸気を吸
湿しても、乾燥剤と接触している保管物質、例えば、金
属等にさび等が発生したのでは、安全に物質を保管する
ことができない。
【0012】そこで、本発明は、吸湿した水分を乾燥剤
から放出することなく、効果的に雰囲気中の除湿を行う
ことの可能な乾燥剤を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載し
た発明は、塩化カルシウム等の潮解性化合物を用いた乾
燥剤であって、前記潮解性化合物を除湿成分として、前
記除湿成分量に対して、親水性ポリマー等の保水成分
を、40%の割合で添加し、前記除湿成分と保水成分か
らなる乾燥材料を、透湿防水性の膜部材内に封入した乾
燥剤である。
【0014】このように、塩化カルシウム等の潮解性化
合物を除湿成分として用いた場合に、親水性ポリマー等
の保水成分を、除湿成分に対して所定量、すなわち、4
0%の割合で添加することにより、吸湿した雰囲気中の
水分が再び結露等になって乾燥剤から滲みだすのを防止
している。
【0015】本願第2請求項に記載した発明は、塩化カ
ルシウム等の潮解性化合物を用いた乾燥剤であって、前
記潮解性化合物を除湿成分として、保水成分を所定割合
で添加し、前記除湿成分と保水成分からなる乾燥材料
を、少なくとも一方の面を難透過性物質による膜部材で
覆うとともに、他方を透湿防水性の膜部材で形成された
部材内に封入した乾燥剤である。
【0016】このように、乾燥材料を難透過性物質から
形成される部材で覆うことにより、吸湿した水分の放出
が防止される。従って、前記乾燥剤と他の物質(例え
ば、衣類、金属等)が接触している場合であっても、前
記乾燥剤表面から水分が放出しないため、乾燥剤と他の
物質が接触している場合であっても、乾燥剤表面に付着
する結露等によって、接触する物質の変質のおそれがな
く、効果的かつ安全に雰囲気中の除湿が行われる。
【0017】本願第3請求項に記載した発明は、塩化カ
ルシウム等の潮解性化合物を用いた乾燥剤であって、前
記潮解性化合物を除湿成分として、前記除湿成分量に対
して、新水性ポリマー等の保水成分を、40%の割合で
添加し、前記除湿成分と保水成分からなる乾燥材料を、
少なくとも一方の面を難透過性物質である膜部材で覆う
とともに、他方を透湿防水性の膜部材で形成された部材
内に封入した乾燥剤である。
【0018】このように、除湿成分に対して、所定量の
保水成分が添加されることにより、吸湿した水分を保持
し、また、前記除湿成分と保水成分とからなる乾燥材料
を難透過性物質の膜部材で覆うと、乾燥材料に吸湿され
た水分の放出が防止される。
【0019】一方、乾燥材料は、前記難透過性物質の膜
部材以外の部分を透湿防水性の膜部材内に封入されてい
るので、雰囲気中の水分を乾燥剤に吸湿できる。
【0020】前記請求項4記載の発明は、前記請求項1
乃至3いずれか記載の発明において、前記乾燥材料を封
入する包装材料は、難透過性の膜部材及び透湿防水性の
膜部材を備えた乾燥剤である。
【0021】このように、乾燥材料を包装する包装材料
として、難透過性の膜部材及び透湿防水性の膜部材を備
えた包装材料を用いると、例えば、他の物質と接触する
一部のみに難透過性の膜部材を用いることも可能であ
り、用途に応じて乾燥剤の形態を変化させることが可能
である。
【0022】また、例えば、前記膜部材が透明である
と、乾燥剤内部の状態を目視により観察することがで
き、吸湿状態を観察して、乾燥剤交換時の目安とするこ
とができる。
【0023】本願第5請求項に記載した発明は、除湿成
分及び保水成分からなる乾燥材料を包装材料に封入した
乾燥剤において、前記包装材料に、透湿度1.6(g/
・24時間)を超えない材質の膜部材を備えた乾燥
剤である。
【0024】乾燥材料の包装材料に、透湿度1.6(g
/m・24時間)を超えない材質の膜部材を備えた包
装材料を用いると、乾燥剤が雰囲気中から吸収した水分
を外部に放出する量が低減する。このため、例えば、乾
燥剤を金属物質に接触する状態で設置したとしても、乾
燥剤から放出する水分等と金属が反応して水酸化物等を
主体とする腐食生成物(さび)の発生が防止される。
【0025】本願第6請求項に記載した発明は、前記請
求項1乃至3いずれか記載の発明において、前記乾燥剤
は、前記乾燥材料を包装材料内に封入してなり、前記包
装材料は、透湿度1.6(g/m・24時間)を超え
ない膜部材を備えた乾燥剤である。
【0026】前述のように、潮解性化合物を除湿成分に
対して40%の割合で保水成分を添加した乾燥材料は、
乾燥剤に吸湿した水分を外部に滲み出すのを防止し、更
に、透湿度1.6(g/m・24時間)を超えない膜
部材を備えた包装材料で、前記乾燥材料を包装したた
め、乾燥剤に吸湿した水分等の外部放出を、より低減す
ることが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に本発明の具体例を図面に基
づいて説明する。
【0028】本発明の乾燥剤は、雰囲気中の水蒸気を効
率的に吸収するため、除湿成分として塩化カルシウムを
用いている。
【0029】塩化カルシウムは、潮解性であるため、雰
囲気中の水蒸気分が飽和量を吸収すると、塩化カルシウ
ム自体が溶解して、水分が発散するため、保水成分を添
加して用いている。
【0030】また、吸湿した水分を再び放出することな
く、乾燥剤に水分を保持するため、保水成分として、ポ
リアクリルアミド系の化合物を用いた。この保水成分を
前記除湿成分に添加すると、吸湿した雰囲気中の水分に
より、塩化カルシウムが潮解し、前記保水成分の作用に
よって乾燥材料がゼリー状となり、吸収した水分を乾燥
剤に保持する。
【0031】図1は、本発明の具体例である、一辺が開
放状態である乾燥剤の斜視図である。
【0032】図1に示すように、所定の大きさの矩形状
の前記透湿防水性のシート及び難透過性のシートからな
る二枚のシートの三辺を熱圧着して袋体を形成し、この
中に塩化カルシウム及びポリアクリルアミド系化合物を
所定量封入し、前記二枚のシートの残り一辺を熱圧着し
て乾燥剤を形成した。
【0033】本例においては、透湿防水性のシートとし
て、ポリプロピレンを用いた透湿防水性NRFシート
(トクヤマ社製)を包装材料として用いた。本例で用い
た透湿防止性のシートは、通気性を有し、かつ、内部に
封入する乾燥材料に吸収された水分によって生じる潮解
液や、ゼリー状の乾燥剤が飽和することによって生じた
水分を外部へ放出しにくい性質を有する。
【0034】また、難透過性シートとして、ポリエチレ
ンテレフタレートのシートに真空蒸着によって、酸化ア
ルミナを積層したシートを用いた。このシートは、水分
等を外部に透過しないため、乾燥剤表面に結露等を生じ
ない。
【0035】なお、乾燥材料の包装材料として、。透明
のシートを用いると、乾燥剤内部の形状を目視により観
察することができ、乾燥剤の吸湿状態を観察して、乾燥
剤交換時の目安とすることができる。すなわち、本例に
おいては、粉状固形物であった乾燥材料が、雰囲気中の
水分を吸収してゼリー状となるため、このゼリー状に変
化した状態を乾燥剤交換時の目安とすることができる。
【0036】次に、本例において除湿成分として用いた
塩化カルシウム量に対して、保水成分の添加量を定める
試験を行った。
【0037】試験方法として、庫内温度を30℃、湿度
90%RHの恒温恒湿庫内に、試験体を設置し、24時
間毎に前記試験体を庫内から取り出し、各試験体の重量
測定及び試験体の重さを測定した。
【0038】重量変化は、以下の式によって算出した。 (α)重量変化(g)=計測時の試験体の重量(g)−
試験体の初期重量(g) 恒温恒湿庫として、タバイエスペック(株)のPSL−
2F(W)型を用いた。本例に用いた恒温恒湿庫の寸法
は、内容量306リットル、庫内の温湿度調整幅とし
て、温度±0.3℃/±2.5%RH、温湿度分布とし
て、温度±0.5℃/3.0%RHに設定した。
【0039】本例においては、100gの塩化カルシウ
ムを除湿成分として用いた。また、前記重量の塩化カル
シウム100gに対して、25g(1)、30g
(2)、35g(3)、45g(4)、40g(5)の
保水成分となる物質を添加したものを、各重量における
サンプルとして、前記試験を行った。
【0040】図2は、塩化カルシウム100gに対し
て、各重量の保水成分を添加し、15日間、前記恒温恒
湿度試験により、各サンプルの重量変化を測定した結果
を示す図である。また、図3は、前記(1)乃至(5)
のサンプルの前記試験期間15日中の重量変化率を示す
図である。重量変化率は、以下の式によって算出した。
(β)重量変化率(%)=試験体の重量の増分(g)/
N(g)×100図2及び図3に示すように、サンプル
(4)及びサンプル(5)において、15日の試験期間
で、300g以上、300%以上の重量変化率が測定さ
れ、サンプル(5)に示すサンプル変化率が最も大きい
ことが確認できた。
【0041】また、前記結果から、本例の乾燥剤は、温
度30度、湿度90%RHの雰囲気中において、長期間
に渡って吸湿能力を持続することが確認できた。
【0042】従って、前記除湿成分に40g(40%W
/W)量若しくは割合で保水成分を添加したサンプル
(5)と他のサンプル(1)乃至(4)と比較すると、
サンプル(5)は、他のサンプル(1)乃至(4)と比
較して、多量の水分を効果的に吸収することが確認で
き、かつ、結露等の液漏れも生じていないことが確認で
きた。
【0043】次に、除湿成分に対して40g(40%W
/W)量若しくは割合で保水成分を添加した乾燥材料を
用いた乾燥剤と、従来用いていた無機系の吸着剤を用い
た乾燥剤の吸湿試験を行った。結果を図4に示す。
【0044】図4は、本例の乾燥剤及び従来の乾燥剤の
各相対湿度(%RH)に対する吸湿率(%)を示す図で
ある。
【0045】図4に示す結果から、湿度20℃の吸湿試
験において、本例の乾燥剤は、従来の乾燥剤と比較し
て、約10倍以上の高い吸湿率の有することが確認でき
た。
【0046】このように、本発明の乾燥剤は、従来の無
機系の乾燥材料を用いて乾燥剤と比較して、約10倍以
上の吸湿能力を示し、長期的な輸送・保管に用いた場合
であっても、安定した吸湿性を持続して、効果的な除湿
を行う。
【0047】次に、前記乾燥材料又は従来の乾燥材料を
後述する包装材料を用いた部材内部に封入し、金属板の
さびの発生状態を確認する試験を行った。
【0048】図5は、本例及び従来例の乾燥剤を用いて
試験を行う状態を示す図である。図5(a)は、透湿度
1.6(g/m・24時間)を超えない材質の膜部材
を用いた乾燥剤であり、図5(b)は、透湿度7.0
(g/m・24時間)の材質の膜部材を用いた乾燥剤
である。膜部材の透湿度は、JIS Z 0208の防
湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に基づいて測
定した。
【0049】図5に示すように、透湿度1.6(g/m
・24時間)を超えない膜部材を用いて形成した乾燥
剤A及び透湿度7.0(g/m・24時間)の膜部材
を用いて形成した乾燥剤Bの2つの乾燥剤A,Bに飽和
状態まで吸湿させた後、前記2つの乾燥剤A,Bを金属
板上に置き、前述した恒温恒湿庫内に7日間設置後、金
属板のさび発生状態を観察した。透湿度1.6(g/m
・24時間)を超えない材質の膜部材として、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート等を素材として用いた
ものがあげられる。恒温恒湿庫は、7日の間、30分ご
とに相対湿度(%RH)及び温度(℃)を測定して、庫
内温度を25℃、庫内湿度を50%RHに保った。な
お、前記試験と同一の試験を3回行って、再現性を確認
した。また、対称試験として、乾燥剤を設置しない金属
板を恒温恒湿庫内に7日間設置し、同様に金属板の状態
を観察した。また、試験開始前及び試験終了後、乾燥剤
A及び乾燥剤Bの重量の測定を行った。
【0050】図6に、前記乾燥剤A,Bを7日間恒温恒
湿庫内に設置した後の金属板の状態を示す。
【0051】図6(a)に示すように、透湿度1.6
(g/m・24時間)を超えない材質の膜部材で形成
した乾燥剤Aは、金属板上にほとんどさびの発生が確認
できなかった。
【0052】一方、図6(b)に示すように、透湿度
7.0(g/m・24時間)の材質の膜部材で形成し
た乾燥剤Bは、金属板上に、乾燥剤とほぼ同一範囲でさ
びXの発生が確認できた。
【0053】なお、乾燥剤Aは、7日間の試験終了後、
試験開始前と比較して約50%程度重量が軽減し、乾燥
剤Bは、試験終了後、試験開始前と比較して約70%の
重量が軽減していた。また、比較対象試験として、乾燥
剤A,Bを設置せずに同様の条件で7日間、恒温恒湿庫
内に設置した金属板上には、さびの発生は確認できなか
った。
【0054】前記結果から、透湿度1.6(g/m
24時間)を超えない材質の膜部材で乾燥剤を形成する
と、乾燥剤から水分等の放出が防止される。従って、乾
燥剤と金属物質等が接触している場合であっても、乾燥
剤から放出される水分等がないため、金属が反応して水
酸化物等を主体とする腐食生成物(さび)の発生が防止
されることが確認できた。
【0055】前述した除湿成分に対して40%の割合で
保水成分を添加した乾燥材料を前記透湿度1.6(g/
・24時間)を超えない材質の膜部材内に封入して
乾燥剤を形成すると、乾燥剤に吸湿した水分等の放出
を、より低減することが可能となり、安全に雰囲気中の
除湿が行われる。
【0056】本例のように、透湿度1.6(g/m
24時間)を超えない材質の膜部材を用いて乾燥剤を形
成すると、例えば、前述のように難透過性の材質を用い
ることができない場合に、利便性が向上する。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、塩化カ
ルシウム等の潮解性化合物を用いた乾燥剤であって、前
記潮解性化合物を除湿成分として、前記除湿成分量に対
して、親水性ポリマー等の保水成分を、40%の割合で
添加し、前記除湿成分と保水成分からなる乾燥材料を、
透湿防水性の膜部材内に封入した乾燥剤である。
【0058】このように、塩化カルシウム等の潮解性化
合物を除湿成分として用いた場合に、親水性ポリマー等
の保水成分を、除湿成分に対して所定量、すなわち、4
0%の割合で添加することにより、吸湿した雰囲気中の
水分が再び結露等になって乾燥剤から滲みだすのを防止
している。従って、前記乾燥剤と他の物質(例えば、衣
類、金属等)が接触している場合であっても、前記乾燥
剤表面から水分が放出しないため、従来において問題と
なっていた乾燥剤表面に付着する結露等による変質のお
それがなく、安全に雰囲気中の除湿が行われる。
【0059】また、前記乾燥剤は、除湿成分及び保水成
分からなる乾燥材料を内部に封入する包装材料として、
透湿度1.6(g/m・24時間)を超えない材質の
膜部材を備えた膜部材を用いて乾燥剤を形成すると、前
記乾燥剤が雰囲気中から吸収した水分を外部に放出する
量が低減する。このため、例えば、乾燥剤を金属物質に
接触する状態で設置したとしても、乾燥剤から放出する
水分等と金属が反応して水酸化物等を主体とする腐食生
成物(さび)の発生が防止される。従って、潮解性化合
物を除湿成分に対して40%の割合で保水成分を添加し
た乾燥材料は、乾燥剤に吸湿した水分を外部に滲み出す
のを防止し、更に、透湿度1.6(g/m・24時
間)を超えない膜部材を備えた包装材料で、前記乾燥材
料を包装したため、乾燥剤に吸湿した水分等の外部放出
を、より低減することができ、安全性の高い乾燥剤を提
供できる。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、雰囲気中の水分吸湿前
の乾燥剤の一部断面を示す斜視図である。
【図2】本発明の具体例に係り、所定期間、恒温恒湿度
試験を行った場合の各乾燥剤サンプルの重量変化を示す
図である。
【図3】本発明の具体例に係り、所定期間、恒温高湿度
試験を行った場合の各乾燥剤のサンプルの重量変化率を
示す図である。
【図4】本発明の具体例に係り、本発明の乾燥剤と従来
の乾燥剤の相対湿度に対する吸湿率の変化を示す図であ
る。
【図5】本発明の具体例に係り、(a)は、金属板上に
透湿度1.6(g/m・24時間)を超えない材質の
膜部材を用いて形成した乾燥剤Aを設置した状態を示
し、(b)は、同一の金属板上に透湿度7.0(g/m
・24時間)の材質の膜部材を用いて形成した乾燥剤
Bを設置した状態を示す図である。
【図6】本発明の具体例に係り、乾燥剤A及び乾燥剤B
を金属板上に設置して、恒温恒湿庫内で7日間経過後、
乾燥剤A及び乾燥剤Bと接触していた金属板表面の状態
を示し、(a)は、乾燥剤Aが設置されていた範囲であ
り、(b)は、乾燥剤Bが設置されていた範囲である。
【符号の説明】
1 透湿遮水性膜 2 難透過性膜 3 乾燥材料 4 乾燥剤 A 乾燥剤 B 乾燥剤 X さび

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化カルシウム等の潮解性化合物を用い
    た乾燥剤であって、 前記潮解性化合物を除湿成分として、前記除湿成分量に
    対して、親水性ポリマー等の保水成分を40%の割合で
    添加し、 前記除湿成分と保水成分からなる乾燥材料を、透湿防水
    性の膜部材内に封入したことを特徴とする乾燥剤。
  2. 【請求項2】 塩化カルシウム等の潮解性化合物を用い
    た乾燥剤であって、 前記潮解性化合物を除湿成分として、保水成分を所定割
    合で添加し、 前記除湿成分と保水成分からなる乾燥材料を、少なくと
    も一方の面を難透過性物質による膜部材で覆うととも
    に、他方を透湿防水性の膜部材で形成された部材内に封
    入したことを特徴とする乾燥剤。
  3. 【請求項3】 塩化カルシウム等の潮解性化合物を用い
    た乾燥剤であって、 前記潮解性化合物を除湿成分として、前記除湿成分量に
    対して、親水性ポリマー等の保水成分を、40%の割合
    で添加し、 前記除湿成分と保水成分からなる乾燥材料を、少なくと
    も一方の面を難透過性物質による膜部材で覆うととも
    に、他方を透湿遮水性の膜部材で形成された部材内に封
    入したことを特徴とする乾燥剤。
  4. 【請求項4】 前記乾燥材料を封入する包装材料は、難
    透過性の材質の膜部材及び透湿防水性の材質の膜部材を
    備えていることを特徴とする前記請求項1乃至3いずれ
    か記載の乾燥剤。
  5. 【請求項5】 除湿成分及び保水成分からなる乾燥材料
    を包装材料に封入した乾燥剤において、 前記包装材料に、透湿度1.6(g/m・24時間)
    を超えない材質の膜部材を備えたことを特徴とする乾燥
    剤。
  6. 【請求項6】 前記乾燥剤は、前記乾燥材料を包装材料
    内に封入するものであって、 前記包装材料は、透湿度1.6(g/m・24時間)
    を超えない材質の膜部材を備えたことを特徴とする前記
    請求項1乃至3いずれか記載の乾燥剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104296292A (zh) * 2014-10-17 2015-01-21 中山市蓝水能源科技发展有限公司 一种湿帘式水蓄冷制冷系统中的除湿装置
WO2019065605A1 (ja) * 2017-09-28 2019-04-04 大陽日酸株式会社 金属造形物の製造装置及び金属造形物の製造方法
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