JP4433609B2 - 露光方法及び装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等を製造するためのリソグラフィ工程中でマスクパターンをフォトレジストが塗布されたウエハ等の基板上に転写する際に使用される露光方法、及び露光装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より半導体素子等を製造する際に、マスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介してフォトレジストの塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上の各ショット領域に転写する一括露光型(ステッパー型)の投影露光装置が使用されている。最近では、投影光学系を大型化することなく、大面積のパターンをウエハ上に転写するために、レチクル及びウエハを投影光学系に対して同期移動して露光を行うステップ・アンド・スキャン方式等の走査露光型の投影露光装置(走査型露光装置)も注目されている。
【0003】
これらの露光装置においては、常に高い結像特性を維持した状態で露光を行うことが求められている。ところが、露光中の環境条件(気圧、温度、湿度等)の変化や投影光学系の露光光吸収等により結像特性(ベストフォーカス位置、投影像のコントラスト等)は次第に微妙に変化する。このような結像特性の変化によって、図11に示すように、転写されたパターンの線幅も変化することになる。
【0004】
即ち、図11(a)に示すように、レチクル13に遮光性の孤立パターン33が存在するときに、露光光ILのもとでその孤立パターン33の像を不図示の投影光学系を介して、フォトレジストの塗布されたウエハ上に投影する場合を考える。この場合、その投影光学系の結像特性に変化が無い状態では、ウエハ上での投影像による露光量Eの分布は、図11(b)の曲線35aに示すようにコントラストの良い分布となる。なお、図11(b)の横軸は投影像の位置X(実際には例えば縮小投影されている)であり、露光量Eの分布は結像光束の強度分布に比例している。また、ウエハ上に塗布されたフォトレジスト(ここではポジ型とする)の感光レベルをスライスレベル(閾値)Ethとすると、露光量EがそのスライスレベルEth以上になった領域で現像後にフォトレジストが溶解するため、現像後にウエハ上には図11(c)のレジストパターン36aで示すように広い線幅のパターンが残される。
【0005】
そして、環境条件等によって例えばコマ収差、及び球面収差等の結像特性が変化すると、ウエハ上での投影像による露光量Eの分布は図11(b)の曲線35b,35c,35dで示すようにコントラストが徐々に悪化していく。この場合でも通常は、フォトレジストの感光レベルであるスライスレベルEthは変化しないため、現像後にウエハ上に残されるパターンは、レジストパターン36b,36cで示すように次第に線幅が狭くなる。特にIC等の半導体デバイス等を製造する上で、レジストパターンの線幅は非常に重要なファクタになっており、レジストパターンの線幅が変化して、ひいては最終的にウエハ上に形成される回路パターンの線幅が設計値に対して許容範囲を超えて変化すると、半導体デバイス等の歩留りが低下してしまう。
【0006】
そこで、従来はこのような結像特性の変化を防止するために、例えば投影光学系を構成するレンズエレメントの一部を駆動する結像特性補正系を備えておき、環境条件等の変化に応じてその結像特性の変動量を予測し、この予測される結像特性の変動量を相殺するようにその結像特性補正系を介して結像特性を補正していた。
【0007】
上記の如く従来の投影露光装置では、環境条件等の変化によって、現像後にウエハ上に形成されるレジストパターンの線幅等が変化するのを防止するために、結像特性補正系を用いて投影像の結像特性を補正していた。
しかしながら、実際の投影露光装置では結像特性補正系を用いて全ての結像特性を補正することは困難であるため、環境条件等が変化した場合にレジストパターンの線幅の変化が殆ど生じないように結像特性を補正するのは困難であった。また、結像特性補正系を介して結像特性を補正するには或る程度の制御時間を要するため、その結像特性補正系の複雑な駆動によって露光工程のスループットが低下するという不都合もある。
【0008】
また、例えば孤立的パターン(密集度の低いパターン)と、密集度の高いパターンとを同時に転写するような場合には、パターンの種類によって結像特性の変化の影響が異なるため、全体として最も影響が小さくなるようにすることが望ましい。
更に、結像特性が変動しない場合であっても、例えば露光から現像までのフォトレジストの引き置き時間の変化等によって、図11(b)に示すフォトレジストの感光レベル(スライスレベルEth)が変動した場合には、現像後に形成されるレジストパターンの線幅が変化するという不都合がある。このような場合に、結像特性補正系を介してレジストパターンの線幅が変化しないように対応する結像特性を補正することも考えられるが、それには極めて複雑な制御が必要になる。
【0009】
本発明は斯かる点に鑑み、転写されるパターンの線幅等の形状に影響する所定の特性が変動した場合に、結像特性補正系を駆動することなく、その形状の変動量を軽減できる露光方法を提供することを第1の目的とする。
更に本発明は、複数種類のパターンを転写する際にその所定の特性が変動した場合に、結像特性補正系を駆動することなく、全体として有効にその形状の変動量の影響を軽減できる露光方法を提供することを第2の目的とする。更に本発明は、そのような露光方法を実施できる露光装置、この露光装置の効果的な製造方法、及びそのような露光方法を用いた高機能のデバイスの製造方法を提供することを第3の目的とする。
【0010】
【発明の開示】
本発明による第1の露光方法は、露光エネルギービームをマスク(13)に照射して、そのマスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光材料(51)が塗布された基板(20)上に露光する露光方法において、前記投影光学系の結像特性の変動に起因する前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御するものである。
【0011】
斯かる本発明によれば、投影光学系の結像特性が変動して転写されるパターン像が変化しても、結像特性補正系を駆動することなく、そのパターン像の変化量を軽減できる。例えばその基板上での露光像、即ち露光量分布のコントラスト等が変化して、その露光量分布が感光材料の感光レベルを横切る位置が変化することが予測される場合には、その露光量分布がその感光レベルを横切る位置が変化しないように、露光量を増減させる。同様に、露光から現像までの引き置き時間等の変化によってその感光材料の感光レベルの変化が予測される場合にも、その露光量分布が変化後の感光レベルを横切る位置が変化しないように露光量を増減させることで、現像後に形成される感光材料のパターンの線幅等が変化しない。
【0012】
また、露光エネルギービームの吸収による投影光学系の結像特性の変動に応じて露光量を制御しているので、露光エネルギービームの出力が大きくなってもパターンの線幅が変化することなく高精度の露光を実現することができる。
これらの場合に、一例として、そのマスクのパターン(33)のその基板上での露光像が、明部を背景とした孤立的な暗パターンである場合にその露光量を減少させて、そのマスクのパターン(53a)のその基板上での露光像が、暗部を背景とした孤立的な明パターンである場合にその露光量を増加させることが望ましい。例えば図4(b)に示すように、その露光像が孤立的な暗パターンであると共に、感光レベル(Eth)が比較的低い場合には、露光量分布のコントラストの低下によって露光量分布がその感光レベルを横切る位置が内側にずれる傾向がある。従って、露光量を減少させることで露光量分布がその感光レベルを横切る位置を元の位置に戻すことができる。
【0013】
一方、例えば図7(b)に示すように、その露光像が孤立的な明パターンであると共に、感光レベル(Eth)が比較的高い場合には、露光量分布のコントラストの低下によって露光量分布がその感光レベルを横切る位置が内側にずれる傾向がある。従って、露光量を増加させることで露光量分布がその感光レベルを横切る位置を元の位置に戻すことができる。
【0014】
また、そのマスクのパターンが互いに線幅の異なる複数種類のパターン(38,39)よりなる場合に、それら複数種類のパターンの内の最小線幅のパターンに応じてその感光材料に対する露光量を制御するようにしてもよい。露光像の特性等の変化による線幅等の変化量はほぼ同様であるため、その線幅の変化量の影響は最小線幅のパターンにとって最も大きくなる。そこで、その最小線幅のパターンの線幅の変化が最も小さくなるように露光量を制御することで、全体として有効に線幅等の変化の影響が軽減される。
【0015】
また、別の方法として、そのマスクのパターンが同じ程度の線幅の複数種類のパターンよりなる場合に、各パターンの線幅の変化を抑制できる露光量をそれぞれ求めた後、最終的な露光量をそれらの露光量の最大値と最小値との中間の値に設定してもよい。これによって、全体として線幅等の変化量が最小になる。
また、本発明による第2の露光方法は、露光エネルギービームをマスクに照射して、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光材料が塗布された基板上に転写する露光方法において、前記投影光学系の結像特性の変化に起因する前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記パターン像の結像特性の一部を補正すると共に、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御するものである。
【0016】
次に、本発明による第1の露光装置は、露光エネルギービームをマスク(13)に照射する照明系(1,4,10〜12)と、そのマスクに形成されたパターンの像を感光材料(51)が塗布された基板(20)上に転写する投影光学系(19)と、を有する露光装置において、その投影光学系の結像特性の変化に基づく、そのマスクのパターン像のコントラストの変化量を計算する計算系(31)と、この計算系の計算結果に応じてその感光材料に対するその露光エネルギービームの露光量を制御する露光量制御系(2,3,7,8,32)と、を備えたものである。
【0017】
また、本発明による第2の露光装置は、露光エネルギービームをマスクに照射する照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を感光材料が塗布された基板上に転写する投影光学系とを有する露光装置において、前記投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正機構と、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御する露光量制御機構と、前記結像特性補正機構を制御し、前記投影光学系の結像特性うち、一部の結像特性の変化を補正するとともに、前記露光量制御機構を制御し、前記投影光学系の結像特性の変動に起因する前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御する制御装置とを有するものである。
【0018】
斯かる本発明の露光装置によって、本発明の露光方法が実施できる。
また、その照明系は、そのマスクに対する照明条件を変更するための可変開口絞り(5,6)を備え、その計算系は、その照明条件に応じてその投影像の結像特性の変化量、及びその感光材料の特性の変化量の少なくとも一方を計算する際のパラメータを変更することが望ましい。照明条件をも考慮することで、その特性の変化量をより正確に予測できる。
【0019】
また、本発明によるデバイスの製造方法は、本発明の露光方法を用いたデバイスの製造方法であって、そのマスク(13)のパターンの露光像の結像特性の変化、及びその感光材料(51)の特性の変化の少なくとも一方に応じてその感光材料に対するその露光エネルギービームの露光量を制御しながら、そのデバイス用の基板に露光する工程を含むものであり、パターンの線幅精度が向上し、高機能のデバイスを製造できる。
【0020】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態の一例につき図1〜図7を参照して説明する。
図1は本例で使用される一括露光型(ステッパー型)の投影露光装置を示し、この図1において、水銀ランプよりなる露光光源1から射出された例えばi線(波長365nm)の露光光ILは、シャッタ2の近傍を通過して不図示のビーム整形光学系等を経てオプティカル・インテグレータとしてのフライアイレンズ4に入射する。この場合、露光量制御系32が駆動モータ3によりシャッタ2を回転して、露光光ILの光路を開閉することによって、ウエハに対する露光時間、ひいては露光光の露光量(積算露光量)を制御できるように構成されている。装置全体の動作を統轄制御する主制御系31が、露光量制御系32に対して目標露光量等の情報を供給する。
【0021】
なお、露光光源としては、KrF、ArF、又はF2 等のエキシマレーザ光源等を使用することも可能であるが、この場合には一例としてシャッタを使用することなく、レーザ光源等の発光のオン/オフ、及び発振周波数等を制御することによって露光量が制御される。
フライアイレンズ4の射出面には、照明系の開口絞り板5が回転自在に配置され、開口絞り板5の回転軸の周りには、図2に示すように、通常照明用の円形の開口絞り5a、小さいコヒーレンスファクタ(σ値)用の小さい円形の開口絞り5b、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り5c、及び複数の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り5dが配置されている。なお、必要に応じて更に別の種類の照明系開口絞りを設けてもよい。
【0022】
図1に戻り、主制御系31が、駆動モータ6を介して開口絞り板5を回転することによって、フライアイレンズ4の射出面に所望の照明系開口絞りを配置できるように構成されている。主制御系31には、後述のように結像特性の変動量等を計算するためのコンピュータも含まれている。フライアイレンズ4の射出面の開口絞りを通過した露光光ILの一部は、ビームスプリッタ7にて反射された後、光電検出器よりなるインテグレータセンサ8に入射する。インテグレータセンサ8の検出信号は露光量制御系32に供給され、露光量制御系32は、その検出信号より露光光ILのウエハの表面での照度(パルスエネルギー)を間接的にモニタする。インテグレータセンサ8の検出信号は、露光量制御系32を介して主制御系31にも供給されており、インテグレータセンサ8の検出信号よりウエハ上の照度を算出するための変換パラメータの情報が主制御系31から露光量制御系32に供給される。
【0023】
一方、ビームスプリッタ7を透過した露光光ILは、リレーレンズ、及びレチクルブラインド等を含む光学系10を経た後、光路折り曲げ用のミラー11、及びコンデンサレンズ12を経て、レチクル13のパターン面(下面)に設けられたパターン領域内の照明領域を照明する。レチクル13の照明領域内のパターンは、投影光学系19を介して所定の投影倍率β(βは1/4,1/5等)でフォトレジストが塗布されたシリコンウエハ(以下、単に「ウエハ(wafer)」と言う)20上の1つのショット領域に縮小投影される。ウエハ20上のフォトレジストの感光レベル、及び露光から現像までの引き置き時間による感光レベルの変動特性等の情報は、例えば不図示のホストコンピュータ等から主制御系31に供給されている。以下、投影光学系19の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に平行にX軸を取り、図1の紙面に垂直にY軸を取って説明する。
【0024】
先ず、レチクル13はレチクルステージ14上に保持されている。レチクルステージ14は、2次元的にレチクル13の位置決めを行う。レチクルステージ14の位置は不図示のレーザ干渉計によって計測されており、この計測結果、及び主制御系31からの制御情報に基づいて不図示のレチクルステージ駆動系がレチクルステージ14の動作を制御する。
【0025】
一方、ウエハ20は不図示のウエハホルダ上に吸着保持され、ウエハホルダはウエハステージ21上に固定されている。ウエハステージ21上のウエハ20(ウエハホルダ)の近傍には光電検出器よりなる照射量モニタ27が取り付けられ、照射量モニタ27の検出信号が主制御系31に供給されている。そして、ウエハステージ21は、この上のウエハ20及び照射量モニタ27をX方向、Y方向にステップ移動する。ウエハステージ21には、ウエハ20及び照射量モニタ27の投影光学系19の光軸方向の位置(フォーカス位置)、及び傾斜角を制御するZ駆動部も組み込まれている。
【0026】
また、投影光学系19の側面に送光系25及び受光系26よりなるオートフォーカスセンサ(以下、「AFセンサ25,26」と呼ぶ)が配置され、送光系25からウエハ20の表面に斜めに投影される複数のスリット像を受光系26内で再結像し、再結像された像の横ずれ量を検出することによって、それらのスリット像が投影された複数の計測点でのフォーカス位置が検出され、検出結果が主制御系31に供給されている。主制御系31は、AFセンサ25,26によって検出される複数のフォーカス位置が、予めテストプリント等によって求められている投影光学系19の像面の位置(ベストフォーカス位置)に合致するように、オートフォーカス方式、及びオートレベリング方式でウエハステージ駆動系24を介してウエハステージ21内のZ駆動部を駆動する。
【0027】
また、ウエハステージ21上に直交する反射面を有する移動鏡22が固定され、対向するように配置された3軸のレーザ干渉計23から移動鏡22にレーザビームが照射され、レーザ干渉計23によってウエハステージ21(ウエハ20)のX座標、Y座標、及び回転角が計測され、この計測値がウエハステージ駆動系24、及び主制御系31に供給されている。ウエハステージ駆動系24は、レーザ干渉計23の計測値、及び主制御系31からの制御情報に基づいてウエハステージ21をX方向、Y方向に駆動する。
【0028】
露光時には、ウエハ20上の一つのショット領域に対する露光が終了すると、ウエハステージ21のステップ移動によってウエハ20上の次の露光対象のショット領域が投影光学系19の露光領域に設定された後、シャッタ2が開放されてレチクル13のパターンの像が当該ショット領域に露光されるという動作がステップ・アンド・リピート方式で繰り返されて、ウエハ20上の各ショット領域にそれぞれレチクル13のパターン像が転写される。その後、ウエハ20は現像装置に搬送されて、ウエハ20上のフォトレジストの現像が行われる。
【0029】
このようにウエハ20上の各ショット領域への露光を行うに際しては、ウエハ20上のフォトレジストの感光レベル(感度)に応じた適正露光量で露光を行う必要がある。この場合、投影光学系19の結像特性に変動が無いと共に、そのフォトレジストの感光レベルにも変動が無い状態での適正な露光量は、例えば露光量を種々に設定して所定の線幅の回路パターンのテストプリント(試し焼き)を行い、現像後に得られるレジストパターンの線幅が目標値に最も近いときの露光量を求めることで決定されている。この適正露光量の情報は主制御系31から露光量制御系32にも供給されており、露光量制御系32は、結像特性等に変動が無い状態では、インテグレータセンサ8を介して間接的に検出されるウエハ20上での単位時間当たりの光量(照度)の積算値がその適正露光量となるように、シャッタ2の開放時間(露光時間)を制御する。なお、シャッタ2の開放時間を制御する以外に、露光光源1の発光パワーを制御してもよく、更に露光光源1の後に光量減衰器等を配置しておいて、この減衰率等を制御してもよい。
【0030】
更に、本例では例えば露光光ILの照射等によって投影光学系19の所定の結像特性が変動することで、現像後のレジストパターンの線幅の変動が予測される場合には、後述のようにウエハ20に対する露光量を増減することによって対処する。
なお、本発明は、一括露光型のみならず、ステップ・アンド・スキャン方式のような走査露光型の投影露光装置にも適用可能である。走査露光型の場合には、ウエハ上でのスリット状の露光領域の走査方向の幅(スリット幅)をDY、走査速度をVWY、ウエハ上での照度をPWとすると、ウエハに対する露光量Escanは、PW・DY/VWYで表される。従って、ウエハに対する露光量Escanを制御するためには、照度PW、スリット幅DY、又は走査速度VWY等の何れを制御してもよい。
【0031】
さて、上述のように露光を継続すると、露光光ILの照射熱によって投影光学系19を構成する各光学部材が膨張、又は変形し、これらに応じてウエハ20上に投影される投影像のディストーション(倍率誤差を含む)、ベストフォーカス位置、及び諸収差等の結像特性が次第に変化する。これによって、次第にウエハ20上に目標とするパターン像を露光することが困難となる。また、大気圧等の環境条件の変化によっても所定の結像特性が変化して、目標とするパターン像の露光が困難になることもある。このような結像特性の変動の影響を軽減するために、本例の投影露光装置には露光光ILの照射量や環境条件の計測機構、及び投影像の所定の結像特性の補正機構が組み込まれている。
【0032】
[露光光の照射量等の計測機構]
先ず、露光光ILの照射量の計測機構の一部がウエハステージ21上の照射量モニタ27である。照射量モニタ27は実際に投影光学系19を通過した露光光ILの照度(パルス光ではパルスエネルギー)を測定できるように構成されており、投影光学系19の像面の位置(ベストフォーカス位置)が変化しても、ウエハステージ21をZ方向に駆動することで、照射量モニタ27の受光面をそのベストフォーカス位置に位置決めできるようになっている。照射量モニタ27としては、シリコンフォトダイオードやフォトマルチプライアを使用できる。なお、本例ではウエハステージ21上に照射量モニタ27が設置されているが、ウエハステージ21上には集光光学系のみを組み込み、この集光光学系で集光された露光光をリレー光学系、又は光ファイバ等を介して、外部の照射量モニタ27に導くようにしてもよい。この場合、照射量モニタ27をウエハステージ21上に設置しなくても済むため、照射量モニタ27の発熱によるウエハステージ21の位置決め精度等の悪化を防ぐことができるとともに、ウエハステージ21が軽量化できる。
【0033】
また、本例において、ウエハ20で反射された露光光ILは、投影光学系19、レチクル13、及びコンデンサレンズ12等を経てビームスプリッタ7に戻り、ビームスプリッタ7で反射された光束が光電検出器よりなる反射率センサ9に入射し、反射率センサ9の検出信号が主制御系31に供給されている。主制御系31は、反射率センサ9の検出信号よりウエハ20の反射率を算出する。照射量モニタ27で計測される露光光ILの照度(パルスエネルギー)と、この照度に反射率センサ9を介して検出される反射率を乗じて得られる照度との和より、投影光学系19を通過する露光光ILの単位時間当たりのエネルギーが求められる。
【0034】
また、環境条件の計測機構として、投影光学系19の近傍に気圧センサ28、温度センサ29、湿度センサ30が配置されている。気圧センサ28、温度センサ29、及び湿度センサ30によってそれぞれ計測される投影光学系19を囲む気体の気圧、温度、及び湿度の情報も主制御系31に供給されている。
[所定の結像特性の補正機構]
次に、本例の所定の結像特性の補正機構につき説明する。本例では、ディストーション(倍率誤差を含む)のように露光位置の変動を招く結像特性の変動は、この補正機構によって補正する。即ち、図1において、投影光学系19の鏡筒15のレチクル側の面に載置されたレンズ群のレンズ枠上に、圧電素子(ピエゾ素子)等からなる伸縮自在の駆動素子17を介してレンズ群L2を保持するレンズ枠が載置され、このレンズ枠上に伸縮自在の駆動素子16を介してレンズ群L1を保持するレンズ枠が載置されている。駆動素子16,17は、それぞれ光軸AXを中心として120°間隔で配置された3個の駆動素子より構成され、駆動素子16,17の伸縮量は結像特性制御部18によって制御されている。
【0035】
また、駆動素子16,17が配置されている位置(駆動点)には、不図示の位置センサが配置され、これらの位置センサで検出される駆動素子16,17の伸縮量の情報が結像特性制御部18に供給され、結像特性制御部18では検出される伸縮量が目標値になるようにクローズドループ方式で駆動素子16,17を駆動する。位置センサとしては、例えば静電容量型のギャップセンサ、光学式や磁気式のリニアエンコーダ、又は干渉計等が使用できる。
【0036】
そのように駆動素子16,17を伸縮させることで、それぞれ対応するレンズ群L1,L2を投影光学系19の光軸方向に移動できると共に、その光軸に垂直な面に対して傾斜させることができる。また、レンズ群L1,L2は互いに独立に駆動可能となっており、レンズ群L1,L2の駆動によって対応する結像特性が変化する。主制御系31から所定の結像特性の補正量の情報が結像特性制御部18に供給されると、結像特性制御部18では対応する駆動素子16,17をその補正量に応じた量だけ駆動する。これによって、倍率誤差を含むディストーション等の結像特性が補正される。
【0037】
なお、本例では各レンズ群L1,L2を駆動することにより所定の結像特性を補正しているが、投影光学系19の内部の一部のレンズ間の空間を密封して内部圧力を変更することにより結像特性を補正する機構を採用しても良い。
また、機械的に補正可能な結像特性としては、他にベストフォーカス位置の変動量がある。この変動量、即ちデフォーカス量は後述のように、例えばウエハステージ21中のZ駆動部の駆動でウエハ20のフォーカス位置を制御することで補正できる。更に、本例では、投影像のコントラストのように機械的に補正するには複雑な機構を要するような結像特性の変動に対しては、後述のように露光量制御で対処する。
【0038】
[投影光学系の各種の結像特性の変動量の計算方法]
次に、図1の投影光学系19の各種の結像特性の変動量の計算方法について説明する。そのために、先ず、ウエハ20の反射率Rを求める。ウエハステージ21上には投影光学系19の露光領域を覆う大きさを備え、それぞれ反射率がRH及びRL(RH>RL)である2つの反射板(不図示)が設置してある。そして、レチクル13をレチクルステージ14上に設置した状態で、ウエハステージ21を駆動して反射率RHの反射板を投影光学系19の露光領域に移動する。次に、照明条件(照明系開口絞りの種類、及び投影光学系16の開口数等)を所定の状態に設定した上で反射率センサ9の出力VHを測定する。次に、ウエハステージ21を駆動させることにより反射率RLの反射板を投影光学系19の露光領域に移動して反射率センサ9の出力VLを測定する。
【0039】
図3は、計測されるウエハ20の反射率と反射率センサ9の出力との関係を示し、この図3において、横軸は計測される反射率Rであり、縦軸は反射率センサ9の出力Vである。この図3に示すように、上述の2回の反射率の測定結果(RH,VH)及び(RL,VL)を直線で結ぶことによって、反射率Rと反射率センサ9の出力Vとの関係を直線(1次関数)で表すことができる。その後、ウエハ20を露光する際には、反射率センサ9の出力Vを用いて、図3の直線に対応する以下の式よりウエハ20の反射率Rを算出する。
【0040】
続いて、露光光吸収による投影光学系19の結像特性の変動量を計算する。先ず、図1のウエハステージ21を駆動して照射量モニタ27を投影光学系19の露光領域に移動する。そして、照明条件を所定の状態にしてシャッタ2を開いて露光光ILで照射量モニタ27を照明し、主制御系31にてそのときの照射量モニタ27の出力POWとインテグレータセンサ8の出力IO とを記憶する。また、主制御系31は、インテグレータセンサ8の出力IO から照射量モニタ27の出力POWを求めるための変換パラメータ(=POW/I0)を算出し、この変換パラメータを露光量制御系32に供給する。そして、ウエハ20に露光を行う際に、主制御系31は、露光量制御系32を介して供給されるインテグレータセンサ8の出力Iと反射率センサ9を介して求めたウエハの反射率Rとを用いて以下の式より、各結像特性の変動量の計算を行う。
【0041】
但し、この式において、Mheatは露光光吸収による倍率の変化量、Dheatは露光光吸収によるディストーションの変化量、Fheatは露光光吸収による像面(ベストフォーカス位置)の変化量(フォーカス位置の変化量)、Lheatは露光光吸収による投影像の線幅の変化量である。この線幅の変化は、例えば投影光学系19のコマ収差や球面収差の変化による投影像のコントラストの変化によって生ずるものである。また、(2)式において、Km,Tmはそれぞれ露光光吸収による倍率変化の係数及び時定数、Kd,Tdはそれぞれ露光光吸収によるディストーションの変化量の係数及び時定数、Kf,Tfはそれぞれ露光光吸収によるフォーカス位置の変化量の係数及び時定数、Kl,Tlはそれぞれ露光光吸収による線幅変化の係数及び時定数である。
【0042】
インテグレータセンサ8の出力Iには露光光源1の照射量の経時変化を測定する役割と、投影光学系19に露光光が入射しているかどうかを判定する役割との2つの役割がある。各結像特性の変化係数及び時定数については予め実験により求めておいてもよく、熱変形等のシミュレーションによる計算で求めても構わない。また、照明系の光軸上に照明系の開口絞り板5の中でどの開口絞りが設置されているかによって、それらの結像特性の変化係数と時定数とを変更してもよい。この場合は、開口絞りの違いによる微妙な結像特性の変化量も高精度に計算可能となる。なお、本例では照射熱吸収による結像特性の変化を1次遅れ系としたが、更に高精度な計算をするために2次系やむだ時間系、あるいはそれらを組み合わせた伝達関数を導入しても良い。
【0043】
続いて、図1の気圧センサ28、温度センサ29、湿度センサ30を介して投影光学系19の周囲の環境条件である気圧、温度、及び湿度の変化量を測定し、主制御系31は、これらの測定結果より投影光学系19の倍率変化量ΔM、ディストーションの変化量ΔD、フォーカス位置の変化量ΔF、及び線幅の変化量ΔLを算出する。その後、これらに(2)式の結像特性の変化量を加算することによって、主制御系31は次式より全体としての倍率の変化量M、ディストーションの変化量D、フォーカス位置の変化量F、及び線幅の変化量Lを求める。
【0044】
但し、P,T,Hはそれぞれ投影光学系19の周囲の気体の気圧、温度、及び湿度の変化量であり、Kmpは気圧変化に対する倍率変化係数、Kmtは温度変化に対する倍率変化係数、Kmhは湿度変化に対する倍率変化係数である。また、Kdpは気圧変化に対するディストーションの変化係数、Kdtは温度変化に対するディストーションの変化係数、Kdhは湿度変化に対するディストーションの変化係数であり、Kfpは気圧変化に対するフォーカス位置の変化係数、Kftは温度変化に対するフォーカス位置の変化係数、Kfhは湿度変化に対するフォーカス位置の変化係数であり、Klpは気圧変化に対する線幅変化係数、Kltは温度変化に対する線幅変化係数、Klhは湿度変化に対する線幅変化係数である。
【0045】
なお、ここでは上式のように各環境変動に対して結像特性が比例して変化すると仮定しているが、より高精度に結像特性の変動量を求めるために、例えば温度に対して1次遅れ系や熱の移動を考慮したむだ時間系、あるいはそれらの組み合わせの伝達関数を採用してもよい。
[所定の結像特性を補正するための各レンズ群の駆動方法]
次に、上記のように計算された結像特性の変化量の内で、倍率の変化量M、及びディストーションの変化量Dを、投影光学系19内のレンズ群L1,L2の駆動によって補正するために、主制御系31は、(3)式の変化量M及びDを結像特性制御部18に供給する。結像特性制御部18では、それらの変化量M及びDに対して以下の連立方程式を解いて、レンズ群L1のZ方向への駆動量ZL1、及びレンズ群L2のZ方向への駆動量ZL2を計算する。
【0046】
但し、Kmaはレンズ群L1の駆動量に対する倍率変化係数、Kmbはレンズ群L2の駆動量に対する倍率変化係数、Kdaはレンズ群L1の駆動量に対するディストーションの変化係数、Kdbはレンズ群L2の駆動量に対するディストーションの変化係数である。
【0047】
次に、結像特性制御部18は、計算されたレンズ群L1,L2の駆動量ZL1,ZL2に応じて駆動素子16,17の伸縮量を制御する。これによって、倍率の変化量、及びディストーションの変化量、即ち投影像の位置のずれが補正される。
[フォーカス位置の補正方法]
次に、(3)式中のフォーカス位置の変化量F、即ちデフォーカス量の補正を行うが、実際には上記のレンズ群L1,L2の駆動によってもフォーカス位置が次のように変動する。結像特性制御部18は、次式からレンズ群L1,L2の駆動量ZL1,ZL2に応じたフォーカス位置の変動量f1を計算し、計算結果を主制御系31に供給する。
【0048】
f1=Kfa×ZL1+Kfb×ZL2 (5)
但し、Kfaはレンズ群L1の駆動量に対するフォーカス位置の変化係数、Kfbはレンズ群L2の駆動量に対するフォーカス位置の変化係数である。各係数は実験により求めてもよく、光学的な計算値を採用してもよい。
以上の変化量をまとめて、主制御系31は次式より投影光学系19のベストフォーカス位置の変化量fを求める。
【0049】
f=f1+F (6)
これに応じて、主制御系31は、AFセンサ25,26で検出されるウエハ20のフォーカス位置がその変化量fとなるように、ウエハステージ駆動系24を介してウエハステージ21内のZ駆動部を制御する。これによって、オートフォーカス方式でウエハ20の表面は投影光学系19の変動後のベストフォーカス位置(像面)に合わせ込まれる。
【0050】
[線幅の変化量の補正方法]
以上のように、結像特性の内のディストーション(倍率誤差を含む)、及びフォーカス位置の変化量については、結像特性制御部18、及びウエハステージ21中のZ駆動部を介して補正することができる。しかしながら、線幅の変化量を補正するために、例えば投影光学系19内のコマ収差や球面収差等を補正するには複雑な制御が必要になる。そこで、本例では、以下のようにウエハ20に対する露光量を制御することによって、その線幅の変化量を補正する。
【0051】
そのため、主制御系31では、(3)式の線幅の変化量Lを補正するための最適な露光量を計算する。ここで、露光量の制御によってレジストパターンの線幅を補正する原理につき図4を参照して説明する。先ず、ウエハ上に明部を背景として孤立的なライン状の暗パターンが投影される場合につき、図4を参照して説明する。
【0052】
この場合、図4(a)に示すように、レチクル13に紙面に垂直な方向(これをY方向とする)に伸びた遮光膜よりなるライン状の孤立パターン33が存在するものとする。このとき、図1の投影光学系19を介して図4(c)のウエハ20上のフォトレジスト(ここではポジ型とする)51に投影される像の露光量Eの分布は、投影光学系19の結像特性に変化が無い状態では、図4(b)の曲線35aに示すようにコントラストの良い分布となる。なお、図4(b)の横軸は投影像の位置X(実際には縮小投影されている)であり、露光量Eの分布は結像光束の強度分布に比例している。また、ポジ型のフォトレジストは、露光量Eが感光レベルであるスライスレベルEth以上になった領域で現像後に溶解するため、現像後のウエハ20上には図4(c)に示すように、広い線幅d1の凸のレジストパターン52aが残される。
【0053】
そして、照射熱等によって投影光学系19の例えば球面収差等の結像特性が変化すると、ウエハ上での投影像による露光量Eの分布は、図4(b)の実線の曲線35cで示すようにコントラストが悪化して、露光量EがスライスレベルEthを横切る位置は内側に移動する。従って、現像後にウエハ20上には、狭い線幅d2のレジストパターン52cが残される。これによって、照射量が増大するにつれて、レジストパターンの線幅は次第に狭くなることが分かる。
【0054】
図5は、そのように照射時間tによって次第にレジストパターンの線幅dが狭くなる様子を示している。
この場合、図4(b)より分かるように、曲線35a,35cに対応する明部での露光量(目標露光量)をE1とすると、露光量をE2(<E1)に低下させて、露光量Eの分布を点線の曲線50cに低下させることによって、露光量EがスライスレベルEthを横切る位置は曲線35aの場合の位置と同一となる。これによって、図4(c)に示すように、現像後にウエハ20上に残されるレジストパターンの線幅もd1に戻される。また、これはフォトレジストがネガ型の場合にも、得られるレジストパターンが凹パターンになる以外は同様であり、感光レベル(スライスレベルEth)が比較的低い場合に、孤立的な暗パターンの像を露光する場合には通常、露光量Eが多くなる程、現像後に得られるレジストパターンの線幅dは狭くなる。これより、露光量Eを制御することによってレジストパターンの線幅dを制御できることが分かる。
【0055】
図6は、2つの結像条件のもとで露光量Eを変えた場合のレジストパターンの線幅dの変化の様子を示し、この図6において、横軸の露光量Eは露光開始から露光終了までのウエハ上での照度の積分値である。また、図6の曲線37aは、図4(b)の曲線35aのように最もコントラストの良好な投影像が転写される場合の特性を示し、曲線37bは、曲線35cのようにコントラストが低下した場合の特性を示している。図6の曲線37a,37b、及びそれ以外のコントラストに対応する曲線の情報(例えば1次関数近似、若しくは高次関数近似したときの係数、又はテーブル等)は、予め実験(テストプリント及び現像)により求められて、図1の主制御系31の記憶部に記憶されている。なお、実際には、最もコントラストの良好な場合の曲線37aを露光量を種々に変えたテストプリント等によって求めた後、コントラストが悪化した場合の特性はコンピュータによるシミュレーションによって求めることでも、高精度に露光量Eと線幅dとの関係を求めることができる。
【0056】
また、どの曲線の特性を用いるかについては、例えば図6の曲線37aを基準として(3)式で求められる線幅の変化量Lだけ狭い線幅の曲線を用いればよい。また、対応する曲線が無い場合には、上下の曲線を補間して得られる曲線を使用してもよい。また、図6の曲線37a,37b等を求める場合のパターンとしては、例えば解像度の限界に近い線幅のパターンを使用してもよい。
【0057】
図6の曲線37a,37bを用いて、主制御系31は、それぞれ露光量Eを初期の目標値E1とした場合の線幅dの値d1及びd2を求める。そして、現在の結像特性に対応する線幅d2の目標とする線幅d1に対する誤差が所定の許容値を超えている場合には、現在の結像特性に対応する曲線37bにおいて、線幅dが目標値であるd1となるときの露光量E2の値を求め、この露光量E2の情報を図1の露光量制御系32に供給する。露光量制御系32では、シャッタ2の開放時間(露光時間)を制御することによって、ウエハ20の露光対象のショット領域に対してその露光量E2が与えられるようにする。これによって、現像後のレジストパターンの線幅は目標値であるd1となり、最終的に形成される回路パターンの線幅も目標値となる。
【0058】
次に、ウエハ上に暗部を背景として孤立的なライン状の明パターンが投影される場合につき、図7を参照して説明する。この場合、図7(a)に示すように、レチクル13の遮光膜53中に紙面に垂直な方向(これをY方向とする)に伸びたライン状の開口よりなる孤立パターン53aが存在するものとする。このとき、図1の投影光学系19を介して図7(c)のウエハ20上のフォトレジスト(ここではポジ型とする)51に投影される像の露光量Eの分布は、投影光学系19の結像特性に変化が無い状態では、図7(b)の曲線54aに示すようにX方向にコントラストの良い分布となる。また、ここでもフォトレジストの感光レベルをスライスレベルEthとすると、現像後のウエハ20上には図7(c)に示すように、広い線幅d1の凹のレジストパターン56aが残される。
【0059】
そして、照射熱等によって投影光学系19の所定の結像特性が変化すると、ウエハ上での投影像による露光量Eの分布は、図7(b)の実線の曲線54bで示すようにコントラストが悪化して、露光量EがスライスレベルEthを横切る位置は内側に移動する。従って、現像後にウエハ20上には、狭い線幅d2のレジストパターン56bが残される。
【0060】
この場合、図7(b)より分かるように、曲線54a,54bに対応する明部での露光量(目標露光量)をE1とすると、露光量をE3(>E1)に増大させて、露光量Eの分布を点線の曲線55bに上昇させることによって、露光量EがスライスレベルEthを横切る位置は曲線54aの場合の位置と同一となる。これによって、図7(c)に示すように、現像後にウエハ20上に残されるレジストパターンの線幅もd1に戻される。また、これはフォトレジストがネガ型の場合にも、得られるレジストパターンが凸パターンになる以外は同様であり、感光レベル(スライスレベルEth)が比較的高い場合に、孤立的な明パターンの像を露光する場合には通常、露光量Eが多くなる程、現像後に得られるレジストパターンの線幅dは広くなる。
【0061】
そこで、この場合にも図6の曲線37a,37b等に対応させて、露光量Eとレジストパターンの線幅dとの関係を示す曲線を種々の条件について求めておき(この場合の曲線は露光量Eについて単調増加となる)、例えば(数3)で求められる線幅の変化量Lに応じた曲線を用いて、露光量を増加させればよい。これによって、目標とする線幅のレジストパターンが得られる。
【0062】
上述のように本例によれば、露光光ILの照射熱、及び環境条件の変化によって投影像の結像特性が変化して、現像後のレジストパターンの線幅の変化が予測される場合には、結像特性制御部18等を駆動することなく、露光量制御系32を介してウエハに対する露光量を制御することによって、そのレジストパターンの線幅が目標値になるようにしている。従って、投影光学系19を構成するレンズエレメント等を駆動するという複雑で或る程度の時間を要する補正動作を行うことなく、即ち露光工程のスループットを低下させることなく目標とする線幅の回路パターンを形成でき、半導体デバイス等の歩留りが向上する。
【0063】
また、上記の実施の形態では、例えば図4(b)において、投影像のコントラストが低下した場合を考慮しているが、ウエハ20上のフォトレジスト51の露光から現像までの引き置き時間(これは工程管理上で予測できる)によっては、フォトレジスト51の感光レベルであるスライスレベルEthが変動することもある。このようにスライスレベルEthが例えばδEだけ変動することが予測される場合には、図1の主制御系31では、その変動量δEだけ露光量Eを増減するように露光量制御系32を制御すればよい。これによって、感光レベルが変化しても、現像のレジストパターンの線幅の変化が防止される。
【0064】
次に、本発明の実施の形態の他の例につき図8〜図10を参照して説明する。本例でも図1の投影露光装置を使用するが、露光対象のパターンは、孤立的なパターンではなく、2種類のパターンが混在している。
即ち、図8(a)は本例のレチクル13に形成されたパターンを示し、この図8(a)において、レチクル13のパターン面には光透過部を背景として周期的なライン・アンド・スペースパターンよりなる密集パターン38と、ライン状の遮光膜よりなる孤立パターン39とが混在している。この場合に図1の投影光学系19を介してウエハ20上に投影される縮小像の露光量Eの分布は、結像特性が良好である場合には、図8(b)の曲線40aで示すようにX方向にコントラストの良好な分布となる。これに対して、投影光学系19のコマ収差や球面収差等の結像特性が悪化すると、ウエハ20上での投影像の露光量Eの分布は曲線40bで示すようにコントラストが悪化するが、密集パターン38の像は振幅が変化するのみで平均レベルはあまり変化しないのに対して、孤立パターン39の像は振幅が大きく変化すると共に平均レベルも大きく変化する。従って、ウエハ20上のフォトレジストの感光レベルであるスライスレベルEthがほぼ中間位置にあるものとすると、密集パターン38の像を現像した後のレジストパターンの線幅はあまり変化しないのに対して、孤立パターン39の像を現像した後のレジストパターンの線幅は大きく変化する。
【0065】
図9は、投影光学系19に対する露光光の照射時間t(これにほぼ比例して投影像のコントラストが低下する)と現像後に得られるレジストパターンの線幅dとの関係を示し、この図9において、曲線42は図8(a)の密集パターン38に対応し、曲線41は孤立パターン39に対応している。曲線42より分かるように、密集パターン38では長時間露光を行った後でも、現像後の線幅の変化量が少ない。
【0066】
そして、本例でも、現像後のレジストパターンの線幅の変化を露光量の増減によって予め補正する。即ち、図8(b)において、投影像のコントラストが曲線40bで示すように低下した場合には、露光量Eを減少させることによって、密集パターン38及び孤立パターン39に対応するレジストパターンの線幅をそれぞれ広くする。本例でも、予め種々の結像特性のもとで露光量Eに対する現像後のレジストパターンの線幅dの変化の特性を、パターンの種類毎に求めておく。
【0067】
図10は、そのようにして求めた露光量Eと線幅dとの関係を示し、この図10において、曲線43aは投影像のコントラストが良好な場合の密集パターン38、及び孤立パターン39に共通の特性を示し、曲線43b及び43cはそれぞれ投影像のコントラストが低下した場合の孤立パターン39及び密集パターン38に対応する特性を示す。図10において、結像特性が変化しない状態での露光量EをAとすると、投影像のコントラストが低下した場合に孤立パターン39に対応する線幅dを変化させないためには、曲線43a及び43bより露光量をBにすればよいことになる。一方、投影像のコントラストが低下した場合に密集パターン38に対応する線幅dを変化させないためには、曲線43a及び43cより露光量をCにすればよいことになる。そこで、実際の露光量は、BとCとの間の所定の値Dにすることによって、全体として線幅変化を最小限に抑えることができる。
【0068】
また、本例においても、曲線43aと共に使用する曲線を決定する際に、線幅の変化量Lを(3)式の第4式より計算することができる。以下にその第4式を再び示す。
L=Klp×P+Klt×T+Klh×H+Lheat (7)
この場合の各係数Klp,Klt,KLhとしては、密集パターン38と孤立パターン39とで異なる係数を使用すればよい。これらの係数は、パターンの種類に応じて用意しておけばよい。そして、3種類以上のパターンの転写を行う場合には、例えば線幅変化が最大のパターンの露光量と振幅変化が最小のパターンの露光量との中間の露光量とすればよい。これによって、露光量を制御するだけで、複数種類のパターンのレジストパターンの線幅変化を全体として最小に抑制できる。
【0069】
なお、図8の例では、密集パターン38の線幅の設計値をdL、孤立パターン39の線幅の設計値をdSとすると、線幅dL,dSの比率に応じて線幅が狭い方に図10の露光量の値Dを近付けて設定してもよい。これによって、最も線幅の狭いパターンが高精度に転写されるため、半導体デバイス等の歩留りが向上する場合がある。また、一方のパターンの線幅が他方のパターンに比べて特に狭い場合には、線幅の狭いパターンのみを考慮して線幅の変化量が最小になるように露光量を制御してもよい。
【0070】
なお、上記の実施の形態では、(3)式で示すようにレジストパターンの線幅の変化量を計算する方法を採用したが、その代わりに例えば対応する露光量の変化量を直接計算してもよく、これによって計算量が少なくなる。また、その線幅が変化する要因である結像性能、特に球面収差の変化量を計算してもよい。この場合は、球面収差の発生量と線幅の変化量との関係を記憶しておけば、その球面収差の発生量から線幅の変化量が求められる。
【0071】
なお、上記の実施の形態では紫外光を使用した投影露光装置が使用されているが、本発明は露光エネルギービームとして紫外光等を使用したプロキシミティ方式の露光装置、更にはX線を使用する露光装置、又は電子線露光装置等にも適用することができる。
なお、露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適用できる。
【0072】
また、投影光学系を使用する場合、その倍率は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでもいい。
そして、投影光学系としては、エキシマレーザ等の遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石等の遠紫外線を透過する材料を用い、F2 レーザやX線を用いる場合は反射屈折系又は反射系の光学系にし(レチクルも反射型タイプのものを用いる)、また、電子線を用いる場合には光学系として電子レンズ及び偏向器からなる電子光学系を用いることになる。この際に、電子線が通過する光路は真空状態にすることはいうまでもない。
【0073】
また、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をすると共に、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより本実施の形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0074】
そして、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、このステップに基づいたレチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを制作するステップ、前述した実施の形態の露光装置によりレチクルのパターンをウエハに露光するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【0075】
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。更に、明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約を含む、1997年12月5日付提出の日本国特許出願第9−335460号の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用してここに組み込まれている。
【0076】
【産業上の利用可能性】
本発明の第1、又は第2の露光方法によれば、露光像、又は感光材料の特性の変化に応じて露光量を制御しているため、転写されるパターンの線幅等の形状に影響する所定の特性が変動した場合に、結像特性補正系を駆動することなく、その形状の変動量を軽減できる利点がある。これによって露光工程のスループットを低下させることなく簡単な制御で線幅等の変動量を低減できると共に、最終的に形成されるデバイスの歩留りが向上する。また、結像特性が変化しないように環境条件の変化の抑制策等を講じる必要が無いため、露光装置等の設備費が低減できる。
【0077】
また、投影光学系の露光エネルギービームの吸収による結像特性の変化を露光量の制御で補正する場合には、結像特性の主な変動量を複雑な機構を用いることなく補正できる利点がある。
また、マスクのパターンが互いに線幅の異なる複数種類のパターンよりなる場合に、その複数の種類のパターンの内の最小線幅のパターンに応じてその感光材料に対する露光量を制御する場合には、結像特性補正系を駆動することなく、全体として有効にその線幅(形状)の変動量の影響を軽減できる利点がある。
【0078】
次に、本発明による露光装置によれば本発明の露光方法が実施できる。
また、計算系は、投影光学系を通過する露光エネルギービームの光量、及び感光材料が露光されてから現像されるまでの予測される引き置き時間の少なくとも一方に基づいて、その投影像の結像特性の変化量、及びその感光材料の特性の変化量の少なくとも一方を計算する場合には、簡単な計算で線幅等の形状の変化量を正確に予測できる。
【0079】
また、照明系は、マスクに対する照明条件を変更するための可変開口絞りを備え、計算系は、その照明条件に応じて投影像の結像特性の変化量、及び感光材料の特性の変化量の少なくとも一方を計算する際のパラメータを変更する場合には、照明条件が切り換えられた場合でも線幅等の変化量を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態の一例で使用される投影露光装置を示す一部を切り欠いた構成図である。図2は、図1中の複数の照明系開口絞りを示す図である。図3は、ウエハの反射率と反射率センサ9の出力との関係を示す図である。図4(a)は、レチクル13に形成された孤立的な遮光パターンを示す図、図4(b)は、その遮光パターンに対応するウエハ上での投影像の露光量分布を示す図、図4(c)は、その露光量分布に対応するレジストパターンを示す図である。図5は、露光光の照射時間tと現像後に得られるレジストパターンの線幅dとの関係を示す図である。図6は、露光量Eを制御して現像後に得られるレジストパターンの線幅dを制御する場合の、露光量Eの決定方法の説明図である。図7(a)はレチクル13に形成された孤立的な明パターンを示す図、図7(b)はその明パターンに対応するウエハ上での投影像の露光量分布を示す図、図7(c)はその露光量分布に対応するレジストパターンを示す図である。図8(a)は本発明の実施の形態の他の例において、レチクル13に形成された2種類のパターンを示す図、図8(b)はその2種類のパターンのウエハ上での投影像の露光量分布を示す図である。図9は、図8の2種類のパターンにおける、露光光の照射時間tと現像後に得られるレジストパターンの線幅dとの関係を示す図である。図10は、図8の2種類のパターンに対して露光量Eを制御して現像後に得られるレジストパターンの線幅dを制御する場合の、露光量Eの決定方法の説明図である。図11は、投影像のコントラストの低下によってレジストパターンの線幅が変化する様子を示す図である。
Claims (12)
- 露光エネルギービームをマスクに照射して、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光材料が塗布された基板上に露光する露光方法において、
前記投影光学系の結像特性の変動に起因する前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御することを特徴とする露光方法。 - 請求項1記載の露光方法であって、
前記基板上における前記マスクのパターン像が、明部を背景とした孤立的な暗パターンである場合に前記露光量を減少させて、前記基板上における前記マスクのパターン像が、暗部を背景とした孤立的な明パターンである場合に前記露光量を増加させることを特徴とする露光方法。 - 請求項1記載の露光方法であって、
前記マスクのパターンが互いに線幅の異なる複数種類のパターンよりなる場合に、前記複数の種類のパターンの内の最小線幅のパターンに応じて前記感光材料に対する露光量を制御することを特徴とする露光方法。 - 請求項1から3のいずれか一項記載の露光方法であって、
前記マスクのパターン像のコントラストの変化量と、前記マスクのパターン像のコントラストの変化量に対する前記露光量との関係に基づいて、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御することを特徴とする露光方法。 - 請求項1から4のいずれか一項記載の露光方法であって、
前記投影光学系の結像特性の変動は、前記投影光学系の前記露光エネルギービームの吸収に起因したものであることを特徴とする露光方法。 - 露光エネルギービームをマスクに照射する照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を感光材料が塗布された基板上に転写する投影光学系とを有する露光装置において、
前記投影光学系の結像特性の変化に基づく、前記マスクのパターン像のコントラストの変化量を計算する計算系と、
該計算系の計算結果に応じて前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御する露光量制御系とを備えたことを特徴とする露光装置。 - 請求項6記載の露光装置であって、
前記照明系は、前記マスクに対する照明条件を変更するための可変開口絞りを備え、前記計算系は、前記照明条件に応じた前記投影光学系の結像特性の変化量を計算する際のパラメータを変更することを特徴とする露光装置。 - 請求項1から5のいずれか一項記載の露光方法を用いたデバイスの製造方法であって、
前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御しながら、前記マスクのパターンの像を前記基板上に露光する工程を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。 - 露光エネルギービームをマスクに照射して、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光材料が塗布された基板上に転写する露光方法において、
前記投影光学系の結像特性の変化に起因する前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記パターン像の結像特性の一部を補正すると共に、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御することを特徴とする露光方法。 - 請求項9に記載の露光方法であって、
前記投影光学系の結像特性は、ディストーションとコマ収差と球面収差とを含み、
前記パターン像の結像特性の一部を補正することは、前記ディストーションを補正することを含み、
前記コマ収差又は前記球面収差による前記パターン像のコントラストの変化に応じて、前記露光エネルギービームの露光量を制御することを特徴とする露光方法。 - 露光エネルギービームをマスクに照射する照明系と、前記マスクに形成されたパターンの像を感光材料が塗布された基板上に転写する投影光学系とを有する露光装置において、
前記投影光学系の結像特性を補正する結像特性補正機構と、
前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御する露光量制御機構と、
前記結像特性補正機構を制御し、前記投影光学系の結像特性うち、一部の結像特性の変化を補正するとともに、前記露光量制御機構を制御し、前記投影光学系の結像特性の変動に起因する前記マスクのパターン像のコントラストの変化に応じて、前記感光材料に対する前記露光エネルギービームの露光量を制御する制御装置と
を有することを特徴とする露光装置。 - 請求項11に記載の露光装置において、
前記投影光学系の結像特性は、ディストーションとコマ収差と球面収差とを含み、
前記制御装置は、前記ディストーションを補正するように前記結像特性補正機構を制御すると共に、前記コマ収差又は前記球面収差による前記パターン像のコントラストの変化に応じて、前記露光量制御機構を制御することを特徴とする露光装置。
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