JP2000113807A - 電界放射型素子の製造方法 - Google Patents

電界放射型素子の製造方法

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JP2000113807A
JP2000113807A JP28566198A JP28566198A JP2000113807A JP 2000113807 A JP2000113807 A JP 2000113807A JP 28566198 A JP28566198 A JP 28566198A JP 28566198 A JP28566198 A JP 28566198A JP 2000113807 A JP2000113807 A JP 2000113807A
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emitter
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Atsuo Hattori
敦夫 服部
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    • HELECTRICITY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エミッタ電極面とゲート電極面をできるだけ
近接できるような構造の電界放射型素子の製造方法を提
供することを課題とする。 【解決手段】 基板(10a)上に導電材のゲート膜
(11a)が形成され、ゲート膜上に所定形状の孔を有
するレジストが形成され、レジストをリフローして前記
孔の内側をテーパー形状にする。そして、前記テーパー
形状のレジストをマスクとしてゲート膜と基板とを異方
性エッチングして、ゲート膜にテーパー形状の孔を形成
し、かつ基板の途中までテーパー形状の孔を形成する。
次に、残った前記レジストを除去し、ゲート膜と基板と
に形成した孔の上に第1の犠牲膜を形成し、第1の犠牲
膜上に導電材のエミッタ膜(15)を形成する。そし
て、不要部分を除去することによりエミッタ膜とゲート
膜とを露出させて電界放射型素子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射型素子の
製造方法に関し、特に電界放出陰極の先端から電子を放
出させる電界放射型素子の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電界放射型素子は、電界集中を利用し
て、先鋭なエミッタ(電界放出陰極)の先端から電子を
放出させる素子である。例えば、フラットパネルディス
プレイは、多数のエミッタを配列した電界放射エミッタ
アレイ(FEA)を用いて構成される。それぞれのエミ
ッタは、ディスプレイの各画素の輝度等を制御する。
【0003】電界放射型素子は、エミッタからの電子の
放出の為にエミッタ先端に電界をかける。そのため、エ
ミッタに対して正電位にバイアスされたゲート電極をエ
ミッタ電極の近傍に配置している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電界放射型素子に要求
される条件としては、放射電流の増加(ゲート・エミッ
タ間の閾電圧の低減)、高速駆動などがあり、この条件
を満たすために素子の構造や形状に特別な工夫をこらす
必要があり、同時にそのような素子を安定的に信頼性高
く製造するためには製造方法においても特別な工夫を必
要とする。
【0005】エミッタ電極面とゲート電極面との距離を
できるだけ近づけることにより、低閾電圧化が可能とな
る。ただし、従来は図28に示すようにゲート電極10
0は断面が四角形であるために、エミッタ電極110の
表面とゲート電極100の角とが接近して短絡の危険が
あるために、あまり近接させることはできなかった。
【0006】また、ゲート電極100の厚みtを厚くす
ると、エミッタ電極110の先端の電界が強くなり、同
じ放射電流を得る場合にゲート・エミッタ間の閾電圧値
を下げることができる。逆に同じゲート・エミッタ間電
圧でより大きな放射電流を得ることができる。またゲー
ト電極100の厚みtが大きいと、ゲートの配線抵抗が
小さくなるので高速駆動が可能となる。しかし、従来の
四角形のゲート電極100では、その厚みtを増加する
と角での短絡の危険を避けるためエミッタ電極110の
面からゲート電極100の面までの間隔が離れてしま
い、効果的に閾電圧の低減ができず、ゲート電極100
の厚みtを大きくとることができないという問題があっ
た。
【0007】さらに、電界放射型素子において他に重要
な要件は、エミッタ電極110の先端部の先鋭化であ
る。すなわち、エミッタ電極110の先端部の頂角を小
さくすることにより先端の電界が強くなって、同じ放射
電流を得る場合にゲート・エミッタ間の閾電圧値を下げ
ることができ、同じゲート・エミッタ間電圧でより大き
な放射電流を得ることができる。従って、エミッタ電極
の形状を制御できて容易に任意の形状で先鋭化できる製
造方法を採用することが重要な課題である。
【0008】本発明の目的は、放射電流が増加でき(ゲ
ート・エミッタ間の閾電圧の低減化)、高速駆動が可能
な構造を持った電界放射型素子の製造方法を提供するこ
とである。
【0009】本発明の別の目的は、エミッタ電極面とゲ
ート電極面をできるだけ近接できるような構造の電界放
射型素子の製造方法を提供することである。
【0010】本発明のさらに別の目的は、エミッタ電極
の形状をより先鋭化できる電界放射型素子の製造方法を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の一観点によれ
ば、(a)基板上に導電材のゲート膜を含む表面層を形
成する工程と、(b)フォトリソグラフィ処理により所
定形状の孔を有するレジストパターンを前記表面層の上
に形成する工程と、(c)前記レジストパターンをリフ
ローして前記孔の内側を下に向かって徐々に内径が狭く
なり断面形状がなだらかなテーパー形状を有するレジス
トパターンを形成する工程と、(d)前記テーパー形状
のレジストパターンをマスクとして前記ゲート膜と前記
基板とを異方性エッチングして、前記ゲート膜に前記基
板に向かって徐々に内径が狭くなり断面形状がなだらか
なテーパー形状の孔を形成し、かつ前記基板の途中まで
前記テーパー形状の孔に連続する孔を形成する工程と、
(e)残った前記レジストパターンを除去する工程と、
(f)前記ゲート膜と基板とに形成した孔の上に第1の
犠牲膜を形成する工程と、(g)前記第1の犠牲膜の上
に導電材のエミッタ膜を形成する工程と、(h)前記基
板と前記第1の犠牲膜の一部を含む不要部分を除去する
ことにより前記エミッタ膜と前記ゲート膜とを露出させ
る工程とを含む電界放射型素子の製造方法が提供され
る。
【0012】本発明の他の観点によれば、(a)基板上
に導電材のゲート膜を含む表面層を形成する工程と、
(b)前記表面層の融点温度よりも低い融点温度を有
し、所定形状の孔を有する低融点膜を前記表面層の上に
形成する工程と、(c)前記低融点膜をリフローして前
記孔の内側を下に向かって徐々に内径が狭くなり断面形
状がなだらかなテーパー形状にする工程と、(d)前記
テーパー形状の低融点膜をマスクとして前記ゲート膜と
前記基板とを異方性エッチングして、前記ゲート膜に前
記基板に向かって徐々に内径が狭くなり断面形状がなだ
らかなテーパー形状の孔を形成し、かつ前記基板の途中
まで前記テーパー形状の孔に連続する孔を形成する工程
と、(e)前記ゲート膜と基板とに形成した前記テーパ
ー形状の孔の上に第1の犠牲膜を形成する工程と、
(f)前記第1の犠牲膜の上に導電材のエミッタ膜を形
成する工程と、(g)前記基板と前記第1の犠牲膜の一
部を含む不要部分を除去することにより前記エミッタ膜
と前記ゲート膜とを露出させる工程とを含む電界放射型
素子の製造方法が提供される。
【0013】前記ゲート膜に前記基板に向かって徐々に
内径が狭くなり断面形状がなだらかなテーパー形状の孔
を形成し、かつ前記基板の途中まで前記テーパー形状の
孔に連続する孔を形成することによって、ゲート電極面
とエミッタ電極の面とが広い範囲にわたって近接する。
【0014】しかもこのようななだらかなテーパー形状
の孔の形成をレジストパターンあるいは低融点膜のリフ
ロー処理によって行うので、曲面状のきわめてなだらか
な面が制御性よく形成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。図1(A)〜(C)、図2(D)〜
(F)、図3(G)〜(I)及び図4(J)〜(L)
は、本発明の第1の実施例による電界放射型素子の製造
工程を示す図である。以下、エミッタ(電界放出陰極)
とゲートとを有する2電極素子の製造工程を示す。2電
極素子は、電子を放出するエミッタ電極と、電界を制御
するゲート電極の2電極を有する。
【0016】図1(A)において、例えばガラス、石英
などの単層基板、あるいはSi層上にシリコン酸化膜を
積層してなる基板10上に第1の導電材によるゲート電
極膜11を形成する。このゲート電極膜11の第1の導
電材は、P(リン)またはB(ボロン)をドープしたS
i材を約1μmの厚みで成膜して形成する。
【0017】上記のSi材によるゲート電極膜11の成
膜条件は、例えば、Heで希釈したSiH4 ガスを原料
ガスとし、基板温度を625℃とする。そして膜の抵抗
値を下げる目的で、PあるいはB等を拡散あるいはイオ
ン注入する。
【0018】さらに、図1(B)に示すように、ゲート
電極膜11上にレジスト材料を塗布して、フォトリソグ
ラフィにより直径が約0.45μmの開口13を有する
レジストパターン12を以下のような工程で形成する。
【0019】レジストパターン12となるレジスト材料
としては、i線(365nm)レジストとして東京応化
工業(株)製のTHMR−iP3100を使用して約
1.01μmの厚みで塗布する。なお、パターンの寸法
精度をさらに高める場合には、レジスト材料の上に塗布
性反射防止膜として、クラリアントジャパン(株)製の
AZ−AQUATARを使用して約0.064μmの厚
みで塗布するのが好ましい。
【0020】そして、上記レジストを(株)ニコン製N
SR2005i11Dのi線ステッパーにて、NA=
0.57、シグマ=0.4の条件にて所定パターンのレ
チクルを用いて露光する。さらに、東京応化工業(株)
製のNMD−3(TMAHテトラ・メチル・アンモニュ
ウム・ハイドロオキサイド2.38%)で60秒間レジ
ストを現像した後、純水でリンスする。
【0021】次に、レジストパターン12をたとえば、
ホットプレート(図示せず。)にて温度150℃で約9
0秒間ベーク(リフロー)して、図1(C)に示すよう
に、角がなめらかなレジストパターン12aを形成す
る。凹部13aは、上部の内径が広く、下に向かって徐
々に内径が狭くなり、断面形状がなだらかなテーパ形状
を有する。
【0022】次に、リフローしたレジストパターン12
aをマスクとして、第1の導電材からなるゲート電極膜
11をエッチングして、図2(D)に示すように、なだ
らかなテーパ状側壁を持つ凹部13b(ゲートホール)
を形成する。凹部13bは、基板10に向かって徐々に
内径が狭くなり、かつ断面形状がなだらかなテーパー形
状である。
【0023】このエッチングの際にはオーバーエッチン
グを行い、基板10を表面から約0.1μmの深さだけ
彫り込み、凹部を有する基板10aを形成する。この深
さは後で形成するエミッタ電極の長さに係わる。ゲート
電極膜11aの凹部13bの直径は、底部が約0.5μ
m、上部が約1.5μm、深さが1μm程度とする。
【0024】このエッチングは、例えば、マグネトロン
RIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチ
ングガスとしてCO2 +CHF3 +Arを用い、反応室
内圧力を125mTorrにして行う。
【0025】次に、図2(E)に示すように、残ったレ
ジスト12bを除去する。この除去処理は例えば、14
0℃に加熱したH2 SO4 +H2 2 を用いる。また、
酸素プラズマによるアッシング(灰化)やN−メチル−
2−ピロリドン等からなる剥離液を用いてもよい。
【0026】次に、図2(F)に示すように、常圧CV
D法により、Si酸化膜からなる第1の犠牲膜(絶縁
膜)14を基板全面に等方的に0.3μmの厚みで堆積
する。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガ
スとし、基板温度を400℃にする。これにより、第1
の犠牲膜14は、凹部13bの側壁表面形状を引き継ぎ
ながら(コンフォーマルに)堆積される。
【0027】次に、図3(G)に示すように、第1の犠
牲膜14の上に、第2の導電材例えばTiNx からなる
第1のエミッタ電極膜15を0.05μmの厚みで等方
的に反応性スパッタ法で堆積する。反応性スパッタは、
DCスパッタ装置を用いて、ターゲットとしてTiを用
い、N2 +Arガスを導入しながら行う。すなわち、第
1のエミッタ電極膜15は、第1の犠牲膜14の表面形
状を引き継ぎながら(コンフォーマルに)堆積される。
【0028】次に、図3(H)に示すように、第3の導
電材によるブランケット膜としての第2のエミッタ電極
膜16を0.2μmの厚みで堆積する。第3の導電材は
例えばW膜であり、WF6 +H2 +N2 +Arガスを用
い、80Torrの圧力で450℃にてCVDで堆積す
る。
【0029】次に、図3(I)で示すように、第2のエ
ミッタ電極膜16を0.2μmの厚み分エッチバックし
てブランケット膜16aのみを残す。エッチバックは、
RIE装置を用い、エッチングガスとしてSF6 +Ar
+Heを用い、反応室内圧力を280mTorrにして
行う。
【0030】電界放出陰極(エミッタ)からの放出電流
を充分安定化させるためには、エミッタと直列に抵抗層
を接続すると良いことが知られている。従って、図4
(J)で示すように、材料としてSiを用いた抵抗層1
7をスパッタ法により第1のエミッタ電極膜15とブラ
ンケット膜16aとの上に厚さ約0.2μm堆積する。
【0031】このSi膜のスパッタは、DCスパッタ装
置を用いて、ターゲットとしてSiを用い、Arガスを
導入しながら行う。なお、Arガスの代わりにN2 +A
rや、O2 +Arあるいは、N2 +O2 +Arガスを用
いた反応性スパッタを行うことにより、抵抗層17を抵
抗値を上げたSiNx 、SiOx 、SiOx y 等の層
とすることもできる。又、スパッタ以外に蒸着法やプラ
ズマCVDを用いて抵抗層を形成することもできる。
【0032】次に、図4(K)で示すように、抵抗層1
7の上に、第4の導電材として例えばAlをスパッタ法
にて0.5μmの厚みで堆積してエミッタ配線層18を
形成する。このスパッタは例えばDCスパッタ装置を用
い、Alをターゲットとし、Arガスを導入して行う。
【0033】最後に、図4(L)で示すように、エッチ
ングにより基板10aを除去し、さらに、エッチングに
より第1の犠牲膜14の一部を除去してゲート電極11
aと、第1のエミッタ電極膜15とを露出させて2電極
素子を得る。Si基板10等のSiのエッチングには、
HF+HNO3 +CH3 COOHを用い、シリコン酸化
膜等のエッチングには、HF+NH4 Fを用いる。
【0034】上記の第1の実施例によれば、エミッタ電
極15aと同様に、ゲート電極11aの側壁をテーパ状
に形成して、ゲート電極11aとエミッタ電極15との
距離を接近させることができ、エミッタ電極先端の電界
強度を増大し、低しきい値電圧の電界放射型素子を得る
ことができる。
【0035】また、本実施例によれば、エミッタ電極1
5aの高さ位置は図2(D)に示したオーバエッチング
による基板10のエッチング深さと図2(F)で示した
工程の第1の犠牲膜14の膜厚により決まる。また、エ
ミッタ電極15とゲート電極11aの間隔は第1の犠牲
膜14の膜厚により決まる。さらにエミッタ電極15の
形状とゲート電極11aのゲートホールのテーパ形状は
図1(C)で示したリフロー工程と図2(D)で示した
エッチング工程において決まる。これらのパラメータを
適宜調整すればエミッタ電極の高さ方向の位置や形状あ
るいはゲート−エミッタ間隔等が再現性よく制御でき
る。
【0036】次に、上記実施例における図1(C)のレ
ジストのリフロー工程におけるテーパ形状の凹部13a
の傾斜角度(基板面に対する凹部の壁の角度であって9
0°以内の角度)は、発明者の実験によれば、レジスト
のリフロー温度が高い程小さくなることがわかった。こ
の傾向は凹部13aの径が大きい程強い。すなわち、径
が小さくなるほどレジストは軟化しにくくなる。また、
レジストの膜厚も傾斜角度に影響する。温度を180℃
までベークするとレジストは流れてしまう。また100
〜140℃では傾斜角が変化しにくい。150〜160
℃程度でのベークが適当なリフロー温度であろう。但
し、この数値はレジスト材料によって変わるであろう。
【0037】さらに、上記実施例における図2(D)の
エッチング工程についての実験結果を図面を参照して説
明する。凹部13bのテーパ形状は、レジストの形状だ
けで決まるのではなく、図2(D)のエッチング工程に
おける選択比(エッチングの速度比)によっても制御で
きる。図25は、発明者が行った、選択比を変えてエッ
チングを行ってテーパー形状を形成した結果を示す。R
rをレジスト12bのエッチング速度とし、Rgをゲー
ト電極膜11aのエッチング速度とする。
【0038】図25(A)は、Rr<Rgの条件でエッ
チングした場合である。この場合は、エッチング中のレ
ジストの後退(厚みの減少)が少ないために、ゲート電
極膜11aの断面の傾斜角θgは大きい。
【0039】図25(B)は、Rr=Rgの条件でエッ
チングした場合である。この場合は、図25(A)の場
合に比べゲート電極膜11aの断面の傾斜角θgは小さ
くなる。図25(C)は、Rr>Rgの条件でエッチン
グした場合である。この場合は、さらにゲート電極膜1
1aの断面の傾斜角θgは小さくなり、残留レジスト膜
の膜厚は減少する。
【0040】被エッチング材料すなわちゲート電極膜1
1、基板10の材料の融点は、レジストのリフロー温度
よりも高いことが望ましい。この条件を満たすゲート電
極材料としてポリシリコン等の半導体、W、Al等の金
属、WSix 、TiSix 等のシリサイドをゲート電極
として用いることができる。また、シリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜等の絶縁膜あるいは、TiNx 、TiOx
y 等の反射防止膜をゲート電極の上下に積層した状態
でゲート電極等をテーパー状にエッチングすることがで
きる。基板としては、ガラス、石英、シリコン酸化膜を
積層したシリコン、アルマイトを積層したアルミニウム
等を用いることができる。
【0041】図5(A)〜(C)、及び図6(D)〜
(F)は、本発明の第2の実施例による電界放射型素子
の製造工程を示す図である。本実施例もエミッタとゲー
トとを有する2電極素子である。
【0042】図5(A)において、例えばガラス、石英
などの単層基板、あるいはSi層上にシリコン酸化膜を
積層してなる基板20上に第1の導電材によるゲート電
極膜21を形成する。このゲート電極膜21の第1の導
電材は、P(リン)またはB(ボロン)をドープしたS
i材を約0.5μmの厚みで減圧CVD法により成膜し
て形成する。
【0043】上記のSi材によるゲート電極膜21の成
膜条件は、例えば、Heで希釈したSiH4 ガスを原料
ガスとし、基板温度を625℃、反応室内圧力を30P
aとする。そして膜の抵抗値を下げる目的で、ゲート電
極膜にPあるいはB等を拡散あるいはイオン注入する。
【0044】さらに、ゲート−エミッタ電極間の絶縁耐
圧向上と容量値低減の目的で、減圧CVD法により、S
i窒化膜からなる第1の犠牲膜(絶縁膜)22を基板全
面に0.5μmの厚みで堆積する。成膜の条件は、例え
ば、NH3 とSiH2 Cl2を用い、基板温度を750
℃で、圧力は60Paとする。また、シリコン窒化膜
は、プラズマCVD法や反応性スパッタ法でも成膜でき
る。
【0045】さらにまた、第1の犠牲膜22は、後で形
成するゲートホールの寸法精度を向上する目的で、Si
x 、SiOx y 、TiNx 等の反射防止膜を利用す
ることもできる。
【0046】また、第1の犠牲膜22は、電界放射エミ
ッタアレイとして構成したときのエミッタ素子内部の真
空度を向上し、エミッタ電極表面の分子の吸着を低減さ
せる目的で、窒化シリコンではなくTi、Taあるいは
ジルコニュウム等のゲッター材を採用することもでき
る。
【0047】次に、図5(B)に示すように、第1の犠
牲膜22上にレジスト材料を塗布して、フォトリソグラ
フィにより直径が約0.45μmの開口23を有するレ
ジストパターン24を図1(B)の工程と同様な処理で
形成する。
【0048】次に、レジストパターン24をたとえば、
ホットプレート(図示せず。)にて温度150℃で約9
0秒間ベーク(リフロー)して図5(C)に示すよう
に、レジストパターン24の角をなめらかにし、凹部2
3aを有するレジストパターン24aを形成する。凹部
23aは、上部の内径が大きく、下に向かってなだらか
なテーパ形状にする。
【0049】次に、図6(D)に示すように、リフロー
したレジストパターン24aをマスクとして、第1の導
電材からなるゲート電極膜21と第1の犠牲膜22とを
エッチングして、なだらかなテーパ状側壁を持つ凹部2
3b(ゲートホール)を形成する。このエッチングの際
にはオーバエッチングを行い、基板20を表面から約
0.1μmの深さだけ彫り込み、凹部を有する基板20
aを形成する。この深さは後で形成するエミッタ電極の
長さ及び高さに係わる。ゲート電極膜21aの凹部23
bの直径は、底部が約0.5μm、上部が約0.7μ
m、深さが0.5μm程度とする。
【0050】このエッチングは、例えば、マグネトロン
RIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチ
ングガスとしてCO2 +CHF3 +Arを用い、反応室
内圧力を125mTorrにして行う。
【0051】次に、第1の実施例の図2(E)から図3
(G)と同様な工程により残ったレジスト24bを除去
した後に、常圧CVD法により、Si酸化膜からなる第
2の犠牲膜(絶縁膜)25を基板全面に0.15μmの
厚みで堆積し、さらに、第2の犠牲膜25の上に、第2
の導電材例えばTiNx からなる第1のエミッタ電極膜
26を0.05μmの厚みで反応性スパッタ法で堆積し
て図6(E)に示すような構造を得る。
【0052】次に、第1の実施例の図3(H)から図4
(K)に示す工程と同様な処理をして、ブランケット膜
27aと、抵抗層28と、エミッタ配線層29とを順次
積層し、最後に、図4(L)で示す工程と同様に、エッ
チングにより基板20aを除去し、さらに、エッチング
により第2の犠牲膜25の一部を除去してゲート電極2
1aと、エミッタ電極26とを露出させて2電極素子を
得る。
【0053】上記の第2の実施例によれば、絶縁材から
なる第1の犠牲膜22a及び第2の犠牲膜25aを配置
し、ゲート電極21aの厚みを第1の実施例の場合より
も薄くしたことによりゲート−エミッタ間の容量が少な
くなり、絶縁耐圧が向上する。
【0054】図7(A)、(B)、(C)は、上記の第
1の実施例の変形であり、エミッタ電極を支持基板で補
強する方法を示す。
【0055】図7(A)に示す方法においては、上記第
1の実施例の図1(A)〜図3(G)までの工程を行っ
て得た素子のエミッタ電極15aの表面の凹部を、例え
ばSOG膜からなる平坦化層19aで埋める。その後、
平坦化膜19aをCMP法又は全面エッチングで表面を
平坦化する。続いて、平坦化膜19aの上に支持基板1
9bを静電接着あるいは接着材により接着する。
【0056】そして、図4(L)のエッチング工程と同
様な方法により、基板10等の不要部分をエッチングに
より除去し、図7(A)に示すように、ゲート電極11
aおよびエミッタ電極15aを露出させて完成する。
【0057】図7(B)の別の変形例においても、上記
第1の実施例の図1(A)〜図3(G)までの工程を行
って得た素子の上に低融点ガラス等の接着材19cを用
いて支持基板19bを接着する。
【0058】そして、図4(L)のエッチング工程と同
様な方法により、基板10等の不要部分をエッチングに
より除去し、図7(B)に示すように、ゲート電極11
aおよびエミッタ電極15aを露出させて完成する。
【0059】図7(C)に示す方法においては、上記第
1の実施例の図1(A)〜図3(G)までの工程を行っ
て得た素子のエミッタ電極15aの表面の凹部を、例え
ばSOG膜からなる平坦化層19aで埋める。その後、
平坦化膜19aをCMP法でエッチバックして表面を平
坦化する。続いて、平坦化膜19aの上に低融点ガラス
等の接着材19cを用いて支持基板19bを接着する。
【0060】そして、図4(L)のエッチング工程と同
様な方法により、基板10等の不要部分をエッチングに
より除去し、図7(C)に示すように、ゲート電極11
aおよびエミッタ電極15aを露出させて完成する。
【0061】図8は、上記の第2の実施例の変形であ
り、エミッタ電極を支持基板で補強する方法を示す。図
8に示す方法においては、上記第2の実施例の図5
(A)〜図6(E)までの工程を行って得た素子のエミ
ッタ電極26の表面の凹部を、例えばSOG膜からなる
平坦化層27fで埋める。その後、平坦化膜27fをC
MP法又は全面エッチングで表面を平坦化する。続い
て、平坦化膜27fの上に低融点ガラス等の接着材27
gを用いて支持基板27sを接着する。
【0062】そして、図6(F)のエッチング工程と同
様な方法により、基板20等の不要部分をエッチングに
より除去し、図8に示すように、ゲート電極21aおよ
びエミッタ電極26aを露出させて完成する。
【0063】次に、図9(A)〜(C)、図10(D)
〜(F)及び図11(G)、(H)により、本発明の第
3の実施例による電界放射型素子(3電極素子)の製造
工程を示す。第3の実施例の3電極素子は、エミッタ電
極とゲート電極とアノード電極の3電極を有する。
【0064】図9(A)において、基板30は、ガラ
ス、石英などの単層基板、あるいはSi層上にシリコン
酸化膜を積層してなる出発基板30a上に、第1の導電
材からなるアノード電極膜30bを減圧CVD法により
0.1μmの厚みで堆積し、さらにその上にシリコン酸
化膜からなる第1の犠牲膜(絶縁膜)30cを常圧CV
D法により0.1μmの厚みで減圧CVD法により成膜
して形成する。
【0065】この場合、アノード電極30bの第1の導
電材はSiであり、Heガスで希釈したSiH4 を原料
ガスとして用い、基板温度を625℃、反応室内圧力を
30Paとし、抵抗値を下げる目的でPあるいはB等を
拡散あるいはイオン注入する。また、第1の犠牲膜30
cの成膜条件は、原料ガスとしてO3 とTEOSを用
い、基板温度を400℃とする。
【0066】こうして得た基板30の第1の犠牲膜30
cの上に第2の導電材によるゲート電極膜31を形成す
る。このゲート電極膜31の第2の導電材は、P(リ
ン)またはB(ボロン)をドープしたSi材を約0.3
μmの厚みで成膜して形成する。このSi材によるゲー
ト電極膜31の成膜条件は、例えば、減圧CVD法を用
い、Heで希釈したSiH4 ガスを原料ガスとし、基板
温度を625℃、反応室内圧力を30Paとする。そし
て膜の抵抗値を下げる目的で、ゲート電極膜にPあるい
はB等を拡散あるいはイオン注入する。
【0067】さらに、図9(A)に示すように、ゲート
電極膜31上にレジスト材料を塗布して、フォトリソグ
ラフィにより直径が約0.45μmの開口33を有する
レジストパターン32を以下のような工程で形成する。
【0068】レジストパターン32となるレジスト材料
としては、i線(365nm)レジストとして東京応化
工業(株)製のTHMR−iP3100を使用して約
0.5μmの厚みで塗布する。なお、パターンの寸法精
度をさらに高める場合には、レジスト材料の上に塗布性
反射防止膜として、クラリアントジャパン(株)製のA
Z−AQUATARを使用して約0.064μmの厚み
で塗布するのが好ましい。
【0069】そして、上記レジストを(株)ニコン製N
SR2005i11Dのi線ステッパーにて、NA=
0.57、シグマ=0.4の条件にて所定パターンのレ
チクルを用いて露光する。さらに、東京応化工業(株)
製のNMD−3(TMAHテトラ・メチル・アンモニュ
ウム・ハイドロオキサイド2.38%)で60秒間レジ
ストを現像した後、純水でリンスする。
【0070】次に、レジストパターン32をたとえば、
ホットプレート(図示せず。)にて温度150℃で約9
0秒間ベーク(リフロー)して図9(B)に示すよう
に、レジストパターン32の角をなめらかにし、凹部3
3aを有するレジストパターン32aを形成する。凹部
33aは、上部の内径が広く、下に向かって内径が徐々
に狭くなるなだらかなテーパ形状を有する。
【0071】次に、リフローしたレジストパターン32
aをマスクとして、Siからなるゲート電極膜31をエ
ッチングして、図9(C)に示すように、なだらかなテ
ーパ状側壁を持つ凹部33b(ゲートホール)を形成す
る。このエッチングの際にはオーバエッチングを行い、
基板30を表面から約0.1μmの深さだけ彫り込む
(第1の犠牲膜30cの厚み分エッチングする。)のが
望ましい。この深さは後で形成するエミッタ電極の長さ
に係わる。
【0072】このエッチングは、例えば、マグネトロン
RIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチ
ングガスとしてCO2 +CHF3 +Arを用い、反応室
内圧力を125mTorrにして行う。
【0073】次に、図10(D)に示すように、残った
レジスト32bを除去する。この除去処理は例えば、1
40℃に加熱したH2 SO4 +H2 2 をもちいる。ま
た、酸素プラズマによるアッシング(灰化)やN−メチ
ル−2−ピロリドン等からなる剥離液を用いてもよい。
【0074】次に、図10(E)に示すように、常圧C
VD法により、Si酸化膜からなる第2の犠牲膜(絶縁
膜)34を基板全面に等方的に0.3μmの厚みで堆積
する。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガ
スとし、基板温度を400℃にする。これにより、第1
の犠牲膜34は、凹部33bの側壁表面形状を引き継ぎ
ながら(コンフォーマルに)堆積される。
【0075】次に、図10(F)に示すように、第2の
犠牲膜34の上に、第3の導電材例えばTiNx からな
るエミッタ電極膜35を等方的に0.05μmの厚みで
反応性スパッタ法で堆積する。反応性スパッタは、DC
スパッタ装置を用いて、ターゲットとしてTiを用い、
2 +Arガスを導入しながら行う。すなわち、エミッ
タ電極膜35は、第2の犠牲膜34の表面形状を引き継
ぎながら(コンフォーマルに)堆積される。
【0076】次に、エミッタ電極膜35の全面に通常の
フォトリソグラフィ技術を用いて、所定の開口部を有す
るレジストマスク(図示せず。)を形成する。その開口
部を通じてエミッタ電極35の陰極として用いられない
部分を除去して図11(G)で示すようにスリット開口
36を形成する。このエッチングは、例えばマグネトロ
ンRIE装置で、Cl2 ガスを用いて反応室内圧力を1
25mTorrで行う。
【0077】次に、スリット開口36を通じて、第2の
犠牲膜34と、第1の犠牲膜30cの一部を除去して、
図11(H)に示すように、ゲート電極31aと、エミ
ッタ電極35aと、アノード電極30bとを露出させて
3電極素子を得る。これら第1と第2の犠牲膜のシリコ
ン酸化膜のエッチングには、HF+NH4 Fを用いる。
【0078】3電極素子は、陰極であるエミッタ電極3
5aと陽極であるアノード電極30bを有し、ゲート電
極31aに所定値の正電位を印加することにより、エミ
ッタ電極35aからアノード電極30bに向けて電子ビ
ームを収束させて放出させることができる。
【0079】図12(A)は、第2の実施例の2電極素
子を3電極素子構成にした変形例である。基板30の製
造工程と構造は、上記第3の実施例の図9(A)と同様
である。この基板30の上に図5(A)〜図6(E)で
示したのと同じ工程を経てSiのゲート電極膜21a
と、SiNx の第2の犠牲膜22aと、SiO2 の第3
の犠牲膜25aと、TiNx のエミッタ電極膜26aと
を形成する。
【0080】次に、図11(G)の工程と同様に、エミ
ッタ電極膜26aの上に通常のフォトリソグラフィ技術
を用いて、所定の開口部を有するレジストマスク(図示
せず。)を形成する。その開口部を通じてエミッタ電極
26aの陰極として用いられない部分を除去して図12
(A)で示すようにスリット開口26cを形成し、さら
に図11(H)の工程と同様にして、エッチングにより
スリット開口26cを通じて、第3の犠牲膜25aと、
第1の犠牲膜30cの一部を除去してゲート電極21a
と、エミッタ電極26aと、アノード電極30bとを露
出させて3電極素子を得る。
【0081】図12(B)は、第2の実施例の2電極素
子を3電極素子構成にした変形の他の例である。図12
(A)と異なる構成は、第2の犠牲膜22aが他の第1
と第3の犠牲膜30c,25aと同じSiO2 で形成さ
れている点である。
【0082】従って、図11(G)の工程と同様に、エ
ミッタ電極膜26aの上に所定の開口部を有するレジス
トマスクを形成し、その開口部を通じてエミッタ電極2
6aの陰極として用いられない部分を除去して図12
(B)で示すようにスリット開口26cを形成し、さら
に図11(H)の工程と同様にして、エッチングにより
スリット開口26cを通じて、第3の犠牲膜25aと、
第2の犠牲膜22aと、第1の犠牲膜30cの一部を除
去する。この場合、第1、第2及び第3の犠牲膜30
c,22a,25aが同じシリコン酸化膜であるのでエ
ッチング速度は同じとなり、図12(B)に示すような
形状に不要部分が除去されてゲート電極21aと、エミ
ッタ電極26aと、アノード電極30bとを露出させて
3電極素子を得る。
【0083】図13(A)〜(C)、図14(D)〜
(F)、図15(G)〜(I)及び図16(J)〜
(L)は、本発明の第4の実施例による電界放射型素子
の製造工程を示す図である。本実施例はエミッタ(電界
放出陰極)とゲートとを有する2電極素子の製造工程で
ある。
【0084】上記第1〜第3実施例においては、レジス
ト膜を用いてレジスト膜を加熱することによりテーパ形
状の凹部を形成し、そのテーパ形状を利用してエミッタ
電極を形成したが、以下に説明する第4の実施例におい
ては、レジスト膜の代わりに低融点材料(電極材料や上
下に積層する他の膜材料の融点温度よりも低い融点温度
を有する材料)のリフロー膜を用いてテーパ形状の凹部
を形成し、その凹部の形状を利用してエミッタ電極を形
成する。
【0085】図13(A)において、例えば石英などの
単層基板、あるいはSi層上にシリコン酸化膜を積層し
てなる基板40上に第1の導電材によるゲート電極膜4
1を形成する。このゲート電極膜41の第1の導電材
は、P(リン)またはB(ボロン)をドープしたSi材
を約0.3μmの厚みで減圧CVD法により成膜して形
成する。
【0086】上記のSi材によるゲート電極膜41の成
膜条件は、例えば、Heで希釈したSiH4 ガスを原料
ガスとし、基板温度を625℃、反応室内圧力を30P
aとする。そして膜の抵抗値を下げる目的で、ゲート電
極膜にPあるいはB等を拡散あるいはイオン注入する。
【0087】さらに、ゲート電極膜41上に低融点膜
(低温リフロー膜)42を成膜する。この低融点膜42
は例えばPSG(phosphosilicate g
lass)を約0.5μmの厚みで成膜する。なお、P
SGの代わりにBPSG(borophosphosi
licate glass),BSG(Borosil
icate glass),AsSG,AsPSG,P
GSG等の低融点ガラス、フリットガラス、コバール、
ハンダ、Si−Geあるいは低融点金属等の材料から選
んだ単層かまたは多層構造である。多層構造の場合には
その最上層をなす材料が最も低融点であることが好まし
い。
【0088】次に図13(B)に示すように、低融点膜
42の上にレジスト材料を塗布して、フォトリソグラフ
ィにより所定パターンのマスクで直径が約0.45μm
の開口43aを有するレジストパターン43を以下のよ
うな工程で形成する。
【0089】レジストパターン43となるレジスト材料
としては、i線(365nm)レジストとして東京応化
工業(株)製のTHMR−iP3100を使用して約
1.01μmの厚みで塗布する。なお、パターンの寸法
精度をさらに高める場合には、レジスト材料の上に塗布
性反射防止膜として、クラリアントジャパン(株)製の
AZ−AQUATARを使用して約0.064μmの厚
みで塗布するのが好ましい。
【0090】そして、上記レジストを(株)ニコン製N
SR2005i11Dのi線ステッパーにて、NA=
0.57、シグマ=0.4の条件にて所定パターンのレ
チクルを用いて露光する。さらに、東京応化工業(株)
製のNMD−3(TMAHテトラ・メチル・アンモニュ
ウム・ハイドロオキサイド2.38%)で60秒間レジ
ストを現像した後、純水でリンスする。
【0091】次に、レジストパターン43をマスクとし
て低融点膜42を異方性エッチングし、図13(C)に
示すようにゲート電極膜41に達する垂直あるいはほぼ
垂直な側壁を有する孔42bを形成する。このエッチン
グは、例えば、マグネトロンRIE(反応性イオンエッ
チング)装置を用い、エッチングガスとしてCHF3
CO2 +Ar+Heを用い、反応室内圧力を50mTo
rrにして行う。エッチング後、残ったレジストを除去
する。エッチング時のレジスト軟化を防止するために、
基板40の裏面をHeで冷却するのが望ましい。
【0092】次に、低融点膜42aを加熱してリフロー
させて、図14(D)に示すような肩部がなだらかなテ
ーパ状の凹部42cを有する低融点膜42dを形成す
る。このリフロー処理は、例えば炉を用い、N2 雰囲気
中で1000℃で約30分間ベークして行う。その他
に、ランプ加熱法あるいはレーザ加熱を用いて行うこと
もできる。なお、リフロー処理についてのより具体的な
処理条件等についてはこの第4の実施例の工程説明の後
で、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0093】次に、リフローした低融点膜パターン42
dをマスクとして、第1の導電材からなるゲート電極膜
41と低融点膜42d(42fとなる)とをエッチング
して、図14(E)に示すように、なだらかなテーパ状
側壁を持つ凹部42e(ゲートホール)を形成する。こ
のエッチングの際にはオーバエッチングを行い、基板4
0を表面から約0.1μmの深さだけ彫り込み、凹部を
有する基板40aを形成する。この深さは後で形成する
エミッタ電極の長さおよび高さに係わる。ゲート電極膜
41aの凹部42eの直径は、底部が約0.5μm、上
部が約0.7μm、深さが0.3μm程度とする。
【0094】このエッチングは、例えば、マグネトロン
RIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチ
ングガスとしてCO2 +CHF3 +Arを用い、反応室
内圧力を125mTorrにして行う。
【0095】次に、図14(F)に示すように、常圧C
VD法により、Si酸化膜からなる第1の犠牲膜(絶縁
膜)44を基板全面に等方的に0.3μmの厚みで堆積
する。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガ
スとし、基板温度を400℃にする。これにより、第1
の犠牲膜44は、凹部42eの側壁表面形状を引き継ぎ
ながら(コンフォーマルに)堆積される。
【0096】次に、図15(G)に示すように、第1の
犠牲膜44の上に、第2の導電材例えばTiNx からな
る第1のエミッタ電極膜45を等方的に0.05μmの
厚みで反応性スパッタ法で堆積する。反応性スパッタ
は、DCスパッタ装置を用いて、ターゲットとしてTi
を用い、N2 +Arガスを導入しながら行う。すなわ
ち、第1のエミッタ電極膜45は、第1の犠牲膜44の
表面形状を引き継ぎながら(コンフォーマルに)堆積さ
れる。
【0097】次に、図15(H)に示すように、第3の
導電材によるブランケット膜としての第2のエミッタ電
極膜46を0.2μmの厚みで堆積する。第3の導電材
は例えばW膜であり、WF6 +H2 +N2 +Arガスを
用い、80Torrの圧力で450℃にてCVDで堆積
する。
【0098】次に、図15(I)で示すように、第2エ
ミッタ電極膜46を0.2μmの厚み分エッチバックし
てブランケット膜46aのみを残す。エッチバックは、
RIE装置を用い、エッチングガスとしてSF6 +Ar
+Heを用い、反応室内圧力を280mTorrにして
行う。
【0099】電界放出陰極(エミッタ)からの放出電流
を充分安定化させるためには、エミッタと直列に抵抗層
を接続すると良いことが知られている。従って、図16
(J)で示すように、材料としてSiによる抵抗層47
をスパッタ法により第1のエミッタ電極膜45とブラン
ケット膜46aとの上に厚さ約0.2μm堆積する。
【0100】このSi膜のスパッタは、DCスパッタ装
置を用いて、ターゲットとしてSiを用い、Arガスを
導入しながら行う。なお、Arガスの代わりにN2 +A
rや、O2 +Arあるいは、N2 +O2 +Arガスを用
いた反応性スパッタを行うことにより抵抗層47を、抵
抗値を上げたSiNx 、SiOx 、SiOx y 等の層
とすることができる。又、スパッタ以外に蒸着法やプラ
ズマCVDを用いて抵抗層を形成することもできる。
【0101】次に、図16(K)で示すように、抵抗層
47の上に、第4の導電材として例えばAlをスパッタ
法にて0.5μmの厚みで堆積してエミッタ配線層48
を形成する。このスパッタは例えばDCスパッタ装置を
用い、Alをターゲットとし、Arガスを導入して行
う。
【0102】最後に、エッチングにより基板40aを除
去し、さらに、エッチングにより第1の犠牲膜44と低
融点膜42fの一部を除去して、図16(L)で示すよ
うに、ゲート電極41aと、エミッタ電極45とを露出
させて2電極素子を得る。Si基板40等のSiのエッ
チングには、HF+HNO3 +CH3 COOHを用い、
シリコン酸化膜とPSG(低融点膜)等のエッチングに
は、HF+NH4 Fを用いる。
【0103】上記の第4の実施例による効果は前述の第
1〜第3の実施例と同様である。すなわち第4の実施例
によれば、エミッタ電極45と同様にゲート電極41a
をテーパ状に形成して、エミッタ電極45との距離を接
近させることができ、エミッタ電極先端の電界強度を増
大し、低しきい値電圧の電界放射型素子を得ることがで
きる。また、本実施例によれば、エミッタ電極45の高
さ位置は図14(E)に示したオーバエッチングによる
基板40のエッチング深さと図14(F)で示した工程
の第1の犠牲膜44の膜厚により決まる。また、エミッ
タ電極45とゲート電極41aの間隔は第1の犠牲膜4
4の膜厚により決まる。さらにエミッタ電極45の形状
とゲート電極41aのゲートホールのテーパ形状は図1
4(D)で示したリフロー工程と図14(E)で示した
エッチング工程において決まる。これらのパラメータを
適宜調整すればエミッタ電極の高さ位置や形状あるいは
ゲート−エミッタ間隔等が再現性よく制御できる。
【0104】ここで、上記の第4の実施例における低融
点膜のリフローについてさらに具体的に説明する。使用
できる低融点膜としてPSG、BPSG、BSG、As
SG、AsPSG、PGSG等の低融点ガラス、フリッ
トガラス、コバール、ハンダ、Si−Geあるいは他の
低融点金属材料がある。これらの材料は炉を用いて75
0〜940℃の範囲でベークすると、リフローできる。
リフロー温度は不純物濃度に依存することが知られてい
る。
【0105】低融点膜とともに積層されるゲート電極膜
や、その上下積層膜の融点はリフロー温度よりも高くな
くてはならない。多結晶シリコンやアモルファスシリコ
ンの融点は1412℃であり、WとMoのような高融点
金属の融点は、それぞれ3377℃、2622℃であ
る。また、高融点シリサイド膜のWSi2 、MoS
2、TiSi2 、TaSi2 の融点は、それぞれ18
87℃、1980℃、1538℃、2200℃である。
また、配線金属材料のCu、Ag、Au、Rh、Ir、
Co、Niの融点は、それぞれ1080℃、960℃、
1063℃、1966℃、2450℃、1495℃、1
453℃である。これらはいずれも低融点膜材料のPS
G、BPSG、BSG、AsSG、AsPSG、PGS
G、Si−Ge等のリフロー温度よりも高く、本発明の
実施例において問題なく使用できる。
【0106】ところで、AlやAl合金をゲート電極膜
材料として使用する場合には、Alの融点は660℃で
あり、低融点膜材料のPSG、BPSG、BSG、As
SG、AsPSG、PGSG、Si−Ge等のリフロー
温度よりも低い。このような場合には、リフロー性SO
G(Spin On Glass)を用いることができ
る。例えば、ダウコーニング社製のFOx(Flowa
ble Oxide)は、200℃以上で軟化するた
め、Al等の低融点メタルのテーパーエッチングに用い
ることができる。従って、本発明の実施例による低融点
膜材料としてより低温度でリフロー処理をするために利
用することが可能である。
【0107】図17(A)〜(C)及び図18(D)〜
(F)は、本発明の第5の実施例による電界放射型素子
の製造工程を示す図である。本実施例はエミッタ(電界
放出陰極)とゲートとを有する2電極素子の製造工程で
ある。本実施例においても低融点膜によるリフローを利
用してテーパー形状を形成する。
【0108】図17(A)において、例えば石英などの
単層基板、あるいはSi層上にシリコン酸化膜を積層し
てなる基板50上に第1の導電材によるゲート電極膜5
1を形成する。このゲート電極膜51の第1の導電材
は、P(リン)またはB(ボロン)をドープしたSi材
を約0.3μmの厚みで減圧CVD法により成膜して形
成する。
【0109】上記のSi材によるゲート電極膜51の成
膜条件は、例えば、Heで希釈したSiH4 ガスを原料
ガスとし、基板温度を625℃、反応室内圧力を30P
aとする。そして膜の抵抗値を下げる目的で、ゲート電
極膜にPあるいはB等を拡散あるいはイオン注入する。
【0110】さらに、ゲート電極膜51上に低融点膜
(低温リフロー膜)52を成膜する。この低融点膜52
は例えばPSGを約0.5μmの厚みで成膜する。な
お、PSGの代わりにBPSG,BSG,AsSG,A
sPSG,PGSG,Si−Ge等を用いることができ
る。
【0111】次に、低融点膜52の上にレジスト材料を
塗布して、フォトリソグラフィにより開口53aを有す
るレジストパターン53を形成する。そして開口53a
を介して等方性エッチングを行って低融点膜52を途中
までエッチング処理する。このときサイドエッチングに
よって低融点膜52の開口53bは横方向にも広がる。
続いて異方性エッチングにより低融点膜52を縦方向に
エッチングして図17(A)で示すようにゲート電極膜
51の表面を露出させる。
【0112】次に、図17(B)のように、レジストマ
スク53を除去する。さらに、今度は第4の実施例の図
14(D)の工程と同様にして、低融点膜52を加熱し
てリフローして図17(C)のようになだらかなテーパ
ー形状とする。低融点膜52は、開口53bを有するの
で、テーパー形状を有する低融点膜52aを容易に形成
することができる。
【0113】次に、リフローした低融点膜パターン52
aをマスクとして、第1の導電材からなるゲート電極膜
51と低融点膜52a(52bとなる)とをエッチング
して、図18(D)に示すように、なだらかなテーパ状
側壁を持つ凹部52c(ゲートホール)を形成する。こ
のエッチングの際にはオーバエッチングを行い、基板5
0を表面から約0.1μmの深さだけ彫り込むのが望ま
しい。この深さは後で形成するエミッタ電極の長さ及び
高さに係わる。ゲート電極膜51aの凹部52cの直径
は、底部が約0.5μm、上部が約0.7μm、深さが
0.3μm程度とする。
【0114】このエッチングは、例えば、マグネトロン
RIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、エッチ
ングガスとしてCO2 +CHF3 +Arを用い、反応室
内圧力を125mTorrにして行う。
【0115】次に、図18(E)に示すように、常圧C
VD法により、Si酸化膜からなる第1の犠牲膜(絶縁
膜)54を基板全面に等方的に0.3μmの厚みで堆積
する。成膜の条件は、例えば、O3 とTEOSを原料ガ
スとし、基板温度を400℃にする。これにより、第1
の犠牲膜54は、凹部52cの側壁表面形状を引き継ぎ
ながら(コンフォーマルに)堆積される。
【0116】さらに第1の犠牲膜54の上に、第2の導
電材例えばTiNx からなる第1のエミッタ電極膜55
を等方的に0.05μmの厚みで反応性スパッタ法で堆
積する。反応性スパッタは、DCスパッタ装置を用い
て、ターゲットとしてTiを用い、N2 +Arガスを導
入しながら行う。すなわち、第1のエミッタ電極膜55
は、第1の犠牲膜54の表面形状を引き継ぎながら(コ
ンフォーマルに)堆積される。
【0117】次に、第4の実施例の図15(H)〜図1
6(K)の工程と同様な処理を行い、第3の導電材によ
るブランケット膜としての第2のエミッタ電極膜56を
成膜し、エッチバックしてブランケット膜56aのみを
残す。さらに、Siによる抵抗層57をスパッタ法によ
り第1のエミッタ電極膜55とブランケット膜56aと
の上に厚さ約0.2μm堆積する。さらに、抵抗層57
の上に、第4の導電材として例えばAlをスパッタ法に
て0.5μmの厚みで堆積してエミッタ配線層58を形
成する。
【0118】最後に、第4の実施例の図16(L)の工
程と同様な処理を行い、エッチングにより基板50aを
除去し、さらに、エッチングにより第1の犠牲膜54と
低融点膜52bの一部を除去して、図18(F)で示す
ように、ゲート電極51aと、第1のエミッタ電極膜5
5とを露出させて2電極素子を得る。
【0119】図19(A)、(B)、(C)は、上記の
第4の実施例の変形であり、エミッタ電極を支持基板で
補強する方法を示す。
【0120】図19(A)に示す方法においては、上記
第4の実施例の図13(A)〜図15(G)までの工程
を行って得た素子のエミッタ電極45aの表面の凹部
を、例えばSOG膜からなる平坦化層49aで埋める。
その後、平坦化膜49aを化学機械研磨(CMP)法で
研磨して表面を平坦化する。続いて、平坦化膜49aの
上に支持基板49bを静電接着あるいは接着材により接
着する。
【0121】そして、図16(L)のエッチング工程と
同様な方法により、基板40a等の不要部分をエッチン
グにより除去し、図19(A)に示すように、ゲート電
極41aおよびエミッタ電極45aを露出させて完成す
る。
【0122】図19(B)の別の変形例においても、上
記第4の実施例の図13(A)〜図15(G)までの工
程を行って得た素子の上に低融点ガラス等の接着材49
cを用いて支持基板49bを接着する。そして、図16
(L)のエッチング工程と同様な方法により、基板40
a等の不要部分をエッチングにより除去し、図19
(B)に示すように、ゲート電極41aおよびエミッタ
電極45aを露出させて2電極素子を完成する。
【0123】図19(C)に示す方法においては、上記
第4の実施例の図13(A)〜図15(G)までの工程
を行って得た素子のエミッタ電極45aの表面の凹部
を、例えばSOG膜からなる平坦化層49aで埋める。
その後、平坦化層49aをCMP法で研磨して表面を平
坦化する。続いて、平坦化膜49aの上に低融点ガラス
等の接着材49cを用いて支持基板49bを接着する。
【0124】そして、図16(L)のエッチング工程と
同様な方法により、基板40a等の不要部分をエッチン
グにより除去し、図19(C)に示すように、ゲート電
極41aおよびエミッタ電極45を露出させて2電極素
子を完成する。
【0125】図20は、上記の第4の実施例のさらに別
の変形であり、低融点膜42hの材料としてBPSGを
用いた以外は図19(C)と同様である。この場合にB
PSGのエッチングレートはO3 とTEOSを原料に成
膜したSiO2 に比べて約1/4である。BPSGから
なる低融点膜42hは、エッチングレートが遅いので、
低融点膜42hが消失してゲート電極41aとエミッタ
電極45とがショートすることを防止できる。
【0126】次に、図21(A)〜(C)、図22
(D)〜(F)及び図23(G)、(H)を参照して、
本発明の第6の実施例による電界放射型素子(3電極素
子)の製造工程を説明する。本実施例においても低融点
膜のリフローを利用してテーパー形状を形成する。
【0127】図21(A)において、基板60は、石英
などの単層基板、あるいはSi層上にシリコン酸化膜を
積層してなる出発基板60a上に、第1の導電材からな
るアノード電極膜60bを減圧CVD法により0.1μ
mの厚みで堆積し、さらにその上にシリコン酸化膜から
なる第1の犠牲膜(絶縁膜)60cを常圧CVD法によ
り0.1μmの厚みで成膜して形成する。
【0128】この場合、アノード電極60bの第1の導
電材はSiであり、Heガスで希釈したSiH4 を原料
ガスとして用い、基板温度を625℃、反応室内圧力を
30Paとし、抵抗値を下げる目的でPあるいはB等を
拡散あるいはイオン注入する。また、第1の犠牲膜60
cの成膜条件は、原料ガスとしてO3 とTEOSを用
い、基板温度を400℃とする。
【0129】こうして得た基板60の第1の犠牲膜60
cの上に第2の導電材によるゲート電極膜61を形成す
る。このゲート電極膜61の第2の導電材は、P(リ
ン)またはB(ボロン)をドープしたSi材を約0.3
μmの厚みで減圧CVD法により成膜して形成する。こ
のSi材によるゲート電極膜61の成膜条件は、例え
ば、Heで希釈したSiH4 ガスを原料ガスとし、基板
温度を625℃、反応室内圧力を30Paとする。そし
て膜の抵抗値を下げる目的で、ゲート電極膜にPあるい
はB等を拡散あるいはイオン注入する。
【0130】さらに、図21(A)に示すように、ゲー
ト電極膜61上に低融点膜(低温リフロー膜)62を成
膜する。この低融点膜62は例えばPSGを約0.5μ
mの厚みで成膜する。なお、PSGの代わりにBPS
G,BSG,AsSG,AsPSG,PGSG,Si−
Geを用いることができる。
【0131】次に前述の第4の実施例の図13(B)に
示した工程と同様にして、低融点膜62の上にレジスト
材料を塗布して、フォトリソグラフィにより直径が約
0.45μmの開口63aを有するレジストパターン6
3を形成する。
【0132】さらに、レジストパターン63をマスクと
して低融点膜62を異方性エッチングし、図21(B)
に示すように、ゲート電極膜61に達する垂直あるいは
ほぼ垂直な側壁を有する孔62bを形成する。このエッ
チングは、例えば、マグネトロンRIE装置を用い、エ
ッチングガスとしてCHF3 +CO2 +Arを用い、反
応室内圧力を50mTorrにして行う。エッチング時
のレジスト軟化を防止するために、基板40の裏面をH
eで冷却するのが望ましい。エッチング後、残ったレジ
ストを除去する。
【0133】次に、前記第4の実施例の図14(D)に
示す工程と同様にして、低融点膜62aを加熱してリフ
ローさせて、図21(C)に示すような肩部がなだらか
なテーパ状の凹部62cを有する低融点膜62dを形成
する。
【0134】次に、前記第4の実施例の図14(E)に
示す工程と同様にして、リフローした低融点膜パターン
62dをマスクとして、第1の導電材からなるゲート電
極膜61と低融点膜62dとをエッチングして、図22
(D)に示すようななだらかなテーパ状側壁を持つ凹部
62e(ゲートホール)を形成する。このエッチングの
際にはオーバエッチングを行い、基板60のアノード電
極膜60bを露出させる。
【0135】次に、前記第4の実施例の図14(F)に
示す工程と同様にして、図22(E)に示すように常圧
CVD法により、Si酸化膜からなる第2の犠牲膜(絶
縁膜)64を基板全面に等方的に0.3μmの厚みで堆
積する。
【0136】次に、前記第4の実施例の図14(F)に
示す工程と同様にして、図22(F)に示すように、第
2の犠牲膜64の上に、第3の導電材例えばTiNx
らなるエミッタ電極膜65を0.05μmの厚みで等方
的に反応性スパッタ法で堆積する。
【0137】次に、エミッタ電極膜65の上に通常のフ
ォトリソグラフィ技術を用いて、所定の開口部を有する
レジストマスク(図示せず。)を形成する。その開口部
を通じてエミッタ電極膜65の陰極として用いられない
部分を除去して図23(G)で示すようにスリット開口
66を形成する。このエッチングは、例えばマグネトロ
ンRIE装置で、Cl2 ガスを用いて反応室内圧力を1
25mTorrで行う。
【0138】次に、スリット開口66を通じて、第2の
犠牲膜64と、第1の犠牲膜60cの一部を除去して、
図23(H)に示すように、ゲート電極61aと、エミ
ッタ電極65aと、アノード電極60bとを露出させて
3電極素子を得る。これら第1と第2の犠牲膜のシリコ
ン酸化膜と低融点膜のPSGのエッチングには、HF+
NH4 Fを用いる。
【0139】図24(A)は、上記第6の実施例の3電
極素子の変形例であり、低融点膜62fがPSGでなく
BPSGを用いている。従って、最後の図23(G)の
エッチングによる不要部分の除去工程では、低融点膜6
2fはほとんど除去されずに残る。
【0140】図24(B)は、第6の実施例の3電極素
子のさらに別の変形例である。図24(A)と異なる構
成は、ゲート電極膜61aに相当する層が、ゲート電極
膜61bとSiNx あるいはSiOx y 等の反射防止
膜61cとの積層構造であり、第1の犠牲膜60cと第
2の犠牲膜64aとのエッチング速度がほぼ等しくなる
ようにされている。
【0141】従って、図23(G)の工程と同様に、エ
ミッタ電極膜66の上に所定の開口部を有するレジスト
マスクを形成し、その開口部を通じてエミッタ電極66
の陰極として用いられない部分を除去して図23(G)
で示すようにスリット開口66を形成し、さらに図23
(H)の工程と同様にして、エッチングによりスリット
開口66を通じて、第2の犠牲膜64aと、低融点膜6
2fと、第1の犠牲膜60cの一部を除去する。この場
合、第1及び第2の犠牲膜60c,64aが同じシリコ
ン酸化膜であるのでエッチング速度は同じとなり、図2
4(B)のように、不要部分が除去されて、ゲート電極
61aと、エミッタ電極65aと、アノード電極60b
とを露出させて3電極素子を得る。
【0142】図26は、図11(H)に示す第3の実施
例の3電極素子の斜視図である。エミッタ電極35aの
先端部は、ゲート電極31aのゲートホールの内側に配
置し、その先端は針の先端状に先鋭に形成される。3電
極素子は、陰極であるエミッタ電極35aと陽極である
アノード電極30bを有し、ゲート電極31aに所定値
の正電位を印加することにより、エミッタ電極35aか
らアノード電極30bに向けて電子ビームを収束させて
放出させることができる。
【0143】図27は、上記の説明の実施例の電界放射
型素子を用いたフラットパネルディスプレイの断面図で
ある。電界放射型素子は、上述の第1の実施例に示した
方法により製造された2電極素子である。
【0144】絶縁体からなる支持基板71の上に、Al
またはCu等からなる配線層72と多結晶Si等からな
る抵抗層73を形成する。配線層72と抵抗層73は、
所定パターンにパターニングされている。抵抗層73の
上には、ゲートホール(開口)を形成したゲート電極7
5と、ゲートホール内にその先端を配置したエミッタ電
極74を多数配列し、電界放射エミッタアレイ(FE
A)を形成する。ゲート電極75は、図示しないが開口
ごとに独立して電圧を印加することができる。複数のエ
ミッタ電極74も、それぞれ独立して電圧を印加するこ
とができる。
【0145】エミッタ電極74およびゲート電極75を
含む電子源に対向して、ガラスまたは石英等からなる透
明基板76を含む対向基板を配置する。対向基板は、透
明基板76の下にITO等からなる透明電極(アノード
電極)77を配置し、さらにその下に蛍光材78を配置
する。
【0146】電子源と対向基板とは、透明電極77とエ
ミッタ電極74の間の距離が0.1〜5mm程度に保た
れるように、接着剤を塗布したガラス基板からなるスペ
ーサ80を介して接合される。接着剤には、例えば低融
点ガラスを用いることができる。
【0147】なお、スペーサ80としてガラス基板を用
いず、エポキシ樹脂等の接着剤中にガラスビーズ等を分
散させてスペーサ80を構成することもできる。
【0148】ゲッター材81は、例えばTi、Al、M
g等で形成され、放出ガスがエミッタ電極74の表面に
再付着するのを防止する。
【0149】対向基板には、予め排気管79が形成され
ている。排気管79を利用して、フラットパネルディス
プレイの内部を10-5〜10-9Torr程度まで真空排
気した後、バーナー82等で排気管79を封止する。そ
の後、アノード電極(透明電極)77、エミッタ電極7
4、ゲート電極75の配線を行い、フラットパネルディ
スプレイを完成させる。
【0150】アノード電極(透明電極)77は、常に正
電位に保持されている。表示画素は、エミッタ配線とゲ
ート配線とにより2次元的に選択される。つまり、電圧
が印加されたエミッタ配線とゲート配線の交点に配置さ
れる電界放射型素子が選択される。
【0151】エミッタ電極およびゲート電極には、それ
ぞれ負電位(又は接地)と正電位が与えられ、エミッタ
電極からアノード電極に向けて電子が放出される。電子
が蛍光材78に照射されると、その部分(画素)が発光
する。
【0152】本発明の他の実施例として、上記第1〜第
6の実施例における第1の犠牲膜をシリコン酸化膜Si
x 、シリコン窒化膜SiNx 、シリコン窒化酸化膜S
iO x y 等の絶縁膜で構成することができる。さら
に、第1の犠牲膜をTi、Taあるいはジルコニュウム
等のゲッター材で構成できる。
【0153】なお、ゲート電極やエミッタ電極には、多
結晶Siや非晶質Si等の半導体、あるいはWSix
TiSix やMoSix 等のシリサイド化合物、Alや
CuやWやMoやNiや、Cr,Hf,TiNx 等の金
属を用いることができる。
【0154】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種
々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に
自明であろう。
【0155】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前記ゲート膜に出発基板に向かって徐々に内径が狭くな
り断面形状がなだらかなテーパー形状の孔を形成し、か
つ前記基板の途中まで前記テーパー形状の孔に連続する
孔を形成することによって、ゲート電極面とエミッタ電
極の面とが広い範囲にわたって近接する。
【0156】しかもこのようななだらかなテーパー形状
の孔の形成をレジストパターンあるいは低融点膜のリフ
ロー処理によって行うので、曲面状のなだらかな面が制
御性よく所望の形に形成できる。
【0157】すなわち、エミッタ電極面とゲート電極面
との距離を短絡の危険なしにできるだけ近づけることに
より、低閾電圧化が可能となる。さらに、ゲート電極の
厚みを厚くしてエミッタ電極の先端の電界を強めて、同
じ放射電流を得る場合にゲート・エミッタ間の閾電圧値
を下げることができる。逆に同じゲート・エミッタ間電
圧でより大きな放射電流を得ることができる。またゲー
ト電極の厚みを大きくできてゲートの配線抵抗が小さく
なるので高速駆動が可能となる。
【0158】さらに、エッチング工程の処理条件を選択
してエミッタ電極の先端部の形状を制御でき、先端部を
適切に先鋭化できる。すなわち、エミッタ電極の先端部
の頂角を小さくすることにより先端の電界が強くなっ
て、同じ放射電流を得る場合にゲート・エミッタ間の閾
電圧値を下げることができ、同じゲート・エミッタ間電
圧でより大きな放射電流を得ることができる。
【0159】また、エミッタ形状を先端は鋭く、裾野は
なだらかに任意の形状にできるので、エミッタ材の充填
工程が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)〜(C)は、本発明の第1の実施
例による2電極素子の電界放射型素子の製造工程を示す
図である。
【図2】 図2(D)〜(F)は、図1(C)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図3】 図3(G)〜(I)は、図2(F)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図4】 図4(J)〜(L)は、図3(I)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図5】 図5(A)〜(C)は、本発明の第2の実施
例による電界放射型素子(2電極素子)の製造工程を示
す図である。
【図6】 図6(D)〜(F)は、図5(C)に続く電
界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図7】 図7(A),(B),(C)は、第1の実施
例による電界放射型素子の変形例を示す図である。
【図8】 図8は、第2の実施例による電界放射型素子
の変形例を示す図である。
【図9】 図9(A)〜(C)は、本発明の第3の実施
例による電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図10】 図10(D)〜(F)は、図9(C)に続
く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図11】 図11(G),(H)は、図10(F)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図12】 図12(A),(B)は、第3の実施例に
よる電界放射型素子の変形例を示す図である。
【図13】 図13(A)〜(C)は、本発明の第4の
実施例による電界放射型素子の製造工程を示す図であ
る。
【図14】 図14(D)〜(F)は、図13(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図15】 図15(G)〜(I)は、図14(F)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図16】 図16(J)〜(L)は、図15(I)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図17】 図17(A)〜(C)は、本発明の第5の
実施例による電界放射型素子の製造工程を示す図であ
る。
【図18】 図18(D)〜(F)は、図17(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図19】 図19(A),(B),(C)は、第4の
実施例による電界放射型素子の変形例を示す図である。
【図20】 図20は、第4の実施例による電界放射型
素子の変形例を示す図である。
【図21】 図21(A)〜(C)は、本発明の第6の
実施例による電界放射型素子の製造工程を示す図であ
る。
【図22】 図22(D)〜(F)は、図21(C)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図23】 図23(G),(H)は、図22(F)に
続く電界放射型素子の製造工程を示す図である。
【図24】 図24(A),(B)は、第6の実施例に
よる電界放射型素子の変形例を示す図である。
【図25】 図25は、レジストとゲート電極膜とのエ
ッチングレートの違いによるテーパー形状の違いを説明
する素子の断面図である。
【図26】 図26は、本発明の実施例による電界放射
型素子の斜視図である。
【図27】 図27は、電界放射型素子を用いたフラッ
トパネルディスプレイの断面図である。
【図28】 図28は、従来の技術による電界放射型素
子の断面図である。
【符号の説明】 10 基板、 11 ゲート電極膜、 12,12
a,12b レジスト13,13a,13b 凹部、
14,14a 第1の犠牲膜、 15第1のエミッ
タ電極膜、 15a エミッタ電極、 16,16
a 第2のエミッタ電極膜、 17 抵抗層、 1
8 エミッタ配線層、 19a平坦化膜、 19b
支持基板、 19c 接着材、 20 基板、2
1,21a ゲート電極膜、 22,22a 第1の
犠牲膜、 23,23a 凹部、 24,24a,
24b レジスト、 25,25a 第2の犠牲膜、
26 第1のエミッタ電極膜、 26a,26b
エミッタ電極、 26c スリット開口、 2
7,27a 第2のエミッタ電極、 27f 平坦化
膜、 27g 接着材、 27s 支持基板、
28 抵抗層、 29 エミッタ配線層、 30a
基板、 30b アノード電極膜、 30c 第
1の犠牲膜、 31,31a ゲート電極膜、 3
2,32a,32b レジスト、 33,33a,3
3b 凹部、 34,34a 第2の犠牲膜、 3
5 エミッタ電極膜、 35a,35b エミッタ電
極、 36 開口スリット、 40 基板、 4
1,41a ゲート電極膜、 42,42a,42
d,42f,42g 低融点膜、 42b,42c
凹部、 43 レジスト、 43a, 凹部、
44,44a 第1の犠牲膜、 45 第1のエミッ
タ電極膜、 45a エミッタ電極、46,46a
第2のエミッタ電極、 47 抵抗層、 48 配
線層、50 基板、 51,51a ゲート電極膜、
52,52a,52b低融点膜、 52c 凹
部、 53 レジスト、 53a,53b 凹部、
54,54a 第1の犠牲膜、 55 第1のエ
ミッタ電極膜、55a エミッタ電極、 56a 第
2のエミッタ電極、 57 抵抗層、58 エミッタ
配線層、 60a 基板、 60b アノード電
極膜、 60c 第1の犠牲膜、 61,61a
ゲート電極膜、 62,62a,62d,62f 低
融点膜、 62b,62e 凹部、 63, レジ
スト、 63a 凹部、 64,64a 第2の犠
牲膜、 65,65b エミッタ電極膜、 65a
エミッタ電極、 66 スリット開口、71 支持
基板、 72 配線層、 73 抵抗層、 74
エミッタ電極、 75 ゲート電極、 76 透
明基板、 77 透明電極、78 蛍光材、 79
排気管、 80 スペーサ、 81 ゲッター
材、 82 バーナ、 100 ゲート電極、
110 エミッタ電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)基板上に導電材のゲート膜を含む
    表面層を形成する工程と、 (b)フォトリソグラフィ処理により所定形状の孔を有
    するレジストパターンを前記表面層の上に形成する工程
    と、 (c)前記レジストパターンをリフローして前記孔の内
    側を下に向かって徐々に内径が狭くなり断面形状がなだ
    らかなテーパー形状を有するレジストパターンを形成す
    る工程と、 (d)前記テーパー形状のレジストパターンをマスクと
    して前記ゲート膜と前記基板とを異方性エッチングし
    て、前記ゲート膜に前記基板に向かって徐々に内径が狭
    くなり断面形状がなだらかなテーパー形状の孔を形成
    し、かつ前記基板の途中まで前記テーパー形状の孔に連
    続する孔を形成する工程と、 (e)残った前記レジストパターンを除去する工程と、 (f)前記ゲート膜と基板とに形成した孔の上に第1の
    犠牲膜を形成する工程と、 (g)前記第1の犠牲膜の上に導電材のエミッタ膜を形
    成する工程と、 (h)前記基板と前記第1の犠牲膜の一部を含む不要部
    分を除去することにより前記エミッタ膜と前記ゲート膜
    とを露出させる工程とを含む電界放射型素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 (a)基板上に導電材のゲート膜を含む
    表面層を形成する工程と、 (b)前記表面層の融点温度よりも低い融点温度を有
    し、所定形状の孔を有する低融点膜を前記表面層の上に
    形成する工程と、 (c)前記低融点膜をリフローして前記孔の内側を下に
    向かって徐々に内径が狭くなり断面形状がなだらかなテ
    ーパー形状にする工程と、 (d)前記テーパー形状の低融点膜をマスクとして前記
    ゲート膜と前記基板とを異方性エッチングして、前記ゲ
    ート膜に前記基板に向かって徐々に内径が狭くなり断面
    形状がなだらかなテーパー形状の孔を形成し、かつ前記
    基板の途中まで前記テーパー形状の孔に連続する孔を形
    成する工程と、 (e)前記ゲート膜と基板とに形成した前記テーパー形
    状の孔の上に第1の犠牲膜を形成する工程と、 (f)前記第1の犠牲膜の上に導電材のエミッタ膜を形
    成する工程と、 (g)前記基板と前記第1の犠牲膜の一部を含む不要部
    分を除去することにより前記エミッタ膜と前記ゲート膜
    とを露出させる工程とを含む電界放射型素子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記工程(b)は、 (b−1)フォトリソグラフィ処理により所定形状の孔
    を有するレジストパターンを前記表面層の上に形成する
    工程と、 (b−2)前記レジストパターンをマスクとして前記低
    融点膜を等方性エッチングし、途中から異方性エッチン
    グする工程とを含む請求項2に記載の電界放射型素子の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(a)において、さらに前記ゲ
    ート膜の上に第2の犠牲膜を形成する工程を含み、前記
    工程(d)の異方性エッチングにおいて、前記ゲート膜
    と前記第2の犠牲膜とに前記基板に向かって徐々に内径
    が狭くなり断面形状がなだらかなテーパー形状の孔を形
    成し、かつ前記基板の途中まで前記テーパー形状の孔に
    連続する孔を形成するようにした請求項1あるいは2に
    記載の電界放射型素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2の犠牲膜が反射防止膜である請
    求項4に記載の電界放射型素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の犠牲膜がゲッター材である請
    求項4に記載の電界放射型素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 (a)出発基板上に導電材のアノード膜
    を形成する工程と、 (b)前記アノード膜上に絶縁膜を形成する工程と、 (c)前記絶縁膜上に導電材のゲート膜を形成する工程
    と、 (d)フォトリソグラフィ処理により所定形状の孔を有
    するレジストパターンを前記ゲート膜の上に形成する工
    程と、 (e)前記レジストパターンをリフローして前記孔の内
    側を下に向かって徐々に内径が狭くなり断面形状がなだ
    らかなテーパー形状にする工程と、 (f)前記テーパー形状のレジストパターンをマスクと
    して前記ゲート膜と前記絶縁膜とを異方性エッチングし
    て、前記ゲート膜と絶縁膜に内側が前記出発基板に向か
    って徐々に内径が狭くなり断面形状がなだらかなテーパ
    ー形状の孔を形成し、かつ前記アノード膜の表面まで前
    記テーパー形状の孔に連続する孔を形成する工程と、 (g)残った前記レジストパターンを除去する工程と、 (h)前記ゲート膜と絶縁膜とに形成した孔の上に第1
    の犠牲膜を形成する工程と、 (i)前記第1の犠牲膜の上に導電材のエミッタ膜を形
    成する工程と、 (j)前記絶縁膜と前記第1の犠牲膜の一部を含む不要
    部分を除去することにより前記エミッタ膜と前記ゲート
    膜と前記アノード膜とを露出させる工程とを含む電界放
    射型素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 (a)出発基板上に導電材のアノード膜
    を形成する工程と、 (b)前記アノード膜上に絶縁膜を形成する工程と、 (c)前記絶縁膜上に導電材のゲート膜を形成する工程
    と、 (d)前記ゲート膜の導電材の融点温度よりも低い融点
    温度を有し、所定形状の孔を有する低融点膜を前記ゲー
    ト膜の上に形成する工程と、 (e)前記低融点膜をリフローして前記孔の内側を下に
    向かって徐々に内径が狭くなり断面形状がなだらかなテ
    ーパー形状にする工程と、 (f)前記テーパー形状の低融点膜をマスクとして前記
    ゲート膜と前記絶縁膜とを異方性エッチングして、前記
    ゲート膜と絶縁膜に前記出発基板に向かって徐々に内径
    が狭くなり断面形状がなだらかなテーパー形状の孔を形
    成し、かつ前記アノード膜の表面まで前記テーパー形状
    の孔に連続する孔を前記絶縁膜に形成する工程と、 (g)前記ゲート膜と絶縁膜とに形成した前記テーパー
    形状の孔とそれに連続する孔の上に第1の犠牲膜を形成
    する工程と、 (h)前記第1の犠牲膜の上に導電材のエミッタ膜を形
    成する工程と、 (i)前記絶縁膜と前記第1の犠牲膜の一部を含む不要
    部分を除去することにより前記エミッタ膜と前記ゲート
    膜と前記アノード膜とを露出させる工程とを含む電界放
    射型素子の製造方法。
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