JPH1083953A - 露光量調整方法及び走査型露光装置 - Google Patents

露光量調整方法及び走査型露光装置

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JPH1083953A
JPH1083953A JP8260344A JP26034496A JPH1083953A JP H1083953 A JPH1083953 A JP H1083953A JP 8260344 A JP8260344 A JP 8260344A JP 26034496 A JP26034496 A JP 26034496A JP H1083953 A JPH1083953 A JP H1083953A
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light
illumination
photosensitive substrate
scanning
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JP8260344A
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English (en)
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Shigeru Hagiwara
茂 萩原
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Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 照明条件の如何にかかわらず感光基板上の被
露光領域の全面で感光材の感度に応じた積算露光量を設
定する。 【解決手段】 マスクRに対する照明条件変更の前後で
感光基板Wに対してほぼ同じ積算露光量が与えられるよ
うに、照明条件の変更に伴う感光基板W上での走査方向
の照度分布の形状変化に応じて、マスクR及び感光基板
Wの走査速度と、感光基板Wに照射される露光光の光量
と、露光領域47の走査方向の幅との少なくとも1つを
調整する。このため、照明条件の変更に応じて感光基板
W上の被露光領域の全面で感光材の感度に応じた最適な
積算露光量が確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光量調整方法及
び走査型露光装置に係り、更に詳しくは、露光光により
照明された所定の照明領域に対しマスクを走査するのに
同期して照明領域と共役な露光領域に対して感光基板を
走査することにより、マスクに形成されたパターンを投
影光学系を介して感光基板上に転写するに際して用いら
れる露光量調整方法及びこの露光量調整方法が適用され
る走査型露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子又は液晶表示素子
等をフォトリソグラフィ工程で製造するに際しては、マ
スク又はレチクル(以下、「レチクルと総称する」)の
パターンを投影光学系を介してフォトレジストが塗布さ
れたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、「ウエ
ハ」という)の各ショット領域に転写露光する投影露光
装置が用いられている。この種の露光装置では、一般に
ウエハ上の各ショット領域への露光量をそれぞれ適正範
囲に収めるための照度制御機構が設けられている。かか
る露光装置における照度制御機構は、レチクルの照明領
域内での照度分布のむらを抑制するための照度分布制御
機構と、ウエハ上の各ショット領域への積算露光量を適
正露光量にするための露光量制御機構とに大別される。
【0003】ところで、従来の投影露光装置としては、
ウエハ上の各ショット領域を露光位置に順次位置決めし
つつ、それぞれ静止状態でレチクルのパターンを投影光
学系を介して各ショット領域に転写する一括露光方式の
露光装置、例えばステップ・アンド・リピート方式の縮
小投影型露光装置(いわゆるステッパー)が、主として
使用されていた。この一括露光方式の露光装置では、照
度分布制御は、照明光学系内に設けたオプティカル・イ
ンテグレータ(フライアイレンズ等)を用いて、多数の
光源像からの光束を重畳することにより行なわれてい
る。また、一括露光方式では、各ショット領域に静止状
態で露光が行なわれるため、各ショット領域への積算露
光量は、露光用の照明光を分岐して得られるモニタ用の
光束を実際の露光時間中に連続的に受光し、そのモニタ
用の光束の光電変換信号を積分して得られる信号に予め
実験的に求められている所定の係数を乗算することによ
り算出される。
【0004】従って、一括露光方式の投影露光装置用の
露光量制御機構は、そのモニタ用の光束を受光する光電
検出器(インテグレータセンサ)と、このインテグレー
タセンサの検出信号を積分する積分手段と、この積分手
段による積分結果と目標値との差分が小さくなるように
照明光の照度、又は露光時間を制御する制御手段とから
容易に構成することができる。
【0005】ところで、近年における半導体集積回路等
のパターンの微細化に伴い、例えば微細な周期的なパタ
ーンに対する解像度、及び焦点深度を向上させるため
に、照明系開口絞りを光軸に対して偏心した複数の開口
からなる形状とする変形光源法(例えば特開平4ー22
5358号公報参照)、又は照明系開口絞りの形状を輪
帯状にする輪帯照明法等が提案されている。このように
照明系開口絞りの開口の形状が種々に変化した場合で
も、一括露光方式の装置の場合、インテグレータセンサ
の受光面をウエハの表面と実質的に共役な検出面上に配
置することにより、ウエハの表面での実際の照度が正確
にモニタできることから、インテグレータセンサの検出
信号を積分して得られる値が所定の目標値に収束される
ように、例えば露光時間を制御することにより、ウエハ
上の各ショット領域での積算露光量を容易に適正範囲に
収めることができる。
【0006】一方、最近では半導体素子等の1個のチッ
プパターンが大型化する傾向にあり、投影露光装置にお
いては、より大きな面積のパターンを効率的にウエハ上
に露光するための大面積化が求められている。このよう
な大面積化を行うためには、特にディストーションを全
面で所定量以下に収めることが必要となる。そこで、広
い露光面積の全面でディストーションを小さくするため
に、ウエハ上の各ショット領域を走査開始位置にステッ
ピングした後、投影光学系に対してレチクル及びウエハ
を同期して走査することにより、レチクル上のパターン
をウエハ上の各ショット領域に逐次露光する所謂ステッ
プ・アンド・スキャン方式の露光装置が注目されてい
る。このステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装
置は、従来の等倍の投影光学系を用いて、レチクルとウ
エハとを同期して走査することにより、レチクルのパタ
ーンをウエハの全面に逐次露光する所謂スリットスキャ
ン方式の投影露光装置(アライナー等)を発展させたも
のである。
【0007】そのようなスリットスキャン方式又はステ
ップ・アンド・スキャン方式等の走査露光方式の投影露
光装置では、照度制御機構の内、照度分布制御機構とし
ては一括露光方式の場合と同じくオプティカル・インテ
グレータが使用されている。但し、オプティカル・イン
テグレータとしてフライアイレンズを使用する場合、最
終段のフライアイレンズの各レンズエレメントの入射面
がレチクルのパターン面と共役となる。また、走査露光
方式ではレチクル上の照明領域は細長い矩形状、又は円
弧状の領域(以下、「スリット状の照明領域」という)
であるため、照明効率を高めるためには、最終段のフラ
イアイレンズを構成する各レンズエレメントの断面形状
は、スリット状の照明領域とほぼ相似の細長い矩形であ
ることが望ましい。
【0008】一方、走査露光方式の露光装置用の露光量
制御機構として、一括露光方式の露光装置用の露光量制
御機構をそのまま適用することは困難である。それは、
走査露光方式では、ウエハ上の各ショット領域をこれら
ショット領域の長さより短いスリット状の露光領域(前
記スリット状の照明領域と光学的に共役なウエハ上の領
域)に対して走査するため、各ショット領域内の積算露
光量の制御は、そのスリット状の露光領域内の積算露光
量をウエハ上の全ての点で一定にするように実行する必
要があるからである。仮に、ウエハ上の各点での積算露
光量が異なると、各ショット領域内で積算露光量のむら
が生じることになり、これは一括露光方式の露光装置に
おける露光領域内での照度むらと同様の誤差となってし
まう。
【0009】また、一括露光方式では積算露光量を制御
するための1つの方法として、例えばシャッタの開閉に
より露光時間の制御が行なわれるが、走査露光方式では
連続して露光が行われるため、ウエハ上の各点での積算
露光量をシャッタの開閉によって制御することはできな
い。そこで、走査露光方式では、例えばレチクルとウエ
ハとをそれぞれ所定の一定速度で走査することで積算露
光量を制御している。このように走査速度を制御する方
法では、積算露光量を時間的に微調整することは困難で
ある。従って、走査露光方式では更に、各ショット領域
への露光を行っている間、連続して照度が時間的安定性
を保つように照度制御を行う必要がある。そのように照
度を一定に保つ制御方法として、一括露光方式の場合に
は、照明光の照度を常時モニタし、その結果を露光用光
源の電源にフィードバックして、その電源から露光用光
源に供給する電力を制御する定照度制御法が知られてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】走査型露光装置におけ
る等速走査露光においては、例えば特開昭60ー158
449号公報や特開平7ー66103号公報に開示され
るように、感光基板上の露光量の均一化を図るため、走
査方向の照度分布を台形状にすることが行われている。
従って、ウエハステージ上のスリット状の露光領域内の
任意の一点での露光中の照度の時間変化を追っていく
と、図14に示されるように台形状になる(この台形の
両端の斜辺の部分はスリットによるボケのために生ず
る)。このことは、等速走査(スキャン)露光において
はそのまま時間軸が空間軸にスキャン速度(走査速度)
で直接変換できるので、空間軸上でも対応した台形状の
照度分布を示すことを意味する。
【0011】等速走査露光における露光量調整は、この
台形状の照度分布を高さと面積が相等しい矩形と見做す
矩形近似を用いて行う。すなわち、この台形状の照度分
布を、図15における矩形をはみだした直角三角形部分
(斜線部)と矩形に含まれる直角三角形部分(斜線部)
の面積とが等しくなる点、すなわち両側の傾斜部におい
て最高照度の1/2となる点を結んだ線の幅(以下、適
宜「半値幅」という)を有し、高さが等しい矩形(長方
形)に近似するのである。そして、横軸を空間軸とした
ときに、この長方形(矩形)の幅をスリット幅Dと定義
する。
【0012】しかしながら、最近になって、通常照明、
変形照明等の照明条件の変更により、図16あるいは図
17に示されるように、両端のスリットによるボケの形
状が変化することが判明し、かかる場合には、たとえフ
ラットな部分の平均照度が等しい場合でも、等面積とな
る高さの等しい長方形の幅が変化してしまい、上で定義
したスリット幅Dでの近似が保証されないことが分かっ
てきた。すなわち、実際の露光量が目標の露光量からず
れ、このずれがそのまま露光量制御の誤差となるという
不都合があった。
【0013】また、露光量調整において問題となるもの
として、号機間マッチングがある。すなわち、号機間で
の照度計測にオフセットがのっており、照度基準が異な
るために、共通の尺度が無いという点である。そのた
め、各号機毎に最適露光量を調べる必要がある。
【0014】静止露光について言えば、像面照度は、水
銀ランプや照明系の劣化を除けば基本的に一定であるこ
とから、照度計の較正時に露光量のマッチングをとるた
めに、光量を振っていくのでなく、積算露光量を振って
較正していく、という手順をとることが可能である。こ
のとき、積算露光量の振り分けは、シャッタ開放時間に
よって調整される。シャッタ開放時間による積算露光量
の調整は、開放時間の調整が通常約400msec程度
の露光時間に対し、1msec以内の誤差で調整可能な
ので、0.1%以下の露光量調整精度を実現できる。そ
のため、静止露光型の露光装置では、照度の基準が異な
っていても、最適露光時間をテスト露光によって確かめ
れば、充分な露光量調整精度が得られる。
【0015】これに対し、走査型露光装置においては、
シャッタ開放時間で露光量調整をするわけにはいかず、
スキャン速度及び、光量の調整で露光量調整を行う。そ
のため、光量調整自体に精度が得られないと、例えば最
高速度での等速スキャン露光が不可能になってしまう。
そのため、例えばi線水銀ランプ光源を用いる走査型露
光装置に要求される光量調整の基準である照度計の較正
精度(キャリブレーションの精度)は静止型露光装置よ
りも厳しくなる。
【0016】例えば、照度計の較正精度が悪い場合、静
止型露光装置においてテスト露光で最適露光時間を求め
るのと同様に、仮の光量でテスト露光しておいて、その
時のスキャン速度で光量を逆算したとしても、再調整時
に再びその照度計の値でテスト露光により得られた最適
光量に照度をもっていっても、必ずしも所定の精度で光
量調整ができる保証はないという不都合があった。
【0017】照度計の較正精度が悪くなる要因として、
基準照度計による照度計の較正が、必ずしも充分な測定
点数、測定点の選定が行われた上で試されているわけで
はないという点や、例えば照度計と基準照度計の受光面
積が異なる場合に、その面積の差から照明光の強度分布
をどちらかが拾ってしまい、誤差としてしまうという点
など、従来の基準照度計による較正方法の不備が挙げら
れる。
【0018】また、照度計の較正精度が悪いということ
は、露光に際して用いられる光量の範囲全体についても
言える。特にi線での高光量領域において各号機間で光
量の直線性が保証されていないことも、光量調整による
露光量調整方法をとるスリットスキャン方式の露光装置
においては重大な問題となる。
【0019】絶対光量という観点からみると、i線にお
ける照度の原器たるスタンダードな計測器は無いのが現
状である。照度計のリニアリティについては不問にした
まま、露光装置を運用しているのが現状であるため、レ
ジスト感度に対する露光量調整については、同じレジス
ト対しても各号機毎に最適な露光量をテスト露光と呼ば
れる試し露光にて調べる必要があった。この各号機毎に
最適な露光量をテスト露光にて調べることには、従来の
超高圧水銀ランプを光源とする静止型露光装置において
は、通常ランプの劣化により照度が低下するため、この
ランプの劣化をも併せて補うという意味もあった。これ
は、静止型露光装置においては、定電力制御をおこなう
ため、このようにする必要があったからである。これに
対し、スキャン露光装置においてはフィードバッグ制御
による定照度点灯を行う場合には最適な光量への調整が
可能となるため、このランプの劣化の補償を行なう必要
はなくなる。
【0020】この反面、スキャン型露光装置の場合に
は、照度計による準絶対光量的な光量の管理を行う必要
が生じてきたが、従来の運用方法では、精度の点や較正
手法の点から充分とはいい難いものがあった。
【0021】本発明は、かかる従来技術の有する不都合
に鑑みてなされたもので、請求項1ないし4に記載の発
明の目的は、特に、照明条件の如何にかかわらず、感光
基板上の被露光領域の全面で感光材の感度に応じた積算
露光量を設定できる露光量調整方法を提供することにあ
る。
【0022】また、請求項5ないし6に記載の発明の目
的は、上記目的に加え、特に照明条件毎に感光基板上の
スリット状の露光領域の幅を適切に定めることができる
露光量調整方法を提供することにある。
【0023】また、請求項7に記載の発明の目的は、請
求項5ないし6に記載の発明に比べても照明条件毎に感
光基板上のスリット状の露光領域の幅をより一層適切に
定めることができる露光量調整方法を提供することにあ
る。
【0024】また、請求項8ないし10に記載の発明の
目的は、同一のデバイス製造ラインで用いられる各露光
装置間で露光量調整に関する精度の良い号機間マッチン
グを実現することができる露光量調整方法を提供するこ
とにある。
【0025】また、請求項11ないし14に記載の発明
の目的は、照明条件の如何にかかわらず、感光基板上の
被露光領域の全面で感光材の感度に応じた積算露光量が
与えられるような走査露光を実現できる走査型露光装置
を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、露光光(IL)により照明された所定の照明領域
(41)に対しマスク(R)を走査するのに同期して前
記照明領域(41)と共役な露光領域(47)に対して
感光基板(W)を走査することにより、前記マスク
(R)に形成されたパターンを投影光学系(PL)を介
して前記感光基板(W)上に転写するに際して用いられ
る露光量調整方法において、前記マスク(R)に対する
照明条件変更の前後で前記感光基板(W)に対してほぼ
同じ積算露光量が与えられるように、照明条件の変更に
伴う前記感光基板(W)上での走査方向の照度分布の形
状変化に応じて、前記マスク(R)及び前記感光基板の
走査速度と、前記感光基板(W)に照射される露光光の
光量と、前記露光領域(47)の走査方向の幅との少な
くとも1つを調整することを特徴とする。
【0027】これによれば、マスクに対する照明条件変
更の前後で感光基板に対してほぼ同じ積算露光量が与え
られるように、照明条件の変更に伴う感光基板上での走
査方向の照度分布の形状変化に応じて、マスク及び感光
基板の走査速度と、感光基板に照射される露光光の光量
と、露光領域の走査方向の幅との少なくとも1つを調整
することから、照明条件の如何に拘わらず、感光基板上
の被露光領域の全面で感光材の感度に応じた最適な積算
露光量が与えられるようにすることができる。
【0028】この場合において、感光基板上での走査方
向の照度分布の形状変化は、請求項2に記載の発明のよ
うに、照明領域規定用の視野絞り(37)を前記感光基
板(W)の露光面と光学的に共役な位置から所定量デフ
ォーカスした位置に配置することに起因する、照明条件
の変更に伴う感光基板(W)上の露光領域(47)周辺
のぼけ部分の照度分布の形状変化であってもよい。この
ような場合には、照度分布はほぼ台形状であり、露光領
域周辺のぼけ部分の照度分布の形状変化とは、その台形
状の照度分布の傾斜部の幅(又は高さ)の変化である。
このため、視野絞りのデフォーカス量を調整することに
より、簡単な構成でその台形状の照度分布の照度が最大
値の1/2になる点の間の幅(半値幅)である露光領域
の走査方向の幅(スリット幅)を所望の値に設定でき
る。この場合、台形状の照度分布の対称性が良好であ
る。また、視野絞り(37)の形状は、スリット状であ
るため、その走査方向のスリット幅そのものを調整する
ことで露光領域の走査方向の幅を設定することも可能で
ある。
【0029】また、前記照明条件の変更は、感光基板上
での走査方向の照度分布の形状変化をもたらすものであ
ればどのようなものでも良いが、例えば請求項3に記載
の発明のように、投影光学系(PL)の瞳面に生成され
る光源像の分布の変更であってもよい。このような照明
条件の変更は、マスク上の所定の照明領域を照明する光
学系内に交換可能な複数種のオプチカルインテグレータ
系を設けたり、オプチカルインテグレータ、例えばフラ
イアイレンズの射出面近傍に開口形状が異なる照明系開
口絞りを交換可能に設けることにより行なえる。
【0030】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の露光量調整方法において、前記照明条件変更前とほぼ
同じ積算露光量が前記感光基板に対して与えられるよう
に、前記露光領域の走査方向の幅を前記照明条件変更前
と同一のまま、前記照明条件変更後における前記走査方
向の照度分布の断面を矩形で近似し、当該矩形の高さに
一致するように走査露光時の光量を調整することを特徴
とする。これによれば、露光領域の走査方向の幅を一定
に保って前記照明条件変更後における前記走査方向の照
度分布の断面を矩形で近似し、当該矩形の高さに一致す
るように走査露光時の光量を調整することから、走査速
度も一定、例えば最高スキャン速度に保持したまま、上
記の機械的な光量調整のみで照明条件変更後においても
感光基板上の感光材の感度に応じた積算露光量を感光基
板に対して与えることができる。
【0031】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の露光量調整方法において、前記照明条件毎に、前記感
光基板の露光面における照度分布を計測する段階を含む
ことを特徴とする。これによれば、照明条件毎に、感光
基板の露光面における照度分布を予め計測し、この計測
結果に基づいて照明条件毎に感光基板上での走査方向の
照度分布の形状変化を予め求め、例えば照明条件毎に最
適な露光領域の走査方向の幅を装置定数として記憶して
おくようにしても良い。あるいは、露光時に、照明条件
の変更が行なわれる毎に、感光基板の露光面における照
度分布を計測しても良い。前者の場合にはスループット
の向上を図ることができるという利点があり、後者の場
合には光源の劣化等の影響をも考慮した正確な照度分布
計測が可能となる。
【0032】この場合において、感光基板の露光面にお
ける照度分布の計測は、請求項6に記載の発明の如く、
感光基板(W)が載置されたステージ(48)上の一部
に設けられた照度計(49)を用いて行なうことができ
る。露光中に、この照度計(49)を用いることはでき
ないので、この場合には、必然的に照明条件毎に、感光
基板(W)の露光面における照度分布を予め計測して、
この計測結果に基づいて照明条件毎に感光基板上での走
査方向の照度分布の形状変化を予め求めておく必要があ
る。
【0033】但し、この場合において、請求項7に記載
の発明の如く、前記照度分布の計測に先立って、マスク
(R)に照射される露光光の一部を受光する光量モニタ
ー(33)を用いて照度計(49)を較正するようにし
ても良い。このようにすれば、露光時に、照明条件の変
更が行なわれた場合に、照度計(49)により計測した
照明条件毎の照度分布の計測結果を用い、光量モニター
の出力をモニターしつつ感光基板上の露光面における積
算露光量を最適に調整することが可能となる。
【0034】請求項8に記載の発明は、デバイス製造ラ
インで用いられる複数の露光装置のそれぞれにおける感
光基板(W)に対する露光量調整方法であって、前記各
露光装置にそれぞれ設けられ、マスク(R)に照射され
る露光光の一部を受光する光量モニター(33)を、同
一の基準照度計(90)を用いて互いの感度ムラがキャ
ンセルされるように較正する段階と;該較正後の光量モ
ニター(33)をそれぞれ用いて各露光装置おける感光
基板に対する露光量を調整する段階とを有する。
【0035】これによれば、デバイス製造ラインで用い
られる複数の露光装置にそれぞれ設けられた光量モニタ
ーが、同一の基準照度計を用いて互いの感度ムラがキャ
ンセルされるように較正され、しかる後較正後の光量モ
ニターをそれぞれ用いて各露光装置おける感光基板に対
する露光量が調整される。このため、各露光装置間で、
照度計の較正を、同一の基準照度計を用いて光量調整の
範囲全体にわたって行うことができ、いわゆる号機間マ
ッチングにより一つの露光装置の光量の最適値は他の露
光装置でも光量の最適値として扱うことができる。
【0036】請求項8に記載の発明において、前記基準
照度計を用いた光量モニターの較正は、請求項9に記載
の発明の如く、照度の調整範囲を複数に区分して、当該
区分された範囲毎に線形近似することによって行なうこ
とが望ましい。これは、光量モニターの出力のリニアリ
ティは必要とされる露光量制御精度に比較すると良くな
いので、光量調整範囲全体にわたって一次近似するに
は、精度が不十分となるからである。具体的には、例え
ば、計測領域を分割して各区間内で線形性が高いと見な
し、区分点では連続であるという条件のもとで、最小2
乗近似を用いて各区間内の近似直線を作成する。
【0037】勿論、適当な関数形が得られる場合には、
請求項10に記載の発明の如く、前記基準照度計を用い
た光量モニターの較正を、照度の調整範囲を複数に区分
して、当該区分された範囲毎に高次の多項式を用いて近
似処理することによって行なっても良い。このようにす
れば、より高精度な較正が可能となる。
【0038】請求項11に記載の発明は、露光光(I
L)により照明された所定の照明領域(41)に対しマ
スク(R)を走査するのに同期して前記照明領域(4
1)と共役な露光領域(47)に対して感光基板(W)
を走査することにより、前記マスク(R)に形成された
パターンを投影光学系(PL)を介して前記感光基板
(W)上に転写する走査型露光装置であって、前記マス
ク(R)に対する照明条件を変更する照明条件変更手段
(16、17)と;前記照明条件変更の前後で前記感光
基板(W)に対してほぼ同じ積算露光量が与えられるよ
うに、照明条件の変更に伴う前記感光基板(W)上での
走査方向の照度分布の形状変化に応じて、前記マスク
(R)及び前記感光基板(W)の走査速度と、前記感光
基板(W)に照射される露光光の光量と、前記露光領域
(47)の走査方向の幅との少なくとも1つを調整する
調整手段(10、11、19、20、22、23、2
4、46)とを有する。
【0039】これによれば、照明条件変更手段によりマ
スクに対する照明条件が変更されると、調整手段では照
明条件変更の前後で感光基板に対してほぼ同じ積算露光
量が与えられるように、照明条件の変更に伴う感光基板
上での走査方向の照度分布の形状変化に応じて、マスク
及び感光基板の走査速度と、感光基板に照射される露光
光の光量と、露光領域の走査方向の幅との少なくとも1
つを調整する。このため、照明条件の如何に拘わらず、
感光基板上の被露光領域の全面で感光材の感度に応じた
最適な積算露光量が確保される。
【0040】この場合において、請求項12に記載の発
明の如く、感光基板(W)の露光面と光学的に共役な位
置から所定量デフォーカスした位置に配置された照明領
域規定用の視野絞り(37)を有し、照明条件変更手段
(16、17)による照明条件の変更により、照明領域
規定用の視野絞り(37)のデフォーカス配置に起因し
て感光基板(W)上の露光領域(47)周辺のぼけ部分
の照度分布の形状が変化するようにしてもよい。この場
合、露光領域の照度分布はほぼ台形状となり、露光領域
周辺のぼけ部分の照度分布の形状変化は、その台形状の
照度分布の傾斜部の幅(又は高さ)の変化となる。この
ため、視野絞りのデフォーカス量を調整することによ
り、簡単な構成でその台形状の照度分布の照度が最大値
の1/2になる点の間の幅(半値幅)である露光領域の
走査方向の幅を所望の値に設定できる。この場合、台形
状の照度分布の対称性が良好である。また、視野絞り
(37)の形状は、スリット状であるため、その走査方
向のスリット幅そのものを調整することで露光領域の走
査方向の幅を設定することも可能である。
【0041】前記照明条件変更手段は、感光基板上での
走査方向の照度分布の形状変化をもたらすものであれば
どのような手段でも良いが、例えば請求項13に記載の
発明のように、投影光学系(PL)の瞳面に生成される
光源像の分布を変更する手段であってもよい。このよう
な照明条件の変更手段は、マスク上の所定の照明領域を
照明する光学系内に設けられた複数種のオプチカルイン
テグレータ系を交換する手段や、オプチカルインテグレ
ータ、例えばフライアイレンズの射出面近傍に配置され
た開口形状が異なる照明系開口絞りを切り換える手段に
より構成することができる。
【0042】また、前記調整手段は、照明条件変更の前
後で感光基板に対してほぼ同じ積算露光量が与えられる
ように、照明条件の変更に伴う感光基板上での走査方向
の照度分布の形状変化に応じて、マスク及び感光基板の
走査速度と、感光基板に照射される露光光の光量と、露
光領域の走査方向の幅との少なくとも1つを調整する手
段であれば何でもよいが、請求項14に記載の発明の如
く、調整手段は、露光領域の走査方向の幅を照明条件変
更前と同一のまま、照明条件変更後における走査方向の
照度分布の断面を矩形で近似し、当該矩形の高さに一致
するように走査露光時の光量を調整するものであっても
良い。
【0043】これによれば、露光領域の走査方向の幅を
一定に保って前記照明条件変更後における前記走査方向
の照度分布の断面を矩形で近似し、当該矩形の高さに一
致するように走査露光時の光量を調整することから、走
査速度も一定、例えば最高スキャン速度に保持したま
ま、上記の機械的な光量調整のみで照明条件変更後にお
いても感光基板上の感光材の感度に応じた積算露光量を
感光基板に対して与えることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
ないし図13に基づいて説明する。
【0045】図1には、本発明の一実施形態に係る露光
装置110が示されている。この露光装置110は、い
わゆるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置
である。
【0046】図1において、光源としての水銀ランプ1
からの照明光(露光光)ILは楕円鏡2によって集光さ
れる。その集光点近傍にシャッタ制御機構5により開閉
されるシャッタ4が配置され、シャッタ4が開状態の場
合、その照明光はミラー3及びインプットレンズ6を介
してほぼ平行光束に変換された後、視野絞り7に達す
る。視野絞り7の直後に、出し入れ自在に減光手段とし
ての減光板23が配置され、減光板23により視野絞り
7を通過する照明光ILの光量を所定範囲内で段階的に
変化させることができるようになっている。このよう
に、減光板23により照明光ILの光量を調整可能にし
たのは、感光基板としてのウエハW表面に塗布されるレ
ジスト感度に合わせて照明光ILの光量を調整すること
により、スループットを維持することができるようにす
るためである(これについては、後に詳述する。)
【0047】減光板23は、例えば反射型ハーフミラー
を複数個切り換え自在に配置したものにより構成され、
各ハーフミラーの光軸に対する傾きがそれぞれ全体とし
ての透過率を所定の透過率にするように設定される。そ
して、駆動モータを含む減光板駆動機構24で、減光板
23をステップ移動させることにより、照明光ILの光
量が調整される。なお、減光板23として、円形基板に
等角度間隔で複数個の円形開口を形成し、これら開口に
それぞれ照明光に対する透過率が互いに異なる減光フィ
ルターを嵌め込んで成る回転式減光フィルター板を用い
ても良い。この場合には、駆動モータを含む減光板駆動
機構24で回転式減光フィルター板を回転させて、いず
れかの減光フィルターを照明光ILの光路上に設定する
ことにより照明光ILの光量を段階的に調整することが
できる。
【0048】本実施形態では、ウエハWに対する露光量
の制御を行うのは露光量制御系20であり、露光量制御
系20が減光板駆動機構24の動作を制御すると共に、
シャッタ制御機構5の動作をも制御する。更に、露光量
制御系20は、水銀ランプ1用の電源系22を介して、
水銀ランプ1に供給される電力を制御する。
【0049】視野絞り7の開口を通過した後、減光板2
3によって光量が調整された照明光ILは、第1リレー
レンズ8を経て2段のフライアイレンズ群の内の第1フ
ライアイレンズ9に入射する。第1フライアイレンズ9
による複数の光源像からの照明光は、第2リレーレンズ
12Aを介して第2フライアイレンズ14に導かれる。
ここで、第1フライアイレンズ9の射出面、即ち光源像
の形成面の近傍に減光手段としての光量絞り10が配置
され、光量絞り10の開口の大きさは光量絞り駆動機構
11によって任意の大きさに調整できるようになってい
る。光量絞りとしては、例えばいわゆる虹彩絞りが使用
される。光量絞り駆動機構11の動作も露光量制御系2
0により制御される。本実施形態では光量絞り10の開
口の大きさを調整することにより、第1フライアイレン
ズ9から第2フライアイレンズ14に向かう照明光IL
の光量を連続的に調整できる。
【0050】近年、照明光学系の開口数(N.A.)を絞
る、即ち照明光学系の開口数の投影光学系の開口数に対
する比の値であるコヒーレンスファクタ(σ値)を小さ
くすることにより、所定のパターンに対する焦点深度を
向上させる技術が開発されている。このようにσ値を小
さくするときには、マスクとしてのレチクルRを照明す
る照明光ILの照度が減少する。本実施形態では、かか
る照明光ILの照度の減少を防止する手段として、第2
フライアイレンズ14の入射面での照明領域の大きさを
調整する調整機構が設けられている。
【0051】その調整機構は、第2リレーレンズ12A
と、この第2リレーレンズ12Aより屈折力の大きな別
の第2リレーレンズ12Bと、それら2つの第2リレー
レンズ12A,12Bを切り換える交換機構13とから
構成され、露光装置110全体の動作を統括制御する主
制御系19によりその交換機構13の動作が制御され
る。そして、通常のσ値で照明を行うときには、交換機
構13を介して第1フライアイレンズ9と第2フライア
イレンズ14との間に一方の第2リレーレンズ12Aが
配置され、これにより第2フライアイレンズ14の入射
面のほぼ全面が照明光ILにより照明される。一方、σ
値を小さくして(照明光学系の開口数を絞って)照明を
行うときには、交換機構13を介して第1フライアイレ
ンズ9と第2フライアイレンズ14との間に他方の第2
リレーレンズ12Bが配置され、これにより第2フライ
アイレンズ14の入射面の中央部が部分的に照明光IL
で照明される。従って、σ値を小さくしたときには、第
2フライアイレンズ14の段階での照明光の照度が高く
なるため、σ値の如何に拘らず、レチクルR及びウエハ
W上での照明光としては高い照度が得られることにな
る。
【0052】なお、本実施形態の調整機構は、切り換え
方式であるが、その調整機構を第1フライアイレンズ9
と第2フライアイレンズ14との間に配置されるズーム
レンズ系と、このズームレンズ系の変倍を行う変倍機構
とから構成してもよい。このようにズームレンズ系を使
用する場合には、第2フライアイレンズ14の入射面で
の照明視野の大きさを連続的に変化させることができ
る。従って、σ値を連続的に変化させたような場合で
も、常にレチクル及びウエハ上での照度を高く維持でき
る利点がある。
【0053】前記第2フライアイレンズ14は、それぞ
れモザイク状にレンズエレメントが密着して配置された
片面が平面状の2個のレンズ束14a及び14bを、そ
れぞれの平面部が対向するように近接して配置したもの
である。そこで、以下では第2フライアイレンズ14を
「モザイク型フライアイレンズ14」と呼ぶ。このモザ
イク型フライアイレンズ14の具体的な構成等は、特開
平8−31736号公報等に開示されているので、ここ
では詳細な説明は省略する。このモザイク型フライアイ
レンズ14が使用されていることにより、上記公報にも
開示されているように、当該モザイク型フライアイレン
ズ14の射出面に形成される多数の光源像のケラレが少
なくなり、照明効率が改善されている。そして、モザイ
ク型フライアイレンズ14の射出面に形成される多数の
光源像からの照明光で重畳的に照明を行うことにより、
レチクル及びウエハ上での照度分布の均一性は極めて高
くなっている。
【0054】モザイク型フライアイレンズ14のレチク
ル側の第2のレンズ束14bには、このレンズ束14b
を光軸AX1に垂直な方向にシフトさせると共に、この
レンズ束14bのアオリ角(傾斜角)を所定範囲内で調
整する調整機構15が取り付けられている。本実施形態
では、調整機構15を介してレンズ束14bのシフト
量、及びアオリ角を調整することにより、照明光学系に
おけるテレセントリック性のずれ量の補正を行う。例え
ば、水銀ランプ1の交換時、又は照明条件の切り換え時
(通常照明と変形光源との切り換え時等)に、主制御系
19が調整機構15の動作を制御することにより、自動
的にそのテレセントリック性の補正が行われる。
【0055】図1において、モザイク型フライアイレン
ズ14の射出面の近傍に複数種類の照明系開口絞りが配
置された照明系開口絞り板16が設置されている。
【0056】図2には、この照明系開口絞り板16の一
例が示されている。この図2において、照明系開口絞り
板16上にはほぼ等角度間隔で、通常の円形開口よりな
る開口絞り18A、小さな円形開口よりなりコヒーレン
スファクタであるσ値を小さくするための開口絞り(小
σ絞り)18B、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り(輪帯
絞り)18C、及び変形光源法用に複数の開口を偏心さ
せて配置してなる変形開口絞り18Dが配置されてい
る。この照明系開口絞り板16を回転させることによ
り、4個の開口絞りの内の所望の開口絞りを選択でき
る。
【0057】図1に戻り、主制御系19が、駆動モータ
よりなる照明系用絞り駆動機構17を介して、照明系開
口絞り板16の回転角を制御する。モザイク型フライア
イレンズ14から射出された後、照明系開口絞り板16
中から選択された開口絞り(18A〜18Dのいずれ
か)を通過した照明光ILは、透過率が98%程度のビ
ームスプリッタ31に入射する。そして、ビームスプリ
ッタ31を透過した照明光ILが、第1リレーレンズ3
4を経て2枚の可動ブレード35A及び35Bを有する
可動ブラインド(可変視野絞り)に至る。以下、その可
動ブラインドを「可動ブラインド35A,35B」と呼
ぶ。可動ブラインド35A,35Bの配置面は、モザイ
ク型フライアイレンズ14の射出面のフーリエ変換面と
なっている。即ち、可動ブラインド35A,35Bの配
置面は、後述するレチクルRのパターン形成面と共役で
あり、可動ブラインド35A,35Bの近傍に、開口形
状が固定された視野絞りとしての固定ブラインド37が
配置されている。
【0058】固定ブラインド37は、例えば4個のナイ
フエッジにより矩形の開口を囲んだ機械的な視野絞りで
あり、その矩形の開口によりレチクルR上でのスリット
状の照明領域41の形状が規定される。即ち、可動ブラ
インド35A,35B、及び固定ブラインド37により
制限された照明光ILが、第2リレーレンズ38、コン
デンサレンズ39、及びミラー40を介してレチクルR
上のスリット状の照明領域41を均一な照度分布で照明
する。
【0059】この場合、固定ブラインド37の配置面
は、レチクルRのパターン形成面の共役面から僅かに前
後何れかの方向にデフォーカスされているため、スリッ
ト状の照明領域41の輪郭部の照度分布が所定の勾配を
もって変化する。また、可動ブラインド35A,35B
は、走査露光の開始時及び終了時にスリット状の照明領
域41がレチクルR上の露光すべきでない領域にかかる
のを防止する等の役割を果たす。そのため、可動ブライ
ンド35A及び35Bは、それぞれスライド機構36A
及び36Bにより開閉できるように支持されている。ス
ライド機構36A及び36Bが可動ブラインド駆動機構
を構成し、可動ブラインド駆動機構の動作はステージ制
御系46により制御される。
【0060】レチクルR上の照明領域41内のパターン
の像が、投影光学系PLを介して投影倍率β(βは例え
ば1/4、又は1/5等)でウエハW上のスリット状の
露光領域47に投影される。ここで、投影光学系PLの
光軸に平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で走査露
光時のレチクルR及びウエハWの走査方向に平行にX軸
を取り、Z軸に垂直な平面内でX軸に垂直な方向(非走
査方向)にY軸を取る。レチクルRは、レチクルベース
43上をX方向に摺動自在な走査ステージ42上に保持
され、ウエハWは、ウエハWをX方向に走査すると共に
Y方向に位置決めするウエハステージ48上に保持され
ている。ウエハステージ48には、ウエハWをZ方向に
位置決めする不図示のZステージ等も組み込まれてい
る。
【0061】走査ステージ42は、図示しない静圧空気
軸受けを介してレチクルベース43上に支持されてお
り、図示しないリニアモータ等から成る駆動系によりX
方向に駆動されるようになっている。同様に、ウエハス
テージ48は、図示しないベース上に静圧空気軸受けを
介して支持されており、図示しないリニアモータ等から
成る駆動系により、XY2次元方向に駆動されるように
なっている。本実施形態では、これらの駆動系を介して
走査ステージ42、ウエハステージ48の動作がステー
ジ制御系46により制御されている。なお、走査ステー
ジ42、ウエハステージ48の駆動系をボールねじとこ
れを回転駆動するロータリ・モータにより構成しても良
い。
【0062】走査露光時にはステージ制御系46は、照
明領域41に対して+X方向(又は−X方向)に所定速
度Vr でレチクルRを保持する走査ステージ42を図示
しない駆動系を介して走査するのと同期して、図示しな
い駆動系を介してウエハステージ48を走査することに
より、ウエハW上の所定のショット領域を露光領域47
に対して−X方向(又は+X方向)に速度Vw (=β・
Vr )で走査する。これにより、そのショット領域上に
レチクルRのパターンが逐次転写露光される。また、ス
テージ制御系46は、走査露光中にスライド機構36A
及び36Bを介して、可動ブラインド35A,35Bの
位置を制御する。この場合の制御方法につき図4を参照
して説明する。
【0063】先ず、走査露光の開始直後には、図4
(A)に示されるように、レチクルRのパターン領域8
7を囲む遮光帯88に対して、図1の固定ブラインド3
7の開口部の像37Rが外側に出ている。そこで、不要
な部分への露光を避けるため、図1の可動ブレード35
Bの位置を移動させて、可動ブラインド35A,35B
の像35Rの一方のエッジ部35Raを遮光帯88内に
入れておく。その後、図6(B)に示されるように、固
定ブラインド37の像37Rが走査方向にパターン領域
87内に収まっているときには、可動ブラインド35
A,35Bの像35Rをその像37Rを囲むように設定
する。そして、走査露光の終了時に、図6(C)に示さ
れるように、遮光帯88に対して、固定ブラインド37
の像37Rが外側に出るときには、図1の可動ブレード
35Aの位置を移動させて、可動ブラインド35A,3
5Bの像35Rの他方のエッジ部35Rbを遮光帯88
内に入れておく。このような動作により、レチクルR上
のスリット状の照明領域41が遮光帯88の外側に出る
ことが防止され、ウエハW上への不要なパターンの露光
が防止される。なお、本実施形態では、可動ブラインド
35A,35Bは、シャッタ4の開状態でレチクルR側
への露光光を完全に遮光する必要のある場合にも使用さ
れる。
【0064】図1に戻り、ウエハステージ48上のウエ
ハWの近傍に、ウエハWの露光面と同じ高さの受光面を
有する光電検出器よりなる照度計としての光量センサ4
9が設置されている。ここで、この光量センサとして、
本実施形態では、ピンホール状の開口を持つ光量センサ
(以下、「ピンホールセンサ49a」と称する)と、ス
リット状の開口をもつ光量センサ(以下、「スリットセ
ンサ49b」と称する)の2種類があるが、図1ではこ
れらが光量センサ49として代表的に示されている。こ
れらピンホールセンサ49a、スリットセンサ49b
は、本実施形態では後述するようにスリット状の露光領
域47の積算露光量の直接測定に用いられる。また、こ
れらピンホールセンサ49a、スリットセンサ49bか
ら出力される検出信号は主制御系19に供給されてい
る。
【0065】更に、ウエハステージ48上にレチクルア
ライメント等を行う際に使用される基準マーク板50が
設けられ、この基準マーク板50上に開口パターンより
成る基準マーク50aが形成され、レチクルR上にも対
応するようにアライメントマークが形成されている。例
えばレチクルRを交換したときには、基準マーク板50
を投影光学系PLの有効露光フィールド内に移動させ、
基準マーク板50の基準マーク50aを底面側から光源
51により照明光ILと同じ波長帯の照明光により照明
する。この照明光のもとで、レチクルRの上方のミラー
45を介してレチクルアライメント顕微鏡44により、
基準マーク50a及びレチクルR上のアライメントマー
クの像を観察する。そして、この観察結果に基づいて基
準マーク板50に対するレチクルRの位置合わせを行
う。
【0066】更に、基準マーク板50上にはフォーカス
・キャリブレーション用の基準マークも形成され、この
基準マークの底部に検出系が配置されている。
【0067】図3(A)には、このフォーカス・キャリ
ブレーション用の基準マーク、及び検出系が示されてい
る。この図3(A)において、基準マーク板50上の遮
光膜中に例えば十字型の開口パターンよりなる基準マー
ク50bが形成され、この基準マーク50bの底部に検
出系54が配置されている。この基準マーク50bを用
いて、次のように投影光学系PLの結像面の位置が求め
られる。即ち、その検出系54において、光ファイバ8
1を介してウエハステージ48の内部に図1の照明光I
Lと同じ波長帯の照明光を導き、この照明光によりコリ
メータレンズ82、ハーフミラー83、及び集光レンズ
84を介して基準マーク50bを底面側から照明する。
この基準マーク50bを通過した照明光が、投影光学系
PLを介してレチクルRのパターン形成面に基準マーク
50bの像を結像し、このパターン形成面からの反射光
が投影光学系PLを介して基準マーク50bに戻る。そ
して、基準マーク50bを通過した照明光が、検出系5
4内で集光レンズ84、ハーフミラー83、及び集光レ
ンズ85を経て光電検出器86に入射する。
【0068】光電検出器86の検出信号(光電変換信
号)S6は、図1の主制御系19に供給される。この場
合、ウエハステージ48内のZステージを駆動して、基
準マーク50bのZ方向の位置を変化させると、図3
(B)に示されるように、検出信号S6は基準マーク5
0bのZ座標が投影光学系PLの結像面の位置に合致す
るときにピークとなるように変化する。従って、検出信
号S6の変化より、投影光学系PLの結像面の位置を求
めることができ、それ以後はその位置にウエハWの露光
面を設定することにより、良好な状態で露光が行われ
る。従って、その基準マーク板50の基準マーク50b
を用いることにより、投影光学系PLの結像面の位置の
キャリブレーション(フォーカス・キャリブレーショ
ン)を行なうことができる。
【0069】図1に戻り、透過率が98%程度のビーム
スプリッター31で反射された漏れ光が、集光レンズ3
2を介して光電検出器よりなる光量モニターとしてのイ
ンテグレータセンサ33の受光面に集光されている。イ
ンテグレータセンサ33の受光面は、レチクルRのパタ
ーン形成面、及びウエハWの露光面と共役であり、イン
テグレータセンサ33の検出信号(光電変換信号)が露
光量制御系20に供給されている。その検出信号は、露
光量制御系20を介して水銀ランプ1用の電源系22に
も供給されている。
【0070】露光量制御系20にはメモリ21が接続さ
れ、メモリ21内にインテグレータセンサ33の出力信
号からウエハW上での露光エネルギーを求めるための変
換係数等が格納されている。但し、本実施形態では、イ
ンテグレータセンサ33の出力信号は、例えば所定の基
準照度計を用いて較正され、この較正結果に基づいてイ
ンテグレータセンサ33の出力信号を補正するための補
正係数もメモリ21内に記憶されている。このインテグ
レータセンサ33の基準照度計を用いた較正(キャリブ
レーション)については、後に詳述する。
【0071】インテグレータセンサ33の受光面はレチ
クルのパターン形成面と共役な位置に配置されており、
これにより、照明系開口絞り板16を回転させて照明系
開口絞りの形状を変えた場合でも、インテグレータセン
サ33の検出信号に誤差が生じないようにしている。但
し、インテグレータセンサ33の受光面を、投影光学系
PLにおけるレチクルのパターン形成面のフーリエ変換
面(瞳面)と実質的に共役な観察面に配置して、この観
察面を通過する全光束を受光できるようにしても構わな
い。
【0072】また、本実施形態では、透過率が98%程
度のビームスプリッター31に関してインテグレータセ
ンサ33と反対側に、集光レンズ52、及び光電検出器
よりなるウエハ反射率モニタ53が設置され、集光レン
ズ52によりウエハ反射率モニタ53の受光面はウエハ
Wの表面とほぼ共役となっている。この場合、レチクル
Rを透過して投影光学系PLを介してウエハW上に照射
される照明光の内で、ウエハWでの反射光が、投影光学
系PL、レチクルR等を介してウエハ反射率モニタ53
で受光され、この検出信号(光電変換信号)が主制御系
19に供給される。主制御系19では、レチクルR側に
照射される照明光ILの光量、及びウエハ反射率モニタ
53の検出信号から算出されるウエハWでの反射光の光
量に基づいて、投影光学系PLを通過する照明光の光量
(パワー)を求める。更に、このようにして求められた
光量に露光時間を乗じて得られる熱エネルギーに基づい
て、主制御系19は投影光学系PLの熱膨張量を予測
し、この予測された熱膨張量に依る投影光学系PLのデ
ィストーション等の結像特性の変化量を求める。そし
て、主制御系19は、投影光学系PLに接続された不図
示の結像特性補正機構を介して、投影光学系PLの結像
特性を元の状態に補正する。
【0073】次に、本実施形態の装置による露光量調整
方法についてその原理的な部分も含めて詳細に説明す
る。
【0074】レチクルR上のスリット状の照明領域41
と共役な露光領域47の走査方向の光量分布(照度分
布)を前述したピンホールセンサ49aを用いて実際に
計測した場合、積算露光量ΣP(=ウエハW上の感光材
(レジスト)の感度Rに相当)は、ピンホールセンサ4
9aの出力値をIp、また、ピンホールセンサ49aが
スキャン方向への連続的に走査計測できると想定して、
次式(1)で表せる。
【0075】
【数1】
【0076】ここでt=0とは、計測開始点(露光領域
の走査方向の一端)に対応する時刻であり、t=Tと
は、計測終了点(露光領域の走査方向の他端)に対応す
る時刻である。
【0077】なお、仮に、ピンホールセンサ49aによ
る上記の連続的走査計測が不可能ならば、離散的に計測
した値を積分処理(例えば、シンプソンの公式や台形公
式等を用いる)を充分な精度で行ったものと考えればよ
い。
【0078】一方、先に述べたように、本実施形態で
は、照明領域41を規定する固定ブラインド37の配置
面は、レチクルRのパターン形成面の共役面から僅かに
前後何れかの方向にデフォーカスされているため、スリ
ット状の照明領域41の輪郭部の照度分布が所定の勾配
をもって変化する。従って、照明領域41と共役な露光
領域47における走査方向の照度の分布は、通常照明条
件の下では、図14に示されるような等脚台形状にな
る。
【0079】さて、照明光として水銀ランプ1のような
連続光を発生する光源を用いる場合、ウエハW上での照
明光の照度(光量)をP、ウエハW上の感光材の感度
(最適露光量に相当)をRとすると、基板上の一点で最
適露光量を得るのに必要な露光時間tは次式のように表
すことができる。
【0080】t=R/P ……(2) また、走査方向の幅(スリット幅)がDの露光領域47
に対して速度Vw でウエハWを移動したときの、ウエハ
W上の一点の露光時間t’は次式のように表すことがで
きる。
【0081】t’=D/Vw ……(3) したがって、式(2)の露光時間tと式(3)の露光時
間t’とを等しくさせるためには、次式が成立すること
が必要となる。
【0082】 R/P=D/Vw ,すなわちR=P×D/Vw ……(4) つまり、感光材の感度Rに応じた最適な露光量をウエハ
Wに与えるためには、式(4)を満足するように、感光
材の感度Rに応じて露光領域47の走査方向の幅(スリ
ット幅)D、照明光の光量(照度)P、及びウエハWの
走査速度Vw を決定すれば良いことになる。
【0083】ここで、式(1)と式(4)とが等しいも
のとすると、
【0084】
【数2】
【0085】これが成り立つものとするのが、前述した
台形近似(台形の矩形近似)であり、ここでのDは、ス
リット幅を仮想的な中央部の照度値(光量値)と高さが
等しい等面積の長方形の幅で置き換えた近似値である。
【0086】すなわち、式(5)に着目すれば、スリッ
ト幅D、光量(照度)P、及び速度Vw のうちの少なく
とも1つを可変とすることで、感光材の感度Rに応じた
最適な露光量をウエハWに与えることができることがわ
かる。但し、本実施形態の場合には、照明領域41を規
定するブラインド(視野絞り)として固定ブラインド3
7が用いられているので、スリット幅Dは固定であり、
式(5)が成り立つように、露光量制御系20、ステー
ジ制御系46により、感光材の感度Rに合わせて光量
P、及び速度Vw が調整されればよい。
【0087】しかし、照明条件によっては、上記の台形
近似が成立しなくなる。そこで、補正係数γを次のよう
に導入する。
【0088】
【数3】
【0089】ここで、P’はピンホールセンサ49aの
計測値の平均値である。
【0090】台形近似が成り立つときには、γ=1であ
り、平坦部の照度PがP’に置き換えられる。従って、
本実施形態のようにスリット幅Dが固定である(スリッ
ト幅Dは台形近似が成り立つものとして定められてい
る)場合には、式(7)のP’をPで置き換えて、最終
的に、露光量調整を制御する式は以下のようになる。
【0091】R=γ×P×D/V (8) この式に従って、レジスト感度Rが指定されると、光量
P、スキャン速度Vw(及びVr =Vw/β)が決定され
る。なお、照明条件により、露光量制御誤差は異なるの
で、γは照明条件毎に異なり、照明条件毎に予め求めら
れている。
【0092】次に、γの求め方について説明する。
【0093】 γの第1の求め方 まず、ウエハW上での露光領域47における走査方向の
照度分布をピンホールセンサ49aを用いて求める。す
なわち、主制御系19では露光量制御系20を介して露
光光によりスリット状の照明領域41を照明し、この照
明領域41と共役なウエハW上の露光領域47に対し、
ウエハステージ48上のピンホールセンサ49aをステ
ージ制御系46を介して走査し、このときのピンホール
センサ49aの出力をモニタして走査方向の照度分布を
求める。主制御系19では、このような走査方向の照度
分布のモニタをウエハステージ48を非走査方向にステ
ッピングさせつつ、繰り返し行い、これらの照度分布デ
ータを平均化処理して最終的な露光領域47における走
査方向の照度分布を求める。
【0094】このようにして、ある照明条件下で、例え
ば図5(A)に示されるような台形が崩れたような形状
の照度分布(光量分布)が求まったとする。この図5
(A)において、高さhは、台形近似が成り立つ通常照
明の下での走査方向の照度分布を矩形近似した矩形(幅
D)の高さを示し、通常照明条件の下での光量Pに相当
する。図5(A)に示される台形が崩れたような形状の
照度分布を積算露光量が同一となる矩形で近似すると、
図5(B)に示されるような幅D1 、高さhの矩形が得
られる。次に、この矩形と同一面積のスリット幅Dの矩
形を求めると、この矩形の高さh1 は元の矩形の高さh
より低くなっている。
【0095】一方、例えば、図6(A)に示されるよう
な照度分布(光量分布)が求まったとすると、この照度
分布を積算露光量が同一となる矩形で近似すると、図6
(B)に示されるような幅D2 、高さhの矩形が得ら
れ、次に、この矩形と同一面積のスリット幅Dの矩形を
求めると、この矩形の高さh2 は元の矩形の高さhより
高くなっている。
【0096】主制御系19では、このようなウエハW上
での露光領域41における走査方向の照度分布の計測、
矩形近似、及びこの矩形と同一面積となるスリット幅D
の矩形の高さの算出を、照明系用絞り駆動機構17を介
して照明系開口絞り板16の各開口絞りを順次露光光の
光路上に設定して、各照明条件毎に行なう。
【0097】そして、それぞれの照明条件下での矩形の
高さh1 、h 2、……について、台形近似が成立する基
準となる照明条件(通常照明条件)下での矩形の高さh
に対する比h1 /h、h2 /h、……を求めることによ
り、それぞれの照明条件についてγを求めることができ
る。
【0098】しかし、上記の方法では、計測に著しく
時間を要するので、次のようにしてもよい。
【0099】 γの第2の求め方 予め基準となる照度計、すなわちインテグレータセンサ
33を介してピンホールセンサ49aに対して較正(キ
ャリブレーション)された(この較正方法については後
述する)スリットセンサ49bを用いて、ウエハW上で
の露光領域における走査方向の照度分布を求める。すな
わち、主制御系19では露光量制御系20を介して露光
光によりスリット状の照明領域41を照明し、この照明
領域41と共役なウエハW上の露光領域47に対し、ウ
エハステージ48上のスリットセンサ49bをステージ
制御系46を介して非走査方向に走査し、このときのス
リットセンサ49bの出力をモニタして非走査方向の平
均を求めることにより露光領域47における走査方向の
照度分布を求める。この後は、上記と同様にして、そ
れぞれの照明条件についてγを求めることができる。
【0100】ここで、スリットセンサ49bとしては、
ピンホールセンサ49aの開口の直径と同一幅の開口を
有するものが使用される(図13参照)。この場合、ピ
ンホールセンサ49aの1回の走査で得られる光量分布
のデータがスリットセンサ49bの静止状態で得られ
る。
【0101】主制御系19では、上記のようにして求め
た照明条件毎のγの値を露光量制御系20を介してメモ
リ21に記憶する。
【0102】そして、実際の露光時には、露光量制御系
20では、オペレータにより入力された感光材の感度R
に対して最適な積算露光量がウエハW上に与えられるよ
うに、式(8)に従って、主制御系19からの照明条件
の情報に基づいて、メモリ21内のその照明条件に対応
するγの値を用いて光量(照度)γ・P、速度Vw (及
びVr =Vw/β)を決定して露光量制御を行なう。
【0103】なお、水銀ランプ1の光量制御は、照度ゆ
らぎの影響を除去するため、インテグレータセンサ33
の出力に基づいた定照度制御により行われるので、前述
したピンホールセンサ49a及びスリットセンサ49b
の出力はインテグレータセンサ33の出力に対して較正
(キャリブレーション)されている必要がある。これに
ついては、後述する。
【0104】ところで、走査露光においては、本実施形
態のようにスリット幅Dが固定の場合には、露光量調整
を走査速度Vw あるいは光量調整により行うことが考え
られるが、いずれによるべきかは、次のパラメータrに
よって判断できる。
【0105】r=R/(γ×Pmax ×D/Vwmax) 但し、Pmax は予めコンベンショナルな条件の下で計測
した定照度制御可能な最大光量、Vwmaxは最高走査速度
である。
【0106】ここで減光(光量調整)により露光量調整
をする条件は r<1 であり、このときのスキャン速度はVwmaxである。
【0107】減速して露光量を調整する条件は、 r>1 であり、このときの光量は(γ×Pmax )である。
【0108】r=1 の場合は、光量(γ×Pmax )、最高スキャン速度Vw
maxにて走査露光を行う。
【0109】次に、露光シーケンスについて述べる。
【0110】 水銀ランプ1の点灯を行う。
【0111】超高圧水銀ランプ1点灯時の電力値は最低
値であり、これに対応する出力値は制御マージンを除い
た出力の最低値である。このときの水銀ランプ1の点灯
状態は定電力制御状態になっている。
【0112】 超高圧水銀ランプ1の照度計測を行な
い、ランプの出力制御直線を作成する。すなわち、超高
圧水銀ランプ1は点灯後、一定時間定電力駆動された
後、安定状態になる。安定状態になったのを確認した上
で、水銀ランプ1の駆動電力を最大まで上げ、超高圧水
銀ランプ1の最大電力値における光量の測定を行う。測
定後は、イニシャルの駆動電力値で定電力制御を行う。
このときの電力値の上げ下げは、ランプ電極の損傷を招
かぬよう、一定時間をかけて行われる。また、このと
き、超高圧水銀ランプ1の最小電力値における光量を測
定し、電力−光量の関数関係を計測する。上記の計測
は、駆動電力を最小値と最大値に設定し、それぞれ安定
した上でその出力値をインテグレータセンサ33にて計
測する。このときの、光量絞り10の設定は100%、
減光板23は100%透過に設定されている。もちろ
ん、中間的な電力値における光量計測により、計測の精
度をあげても良い。
【0113】但し、定照度制御を行う場合には、目標値
以上に出力を振る、オーバーシュートが必要となるの
で、ここでいう超高圧水銀ランプ1の電源の最大、最小
電力値はオーバーシュート分のマージンを両側にもって
いる。
【0114】これは、リニアリティとその安定性が充分
であれは特に毎回行う必要はない。定期的、例えば1日
1回程度行えば充分である。
【0115】 また、減光板23がコーティングを施
したミラー等である場合には、透過率の変動があり得る
ので、定期的に透過率の計測を行う。この計測は、公知
の手法で行われ、特に新しい部分はないので、詳細な説
明は省略する。
【0116】 ウエハWを不図示のカセットに設置
後、作業者が積算露光量ΣE0 =感度R、ショットサイ
ズ、ショット数、ショット配列等のパラメータを、不図
示のコンソール等から入力する。これにより、露光量調
整をスキャン速度で行うか、光量調整にて行うかの判断
及びr≦1の高感度領域の場合は式(8)にV=Vwmax
を代入した次式に基づいて R=γ×P×D/Vwmax ……(9) 光量γ・Pが決定され、これに対応して所定の演算によ
り、光量絞り10、減光板23、超高圧水銀ランプ1の
出力の組み合わせが決定される。
【0117】なお、r>1の低感度領域の場合は式
(8)にγ・P=γ・Pmax を代入した次式に基づいて R=γ・Pmax ×D/V ……(10) 走査速度Vw が決定される。
【0118】 ウエハWが搬送され、アライメント等
がなされている間に、設定値への光量絞り10の調整が
予め求めた制御マップに従って行われ、同時に減光板2
3の選択及び出し入れが行われ、超高圧水銀ランプ1の
電力設定が行われる。水銀ランプ1の電力設定は、電極
保護のため、ある程度の時間をかけて行われる。例え
ば、最小値から最大値まで変化させるのに、約1秒以上
時間をかける。定電力制御時の設定電力値はランプ出力
のパラメータに対応した電力値であり、その値の算出
は、水銀ランプ1の照度計測時に得られた出力制御直線
に基づいて行われる。
【0119】これら一連の動作が、スループットを低下
させないように処理上の待ち時間を利用して効率よく行
われる。
【0120】以下の露光シーケンスについては、図7に
基づいて説明する。
【0121】 照明系の露光の準備が整った時点(電
力値Qが所定値LWに達して少したった時点(a点))
で、レチクルステージ(Rステージ)42とウエハステ
ージ(Wステージ)48及び可動ブラインド35A,3
5Bの同期作業が開始される。これと同時にシャッタ4
が開き始める。シャッタ4が完全に開いた時点(b点)
で、水銀ランプ1の点灯状態は定照度制御状態に切り替
えられる。
【0122】一方でレチクルステージ42、ウェハステ
ージ48は加速され整定作業に入っている。
【0123】定照度制御では、超高圧水銀ランプ1の照
度はアーク放電等の影響でゆらいでいるので、切り替え
られた瞬間は照度が安定しておらず、安定するまでに一
定の時間を必要とし、定照度制御によって低周波成分が
除去されてから、走査露光に入る。本実施形態では、予
め所定の光量にオープンに調節されているので、制御切
り換えの安定時間が短時間で済むことになり、シャッタ
開放時間が短縮される。
【0124】従って、図7からも明らかなように、照度
の安定化はステージの整定化が完了するまでには終了し
ている。整定が終了した時点(c点)で1ショット目の
露光動作に入る。露光動作は可動ブラインド35A,3
5Bによって制御される。1ショット分の露光が終了し
た時点(d点)で照度制御が定電力制御に切り替わり、
シャッタ4が閉まり始める。このときに設定される電力
値は最初に設定されたLWである。レチクルステージ4
2、ウェハステージ48は戻り整定動作に入り、次のシ
ョットの露光に備える。ショット間移動が行われ、次の
ショットの準備の為の加速動作にレチクルステージ4
2、ウェハステージ48が入ると(e点)、シャッタ4
が開き始め、再び同じ動作が1ウエハの露光が終了する
まで繰り返される。
【0125】もちろん、ウエハ間で水銀ランプ1の出力
値を最低に落とすことでスループットに影響が出なけれ
ば、そのようにしてもかまわない。
【0126】なお、図7中のレチクルステージ42、ウ
ェハステージ48の速度チャートは、模式化のために動
作方向を区別すること無く同一方向として表記してい
る。
【0127】以上により、感光材の感度に応じた露光量
により適切な露光が行われるのであるが、これだけで
は、露光装置間のいわゆる号機間の露光量マッチングま
では考慮されていない。そこで、本実施形態では、同一
のデバイス製造ラインで用いられる複数の露光装置に共
通の基準照度計を用いて、各露光装置の照度の基準とな
るインテグレータセンサを較正(キャリブレーション)
する。これにより、一つの露光装置で、ある感度のレジ
ストに対して最適に露光量を設定すれば、別の装置で
も、同一感度のレジストについては同様にして最適露光
量を設定できるようになる。
【0128】次に、基準照度計によるインテグレータセ
ンサの較正(キャリブレーション)について説明する。
【0129】まず、較正用の基準照度計について簡単に
説明する。この基準照度計90は、図8に示されるよう
に、センサヘッド部90Aと不図示の本体データ処理部
とに分離されており、これら両者がケーブル92で繋が
れている。この基準照度計90は、他の号機(露光装
置)のインテグレータセンサの較正にも用いる必要があ
るため、持ち運びに有利なようにのセンサヘッド部90
Aはコンパクトな構成になっている。不図示の本体デー
タ処理部は、露光装置110の制御系に対してオンライ
ン化されており、照度等のデータ通信が可能な構成とな
っている。
【0130】また、前述の如く、センサヘッド部90A
が本体データ処理部から分離されているため、露光装置
10のウエハステージ48上への設置が容易な構成とな
っている。センサヘッド部90Aのウエハステージ48
上への設置は、設置位置の位置決め用の治具(図示省
略)に金物・ビス等で固定できるようになっている。
【0131】あるいは、センサヘッド部90A裏面にマ
グネットを設け、このマグネットの磁力により、センサ
ヘッド部90Aをウエハステージ48に吸着固定しても
よい。この場合には、位置決め用の金具に対してセンサ
ヘッド部90Aを合わせこむだけで、当該センサヘッド
部90Aは所定位置に位置決めされ、マグネットの磁力
により吸着固定される。また、この場合には、センサヘ
ッド部90Aの設置が容易になるばかりでなく、何らか
の負荷がかかった場合には、すぐに抜けるため、ウエハ
ステージ48の移動時にケーブル92が露光装置110
の一部に引っかかってセンサヘッド部92Aが飛び跳ね
て露光装置110内部を損傷する等の事故を未然に防ぐ
ことが可能となる。勿論、センサヘッド部90Aの位置
決め精度が問題となるため、上記のマグネットを用いる
場合には次のような処置をとる。
【0132】スリット状の露光領域47は、ウエハステ
ージ48上に固定されたピンホールセンサ49aにより
予め形状計測がなされて、そのスリット幅D等は既知で
あるものとする。この露光領域47の中心を投影光学系
PLの中心(レンズ中心)としている。
【0133】基準照度計90を用いてこのスリット状の
露光領域47の照度計測を行い、その形状を計測する。
すなわち、ピンホールセンサ49aによって行われたス
リット中心の計測を行うのである。このように基準照度
計90を用いてスリット中心、レンズ中心を求めること
により、逆に基準照度計90のセンサヘッド部90Aの
中心位置を事後計測するのである。このようにすれば、
基準照度計90のセンサヘッド部90Aの位置決め精度
が悪い場合でも対処することができる。基準照度計90
には、より上位の基準照度計があってもかまわない。こ
こにいう基準照度計90は、同一のデバイス製造ライン
で用いられる露光装置全てについて照度計測の基準を与
えられるものであればよい。
【0134】図8に示されるように、基準照度計90の
センサヘッド部90Aを上記のいずれかの手法により、
ウエハステージ48上の所定の位置に設置した後、図9
に示されるように、予め求めておいたレンズ中心に、基
準照度計90のセンサヘッド部90Aの中心位置が位置
するように、ウエハステージ48を移動させる。図9に
おいて、円IFは投影光学系PLのイメージフィールド
を示す。
【0135】この状態で、図10に示されるフローチャ
ートに従って、主制御系19では基準照度計90とイン
テグレータセンサ33による照度の同時計測を実行す
る。
【0136】ステップ200で主制御系19は、露光量
制御系20を介して超高圧水銀ランプ1を定電力点灯す
る。このとき、シャッタ4は閉じた状態である。
【0137】次のステップ202で、露光量制御系20
を介して最小電力へランプ電力を調整し、次のステップ
204で各センサの暗電流(オフセット量)を計測し、
これを内部メモリに記憶する。
【0138】次のステップ205で光量調整のためのパ
ラメータkをk=0に設定した後、シャッタ4を開き、
ステップ206で像面照度をPk (制御開始時はP0 、
すなわち、最小照度)に調整する。この照度の調整は水
銀ランプ1の駆動電力と減光板23の減光率と光量絞り
10の開口径とを調整することによりなされる。
【0139】ここで、インテグレータサンセ33が未較
正のため、水銀ランプ1の電力−照度の関係は未定であ
るが、両者間にはある程度のリニアリティがあるため、
(最大照度に対する照度比)=(最大電力に対する電力
比)として、較正を進める。勿論、最小電力値に対応す
るのは、やはり最小照度であるため、減光板、光量絞り
等の減光手段を最小値に設定し、ランプ電力を最小値に
設定する。
【0140】また、減光手段の最小値について述べる
と、減光板23の減光率は、100%透過時に対する相
対的減光率で良いため、較正前のインテグレータセンサ
33でも計測、確認することが可能であり、容易に設定
可能である。光量絞り10についても、最大開口時基準
の相対的な減光率を較正前のインテグレータセンサ33
で計測することは可能であるため、やはり、設定可能で
ある。
【0141】次のステップ208では照度が安定化する
のを待ち、ステップ210に進んでステージX座標、Y
座標に相当するパラメータi、jをともに零に設定す
る。
【0142】次のステップ212では、座標Rij(最初
はR00)へウエハステージ上の基準照度計90のセンサ
ヘッド部90Aが位置するようにウエハステージ48を
移動し、ステップ214に進んでインテグレータセンサ
33とステージ上の基準照度計90での同時計測を行な
う(図11参照)。ここで、基準照度計のセンサヘッド
部90Aはオンラインで露光装置110の制御系に接続
されており、データの同時取り込みが可能となってい
る。各座標点でのデータは平均化される。このとき、超
高圧水銀ランプ1の点灯状態は定電力状態であるため、
時間的な変動である照度揺らぎもあるが、揺らぎ除去に
必要な平均化時間をかけて処理するものとする。また、
このときステップ204で計測した暗電流をそれぞれの
計測値から差し引く。
【0143】次のステップ216ではパラメータiを1
インクリメントし、次のステップ218ではiが予め定
めた値Nに達したか否かを判断し、この判断が否定され
た場合は、ステップ218における判断が肯定されるま
でステップ212〜ステップ218の処理・判断を繰り
返す。すなわち、j=0の位置でi方向(X方向)に順
次ウエハステージ48をステッピングしつつ、インテグ
レータセンサ33と基準照度計90(センサヘッド部9
0A)での同時計測(図11参照)、各座標点でのデー
タの平均化及び暗電流の減算を行なう。
【0144】i方向への所定ショットのステッピングが
終了し、ステップ218における判断が肯定されると、
ステップ219に進んでパラメータiをリセット(i=
0)後、ステップ220に進んでパラメータjを1イン
クリメントする。次のステップ222でjが予め定めた
値Mに達したか否かを判断する。当初はj=1であるか
ら当然、このステップ222の判断は否定され、ステッ
プ212に戻って座標座標Rij(当初はR01)へウエ
ハステージ48上の基準照度計90のセンサヘッド部9
0Aが位置するようにウエハステージ48を移動し、以
後、ステップ218の判断が肯定されるまで、ステップ
212〜ステップ218の処理・判断を繰り返す。すな
わち、j=1の位置でi方向(x方向)に順次ウエハス
テージ48をステッピングしつつ、インテグレータセン
サ33と基準照度計90での同時計測、各座標点でのデ
ータの平均化及び暗電流の減算を行なう。
【0145】i方向への所定ショットのステッピングが
終了し、ステップ218における判断が肯定されると、
ステップ219に進んでパラメータiをリセット(i=
0)後、ステップ220に進んでパラメータjを1イン
クリメントする。
【0146】以後、ステップ222における判断が肯定
されるまで、ステップ212〜ステップ222の処理・
判断が繰り返し行われる。すなわち、このようにしてウ
エハステージ48上の基準照度計90のセンサヘッド部
90Aをいわばラスタスキャン状態でM×Nコマ(ショ
ット)移動させつつ、インテグレータセンサ33とウエ
ハステージ48上の基準照度計90(センサヘッド部9
0A)での同時計測が行われる(図11参照)。
【0147】そして、基準照度計のM×Nコマの移動及
び上記同時計測が終了して、ステップ222における判
断が肯定されると、ステップ224に進んでパラメータ
kを1インクリメントする。ステップ222の判断が肯
定された時点で照度Pk(最初はP0 )における計測が
終了し、その後ほぼ一定間隔になるように照度を上げて
いくのである。厳密な意味では、最低照度の時点でも水
銀ランプの照度揺らぎのために複数の照度に対するデー
タ収集を行っていることになるが、ここでは揺らぎより
大きいレンジで照度を上げていくことを意味する。
【0148】ステップ226では、k が最高照度に対応
するKに達しているか否かを判断し、この判断が否定さ
れると(最小照度における計測が終了した時点ではk=
1であるから殆どの場合、否定される)、ステップ20
6に戻って像面照度をPk に調整し、以後ステップ22
6における判断が肯定されるまで、上記ステップ206
〜ステップ226の処理・判断を繰り返す。すなわち、
照度の調整範囲の全体に渡ってインテグレータセンサ3
3とステージ48上の基準照度計90のセンサヘッド部
90Aによる同時計測が行われる。そして、ステップ2
26における判断が肯定されると、本計測ルーチンの処
理を終了する。
【0149】上記の計測ルーチンの処理により、両セン
サ90、33の出力は時間的にも空間的にも平均化され
て処理できるようになる。また、投影光学系PLの中心
を中心に広がるインテグレータセンサ33の受光部に対
応する長方形部分の全面で基準照度計90の受光位置が
対応できるようなる。すなわち、インテグレータセンサ
の受光面積に比較してその受光面積が小さい基準照度計
90が照度分布を拾ってしまうことがないように、基準
照度計90の受光面積を拡大したものである。
【0150】ところで、基準照度計90において、i線
に関する絶対光量の計測については、その裏付けは現状
では無いといえる。そのため、上記の計測を行なうこと
により、そのデータを用いて基準照度計90の出力の曲
がりに対して、インテグレータセンサ33の出力を較正
する。
【0151】同一光量の光に対する基準照度計90の出
力に対して、インテグレータセンサ33の出力のリニア
リティは必要とされる露光量制御の精度に比較すると良
くないので、光量調整範囲全体に渡って一次近似をする
のは無理がある。そこで、図12に示されるように、区
分的に線形近似を行う。もちろん各区間ごとに関数値は
連続に接続される必要がある。各区間内での近似線分は
最小2乗法による統計処理により決定する。例えば、照
射による熱的なドリフトを考慮すると、光量の最も低い
区間から近似線分を逐次計算していくことになる。各区
間は少なくとも複数の計測点をもつことで精度を向上さ
せる。
【0152】勿論、適当な関数があれば、各区間毎に高
次の多項式を用いて近似処理しても構わない。このよう
にすれば、より一層高精度な較正曲線が求められる。
【0153】次に、ウエハステージ48上の光センサ4
9、すなわちピンホールセンサ49aとスリットセンサ
49bの較正について説明する。ピンホールセンサ49
aは、像面における照度ムラの2次元的分布を計測する
のに適している。スリットセンサ49bは、スリット状
の露光領域47の非スキャン方向の1次元的照度ムラを
計測するのに適している。
【0154】本実施形態において、スリットセンサ49
bの開口部の短手の幅とピンホールセンサ49aの開口
部の直径は同じにしてある。すなわち、スリットセンサ
49bはピンホールセンサ49aを1方向に引き延ばし
たようなものと考えてよい。この構成により、予めスリ
ットセンサ49bの出力をピンホールセンサ49aの出
力で較正しておくことにより、例えばピンホールセンサ
49aのスキャン方向の計測等がスリットセンサ49b
によって簡略化されるという利点が生まれる。
【0155】しかしながら、スリットセンサ49bの出
力をピンホールセンサ49aの出力に対して直接較正す
ることはできず、また、露光中はインテグレータセンサ
33の出力をモニタしつつ定照度制御が行われるので、
これらのことを考慮して、インテグレータセンサ33を
介してスリットセンサ49bとピンホールセンサ49a
との較正を行なう。
【0156】まず、ピンホールセンサ49aを、号機間
マッチングも考慮して、上述した如く既に基準照度計9
0によって較正されたインテグレータセンサ33を用い
て較正する。
【0157】これは、インテグレータセンサ33の較正
時と同じ考え方で、インテグレータセンサ33による計
測と同時にインテグレータセンサ33の受光部に対応す
る部分をピンホールセンサ49aで同時に計測していっ
て、平均化を行うことにより照度ムラの影響をなくすの
である。このときの超高圧水銀ランプの1の点灯方式
は、定電力制御状態であっても構わない。ランプ揺らぎ
は同時計測によってキャンセルされるからである。計測
照度は、照度調整の全域に渡るように調整される。
【0158】次に、こうして較正されたピンホールセン
サ49aを用いて、スリットセンサ49bを較正する。
すなわち、スリットセンサ49bの受光領域をピンホー
ルセンサ49aを用いて計測していく。但し、前述した
の如く、スリットセンサ49bとピンホールセンサ49
aの同時計測は不可能であるから、超高圧水銀ランプ1
の点灯状態を定照度制御状態にしておいて、ランプ揺ら
ぎの影響をキャンセルする。このことによりピンホール
センサ49aとスリットセンサ49bの較正は、インテ
グレータセンサ33による定照度制御の精度の範囲内で
同じ条件で行えることになる。ピンホールセンサ49a
の計測位置は、スリットセンサ49bの受光部と同じに
なるようにする必要がある。その様子が図13に示され
ている。この図13において、断面略台形状の立体は、
スリット状の露光領域47内の照度分布を立体的に示し
たものである。この図13からもわかるように、ピンホ
ールセンサ49aの1回の走査で計測されるスリット状
の露光領域47内の走査方向の照度分布がスリットセン
サ49bを用いれば、静止状態で計測できる。従って、
ピンホールセンサ49aで計測される2次元的な照度分
布をスリットセンサ49bを用いれば非走査方向への1
回の走査により計測でき、予めピンホールセンサ49a
とスリットセンサ49bとを較正しておけば、後は必要
に応じてスリットセンサ49bを用いて露光領域47内
の照度分布(照度ムラを含む)を、短時間で計測するこ
とができ、スループットの向上を図ることが可能にな
る。
【0159】以上の両センサ49a,49bの較正(キ
ャリブレーション)を数式を用いて説明すると、次のよ
うになる。
【0160】すなわち、ピンホールセンサ49aの出力
値をIp(較正済み)、ピンホールセンサ49aの取り
込み計測点数をn、1計測点におけるデータの平均化回
数をm、スリットセンサ49bの平均化回数をlとする
と、ピンホールセンサ49aの出力値の平均値Ipj 、
照度分布の平均値P’、スリットセンサ49bの出力値
Isは、それぞれ次のようになる。
【0161】
【数4】
【0162】ピンホールセンサ49aによるスリットセ
ンサ49bの較正係数をαとおくと、α=P’/Is これにより、スリットセンサ49bはピンホールセンサ
49aの平均値を返すように調整されたことになる。
【0163】以上の作業を照度の調整範囲全域に渡って
行うことにより、スリットセンサ49bに対してもイテ
グレータセンサ33と同じ照度の基準が得られることに
なる。
【0164】各センサ33、49a、49bは、こうし
て基準照度計90に対してその感度曲線を形成すること
が出来るようになり、結果基準照度計90に応じた照度
計測を可能にする。
【0165】また、定照度制御でなく、定電力制御状態
でスリットセンサ49bの較正を行う場合には、スリッ
トセンサ49bの長手方向中心軸がインテグレータセン
サ33の計測対応部のスリット状の露光領域47の短手
方向中心軸と一致するようにして、インテグレータセン
サ33と同時計測を行うようにする。その後、スリット
センサ49bが計測した位置でピンホールセンサ49a
によるインテグレータセンサ33との同時計測を行う。
これによりインテグレータセンサ33介在でピンホール
センサ49aとスリットセンサ49bの較正を行なうこ
とになる。ピンホールセンサ49aとスリットセンサ4
9bの値は同じインテグレータセンサ33の出力に対応
できるように補間を行って同時計測と同等の処理をす
る。
【0166】ここで、上記較正係数αと前述した照明条
件毎の補正係数γの関係について考察すると、前記
(7)式より、 γ=P/P’ であり、α=P’/Isを変形して、 P’=α×Is であるから、これらの式より、 γ=P/(α×Is) となって、前述したキャリブレーションを予め実行する
ことにより、較正係数αと台形近似が成り立つ照明条件
下での照度分布の平坦部の値Pを用いて、各照明条件毎
のスリットセンサ49bの出力Isに基づいて、当該照
明条件毎の補正係数γを容易に算出することができるの
で、結果的に本実施形態によると、比較的短時間で照明
条件毎の補正係数γを求めることが出来る。
【0167】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態では照明系開口絞り板16と照明系用絞り駆動機
構17とによって照明条件変更手段が構成され、光量絞
り10、光量絞り駆動機構11、電源系22、減光板2
3、減光板駆動機構24、主制御系19、露光量制御系
20及びステージ制御系46によって調整手段が構成さ
れている。
【0168】以上説明したように、本実施形態による
と、予めインテグレータセンサ33の出力に対して較正
済みのスリットセンサ49bを用いて照明系開口絞りの
変更に対応する各照明条件について、スリット状の露光
領域47の光量分布(照度分布)を計測して、この計測
結果に基づいて各照明条件毎に補正係数γを求めてメモ
リ21に記憶しておくことにより、実際の露光時には、
例えばパラメータr≦1の高感度レジストが塗布された
ウエハWの場合、開口絞り駆動機構17の設定情報に対
応した補正係数γを用いて、光量がP・γになるように
光量を調整して、最高速度Vmax で走査露光を行なうこ
とにより、照明条件の変更の前後でほぼ同じ積算露光量
がウエハWに与えられ、これにより、照明条件の如何に
かかわらず、ウエハW上の被露光領域の全面で感光材
(レジスト)の感度に応じた積算露光量を設定すること
ができる。
【0169】また、本実施形態によると、同一のデバイ
スの製造ラインで用いられる露光装置に共通の基準照度
系90に対してインテグレータセンサ33、ピンホール
センサ49a、スリットセンサ49bの較正が高精度に
行われているので、結果として高精度の露光量調整を、
同一ラインで用いられる各露光装置間で得ることができ
る、すなわち高精度な号機間マッチングを達成すること
ができる。
【0170】一方、例えばパラメータr>1の低感度レ
ジストが塗布されたウエハの場合、γを用いて光量γ・
Pmax に設定し、(10)式に基づいた走査速度で走査露
光を行なうことにより、照明条件の変更の前後でほぼ同
じ積算露光量がウエハWに与えられ、これにより、照明
条件の如何にかかわらず、ウエハW上の被露光領域の全
面で感光材(レジスト)の感度に応じた積算露光量を設
定することができる。
【0171】なお、上記実施形態では、照明領域41規
定用の視野絞りとして固定ブラインド37を用い、この
ためスリット幅Dが固定である場合について説明した
が、これは、スリット幅をレジスト感度に対応して調整
することは、調整機構の精度や耐久性、応答性等のこと
を考慮すると望ましくないので、スリット幅Dを固定
し、走査速度Vw もしくは光量P(γ・P)の調整によ
って露光量調整を行うようにしたものである。また、ス
ループットのことを考慮すると、走査速度による調整も
低感度レジスト以外では望ましくないので高感度レジス
トの場合には、光量調整によって露光量調整を行うよう
にしたものである。
【0172】しかしながら、本発明がこれに限定される
ものではない。例えば、この照明領域規定用の視野絞り
として開口部の形状が可変の可動ブラインド(可変視野
絞り)を用いてもよい。このような可動ブラインドとし
ては、照明領域41の走査方向に対応する方向に沿って
相互に移動自在な一組のL字状の遮光部材によって構成
された可動ブランドを用いることができる。この可動ブ
ラインドを用いる場合には、スリット幅Dを自由に調整
できるので、前述した(4)式に基づいて感光材の感度
Rに応じて露光領域47の走査方向の幅(スリット幅)
D、照明光の光量(照度)P、及びウエハWの走査速度
Vw を決定することにより、感光材の感度Rに応じた最
適な露光量をウエハWに与えることができる。例えば、
走査速度Vw を最高速度Vmax に維持して、スリット幅
D、光量(照度)Pを調整する場合には、前述したイン
テグレータセンサ33の出力に対して較正済みのピンホ
ールセンサ49a、又はスリットセンサ49bを用い
て、各照明条件毎に、図5(A)、図6(A)のような
露光領域47の走査方向の照度分布を計測し、図5
(B)、図6(B)中のD1 、D2 になるようにスリッ
ト幅を調整し、hに一致するように光量Pを調整すれば
良い。このようにすれば、最高速度で走査露光が行われ
るので、スループットの面で最も有利である。
【0173】また、上記実施形態では、複数種の照明系
開口絞り18A〜18Dが形成された照明系開口絞り板
16により照明条件を変更する場合について説明した
が、本発明がこれに限定されるものではなく、照明条件
の変更により感光基板(ウエハW)上の走査方向の照度
分布の形状変化が生ずるものであれば良い。例えば、複
数種類のフライアイレンズ等のオプチカルインテグレー
タ系を設け、これを切り換えることにより照明条件を変
更する場合のように、照明光学系の瞳面、ひいては投影
光学系PLの瞳面に生ずる光源像の分布を変更する手段
であることが望ましい。
【0174】なお、光量の計測に際しては、光照射によ
るセンサ部のエネルギー吸収による熱的な要因等でセン
サ出力に変動が発生することがあるが、前述した較正時
には、こういったセンサのドリフトはあってはならない
ので、これを避けるために、次のような種々の工夫をす
ることが望ましい。
【0175】すなわち、光照射を短時間内に抑えるため
に、各センサ90A、49a、49bの限界照射量を設
定し、そのときの照度から規定される限界時間がくる前
に、ウエハステージ48を移動して照射領域からセンサ
90A、49a、49bを逃す。あるいは、別の遮光手
段によって遮光しても構わない。遮光後、一定の冷却時
間をおいて計測を再開する。
【0176】あるいは、主要因が熱的なものであるた
め、基準照度計90のセンサヘッド部90Aの温度調整
を、例えばペルチェ素子等で行う。その場合には、セン
サヘッド部90Aに取り付けられた温度センサによって
ペルチェ素子のフィードバック制御を行っても良い。例
えば、基準照度計90において、ペルチェ素子による温
度調整を行う場合には、前述のセンサヘッド部90A内
の受光部の裏面にペルチェ素子が配置されることにな
る。受光面の非受光部には、白金抵抗等の温度センサが
光をケラないように配置され、この温度センサからの情
報がセンサヘッド部90Aの温度調整のフィードバック
に用いられることになる。これは、光学的に邪魔になら
なければ、センサヘッド部90Aに用いられている減光
フィルタの内部に配置されても構わないし、表面であっ
ても構わない。この場合、本体部には、温度センサの出
力読み出し部、ペルチェ素子の駆動電源、ペルチェ素子
の駆動電力制御部等が収納される。
【0177】ペルチェ素子を冷却素子として用いる場合
には時定数が長すぎて計測に支障をきたすことがある
が、かかる場合には、逆に加熱素子として用いても構わ
ない。また、ペルチェ素子の他に例えば冷却水等で温度
調節を行ってもよいし、ヒートパイプにより発生した熱
量を逃してもよい。勿論ヒートパイプとペルチェ素子と
を組み合わせて使用してもよい。例えば、基準照度計9
0において、ヒートパイプが併用される場合には、セン
サヘッド部90Aの受光面の裏面にヒートパイプの一端
が熱交換に有利なように配置され、ヒートパイプの他端
にペルチェ素子が配置される。ここで、ペルチェ素子か
らの発熱が問題になる場合には、排熱用のフィンをペル
チェ素子の発熱側につけても良い。逆にペルチェ素子を
センサヘッド部90Aの受光面の裏面に配置し、その排
熱用にヒートパイプを配し、他端に放熱フィンを付ける
構成をとっても良い。これは、設置ペースによって様々
なバリエーションを取り得る。
【0178】なお、各センサ90A、49a、49bは
上述した種々の手法により毎計測時に冷却するようにし
ても良い。ここで、毎計測時とは、「あるエネルギ量を
照射される毎に」の意であり、例えば、所定秒間計測の
度後に冷却というような意味である。
【0179】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし4
に記載の発明によれば、照明条件の如何にかかわらず、
感光基板上の被露光領域の全面で感光材の感度に応じた
積算露光量を設定できるという従来にない優れた効果が
ある。
【0180】また、請求項5ないし6に記載の発明によ
れば、上記効果に加え、照明条件毎に感光基板上のスリ
ット状の露光領域の幅を適切に定めることができるとい
う効果がある。
【0181】また、請求項7に記載の発明によれば、請
求項5ないし6に記載の発明に比べても照明条件毎に感
光基板上のスリット状の露光領域の幅をより一層適切に
定めることができるという効果がある。
【0182】また、請求項8ないし10に記載の発明に
よれば、同一のデバイス製造ラインで用いられる各露光
装置間で露光量調整に関する精度の良い号機間マッチン
グを実現することができるという効果がある。
【0183】また、請求項11ないし14に記載の発明
によれば、照明条件の如何にかかわらず、感光基板上の
被露光領域の全面で感光材の感度に応じた積算露光量が
与えられるような走査露光を実現することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示
す図である。
【図2】図1の照明系開口絞り板の一例を示す平面図で
ある。
【図3】(A)はフォーカス・キャリブレーションを行
なうための機構を示す要部の図、(B)は(A)の機構
により得られる検出信号の波形図である。
【図4】図1の装置において走査露光を行なう場合の可
動ブラインド35A,35Bの動作説明図である。
【図5】図1の装置における露光量調整方法を説明する
ための図であって、(A)はウエハ上の露光領域の走査
方向の照度分布の一例を示す図、(B)は(A)の照度
分布が得られた場合の光量の決め方を説明するための図
である。
【図6】図1の装置における露光量調整方法を説明する
ための図であって、(A)はウエハ上の露光領域の走査
方向の照度分布の他の一例を示す図、(B)は(A)の
照度分布が得られた場合の光量の決め方を説明するため
の図である。
【図7】図1の装置の露光シーケンスの一例を示すタイ
ミングチャートである。
【図8】ウエハステージ上の所定の位置に設置された基
準照度計のセンサヘッド部を示す概略平面図である。
【図9】レンズ中心に基準照度計のセンサヘッド部の中
心位置が位置決めされた状態を示す図である。
【図10】基準照度計とインテグレータセンサとによる
照度の同時計測の際の主制御系のアルゴリズムを示すフ
ローチャートである。
【図11】基準照度計とインテグレータセンサとによる
照度の同時計測の様子を示す概念図である。
【図12】基準照度計の出力に対してインテグレータセ
ンサの出力光量調整範囲全体に渡って区分的に線形近似
を行う様子を示す図である。
【図13】ピンホールセンサとスリットセンサの較正の
際に、スリットセンサの受光部とピンホールセンサの計
測領域が一致がしている状態を示す概念図である。
【図14】感光基板上の台形状の走査方向の照度分布の
一例を示す図である。
【図15】等速走査露光の際の矩形近似を説明するため
の概念図である。
【図16】発明が解決しようとする課題を説明するため
の図であって、両端のスリットによるボケの形状が変化
した走査方向の照度分布の一例を示す図である。
【図17】発明が解決しようとする課題を説明するため
の図であって、両端のスリットによるボケの形状が変化
した走査方向の照度分布の他の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 光量絞り 11 光量絞り駆動機構 16 照明系開口絞り板 17 照明系用絞り駆動機構 19 主制御系 20 露光量制御系 22 電源系 23 減光板 24 減光板駆動機構 33 インテグレータセンサ 37 固定ブラインド 41 照明領域 46 ステージ制御系 47 露光領域 48 ウエハステージ 49a ピンホールセンサ 49b スリットセンサ 90 基準照度計 110 露光装置 IL 露光光 R レチクル W ウエハ PL 投影光学系

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光光により照明された所定の照明領域
    に対しマスクを走査するのに同期して前記照明領域と共
    役な露光領域に対して感光基板を走査することにより、
    前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して
    前記感光基板上に転写するに際して用いられる露光量調
    整方法において、 前記マスクに対する照明条件変更の前後で前記感光基板
    に対してほぼ同じ積算露光量が与えられるように、照明
    条件の変更に伴う前記感光基板上での走査方向の照度分
    布の形状変化に応じて、前記マスク及び前記感光基板の
    走査速度と、前記感光基板に照射される露光光の光量
    と、前記露光領域の走査方向の幅との少なくとも1つを
    調整することを特徴とする露光量調整方法。
  2. 【請求項2】 前記感光基板上での走査方向の照度分布
    の形状変化は、前記照明領域規定用の視野絞りを前記感
    光基板の露光面と光学的に共役な位置から所定量デフォ
    ーカスした位置に配置することに起因する、前記照明条
    件の変更に伴う前記感光基板上の露光領域周辺のぼけ部
    分の照度分布の形状変化であることを特徴とする請求項
    1に記載の露光量調整方法。
  3. 【請求項3】 前記照明条件の変更は、前記投影光学系
    の瞳面に生成される光源像の分布の変更であることを特
    徴とする請求項1に記載の露光量調整方法。
  4. 【請求項4】 前記照明条件変更前とほぼ同じ積算露光
    量が前記感光基板に対して与えられるように、前記露光
    領域の走査方向の幅を前記照明条件変更前と同一のま
    ま、前記照明条件変更後における前記走査方向の照度分
    布の断面を矩形で近似し、当該矩形の高さに一致するよ
    うに走査露光時の光量を調整することを特徴とする請求
    項1に記載の露光量調整方法。
  5. 【請求項5】 前記照明条件毎に、前記感光基板の露光
    面における照度分布を計測する段階を含むことを特徴と
    する請求項1に記載の露光量調整方法。
  6. 【請求項6】 前記感光基板の露光面における照度分布
    の計測は、前記感光基板が載置されたステージ上の一部
    に設けられた照度計を用いて行なうことを特徴とする請
    求項5に記載の露光量調整方法。
  7. 【請求項7】 前記照度分布の計測に先立って、前記マ
    スクに照射される露光光の一部を受光する光量モニター
    を用いて前記照度計を較正することを特徴とする請求項
    6に記載の露光量調整方法。
  8. 【請求項8】 デバイス製造ラインで用いられる複数の
    露光装置のそれぞれにおける感光基板に対する露光量調
    整方法であって、 前記各露光装置にそれぞれ設けられ、マスクに照射され
    る露光光の一部を受光する光量モニターを、同一の基準
    照度計を用いて互いの感度ムラがキャンセルされるよう
    に較正する段階と;該較正後の光量モニターをそれぞれ
    用いて各露光装置おける感光基板に対する露光量を調整
    する段階とを有する露光量調整方法。
  9. 【請求項9】 前記基準照度計を用いた光量モニターの
    較正は、照度の調整範囲を複数に区分して、当該区分さ
    れた範囲毎に線形近似することによって行なうことを特
    徴とする請求項8に記載の露光量調整方法。
  10. 【請求項10】 前記基準照度計を用いた光量モニター
    の較正は、照度の調整範囲を複数に区分して、当該区分
    された範囲毎に高次の多項式を用いて近似処理すること
    によって行なうことを特徴とする請求項8に記載の露光
    量調整方法。
  11. 【請求項11】 露光光により照明された所定の照明領
    域に対しマスクを走査するのに同期して前記照明領域と
    共役な露光領域に対して感光基板を走査することによ
    り、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介
    して前記感光基板上に転写する走査型露光装置であっ
    て;前記マスクに対する照明条件を変更する照明条件変
    更手段と;前記照明条件変更の前後で前記感光基板に対
    してほぼ同じ積算露光量が与えられるように、照明条件
    の変更に伴う前記感光基板上での走査方向の照度分布の
    形状変化に応じて、前記マスク及び前記感光基板の走査
    速度と、前記感光基板に照射される露光光の光量と、前
    記露光領域の走査方向の幅との少なくとも1つを調整す
    る調整手段とを有する走査型露光装置。
  12. 【請求項12】 前記前記感光基板の露光面と光学的に
    共役な位置から所定量デフォーカスした位置に配置され
    た前記照明領域規定用の視野絞りを有し、 前記照明条件変更手段による照明条件の変更により、前
    記照明領域規定用の視野絞りのデフォーカス配置に起因
    して前記感光基板上の露光領域周辺のぼけ部分の照度分
    布の形状が変化することを特徴とする請求項11に記載
    の走査型露光装置。
  13. 【請求項13】 前記照明条件変更手段は、前記投影光
    学系の瞳面に生成される光源像の分布を変更することを
    特徴とする請求項11に記載の走査型露光装置。
  14. 【請求項14】 前記調整手段は、前記露光領域の走査
    方向の幅を前記照明条件変更前と同一のまま、前記照明
    条件変更後における前記走査方向の照度分布の断面を矩
    形で近似し、当該矩形の高さに一致するように走査露光
    時の光量を調整することを特徴とする請求項11に記載
    の走査型露光装置。
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