JP2000114145A - 露光システム及び走査型露光装置並びにその露光方法 - Google Patents

露光システム及び走査型露光装置並びにその露光方法

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JP2000114145A
JP2000114145A JP10282738A JP28273898A JP2000114145A JP 2000114145 A JP2000114145 A JP 2000114145A JP 10282738 A JP10282738 A JP 10282738A JP 28273898 A JP28273898 A JP 28273898A JP 2000114145 A JP2000114145 A JP 2000114145A
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scanning
exposure
imaging characteristic
optical system
projection optical
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Gen Uchida
玄 内田
Kenichiro Kaneko
謙一郎 金子
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マスクを照明する照明条件の変更、及び、静
止状態または走査状態での露光動作に関わらず精確な回
路パターンの投影転写を可能とする露光システム及び走
査型露光装置並びにその露光方法を提供する。 【解決手段】 ウエハW上へのレチクルRの回路パター
ンの転写露光に先立って、照明絞り68及びレチクルR
の少なくとも一方が交換されたときには、静止状態での
静止結像特性と走査状態での走査結像特性とを測定す
る。測定された両結像特性は、ハードディスク部87内
に照明絞り68及びレチクルR毎に作成されたデータフ
ァイルに格納する。そして、前記測定された両結像特性
に基づいて、結像特性制御部82を介して投影光学系P
Lの結像特性を調節し最適化する。次回以降の同一条件
での露光時には、前記データファイル内に格納された両
結像特性に基づいて、投影光学系PLの結像特性の調節
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイ
スの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィ工程で使
用される露光システム及び走査型露光装置並びにその露
光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の露光システムに使用される走査
型露光装置(以下、単に「露光装置」という)において
は、マスク上に描画された回路パターンをスリット状に
整形された露光光で照明する。この照明に基づいて形成
される回路パターンのパターン像を、投影光学系を介し
てフォトレジスト等の感光性材料が塗布されたウエハ、
ガラスプレート等の基板上に結像させる。そして、前記
マスクと基板とを同期走査させつつ、前記マスク上の回
路パターンを前記基板の所定領域に転写するようになっ
ている。ついで、前記基板の他の所定領域に対して、ス
テップ・アンド・スキャン方式で順次走査露光を行うよ
うになっている。
【0003】ここで、前記投影光学系の結像特性は、そ
の露光時の露光装置を取り巻く外部環境(大気圧、温度
等)に応じて変化することが知られている。このため、
前記露光装置においては、従来より所定の間隔毎に前記
投影光学系の結像特性を予め測定するようになってい
る。そして、その測定結果に基づいて適正な結像特性が
得られるように、例えば前記投影光学系のレンズエレメ
ントを光軸方向に相対移動させたり、マスクと投影光学
系の主点との間隔を変更させる等の補正が行われてい
る。
【0004】この投影光学系の結像状態の測定では、例
えば前記マスクとして所定のテストマークパターンが複
数描かれたテストマスクを用い、そのテストマスクと基
板とを静止させた静止状態で基板上にテスト露光を行
う。ついで、投影転写されたパターン像を現像し、その
現像された基板上のテストマーク形成状態を走査型電子
顕微鏡(SEM)等により観察して、その観察結果から
前記投影光学系の結像状態を求める方法が一般的に用い
られている。
【0005】一方、前記露光装置には、半導体素子にお
ける回路パターンの微細化に対応して解像力を向上させ
るため、例えば光源からの露光光を所定の形状の開口絞
りを通過させ、マスクの照明条件を変更する変形照明を
装備することが多くなっている。この変形照明の例とし
ては、ドーナツ状の開口絞りを用いてマスクを垂直に照
明する0次光をカットする輪帯照明、通常の開口絞りに
比べ小径の開口絞りを用いてマスクをほぼ垂直に照明す
る小コヒーレンシー(小σ)照明、投影光学系の光軸に
対して偏心配置された複数の開口絞りを用いてマスクを
斜め方向から照明する斜入射照明等が挙げられる。
【0006】また、前記露光装置の解像力を向上させる
方法として、位相シフト法も知られている。この位相シ
フト法は、前記マスクとして空間周波数変調型位相シフ
トマスク、ハーフトーン位相シフトマスク等を用い、隣
接する開口部とシフタ部分とを通過した位相の異なる光
を干渉させて、各開口部を通過する光の分離を図るもの
である。この位相シフト法において、その位相シフトマ
スクの照明に前記変形照明を用いることで、さらに解像
力の向上させることも行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、前記露光装置
において、前記マスクと前記基板との同期走査に伴う前
記投影光学系の結像特性の変化について考える。
【0008】まず、図10に示すように、前記マスクと
基板とを静止させた静止状態での静止結像特性を求める
ために、そのマスク上のパターンが基板上に投影された
スリット状の投影領域IF内に複数の計測点を規定す
る。その各計測点におけるディストーション量を測定
し、その測定結果に基づいて静止像面ISsを求める
と、その静止像面ISsは各計測点毎にそれぞれ異なっ
たディストーション量を有するものとなる。これは、各
計測点に到達する光束は、前記投影光学系内をそれぞれ
異なった光路で通過するためである。
【0009】そして、このスリット状の静止像面ISs
を所定の走査方向及び走査速度でもって走査すること
で、前記マスクと基板との同期走査時(走査状態)にお
ける走査像面ISdが形成される。この同期走査に際し
て、前記静止像面ISsはその走査方向に平均化される
ため、見かけ上その走査方向においてディストーション
が平均化されたほぼ線状の走査像面ISdに変換され
る。このため、この走査露光時の前記基板の所定領域に
対応する走査範囲内の像面ISd’は、前記走査像面I
Sdが走査方向において連続されたものとほぼ等価とな
り、その走査方向に沿って一様なディストーション量を
有するものとなる。
【0010】また、同一のマスクを用いて、そのマスク
上の回路パターンを前記基板上の所定領域に対して前述
のように走査露光する場合と、ステップ・アンド・リピ
ート方式により一括露光する場合との像面を比較する。
図11に示すように、走査露光時の走査像面ISdは、
前記スリット状の投影領域IFに応じた静止状態の静止
像面ISsをその走査方向に平均化したほぼ線状とな
る。そして、走査露光時における走査範囲内の像面IS
d’は、前記走査像面ISdがその走査方向に連続され
ることで、同方向において一様な像面湾曲を持つものと
なる。
【0011】これに対して、前記一括露光時では前記マ
スクと前記基板とがともに静止された静止状態にあり、
この一括露光時の像面は前記ショット領域の形状に対応
した静止像面ISsとなる。この静止像面ISsは、そ
の露光時の投影光学系の状態をそのまま反映したものと
なり、前記走査露光時における走査方向において必ずし
も一様な像面をなすものではない。
【0012】このように、前記走査状態での走査像面I
Sdは、平均化により前記静止状態での静止像面ISs
とは異なるものとなる。ここで、前記従来構成のよう
に、投影光学系の結像特性を前記静止状態での静止結像
特性のみに基づいて補正して、走査露光を行った場合に
ついて考える。図12(a)及び図12(b)は、とも
に投影光学系の静止像面ISsが最適に調整された状態
の一例を示している。すなわち、静止像面ISsに、そ
の中心に対して対称な位置にそれぞれ逆向きで同じ大き
さのディストーションが存在している。この状態では、
各ディストーションがほぼキャンセルされて、静止状態
における最適な像面が実現されている。
【0013】ここで、図12(a)と図12(b)とで
は、静止像面ISsの各頂点において、その各辺に対し
て例えば45°の方向へのディストーション量Dcが異
なった状態を示す。すなわち、図12(a)では、その
各頂点におけるディストーション量Dcが短手方向の各
辺の中点におけるディストーション量Dmとほぼ等量に
なっている。一方、図12(b)では、その各頂点にお
けるディストーション量Dcが短手方向の各辺の中点に
おけるディストーション量Dmとが次式の関係にある。
【0014】
【数1】 この2つの場合での、図において矢印の走査方向への走
査露光時のディストーションの変化について考える。ま
ず、図12(b)の場合においては、静止状態での前記
各頂点におけるディストーション量Dcは、前記走査方
向に直交する方向に投影されるとともに、前記短手方向
の各辺の中点におけるディストーション量Dmと合成さ
れる。従って、図12(d)に示すように、走査状態で
のディストーション量Ddは、次式により相殺される。
【0015】
【数2】 一方、図12(a)の場合においては、前述のようにD
c=Dmであるため、前記(2)式は、以下のようにな
る。
【0016】
【数3】 この場合、前記走査状態でのディストーション量Ddが
完全に相殺されず残存することになる。このように、投
影光学系が静止状態において、最適な結像特性に調整さ
れていたとしても、その結像特性が必ずしも走査状態に
おいて最適な結像特性になるとはいえないことがある。
このため、近年の非常に微細な回路パターンを有するマ
スクを用いた場合においては、精確な走査露光が困難に
なるおそれを生じうるという問題があった。
【0017】さらに、前述の各変形照明あるいは位相シ
フト法を用いた露光では、投影光学系を通過する露光光
の瞳面内での位置及び形状が様々に変化する。すなわ
ち、マスクの照明条件を変更しない通常照明及び通常の
マスクを用いる系では、マスクからの回折光が瞳面内で
投影光学系の光軸を含んで開口(瞳面)全体に広がった
状態となる。これに対して、前記小σ照明では、照明光
学系と投影光学系との開口数の比で表されるσ値に応じ
て、前記回折光が投影光学系の光軸を中心とした瞳面の
狭い領域のみを通過する。一方、前記輪帯照明及び斜入
射照明では、前記瞳面内において投影光学系の光軸を含
む回折光は存在せず、前記瞳面の周辺部分の領域のみを
光束が通過する。また、前記位相シフト法を用いた露光
においても、0次光が消失されるため、同様に前記瞳面
の周辺部分の領域のみを回折光が通過する。
【0018】このように、前記σ値が変更されたり、前
記瞳面内での光束の通過状態が変化したりすると、投影
光学系に残存する微小な収差や、投影光学系の微小な光
吸収等の影響により、その投影光学系の像面のさらなる
変動及び変形が生じる。このような像面の変動及び変形
が生じても、その像面が投影光学系の焦点深度の範囲内
に収まっていれば許容することができる。
【0019】しかしながら、前記回路パターンの微細化
に対応すべく前記投影光学系の開口数も拡大されてきて
おり、それに伴って投影光学系の焦点深度も浅くなって
きている。このため、前記像面の変動及び変形を許容し
きれず、基板上に局部的にぼけを生じたパターン像が転
写され、回路パターンの精確な露光転写が阻害されるこ
とがあるという問題があった。
【0020】本発明は、このような従来の技術に存在す
る問題点に着目してなされたものである。本発明の目的
としては、マスクを照明する照明条件の変更、及び、静
止状態または走査状態での露光動作に関わらず精確な回
路パターンの投影転写を可能とする露光システム及び走
査型露光装置並びにその露光方法を提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、露光システムに係る本願請求項1の発明は、マスク
(R)上の照明領域(IA、IA’)に対してそのマス
ク(R)を走査するマスクステージ(RST)と、前記
マスク(R)上のパターンの像を基板(W)上に投影す
る投影光学系(PL)と、前記照明領域(IA、I
A’)と前記投影光学系(PL)に関して共役な露光領
域(IF、IF’)に対して前記基板(W)を前記マス
ク(R)の走査と同期して走査する基板ステージ(WS
T)と、前記マスク(R)を照明する照明条件を変更す
る照明条件変更手段(68〜70)とを有する露光シス
テムにおいて、前記マスクステージ(RST)と前記基
板ステージ(WST)とがともに静止した静止状態にお
ける前記投影光学系(PL)の静止結像特性を測定する
第1結像特性測定手段(S104、S114)と、前記
マスクステージ(RST)と前記基板ステージ(WS
T)とが同期走査された走査状態における前記投影光学
系(PL)の走査結像特性を測定する第2結像特性測定
手段(S106、S116)と、前記照明条件変更手段
(68〜70)により前記照明条件が変更されたとき、
前記第1結像特性測定手段(S104、S114)を用
いて前記静止結像特性を測定するとともに、前記第2結
像特性測定手段(S106、S116)を用いて前記走
査結像特性を測定する測定制御手段(57)と、を備え
たことを要旨とするものである。
【0022】このため、本願請求項1の発明において
は、照明条件が変更されたときに、投影光学系の静止状
態での静止結像状態と走査状態での走査結像状態とが測
定される。これにより、各照明条件における前記投影光
学系の静止結像特性と走査結像特性とを用いて、投影光
学系の結像特性を最適化することができる。そして、照
明条件の変更及び前記マスクステージと基板ステージと
の同期走査に伴う像面の変動及び変形の影響を低減する
ことができ、回路パターンの精確な投影転写が可能とな
る。
【0023】また、本願請求項2の発明は、前記請求項
1に記載の発明において、前記静止結像特性の測定結果
に基づいて前記投影光学系(PL)の結像特性を調節す
る第1調節手段(S158)と、前記走査結像特性の測
定結果に基づいて前記投影光学系(PL)の結像特性を
調節する第2調節手段(S161、S162)とを備え
たことを要旨とするものである。
【0024】このため、本願請求項2の発明において
は、前記請求項1に記載の発明の作用に加えて、投影光
学系の静止結像特性と走査結像特性とを独立して調節す
ることができる。この構成を採用することで、露光シス
テムをステップ・アンド・リピート方式に切り換えて、
マスクと基板と同期走査させることなく、前記マスク上
の回路パターンを基板の所定領域に一括露光することが
可能となり、露光システムの露光動作の自由度が向上す
る。
【0025】また、本願請求項3の発明は、前記請求項
2に記載の発明において、調節後の前記静止結像特性及
び調節後の前記走査結像特性の少なくとも一方に基づい
て、前記マスクステージ(RST)及び前記基板ステー
ジ(WST)の少なくとも一方の走査状態を調整する調
整手段(S162)を設けたことを要旨とするものであ
る。
【0026】このため、本願請求項3の発明において
は、前記請求項2に記載の発明の作用に加えて、調節さ
れた投影光学系の結像特性に基づいて、前記両ステージ
の走査速度、走査方向等の走査状態が調整手段により調
整される。これにより、前記両ステージの走査状態を精
確に調整することができる。そして、前記マスク上の回
路パターンと前記基板の所定領域との位置ずれ及び同期
ずれを精確に補正することができる。
【0027】また、本願請求項4の発明は、前記請求項
1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明におい
て、前記照明条件変更手段(68〜70)は、互いに異
なる複数の開口を有する照明絞り(68)を含むことを
要旨とするものである。
【0028】このため、本願請求項4の発明において
は、前記請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載
の発明の作用に加えて、前記照明絞りを駆動させ露光光
の通過位置に異なる開口を対応させることで、前記照明
条件を容易に変更することができる。
【0029】また、本願請求項5の発明は、前記請求項
1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明におい
て、前記マスク(R)が交換されたとき、前記第1結像
特性測定手段(S114)を用いて前記静止結像特性を
測定するとともに、前記第2結像特性測定手段(S11
6)を用いて前記走査結像特性を測定するようにしたこ
とを要旨とするものである。
【0030】このため、本願請求項5の発明において
は、前記請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載
の発明の作用に加えて、マスクが変更されたときに、投
影光学系の静止状態での静止結像状態と走査状態での走
査結像状態とが測定される。これにより、各マスクにお
ける前記投影光学系の静止結像特性と走査結像特性とを
用いて、投影光学系の結像特性を最適化することができ
る。そして、マスクの変更及び前記マスクステージと基
板ステージとの同期走査に伴う像面の変動及び変形の影
響を低減することができて、回路パターンの精確な投影
転写が可能となる。
【0031】また、走査型露光装置に係る本願請求項6
の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記
載の露光システムに使用される走査型露光装置(21)
において、前記第1結像特性測定手段(S104、S1
14)により測定された前記投影光学系(PL)の静止
結像特性と、前記第2結像特性測定手段(S106、S
116)により測定された前記投影光学系(PL)の走
査結像特性とを前記照明条件または前記マスク(R)毎
に格納する結像特性格納部(87)と、前記照明条件ま
たはマスクが設定されたとき、その照明条件またはマス
クに対応する静止結像特性及び走査結像特性の少なくと
も一方を前記結像特性格納部(87)から読み出して、
読み出された結像特性に基づいて前記投影光学系(P
L)の結像特性を補正する露光制御手段(57)と、を
備えたことを要旨とするものである。
【0032】このため、本願請求項6の発明では、回路
パターンの投影転写に際して測定された静止結像特性及
び走査結像特性が、その照明条件毎及びマスク毎に結像
特性格納部に格納される。そして、次回以降の同一条件
での回路パターンの転写露光時において、投影光学系の
結像特性の補正を格納された結像特性を読み出して行う
ため、改めて結像特性を測定する必要がない。このた
め、転写露光に先立つ投影光学系の補正を迅速に行うこ
とができて、走査型露光装置のスループットを向上させ
ることができる。
【0033】また、露光システムの露光方法に係る本願
請求項7の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか
一項に記載の露光システムの露光方法において、前記照
明条件変更手段(68〜70)により前記照明条件が変
更されたとき、前記第1結像特性測定手段(S104、
S114)を用いて前記静止結像特性を測定するととも
に、前記第2結像特性測定手段(S106、S116)
を用いて前記走査結像特性を測定し、それらの測定結果
に基づいて前記投影光学系(PL)の結像特性を調節
し、前記マスク(R)上のパターンを基板(W)上に転
写露光することを要旨とするものである。
【0034】このため、本願請求項7の発明において
も、前記請求項1に記載の発明の作用と同様の作用が発
揮される。また、本願請求項8の発明は、前記請求項7
に記載の発明において、前記第1調節手段(S158)
により前記投影光学系(PL)の静止結像特性が調節さ
れた状態で前記第2結像特性測定手段(S106、S1
16)により前記走査結像特性を測定し、前記第2調節
手段(S161、S162)により前記投影光学系(P
L)の結像特性を調節することを要旨とするものであ
る。
【0035】このため、本願請求項8の発明において
は、前記請求項7に記載の発明の作用に加えて、走査露
光時における照明条件の変更に際して、まず第1調節手
段により投影光学系の静止結像特性を調節することで、
投影光学系の大まかな結像特性の調節がなされる。これ
により、第2調節手段により、投影光学系の走査結像特
性を調節する際の調節幅を小さくすることができ、投影
光学系の結像特性の調整を容易かつ迅速に行うことがで
きる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を走査露光と一括
露光とが切り換え可能な走査型露光装置(以下、単に
「露光装置」という)を使用した露光システムに具体化
した一実施形態について図1〜図9に基づいて説明す
る。
【0037】図3に示すように、本実施形態の露光シス
テムは、露光装置21と、デベロッパ22と、走査型電
子顕微鏡(SEM)23とからなっている。前記露光装
置21は、マスクとしてのレチクルR上に描画された回
路パターンを基板としてのウエハW上に投影転写するも
のである。前記デベロッパ22は、その露光装置21に
てウエハW上のフォトレジスト等の感光材料層に形成さ
れた潜像としてのパターン像を回路パターンに現像する
ものである。前記SEM23は、前記デベロッパ22で
現像された回路パターンの形成状態を観察するためのも
のである。
【0038】図1に示すように、露光光源26から照射
された露光光ELは、シャッタ27を通過してコリメー
タレンズ等からなるレンズ系28により所定の光束径に
調整された後、ミラー29を介してフライアイレンズ3
0に入射する。前記露光光ELは、例えばKrF、Ar
F、F2等のエキシマレーザ光、金属蒸気レーザやYA
Gレーザの高調波、あるいはg線、h線、i線等の超高
圧水銀ランプの輝線である。前記シャッタ27は、シャ
ッタ駆動部27aにより露光光ELの光路に対して挿脱
可能に配置されており、前記光路の開閉を制御する。な
お、前記露光光源26がエキシマレーザ等のパルス光源
であるときは、同シャッタ27を光量制御に使用するこ
とはない。
【0039】フライアイレンズ30から射出した露光光
ELは、リレーレンズ31a、31b、レチクルブライ
ンド32、ミラー33、コンデンサレンズ34を介して
半導体素子等の回路パターン等が描かれたマスクとして
のレチクルRに入射する。フライアイレンズ30、リレ
ーレンズ31a、31b、ミラー33、コンデンサレン
ズ34の合成系は、フライアイレンズ30のそれぞれの
レンズエレメントから射出する露光光ELの2次光源像
をレチクルR上で重畳させ、レチクルRを均一な照度で
照明する照度均一化光学系35を構成している。
【0040】前記レチクルブラインド32は、その遮光
面がレチクルRのパターン領域と共役な関係をなすよう
に配置されている。そのレチクルブラインド32は、レ
チクルブラインド駆動部32aにより開閉可能な複数枚
の可動遮光部(例えば2枚のL字型の可動遮光部)から
なっている。そして、それらの可動遮光部により形成さ
れる開口部の大きさ(スリット幅等)を調整することに
より、レチクルRを照明する照明領域IA(図2参照)
を任意に設定するようになっている。
【0041】レチクルRは、ベース38上に設けられた
マスクステージとしてのレチクルステージRSTに真空
吸着されている。このレチクルステージRSTは、前記
照度均一化光学系35の光軸IXに垂直な平面内でレチ
クルRを位置決めするために、ベース38上をエアベア
リング等を介して2次元方向に微動可能に保持されてい
る。また、レチクルステージRSTは、リニアモータ等
で構成されたレチクルステージ駆動部39によりベース
38上を所定の方向(走査方向)に移動可能となってい
る。レチクルステージRSTは、レチクルRの全面が少
なくとも前記照度均一化光学系35の光軸IXを横切る
ことができるだけの移動ストロークを有している。
【0042】レチクルステージRSTの端部には、干渉
計40からのレーザビームを反射する移動鏡41が固定
されている。この干渉計40によって、レチクルステー
ジRSTのスキャン方向の位置が、例えば0.01μm
程度の分解能で常時検出され、その位置情報はレチクル
ステージ制御部42に送られる。レチクルステージ制御
部42は、レチクルステージRSTの位置情報に基づい
てレチクルステージ駆動部39を制御し、レチクルステ
ージRSTを移動する。ここで、図示しないレチクルア
ライメント系によりレチクルRを所定の基準位置に精度
よく位置決めすべく、レチクルステージRSTの初期位
置が設定されるようになっている。このため、移動鏡4
1の位置を干渉計40で測定するだけで、レチクルRの
位置を高精度に測定することが可能になっている。
【0043】前記レチクルRを通過した露光光ELは、
例えば両側テレセントリックな投影光学系PLに入射す
る。投影光学系PLは、そのレチクルR上の回路パター
ンを例えば1/5あるいは1/4に縮小した投影像を、
表面に前記露光光ELに対して感光性を有するフォトレ
ジストが塗布されたウエハW上に形成する。
【0044】ここで、図1及び図2に示すように、ステ
ップ・アンド・リピート方式でレチクルR上の回路パタ
ーンをウエハW上の所定の露光領域(ショット領域)S
Aに一括露光する場合には、レチクルR上の照明領域I
Aが、前記レチクルブラインド32でほぼ正方形状に整
形される。そして、前記レチクルRとウエハWとがとも
に静止した状態で、この照明領域IA内におけるレチク
ルR上の回路パターンが、前記投影光学系PLを介して
前記ウエハW上のショット領域SAに一括投影される。
【0045】一方、ステップ・アンド・スキャン方式で
レチクルR上の回路パターンがウエハW上のショット領
域SAに走査露光する場合には、レチクルR上の照明領
域IA’が、前記レチクルブラインド32で長方形(ス
リット)状に整形される。この照明領域IA’は、レチ
クルR側の走査方向(+X方向)に対して垂直方向に長
手方向を有するものとなっている。そして、レチクルR
を露光時に矢印Vrの大きさの速度で走査することによ
り、前記レチクルR上の回路パターンを前記スリット状
の照明領域IA’で一端側から他端側に向かって順次照
明する。これにより、照明領域IA’内におけるレチク
ルR上の回路パターンが、前記投影光学系PLを介して
ウェハW上に投影され、投影領域IF’が形成される。
【0046】ここで、ウエハWはレチクルRとは倒立結
像関係にあるため、矢印Vr方向とは反対方向(−X方
向)にレチクルRの走査に同期して矢印Vwの大きさの
速度で走査される。これにより、ウエハWのショット領
域SAの全面が露光可能となる。走査速度の比Vw/V
rは正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じたものにな
っており、レチクルR上の回路パターンがウエハW上の
各ショット領域SA上に正確に縮小転写される。なお、
前記照明領域IA’の長手方向の幅はレチクルR上の回
路パターンの開口部における同方向の長さよりも大きく
なるように設定されており、走査することにより回路パ
ターン全面の照明が可能となっている。
【0047】図1に示すように、ウエハWはウエハホル
ダ45に真空吸着され、ウェハホルダ45を介してウェ
ハステージWST上に保持されている。ウェハホルダ4
5は図示しない駆動部により、投影光学系PLの最適結
像面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系P
Lの光軸AX方向(Z方向)に微動可能になっている。
また、ウェハステージWSTは、モータ等のウエハステ
ージ駆動部46により、前記走査方向(X方向)の移動
のみならず、複数のショット領域SAに対し任意に移動
できるように走査方向に垂直な方向(Y方向)にも移動
可能に構成されている。これにより、ウエハW上の各シ
ョット領域SAを走査露光する動作と、次の走査露光の
開始位置まで移動する動作とを繰り返すステップ・アン
ド・スキャン動作が可能になっている。
【0048】ウエハステージWSTの端部には、干渉計
47からのレーザビームを反射する移動鏡48が固定さ
れており、ウエハステージWSTのXY方向の位置は干
渉計47によって、例えば0.01μm程度の分解能で
常時検出される。ウエハステージWSTの位置情報(ま
たは速度情報)はウエハステージ制御部49に送られ、
ウエハステージ制御部49はこの位置情報(または速度
情報)に基づいてウエハステージ駆動部46を制御す
る。また、詳しい説明は省略するが、前回露光され、処
理がされたウエハWに対し、レチクルRの投影像が正確
に重ね合わせられるように、図示しないウエハアライメ
ント系によりウェハWの位置合わせが行われるようにな
っている。
【0049】また、前記投影光学系PLを支える支持部
(コラム)52には、その投影光学系PLを挟むように
一対の照射光学系53と受光光学系54とからなる斜入
射方式のウエハ位置検出系(焦点検出系)55が固定さ
れている。前記照射光学系53は、ウエハWの表面等に
向けてピンホールあるいはスリット像を形成するための
結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する
ものである。前記受光光学系54は、その結像光束のウ
ェハWの表面での反射光束をスリットを介して受光する
ものである。
【0050】この焦点検出系55の構成等については、
例えば特開昭60−168112号公報に開示されてお
り、ここではその説明を省略する。前記焦点検出系55
は、予め設定された基準位置に対するウエハWの表面の
前記光軸AX方向(Z方向)の位置偏差を検出する。検
出されたウエハWの位置情報は、焦点位置制御部56に
入力され、さらに測定制御手段及び露光制御手段を構成
し、露光装置21全体の動作を制御する主制御系57を
介して前記ウエハステージ制御部49に送られる。ウエ
ハステージ制御部49は、このウエハWの位置情報に基
づいて、ウエハWと前記投影光学系PLが所定の間隔を
保つように前記ウエハホルダ45をZ方向に駆動する。
【0051】また、図1、図2及び図4に示すように、
前記ウエハステージWST上には、その焦点検出系55
の基準位置のキャリブレーションを行うための基準板6
0が設けられている。この基準板60は、少なくとも投
影領域IF、IF’以上の受光面を有するとともに、そ
の上面がウエハWの表面の高さとほぼ一致するように配
置されている。この基準板60の中央部にはスリット状
の開口部61が形成されており、ウエハステージWST
内の同基準板60の下方には開口部61を通過した露光
光ELの強度を測定するための光電センサ62が設置さ
れている。その光電センサ62は、前記開口部61を通
過するすべての光束を受光するのに十分な面積を有して
いる。この光電センサ62は、受光した露光光ELの強
度に関する受光量信号S1を空間像検出部63に対して
出力する。
【0052】さて、この基準板60を用いた前記焦点検
出系55のキャリブレーションについて簡単に説明す
る。まず、前記基準板60をウエハステージWSTによ
り投影光学系PLの真下に位置するように移動させる。
これにより、露光光ELで照明されたレチクルR上のマ
ークパターンRMが、前記投影光学系PLを介して基準
板60の上面の近傍で結像するようになる。この状態
で、ウエハステージWSTにより、基準板60をその開
口部61が前記マークパターンRMの1つの投影像R
M’とほぼ対応するように移動させる。そして、ウエハ
ステージWSTをX方向に移動させることによって、図
4(b)に示すように、前記マークパターンの投影像R
M’が前記開口部61に対して相対移動される。これに
より、前記マークパターンの投影像RM’を前記光電セ
ンサ62で受光することが可能となり、そのときの開口
部61の移動方向(X方向)に対する光電センサ62か
らの出力(受光量信号S1)の一例を図4(c)に示
す。
【0053】このような信号波形を、前記ウエハステー
ジWSTにより前記基準板60をZ方向に移動しつつ求
める。そして、前記空間像検出部63において、得られ
た信号波形から最良のコントラストが得られるZ方向位
置を算出し、その位置を投影光学系PLの最適結像位置
に定める。ちなみに、前記コントラストは、例えば図4
(c)に示すような信号波形を、適当なスライスレベル
でスライスして得られたピーク幅Pwを基準ピーク幅
(設計値)と比較することにより求められる。また、前
記信号波形のピーク高さPhから所定の演算により求め
てもよい。
【0054】ついで、このように求められた最適結像位
置に前記基準板60を合わせ込み、その基準板60の上
面のZ方向位置を前記焦点検出系55で検出する。この
状態で、受光光学系54の内部に設けられた図示しない
平行平板ガラス(プレーンパラレル)の角度を、受光光
学系54で検出される位置偏差が零となるように調整す
る。これにより、受光光学系54における基準位置が前
記投影光学系PLの最適結像面に設定され、焦点検出系
55のキャリブレーションがなされる。
【0055】前記フライアイレンズ30とレチクルRと
の間の光路中には、露光光ELの一部の光(例えば5%
程度の光)を反射し、残りの光を透過させるビームスプ
リッタ66が設置されている。このビームスプリッタ6
6を介して、前記露光光源26からの露光光ELの一部
が、照射量センサ67に導かれるようなっている。この
照射量センサ67は、シリコン・フォト・ダイオードや
フォトマルチプライア等の光電センサによりなり、前記
露光光源26から射出される露光光ELの光強度を検出
し、検出した露光量信号S2を主制御系57に出力す
る。
【0056】また、前記フライアイレンズ30の射出端
面には前記のように複数の2次光源像が形成され、その
射出端面はレチクルRのパターン面と共役な位置関係に
ある。この射出端面近傍には、互いに異なる開口形状を
なす複数の照明絞り68を備えたターレット板69が回
転可能に設けられている。
【0057】このターレット板69は石英等の前記露光
光ELに対して透明な物質によりなり、その表面上には
ほぼ全面にわたってクロム等からなる遮光被膜が形成さ
れている。その遮光被膜に所定形状の開口部が形成され
ており、この開口部により各照明絞り68が構成されて
いる。そして、前記主制御系57の指令に基づいてモー
タ等からなる照明絞り変更部70によりターレット板6
9が回転され、所定の照明絞り68が露光光ELの光路
中に選択配置される。この照明絞り68の選択配置によ
り前記2次光源の形状が変更され、前記レチクルRの照
明条件が変更されるようになっている。このように、照
明絞り68、ターレット板69及び照明条件変更部70
により照明条件変更手段が構成されている。
【0058】前記照明絞り68としては、輪帯絞り、斜
入射絞り、円形絞り等が挙げられる。前記輪帯絞りは、
特開昭61−91662号公報等に開示されるように前
記光軸IXを中心とした輪帯状に前記開口部が形成され
ており、前記2次光源像の形状が輪帯状に制限される。
前記斜入射絞りは、特開平4−225514号公報等に
開示されるように、例えば4つの開口部が前記光軸IX
に対して点対称に配置された絞りである。これにより、
前記2次光源像の形状が、前記光軸IXから偏心した離
散的な複数の領域に制限される。
【0059】前記円形絞りは、前記2次光源像の大きさ
を中心を変えずに可変とするように、前記光軸IXを中
心としたそれぞれ異径の円形の開口部をもつ複数の絞り
を含むものである。これにより、各円形絞りにおけるσ
値(照度均一化光学系35と投影光学系PLとの開口数
の比)を可変にすることができるようになっている。ち
なみに、これらの円形絞りのうちで、最大のσ値を実現
するものを通常絞りといい、それ以外のσ値を実現する
ものを小σ絞りという。
【0060】次に、レチクルステージRST及び投影光
学系PLの周辺構成について説明する。前記レチクルス
テージRSTは、レチクル駆動素子73により前記光軸
IX方向(Z方向)に微動が可能になっている。そのレ
チクル駆動素子73は、ピエゾ、電歪素子、エアダンパ
ー等が用いられ、レチクルステージRST全体を駆動す
るために3ないし4個使用される。
【0061】また、投影光学系PLにおいて、前記レチ
クルRに最も近い第1群のレンズエレメント74は第1
支持部材75に固定され、第2群のレンズエレメント7
6は第2支持部材77に固定されている。第2群のレン
ズエレメント76より下部のレンズエレメント78は、
鏡筒部79に固定されている。前記第1支持部材75は
伸縮可能な複数(例えば3つで、図1では2つを図示)
の第1駆動素子80により前記第2支持部材77に連結
され、その第2支持部材77は伸縮可能な複数の第2駆
動素子81によって鏡筒部79に連結されている。
【0062】前記各駆動素子73、80、81は結像特
性制御部82に接続されており、この結像特性制御部8
2によりレチクルRまたは前記各レンズエレメント7
4、76がそれぞれ独立に駆動されるようになってい
る。さらに、この結像特性制御部82には、投影光学系
PLの鏡筒部79内の圧力が調整するための圧力制御部
83が接続されている。
【0063】また、前記主制御系57には、キーボード
やバーコードリーダ等の入力手段86が接続されてい
る。この入力手段86を介して、ウエハWの露光条件、
テスト露光により求められた投影光学系PLの結像特
性、投影光学系PLの熱的な時定数の情報、レチクルR
の透過率情報、レチクルブラインド32の開度(照明ス
リット幅)の値、目標露光量、走査速度等の各種情報を
前記主制御系57に入力可能となっている。
【0064】また、前記主制御系57には、結像特性格
納部としてのハードディスク部87が接続されている。
このハードディスク部87には、各照明条件毎及び各レ
チクル毎の静止状態または走査状態での前記投影光学系
PLの結像特性の補正値等が格納される。前記入力手段
86を介して入力された静止状態で検出された静止結像
特性と走査状態で検出された走査結像特性とは、前記主
制御系57を介して、前記通常絞りを用いた通常照明及
び通常のレチクルでの静止結像特性及び走査結像特性に
対する補正値に変換される。このように算出された一組
の補正値は、前記ハードディスク部87内において各照
明条件毎及び各レチクル毎に区画されたデータファイル
に格納されるようになっている。
【0065】なお、ここで入力される前記静止結像特性
としては、例えば投影光学系PLにおける投影倍率、像
面湾曲、焦点位置及びディストーションに関する情報が
含まれたものであり。また、前記走査結像特性には、前
記静止結像特性と同様な情報に加えて、レチクルRとウ
エハWとの同期走査に起因するもの、例えばレチクルス
テージRSTとウエハステージWSTとの相対移動方向
に関するステージスキュー成分、走査速度の変動に伴う
露光量変化等に関する情報が含まれる。
【0066】ここで、デバイスレチクル上の回路パター
ンをウエハWの各ショット領域SAに実際に転写露光す
る場合には、一括露光か走査露光かの別、その転写露光
に使用する照明条件及びレチクルRの種類(通常レチク
ル、位相シフトレチクル、ハーフトーンレチクル等)を
前記入力手段86を介して、主制御系57に入力する。
主制御系57は、入力された情報に基づいて、前記ハー
ドディスク部87内の対応するデータファイルから前記
補正値を読み出す。そして、前記主制御系57は、その
補正値に従って前記結像状態制御部82に対し投影光学
系PLの結像特性を補正すべく指令するようになってい
る。また、前記主制御系57は、走査露光が選択された
場合には、前記両ステージRST、WSTの同期走査に
関する補正値に従って、レチクルステージ制御部42及
びウエハステージ制御部49に対し同期走査の状態を補
正すべく指令するようになっている。
【0067】前記結像特性制御部82は、例えば特開平
6−291016号公報に詳細に記載されているものと
ほぼ同等の作用を発揮するものであり、ここでは簡単に
説明する。
【0068】まず、前記結像特性制御部82による投影
光学系PLの結像特性制御の基礎データとなる結像特性
の測定方法について説明する。デバイスパターンの転写
露光に先だって、所定のテストパターンを有するテスト
レチクルを用いてテスト露光を行う。このテスト露光で
は、まず、前記テストレチクルをレチクルステージRS
Tに載置して、そのテストレチクル上のテストパターン
を前記照度均一化光学系35からの露光光ELで照明す
る。これにより、前記テストパターンを投影光学系PL
を介してウエハW上に投影転写し、そのウエハW上の所
定領域に前記テストパターンに対応する潜像を形成させ
る。
【0069】ここで、前記静止状態での静止結像特性を
測定する場合には、前記テストレチクルとウエハとをと
もに静止させた状態で一括露光を行う。一方、前記走査
状態での走査結像状態を測定する場合には、前記レチク
ルステージRSTとウエハステージWSTとを所定の前
記走査速度で逆方向に同期走査させた状態で走査露光を
行う。
【0070】ついで、このテスト露光済みのウエハWを
露光装置21から前記デベロッパ22に移送し、ウエハ
W上に投影転写されたテストパターンの現像を行う。そ
のデベロッパ22にて現像されたウエハWは前記SEM
23に移送し、その現像されたテストパターンの像をS
EM23を用い直接観察する。このSEM23での観察
により、前記テストパターンの形成状態(寸法、ぼけ具
合、ゆがみ具合等)から前記投影光学系PLの結像特性
を求める。
【0071】次に、前記テストレチクルを前記デバイス
レチクルに置き換えた後、前記結像特性制御部82の制
御のもとで、前記各駆動素子73、80、81を、前記
結像特性に応じてそれぞれ個別に所定量だけ伸縮させ
る。これにより、前記レチクルRをレチクルステージR
STを介して前記投影光学系PLの光軸AX方向に平行
移動させるとともに、各レンズエレメント74、76を
それぞれ同光軸AX方向に平行移動させる。なお、結像
特性の各構成要素(投影倍率、収差、像面湾曲、ディス
トーション等)において、前記レチクルR及びレンズエ
レメント74、76をそれぞれどの程度平行移動させれ
ば補正されるかは、予め実験等により求められているも
のとする。ちなみに、これらの結像特性の構成要素は、
各投影光学系PL毎に固有の挙動を示すため、各投影光
学系PL毎の測定を要するものである。
【0072】ここで、前記投影光学系PLは、両側テレ
セントリックなものとなっている。このため、前記レチ
クルR及び各レンズエレメント74、76の移動量に対
応した変化率で投影光学系PLにおける前記結像特性の
各構成要素がそれぞれ微小量変化する。なお、レチクル
R及び各レンズエレメント74、76の移動量は、図示
しない、例えばエンコーダ、容量型センサ、光反射型セ
ンサ等の位置センサを併用して検出している。この検出
結果に基づいて、レチクルR及び各レンズエレメント7
4、76が所定に制御目標位置に配置されるようにフィ
ードバック制御がなされている。
【0073】また、前記結像特性制御部82は、これら
のレチクルステージRST及び各レンズエレメント7
4、76の位置調整とともに、圧力調整部83を介して
投影光学系PLの鏡筒部79内の圧力を制御するように
なっている。この鏡筒部79内の圧力の変更によって
も、その変更量に対応した変化率で投影光学系PLにお
ける前記結像特性の各構成要素がそれぞれ微小量変化す
る。
【0074】このように、レチクルR及び各レンズエレ
メント74、76の位置、あるいは、鏡筒部79内の圧
力をそれぞれ独立に調整することにより、投影光学系P
L自体の光学特性や投影像の結像特性を補正することが
可能となっている。つまり、前記各駆動素子76、8
1、82の伸縮量及び前記鏡筒部79内の圧力を微妙に
調整することにより、投影光学系PLの投影倍率、像面
湾曲、焦点位置、及び、ディストーションを任意に補正
することができる。特に、前記レンズエレメント74、
76は、投影倍率、像面湾曲及びディストーション等の
各特性に与える影響が、他のレンズエレメントに対して
大きくなっている。このため、前記結像特性制御部82
は、前記各特性の補正を容易かつ精確に行うことができ
るようになっている。
【0075】次に、本実施形態の露光システムの動作に
ついて、図5〜図9のフローチャートに基づいて説明す
る。まず、前記静止結像特性及び走査結像特性を各照明
条件及びレチクル毎に格納するデータファイルの作成処
理から説明する。なお、この処理は、前記主制御系57
による制御の下で実行される。
【0076】図5に示すように、オペレータにより主制
御系57に対し入力手段86を介してデータファイルの
作成処理の開始が指令されると、まず通常照明条件及び
通常レチクルにおける結像特性を格納する基準データフ
ァイルが既に作成されているか否かが判別される(S1
01)。このS101において、前記基準データファイ
ルが未作成であると判別されたときには、まずレチクル
ステージRST上に通常のテストレチクルが載置され
る。そして、最大のσ値を有する通常照明用の円形絞り
が露光光ELの光路中に配置されるように、照明絞り変
更部70によりターレット板69が回転される(S10
2)。前記テストレチクルを通常照明により照明しつ
つ、前記テストレチクルとウエハWとを静止させた静止
状態で、そのテストレチクル上のテストパターンをウエ
ハW上に一括テスト露光する(S103)。なお、この
一括テスト露光時には、前記レチクルステージRST及
び各レンズエレメント74、76の位置及び鏡筒部79
内の圧力を所定の初期値に設定した状態で行うものとす
る。
【0077】ついで、第1結像特性測定手段を構成し、
静止状態での静止結像特性の基準値を算出するための基
準静止結像特性算出処理に移行する(S104)。図6
(a)のフローチャートに示すように、この基準静止結
像特性算出処理においては、まず現像されたテストパタ
ーン像のSEM23による観察結果から、前記静止状態
における投影光学系PLの静止結像特性の各構成要素
(収差、投影倍率のずれ、焦点位置の座標、像面湾曲、
ディストーション)の値を算出する(S201)。
【0078】次に、これら各構成要素のうち、収差、投
影倍率のずれ及びディストーションの各値を0にするよ
うな前記結像特性制御部82の制御量を、予め取得され
ている実験データに基づいて算出する。ちなみに、この
制御量は、前記レチクルステージRST及び各レンズエ
レメント74、76の移動量及び鏡筒部79内の圧力の
変更量を含むものである。このように算出された制御量
を静止基準補正値とする(S202)。さらに、前記S
201で算出された像面湾曲に基づいて、例えば最小二
乗近似等により静止基準近似像面を求める(S20
3)。そして、前記静止結像特性の各構成要素の値、静
止基準補正値及び静止基準近似像面を、基準静止結像特
性としてハードディスク部87の所定の領域に一旦記憶
させる(S204)。
【0079】次に、図5のフローチャートに戻って、前
記S103の一括テスト露光時と同一のテストレチクル
を用いるとともに、同一の照明条件下で、前記テストレ
チクルとウエハWとを同期走査させ、前記テストパター
ンをウエハW上に走査テスト露光する(S105)。な
お、この走査テスト露光時には、後述する静止結像特性
に基づく補正処理(S158、図8及び図9(a)参
照)により、前記レチクルステージRST及び各レンズ
エレメント74、76の位置及び鏡筒部79内の圧力
を、前記基準静止結像特性算出処理で算出された静止基
準補正値に基づいて設定した状態で行うものとする。
【0080】ついで、第2結像特性測定手段を構成し、
走査状態での走査結像特性の基準値を算出するための基
準走査結像特性算出処理に移行する(S106)。図6
(b)のフローチャートに示すように、この基準走査結
像特性算出処理においては、まず現像されたテストパタ
ーン像のSEM23による観察結果から、前記走査状態
における投影光学系PLの走査結像特性の各構成要素
(収差、X方向及びY方向の投影倍率のずれ、焦点位
置、像面湾曲、ディストーション、ステージスキュー成
分(パターン像の平面的な傾き成分)、露光量変化)の
値を算出する(S211)。
【0081】次に、これら各構成要素のうち、収差、Y
方向の投影倍率のずれ及びディストーションの各値を0
にするような前記結像特性制御部82の制御量を、前記
S202と同様に算出し、この制御量を走査基準補正値
とする(S212)。ついで、前記S211で算出され
たX方向の投影倍率のずれを、レチクルステージRST
及びウエハステージWSTの走査速度に関する走査速度
成分に変換する(S213)。また、前記S211で算
出されたステージスキュー成分を、レチクルステージR
ST及びウエハステージWSTの走査角度に関する走査
角度成分に変換する(S214)。そして、前記走査結
像特性の各構成要素のデータ、走査基準補正値、走査速
度成分及び走査角度成分を、基準走査結像特性としてハ
ードディスク部87の所定の領域に一旦記憶させる(S
215)。
【0082】次に、図5のフローチャートに戻って、前
記ハードディスク部87内に、通常照明及び通常レチク
ルを用いた露光条件での結像特性を格納する基準データ
ファイルを作成する。そして、前記S204及びS21
5においてハードディスク部87の所定の領域に一旦記
憶された基準静止結像特性及び基準走査結像特性を、こ
の基準データファイルに格納し(S107)、S108
に移行する。
【0083】前記S101において、基準データファイ
ルが作成済みであると判別されたときには、前記S10
2〜S107の処理を迂回してS108に移行する。こ
のS108においては、所望の照明条件及びレチクルに
おける結像特性を格納するデータファイルが既に作成さ
れているか否かが判別される。このS108において、
所望のデータファイルが未作成であると判別されたとき
には、まずレチクルステージRST上に所望のテストレ
チクルが載置されているか否かが判別される(S10
9)。このS109において、レチクルステージRST
上のレチクルが所望のレチクルとは異なると判別される
と、レチクルの交換が行われ(S110)、S111に
移行する。一方、このS109において、レチクルステ
ージRST上のレチクルが所望のレチクルと一致すると
判別された場合には、S110を迂回してS111に移
行する。
【0084】このS111においては、現在設定されて
いる照明条件が所望の照明条件と一致しているか否かが
判別される。このS111において、現在の照明条件が
所望の照明条件とは異なると判別されると、所望の照明
絞りが露光光ELの光路中に配置されるように、照明絞
り変更部70によりターレット板69が回転され(S1
12)、S113に移行する。一方、前記S111にお
いて、所望の照明条件に一致すると判別された場合に
は、S112を迂回してS113に移行する。
【0085】このS113においては、前記所望のレチ
クルを通常照明により照明しつつ、前記レチクルとウエ
ハWとを静止させた静止状態で、そのレチクル上のパタ
ーンをウエハW上に前記S103と同様に一括テスト露
光する。なお、この一括テスト露光時には、前記レチク
ルステージRST及び各レンズエレメント74、76の
位置及び鏡筒部79内の圧力を、前記基準静止結像特性
算出処理で算出された静止基準補正値に基づいて設定し
た状態で行うものとする。
【0086】ついで、第1結像特性測定手段を構成し、
静止状態での静止結像特性の補正値を算出するための補
正静止結像特性算出処理に移行する(S114)。図7
(a)のフローチャートに示すように、この補正静止結
像特性算出処理においては、まず前記基準静止結像特性
算出処理のS201と同様に、静止結像特性の各構成要
素(収差、投影倍率のずれ、焦点位置、像面湾曲、ディ
ストーション)の値を算出する(S221)。次に、こ
のS221にて算出された像面湾曲に基づいて、前記S
203と同様に近似像面を求める(S222)。そし
て、前記S221で算出した静止結像特性の各構成要素
の値及び近似像面と、前記基準静止結像特性の対応する
成分とを比較する(S223)。その比較における各成
分の差分を0とするような前記結像特性制御部82の制
御量によりなる補正値を求め、補正静止結像特性として
ハードディスク部87の所定の領域に一旦記憶させる
(S224)。
【0087】次に、図5のフローチャートに戻って、前
記S113の一括テスト露光時と同一のレチクルRを用
いるとともに、同一の照明条件下で、前記レチクルRと
ウエハWとを同期走査させ、前記レチクルR上のパター
ンをウエハW上に前述のように走査テスト露光する(S
115)。
【0088】ついで、第2結像特性測定手段を構成し、
走査状態での走査結像特性の補正値を算出するための補
正走査結像特性算出処理に移行する(S116)。図7
(b)のフローチャートに示すように、この補正走査結
像特性算出処理においては、まず前記基準走査結像特性
算出処理のS211と同様に、走査結像特性の各構成要
素(収差、X方向及びY方向の投影倍率のずれ、焦点位
置、像面湾曲、ディストーション、ステージスキュー成
分(パターン像の平面内での傾き成分)、露光量分布)
の値を算出する(S231)。次に、前記S231で算
出されたX方向の投影倍率のずれを、前記S213と同
様にレチクルステージRST及びウエハステージWST
の走査速度に関する走査速度成分に変換する(S23
2)。また、前記S231で算出されたステージスキュ
ー成分を、前記S214と同様にレチクルステージRS
T及びウエハステージWSTの走査角度成分に変換する
(S233)。そして、前記S231〜S233で算出
した走査結像特性の各構成要素の値、走査速度成分及び
走査方向成分と、前記基準走査結像特性の対応する成分
とを比較する(S234)。その比較における各成分の
差分を0とするような前記結像特性制御部82の制御量
によりなる補正値を求め、補正走査結像特性としてハー
ドディスク部87の所定の領域に一旦記憶させる(S2
35)。
【0089】次に、図5のフローチャートに戻って、前
記ハードディスク部87内に、前記S113及びS11
5での照明条件及びレチクルRを用いた露光条件におけ
る結像特性を格納するデータファイルを作成する。そし
て、前記S224及びS235においてハードディスク
部87の所定の領域に一旦記憶された補正静止結像特性
及び補正走査結像特性を、このデータファイルに格納す
る(S117)。
【0090】ついで、所望の全ての照明絞り68、レチ
クルRについて、データファイルの作成が完了している
か否かが判別される(S118)。このS118におい
て、所望の全てのデータファイルが作成済みであると判
別されたときには、データファイル作成処理の全ての処
理が終了される。一方、所望のデータファイルの内で未
作成のものがあると判別されたときには、前記S109
に戻るとともに、所望の全てのデータファイルの作成が
完了するまで、前記S109〜S118の処理が繰り返
された後、全ての処理が終了される。
【0091】次に、前記露光装置21の露光動作につい
て説明する。なお、この露光動作は、前記主制御系57
による制御の下で進行する。図8に示すように、オペレ
ータにより主制御系57に対し入力手段86を介して露
光動作の開始が指令されると、まず使用照明絞り、使用
レチクル、露光方法(走査露光または一括露光)等の露
光条件が設定されているか否かが判別される(S15
1)。このS151において、前記露光条件が設定され
ていないと判別された場合には入力待機状態となる。露
光条件がされていると判別された場合には、設定された
照明条件に対応する照明絞り68が前回の露光処理時と
同じか否かが判別される。言い換えると、現在露光光E
Lの光路との対応位置に配置された照明絞り68が、前
記設定された照明絞り68と一致するか否かが判別され
る(S152)。
【0092】このS152において、現在配置されてい
る照明絞り68が前記設定された照明絞り68と一致し
ないと判別されたときには、照明絞り変更部70に対し
照明絞り68の交換が指令される(S153)。これに
より、前記設定された照明絞り68を露光光ELの光路
に対応させるべくターレット板69が回転され、照明絞
り68の交換が行われる。そして、その照明絞り68の
交換の完了を待機する状態となり(S154)、その交
換が完了した判別されるとS155に移行する。これに
対し、前記S152において、現在配置されている照明
絞り68が前記設定された照明絞り68と一致すると判
別されたときには、そのままの照明絞り68にて露光可
能なため、前記S153及びS154を迂回して、S1
55に移行する。
【0093】このS155において、設定された露光条
件、つまり設定された照明絞り68とレチクルステージ
RST上に載置されているレチクルRとに対応するデー
タファイルが、ハードディスク部87内に作成されてい
るか否かが判別される。このS155において、選択す
べきデータファイルがハードディスク部87内に存在し
ないと判別されたときには、S156に移行して前記デ
ータファイル作成処理(図5〜図7参照)が実行され、
設定された露光条件に対応するデータファイルが作成さ
れ、S157に移行する。このS157において、前記
露光条件に対応するデータファイルが選択され、そのデ
ータファイル中に格納された静止結像特性に基づいて、
第1調節手段を構成する投影光学系PLの結像特性の補
正処理が実行される(S158)。
【0094】図9(a)のフローチャートに示すよう
に、この静止結像特性に基づく補正処理においては、ま
ず選択されたデータファイル中の静止結像特性が読み出
される(S251)。そして、読み出された静止結像特
性中の投影倍率に関する補正値及び収差に関する補正値
に基づいて、結像特性制御部82及びレチクルステージ
制御部42を介して、レチクルステージRST及び各レ
ンズエレメント74、76を投影光学系PLの光軸AX
方向に平行移動させる。また、結像特性制御部82及び
圧力制御部83を介して、鏡筒部79内の圧力を調整す
る(S252、S253)。これにより、前記静止結像
特性のうち、投影倍率成分と収差成分とが補正される。
【0095】次に、ウエハステージ制御部49によりウ
エハステージ駆動部46を介してウエハホルダ45が前
記光軸AX方向に平行移動され、ウエハWの上面が前記
静止結像特性中の近似像面に合わせ込まれる(S25
4)とともに、焦点位置の補正がなされる(S25
5)。そして、静止結像特性中のディストーションに関
する補正値に基づいて、前記S252及びS253と同
様に、レチクルステージRST及び各レンズエレメント
74、76の前記光軸AX方向の位置、そして、鏡筒部
79内の圧力を調整する(S256)。これにより、前
記静止結像特性のうち、ディストーション成分が補正さ
れる。
【0096】そして、前記静止結像特性の各構成要素に
関する補正が完了したか否かが判別され(S257)、
完了していないと判別されたときには前記S252に戻
って、各補正が完了するまで前記S252〜S257の
処理が繰り返される。一方、各補正が完了したと判別さ
れたときには、静止結像特性に基づく補正処理を終了す
る。
【0097】次に、図8のフローチャートに戻って、設
定された前記露光方法が走査露光であるか否かが判別さ
れる(S159)。このS159において、設定された
露光方法が走査露光ではないと判別されたときには、レ
チクルR上の回路パターンが一括露光によりウエハWの
前記ショット領域に転写される(S160)。
【0098】この一括露光においては、まずレチクルブ
ラインド駆動部32aによりレチクルブランド32を駆
動して、その開口形状をウエハW上に区画されたショッ
ト領域SAの形状と対応するように調整する。この調整
によって、レチクルR上の回路パターン全体が同時に照
明されるように、露光光ELの断面形状を調整する。そ
して、レチクルRとウエハWとを静止させた状態で、そ
のレチクルR上の回路パターンを照明し、その回路パタ
ーンを投影光学系PLを介してウエハW上の所定のショ
ット領域に投影転写する。ついで、ステップ・アンド・
リピート方式で、ウエハWを交換しつつ、前記各ショッ
ト領域への回路パターンの転写露光を繰り返し、全ての
露光処理を終了する。
【0099】一方、前記S159において、設定された
露光方法が走査露光であると判別されたときには、前記
選択されたデータファイル中に格納された走査結像特性
に基づいて、第2調節手段の一部を構成する投影光学系
PLの結像特性の補正処理が実行される(S161)。
【0100】図9(b)のフローチャートに示すよう
に、この走査結像特性に基づく補正処理においては、ま
ず選択されたデータファイル中の走査結像特性が読み出
される(S261)。そして、読み出された走査結像特
性中の走査方向と直交するY方向の投影倍率に関する補
正値及び収差に関する補正値に基づいて、結像特性制御
部82及びレチクルステージ制御部42を介して、レチ
クルステージRST及び各レンズエレメント74、76
を投影光学系PLの光軸AX方向に平行移動させる。ま
た、結像特性制御部82及び圧力制御部83を介して、
鏡筒部79内の圧力を調整する(S262、S26
3)。これにより、前記走査結像特性のうち、Y方向の
投影倍率成分と収差成分とが補正される。
【0101】次に、前記走査結像特性中の焦点位置に関
する補正値に応じて、ウエハステージ制御部49により
ウエハステージ駆動部46を介してウエハホルダ45を
Z方向に平行移動させ、ウエハWの上面を前記走査結像
特性中の焦点位置に一致させる(S264)。これによ
り、焦点位置の補正がなされる。そして、走査結像特性
中のディストーションに関する補正値に基づいて、前記
S252及びS253と同様に、レチクルステージRS
T及び各レンズエレメント74、76の前記光軸方向の
位置、そして、鏡筒部79内の圧力を調整する(S26
5)。これにより、前記走査結像特性のうち、ディスト
ーション成分が補正される。
【0102】そして、前記走査結像特性のうち、主に投
影光学系PLの状態に起因する各構成要素に関する補正
が完了したか否かが判別され(S266)、完了してい
ないと判別されたときには前記S262に戻って、各補
正が完了するまで前記S262〜S267の処理が繰り
返される。一方、各補正が完了したと判別されたときに
は、走査結像特性に基づく補正処理を終了する。
【0103】ついで、図8のフローチャートに戻って、
前記選択されたデータファイル中の走査結像特性のレチ
クルステージRSTとウエハステージWSTとの同期走
査に起因する成分、つまり走査速度成分、走査角度成分
及び露光量に関する補正を行いつつ、レチクルR上の回
路パターンが走査露光によりウエハWの前記ショット領
域に転写される(S162)。なお、このS162は、
第2調節手段の一部を構成している。
【0104】この走査露光においては、まずレチクルブ
ラインド駆動部32aによりレチクルブランド32を駆
動して、その開口形状を所定のスリット状に調整する。
この調整によって、レチクルR上の回路パターンの一部
がスリット状に照明されるように、露光光ELの断面形
状を調整する。そして、レチクルステージ駆動部39及
びウエハステージ駆動部46により、レチクルステージ
RSTとウエハステージWSTとを同期走査させること
で、レチクルR上の回路パターンが一端側から他端側に
向かって順次照明され、それに応じてその回路パターン
がウエハWのショット領域SAの他端側から一端側に向
かって順次投影転写される。ついで、ステップ・アンド
・スキャン方式で、ウエハWを交換しつつ、前記各ショ
ット領域への回路パターンの転写露光を繰り返し、全て
の露光処理を終了する。
【0105】ここで、この走査露光時において、前記走
査結像特性の露光量に関する補正値に基づいて、所望の
露光量を過不足なく確保するように、前記両ステージR
ST、WSTの平均走査速度を補正する。また、前記走
査結像特性の走査速度成分に関する補正値に基づいて、
走査露光中の各時点における両ステージRST、WST
の相対走査速度を調整する。これにより、前記走査結像
特性におけるX方向の投影倍率成分が補正される。
【0106】さらに、前記走査結像特性の走査角度成分
に関する補正値に基づいて、走査露光中の両ステージR
ST、WSTの相対走査方向を調整する。つまり、レチ
クルステージRSTの走査方向の延長線をウエハステー
ジWST上に投影した線と、ウエハステージWSTの走
査方向の延長線とのなす角の角度を調整する。言い換え
ると、例えばレチクルステージRSTを基準にみた場
合、そのレチクルステージWSTの走査方向に対して、
ウエハステージWSTを前記走査角度成分の補正値に応
じた所定の角度をもって斜めに走査する。これにより、
前記走査結像特性におけるパターン像の平面内での傾き
成分に対応するステージスキュー成分が補正される。
【0107】なお、これらの主に同期走査に起因する成
分の補正は、前記両ステージ制御部42、49により、
両ステージ駆動部39、46の駆動量を微妙に調整する
ことにより実現される。
【0108】従って、本実施形態によれば、以下のよう
な効果を得ることができる。 (イ) 本実施形態の露光システムでは、露光装置21
がレチクルRとウエハWとを同期走査して前記レチクル
R上の回路パターンをウエハW上に投影転写する走査露
光が可能な構成となっている。また、ターレット板69
上に形成された照明絞り68を適宜選択することによ
り、前記レチクルRの照明条件が変更可能になってい
る。そして、同露光装置21は、前記照明絞り68が交
換されたとき、必要に応じて、前記レチクルRとウエハ
Wとの静止状態における投影光学系PLの静止結像特性
と、前記レチクルRとウエハWとの走査状態における投
影光学系PLの走査結像特性とを測定するように制御さ
れる。
【0109】このため、各照明絞り68毎に、投影光学
系PLの静止結像特性と走査結像特性とが測定され、デ
バイスレチクルを用いた実露光時において、その露光条
件に応じた投影光学系PLの結像特性の最適化を図るこ
とができる。これにより、照明絞り68の変更及び前記
レチクルRとウエハWとの同期走査に伴って生じる像面
の変動及び変形を補正することができる。従って、通常
照明とは異なる変形照明を用い、前記レチクルRとウエ
ハWとを同期走査させる走査露光時において、レチクル
R上の回路パターンをウエハW上に精確に投影転写する
ことが可能となる。
【0110】(ロ) 本実施形態の露光システムの露光
装置21では、レチクルR上の回路パターンをウエハW
上に投影転写する露光動作時において、静止結像特性に
基づいて投影光学系PLの結像特性を調節する補正処理
(S158)が実行されるようになっている。また、走
査露光時には、走査結像特性に基づいて前記投影光学系
PLの結像特性を調節する補正処理(S161)が実行
されるとともに、レチクルステージRSTとウエハステ
ージWSTとの同期走査に伴う結像特性の変動要因を補
正しつつ露光を行う(S162)ようになっている。
【0111】このため、投影光学系PLの静止結像特性
と走査結像特性とを独立して調節することができ、ステ
ップ・アンド・リピート方式に切り換えることができ
る。そして、レチクルRとウエハWと同期走査させるこ
となく、前記レチクルR上の回路ターンをウエハWのシ
ョット領域SAに一括露光することが可能となり、露光
システムの露光動作の自由度が向上する。
【0112】また、前記静止結像特性は、前述のように
前記照明絞り68毎に測定されたものである。このた
め、この一括露光時においても、照明絞り68の変更に
伴う結像特性の変動の補正を行うことができ、精確な回
路パターンの転写露光が可能になる。
【0113】さらに、投影光学系PLに起因する静止結
像特性及び走査結像特性が調節された状態で、前記レチ
クルステージRST及びウエハステージWSTの走査速
度、走査方向等の走査状態が調整される。このため、両
ステージRST、WSTの同期走査の状態を精確に補正
することができる。従って、レチクルR上の回路パター
ンと、ウエハW上のショット領域SAとの位置ずれ及び
同期ずれを精度よく補正でき、より精確な回路パターン
の露光転写を実現することができる。
【0114】(ハ) 本実施形態の露光システムの露光
装置21では、基準走査結像特性および補正走査結像特
性の算出処理(S106、S116)に先だって、基準
静止結像特性に基づく補正処理(S158)が実行され
るようになっている。このため、前記各走査結像特性
は、常に投影光学系PLの結像特性が基準静止結像特性
に基づいて調節された状態で測定される。従って、走査
結像特性の測定基準を常に一定に保つことができ、各走
査結像特性に不測のオフセットが生じることがなく、前
記各走査結像特性を精確に測定することができる。
【0115】また、予め基準静止結像特性に基づいて補
正を行うことで、投影光学系PLの結像特性が大まかに
調整されるため、後に続く走査結像特性の測定結果に基
づく投影光学系PLの調整時の調整幅を小さくすること
ができる。従って、投影光学系PLの結像特性の調整を
容易かつ迅速に行うことができ、露光システムのスルー
プットの向上を図ることができる。
【0116】(ニ) 本実施形態の露光システムにおけ
る露光装置21では、レチクルRにおける照明領域I
A、IA’の照明条件が、互いに異なる複数の開口によ
りなる照明絞り68を交換することにより変更される。
このため、照明絞り変更部70により異なる開口を備え
た照明絞り68を露光光ELの光路に対応させること
で、前記照明条件を容易に変更することができる。従っ
て、各照明絞り68毎の静止状態及び走査状態の各結像
特性を迅速に測定することができ、露光システムのスル
ープットの向上を図ることができる。
【0117】(ホ) 本実施形態の露光システムでは、
レチクルRが、例えば通常レチクルから位相シフトレチ
クル、ハーフトーンレチクル等の種類の異なるものに交
換された時にも、必要に応じて静止結像特性及び走査結
像特性が測定されるようになっている。
【0118】ここで、レチクルRの交換に伴ってそのレ
チクルRを透過する露光光ELが強度分布が変化し、こ
れにより投影光学系PLの像面の変動を生じることがあ
る。これに対して、本露光システムでは、前記のように
レチクルRが交換された際にも投影光学系PLの静止結
像特性と走査結像特性とが測定される。このため、この
各レチクルR毎の各結像特性を用い、露光条件に応じ
て、投影光学系PLの結像特性を最適化することができ
る。従って、レチクルR上の回路パターンをウエハW上
に投影転写する際に、レチクルRの交換に伴う像面の変
動及び変形の影響を低減することができ、前記回路パタ
ーンの精確な投影転写が可能となる。
【0119】(へ) 本実施形態の露光システムの露光
装置21では、そのハードディスク部87内に照明絞り
68及びレチクルR毎の投影光学系PLの結像特性を格
納するデータファイルが作成されている。そして、基準
及び補正静止結像特性算出処理(S104、S114)
により算出された投影光学系PLの静止結像特性と、基
準及び補正走査結像特性算出処理(S106、S11
6)により算出された投影光学系PLの走査結像特性と
が、使用した照明絞り68及びレチクルR毎に分類され
た形で、前記データファイル内に格納される。
【0120】ここで、デバイスレチクルの実露光時にお
いて、使用する照明絞り68及びレチクルRが入力手段
86を介して設定されたとする。この設定に応じて、必
要のある場合には、その設定された照明絞り68及びレ
チクルRに対応する静止結像特性及び走査結像特性が前
記データファイルから読み出される。そして、読み出さ
れた結像特性に基づいて前記投影光学系PLの結像特性
が調節されるようになっている。
【0121】このように、実露光時における回路パター
ンの投影転写に際して、静止結像特性及び走査結像特性
が測定されると、使用した照明絞り68及びレチクルR
毎に前記各データファイル内に格納される。そして、次
回以降の同一条件での回路パターンの転写露光時におい
ては、対応するデータファイルに格納された結像特性を
用いて、投影光学系PLの結像特性の補正を行うことが
できる。従って、データファイル内に対応する露光条件
における結像特性が格納されていれば、改めて結像特性
を測定する必要がない。そして、転写露光に先立つ投影
光学系PLの結像特性の調節を迅速に行うことができ
て、露光装置ひいては露光システムのスループットを向
上させることができる。
【0122】(変更例)なお、前記実施形態は、以下の
ように変更してもよい。 ・ 前記実施形態では、露光装置21においてテスト露
光を行い、そのテスト露光したウエハWをデベロッパ2
2にて現像し、その現像したパターン像をSEM23で
観察することにより、前記静止結像特性及び走査結像特
性を求めていた。これに対して、前記基準板60上の開
口部61をウエハW上の1つのショット領域SAに対応
する形状及び寸法をなすように形成するとともに、前記
光電センサ62に代えてCCD( Charge Coupled Devi
ce)等の撮像素子を設ける。この撮像素子により、レチ
クルR上のパターンの静止露光時及び走査露光時の投影
像をそれぞれ取り込むとともに、前記空間像検出部63
に転送する。そして、空間像検出部63において、取り
込まれた投影像の画像情報を画像処理することにより前
記静止結像特性及び走査結像特性とを算出するようにし
てもよい。
【0123】このようにした場合、前記実施形態におけ
る(イ)〜(ヘ)に記載の効果に加えて、結像特性の測
定時に、ウエハW上に実際にパターンを露光する必要が
ないとともに、その露光に続く現像及びSEM23によ
るパターン像の観察を行う必要もない。このため、結像
特性の測定に要する時間を著しく短縮でき、露光システ
ムのスループットを大きく向上できるとともに、ウエハ
W上に塗布されたフォトレジストに基づく誤差要因の影
響を排除できて、より精確な結像特性の測定を行うこと
ができるという効果が得られる。
【0124】・ 前記実施形態では、露光装置21にお
いてテスト露光を行い、そのテスト露光したウエハWを
デベロッパ22にて現像し、その現像したパターン像を
SEM23で観察することにより、前記静止結像特性及
び走査結像特性を求めていた。これに対して、前記空間
像検出部63において、前記光電センサ62からの受光
量信号に基づいて、前記静止結像特性を測定するととも
に、前記走査結像特性を近似的に測定するようにしても
よい。この静止結像特性及び近似的な走査結像特性の算
出方法としては、例えば特開平9−115820号公報
に開示された測定方法を採用することができる。
【0125】すなわち、まず、投影光学系PLの投影領
域IF内の複数の点において、前記焦点検出系55のキ
ャリブレーション時と同様の最適結像面の位置の測定を
行う。前記空間像検出部63において、前記測定結果に
基づき投影光学系PLの像面湾曲を求め、その像面湾曲
に基づき近似像面を求める。また、前記マークパターン
RMの方向を変更して前記と同様な最適結像面の測定を
行うことにより、投影光学系PLの収差成分を求める。
さらに、前記最適結像面の測定を、前記干渉計47によ
りウエハステージWSTのXY平面内における位置を測
定しながら行うことにより、ディストーション成分を求
める。これらの測定結果により、前記静止結像特性を算
出する。
【0126】次に、前記レチクルRを前記走査露光時の
ようにスリット状に照明し、その照明に基づいて前記マ
ークパターンRMの投影像RM’を基準板60上に結像
させる。その投影像RM’を投影光学系PLの投影領域
IF’内でウエハステージWSTの走査方向(X方向)
における複数の設定位置に順次移動させる。そして、各
設定位置を中心に前記投影像RM’と前記開口部61と
を相対移動させ、その投影像RM’を前記光電センサ6
2により検出し、前記最適結像面の測定を行う。
【0127】そして、この一連の各設置位置での最適結
像面の測定を、前記走査方向と直交するY方向の複数の
位置についても行い、それらの測定結果に基づいて像面
湾曲を求め、その像面湾曲に基づいて近似像面を求め
る。また、各設定位置における前記信号波形の中心の位
置を同時に測定したウエハステージWSTの位置と対照
することによりずれ量を求め、そのずれ量に基づいてX
方向及びY方向の倍率成分、ディストーション成分、ス
テージスキュー成分を求める。ここで、前記各設定位置
で求められたディストーション成分については、前記走
査方向に積分したものをディストーション成分とする。
これらの測定結果により、前記走査結像特性を算出す
る。
【0128】このようにしても、前記変更例と同様に、
結像特性の測定に要する時間を著しく短縮でき、露光シ
ステムのスループットを大きく向上できるとともに、フ
ォトレジストに基づく誤差要因の影響を排除できて、よ
り精確な結像特性の測定を行うことができるという効果
が得られる。また、基準板60及び空間像検出部63の
周辺構成を、結像特性の測定と焦点検出系55のキャリ
ブレーションとに兼用することができて、部品点数の増
大を招くことがない。
【0129】・ 前記実施形態においては、斜入射方式
の焦点検出系50を採用したが、例えば特開昭58−1
13706号公報に開示されているような水平位置検出
系を採用してもよい。また、前記投影光学系PLの露光
フィールド内における任意の複数の位置での焦点位置を
検出できるよう焦点検出系を構成してもよい。すなわ
ち、例えば複数のスリット像を、前記露光フィールド内
に形成してもよい。この場合、前記焦点検出系のキャリ
ブレーションがなされた状態で、前記最適結像面に対す
るウエハW上の所定領域の傾斜及び湾曲を容易かつ迅速
に検出することができる。
【0130】・ 前記実施形態では、各レチクル毎に各
結像特性を測定する構成としたが、同じデザインルール
のレチクルR間では各結像特性の補正値を共有する構成
としてもよい。このように構成した場合、各結像特性の
測定回数を低減できて、露光システムのスループットを
向上することができる。また、ハードディスク部87の
所要容量を低減することができ、露光システムのコスト
ダウンを図ることができる。
【0131】・ 前記各実施形態では、照射量センサ6
7から露光量信号に基づいて、露光光源26の出力を調
整するようにしてもよい。このようにした場合、レチク
ルRに対する露光光ELの照射量が一層安定したものと
なり、各結像特性の測定をより精確に行うことができ
る。
【0132】・ 前記実施形態では、露光装置21とし
て半導体素子製造に用いられるウエハW用の一括露光と
走査露光とが切換可能な走査型露光装置を採用したが、
走査露光専用の露光装置に具体化してもよい。また、投
影光学系PLは、レチクルR上の回路パターンをウエハ
W上に縮小して投影するものだけでなく、等倍で、また
は拡大して投影するものであってもよい。さらに、例え
ば液晶表示素子製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド製造
用の露光装置、撮像素子製造用の露光装置に具体化して
もよい。
【0133】
【発明の効果】以上詳述したように、本願請求項1及び
請求項7の発明によれば、照明条件が変更されたとき
に、投影光学系の静止状態での静止結像状態と走査状態
での走査結像状態とが測定される。これらの各照明条件
毎の前記投影光学系の静止結像特性と走査結像特性とを
用いて、投影光学系の結像特性を最適化することができ
る。従って、照明条件の変更及び前記マスクステージと
基板ステージとの同期走査に伴う像面の変動及び変形の
影響を低減することができ、回路パターンの精確な投影
転写が可能となる。
【0134】また、本願請求項2の発明によれば、前記
請求項1に記載の発明の効果に加えて、投影光学系の静
止結像特性と走査結像特性とを独立して調節することが
でき、露光システムを走査露光と一括露光との切り換え
が可能となり、露光システムの露光動作の自由度が向上
する。
【0135】また、本願請求項3の発明によれば、前記
請求項2に記載の発明の効果に加えて、マスクステージ
と基板ステージとの同期走査の状態を精確に補正するこ
とができ、より精確な回路パターンの露光転写を実現す
ることができる。
【0136】また、本願請求項4の発明によれば、前記
請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明の
効果に加えて、前記照明条件を容易に変更でき、各照明
条件毎の静止状態及び走査状態の各結像特性を迅速に測
定することができ、露光システムのスループットの向上
を図ることができる。
【0137】また、本願請求項5の発明によれば、前記
請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明の
効果に加えて、マスクが変更されたときに、投影光学系
の静止状態での静止結像状態と走査状態での走査結像状
態とが測定される。これらの各マスク毎の前記投影光学
系の静止結像特性と走査結像特性とを用いて、投影光学
系の結像特性を最適化することができる。従って、マス
クの変更及び前記マスクステージと基板ステージとの同
期走査に伴う像面の変動及び変形の影響を低減すること
ができ、回路パターンの精確な投影転写が可能となる。
【0138】また、本願請求項6の発明によれば、次回
以降の同一条件での回路パターンの転写露光時におい
て、投影光学系の結像特性の補正を格納された結像特性
を読み出して行うため、改めて結像特性を測定する必要
がない。従って、転写露光に先立つ投影光学系の補正を
迅速に行うことができて、露光装置、ひいては露光シス
テムのスループットを向上させることができる。
【0139】また、本願請求項8の発明によれば、前記
請求項7に記載の発明の効果に加えて、第2調節手段に
より、投影光学系の走査結像特性を調節する際の調節幅
を小さくすることができ、投影光学系の結像特性の調節
を容易かつ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の露光システムの主要部
をなす露光装置を示す概略構成図。
【図2】 レチクルとウエハとの同期走査に関する説明
図。
【図3】 本発明の露光システムの一実施形態を示す概
略構成図。
【図4】 (a)は図1の空間像検出部の周辺構成を示
す概略構成図、(b)は図4(a)におけるレチクル上
のマークパターンと基準板上の開口部との相対移動に関
する説明図、(c)は図1の光電センサからの出力信号
の一例を示す説明図。
【図5】 データファイル作成処理に関するフローチャ
ート。
【図6】 (a)は基準静止結像特性算出処理に関する
フローチャート、(b)は基準走査結像特性算出処理に
関するフローチャート。
【図7】 (a)は補正静止結像特性算出処理に関する
フローチャート、(b)は補正走査結像特性算出処理に
関するフローチャート。
【図8】 露光動作に関するフローチャート。
【図9】 (a)は静止結像特性に基づく補正処理に関
するフローチャート、(b)は走査結像特性に基づく補
正処理に関するフローチャート。
【図10】 静止状態と走査状態とのディストーション
の相違に関する説明図。
【図11】 静止状態と走査状態との像面の相違に関す
る説明図。
【図12】 静止状態での各頂点におけるディストーシ
ョン量の違いにより走査状態でディストーション量が異
なることの一例を示す説明図。
【符号の説明】
21…露光システムの一部を構成する走査型露光装置、
22…露光システムの一部を構成するデベロッパ、23
…露光システムの一部を構成する走査型電子顕微鏡、5
7…測定制御手段及び露光制御手段を構成する主制御
系、68…照明条件変更手段の一部を構成する照明絞
り、69…照明条件変更手段の一部を構成するターレッ
ト板、70…照明条件変更手段の一部を構成する照明絞
り変更部、87…結像特性格納部としてのハードディス
ク部、IA、IA’…照明領域、IF、IF’…露光領
域、PL…投影光学系、R…マスクとしてのレチクル、
RST…マスクステージとしてのレチクルステージ、W
…基板としてのウエハ、WST…基板ステージとしての
ウエハステージ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F046 BA05 CB05 CB12 CB22 CB23 CB25 CC01 CC02 CC03 CC05 CC08 CC09 CC10 CC16 DA01 DA13 DA27 DB01 DB04 DC01 DC02 DD04 DD06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスク上の照明領域に対してそのマスク
    を走査するマスクステージと、前記マスク上のパターン
    の像を基板上に投影する投影光学系と、前記照明領域と
    前記投影光学系に関して共役な露光領域に対して前記基
    板を前記マスクの走査と同期して走査する基板ステージ
    と、前記マスクを照明する照明条件を変更する照明条件
    変更手段とを有する露光システムにおいて、 前記マスクステージと前記基板ステージとがともに静止
    した静止状態における前記投影光学系の静止結像特性を
    測定する第1結像特性測定手段と、 前記マスクステージと前記基板ステージとが同期走査さ
    れた走査状態における前記投影光学系の走査結像特性を
    測定する第2結像特性測定手段と、 前記照明条件変更手段により前記照明条件が変更された
    とき、前記第1結像特性測定手段を用いて前記静止結像
    特性を測定するとともに、前記第2結像特性測定手段を
    用いて前記走査結像特性を測定する測定制御手段と、を
    備えた露光システム。
  2. 【請求項2】 前記静止結像特性の測定結果に基づいて
    前記投影光学系の結像特性を調節する第1調節手段と、
    前記走査結像特性の測定結果に基づいて前記投影光学系
    の結像特性を調節する第2調節手段とを備えた請求項1
    に記載の露光システム。
  3. 【請求項3】 調節後の前記静止結像特性及び調節後の
    前記走査結像特性の少なくとも一方に基づいて、前記マ
    スクステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方の
    走査状態を調整する調整手段を設けた請求項2に記載の
    露光システム。
  4. 【請求項4】 前記照明条件変更手段は、互いに異なる
    複数の開口を有する照明絞りを含む請求項1〜請求項3
    のうちいずれか一項に記載の露光システム。
  5. 【請求項5】 前記マスクが交換されたとき、前記第1
    結像特性測定手段を用いて前記静止結像特性を測定する
    とともに、前記第2結像特性測定手段を用いて前記走査
    結像特性を測定するようにした請求項1〜請求項4のう
    ちいずれか一項に記載の露光システム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項
    に記載の露光システムに使用される走査型露光装置にお
    いて、 前記第1結像特性測定手段により測定された前記投影光
    学系の静止結像特性と、前記第2結像特性測定手段によ
    り測定された前記投影光学系の走査結像特性とを前記照
    明条件または前記マスク毎に格納する結像特性格納部
    と、 前記照明条件またはマスクが設定されたとき、その照明
    条件またはマスクに対応する静止結像特性及び走査結像
    特性の少なくとも一方を前記結像特性格納部から読み出
    して、読み出された結像特性に基づいて前記投影光学系
    の結像特性を補正する露光制御手段と、を備えた走査型
    露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項5のうちいずれか一項
    に記載の露光システムの露光方法において、 前記照明条件変更手段により前記照明条件が変更された
    とき、前記第1結像特性測定手段を用いて前記静止結像
    特性を測定するとともに、前記第2結像特性測定手段を
    用いて前記走査結像特性を測定し、それらの測定結果に
    基づいて前記投影光学系の結像特性を調節し、前記マス
    ク上のパターンを基板上に転写露光する露光方法。
  8. 【請求項8】 前記第1調節手段により前記投影光学系
    の静止結像特性が調節された状態で前記第2結像特性測
    定手段により前記走査結像特性を測定し、前記第2調節
    手段により前記投影光学系の結像特性を調節する請求項
    7に記載の露光方法。
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