JP3590825B2 - 投影露光装置 - Google Patents
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- G03F7/70216—Mask projection systems
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD等)、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で使用される投影露光装置に関し、特にマスク上のマークの空間像により投影光学系の結像特性を計測する手段を有する投影露光装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば半導体素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程では、レチクル(又はマスク等)のパターンをウエハ(又はガラスプレート)上に転写するステッパー等の投影露光装置が使用されている。これらの投影露光装置においては、微細なパターンを高精度に前のプロセスで形成されたパターンに重ね合わせ露光する必要があるため、レチクルのウエハ上への投影像の結像特性は高度に調整されていなければならない。このため、結像特性を評価する方法も種々提案されている。
【0003】
通常、結像特性を評価する方法として、レチクル上のテストパターン(計測用マーク)を評価用のウエハ上に露光し、その後現像によって現れる像を観察するのが一般的であるが、この方法では露光、現像という工程が必要なため、ウエハを載置するステージ上に光電変換素子を設けてテストパターンの空間像を直接観察する方法が提案されている。この方法によれば、装置の初期調整だけではなく、装置の経時変化、大気圧、温度等の外部環境の変化、照明光の結像光学系での吸収、あるいはレチクルへの照明条件の変化等により発生する結像特性の変化を簡単に観察し、場合によっては補正することも可能である。従って、近年の投影露光装置にはこの種の空間像を観察する方式の結像特性測定機構が備えられている場合が多い。
【0004】
図4(a)は、従来の投影露光装置における結像特性測定機構の例を説明するための図を示し、この図4(a)において、レチクルR上の計測用マーク204が露光用の照明光ILによって照明され、投影光学系PLを介して計測用マーク204の像がウエハWを載置するウエハステージWST上に固定された基準板201上に結像している。以下、投影光学系PLの光軸AXに垂直な平面上で図4(a)の紙面に平行にX軸、その紙面に垂直にY軸を取って説明する。基準板201の遮光部の中央部に照明光ILが透過する非計測方向(Y方向)に伸びたスリット202が1つあるいは複数個形成されている。スリット202は、Y方向に伸びたスリット状の計測用マーク204の基準板201上への投影像に対してY方向にほぼ同じ長さ、X方向には少し広い幅で形成されており、ウエハステージWSTが計測方向(X方向)に移動するのと並行して、スリット202を介して計測用マーク204の像を光電変換素子203により受光する。
【0005】
図4(b)の曲線205は、光電変換素子203の出力信号の波形を示し、横軸は計測方向の位置(ウエハステージWSTのX座標)x、縦軸は出力信号Iを表す。この図4(b)において、曲線205の信号波形より、結像特性を求める。例えば、適当なスライスレベルL1で曲線205をスライスしたときの2つの交点S1,S2の線幅a1より、像のコントラストが求まる。また、最大信号値b1よりコントラストを求めてもよい。基準板201を投影光学系PLの光軸AX方向に移動しつつコントラストを求めれば、焦点位置、像面湾曲等が求まる。更に、別の計測方向の計測用マークの像を測定すれば非点収差も求まる。また、測定中のウエハステージWSTの座標を同時に取り込むことにより、計測用マークの像の中心位置c1を求めれば、ディストーション等の像の歪みが求められる。
【0006】
図4(c)は、基準板201と計測用マーク204の像とを投影光学系PL側からみた位置関係を示し、この図4(c)において、円形の基準板201をX方向に走査することにより、図4(b)のように出力信号Iが変化する。即ち、計測用マーク204の像204Rが基準板201のスリット202に近付くに従って光電変換素子203の出力信号Iが大きくなり、像204Rの中心とスリット202の中心とが重なったとき、光電変換素子203の出力信号Iが最大となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本方式ではスリット202の計測方向の幅に亘り平均化された光量を受光するため、コントラストの比較程度は可能であるが、レチクルR上の計測用マーク204の像の正確な形状(プロファイル)は判らない。このため、コマ収差等が原因の線幅の微妙な差や、像質が判らないという不都合がある。
【0008】
また、レチクルの計測用マークの像の形状を測定する方法として、2次元、あるいは1次元の撮像素子で像を直接観察する方法も考えられている。しかし、光電変換素子で直接観察する方法では、現在使用されているような非常に細かい線幅を露光する投影露光装置においては必要な位置分解能が得られない。このため、像を拡大してから光電変換素子で観察する方法が提案されている。
【0009】
図5(a)は、従来の拡大光学系を備えた結像特性測定機構の例を示し、この図5(a)において、照明光ILはレチクルR上の計測用マーク304を照明し、投影光学系PL、素ガラス及び拡大光学系306を介して計測用マーク304の像を撮像素子303上に結像する。なお、図4の例では1本線の計測用マークの例を示したが、ここでは5本線の計測用マークの例を示す。計測方向(X方向)に等間隔に並んだ5本の非計測方向(Y方向)に伸びたスリット状の計測用マーク304の像は、拡大光学系306により更に約200〜500倍程度に拡大され、図5(b)示すY方向に伸びた5本のスリット状の像からなる計測用マークの像304Rが得られる。この像304RのY方向の中央部のAA線に沿う断面上で撮像素子303に入射する光量分布を図5(c)に示す。
【0010】
図5(c)の横軸は撮像素子303上のX方向の位置x、縦軸は撮像素子303の各画素からの出力信号(撮像信号)Iを表す。この図5(c)の曲線307に示すように、像304Rの5本のスリット像に対応する位置x1 〜x5 で出力信号Iがほぼ同様の最大出力信号値b2となっている。これにより図4(b)の場合と全く同様に、所定のスライスレベルL2で曲線307をスライスしたときの線幅a2、最大出力信号値b2、及び中心位置c2が求められる。図4の例では、スリット202の幅で平均化されたものであったのに対して、図5の例では充分小さい画素レベルの分解能で像が得られる。即ち、そのような分解能で像が得られるように拡大光学系301の倍率を設定しているので、正確なレチクルの像の形状が求まる。
【0011】
しかしながら、この図5に示す方法においても、拡大光学系303に収差があると投影光学系PLの収差か、拡大光学系306の収差かの区別がつかなくなる不都合がある。更に、拡大光学系306は比較的大きく、重量もある。このような大きくて重量のある装置をウエハステージWST上に搭載すると、ステージ全体が大きく、また重くなり、ステージの制御性が悪化すると共に、測定機構自体も大きくなるという不都合もある。
【0012】
本発明は斯かる点に鑑み、投影光学系の結像特性が高精度に測定できる投影露光装置を提供することを目的とする。特に、本発明は、計測用マークに対する光量変化及び投影光学系内部での光量変化等が生じても、結像特性の測定に使用される光電変換素子、特にエッジスキャンタイプの光電変換素子のダイナミックレンジ(有効測定範囲)が有効に利用でき、結像特性が高精度に測定できる投影露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の投影露光装置は、露光用の照明光(IL)のもとでマスク(R)上の転写用のパターンの像を感光性の基板(W)上に投影する投影光学系(PL)と、その基板(W)をその投影光学系(PL)の光軸(AX)に垂直な平面内で移動する基板ステージ(WST)と、を有する投影露光装置において、その露光用の照明光と同じ波長域の照明光のもとでマスク(R)上の計測用マーク(KM)のその投影光学系(PL)を介した空間像をこの空間像よりも計測方向に幅の広い開口部(9)を介して受光する光電変換素子(10)と、その基板ステージ(WST)を介してその空間像とその開口部(9)とを計測方向に相対移動させたときにその光電変換素子(10)から出力される検出信号に基づいてその投影光学系の結像特性を測定する測定手段(15)と、その光電変換素子(10)への入射光量をその光電変換素子の有効測定範囲(ダイナミックレンジ)に合わせて調整する光量調整手段(11;602,603)と、を設けたものである。
【0014】
斯かる本発明の第1の投影露光装置によれば、基本的に例えば図6の実施の形態に示すように、計測用マークの像204Rに対して幅広の開口部402を相対走査したときに光電変換素子403から得られる検出信号Iを用いて、例えばこの検出信号Iを微分して位置検出を行う。この方式(エッジスキャン方式)によってその計測用マークの像204Rの微細な構造も分かるが、それだけでは照明光量の変化に対応できない。そこで、例えば照明条件の変更、あるいは測定するパターンの種類によって、光電変換素子(10)へ入射する光量が変化するような場合においては、その光量調整手段により常に光電変換素子(10)の有効測定範囲に合わせて光量を調節するため、光電変換素子(10)の有効測定範囲内で計測用マークの空間像に対応する信号成分を大きくできる。従って、その計測用マークの空間像の位置が高精度に測定でき、結果として結像特性を高精度に計測できる。
【0015】
この場合、その光量調整手段の一例は、その計測用マーク(KM)に対する照明条件の変化にかかわらず、その光電変換素子(10)への入射光量をその光電変換素子(10)の有効測定範囲に合わせて調整する減光率可変の空間フィルター(3,11)である。これにより、光電変換素子(10)の有効測定範囲に合わせて簡単な構成で入射光量を調節できる。
【0016】
また、その光量調整手段の別の例は、その計測用マーク(KM)に対する照明条件の変化にかかわらず、その光電変換素子(10)への入射光量をその光電変換素子(10)の有効測定範囲に合わせて調整するためのその計測用マーク(KM)の前後に設けられる遮光帯(602,603)である。計測用マーク(KM)の前後に設けた遮光帯(602,603)によって不要な照明光が遮光されて、光電変換素子(10)の有効測定範囲での信号成分の割合を大きくできる。従って、遮光パターンも高精度に検出できる。
【0017】
また、本発明による第2の投影露光装置は、露光用の照明光(IL)のもとでマスク(R)上の転写用のパターンの像を感光性の基板(W)上に投影する投影光学系(PL)と、その基板(W)をその投影光学系(PL)の光軸(AX)に垂直な平面内で移動する基板ステージ(WST)と、を有する投影露光装置において、その露光用の照明光と同じ波長域の照明光のもとでマスク(R)上の計測用マークのその投影光学系(PL)を介した空間像をこの空間像よりも計測方向に幅の広い開口部(9)を介して受光する光電変換素子(10)と、その基板ステージ(WST)を介してその空間像とその開口部(9)とを計測方向に相対移動させたときにその光電変換素子(10)から出力される検出信号に基づいてその投影光学系(PL)の結像特性を測定する測定手段(15)と、を有し、その計測用マーク(601)が1本又は複数本の遮光パターン(601a)よりなり、この遮光パターンの計測方向の前後に投影像にした際に間隔d1で遮光帯(602,603)が設けられている評価用のマスク(TR)を使用したときに、その光電変換素子(10)への入射光量を制限するその開口部(9)の計測方向への幅d2を間隔d1より広くしたものである。
【0018】
斯かる本発明の第2の投影露光装置によれば、エッジスキャン方式で空間像の計測を行う際に、開口部(9)の計測方向の間隔d2が遮光帯(602,603)の投影像同士の計測方向の間隔d1より広いため、開口部(9)内に遮光帯(602,603)のエッジの投影像が必ず収まる状態となる。従って、計測用マークがそのままではSN比が悪化する孤立的な遮光パターンであっても、光電変換素子(10)への入射光量が調節され、光電変換素子の有効測定範囲出の信号成分の割合が高くなり、結像特性が高精度に測定できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態では後述するように、エッジスキャンタイプのセンサを使用して計測用マークの像を検出するため、先ずエッジスキャンタイプのセンサについて詳細に説明する。
図6(a)は、エッジスキャンタイプのセンサを使用する結像特性測定機構を備えた投影露光装置の要部の構成を示す。この図6(a)において、ウエハステージWST上に開口部402が形成された基準板401が固定されており、レチクルR上に形成された計測用マークとしての非計測(Y方向)に伸びたスリット204の投影光学系PLを介した像が、開口部402を介して光電変換素子403により受光される。
【0020】
図6(b)は、基準板401とレチクルR上の計測用マーク204の投影像との関係を表す平面図を示し、この図6(b)において、円形の基準板401のほぼ中央部にその回りを遮光部406に囲まれたほぼ正方形の開口部402が設けられている。図4(c)に示すスリット202が測定すべき計測用マーク204の像204Rの線幅(計測方向の幅)とほぼ等しいか、やや広い幅であったのに対し、基準板401の開口部402の計測方向(X方向)の幅は計測用マークの像204Rの線幅に対し充分大きいという点が、エッジスキャンタイプが図4の例と大きく異なる点である。また、開口部402の底部の光電変換素子403の受光部は開口部402より広くなっている。図6(b)の状態で図4の例の測定時と同様に、ウエハステージWSTが計測方向(X方向)に移動するのと並行に、開口部402を介してレチクル上の計測用マークの像204Rを光電変換素子403により受光する。
【0021】
図6(c)の曲線407は、光電変換素子403の出力信号波形を示し、横軸は開口部402の計測方向の位置x、縦軸は出力信号Iを表す。この図6(c)において、山形の曲線407で示される出力信号Iは、開口部402の右側のエッジ405aを通過した光量の積分値とみなせるため、この曲線407の微分を取ることにより図4(b)の曲線205と同様の波形を得ることができる。
【0022】
図6(d)の曲線408は、図6(c)の曲線407を位置xで微分することにより得られた波形を示し、この図6(d)において、横軸は計測方向の位置x、縦軸は出力信号Iの微分値dI/dxを表す。曲線408は中心位置c3に最大値b3を有する波形で示されるが、計測方向の位置f3にも逆方向にピーク、即ち最小値を有する。この逆方向のピークは開口部402の左側のエッジ405bによるものである。
【0023】
このようにエッジ405a,405bを利用する方法により、元の計測用マーク204の像204Rの形状が平均化されることなく正確に再現できる。また、図6の方法は図4及び図5の例と同様に各種測定に用いることができる。この場合、計測用マーク204の像204Rは、エッジ405aの反対側のエッジ405bから徐々に開口部402を出ていく。このため、計測対象の計測用マークの像の計測方向の全長が開口部402より長い場合には、開口部402を出ていく部分と、入って来る部分が混じりあって測定できない場合がある。例えば図5(b)に示すように、計測対象となる計測用マークが複数のスリット状の基本マークから形成されている場合には、計測用マークの計測方向の幅が広くなる。このような場合には、計測対象の計測用マークの計測方向の幅は制限される。
【0024】
上記のようなタイプのエッジスキャンタイプのセンサを使用する場合、光電変換素子からの出力信号が積分された形で出力される。
図7(a)の曲線411は、そのエッジスキャンタイプのセンサを使用した場合の信号波形を示し、横軸は開口部の計測方向の位置x、縦軸は光電変換素子の出力信号Iを表す。光電変換素子は、入射光量と出力信号Iとが比例する測定可能領域があり、入射光量が線形最大光量を越えると出力信号Iが飽和して光量が正しく測定できない。そのときの線形最大光量に対応する出力信号Iを線形最大出力信号Imax とする。このとき、光電変換素子のダイナミックレンジはImax であり、光量調整手段がない場合にはその光電変換素子の最大出力Jmax は、余裕を持つようにその線形最大出力Imax よりかなり小さい値に設定される。
【0025】
この図7(a)において、階段状の波形で示される曲線411は5個の基本マークからなる透過パターンの計測用マークの像に対する出力信号Iを示している。この透過パターンの場合は、パターン周辺が遮光帯であるため、光電変換素子から出力される最小出力信号Jmin はほぼ0となる。この曲線411の1つの階段、例えば信号幅IAで示す階段の幅が1個の基本マークからの信号量に相当する。そのため、エッジスキャンタイプでは光電変換素子のダイナミックレンジに対する1パターン(1マーク)当たりの信号幅IAが、図4の従来のスリットセンサ等の場合と比較して小さくなる。光電変換素子の出力信号は、最終的にはデジタル量に変換して信号処理が行われるため、信号量が少ない場合、信号の分解能が低下することになる。従って、光電変換素子等への電気ノイズを考えるとSN比が低下することになり、充分な精度で測定できないという不都合がある。
【0026】
特に、最近では高い解像度を得るため投影露光装置の照明光学系に各種絞りを挿入して、レチクルへの照明条件を変更する機能が備えられている。この絞りにより照明光の照度が大きく変化し、光電変換素子のダイナミックレンジに対して1パターン当たりの信号量が益々小さくなる状況になってきている。
また、更に近年では解像度を上げるため、露光用として波長の短かいレーザ光、例えば波長245nmのKrFエキシマレーザ光、あるいは波長193nmのArFエキシマレーザ光を使用する投影露光装置が開発されているが、これらのレーザ光の光源は波長が短いこと、及びパルス光源であることによって、充分なダイナミックレンジを持つ光電変換素子がなく、適切な対策が望まれている。
【0027】
次に、計測対象の計測用マークとして、周辺に光線が入射し、パターン部が遮光されている遮光パターンを使用し、エッジスキャンタイプのセンサで信号を取る場合につき説明する。
図7(c)及び図7(e)は、それぞれ遮光パターンを3個及び1個の基本マークで構成した場合の基準板401と計測用マークの像との位置関係を示し、図7(b)及び図7(d)は、それらによって得られた光電変換素子での信号波形を示している。なお、図7(b)、(d)において、横軸は開口部402の計測方向の位置x、縦軸は光電変換素子403の出力信号Iを表す。
【0028】
図7(c)において、3個の基本マークからなる計測対象の遮光パターンの像409に対して基準板401を矢印で示す計測方向に移動させることにより、出力信号Iは図7(b)の曲線412のように変化する。この曲線412に示すように、パターンの遮光部と透過部の比が1:1のとき、出力信号Iの有効領域IYの最小出力信号Jmin は最大出力信号Jmax のほぼ1/2の大きさであり、且つ最大出力信号Jmax は光電変換素子の線形最大信号Imax (ダイナミックレンジ)よりかなり小さいため、光電変換素子403のダイナミックレンジのかなりの部分が無効領域IDとなる。従って、最も良い条件においても、光電変換素子403のダイナミックレンジに対する1パターン当たりの信号量はかなり小さい値となる。
【0029】
また、図7(e)の計測用マークの像410に示すように、1個だけの基本マーク(孤立線)からなる遮光パターンを使用した場合は、開口部402が計測用マークの像410に対して計測方向に充分広いので、図7(d)の曲線413に示すように、出力信号Iの変化は極く僅かしか発生せず、出力信号Iの有効領域IYの最小出力信号Jmin は更に大きな値となり、最大出力信号Jmax との間の間隔が更に狭くなる。従って光電変換素子403のダイナミックレンジの大半が無効領域IDとなり、ダイナミックレンジの極一部しか利用できないという不都合がある。そこで、以下の実施の形態では、光電変換素子に入射する光量を調整する光量調整手段を設けることによって、光電変換素子のダイナミックレンジを有効に利用する。
【0030】
以下、本発明の実施の形態の一例につき図1〜図3を参照して説明する。本例は、レチクル上のパターンを投影光学系を介してウエハ上の各ショット領域に一括露光するステッパー型の投影露光装置に本発明を適用したものである。
図1は、本例の投影露光装置の一部を断面とした概略構成を示し、この図1において、照明用の光源1から射出された照明光ILは、照明光の光束径を調整する照明光整形光学系2に入射する。照明光ILとしては、例えば超高圧水銀ランプの輝線であるi線やg線、KrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光等のエキシマレーザ光、あるいは、銅蒸気レーザやYAGレーザの高調波等が用いられる。本例は、光源1としてより波長の短いエキシマレーザ光源等を使用する場合に特に有効である。
【0031】
照明光ILは、照明光整形光学系2を通過後、可変NDフィルター3に入射する。可変NDフィルター3は、種々の異なる透過率の複数のNDフィルターを回転板上に配置した機構であり、照明光ILに対する透過率を複数段階で切り換えることができ、一般には露光時における露光量の制御を行うのに使用されるが、本例では後述するように投影光学系PLの結像特性の測定時において、光電変換素子10に入射する光量を調節するためにも兼用される。可変NDフィルター3の回転板の回転角は主制御系16により制御されている。可変NDフィルター3を通過した照明光ILは更に、フライアイレンズ等を含む照度分布均一化光学系4を通過し、可変絞り5に入射する。可変絞り5は、解像力を増すために、輪帯状照明、あるいは変形照明(傾斜照明)等が可能な構成になっており、例えば、回転板上に通常の円形絞り、半径の小さい円形絞り、輪帯状の絞り、及び光軸から偏心した複数の開口からなる変形光源用の絞り等を配置して構成されている。主制御系16によりその可変絞り5の回転板の回転角を制御することによってそれらの照明条件が切り換えられるようになっている。
【0032】
また、可変絞り5により照明系のNA(開口数)も変更できる。この可変絞り5により、照明条件が変化するが、照明光ILを一部遮るため、照度も変化する。可変絞り5を通過した照明光ILは、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッター20によりその一部が反射され、その一部の照明光が光電変換素子よりなるインテグレータセンサ19に入射する。インテグレータセンサ19は光源1からの照明光ILの照度を測定するもので、これも一般には露光時の露光量の制御を行うのに使用されるが、本例では後述するように投影光学系PLの結像特性を測定する際にも使用される。
【0033】
一方、ビームスプリッター20を透過した照明光ILは、リレーレンズや可変の視野絞り(レチクルブラインド)等を含むリレーレンズ系6Aを通過して、ダイクロイックミラー7で下方に反射された後、コンデンサーレンズ6Bを介して回路パターン等が描かれたレチクルRを均一な照度分布で照明する。照明光ILのもとで、レチクルRのパターンが投影光学系PLを介して、例えば1/5に縮小されてフォトレジストが塗布されたウエハW上の各ショット領域に投影される。なお、本例のレチクルRは評価用のレチクルであり、回路パターンの代わりに後述のように評価用マークが形成されている。また、図1では説明の都合上ウエハW上では結像していない。投影光学系PLの瞳面(レチクルRに対するフーリエ変換面)には、主制御系16により不図示の駆動系を介して出入自在に構成された瞳フィルター18が挿入されている。この瞳フィルター18は、近年開発された高解像技術の1つで瞳面を通過する照明光ILの一部を遮光するものである。これによっても、ウエハW上の照度は変化を受けることになる。以下、投影光学系PLの光軸AXに平行なZ軸を取り、光軸AXに垂直な平面上で図1の紙面に平行にX軸、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0034】
レチクルRは不図示のX方向、Y方向に移動可能なレチクルステージ上に保持されている。レチクルステージの位置は不図示の干渉計により精密に計測されており、その干渉計の計測値に基づいてレチクルステージの位置が制御されている。また、レチクルRには計測対象となる複数の計測用マークKMが形成されている。なお、更に精密な結像特性の計測を要求される場合には、計測用マークを工夫したレチクルTRがレチクルRに代えて使用されるようになっている。本例では後述するように計測用マークとして遮光パターンを使用する場合の評価用マスクとしてレチクルTRが使用される。
【0035】
ウエハWは、ウエハステージWST上のウエハホルダ12に真空吸着されている。ウエハステージWSTは、投影光学系PLの光軸AXに垂直なX方向、Y方向に移動可能に構成されており、これにより、所謂ステップ・アンド・リピート方式で露光が行われる。また、ウエハステージWSTは光軸AXに平行な方向(Z方向)にも微動でき、ウエハW表面のZ方向の位置に基づき、常に投影光学系PLの像面とウエハW表面とが一致するように駆動されている。
【0036】
そのため本例には、不図示であるが、ウエハWのZ方向の位置を検出するための送光光学系及び受光光学系からなる斜入射方式の焦点位置検出系が設けられている。焦点位置検出系はウエハWの表面の投影光学系PLの結像面に対するZ方向の位置及び傾斜角の偏差を検出し、ウエハWの表面と投影光学系PLの結像面とが合致した状態を保ようにウエハステージWSTを駆動するために用いられる。通常、結像面が零点基準となるようにフォーカス信号のキャリブレーションが行われ、受光光学系からのフォーカス信号が0になるようにオートフォーカス及びオートレベリングが行われる。
【0037】
また、ウエハステージWSTの端部には移動鏡13が固定されており、外部の干渉計14及び移動鏡13によりウエハステージWSTのX方向、Y方向の位置が例えば0.01μm程度の分解能で高精度に測定される。干渉計14によって、エッジスキャンタイプのセンサによる結像特性の計測時のウエハステージWSTの位置も正確に計測され、レチクルR上の計測用マークKMの像の正確な結像位置が求められる。また、前述の焦点位置検出系により基準板8のZ方向の位置を検出することにより、結像面の焦点位置、像面湾曲等のZ方向の収差成分も正確に測定できるようになっている。
【0038】
また、本例の投影露光装置には、投影光学系PLの結像特性を測定するためのエッジスキャンタイプのセンサが設置されている。図1は投影光学系PLの露光フィールドの中心位置にエッジスキャンタイプのセンサが移動し、結像特性の計測を行っている状態を示している。エッジスキャンタイプのセンサについては既に説明したので、ここでは簡単に説明する。結像特性の測定に際し、レチクルRに形成された計測用マークKMが照明光ILにより照明され、投影光学系PLを介してウエハステージWST上に固定された基準板8上の開口部9上に計測用マークKMの像が結像する。開口部9は遮光帯中に設けられたほぼ正方形の開口パターンであり、開口部9の計測方向(X方向)の幅は、計測用マークKMの計測対象の1本又は複数本のパターン(透過パターンでは透過部、遮光パターンでは遮光部)のウエハステージWS上への投影像の計測方向の幅より広く設定されている。そして、開口部9上の結像光はこの開口部9の真下に設けられた可変NDフィルター11を経て光電変換素子10に入射する。光電変換素子10からは入射する光量に応じた信号が出力される。この場合、基準板8が図6の基準板401に相当する。開口部9及び光電変換素子10がそれぞれ図6の開口部402、及び光電変換素子403に相当する。基準板8は石英ガラス板等で作られ、開口部9は基準板8上に蒸着した金属膜で囲まれた開口パターンである。光電変換素子10は例えばフォトダイオード、又はフォトマルチプライアである。
【0039】
また、光電変換素子10には増幅率可変のプリアンプが組込まれ、そのプリアンプの増幅率を結像特性検出部15で制御することによって、光電変換素子10からの出力信号(以下、プリアンプを介して増幅された信号を意味する)の感度、即ち、1単位の入射光量に対する出力信号の変化量を調整できるようになっている。このように感度を変えることによって、入射光量と出力信号とが比例する測定可能領域での入射光量の上限値である線形最大光量が変化する。これらにより、エッジスキャン方式で評価用マーク像の位置測定を行う。
【0040】
本例で特に設置された可変NDフィルター11は、前述の照明光整形光学系2の後に設けられた可変NDフィルター3と同様に、回転板上に透過率が次第に変化する複数個のNDフィルターを配置して構成され、その回転板の回転角を制御することによって、光電変換素子10に入射する光量を調整する。この際に、結像特性検出部15が、光電変換素子10の線形最大出力信号に応じて、可変NDフィルター11の回転板の回転角を制御して入射光量を調整する。光電変換素子10から出力された信号は、結像特性検出部15に供給され、結像特性検出部15はその信号に基づいて評価用マークの像の位置を求め、この位置より投影光学系PLの投影像の結像特性を計算する。また、結像特性検出部15の計算結果は主制御系16に供給されており、主制御系16はその結果に基づき、結像特性検出部15及び結像特性補正部17を介して投影光学系PLの結像特性を補正する。
【0041】
このため、主制御系16は、干渉計14及び不図示の焦点位置検出系の出力等結像特性の計算に必要な情報を結像特性検出部15へ供給する。また、主制御系16は可変NDフィルター3の透過率を設定し、結像特性検出部15を介して可変NDフィルター11の透過率を設定する。結像特性検出部15で検出された結像特性の情報は、結像特性補正部17にも供給されている。主制御系16から補正指令が出されたときには、結像特性補正部17はこの情報に基づいて、結像特性の設計値からのずれ分を補正して常に投影光学系PLの結像特性を良好に保つように制御している。
【0042】
この場合、結像特性の補正は投影光学系PLの内部に設けられた補正機構を介して行われる。具体的には図1には示していないが、投影光学系PLを構成するレンズエレメントの一部を光軸AX方向に駆動する、あるいは傾斜させる、光軸AXに垂直な方向にシフトさせる、又は光軸AXを中心に回転させる等の方法により結像特性を変化させ、結像特性のずれ分を打ち消すように補正する。また、Z方向の像面のずれ(デフォーカス)は、焦点位置検出系のフォーカス信号にオフセットを加えて、ウエハステージWSTをZ方向に駆動することによって補正できる。
【0043】
次に、本例の投影露光装置における評価用マークの像の位置の計測動作の一例について説明する。
前述のように、光電変換素子10に入射する光量は、光源1の発光パワー、可変絞り5で選択される絞り、レチクルR上の計測用マークKMの種類、及び瞳フィルター18等による照度変化により決定される。従って、これらの照度の変化量、又は状態が判っていれば光電変換素子10に入射する光量が算出される。また、より正確に入射光量を求めるには、例えば光電変換素子10の感度を標準値にし、可変NDフィルター3,11の透過率をほぼ100%にして、レチクルR上の透過部を介して光電変換素子10で照明光を受光し、光電変換素子10の出力信号が線形最大出力信号Imax を越えるときには可変NDフィルター11(更には可変NDフィルター3)の透過率を次第に小さくして、光電変換素子10の出力信号、可変NDフィルター3,11の透過率、及び計測用マークの種類より入射光量を算出してもよい。このようにして正確に入射光量が求まれば最適な入射光量となるように、可変NDフィルター3,11等の減光手段、及び光電変換素子10の感度を調整する。これら3つの調整の全てが必要ではなく、必要な光量調整が可能であればいずれか1つの調整でよい。また、光量調節法はこれら3つの調整方法に限定されず、例えば、可変NDフィルターの代わりに液晶素子、又はチョッパー(高速で遮光するシャッター)のようなものを用いてもよい。以下、入射光量の算出方法の具体例につき説明する。
【0044】
先ず、光源1と可変絞り5による照度変化はインテグレータセンサ19により測定できる。この場合、結像特性の計測直前に光源1を露光しない状態で発光させるか、計測直前の照度の測定値を記憶するようにしてもよい。次に、瞳フィルター18が挿入されているかどうかを調べる。瞳フィルター18の配置の状態は主制御系16に記憶されているのでそのメモリーから読み出せばよい。次に、計測対象とするレチクルR上の計測用マークKMの種類については、予めオペレータが入力すればよく、その場合、線幅、本数、透過パターン又は遮光パターンかの区別等の情報が必要で、これらの情報から、計測用マークKMの光透過部の面積が計算でき、レチクルRを通過する光量が求まる。以上の動作により、可変NDフィルター3,11により減光されないときの光電変換素子10への入射光量が求まる。
【0045】
前述のように、光電変換素子10には、入射光量と出力信号が比例する測定可能領域があり、或一定光量を越えると出力信号が飽和して入射光量が正しく測定できない。即ち、測定時の入射光量の有効成分の最大値がこの測定可能領域の上限値である線形最大光量であるとき最も有効に光電変換素子10のダイナミックレンジを使用したことになる。本例においては、このような条件に近いところで測定できるように、減光手段としての可変NDフィルター3,11を調整する。即ち、予め入射光量と減光手段での調整値との関係を主制御系16内のメモリーで記憶しておき、入射光量の変化に応じて自動的に減光手段における調整を行う。
【0046】
このため、先ず、最も入射光量が少ない条件のとき、可変NDフィルター3,11での透過率を100%として、プリアンプの増幅率を調整して光電変換素子10の出力信号が線形最大出力信号となるようにして、光電変換素子10の感度を最大に設定する。なお、プリアンプの増幅率を調整する代わりに、例えば光電変換素子10の前に固定のNDフィルターを置き、その透過率の調整を行うようにしてもよい。入射光量が最も少ない条件は、例えば光源1の出力が落ちて、可変絞り5で最も透過率の低い絞り(例えば開口数が最小の絞り)を選択し、レチクルRの計測用マークとして最も線幅の細い1本線の透過パターンを使用し、且つ瞳フィルター18が挿入された状態である。
【0047】
このように入射光量が最も少なくなるように調整しておき、入射光量が増える条件では徐々に可変NDフィルター3,11等で減光していく。入射光量が最も多いとき、その入射光量が光電変換素子10の測定可能領域に入るように、可能な減光条件で減光手段を予め調整しておく。入射光量が最も多い条件は、例えば光源1の出力が最大(光源の交換直後等)、可変絞り5で最も透過率の高い絞り(例えば開口数が最大の絞り)を選択し、レチクルRの計測用マークは1本線の遮光パターンでかつ瞳フィルター18が挿入されていない状態である。以上の方法により、最大入射光量における減光手段での調整値が求められる。
【0048】
この調整値に基づいて可変NDフィルター3,11での透過率を設定すると、例えば計測用マークKMが5本の透過パターンからなる場合には、光電変換素子10の出力信号Iとして図7(a)の曲線411と相似な信号が得られる。しかしながら、本例では、出力信号Iの最大出力信号Jmax は、入射光量と出力信号Iとが比例する測定可能領域内の最大値である線形最大出力信号Imax とほぼ等しくなっている。そのため、1パターン当たりの信号幅IAは従来よりかなり大きくなり、高いSN比でひいては高精度に位置検出が行われる。
【0049】
同様に、計測用マークKMが例えば3本の遮光パターンからなる場合には、光電変換素子10の出力信号Iとして図7(b)の曲線412と相似な信号が得られる。しかしながら、この場合にも、出力信号Iの最大出力信号Jmax は線形最大出力信号Imax とほぼ等しくなり、ダイナミックレンジ(Imax )に対する有効領域IYの割合が大きくなって高精度に位置検出が行われる。
【0050】
この場合、減光手段による減光割合の変化が連続的であれば問題ないが、可変NDフィルター3のように不連続な手段の場合にはその分解能が重要となる。つまり、分解能が粗いと条件によって光電変換素子10のダイナミックレンジを有効に使用できず、結像特性測定に必要な検出精度が得られなくなる。このため、可変NDフィルター3は必要なだけの種類のNDフィルターを装着できるように設計しておき、減光割合の変化が連続に近い状態になるようにすることが望ましい。例えば、粗調用のレボルバー方式の可変NDフィルターと、微調用のレボルバー方式の可変NDフィルターとからなる2段レボルバーを用いて、可変できる減光率のステップを細かくすることができる。
【0051】
以上、本例の方法によれば、可変NDフィルター3及び可変NDフィルター11等の減光手段を調節することにより、使用される光電変換素子10のダイナミックレンジに対して最も適切な光量が供給されるので、光源の変化及び各種の絞りにより光量が変化しても、結像特性が高精度に測定できる。そして、更に結像特性の測定結果に基づいて、結像特性の設計値からのずれ分を例えば結像特性補正部17を介して補正することによって、結像特性を高精度に所望の状態に維持できる。
【0052】
次に、本発明の実施の形態の他の例について図2及び図3を参照して説明する。本例は、計測用マークとして遮光パターンを使用した場合に有効な方法である。計測用マークが遮光パターンの場合でも、図1の例による方法によっても、検出信号のSN比を相当に改善できるが、依然として、光電変換素子のダイナミックレンジを有効に使用できない領域が残るという現象は解決されていない。本例は新たなパターン形態を有する遮光パターンを使用することにより、光電変換素子のダイナミックレンジの無効領域をできるだけ少なくするものである。以下、この新たな遮光パターンの例について説明するが、説明の都合上、図2では遮光パターンの計測用マークが基準板上に投影された状態で示す。この場合、本例の計測用マーク601は図1の評価用のレチクルTR上に形成されているが、この計測用マークの基準板8への投影像とレチクルTR上の計測用マークとを同一記号で表す。
【0053】
図2(a)は、本例で使用される遮光パターンの一例の投影像の平面図を示し、この図2(a)に示すように、非計測方向に伸びた遮光型の1本の基本マーク601a、及び基本マーク601aの両側の2つの矩形の透過帯601b,601cからなる計測用マーク601の計測方向(X方向)の両側に、遮光帯602,603を設置したものである。この場合、計測用マーク601の計測方向の幅を遮光帯602,603の間隔d1とみなし、その幅d1と基準板8の開口部9の計測方向の幅d2との間に、d1<d2の関係が成立するように開口部9を形成する。但し、遮光帯602,603の像が基本マーク601aの像と重ならないように、遮光帯の間隔d1をその条件を満たす範囲で充分に大きくとる必要がある。これにより、不必要な部分の照明光ILが遮光されるため光電変換素子10のダイナミックレンジの有効範囲が拡大する。これを図3に基づき光電変換素子10の出力波形により説明する。なお、以下に説明する図3(a)及び図3(c)における横軸は開口部9の計測方向の位置x、縦軸は光電変換素子10の出力信号Iを表す。また、図3(b)及び図3(d)の横軸は計測方向の位置x、縦軸は出力信号Iを位置xで微分した信号dI/dxを表す。また、図3(a)〜図3(d)において計測の開始位置を位置x0 で示す。
【0054】
図3(a)の曲線413Aは、図7(e)に示すように遮光帯のない遮光型の1本の基本マークからなる計測用マークを使用した場合の本例の光電変換素子10の信号波形を表す。この図3(a)のように遮光帯の間隔d1と開口部の計測方向の幅d2との間にd1<d2の関係が成立しない場合には、上述の遮光帯によるSN比の改善の効果が期待できない。しかし、図3(a)の曲線413Aに示すように、そのような遮光パターンを使用した場合でも、光電変換素子10で測定される最大出力信号Jmax を光電変換素子10の線形最大出力信号Imax とほぼ同じ値に設定することによって、ダイナミックレンジDRに対する有効領域IYの割合が大きくなる。それに対して、図2(a)に示す基準板8の開口部9の計測方向の幅は遮光パターンである基本マーク601aの計測方向の幅に対して広いためにパターン周辺を透過する光量が常に光電変換素子10に入射する状態にあるため、最小出力信号Jmin は最大出力信号Jmax に近い値となり、光電変換素子10のダイナミックレンジDRに対する信号の無効領域IDの割合はかなり大きい。
【0055】
図3(c)は、図3(a)の曲線413Aを位置xで微分した信号dI/dxを示し、この図3(c)の曲線414で示すように、元の信号変化が小さいので波形も小さく、計測マークの中心位置C4の測定精度も充分でない場合がある。これに対して計測マークの計測方向の両側に遮光帯を設けた本例の遮光パターンを使用したときには、光電変換素子10のダイナミックレンジDRが有効に活用される。
【0056】
図3(b)は、計測用マークとして本例の図2(a)の計測用マーク601を使用したときの光電変換素子10の出力信号Iを示し、この図3(b)の曲線607に示すように、図2(a)に示す透過帯601bが基準板8の開口部9のエッジ9aから内側に入ってくるにつれて出力信号Iがほぼ値が0の最小出力信号Jmin から直線的に大きくなり、基本マーク601aがエッジ9aに差し掛かる位置x1 で出力信号Iの増加が一旦止まる。そして、基準マーク601a全体がエッジ9a内に入った位置x2 から透過帯601cが基準板8の開口部9のエッジ9aから内側に入ってくるにつれて出力信号Iは再び増大し、透過帯601c全体が開口部9内に収まった時点で出力信号Iは最大出力信号Jmax となる。そして、透過帯601b,601c全体と開口部9とが重なっている間、一定の最大出力値Jmax を示す。そして、逆のエッジ9bから透過帯601bが出ていくときは逆の波形となる。
【0057】
図2(a)に基づいて前述したように、計測用マーク601の計測方向の幅d1と基準マーク部材8の開口部9の計測方向の幅d2との間に、d1<d2の条件が成立するとき、遮光帯602,603がある分、曲線607の最大出力信号Jmax は図3(a)の遮光帯が無い場合の最大出力信号Jmax に比べて小さくなっている。それに対して遮光型の基本マーク601aによる出力信号Iの変化量は同じであるため、出力信号I中の最大出力信号Jmax に対する有効成分の割合が増加している。更に、本例では光電変換素子10に入射する光量を調節するための可変NDフィルター3、及び可変NDフィルター11よりなる減光手段を備えている。そのため、最大光量Jmax は、減光手段での減光率を下げることにより光電変換素子10の線形最大出力信号Imax に近い値にすることができる。最小出力信号Jmin は遮光帯602,603を設けることによりほぼ0となっているため、基本マーク601aに対応する信号成分のダイナミックレンジDRに対する比率を高くすることができる。更に、曲線607に示すように、光量が変化する領域、即ち出力信号Iが変化する位置x1 〜x2 の間の出力信号Iは判明しており、計測用マーク601の中心位置C5が後述する方法により算出されるため、信号処理に必要な出力信号Iの最大値は最大出力信号Jmax より小さい出力信号JR で充分である。これを考慮すれば、更に減光率を下げて、その出力信号信号JR を線形最大出力信号Imax まで高めることによって、成分のダイナミックレンジDRに対する比率を一層高くすることができ、検出精度を最も高めることができる。
【0058】
図3(d)の曲線608は、図3(b)の曲線607を位置xで微分した信号dI/dxを示す。この図3(d)の曲線608は、図2(a)の遮光帯602,603により、図3(c)の曲線414に対して一定のオフセットが乗った波形になっているが、一定値のため波形検出上問題にはならない。曲線608に示すように、信号出力Iの微分信号dI/dxは、計測開始点x0 から計測用マーク601の基本マーク601aが基準板8の開口部9のエッジ9aに差し掛かる位置x1 まで開口部9と透過帯601bとの重なりが一定の割合で増加するためほぼ一定値R1で推移し、位置x1 でR1から急速に下降し、位置C5で0になった後、急速にR1まで上昇する波形となっている。この微分信号dI/dxが0となる中心位置C5が求める位置となる。エッジ9aに対向するエッジ9bでの微分信号dI/dxの波形は、エッジ9aでの波形を左右上下で逆にした最小値が−R1となる波形となる。この場合、本例の図3(d)の微分信号dI/dxの変化量である±R1は、遮光帯を用いない図3(c)の微分信号の変化量より格段に大きくなっているため、高精度に位置検出が行われる。
【0059】
次に、図2(a)の変形例を図2(b)を参照して説明する。
図2(b)は、本例で使用される遮光パターンの変形例の平面図を示し、この図2(b)に示すように、非計測方向に伸びた遮光型の3本の基本マーク604a〜604c及びその両側の2つの矩形の透過帯604d,601eからなる計測用マーク604の計測方向(X方向)の両側に、遮光帯605,606を設置したものである。この場合、計測用マーク604の計測方向の幅d3と図1の基準板8の開口部9の計測方向の幅d2との間に、d3<d2の関係が成立するように開口部9を形成する。これにより、図2(a)の例と同様に不必要な部分の照明光ILが遮光されるため光電変換素子10のダイナミックレンジの有効範囲が拡大する。
【0060】
以上、計測用マークが遮光パターンであっても、本例の遮光パターンを用いることにより、光電変換素子10のダイナミックレンジを有効に活用して、投影光学系PLの結像特性を高精度に検出することができる。
なお、上述の実施の形態では図2に示すように、遮光パターンよりなるマークの両側に遮光帯602,603等を設けて不要な照明光を除去しているが、例えば図1のリレー光学系6A中の可変の視野絞り(レチクルブラインド)によって、計測用マークKMの両側を遮光することによっても同様な効果が得られる。
【0061】
また、上述の実施の形態はエッジスキャンタイプのセンサを用いる方式に限って説明したが、図1に基づいて説明した方法は図4の従来のスリットスキャン方式で位置検出を行う場合、又は図5に示した2次元、あるいは1次元の撮像素子を用いて位置検出を行う場合にも有効である。
また、上述の実施の形態はレチクルR及びウエハWを静止したままで露光する所謂一括型(ステッパー型)の投影露光装置に本発明を適用したものであるが、本発明はレチクルのパターンの一部を投影光学系を介してウエハ上に投射した状態で、レチクルとウエハとを同期走査してレチクルのパターンをウエハの各ショット領域に逐次露光する、所謂ステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光型の投影露光装置にも同様に適用できる。
【0062】
このように、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
【0063】
【発明の効果】
本発明の第1の投影露光装置によれば、例えば照明条件の変更、あるいは測定するパターンの種類によって、光電変換素子へ入射する光量が変化するような場合においても、光量調整手段により常に光電変換素子の有効測定範囲を有効に使用することができ、結像特性が高精度に測定できる利点がある。特に、本発明は照明光として光電変換素子の有効測定範囲が狭いKrFエキシマレーザ光及びArFエキシマレーザ光等のエキシマレーザ光を使用する場合に効果的である。
【0064】
また、光量調整手段が、計測用マークに対する照明条件の変化にかかわらず、光電変換素子への入射光量を光電変換素子の有効測定範囲に合わせて調整する減光率可変の空間フィルターである場合には、その空間フィルターにより確実に光量を調節できる。
また、光量調整手段が、計測用マークに対する照明条件の変化にかかわらず、光電変換素子への入射光量を光電変換素子の有効測定範囲に合わせて調整するための計測用マークの前後に設けられる遮光帯である場合には、その計測用マークが孤立した遮光パターンであっても、最大光量に対する計測用マークに対応する光量変化分の割合を高めることができる。従って、検出信号のSN比が高まって位置検出精度、ひいては結像特性の測定精度が高まる。
【0065】
また、本発明の第2の投影露光装置によれば、遮光パターンを使用した場合においても、測定時の移動方向に照明光を遮光する遮光帯により、遮光パターン周辺からの照明光を遮ることができるため、光電変換素子の有効測定範囲を有効に使用でき、結像特性の測定精度が向上する利点がある。また、本発明の第1の投影露光装置の場合と同様に、照明光として光電変換素子の有効測定範囲の狭いエキシマレーザ光を使用する場合に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の実施の形態の一例を示す一部を切り欠いた概略構成図である。
【図2】本発明による投影露光装置の実施の形態の他の例における計測用マークの像及び開口部の関係を示す拡大平面図である。
【図3】図2の計測用マークを使用した場合の出力信号I及び微分信号dI/dxを示す波形図である。
【図4】従来のスリットスキャン方式の結像特性測定方法の説明図である。
【図5】従来の撮像素子を用いる方式の結像特性測定方法の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態で使用されるエッジスキャン方式の結像特性測定方法の説明図である。
【図7】図6の結像特性測定方法における出力信号及び計測方法の説明図である。
【符号の説明】
1 光源
3 可変NDフィルター
5 可変絞り
R レチクル
KM 計測用マーク
PL 投影光学系
W ウエハ
8 基準板
9 開口部
9a エッジ
10 光電変換素子
11 可変NDフィルター
15 結像特性検出部
16 主制御系
17 結像特性補正部
19 インテグレータセンサ
601,604 計測用マーク
601a,604a〜604c 基本マーク(遮光パターン)
602,603,604,605 遮光帯
Claims (4)
- 露光用の照明光のもとでマスク上の転写用のパターンの像を感光性の基板上に投影する投影光学系と、前記基板を前記投影光学系の光軸に垂直な平面内で移動する基板ステージとを有する投影露光装置において、
前記露光用の照明光と同じ波長域の照明光のもとでマスク上の計測用マークの前記投影光学系を介した空間像を該空間像よりも計測方向に幅の広い開口部を介して受光する光電変換素子と、
前記基板ステージを介して前記空間像と前記開口部とを計測方向に相対移動させたときに前記光電変換素子から出力される検出信号に基づいて前記投影光学系の結像特性を測定する測定手段と、
前記光電変換素子への入射光量を前記光電変換素子の有効測定範囲に合わせて調整する光量調整手段と、
を設けたことを特徴とする投影露光装置。 - 請求項1記載の投影露光装置であって、
前記光量調整手段は、前記計測用マークに対する照明条件の変化にかかわらず、前記光電変換素子への入射光量を前記光電変換素子の有効測定範囲に合わせて調整する減光率可変の空間フィルターであることを特徴とする投影露光装置。 - 請求項1記載の投影露光装置であって、
前記光量調整手段は、前記計測用マークに対する照明条件の変化にかかわらず、前記光電変換素子への入射光量を前記光電変換素子の有効測定範囲に合わせて調整するための前記計測用マークの前後に設けられる遮光帯であることを特徴とする投影露光装置。 - 露光用の照明光のもとでマスク上の転写用のパターンの像を感光性の基板上に投影する投影光学系と、前記基板を前記投影光学系の光軸に垂直な平面内で移動する基板ステージとを有する投影露光装置において、
前記露光用の照明光と同じ波長域の照明光のもとでマスク上の計測用マークの前記投影光学系を介した空間像を該空間像よりも計測方向に幅の広い開口部を介して受光する光電変換素子と、
前記基板ステージを介して前記空間像と前記開口部とを計測方向に相対移動させたときに前記光電変換素子から出力される検出信号に基づいて前記投影光学系の結像特性を測定する測定手段とを有し、
前記計測用マークが1本又は複数本の遮光パターンよりなり、該遮光パターンの計測方向の前後に投影像の段階で間隔d1で遮光帯が設けられている評価用のマスクを使用したときに、
前記光電変換素子への入射光量を制限する前記開口部の計測方向への幅d2を間隔d1より広くしたことを特徴とする投影露光装置。
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US6522386B1 (en) | 1997-07-24 | 2003-02-18 | Nikon Corporation | Exposure apparatus having projection optical system with aberration correction element |
AU2958299A (en) * | 1998-03-26 | 1999-10-18 | Nikon Corporation | Exposure method and system, photomask, method of manufacturing photomask, micro-device and method of manufacturing micro-device |
-
1995
- 1995-12-01 JP JP31379195A patent/JP3590825B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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