JP2000116977A - 乾燥装置を備えた洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥の進行具合が外部から目視で確認できる
全自動洗濯乾燥機を提供することを目的とする。 【解決手段】 筐体１５とその筐体１５内部に複数のサ
スペンション１６で支持された受け筒１７、モータ部１
８、前記受け筒１７内部の洗濯兼脱水槽１９、送風機２
２、発熱ヒータ２３、温風路２４等で構成され、送風機
２２と発熱ヒータ２３による温風は、送風機２２、発熱
ヒータ２３、温風路２４、洗濯兼脱水槽１９、熱交換部
２１、送風機２２と、循環する通路を形成すると共に、
その一部の温風路２４は、透明部材で成り、筐体１５の
外部から見えるようになっていて、乾燥行程時には、上
記の透明な温風路２４の内部の曇り具合により、被乾燥
物の乾燥の度合いを目視で確認することが可能となり、
好みに応じた乾燥状態で被乾燥物を取り出すことが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗濯物の乾燥装置を
備えた洗濯機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】新しい全自動洗濯乾燥機として、図６に
示す構成のものがある。図６に基づいて比較例を説明す
る。１５は全自動洗濯乾燥機の筐体で、１７は受け筒で
ある。１６は、前記受け筒１７を上記筐体１５から懸垂
防振支持するサスペンションである。４は中空で二軸構
造となった洗濯・脱水軸であり、５は洗濯又は脱水時に
より回転力の伝達を洗濯・脱水軸に切り替えるクラッ
チ、１９は洗濯兼脱水槽、７は洗濯兼脱水槽に設けた流
体バランサーである。８は上記受け筒１７の底部に設け
たモータ、９は洗濯兼脱水槽の中央底部に設けたパルセ
ータで、その外周部には傾斜面が設けてあり、形は鍋型
の形状をしている。１０は前記パルセータ９の中央部か
ら外周部の傾斜面を通り、ほぼ外周に至る放射状に複数
本形成したリブ状翼である。１１は排水コック、１２は
温風送風手段であり、１３は、温風を上記洗濯兼脱水槽
１９内に送り込む伸縮自在チューブであり、２１は、熱
交換部である。

【０００３】以上のように構成された全自動洗濯乾燥機
について、その動作を以下に説明する。洗濯は、洗濯兼
脱水槽１９に衣類と水及び洗剤を投入し、伝達機構部の
クラッチ５を洗濯側に設定して、モータ８の動力を洗濯
軸を介しパルセータ９に伝達し、前記パルセータ９が回
転することで、衣類が前記パルセータ９のリブ状翼１０
に引っかかり水中を回転させられることにより進行す
る。

【０００４】脱水は、洗濯終了後、洗濯兼脱水槽１９内
の水を排水コック１１を開き排水した後、伝達機構部の
クラッチ５を脱水側に切り換えて、モータ８の動力で脱
水軸を介し洗濯兼脱水槽１９を回転させ、遠心力により
水分を洗濯物から分離することで進行する。

【０００５】乾燥は、まず、パルセータ９の回転によ
り、脱水時の遠心力により洗濯兼脱水槽１９の内壁に張
り付いた衣類を剥がしつつ、前記洗濯兼脱水槽１９内で
上下に撹乱する。その状態で、温風送風手段１２より温
風を伸縮自在チューブ１３を通して洗濯兼脱水槽１９内
に吹き込む。この温風により、被乾燥物の水分をとり、
その後熱交換部２１を通過しつつ除湿を行い、気流は、
再び温風送風手段１２に戻ることにより、乾燥が進行す
るものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記の構成による乾燥
の完了は、通常センサにより自動的に判定するものであ
るが、この場合には、被乾燥物の適当な乾燥状態、たと
えば、少し湿り気を残した状態として、アイロン掛けに
移るといったことは、困難であった。

【０００７】また、乾燥の為の温風の被乾燥物への当た
り方も効率の良いものとは言えなかった。

【０００８】本発明は上記課題を解決するためのもので
あり、適当なタイミングで乾燥を中止し、被乾燥物を取
り出す判断が可能となる乾燥装置を備えた洗濯機とする
事を目的とする。

【０００９】また、被乾燥物に当たる温風が効率よく洗
濯槽内を流れる様な構成とした乾燥装置を備えた洗濯機
とする事を目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明は、被乾燥物を乾燥する機能を果す温風の循
環経路である温風路２４に透明部を設け、筐体１５の外
部から温風の様子が見える構成としたものでる。これに
より、乾燥の様子が、透明部を通して確認でき、好みに
応じて乾燥を中止することが可能とすることが出来る。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明は、乾燥装置を備えたあら
ゆる型式の洗濯機に係るものであって、例えばパルセー
タによる噴流式、撹拌翼による撹拌式、ポンプ水流によ
るポンプ式、回転ドラムによるドラム式、水流を上方よ
り注水する遠心力式などを含む洗濯方式に特定すること
なく実施できるものである。

【００１２】そして、本発明は各請求項に記載された構
成を実施形態とすることができるのであるが、この実施
形態の項では実施し易い一形態を説明することとする。

【００１３】本発明の請求項１記載の発明は、例えば筐
体１５と、筐体内部に複数のサスペンション１６で支持
された受け筒１７と、この受け筒内部に脱水軸によって
回転自在に支持された洗濯兼脱水槽１９と、前記洗濯兼
脱水槽１９の上部に設けた流体バランサーと、前記洗濯
兼脱水槽底部に設けた鍋型の形状を有するパルセータ
と、前記パルセータを取り付けた洗濯軸と、前記洗濯軸
に連結し、前記受け筒１７に固定されたモータと、前記
洗濯兼脱水槽内に温風を吹き込む送風手段と、発熱ヒー
タ２３とを備え、前記洗濯兼脱水槽１９、送風機２２及
びヒータ間を循環するように温風路２４を構成し、前記
温風路２４には透明部を設けて、前記筐体１５の外部よ
り、前記透明部が見えるようにすることによって実施す
ることができる。

【００１４】本発明の請求項２記載の発明は、請求項１
に記載の乾燥装置を備えた洗濯機の上部蓋を透明とし
て、洗濯兼脱水槽内部が見通せる構成とすることにより
実施し得る。

【００１５】本発明の請求項３記載の発明は、請求項２
記載の透明の蓋３３を、耐熱ガラスで構成して、乾燥時
の異常発熱が、外部に及ぶことを防止できるようにして
実施することができる。

【００１６】本発明の請求項４記載の発明は、請求項１
記載の上部の蓋３３を半球状のドーム状にして、洗濯兼
脱水槽内で温風の循環をスムースなものとして効率の良
い乾燥を得る乾燥装置を備えた洗濯機とすることができ
る。

【００１７】本発明の請求項５記載の発明は、請求項４
記載のドーム状の蓋３３の内球面に向けて、温風を吹き
付ける構成とし、洗濯兼脱水槽内で温風が、上部から下
部へ向けてスムースに行き渡るようにして、効率の良い
乾燥を実現する乾燥装置を備えた洗濯機として実施でき
るものである。

【００１８】以下により具体的な実施例について説明す
る。

【００１９】

【実施例】（実施例１）本発明の実施例１について図１
に基づいて説明する。

【００２０】図１において、１５は筐体であり、その内
部には、複数のサスペンション１６で前記筐体１５から
懸垂支持された受け筒１７が設置してある。１８はその
内部に洗濯・脱水軸と、洗濯又は脱水時により回転力の
伝達を洗濯軸と脱水軸に切り換えるクラッチ及び、回転
を伝えるメカニズムを含むモータ部１８であり、前記受
け筒１７の下部に固定されている。前記受け筒１７内部
には、洗濯兼脱水槽１９等が設けられている。前記受け
筒１７の下部から、伸縮自在ホース２０を介して熱交換
部２１へと通路を構成し、前記熱交換部２１の出口は、
送風機２２の入り口３４へと続いている。前記送風機２
２の出口は、発熱ヒータ２３へと続き、その後、温風路
２４を通じて、前記洗濯兼脱水槽１９へと、循環する構
成としている。２５は、洗濯兼脱水槽１９の中蓋であ
り、２６は、前記中蓋２５に取り付けられている伸縮自
在の蛇腹を伴った温風噴出孔であり、２７は、筐体蓋で
ある。前記温諷路２４は、透明部材で構成され、その上
部は、筐体蓋２７の外に面し、外部から観ることが可能
となっている。

【００２１】次に本実施例の動作について説明する。洗
濯から脱水までは、洗濯兼脱水槽１９に衣類を投入して
通常の自動洗濯機の動作により進行する。その後、乾燥
工程に移るのであるが、送風機２２の送風と発熱ヒータ
２３の発熱により、温風を温風路２４を通って洗濯兼脱
水槽１９へと送り込み、洗濯物の水分を採った後、伸縮
自在ホース２０を通過後、熱交換部２１へと至り、その
内部で、除湿した後、送風機２２へと戻るものである。

【００２２】乾燥が進むにつれて、循環空気の中の湿り
具合が減っていくため、温風路２４内部の結露度、すな
わち、外部から見える透明の温風路２４の曇り具合が変
化していく。その曇り具合により、被乾燥物の乾燥度合
いを判断でき、都合の良い程度の乾燥具合（例えば、生
乾きの状態でアイロン掛けをしたい時など）で洗濯物を
取り出すことが可能となる。

【００２３】（実施例２）本発明の実施例２について図
２に基づいて説明する。

【００２４】本実施例の内容の中で、実施例１と共通の
ものは、同じ図と、同じ符号を使用し、ここでは、実施
例１とは違った内容の部分のみについて記載する。即
ち、図２において、２８は温風路であり、伸縮自在の蛇
腹を伴った温風噴出孔２９を介して、中蓋３０へと通じ
ている。３１は、筐体蓋である。これら中蓋３０と、筐
体蓋３１は、透明の材料で構成されている。

【００２５】以下に本実施例の動作について説明する。
動作についても、実施例１と共通の部分もあるので、本
実施例に特徴的な内容のみについて記す。即ち、本実施
例のものは、中蓋３０と、筐体蓋３１が透明部材で出来
ているので、乾燥の進行中に、洗濯物の動き、乾燥度合
いなどを、筐体蓋３１を通じて確認することが可能とな
っている。乾燥が進むにつれて、循環空気の中の湿り具
合が減っていくため、洗濯兼脱水槽１９内部の結露度、
すなわち、外部から見える透明の中蓋３０の内部の曇り
具合が変化していく。従って、その曇り具合により、乾
燥度合いを判断でき、良い程度の乾燥具合（例えば、生
乾きの状態でアイロン掛けをしたい時など）で洗濯物を
取り出すことが可能となる。

【００２６】（実施例３）本発明の実施例３について図
３に基づいて説明する。

【００２７】実施例２と同様に、本実施例の内容の中
で、実施例２と共通のものは、同じ図と、同じ符号を使
用し、ここでは、実施例２とは違った内容の部分のみに
ついて記載する。即ち、図３において、３２は、洗濯兼
脱水槽１９の耐熱ガラス製の中蓋である。

【００２８】以下に本実施例の動作について説明する。
動作については、蓋３３が透明であることについては、
実施例２と共通であるので、本実施例に特徴的な内容の
みについて記す。即ち、洗濯兼脱水槽１９の内部で、異
常な高温となり発火に至るような場合には、その火災が
中蓋３２を通して外部に及ぶのを防ぐものである。

【００２９】（実施例４）本発明の実施例４について図
４に基づいて説明する。

【００３０】実施例２と同様に、本実施例の内容の中
で、実施例１と共通の部分は、同じ図と、同じ符号を使
用し、ここにおいては、実施例１とは違った内容の部分
のみについて記載する。即ち、図において、３３は、半
球面状のドーム状の蓋３３である。３４は、洗濯兼脱水
槽１９の入り口であり、ここには蓋３３は設けられてい
ない。

【００３１】以下に本実施例の動作について説明する。
動作については、基本的な所については、実施例１と共
通であるので、本実施例に特徴的な内容の部分について
記す。即ち、筐体１５の蓋３３がドーム状であることか
ら、洗濯兼脱水槽１９の内部で、半球状の面に沿って御
風が循環しやすい形状となっている。そのため、温風が
洗濯兼水槽１９の内部を充分に循環し、これにより乾燥
が促進される。

【００３２】（実施例５）本発明の実施例５について図
５に基づいて説明する。

【００３３】本実施例の内容は、前記の実施例４と共通
の構成をしている部分もあるので、前記の実施例と同様
に、本実施例の内容の中では、実施例４と共通のもの
は、同じ図と、同じ符号を使用し、ここでは、実施例４
とは違った内容の部分のみについて記載する。即ち、図
において、３５は、温風の吹き出し口であり、これは、
半球状のドーム形状蓋３６の内面に向けて、上方を向い
た形で設定されている。３７は洗濯兼脱水槽１９の入り
口であり、ここには蓋３３は設けられていない。

【００３４】以下に本実施例の動作について説明する。
動作については、基本的な所については、実施例４と共
通であるので、本実施例に特徴的な内容の部分について
記す。即ち、筐体１５のドーム状蓋３６の内面に向けて
温風を上向けに吹き出し口３５から吹き付けることにな
るので、温風は、ドーム形状に沿って均一化されて洗濯
兼脱水槽１９の内部へと入り口３７を通って入ってい
く。このため、洗濯兼脱水槽１９の内部では温風が均一
に分布され、これにより乾燥が極めて効率よく促進され
る。

【００３５】

【発明の効果】上記説から明らかなように、請求項１記
載の発明によれば、乾燥のための温風路２４に透明部を
設けて、筐体１５の外部より見えるようにしたことによ
り、その透明部の曇り具合から被乾燥物の乾燥の程度を
判断することが可能となり、好みの乾燥状態を判断して
乾燥物を取り出すことが可能になる。

【００３６】又、請求項２記載の発明によれば、筐体１
５の蓋３３、及び、洗濯兼脱水槽１９の蓋３３を透明部
材で構成することにより、乾燥中の被乾燥物の様子を窺
うことが可能となり、被乾燥物の乾燥度合い、からみ具
合、等を目視で確認することができ、これにより、被乾
燥物を好みに応じて取り出すことが可能になる。

【００３７】更に、請求項３記載の発明によれば、洗濯
兼脱水槽１９の蓋３３を、透明な耐熱ガラス製とするこ
とにより、乾燥中の被乾燥物の様子を窺うことが可能と
なると共に、万が一被乾燥物が発火に至る様な場合、耐
熱ガラスに阻まれ、外部へは火災が及ばないと云う効果
がある。

【００３８】そして、請求項４記載の発明によれば、筐
体上部の蓋３３を半球状のドーム形態にすることによ
り、洗濯兼脱水槽内で乾燥中の気流は、ドーム状のスム
ースな形態に沿い対流がスムースになり、これにより乾
燥が効率よく進む。

【００３９】さらに、請求項５記載の発明によれば、温
風を、筐体上部に設けた半球状のドーム形態の蓋の内面
に向けて吹き付けることにより、温風は、ドーム内面に
沿って全体に拡がり、洗濯兼脱水槽内に満遍なく行き渡
ることになる。これにより乾燥中の気流は、対流がスム
ースになり、乾燥が極めて効率よく進む。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における乾燥装置を備えた洗
濯機の傾斜図

【図２】本発明の実施例２における乾燥装置を備えた洗
濯機の傾斜図

【図３】本発明の実施例３における乾燥装置を備えた洗
濯機の傾斜図

【図４】本発明の実施例４における乾燥装置を備えた洗
濯機の傾斜図

【図５】本発明の実施例５における乾燥装置を備えた洗
濯機の傾斜図

【図６】比較例における全自動洗濯乾燥機の側断面図

【符号の説明】

１５ 筐体１５ １７ 受け筒１７ １８ モータ部１８ １９ 洗濯兼脱水槽１９ ２１ 熱交換部２１ ２２ 送風機２２ ２３ 発熱ヒータ２３ ２４、２８ 温風路２４ ２５ 中蓋２５ ２６、２９ 温風噴出孔２６ ２７、３１ 筐体蓋２７ ３０、３２ 中蓋３０ ３３ 蓋３３ ３５ 吹き出し口３５

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 祥史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松田 眞一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Ｆターム(参考） 3B155 AA16 CB47 CB52 CB53 CB55 DA05 HB09 MA01 MA02 MA03

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯機の筐体内部に、投入した洗濯物を
   洗濯するための駆動力を発生するモータ部と、発熱ヒー
   タと、送風機と、熱交換部とを具備し、洗濯物の乾燥時
   には前記発熱ヒータで熱せられた温風が、前記送風機に
   よる送風で、被乾燥物と、発熱ヒータ及び送風機の間
   を、閉じられた状態で循環する温風路を形成し、前記温
   風路には透明部を設け、前記透明部が筐体外部から見え
   る構成としたことを特徴とする乾燥装置を備えた洗濯
   機。
2. 【請求項２】 筐体の上部に設けた洗濯物を投入する蓋
   を透明にしたことを特徴とする請求項１記載の乾燥装置
   を備えた洗濯機。
3. 【請求項３】 筐体の上部に設けた洗濯物を投入する中
   蓋を透明の耐熱ガラスで構成したことを特徴とする請求
   項２記載の乾燥装置を備えた洗濯機。
4. 【請求項４】 筐体の上部に設けた洗濯物を投入する蓋
   を半球状のドーム形態としたことを特徴とする請求項１
   記載の乾燥装置を備えた洗濯機。
5. 【請求項５】 筐体の上部に設けた洗濯物を投入する蓋
   を半球状のドーム形態とし、乾燥用の温風を前記ドーム
   の内球面に向けて吹き付ける構成としたことを特徴とす
   る請求項４記載の乾燥装置を備えた洗濯機。