JP2000115546A - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2000115546A
JP2000115546A JP10288438A JP28843898A JP2000115546A JP 2000115546 A JP2000115546 A JP 2000115546A JP 10288438 A JP10288438 A JP 10288438A JP 28843898 A JP28843898 A JP 28843898A JP 2000115546 A JP2000115546 A JP 2000115546A
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JP10288438A
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Toshiyuki Kobayashi
俊之 小林
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密着型イメージセンサ(CIS)を用いたフ
ラットベットタイプで、ブック原稿等の浮き部分があっ
ても焦点ぼけや黒潰れが発生することのない画像読取装
置を提供する。 【解決手段】 原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地
読み取り出力値が変化した場合は、その変化に応じてA
/D変換部12へ入力するリファレンス電圧をRef電
圧制御部15で変更するか、あるいは画像処理部14で
シェーディング補正後にオフセット電圧を加算する。ま
た、その変化に応じてMTF補正に用いるパラメータの
値を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イメージセンサを
用いたスキャナ、ディジタル複写機等の画像読取装置に
関し、特にブック原稿の読み取りが可能なフラットベッ
トタイプの画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の画像読取装置においては、図2
(a)のようにCCD(Charge CoupledDevice)202
からなるイメージセンサと縮小レンズ201を用いた縮
小型光学読取方式、あるいは図2(b)のようにより安
価な密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Se
nser)204とセルフォックレンズ203を用いた等倍
結像読取方式が採用されている。
【0003】前記縮小型光学読取方式では、縮小レンズ
201を介して原稿画像面からの反射光をCCD受光素
子面上に結像する構成であるため、光路が長く焦点深度
が深い。従って、図3(a)に示すように白色基準を高
さ方向に上昇させた際のMTF特性が優れているだけで
なく、図4(a)に示すように白色基準を高さ方向に上
昇させた際の高さ方向の読み取り出力の変化も少ない。
よって、立体物や厚手の原稿(例えばブック原稿)のよ
うな3次元の読取対象についても文字部分の解像力及び
陰影の濃淡がある程度再現される。
【0004】一方、等倍結像読取方式では、安価なCI
Sを用いて読取部ユニットを小型・低価格化することが
できるが、光路が短く焦点深度が浅いので、図3(b)
に示すように白色基準を高さ方向に上昇させた際のMT
F特性が劣り、図4(b)に示すように白色基準を高さ
方向に上昇させた際の高さ方向の読み取り出力の変化も
大きくなる。従って、ブック原稿のような読取対象が適
正読取位置から外れると解像力が顕著に低下し、読み取
り出力が大きく変化(低下)する。例えば、図5(a)
に示すようにCISを用いた等倍結像読取方式でフラッ
トベットタイプの読取部ユニット502を有する画像読
取装置500によってブック原稿501を読み取る際、
図5(b)に示すようにブック原稿501の閉じ代部
(浮き部分)がコンタクトガラス503の載置面から浮
き上がっていると、その浮き部分についての解像力が低
下し、図6に示すような焦点ぼけ画像A,Bや黒潰れ画
像Cが発生し、しかもこれらの部分では印字出力やトナ
ーを無駄に消費することになる。
【0005】なお、特開平2−109460号公報に記
載された装置では、画情報信号をリアルタイムで読み取
りその出力レベルが所定の適正値となるように、蓄積時
間と搬送モータの搬送速度を変化させ、光源の立上り特
性の補正や出力変更を行うようにしている。この方式に
よれば、ブック原稿の読み取りに際して読み取り出力が
低下している浮き部分の出力レベルを上げることが可能
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平2−109460号公報に記載された装置では、搬
送速度を変化させることで読み取り速度が低下したり、
あるいは蓄積時間を変化させる制御が必要になるので、
構成が複雑になるという問題がある。さらに、CISの
光路が短く焦点深度が浅いことによる焦点ぼけについて
は配慮がなされていないので、ブック原稿の浮き部分の
出力画像の解像度の劣化を防止することは困難である。
【0007】本発明の目的は、このような問題点を改善
し、CISを用いたフラットベットタイプで、ブック原
稿等の浮き部分があっても焦点ぼけや黒潰れが発生する
ことのない画像読取装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、密着型イメージセンサを用
いたフラットベットタイプの画像読み取り装置であっ
て、密着型イメージセンサの出力に対してアナログ/デ
ィジタル変換を行うA/D変換手段と、該A/D変換手
段がアナログ/ディジタル変換を行う際に基準として用
いるリファレンス電圧を制御するリファレンス電圧制御
手段と、アナログ/ディジタル変換後の密着型イメージ
センサ出力に対してMTF補正を行うMTF補正手段
と、を備え、原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地読
み取り出力値が変化した場合は、該出力値の変化に応じ
てリファレンス電圧を変更すると共に、MTF補正に用
いるパラメータの値を変更するようにしたことを特徴と
する。
【0009】好ましくは、前記原稿のプレスキャン時に
おける密着型イメージセンサの出力分布を記憶する記憶
手段を備え、原稿読み取り前にプレスキャンを行い、プ
レスキャン時における密着型イメージセンサの出力分布
に基づき、原稿の白地読み取り出力値が変化する範囲に
ついては、リファレンス電圧を変更すると共にMTF補
正に用いるパラメータの値を変更するようにしたことを
特徴とする。
【0010】また、好ましくは、前記リファレンス電圧
制御手段は、A/D変換手段のLOW側のリファレンス
電圧を制御し、原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地
読み取り出力値が低下した場合は、該出力値の低下に応
じて前記LOW側のリファレンス電圧を降下させると共
に、MTF補正を強めるにように前記パラメータの値を
変更するようにしたことを特徴とする。
【0011】また、好ましくは、前記リファレンス電圧
制御手段は、A/D変換手段のHIGH側のリファレン
ス電圧を制御し、原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白
地読み取り出力値が低下した場合は、該出力値の低下に
応じて前記HIGH側のリファレンス電圧を降下させる
と共に、MTF補正を強めるにように前記パラメータの
値を変更するようにしたことを特徴とする。
【0012】前記目的を達成するため、請求項5記載の
発明は、密着型イメージセンサを用いたフラットベット
タイプの画像読み取り装置であって、密着型イメージセ
ンサの出力に対してアナログ/ディジタル変換を行うA
/D変換手段と、アナログ/ディジタル変換後の密着型
イメージセンサ出力に対してオフセット電圧を加算する
オフセット加算手段と、オフセット電圧加算後の密着型
イメージセンサ出力に対してMTF補正を行うMTF補
正手段と、を備え、原稿読み取り中に原稿の所定範囲の
白地読み取り出力値が変化した場合は、該出力値の変化
に応じてオフセット電圧レベルを変更すると共に、MT
F補正に用いるパラメータの値を変更するようにしたこ
とを特徴とする。
【0013】好ましくは、前記原稿のプレスキャン時に
おける密着型イメージセンサの出力分布を記憶する記憶
手段を備え、原稿読み取り前にプレスキャンを行い、プ
レスキャン時における密着型イメージセンサの出力分布
に基づき、原稿の白地読み取り出力値が変化する範囲に
ついては、オフセット電圧レベルを変更すると共にMT
F補正に用いるパラメータの値を変更するようにしたこ
とを特徴とする。
【0014】また、好ましくは、前記原稿読み取り中に
原稿の所定範囲の白地読み取り出力値が低下した場合
は、該出力値の低下に応じてオフセット電圧レベルを上
げると共に、MTF補正を強めるにように前記パラメー
タの値を変更するようにしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面を用いて説明する。 [第1の実施の形態]図1、図7、図8は本実施形態の
画像読取装置の要部ブロック図である。本実施形態の画
像読取装置1は、CIS11、CPU17の他に、RA
M13、A/D変換部(A/D変換手段)12、画像処
理部14、リファレンス電圧制御部(Ref電圧制御部
=リファレンス電圧制御手段)15、CIS制御部16
を備えている。なお、光源、光源点灯装置、各種センサ
処理部、及びこれらの駆動回路等は図示していない。ま
た、画像読取装置1では、ブック原稿を含む原稿を読み
取るに当り、読み取り濃度の基準となる白色部材(図示
せず)を読み取る。この際、CPU17は光源を点灯さ
せると共に駆動モータ(図示せず)を制御して白色部材
の読取位置にキャリッジを移動させ、所定のスピードに
てキャリッジを副走査方向に動かしながら読み取ってい
く。そして、光源から原稿と白色部材に照射した光の反
射光をCIS11に導入して読み取り、白色部材の読取
画素毎のレベル値に基づいて原稿の読取画素を2値化す
るための閾値を補正するようになっている。
【0016】CIS制御部16は、CPU17の制御下
で前記光源のON/OFF信号やCIS11の動作タイ
ミング信号等を生成・送信することによってCIS11
の動作を制御する。CIS11は、CIS制御部16に
て生成されたタイミング信号あるいは制御信号(光源の
ON/OFF信号)により動作し、受光量に応じた電圧
を出力する。なお、CIS11は安価であり装置の小型
化に好適であるが、CIS11を用いた等倍結像読取方
式ではブック原稿等の浮き部分で焦点ぼけや受光量の著
しい低下による黒潰れが発生するという特性を有する。
【0017】A/D変換部12は、CIS11の出力を
A/D変換して画像処理部14に入力するが、変換精度
を高めるために所定のリファレンス電圧(Vref+)
及びリファレンス電圧制御部15によって変更設定され
たリファレンス電圧(Vref−)を入力することによ
って、多大なオフセット分のカット、信号成分の増幅等
を行う。
【0018】リファレンス電圧制御部15は、図7に示
すようにA/D変換時のLOW側(−)のリファレンス
電圧(Vref−)を任意に変化させるための2個のス
イッチSW1、SW2を有する。このスイッチSW1は
トランジスタtr1のベースに接続されそのトランジス
タtr1のエミッタには抵抗R1が接続される。一方、
スイッチSW2はトランジスタtr2のベースに接続さ
れそのトランジスタtr2のエミッタには抵抗R2が接
続される。なお、トランジスタtr1、tr2のコレク
タには電圧VDDが供給されると共に、エミッタ側の抵
抗R1、R2とコレクタ側が接続されている。従って、
スイッチSW1、SW2の何れをON状態とするかによ
ってリファレンス電圧(Vref−)が変化し、スイッ
チSW1のみをON状態にすると「Vref−1」が印
加されて、トランジスタtr1のエミッタ及び抵抗R1
を通り「Vref−1」を示す信号がA/D変換部12
に入力され、スイッチSW2のみをON状態にすると
「Vref−2」が印加されて、トランジスタtr2の
エミッタ及び抵抗R2を通り「Vref−2」を示す信
号がA/D変換部12に入力される。さらに、スイッチ
SW1、SW2の両方をON状態とした場合には最も高
いリファレンス電圧が印加される。
【0019】画像処理部14は、図8に示すように暗出
力補正部141、シェーディング補正部142、ピーク
レベル検出部143、MTF補正部(MTF補正手段)
144を有し、A/D変換部12、RAM13及びシス
テムバス(アドレスバス、データバス、コントロールバ
スを含む)18に接続される。このA/D変換部12に
てディジタル化された読取データ(V1i)は、暗出力
補正部141を介してシェーディング補正部142に入
力される。
【0020】シェーディング補正部142では、図示し
ない白色部材の読取データを主走査の各画素に付いて副
走査方向の平均値をRAM13に格納しておき、原稿を
読み取った際にそのデータを用いて公知のようにシェー
ディング補正を行う。すなわち、前記白色部材の読取画
素毎のレベル値に基づいて原稿の読取画素を2値化する
ための閾値を補正することで、画素ごとのばらつきを補
正する。この画素ごとのばらつきを補正した後の読取デ
ータ(V2i)は、ピークレベル検出部143とMTF
補正部144のそれぞれに入力される。
【0021】このピークレベル検出部143では、主走
査方向の所定範囲内のピーク値を検出し、システムバス
18を介してリファレンス電圧制御部15へ送出する。
このピーク値に基づき、リファレンス電圧制御部15は
前記スイッチSW1、SW2のON/OFFを制御して
A/D変換部12のリファレンス電圧(Vref−)を
変化させる。また、MTF補正部144は、画素ごとの
ばらつきを補正した後の読取データ(V2i)を基に、
MTF補正(エッジ強調処理)を行い、画情報(V3
i)を得る。
【0022】次に、図9を参照しながら、本実施形態に
おける画像読取動作について説明する。ステップ900
1では、図示しないコンタクトガラス上にブック原稿が
載置されたことを原稿センサが検知した後、スタート信
号が入力されるとCPU17はCIS制御部16を介し
て光源を点灯させると共に図示しない白色部材の読取位
置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキャリッ
ジを副走査方向に動かしながらブック原稿の1ライン分
(所定範囲)を読み取る。
【0023】ステップ9002では、CIS11による
1ライン分の読取データ(AVin)を基に前述のA/
D変換及びシェーディング補正によって得られた読取デ
ータ(V2i)と、この前の1ライン分の読み取り出力
とのピーク値(すなわち、ブック原稿の白地読み取り出
力値)を比較する。すなわち、リファレンス電圧制御部
15が前述のようにピークレベル検出部143から読取
データ(V2i)の所定範囲(1ライン分)のピーク値
を受け取り、これと前回受け取ったピーク値を比較す
る。その結果、今回の読取データ(V2i)におけるピ
ーク値がこの前の読取データ(V2i)におけるピーク
値より小さい場合は、ステップ9003へ進み、今回の
読取データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取
データ(V2i)におけるピーク値以上大きい場合は、
ステップ9005へ進む。
【0024】ステップ9003では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面より上方にブック原稿がある(浮いている)と判
断し、スイッチSW1、SW2をON/OFFさせるこ
とにより、ピーク値の下降分に応じてリファレンス電圧
(Vref−)を低下させる。これによって、画情報の
出力低下を抑制する。
【0025】ステップ9004では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、通常より文字部のエッジが強調されるようにMTF
補正を行う。ステップ9005では、さらに今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値と同等かあるいはそれよ
り大きいかを比較する。その結果、同等である場合はス
テップ9006へ進み、それより大きい場合にはステッ
プ9008へ進む。
【0026】ステップ9006では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面にブック原稿が密着していると判断し、リファレ
ンス電圧(Vref−)を変更せず、これに従ってMT
F補正部144はMTF補正パラメータを変更せずに、
通常のMTF補正を行う。ステップ9007では、リフ
ァレンス電圧制御部15(あるいはCPU17)は前記
コンタクトガラス面からブック原稿が浮いた状態からコ
ンタクトガラス面にブック原稿が密着した状態に戻りつ
つあると判断し、スイッチSW1、SW2をON/OF
Fさせることにより、ピーク値の上昇分に応じてリファ
レンス電圧(Vref−)を上昇させる。
【0027】ステップ9008では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、前回より文字部のエッジが強調されないようにMT
F補正を弱める。以降、通常の値に戻していく。これら
のステップをブック原稿の読み取りが終了するまで繰り
返す(ステップ9009)。
【0028】本実施形態によれば、ブック原稿の浮き部
分の読み取り出力のレベルダウンに対し、図10に示す
ようにA/D変換部12のLOW側のリファレンス電圧
(−)を低下させることにより、画情報の出力レベルが
相対的に上がるので、黒潰れを抑制し、かつMTF補正
を強めるようにMTF補正係数を変更することにより、
文字部分のエッジが明確化されるので、焦点ぼけを回避
することができる。よって、高画質なブック原稿読み取
りが実現可能である。 [第2の実施の形態]図11及び図12は本実施形態の
画像読取装置のの要部ブロック図である。なお、装置構
成は一部を除き、第1の実施の形態と概ね同様であるの
で、同様の構成には同一番号を付与し、説明を省略す
る。
【0029】本実施形態のリファレンス電圧制御部19
は、A/D変換時のHIGH側(+)のリファレンス電
圧(Vref+)を任意に変化させるための2個のスイ
ッチSW1、SW2を有する。このスイッチSW1はト
ランジスタtr1のベースに接続されそのトランジスタ
tr1のエミッタには抵抗R1が接続される。一方、ス
イッチSW2はトランジスタtr2のベースに接続され
そのトランジスタtr2のエミッタには抵抗R2が接続
される。なお、トランジスタtr1、tr2のコレクタ
には電圧VDDが供給されると共に、エミッタ側の抵抗
R1、R2とコレクタ側が接続されている。従って、ス
イッチSW1、SW2の何れをON状態とするかによっ
て、「ref+1」又は「ref+2」がトランジスタ
tr1又はtr2に印加され、A/D変換部12に入力
されるリファレンス電圧(Vref+)信号が変化す
る。そして、スイッチSW1、SW2の両方をON状態
とした場合には最も高いリファレンス電圧が印加され
る。
【0030】また、画像処理部14におけるピークレベ
ル検出部143では、読取データ(V2i)の主走査方
向の所定範囲内のピーク値を検出し、システムバス18
を介してリファレンス電圧制御部15へ送出する。この
ピーク値に基づき、リファレンス電圧制御部15は前記
スイッチSW1、SW2のON/OFFを制御してA/
D変換部12のリファレンス電圧(Vref+)を変化
させる。また、MTF補正部144は、画素ごとのばら
つきを補正した後の読取データ(V2i)を基に、MT
F補正(エッジ強調処理)を行い、画情報(V3i)を
得る。
【0031】次に、図13を参照しながら、本実施形態
における画像読取動作について説明する。ステップ13
01では、図示しないコンタクトガラス上にブック原稿
が載置されたことを原稿センサが検知した後、スタート
信号が入力されるとCPU17はCIS制御部16を介
して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の読取
位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキャリ
ッジを副走査方向に動かしながらブック原稿の1ライン
分を読み取る。
【0032】ステップ1302では、CIS11による
1ライン分の読取データ(AVin)を基に前述のA/
D変換及びシェーディング補正によって得られた読取デ
ータ(V2i)と、この前の1ライン分の読み取り出力
とのピーク値を比較する。すなわち、リファレンス電圧
制御部15が前述のようにピークレベル検出部143か
ら読取データ(V2i)の所定範囲(1ライン分)のピ
ーク値を受け取り、これと前回受け取ったピーク値を比
較する。その結果、今回の読取データ(V2i)におけ
るピーク値がこの前の読取データ(V2i)におけるピ
ーク値より小さい場合は、ステップ1303へ進み、今
回の読取データ(V2i)におけるピーク値がこの前の
読取データ(V2i)におけるピーク値以上大きい場合
は、ステップ1305へ進む。
【0033】ステップ1303では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面より上方にブック原稿がある(浮いている)と判
断し、スイッチSW1、SW2をON/OFFさせるこ
とにより、ピーク値の下降分に応じてリファレンス電圧
(Vref+)を低下させる。これによって、画情報の
出力低下を抑制する。
【0034】ステップ1304では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、通常より文字部のエッジが強調されるようにMTF
補正を行う。ステップ1305では、さらに今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値と同等かあるいはそれよ
り大きいかを比較する。その結果、同等である場合はス
テップ1306へ進み、それより大きい場合にはステッ
プ1308へ進む。
【0035】ステップ1306では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面にブック原稿が密着していると判断し、リファレ
ンス電圧(Vref+)を変更せず、これに従ってMT
F補正部144はMTF補正パラメータを変更せずに、
通常のMTF補正を行う。ステップ1307では、リフ
ァレンス電圧制御部15(あるいはCPU17)は前記
コンタクトガラス面からブック原稿が浮いた状態からコ
ンタクトガラス面にブック原稿が密着した状態に戻りつ
つあると判断し、スイッチSW1、SW2をON/OF
Fさせることにより、ピーク値の上昇分に応じてリファ
レンス電圧(Vref+)を上昇させる。
【0036】ステップ1308では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、前回より文字部のエッジが強調されないようにMT
F補正を弱める。以降、通常の値に戻していく。これら
のステップをブック原稿の読み取りが終了するまで繰り
返す(ステップ1309)。
【0037】本実施形態によれば、ブック原稿の浮き部
分の読み取り出力のレベルダウンに対し、図14に示す
ようにA/D変換部12のHIGH側のリファレンス電
圧(Vref+)を低下させることにより、画情報の出
力レベルが相対的に上がるので、黒潰れを抑制し、かつ
MTF補正を強めるようにMTF補正係数を変更するこ
とにより、文字部分のエッジが明確化されるので、焦点
ぼけを回避することができる。よって、高画質なブック
原稿読み取りが実現可能である。 [第3の実施の形態]図15は本実施形態の画像読取装
置の要部ブロック図であり、図15(a)は要部全体を
示し、図15(b)は画像処理部の構成を示す。なお、
装置構成は一部を除き、第1の実施の形態と概ね同様で
あるので、同様の構成には同一番号を付与し、説明を省
略する。
【0038】本実施形態では、リファレンス電圧制御部
15を省略する。従って、A/D変換部12にはLOW
側のリファレンス電圧(Vref−)を示す信号が入力
されず、またHIGH側のリファレンス電圧(Vref
+)を示す信号も入力されないようになっている。制御
信号制御部16´は、CIS制御部16と同様にCPU
17の制御下で前記光源のON/OFF信号やCIS1
1の動作タイミング信号等を生成・送信することによっ
てCIS11の動作を制御する。
【0039】画像処理部14´は、暗出力補正部14
1、シェーディング補正部142、ピークレベル検出部
143、及びMTF補正部144に加えてオフセット加
算部(オフセット加算手段)145を有する。このピー
クレベル検出部143では、読取データ(V2i)の主
走査方向の所定範囲内のピーク値を検出し、システムバ
ス18を介してCPU17へ送出する。このピーク値に
基づき、CPU17はオフセット加算部145によって
読取データ(V2i)の出力レベルを底上げするために
オフセット電圧(Voff)を加算するように制御す
る。例えば、凹凸がなく浮き部分が生じていない原稿を
読み取る場合、あるいはブック原稿であってもコンタク
トガラス面に密着した状態では前記ピーク値は変化しな
いので、オフセット電圧(Voff)は「0」とする。
一方、ブック原稿の閉じ代のような浮き部分では、前記
ピーク値が変化するので、その変化に応じて加算するオ
フセットレベルを変更する。さらに、CPU17の制御
でMTF補正部144はオフセットレベルの変化に応じ
てMTF補正係数を変更し、読取データ(V2i)を基
にMTF補正(エッジ強調処理)を行い、画情報(V3
i)を得るようになっている。
【0040】次に、図16を参照しながら、本実施形態
における画像読取動作について説明する。ステップ16
01では、図示しないコンタクトガラス上にブック原稿
が載置されたことを原稿センサが検知した後、スタート
信号が入力されるとCPU17は制御信号部16´を介
して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の読取
位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキャリ
ッジを副走査方向に動かしながらブック原稿の1ライン
分を読み取る。
【0041】ステップ1602では、CIS11による
1ライン分の読取データ(AVin)を基に前述のA/
D変換及びシェーディング補正によって得られた読取デ
ータ(V2i)と、この前の1ライン分の読み取り出力
とのピーク値を比較する。すなわち、CPU17がピー
クレベル検出部143から読取データ(V2i)の所定
範囲(1ライン分)のピーク値を受け取り、これと前回
受け取ったピーク値を比較する。その結果、今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値より小さい場合は、ステ
ップ1603へ進み、今回の読取データ(V2i)にお
けるピーク値がこの前の読取データ(V2i)における
ピーク値以上大きい場合は、ステップ1605へ進む。
【0042】ステップ1603では、CPU17は前記
コンタクトガラス面より上方にブック原稿がある(浮い
ている)と判断し、オフセット加算部145によって読
取データ(V2i)に加算されるオフセット電圧(Vo
ff)レベルを変更して増加させる。これによって、画
情報の出力低下を抑制する。ステップ1604では、C
PU17の制御でMTF補正部144はMTF補正パラ
メータを変更し、通常より文字部のエッジが強調される
ようにMTF補正を行う。
【0043】ステップ1605では、さらに今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値と同等かあるいはそれよ
り大きいかを比較する。その結果、同等である場合はス
テップ1606へ進み、それより大きい場合にはステッ
プ1608へ進む。ステップ1606では、CPU17
は前記コンタクトガラス面にブック原稿が密着している
と判断し、オフセット加算部145によって読取データ
(V2i)に加算されるオフセット電圧(Voff)レ
ベルを「0」とし、これに従ってMTF補正部144は
MTF補正パラメータを変更せずに、通常のMTF補正
を行う。
【0044】ステップ1607では、CPU17は前記
コンタクトガラス面からブック原稿が浮いた状態からコ
ンタクトガラス面にブック原稿が密着した状態に戻りつ
つあると判断し、オフセット加算部145によって読取
データ(V2i)に加算されるオフセット電圧(Vof
f)レベルをピーク値の上昇分に応じて減少させる。ス
テップ1608では、CPU17の制御でMTF補正部
144はMTF補正パラメータを変更し、前回より文字
部のエッジが強調されないようにMTF補正を弱める。
以降、通常の値に戻していく。
【0045】これらのステップをブック原稿の読み取り
が終了するまで繰り返す(ステップ1609)。本実施
形態によれば、ブック原稿の浮き部分の読み取り出力の
レベルダウンに対し、図17に示すようにシェーディン
グ補正部142からの読取データ(V2i)出力のピー
ク値の変化に応じ、オフセット加算部145によってそ
の読取データ(V2i)出力に対しオフセット電圧(V
off)を加算することにより、ブック原稿の浮き部分
の画情報の出力レベルが相対的に上がるので、黒潰れを
抑制することができる。かつMTF補正を強めるように
MTF補正係数を変更することにより、文字部分のエッ
ジが明確化されるので、焦点ぼけを回避することができ
る。よって、高画質なブック原稿読み取りが実現可能で
ある。 [第4の実施の形態]図18は本実施形態の画像読取装
置の読取動作を示すフローチャートである。なお、装置
構成は第1の実施の形態と概ね同様であるので、同様の
構成には同一番号を付与し、説明を省略する。
【0046】次に、図18を参照しながら、本実施形態
における画像読取動作について説明する。ステップ18
01では、図示しないコンタクトガラス上にブック原稿
が載置されたことを原稿センサが検知した後、スタート
信号が入力されるとCPU17は図示しない駆動モータ
の走査速度を通常のn倍に設定する。
【0047】ステップ1802では、CIS制御部16
を介して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の
読取位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキ
ャリッジを副走査方向に動かしながら通常のn倍の速度
でプレスキャンを実行する。このプレスキャンによって
得られた出力分布、すなわち読取対象としてのブック原
稿の大まかな出力分布はRAM(記憶手段)13に記憶
される。
【0048】ステップ1803では、そのブック原稿の
大まかな出力分布に基づき、ブック原稿の浮き部分(浮
きエリア)の有無を判定する。なお、プレスキャン時は
前記浮きエリアが判定可能であれば、詳細な画情報は不
要であり線密度が荒くともよい。本実施形態では、浮き
エリア有りと判定したものとする。ステップ1804で
は、CPU17は前記駆動モータの走査速度を通常の1
倍に設定し直す。
【0049】ステップ1805では、CIS制御部16
を介して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の
読取位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキ
ャリッジを副走査方向に動かしながら、通常の走査速度
でブック原稿の1ライン分の読み取りを実行する。ステ
ップ1806では、CIS11による1ライン分の読取
データ(AVin)を基に前述のA/D変換及びシェー
ディング補正によって得られた読取データ(V2i)
と、この前の1ライン分の読み取り出力とのピーク値を
比較する。すなわち、リファレンス電圧制御部15が前
述のようにピークレベル検出部143から読取データ
(V2i)の所定範囲(1ライン分)のピーク値を受け
取り、これと前回受け取ったピーク値を比較する。その
結果、今回の読取データ(V2i)におけるピーク値が
この前の読取データ(V2i)におけるピーク値より小
さい場合は、ステップ1807へ進み、今回の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取データ
(V2i)におけるピーク値以上大きい場合は、ステッ
プ1809へ進む。
【0050】ステップ1807では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面より上方にブック原稿がある(浮いている)と判
断し、スイッチSW1、SW2をON/OFFさせるこ
とにより、ピーク値の下降分に応じてリファレンス電圧
(Vref−)を低下させる。これによって、画情報の
出力低下を抑制する。
【0051】ステップ1808では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、通常より文字部のエッジが強調されるようにMTF
補正を行う。ステップ1809では、さらに今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値と同等かあるいはそれよ
り大きいかを比較する。その結果、同等である場合はス
テップ1810へ進み、それより大きい場合にはステッ
プ1811へ進む。
【0052】ステップ1810では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面にブック原稿が密着していると判断し、リファレ
ンス電圧(Vref−)を変更せず、これに従ってMT
F補正部144はMTF補正パラメータを変更せずに、
通常のMTF補正を行う。ステップ1811では、リフ
ァレンス電圧制御部15(あるいはCPU17)は前記
コンタクトガラス面からブック原稿が浮いた状態からコ
ンタクトガラス面にブック原稿が密着した状態に戻りつ
つあると判断し、スイッチSW1、SW2をON/OF
Fさせることにより、ピーク値の上昇分に応じてリファ
レンス電圧(Vref−)を上昇させる。
【0053】ステップ1812では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、前回より文字部のエッジが強調されないようにMT
F補正を弱める。以降、通常の値に戻していく。これら
のステップをブック原稿の読み取りが終了するまで繰り
返す(ステップ1813)。
【0054】本実施形態では、プレスキャンによってブ
ック原稿の浮きエリア有りと判定された場合について説
明したが、プレスキャンによってブック原稿の浮きエリ
ア無しと判定された場合には1ラインごとに読み取りデ
ータ(V2i)出力のピーク値を比較するステップを省
略して通常のリファレンス電圧(Vref−)とし、M
TF補正係数も通常値としてよい。さらに、プレスキャ
ンで得た出力分布を基にブック原稿の閉じ代と判断され
た範囲についてはA/D変換部12のリファレンス電圧
(Vref−)を下げ、かつMTF補正を強め、閉じ代
から外れたと判断された範囲についてはA/D変換部1
2のリファレンス電圧(Vref−)を上げると共にM
TF補正を弱めて通常に戻すようにしてもよい。こうす
ることにより、読み取り速度の低下を改善することが可
能である。 [第5の実施の形態]図19は本実施形態の画像読取装
置の読取動作を示すフローチャートである。なお、装置
構成は第2の実施の形態と概ね同様であるので、同様の
構成には同一番号を付与し、説明を省略する。
【0055】次に、図19を参照しながら、本実施形態
における画像読取動作について説明する。ステップ19
01では、図示しないコンタクトガラス上にブック原稿
が載置されたことを原稿センサが検知した後、スタート
信号が入力されるとCPU17は図示しない駆動モータ
の走査速度を通常のn倍に設定する。
【0056】ステップ1902では、CIS制御部16
を介して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の
読取位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキ
ャリッジを副走査方向に動かしながら通常のn倍の速度
でプレスキャンを実行する。このプレスキャンによって
得られた出力分布、すなわち読取対象としてのブック原
稿の大まかな出力分布はRAM13に記憶される。
【0057】ステップ1903では、そのブック原稿の
大まかな出力分布に基づき、ブック原稿の浮き部分(浮
きエリア)の有無を判定する。なお、プレスキャン時は
前記浮きエリアが判定可能であれば、詳細な画情報は不
要であり線密度が荒くともよい。本実施形態では、浮き
エリア有りと判定したものとする。ステップ1904で
は、CPU17は前記駆動モータの走査速度を通常の1
倍に設定し直す。
【0058】ステップ1905では、CIS制御部16
を介して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の
読取位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキ
ャリッジを副走査方向に動かしながら、通常の走査速度
でブック原稿の1ライン分の読み取りを実行する。ステ
ップ1906では、CIS11による1ライン分の読取
データ(AVin)を基に前述のA/D変換及びシェー
ディング補正によって得られた読取データ(V2i)
と、この前の1ライン分の読み取り出力とのピーク値を
比較する。すなわち、リファレンス電圧制御部15が前
述のようにピークレベル検出部143から読取データ
(V2i)の所定範囲(1ライン分)のピーク値を受け
取り、これと前回受け取ったピーク値を比較する。その
結果、今回の読取データ(V2i)におけるピーク値が
この前の読取データ(V2i)におけるピーク値より小
さい場合は、ステップ1907へ進み、今回の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取データ
(V2i)におけるピーク値以上大きい場合は、ステッ
プ1909へ進む。
【0059】ステップ1907では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面より上方にブック原稿がある(浮いている)と判
断し、スイッチSW1、SW2をON/OFFさせるこ
とにより、ピーク値の下降分に応じてリファレンス電圧
(Vref+)を低下させる。これによって、画情報の
出力低下を抑制する。
【0060】ステップ1908では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、通常より文字部のエッジが強調されるようにMTF
補正を行う。ステップ1909では、さらに今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値と同等かあるいはそれよ
り大きいかを比較する。その結果、同等である場合はス
テップ1910へ進み、それより大きい場合にはステッ
プ1911へ進む。
【0061】ステップ1910では、リファレンス電圧
制御部15(あるいはCPU17)は前記コンタクトガ
ラス面にブック原稿が密着していると判断し、リファレ
ンス電圧(Vref+)を変更せず、これに従ってMT
F補正部144はMTF補正パラメータを変更せずに、
通常のMTF補正を行う。ステップ1911では、リフ
ァレンス電圧制御部15(あるいはCPU17)は前記
コンタクトガラス面からブック原稿が浮いた状態からコ
ンタクトガラス面にブック原稿が密着した状態に戻りつ
つあると判断し、スイッチSW1、SW2をON/OF
Fさせることにより、ピーク値の上昇分に応じてリファ
レンス電圧(Vref+)を上昇させる。
【0062】ステップ1912では、CPU17の制御
でMTF補正部144はMTF補正パラメータを変更
し、前回より文字部のエッジが強調されないようにMT
F補正を弱める。以降、通常の値に戻していく。これら
のステップをブック原稿の読み取りが終了するまで繰り
返す(ステップ1913)。
【0063】本実施形態では、プレスキャンによってブ
ック原稿の浮きエリア有りと判定された場合について説
明したが、プレスキャンによってブック原稿の浮きエリ
ア無しと判定された場合には1ラインごとに読み取りデ
ータ(V2i)出力のピーク値を比較するステップを省
略して通常のリファレンス電圧(Vref+)とし、M
TF補正係数も通常値としてよい。さらに、プレスキャ
ンで得た出力分布を基にブック原稿の閉じ代と判断され
た範囲についてはA/D変換部12のリファレンス電圧
(Vref+)を下げ、かつMTF補正を強め、閉じ代
から外れたと判断された範囲についてはA/D変換部1
2のリファレンス電圧(Vref+)を上げると共にM
TF補正を弱めて通常に戻すようにしてもよい。こうす
ることにより、読み取り速度の低下を改善することが可
能である。 [第6の実施の形態]図20は本実施形態の画像読取装
置の読取動作を示すフローチャートである。なお、装置
構成は第3の実施の形態と概ね同様であるので、同様の
構成には同一番号を付与し、説明を省略する。
【0064】次に、図20を参照しながら、本実施形態
における画像読取動作について説明する。ステップ20
01では、図示しないコンタクトガラス上にブック原稿
が載置されたことを原稿センサが検知した後、スタート
信号が入力されるとCPU17は図示しない駆動モータ
の走査速度を通常のn倍に設定する。
【0065】ステップ2002では、CIS制御部16
を介して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の
読取位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキ
ャリッジを副走査方向に動かしながら通常のn倍の速度
でプレスキャンを実行する。このプレスキャンによって
得られた出力分布、すなわち読取対象としてのブック原
稿の大まかな出力分布はRAM13に記憶される。
【0066】ステップ2003では、そのブック原稿の
大まかな出力分布に基づき、ブック原稿の浮き部分(浮
きエリア)の有無を判定する。なお、プレスキャン時は
前記浮きエリアが判定可能であれば、詳細な画情報は不
要であり線密度が荒くともよい。本実施形態では、浮き
エリア有りと判定したものとする。ステップ2004で
は、CPU17は前記駆動モータの走査速度を通常の1
倍に設定し直す。
【0067】ステップ2005では、CIS制御部16
を介して光源を点灯させると共に図示しない白色部材の
読取位置にCIS11のキャリッジを移動させ、そのキ
ャリッジを副走査方向に動かしながら、通常の走査速度
でブック原稿の1ライン分の読み取りを実行する。ステ
ップ2006では、CIS11による1ライン分の読取
データ(AVin)を基に前述のA/D変換及びシェー
ディング補正によって得られた読取データ(V2i)
と、この前の1ライン分の読み取り出力とのピーク値を
比較する。すなわち、CPU17がピークレベル検出部
143から読取データ(V2i)の所定範囲(1ライン
分)のピーク値を受け取り、これと前回受け取ったピー
ク値を比較する。その結果、今回の読取データ(V2
i)におけるピーク値がこの前の読取データ(V2i)
におけるピーク値より小さい場合は、ステップ2007
へ進み、今回の読取データ(V2i)におけるピーク値
がこの前の読取データ(V2i)におけるピーク値以上
大きい場合は、ステップ2009へ進む。
【0068】ステップ2007では、CPU17は前記
コンタクトガラス面より上方にブック原稿がある(浮い
ている)と判断し、オフセット加算部145によって読
取データ(V2i)に加算されるオフセット電圧(Vo
ff)レベルを変更して増加させる。これによって、画
情報の出力低下を抑制する。ステップ2008では、C
PU17の制御でMTF補正部144はMTF補正パラ
メータを変更し、通常より文字部のエッジが強調される
ようにMTF補正を行う。
【0069】ステップ2009では、さらに今回の読取
データ(V2i)におけるピーク値がこの前の読取デー
タ(V2i)におけるピーク値と同等かあるいはそれよ
り大きいかを比較する。その結果、同等である場合はス
テップ2010へ進み、それより大きい場合にはステッ
プ2011へ進む。ステップ2010では、CPU17
は前記コンタクトガラス面にブック原稿が密着している
と判断し、オフセット加算部145によって読取データ
(V2i)に加算されるオフセット電圧(Voff)レ
ベルを「0」とし、これに従ってMTF補正部144は
MTF補正パラメータを変更せずに、通常のMTF補正
を行う。
【0070】ステップ2011では、CPU17は前記
コンタクトガラス面からブック原稿が浮いた状態からコ
ンタクトガラス面にブック原稿が密着した状態に戻りつ
つあると判断し、オフセット加算部145によって読取
データ(V2i)に加算されるオフセット電圧(Vof
f)レベルをピーク値の上昇分に応じて減少させる。ス
テップ2012では、CPU17の制御でMTF補正部
144はMTF補正パラメータを変更し、前回より文字
部のエッジが強調されないようにMTF補正を弱める。
以降、通常の値に戻していく。
【0071】これらのステップをブック原稿の読み取り
が終了するまで繰り返す(ステップ2013)。本実施
形態では、プレスキャンによってブック原稿の浮きエリ
ア有りと判定された場合について説明したが、プレスキ
ャンによってブック原稿の浮きエリア無しと判定された
場合には1ラインごとに読み取りデータ(V2i)出力
のピーク値を比較するステップを省略してオフセット電
圧(Voff)レベルを「0」とし、MTF補正係数も
通常値としてよい。さらに、プレスキャンで得た出力分
布を基にブック原稿の閉じ代と判断された範囲について
はオフセット電圧(Voff)レベルを上げ、かつMT
F補正を強め、閉じ代から外れたと判断された範囲につ
いてはオフセット電圧(Voff)レベルを「0」と
し、かつMTF補正を弱めて通常に戻すようにしてもよ
い。こうすることにより、読み取り速度の低下を改善す
ることが可能である。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至4記
載の発明によれば、A/D変換手段(A/D変換部)が
A/D変換を行う際に基準として用いるリファレンス電
圧(LOW側又はHIGH側)を制御するリファレンス
電圧制御手段(リファレンス電圧制御部)を備え、原稿
の白地読み取り出力値の低下に応じてリファレンス電圧
を変更すると共に、MTF補正に用いるパラメータの値
を変更するようにしたので、原稿の浮き部分の出力レベ
ルダウンに対し、リファレンス電圧を下げることによっ
て画情報の出力レベルを相対的に上げることができ、黒
潰れを抑制する。また、MTF補正係数を変更してMT
F補正を強めることによって焦点ぼけを回避できる。
【0073】また、請求項5及び6記載の発明によれ
ば、A/D変換後の密着型イメージセンサ出力(V2
i)に対してオフセット電圧を加算するオフセット加算
手段(オフセット加算部)を備え、原稿の白地読み取り
出力値の低下に応じてオフセット電圧を変更すると共
に、MTF補正に用いるパラメータの値を変更するよう
にしたので、原稿の浮き部分の出力レベルダウンに対
し、画像処理におけるオフセット電圧を上げることによ
って画情報の出力レベルを相対的に上げることができ、
黒潰れを抑制する。また、MTF補正係数を変更してM
TF補正を強めることによって焦点ぼけを回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置
のブロック構成図である。
【図2】縮小型光学読取方式と等倍結像読取方式におけ
る光路長を示す図である。
【図3】縮小型光学読取方式と等倍結像読取方式におけ
る高さ方向のMTF特性変化を示す図である。
【図4】縮小型光学読取方式と等倍結像読取方式におけ
る高さ方向の出力変化を示す図である。
【図5】CISを用いたフラットベットタイプの画像読
取装置による等倍結像読取方式を示す図である。
【図6】CISを用いた等倍結像読取方式によるブック
原稿の浮き部分の出力画像を示す図である。
【図7】図1のリファレンス電圧制御部の回路構成図で
ある。
【図8】図1の画像処理部のブロック構成図である。
【図9】図1の画像読取装置の読取動作を示すフローチ
ャートである。
【図10】図1の画像読取装置におけるビデオ出力ライ
ン(V1i)に対するリファレンス電圧(Vref−)
波形の制御を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装
置のブロック構成図である。
【図12】図11のリファレンス電圧制御部の回路構成
図である。
【図13】図11の画像読取装置の読取動作を示すフロ
ーチャートである。
【図14】図11の画像読取装置におけるビデオ出力ラ
イン(V1i)に対するリファレンス電圧(Vref
+)波形の制御を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る画像読取装
置及びその画像処理部のブロック構成図である。
【図16】図15の画像読取装置の読取動作を示すフロ
ーチャートである。
【図17】図15の画像読取装置におけるディジタル画
像データ(V2i)に対するオフセット加算を示す図で
ある。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る画像読取装
置の読取動作を示すフローチャートである。
【図19】本発明の第5の実施の形態に係る画像読取装
置の読取動作を示すフローチャートである。
【図20】本発明の第6の実施の形態に係る画像読取装
置の読取動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像読取装置 11 CIS 12 A/D変換部 13 RAM 14,14´ 画像処理部 15,19 リファレンス電圧制御部 16 CIS制御部 16´ 制御信号部 17 CPU 18 システムバス 141 暗出力補正部 142 シェーディング補正部 143 ピークレベル検出部 144 MTF補正部 145 オフセット加算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C024 AA01 CA10 CA11 FA01 GA11 HA02 HA14 5C072 AA01 BA15 EA07 UA02 UA03 UA06 UA11 UA20 VA06 WA04 5C077 LL01 LL09 MM05 MM20 MP06 PP03 PP12 PP44 PQ08 PQ22 RR01 RR16

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密着型イメージセンサを用いたフラットベ
    ットタイプの画像読み取り装置であって、 密着型イメージセンサの出力に対してアナログ/ディジ
    タル変換を行うA/D変換手段と、 該A/D変換手段がアナログ/ディジタル変換を行う際
    に基準として用いるリファレンス電圧を制御するリファ
    レンス電圧制御手段と、 アナログ/ディジタル変換後の密着型イメージセンサ出
    力に対してMTF補正を行うMTF補正手段と、を備
    え、 原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地読み取り出力値
    が変化した場合は、該出力値の変化に応じてリファレン
    ス電圧を変更すると共に、MTF補正に用いるパラメー
    タの値を変更するようにしたことを特徴とする画像読取
    装置。
  2. 【請求項2】前記原稿のプレスキャン時における密着型
    イメージセンサの出力分布を記憶する記憶手段を備え、 原稿読み取り前にプレスキャンを行い、プレスキャン時
    における密着型イメージセンサの出力分布に基づき、原
    稿の白地読み取り出力値が変化する範囲については、リ
    ファレンス電圧を変更すると共にMTF補正に用いるパ
    ラメータの値を変更するようにしたことを特徴とする請
    求項1記載の画像読取装置。
  3. 【請求項3】前記リファレンス電圧制御手段は、A/D
    変換手段のLOW側のリファレンス電圧を制御し、 原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地読み取り出力値
    が低下した場合は、該出力値の低下に応じて前記LOW
    側のリファレンス電圧を降下させると共に、MTF補正
    を強めるにように前記パラメータの値を変更するように
    したことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  4. 【請求項4】前記リファレンス電圧制御手段は、A/D
    変換手段のHIGH側のリファレンス電圧を制御し、 原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地読み取り出力値
    が低下した場合は、該出力値の低下に応じて前記HIG
    H側のリファレンス電圧を降下させると共に、MTF補
    正を強めるにように前記パラメータの値を変更するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
  5. 【請求項5】密着型イメージセンサを用いたフラットベ
    ットタイプの画像読み取り装置であって、 密着型イメージセンサの出力に対してアナログ/ディジ
    タル変換を行うA/D変換手段と、 アナログ/ディジタル変換後の密着型イメージセンサ出
    力に対してオフセット電圧を加算するオフセット加算手
    段と、 オフセット電圧加算後の密着型イメージセンサ出力に対
    してMTF補正を行うMTF補正手段と、を備え、 原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白地読み取り出力値
    が変化した場合は、該出力値の変化に応じてオフセット
    電圧レベルを変更すると共に、MTF補正に用いるパラ
    メータの値を変更するようにしたことを特徴とする画像
    読取装置。
  6. 【請求項6】前記原稿のプレスキャン時における密着型
    イメージセンサの出力分布を記憶する記憶手段を備え、 原稿読み取り前にプレスキャンを行い、プレスキャン時
    における密着型イメージセンサの出力分布に基づき、原
    稿の白地読み取り出力値が変化する範囲については、オ
    フセット電圧レベルを変更すると共にMTF補正に用い
    るパラメータの値を変更するようにしたことを特徴とす
    る請求項5記載の画像読取装置。
  7. 【請求項7】前記原稿読み取り中に原稿の所定範囲の白
    地読み取り出力値が低下した場合は、該出力値の低下に
    応じてオフセット電圧レベルを上げると共に、MTF補
    正を強めるにように前記パラメータの値を変更するよう
    にしたことを特徴とする請求項5記載の画像読取装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1248458A3 (en) * 2001-04-06 2003-03-05 Agilent Technologies, Inc. (a Delaware corporation) System and method for correcting erroneous image signals from defective photosensitive pixels during analog-to-digital conversion
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CN111541827A (zh) * 2020-03-26 2020-08-14 深圳怡化电脑股份有限公司 一种图像校正方法和装置

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