JP2000111578A - クランプ式電流センサ - Google Patents

クランプ式電流センサ

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JP2000111578A
JP2000111578A JP10277817A JP27781798A JP2000111578A JP 2000111578 A JP2000111578 A JP 2000111578A JP 10277817 A JP10277817 A JP 10277817A JP 27781798 A JP27781798 A JP 27781798A JP 2000111578 A JP2000111578 A JP 2000111578A
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明彦 平林
Wataru Ito
亘 伊藤
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康文 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁電変換部部分の総厚みを薄くして磁束検出感
度を高め電流検出感度の向上とノイズの低下とを図る。 【解決手段】下辺コア部26や一側縦辺コア部24など
からなる磁気コアと、下辺コア部26と一側縦辺コア部
24の当接面24bとの間に配置される磁電変換部31
と、該磁電変換部31との電気的な接続を自在に下辺コ
ア部26上に配置されるフレキシブル基板12とでを少
なくとも備えてなるクランプ式電流センサであって、磁
電変換部31は、下辺コア部26における一側縦辺コア
部24の当接面24bとの対向面側に設けられた絶縁層
32と、該絶縁層32上に配設された磁電変換素子31
と、該磁電変換素子31から引き出された電極34と、
磁電変換素子31及びその周辺部分に覆設された保護膜
35とで形成され、フレキシブル基板12は、一側縦辺
コア部24の当接面24bが保護膜35と直に当接する
ようにその対応部位に切欠部46を設けて配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気コアからなる
磁気回路内に磁電変換素子(例えばホール素子)を介在
させた際に形成される空隙をできるだけ小さくして磁束
検出感度を高めたクランプ式電流センサに関する。
【0002】
【従来の技術】クランプ式電流センサは、活線状態にあ
る電線等の被測定導線を外包して測定するクランプ式電
流計の重要な構成部材であり、このうち、交直両用のク
ランプ式電流センサに関しては、巻線が施されて開閉自
在に組み合わされる磁気コアと、該磁気コアにより形成
される閉磁路中に介在配置されるホール素子とを少なく
とも備えて形成されている。
【0003】図3は、上記した交直両用のクランプ式電
流センサ(巻線部を除く)の従来例についての正面図
を、図4は、図3における一点鎖線による囲繞部分を拡
大した要部説明図をそれぞれ示す。
【0004】これらの図によれば、従来からあるクラン
プ式電流センサ1を構成する磁気コア2は、活線状態に
ある被測定導線の出入が可能に矢印方向での開閉が自在
に配設される略コ字形を呈する上辺コア部3と、該上辺
コア部3を右端側にて略I字形を呈し、かつ、下側部を
次第に縮径させるための切削面4aを有して下支えする
一側縦辺コア部4と、上辺コア部3を左端側にて下支え
する略L字形を呈する他側縦辺コア部5と、これら一側
縦辺コア部4と他側縦辺コア部5とを下支えして閉磁路
を形成する水平状の下辺コア部6とで形成されている。
なお、この場合、上記磁気コア2の全体は、抵抗率が低
く透磁率の高いNi−Zn系のフェライトにより形成さ
れている。
【0005】また、上記磁気コア2により形成される磁
気回路中に介在配置される従来例としての磁電変換部7
は、厚さが25μm程度のマイカ基板8と、該マイカ基
板8上に製膜された厚さが0.8μm程度のホール素子
(InSb薄膜)9と、該ホール素子9から引き出され
た厚さが1μm程度の電極10と、該電極10を覆う厚
さが0.8μm程度の保護膜11と、該保護膜11上に
配置される厚さが30μm程度のフレキシブル基板12
とで形成されている。
【0006】このため、上記構成からなるクランプ式電
流センサ1によれば、磁気コア2の上辺コア部3を開方
向に摺動させて活線状態にある被測定導線を導入してか
ら閉方向に再度摺動(図3中の矢印方向)させた後に、
該被測定導線の電流を検出することができることにな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記クラン
プ式電流センサ1によっても、一側縦辺コア部4と下辺
コア部6との間に介在させた磁電変換部7により、磁気
コア2に生ずる磁界を検知して電流を測定することはで
きる。
【0008】しかし、磁電変換部7自体は、その総厚み
が27.6μm程度になってしまうことから、一側縦辺
コア部4と下辺コア部6との間に形成される空隙長はフ
レキシブル基板12の厚みも加わって57.6μm程度
に達してしまい、空隙長に反比例して磁束密度が増大す
る関係を考慮すると、磁束検出感度の低下は不可避的で
あり、結果的に電流検出感度の低下を招くばかりでな
く、ノイズ(低S/N比)も大きなものになってしまう
という不都合があった。また、下辺コア部に高透磁率磁
性材料を使用する場合、その抵抗率が絶縁層上に形成さ
れる磁電変換素子としてのホール素子の抵抗率に比較し
て十分大きくないと、絶縁層が製造工程において生じる
欠陥などによってホール素子が下辺コア部により短絡さ
れてしまい、その動作に影響を受けるという不都合があ
った。
【0009】本発明は従来技術にみられた上記課題に鑑
み、磁電変換部部分の総厚みを極力薄くして磁束検出感
度を高めることにより、電流検出感度の向上とノイズ
(低S/N比)の低下とを実現したクランプ式電流セン
サを提供することにその目的がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべくなされたものであり、その構成上の特徴は、上辺
コア部と、該上辺コア部をその一側端部にて下支えする
一側縦辺コア部と、前記上辺コア部をその他端部にて下
支えする他側縦辺コア部と、これら一側縦辺コア部と他
側縦辺コア部とを下支えする下辺コア部とからなる磁気
コアと、下辺コア部と前記一側縦辺コア部の当接面との
間に介在配置される磁電変換素子を含む磁電変換部と、
該磁電変換部との電気的な接続を自在に下辺コア部の上
面に沿わせて配置されるフレキシブル基板とで、前記上
辺コア部を摺動操作して導入された活線状態にある被測
定導線の電流の検出を自在に形成されたクランプ式電流
センサにおいて、前記磁電変換部は、下辺コア部におけ
る一側縦辺コア部の当接面との対向面側に設けられた絶
縁層と、該絶縁層上に配設された磁電変換素子と、該磁
電変換素子から各別に引き出された電極と、磁電変換素
子及びその周辺部分に覆設された保護膜とで形成され、
前記フレキシブル基板は、一側縦辺コア部の当接面が保
護膜と直に当接するようにその対応部位に切欠部を設け
て配設したことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るクランプ式
電流センサ(巻線部を除く)の一例を示すものであり、
そのうち、(イ)は正面図を、(ロ)は、図1の平面図
をそれぞれ示す。
【0012】これらの図によれば、クランプ式電流セン
サ21の全体は、磁気回路を形成する磁気コア22と、
磁気回路内に介在配置される磁電変換部31と、該磁電
変換部31との電気的な接続を自在に配置されるフレキ
シブル基板41とで、導入された活線状態にある被測定
導線の電流の検出を自在にして形成されている。
【0013】このうち、磁気コア22は、活線状態にあ
る被測定導線の出入が可能に矢印方向での開閉が自在に
配設される略コ字形を呈する上辺コア部23と、該上辺
コア部23を右端側にて略I字形を呈し、かつ、下側部
を次第に縮径させるための切削面24aを有して下支え
する一側縦辺コア部24と、上辺コア部23を左端側に
て下支えする略L字形を呈する他側縦辺コア部25と、
これら一側縦辺コア部24と他側縦辺コア部25とを下
支えして閉磁路を形成する水平状の下辺コア部26とで
形成されている。
【0014】この場合、上辺コア部23と一側縦辺コア
部24と他側縦辺コア部25とは、高透磁率磁性材料で
あるMn−Zn系高透磁率磁性材料もしくはNi−Zn
系高透磁率磁性材料により、下辺コア部26は、高透磁
率磁性材料であるNi−Zn系高透磁率磁性材料もしく
はMn−Zn系高透磁率磁性材料によりそれぞれ形成す
るのが好ましい。
【0015】また、下辺コア部26と一側縦辺コア部2
4との間に介在配置される磁電変換部31は、図1
(ロ)におけるA−A線矢視方向での断面を拡大した図
2に示されるように、下辺コア部26における一側縦辺
コア部24の当接面24bとの対向面側に設けられた絶
縁層32と、該絶縁層32上に配設された例えば素子ホ
ール素子などの磁電変換素子33と、該磁電変換素子
(ホール素子)33から各別に引き出された例えば計4
本の電極34と、磁電変換素子(ホール素子)33及び
その周辺部分に覆設された保護膜35とで形成されてい
る。
【0016】この場合における磁電変換部31は、例え
ば膜厚が0.7〜0.9μm、好ましくは約0.8μm
のSiO2 膜からなる絶縁層32と、該絶縁層32上に
製膜された例えば膜厚が0.7〜0.9μm、好ましく
は約0.8μmのInSb薄膜からなる磁電変換素子
(ホール素子)33と、該磁電変換素子(ホール素子)
33から引き出された例えば厚さが0.2〜0.4μ
m、好ましくは約0.3μmのAl薄膜からなる例えば
計4本の電極34と、磁電変換素子(ホール素子)33
を含む周辺部位を覆う例えば膜厚が1.2〜1.7μ
m、好ましくは約1.5μmのSiO2 膜からなる保護
膜35とで形成するのが望ましい。なお、絶縁層32
は、下辺コア部26の上面27に位置する対応部位を鏡
面研磨してなる清浄平滑面27aに対し形成するのが付
着力、製造工程での膜特性の面からは好ましい。また、
SiO2 膜からなる絶縁層32と保護膜35とは、真空
蒸着法、高周波スパッタリング法、化学的気相成長法な
どの薄膜作製法により作製してもよい。さらに、絶縁層
32は、Al23 やSi34 、あるいは塗布法によ
るポリイミドなどの有機系材料であってもよい。
【0017】一方、フレキシブル基板41は、ベース薄
片42上に銅箔パターン層43とニッケルメッキ層44
と金箔パターン層45とを順次積層し、磁電変換部31
における電極34と金箔パターン層45との間をボンデ
ィングワイヤ48を介して電気的な接続を自在に下辺コ
ア部26の上面27に沿わせて配置できる適宜長さを有
して形成されている。
【0018】しかも、フレキシブル基板41には、一側
縦辺コア部24の当接面24bと保護膜35とが直接に
接触できる切欠部46が設けられているほか、例えば計
4本の電極34に各別にボンディングワイヤ46を接続
するために必要な4個の透孔47とが設けられている。
【0019】本発明はこのようにして構成されているの
で、下辺コア部26の上面27に設けられている清浄平
滑面27a上に磁電変換部31を一体的に設けることが
できる。
【0020】しかも、下辺コア部26の上面27に配設
されるフレキシブル基板41は、一側縦辺コア部24の
当接面24aが位置する対応部位に切欠部46が設けら
れているので、下辺コア部26の側に設けられている磁
電変換部31の保護膜35に対し当接面24aを直接に
接触させることができる。
【0021】また、磁電変換部7自体の総厚みは、せい
ぜい3.4μm程度であることから、一側縦辺コア部2
4と下辺コア部26との間に形成される空隙長も3.4
μm程度にしかならないことになる。
【0022】つまり、磁束密度は空隙長に反比例して増
大するとされていることからしても、磁束検出感度を向
上させて電流検出感度を高めることができるはもとよ
り、ノイズ(低S/N比)を小さくすることもできるこ
とは明らかである。
【0023】特に、上辺コア部23と一側縦辺コア部2
4と他側縦辺コア部25とをMn−Zn系高透磁率磁性
材料により、下辺コア部26をNi−Zn系高透磁率磁
性材料によりそれぞれ形成してある場合には、さらに好
ましい磁束検出感度を得ることができる。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、下辺
コア部の上面に設けられる磁電変換部の総厚みを極力薄
くすることができるほか、下辺コア部の上面に配設され
るフレキシブル基板も一側縦辺コア部の当接面が位置す
る対応部位に切欠部を有しているので、磁電変換部の保
護層に対し前記当接面を直接に接触させることができ
る。
【0025】したがって、一側縦辺コア部と下辺コア部
との間に形成される空隙長は、磁電変換部の総厚みと実
質的に同等なものとすることができることになり、磁束
密度は空隙長に反比例して増大するとされていることを
勘案するならば、磁束検出感度を向上させて電流検出感
度を高めることができるはもとより、ノイズ(低S/N
比)を小さなものとすることもできる。
【0026】なお、本発明において上辺コア部と一側縦
辺コア部と他側縦辺コア部とをMn−Zn系高透磁率磁
性材料により、下辺コア部をNi−Zn系高透磁率磁性
材料によりそれぞれ形成してある場合には、さらに好ま
しい磁束検出感度を得ることができる。また、前記絶縁
層を下辺コア部の清浄平滑面に設けてある場合には、下
辺コア部と磁電変換部とをより一体化させて安定した状
態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例につき、その正面図を(イ)とし
て、平面図を(ロ)としてそれぞれ示す。
【図2】図1(ロ)におけるA−A線矢視方向での断面
構造を拡大して示す説明図。
【図3】従来からあるクランプ式電流センサの要部構成
例を示す正面図。
【図4】図3における一点鎖線による囲繞部分を拡大し
て示す説明図。
【符号の説明】
1,21 クランプ式電流センサ 2,22 磁気コア 3,23 上辺コア部 4,24 一側縦辺コア部 4a,24a 切削面 4b,24b 当接面 5,25 他側縦辺コア部 6,26 下辺コア部 27 上面 27a 清浄平滑面 7,31 磁電変換部 8 マイカ基板 9 ホール素子 10 電極 11 保護膜 12 フレキシブル基板 31 磁電変換部 32 絶縁層 33 磁電変換素子(ホール素子) 34 電極 35 保護膜 41 フレキシブル基板 42 ベース薄片 43 銅箔パターン層 44 ニッケルメッキ層 45 金箔パターン層 46 切欠部 47 透孔 48 ボンディングワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康文 長野県上田市大字小泉字桜町81番地 日置 電機株式会社内 Fターム(参考) 2G025 AA03 AA07 AB02 AB14 CA04 DA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上辺コア部と、該上辺コア部をその一側
    端部にて下支えする一側縦辺コア部と、前記上辺コア部
    をその他端部にて下支えする他側縦辺コア部と、これら
    一側縦辺コア部と他側縦辺コア部とを下支えする下辺コ
    ア部とからなる磁気コアと、下辺コア部と前記一側縦辺
    コア部の当接面との間に介在配置される磁電変換素子を
    含む磁電変換部と、該磁電変換部との電気的な接続を自
    在に下辺コア部の上面に沿わせて配置されるフレキシブ
    ル基板とで、前記上辺コア部を摺動操作して導入された
    活線状態にある被測定導線の電流の検出を自在に形成さ
    れたクランプ式電流センサにおいて、 前記磁電変換部は、下辺コア部における一側縦辺コア部
    の当接面との対向面側に設けられた絶縁層と、該絶縁層
    上に配設された磁電変換素子と、該磁電変換素子から各
    別に引き出された電極と、磁電変換素子及びその周辺部
    分に覆設された保護膜とで形成され、前記フレキシブル
    基板は、一側縦辺コア部の当接面が保護膜と直に当接す
    るようにその対応部位に切欠部を設けて配設したことを
    特徴とするクランプ式電流センサ。
  2. 【請求項2】 上辺コア部と一側縦辺コア部と他側縦辺
    コア部とは、高透磁率磁性材料により形成するととも
    に、前記絶縁層は、下辺コア部の対応部位を鏡面研磨し
    てなる清浄平滑面に設けたことを特徴とする請求項1記
    載のクランプ式電流センサ。
  3. 【請求項3】 前記高透磁率磁性材料は、Mn−Zn系
    高透磁率磁性材料もしくはNi−Zn系高透磁率磁性材
    料であることを特徴とする請求項2記載のクランプ式電
    流センサ。
  4. 【請求項4】 前記磁電変換部は、SiO2 膜からなる
    絶縁層と、該絶縁層上に製膜されたInSb薄膜からな
    るホール素子と、該ホール素子から引き出されたAl薄
    膜からなる電極と、ホール素子を含む周辺部位を覆うS
    iO2 膜からなる保護膜とで形成したことを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のクランプ式電流セ
    ンサ。
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