JP5305397B2 - 電流センサおよび電流センサの製造方法 - Google Patents

電流センサおよび電流センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明はクランプ式電流計に搭載される電流センサ、および、このような電流センサの製造方法に関する。
クランプ式電流計は、活線状態にある電線等の被測定導線を切り離すことなく磁気コア内に挿通させ、そのまま電流計測する。磁気コアは、複数のコア部を組合せて開閉可能に構成されている。この磁気コアの閉磁路内には、磁電変換部(例えばホール素子)が配置されている。磁気コア内を流れる磁束がこの磁電変換部を横切り、磁電変換部が磁束の量に応じて検出信号を出力する。
このような従来技術のクランプ式電流計に搭載されるクランプ式の電流センサについて図を参照しつつ説明する。図7は従来技術のクランプ式の電流センサの説明図である。面取り等の詳細は省略し、簡略化して図示している。電流センサ100は、交直両用のセンサであり、磁気コア110、 基板120、ホール素子(磁電変換部)130を備える。この電流センサ100は磁気コア110を開閉して磁気コア110内に被測定導線を貫通させて用いる。この磁気コア110の開閉機構として、両開き形式、片開き形式、または、スライド形式など種々の形式が存在するが、図7ではスライド式の開閉機構による磁気コア110について説明している。
磁気コア110は、巻線が施されて開閉自在に組み合わされるものであり、さらに第1コア部111、第2コア部112、第3コア部113を備える。
第1コア部111および第2コア部112は、ともにL字状に形成された角柱体であり、左右対称としてコ字状に組み合わせられる。第1コア部111および第2コア部112は、Ni−Zn系フェライトにより形成される。これら第1コア部111および第2コア部112には、それぞれ負帰還用のコイル111a,112aが装着されている。
第3コア部113は、角柱体であって第1コア部111および第2コア部112の各開放端側に摺動可能に設けられる。
基板120は、第1コア部111および第2コア部112の突き合わせ端面間に配置される。基板120は、電気的に高抵抗を示す磁性材料が用いられるが、第1コア部111および第2コア部112の材料であるNi−Zn系フェライトが電気的に高抵抗の磁性材料であるため、基板120にも同じ材料を用いることにより、磁気コア110の磁気抵抗をさほど高めることなく、磁気コア110と電気回路(測定回路)との絶縁を図ることができる。
ホール素子(磁電変換部)130は、図8に示すように、ベース部131、センサ部132を備える。基板120の上半分側の領域にベース部131が形成される。そして、このベース部131の表面に十文字状のパターンによるセンサ部132が形成される。センサ部132の入力端子および出力端子の各々から接続電極HI1、HI2、HO1、HO2が基板120の下半分側の領域にそれぞれ引き出されている。
このホール素子(磁電変換部)130は、基板120上に形成された状態で、図7に示すように、第1コア部111および第2コア部112の各突き合わせ端面間に配置される。このホール素子130は、閉じられた磁気コア110により形成される閉磁路中に介在配置される。
続いて電流センサ100の製造について説明する。
コイル111aが取り付けられた第1コア部111、および、コイル112aが取り付けられた第2コア部112は、それらの各端面間にホール素子130を挟んだ状態で図示しないホルダ(シールドケース)内に収納され、その後に充填される樹脂によりホルダ内に強固に固定される。摺動する第3コア部113も同様に、ホルダ内に収納され樹脂により固定される、というものである。
また、他のクランプ式電流センサの従来技術としては、特許文献1(特開2001−337112号公報)に記載されたクランプ式電流センサもある。この従来技術のクランプ式電流センサもスライド式開閉機構を採用している。
このクランプ式電流センサの特徴部を図9に示す。この特許文献1の従来技術では、基板120の上半分側の領域には、ホール素子130を覆うように保護板140を接着材等で固定した構成を採用している。この保護板140は、基板120と同じく第1コア部111および第2コア部112のNi−Zn系フェライトが用いられている。保護板140の厚さtは任意に選択される。
なお、この従来技術例以外にも、ホール素子130の基板120を第2コア部112側に取り付けるとともに、その保護板140と対向する第1コア部111の突き合わせ端面側を先細り状に形成してもよい。また、第1コア部111と第2コア部112との双方を先細り状としてもよい。
このような従来技術によれば、ホール素子130の基板120は第1コア部111の突き合わせ端面に取り付けられ、ホール素子130の保護板140が第2コア部112の突き合わせ端面と向き合うことになる。従って、組立時においてはホール素子130が傷付けられるおそれがないため、組立作業をスムーズに行なうことができ、生産性が高められる。
また、基板120および保護板140に高抵抗の磁性材料を用いることにより、磁気コアの磁気抵抗がさほど高められることがない。また、磁気コア110と電気回路(測定回路)との絶縁を図ることができる。
さらには、第2コア部112の突き合わせ端面側部分112bは、その断面積が保護板140の断面積と同等もしくはそれ以下となるように先細り状に形成されているため、磁気コア110に流れる磁束がホール素子130に集中するように導かれ、これにより磁電変換効率が高められる。従来技術のクランプ式の電流センサはこのようなものである。
特開2001−337112号公報(図4等)
従来技術ではホール素子形成用の基板120および保護板140として、高抵抗を示す磁性材料であって、大変高価なNi−Zn系フェライトが使用されている。これまでNi−Zn系フェライトは、FDD(フロッピディスクドライブ)の磁気ヘッド用途で多く生産されていたが、需要の減少により、製造メーカもNi−Zn系フェライトの生産規模の縮小ないしは廃止の方向に向かっており、入手が困難になりつつある。
従って、このNi−Zn系フェライトに代わる代替材料を至急探す必要がある。Ni−Zn系フェライトの代替候補として、比較的安価で入手が容易なMn−Zn系フェライトが挙げられる。そこで、コア部としてMn−Zn系フェライトの使用が可能か否かについて検討した。
しかしながら、Mn−Zn系フェライトは、Ni−Zn系フェライトのように電気抵抗値が高くない。したがって、Mn−Zn系フェライトにより第1コア部111、第2コア部112、基板120を作成した場合、磁気コア110の磁気抵抗が高められることはないが、基板120の電気抵抗値が低くて絶縁性が悪くなり、直接のホール素子形成は困難であった。また、磁気コア110と電気回路(測定回路)との絶縁性も悪いという問題もあった。
本発明はこのような課題を解決するためになされものであり、その目的は、安価で入手しやすい磁性材料の表面に絶縁層を形成してコアと電気回路(測定回路)との絶縁を保ち、さらに絶縁層の総厚みを極力薄くして磁束検出感度も維持して、生産性・使用性・コストの向上をともに実現したクランプ式の電流センサを提供することにある。
更に本発明の目的は、このような電流センサを製造する電流センサの製造方法も併せて提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明の電流センサは、
磁電変換部が磁気コアの閉磁路内に配設されており、前記閉磁路内に導入されて貫通する活線状態の被測定導線の電流に応じて前記閉磁路に磁束が流れ、前記磁電変換部がこの磁束に応じた検出信号を出力するクランプ式の電流センサであって、
変換部側突き合わせ部を含む変換部側コア本体と、前記変換部側コア本体の全体を覆う変換部側表面絶縁層と、前記変換部側突き合わせ部の前記変換部側表面絶縁層上に設けられる変換部側中間絶縁層と、を有し、前記変換部側中間絶縁層上に前記磁電変換部が直接形成される変換部側コア部と、
対向側突き合わせ部を含む対向側コア本体と、前記対向側コア本体の全体を覆う対向側表面絶縁層と、前記対向側突き合わせ部の前記対向側表面絶縁層上に設けられる対向側中間絶縁層と、を有する対向側コア部と、
を備えており、
前記磁電変換部と前記対向側中間絶縁層とを対向当接させて組み立てた磁気コアでは、前記対向側コア本体、前記対向側表面絶縁層、前記対向側中間絶縁層、前記磁電変換部、前記変換部側中間絶縁層、前記変換部側表面絶縁層および前記変換部側コア本体を通るように閉磁路が形成されることを特徴とする。
また、請求項2に記載した発明の電流センサは、
請求項1に記載の電流センサにおいて、
前記変換部側コア本体および前記対向側コア本体はMn−Zn系高透磁率磁性材料により形成されるコア本体であり、
前記変換部側表面絶縁層および前記対向側表面絶縁層は熱酸化により形成されるMnO酸化膜であり、
前記変換部側中間絶縁層および前記対向側中間絶縁層はスパッタにより形成される金属酸化膜であることを特徴とする。
また、請求項3に記載した発明の電流センサは、
請求項1または請求項2に記載の電流センサにおいて、
前記磁電変換部は、前記変換部側中間絶縁層上に製膜されたInSb薄膜からなるセンサ部と、前記センサ部から引き出された金属薄膜からなる電極と、を有するホール素子であることを特徴とする。
また、請求項4に記載した発明の電流センサは、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
前記変換部側コア本体は、少なくとも前記磁電変換部の搭載面を鏡面研磨による清浄平滑面としていることを特徴とする。
また、請求項5に記載した発明の電流センサは、
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
前記変換部側突き合わせ部または前記対向側突き合わせ部の少なくとも一方は先細り状に形成され、前記磁気コアに流れる磁束を前記磁電変換部に集中させることを特徴とする。
また、請求項6に記載した発明の電流センサは、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
前記変換部側コア部の前記変換部側コア本体は、略I字状に形成される一本のコア本体であり、
前記対向側コア部の前記対向側コア本体は、略I字状に形成される一本のコア本体であり、
前記変換部側コア部および前記対向側コア部と、略I字状の他の2本のコア部と、を組み合わせて前記磁気コアが略ロ字状に形成されることを特徴とする。
また、請求項7に記載した発明の電流センサは、
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
前記変換部側コア部の前記変換部側コア本体は、略L字状に形成される1個のコア本体であり、
前記対向側コア部の前記対向側コア本体は、略L字状に形成される1個のコア本体であり、
前記変換部側コア部および前記対向側コア部と、略I字状の他の1本のコア部と、を組み合わせて前記磁気コアが略ロ字状に形成されることを特徴とする。
また、請求項8に記載した発明の電流センサの製造方法は、
請求項1〜請求項7の何れかの電流センサの製造方法であって、
前記変換部側コア部の前記変換部側コア本体の全体の表面処理を行う工程と、
前記変換部側コア本体の表面全体に熱酸化により前記変換部側表面絶縁層を形成する工程と、
前記変換部側コア本体の前記変換部側突き合わせ部上の前記変換部側表面絶縁層にスパッタリングにより前記変換部側中間絶縁層を形成する工程と、
前記変換部側中間絶縁層の表面に前記磁電変換部を形成する工程と、
を有することを特徴とする。
また、請求項9に記載した発明の電流センサの製造方法は、
請求項8記載の電流センサの製造方法において、
前記変換部側表面絶縁層を形成する工程は、大気雰囲気中で500℃で30分間の熱酸化を行う工程であることを特徴とする。
また、請求項10に記載した発明の電流センサの製造方法は、
請求項8または請求項9記載の電流センサの製造方法において、
前記変換部側中間絶縁層を形成する工程は、前記変換部側中間絶縁層の形成箇所の孔が空いたマスクで前記変換部側表面絶縁層を覆った上でマグネトロンスパッタによるスパッタリングを行う工程であることを特徴とする。
本発明によれば、安価で入手しやすい磁性材料の表面に絶縁層を形成してコアと電気回路(測定回路)との絶縁を保ち、さらに絶縁層の総厚みを極力薄くして磁束検出感度も維持して、生産性・使用性・コストの向上をともに実現したクランプ式の電流センサを提供することができる。
更に本発明よれば、このような電流センサを製造する電流センサの製造方法も併せて提供することができる。
本発明の実施形態の説明図であり、図1(a)は正面図、図1(b)は側面図である。 本発明の実施形態の主要部の拡大断面図である。 本発明の実施形態の主要部の斜視外観図である。 本発明の他の実施形態の正面図である。 本発明の他の実施形態の主要部の拡大断面図である。 本発明の他の実施形態の主要部の拡大断面図である。 従来技術の説明図である。 磁電変換部の説明図である。 他の従来技術の主要部の説明図である。
以下、図に沿って本発明を実施するための形態について説明する。
図1は本形態のクランプ式の電流センサの説明図である。本形態でも面取り等の詳細は省略し、簡略化して図示している。電流センサ1は、交直両用のセンサであり、磁気コア2、ホール素子(磁電変換部の一具体例である)3を備える。この電流センサ1は、磁気コア2を開閉して磁気コア2内に被測定導線を貫通させて用いる。この磁気コア2の開閉機構として、両開き形式、片開き形式、または、スライド形式など種々の形式が存在するが、本形態ではスライド式の開閉機構による磁気コア2について説明している。
磁気コア2は、巻線が施されて開閉自在に組み合わされるものであり、さらに第1コア部11、第2コア部12、第3コア部13、第4コア部14を備える。ここで第1コア部11と第2コア部12とが接続する箇所、第2コア部12と第3コア部13とが接続する箇所、第3コア部13と第4コア部14とが接続する箇所、第4コア部14と第1コア部11とが接続する箇所、を突き合わせ部であるものとして以下説明する。また、本発明の変換部側コア部は第1コア部11であり、また、対向側コア部は第4コア部14が、それぞれ該当する。
第1コア部11は、図1(a),(b)からも明らかなように、I字状に形成されたコア部である。図3に示すように、第1コア部11には直接ホール素子3が固定される。第1コア部11の詳細は、図2に示すように、第1コア本体11a、第1表面絶縁層11b、第1中間絶縁層11cを備える。
第1コア本体11aは、Mn−Zn系フェライトにより形成される角柱体である。なお、この第1コア本体11aは、本発明の変換部側コア本体に該当する。
第1表面絶縁層11bは、第1コア本体11aを熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり第1コア本体11aの全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低く、表面絶縁のために第1表面絶縁層11bが形成される。そして、少なくともホール素子が搭載される面は鏡面研磨面として形成されている。なお、この第1表面絶縁層11bは、本発明の変換部側表面絶縁層に該当する。
第1中間絶縁層11cは、金属酸化膜であり、第1コア本体11aにおける第4コア部14への突き合わせ部であってその第1表面絶縁層11bの上側に設けられる。第1中間絶縁層11cは、具体的にはスパッタにより形成される金属酸化膜であって、例えばSiO膜、Al膜、ZrO膜、TiO膜、または、Y膜の何れかを採用することできる。これらのような金属酸化膜の厚みは約0.5μm程度に形成される。本形態ではSiO膜が選択されたものとして以下説明する。なお、この第1中間絶縁層11cは、本発明の変換部側中間絶縁層に該当する。
第2コア部12は、I字状に形成された角柱体である。第2コア部12は、Mn−Zn系フェライトにより形成される。この第2コア部12には、図1(a)に示すように、負帰還用のコイル121が装着されている。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低いため、第1コア部11と同様に表面絶縁層が形成される。この表面絶縁層は、第2コア本体を熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり、第2コア本体の全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。
第3コア部13は、I字状に形成された角柱体である。第3コア部13は、Mn−Zn系フェライトにより形成される。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低いため、第1コア部11と同様に表面絶縁層が形成される。この表面絶縁層は、第3コア本体を熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり、第3コア本体の全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。この第3コア部13は、第1コア部11および第2コア部12の各開放端側に摺動可能に設けられる。
第4コア部14は、I字状に形成された角柱体である。第4コア部14は、Mn−Zn系フェライトにより形成される。この第4コア部14には、負帰還用のコイル141が装着されている。
第4コア部14の詳細は、図2に示すように、第4コア本体14a、第4表面絶縁層14b、第4中間絶縁層14cを備える。
第4コア本体14aは、Mn−Zn系フェライトにより形成される角柱体である。なお、この第4コア本体14aは、本発明の対向側コア本体に該当する。
第4表面絶縁層14bは、第4コア本体14aを熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり第4コア本体14aの全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低いため表面絶縁のために形成される。そして、少なくともホール素子が当接する面は鏡面研磨面として形成されている。なお、この第4表面絶縁層14bは、本発明の対向側表面絶縁層に該当する。
第4中間絶縁層14cは、金属酸化膜であり、第4コア本体14aにおける第1コア部11への突き合わせ部であってその第4表面絶縁層14bの下側に設けられる。第4中間絶縁層14cは、具体的にはスパッタにより形成される金属酸化膜であって、例えばSiO膜、Al膜、ZrO膜、TiO膜、または、Y膜の何れかを採用することできる。これらのような金属酸化膜の厚みは約0.5μm程度に形成される。本形態ではSiO膜が選択されたものとして以下説明する。なお、この第4中間絶縁層14cは、本発明の対向側中間絶縁層に該当する。ここで、図1(b),図2に示すように、第4コア部14の突き合わせ部周囲は、磁電変換部を通過する磁束密度を大きくするために下側へ行くにつれて次第に先細るようにしている。
ホール素子3は、図3に示すように、第1中間絶縁層11cの上側に直接形成されるものであり、センサ部31、電極部32を備える。センサ部31は、InSb薄膜によるInSbホール素子(膜厚が約1.0μm)である。電極部32は、金属薄膜であり、例えばCu、Cr、Al、Au、Niの何れかによる薄膜(膜厚が約1.0μm)、または、これら複数の材料を用いた積層構造の薄膜(合計の膜厚が約1.0μm)を選択することができる。本形態では具体的にはCu/Cr/Al電極(合計の膜厚が約1.0μm)を採用するものとして以下説明する。センサ部31は十文字状のパターンにより構成され、センサ部31の入力端子および出力端子の各々から電極部32を構成する接続電極HI1、HI2、HO1、HO2が第1中間絶縁層11cの下半分側の領域にそれぞれ引き出されている。図2でも示すように、ホール素子3の左半分は外側にあって電極部32の接続電極HI1、HI2、HO1、HO2が引き出された状態となっており、この箇所で他のワイヤ等に接続できるようになっており、そのワイヤ等を介して図示しない電気回路(測定回路)に接続される。
このようなホール素子(磁電変換部)3は、図2に示すように、第1コア部11および第4コア部14の各突き合わせ端面間に配置される。このホール素子3は、閉じられた磁気コア2により形成される閉磁路中に介在配置される。
このよう突き合わせ部を互いに対向させて第1コア部11と第4コア部14とを組み立てたときに第1コア部11のホール素子3が第4コア部14の第4中間絶縁層14cに当接し、第4コア本体14a、第4表面絶縁層14b、第4中間絶縁層14c、ホール素子3、第1中間絶縁層11c、第1表面絶縁層11bおよび第1コア本体11aを通るように閉磁路が形成される。
つまり、本発明のように、変換部側コア部の磁電変換部と対向側コア部の対向側中間絶縁層とを対向当接させて組み立てた磁気コアでは、対向側コア本体、対向側表面絶縁層、対向側中間絶縁層、磁電変換部、変換部側中間絶縁層、変換部側表面絶縁層および変換部側コア本体を通るように閉磁路が形成される。
続いて電流センサ1の性能について検討する。性能に関しては従来技術と比較しつつ説明する。表1は、従来技術、本形態および比較例(1),(2),(3)のコア部表面の電気抵抗、検出感度測定結果を示す。
Figure 0005305397
比較例として、実施形態と同じMn−Zn系フェライトによる磁気コアを有する電流センサであって、絶縁層を形成しない比較例(1)、700℃(30分)熱処理を実施した比較例(2)、SiOスパッタ層を5μm形成した比較例(3)の3種類について試作した。ホール素子3は、いずれもInSbホール素子やCu/Cr/Al電極を備え、本実施形態と同一条件で形成した。
この結果について考察する。
絶縁層を形成しない比較例(1)の電流センサは、例えば、図2の電流センサ1から表面絶縁層および中間絶縁層を取り去った構造(つまり第1コア本体11aに直接ホール素子3を形成し、その上に絶縁層がない第4コア本体14aを当接させた構造)である。この比較例(1)の電流センサでは、検出感度測定結果は0mV/Aとなっている。これは比較例(1)の電流センサのMn−Zn系フェライトによる磁気コアの表面の電気抵抗が1.8k(1.8×10)Ω程度であって非常に低く、Mn−Zn系フェライトによる磁気コアとInSbホール素子とがショート状態となるためである。このような比較例(1)のコア本体はホール素子形成用途としては適当ではない。
このようなショート状態としないためには、第1コア本体11や第4コア本体14の表面抵抗率を、ホール素子3の抵抗率に比較して十分大きくする必要がある。この場合、第1コア本体11や第4コア本体14の表面の電気抵抗としては、少なくとも1M(1.0×10)Ω以上の値が必要となる。
そこで、 他の比較例(2),(3)の電流センサは、磁気コア全体の表面に絶縁層を形成して電気抵抗を高めている。これら比較例(2),(3)の表面抵抗は、1M(1.0×10)Ω以上の値を示し検出感度も得られてはいるが、従来技術による電流センサと比較すると、検出感度が大幅に低下している。これは大きな抵抗値を確保するため絶縁層を厚くしたことに起因する。
ここで、絶縁層の厚みと検出感度の関係について説明する。まず、絶縁層については、透磁率がほぼ空気と同じでギャップとなることが分かっているため、これを前提にして説明する。図1に示すように、第1,第2,第3,第4コア部間の突き合わせ部に絶縁層があると磁気抵抗Rが大きくなる。磁束φは磁気抵抗Rに反比例することから、磁気抵抗Rが大きいと磁束φは小さくなる。また、検出感度は磁束φに比例することから、磁束φが小さくなると検出感度も小さくなる。結論として、絶縁層の厚みが大きくなるにつれて検出感度が低下することが理解できる。
まとめると、絶縁層の厚みに反比例して磁束密度が低下し、電気抵抗値は高くなるけれども検出感度が低くなり、結果的に電流検出感度の低下を招くばかりでなく、ノイズ(低S/N比)も大きなものになってしまうという不都合があった。
また、逆に絶縁層の厚みに反比例して磁束密度が増大し、検出感度は高くなるけれども電気抵抗値が低くなっていた。
このように電気抵抗値の増加と電流検出感度の増加をともに実現することは容易ではない。本発明の電流センサ1では充分な電流検出感度および電気抵抗値を確保するような絶縁層とする必要がある。本発明者は鋭意実験を重ね、本発明による電流センサ1ではMn−Zn系フェライトによるコア本体に対して熱酸化により比較的薄くした絶縁層とスパッタにより比較的厚くした絶縁層という二層の絶縁層を重ね合わせたときに全体的に薄い絶縁層であるにも拘わらず表面抵抗値として350M(3.5×10)Ω以上の値を確保することができ、しかも、電流検出感度を従来技術と同じ7.4mV/Aを確保することを知見した。なお、第1コア部11と第4コア部14とが接続する箇所での磁気抵抗の増加が少ないことは勿論のこと、第1コア部11と第2コア部12とが接続する箇所、第2コア部12と第3コア部13とが接続する箇所、第3コア部13と第4コア部14とが接続する箇所は表面絶縁層同士が接続するというものであって、この箇所でも磁気抵抗の増加が少ないことも知見した。
これにより安価で入手がしやすいMn−Zn系フェライトによる磁気コアとして、従来技術と同程度の性能を確保する電流センサを実現した。
続いて電流センサの機能について説明する。
例えば、図1のように紙面手前から裏側の方向で流れている被測定電流Isをフェライトコアでクランプすると、磁束φが矢印の方向に発生する。この磁束φと垂直に交差する位置にホール素子を配置しておくことによって、磁束φの強度、すなわち被測定電流の強度に比例したホール出力電圧が得られる。特に、第4コア部の突き合わせ部は、その断面積が第4中間絶縁層14cの断面積と同等もしくはそれ以下となるように先細り状に形成されているため、磁気回路内を流れる磁束がホール素子3に集中して導かれ、磁電変換効率が高められる。この場合は上記のように第4コア部14から第1コア部11へ磁束が流れる。なお、紙面裏側から紙面手前の方向で流れている被測定電流Isをフェライトコアでクランプすると第1コア部11から第4コア部14へ磁束が流れ、変換部側コア本体、変換部側表面絶縁層、変換部側中間絶縁層、磁電変換部、対向側中間絶縁層、対向側表面絶縁層、および、対向側コア本体を通りように閉磁路が形成されることとなるが、この場合も計測できるのは勿論である。そして、交流電流も計測できる。
続いて電流センサ1の製造について説明する。
まず、第1コア部11の製造について説明する。第1コア本体11aに対して表面処理を行う。表面処理とは平滑な熱酸化面を形成するための基板洗浄である。そして、ホール素子を形成する面に対しては鏡面研磨も行う。この第1コア本体11aはMn−Zn系フェライトを使用する。なお、後述する第2コア部12、第3コア部13、第4コア部14も同じMn−Zn系フェライトを使用する。
続いて、第1表面絶縁層11bを形成する。
第1コア本体11aを電気炉内に入れて、大気雰囲気中で、昇温速度10℃/分、500℃(30分)、自然冷却にて熱酸化法により熱酸化を実施する。これにより、第1コア本体11aの表面から約0.03μm厚みのMnの酸化層が形成され、第1コア本体11aの全面が第1表面絶縁層11bで覆われる。
続いて第1中間絶縁層11cを形成する。
全面が第1表面絶縁層11bで覆われている第1コア本体11aに対し、マグネトロンスパッタ装置にてSiOスパッタ層を0.5μm形成する。これは、第1中間絶縁層11cの形成箇所の孔が空いたマスクで第1表面絶縁層11bを覆った上でマグネトロンスパッタによるスパッタリングを行う工程である。
続いてホール素子3を形成する。
第1中間絶縁層11cの上に、真空蒸着装置にてInSbホール素子であるセンサ部31を形成する。更に、真空蒸着装置にてCu/Cr/Al電極である電極部32を形成する。
続いて第2コア部12を製造する。第2コア本体に対する表面処理、第2表面絶縁層の形成を行う。これらの形成方法は第1コア部11で説明した上記方法と同じである。また、コイル121を取り付ける。
続いて第3コア部13を製造する。第3コア本体に対する表面処理、第3表面絶縁層の形成を行う。これらの形成方法は第1コア部11で説明した上記方法と同じである。
続いて第4コア部14を製造する。第4コア本体14aに対する表面処理、第4表面絶縁層14bの形成、第4中間絶縁層14cの形成を行う。これらの形成方法は第1コア部11で説明した上記方法と同じである。また、コイル141を取り付ける。また、突き合わせ部を先細り形状とする場合は表面処理前に所定形状となるように加工しておく。
続いてコア部を形成する。図1で示すように第1コア部11,第2コア部12,第4コア部14を組み合わせてホール素子3も一体化された組み立て体を形成する。これら磁気コア2およびホール素子3は図示しないホルダ(シールドケース)内に収納され、その後に充填される樹脂によりホルダ内に強固に固定される。摺動する第3コア部13も同様に、ホルダ内に収納され樹脂により固定される、というものである。これにより電流センサ1を搭載した計測装置として機能する。
続いて他の形態について説明する。図4は他の形態の電流センサの説明図、図5はホール素子周囲の拡大図である。
クランプ式の電流センサ1’を構成する磁気コア2’は、図4によれば、巻線が施されて開閉自在に組み合わされるものであり、左右に略L字状の第1コア部15と第3コア部17を配置して略コ字形のコア部とし、これら略コ字形のコア部の両側に略I字形であって第2コア部16を接続して電流センサを形成する。このような構成のクランプ式の電流センサ1’によれば、第2コア部16を摺動操作して被測定電線を導入し、閉方向に再度摺動させた後に、活線状態にある被測定導線の電流の検出を可能にしている。
ここで第1コア部15と第2コア部16とが接続する箇所、第2コア部16と第3コア部17とが接続する箇所、第3コア部17と第1コア部15とが接続する箇所、を突き合わせ部であるものとして以下説明する。また、本発明の変換部側コア部は第1コア部15であり、また、対向側コア部は第3コア部17が、それぞれ該当する。
図4に示すように、第1コア部15には直接ホール素子3が固定される。この第1コア部15には、コイル151が装着されている。第1コア部15の詳細は、図5に示すように、第1コア本体15a、第1表面絶縁層15b、第1中間絶縁層15cを備える。
第1コア本体15aは、Mn−Zn系フェライトにより形成される略L字状の角柱体である。なお、この第1コア本体15aは、本発明の変換部側コア本体に該当する。
第1表面絶縁層15bは、第1コア本体15aを熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり第1コア本体15aの全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低く、表面絶縁のために第1表面絶縁層15bが形成される。なお、少なくともホール素子が搭載される面は鏡面研磨面として形成されている。この第1表面絶縁層15bは、本発明の変換部側表面絶縁層に該当する。
第1中間絶縁層15cは、スパッタ膜(SiO膜)であり、第1コア本体15aにおける第3コア部17への突き合わせ部であってその第1表面絶縁層15bが覆う箇所に設けられる。厚みは約0.5μm程度に形成される。なお、この第1中間絶縁層15cは、本発明の変換部側中間絶縁層に該当する。
第2コア部16は、I字状に形成された角柱体である。第2コア部16は、Mn−Zn系フェライトにより形成される。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低いため、第1コア部15と同様に表面絶縁層が形成される。この表面絶縁層は、第2コア本体16aを熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり、第2コア本体の全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。
第3コア部17は、Mn−Zn系フェライトにより形成される。この第3コア部17には、コイル171が装着されている。
第3コア部17の詳細は、図5に示すように、第3コア本体17a、第3表面絶縁層17b、第3中間絶縁層17cを備える。
第3コア本体17aは、Mn−Zn系フェライトにより形成される略L字状に形成された角柱体である。なお、この第3コア本体17aは、本発明の対向側コア本体に該当する。
第3表面絶縁層17bは、第3コア本体17aを熱酸化して形成する熱酸化膜(MnO膜)であり第3コア本体17aの全面に設けられる。厚みは約0.03μm程度に形成される。Mn−Zn系フェライトは電気抵抗が低く、表面絶縁のために第3表面絶縁層17bが形成される。なお、この第3表面絶縁層17bは、本発明の対向側表面絶縁層に該当する。
第3中間絶縁層17cは、スパッタ膜(SiO膜)であり、第3コア本体17aにおける第1コア部15への突き合わせ部であってその第3表面絶縁層17bが覆う箇所に設けられる。厚みは約0.5μm程度に形成される。なお、この第3中間絶縁層17cは、本発明の対向側中間絶縁層に該当する。
ホール素子3は、図3に示したものと同じであるが、第1中間絶縁層15cの表面に直接形成される。また。接続電極HI1、HI2、HO1、HO2が図示しない導線等によりそれぞれ引き出されている。
このようなホール素子(磁電変換部)3は、図5に示すように、第1コア部15および第3コア部17の各突き合わせ端面間に配置される。このホール素子3は、閉じられた磁気コア2’により形成される閉磁路中に介在配置される。
このように第1コア部15の突き合わせ部と第3コア部17の突き合わせ部とを対向させて第1コア部15と第3コア部17とを組み立てたときに第1コア部15のホール素子3が第3コア部17の第3中間絶縁層17cに当接し、紙面手前から紙面裏側の方向で流れている被測定電流Isをフェライトコアでクランプすると第3コア部17から第1コア部15へ磁束が流れ、第3コア本体17a、第3表面絶縁層17b、第3中間絶縁層17c、ホール素子3、第1中間絶縁層15c、第1表面絶縁層15b、および、第1コア本体15aを通るように閉磁路が形成される。
つまり、本発明のように、変換部側コア部の磁電変換部と対向側コア部の対向側中間絶縁層とを対向当接させて組み立てた磁気コアでは、対向側コア本体、対向側表面絶縁層、対向側中間絶縁層、磁電変換部、変換部側中間絶縁層、変換部側表面絶縁層および変換部側コア本体という磁路を含むように閉磁路が形成される。
なお、紙面裏側から紙面手前の方向で流れている被測定電流Isについては、磁束の方向が逆になるだけで、同様の原理により計測が可能である。
このようなホール素子3は第1コア部15の突き合わせ部と第3コア部17の突き合わせ部との端面間に挟み込まれた状態で図示しないホルダ内に収納され、第1コア部15と第3コア部17とともに樹脂により固定されることになる。なお、製造方法は同様であって重複する説明を省略する。このような電流センサとしても良い。
続いて他の形態について説明する。図6は他の実施形態の電流センサのホール素子周囲の拡大図である。
この形態では、先に図4,5を用いて説明した電流センサ1’の突き合わせ部の双方を先細るように形成したものである。第1コア部15との突き合わせ部周囲と第3コア部17との突き合わせ部周囲とは、磁電変換部を通過する磁束密度を大きくするために端部へ行くにつれて次第に先細るようにそれぞれ傾斜部15d,17dを形成している。このようにして磁気回路内を流れる磁束が磁電変換部に集中して導かれるため、磁電変換効率が高められる。このような電流センサとしても良い。また、第1コア部15との突き合わせ部周囲か第3コア部17との突き合わせ部周囲か何れか一方のみ、磁電変換部を通過する磁束密度を大きくするために端部へ行くにつれて次第に先細るようにしても良い。
以上本発明の電流センサ1,1’について説明した。非常に高価で将来的に入手が困難になることが予想されているNi−Zn系フェライトの代替技術として、安価なMn−Zn系フェライトを使用する電流センサとした。検出感度の結果より、本発明の電流センサはNi−Zn系フェライトを用いた従来技術と同等の検出感度が得られ、絶縁層として有効である。特にフェライトコアがむき出しになるようなデバイスの絶縁層として有効である。
また、磁気コアからなる磁気回路内に磁電変換部(例えばホール素子)との間に介在させる中間絶縁層および表面絶縁層による総合絶縁層の厚みを小さくして磁束検出感度を高め、かつ、総合絶縁層による電気的抵抗も確保するクランプ式の電流センサとすることができる。
なお、表面絶縁層は、対応部位を鏡面研磨により清浄平滑面として形成すると、付着力、製造工程での膜特性の面からは好ましい。また、SiO 膜等の金属酸化膜からなる中間絶縁層は、真空蒸着法、高周波スパッタリング法、化学的気相成長法などの薄膜作製法により作製してもよい。
また、表面絶縁層を薄く形成したため、表面絶縁層同士が当接しても、磁気コアの磁気抵抗がさほど高められることはない。さらにまた、磁気コアと電気回路(測定回路)との絶縁は中間絶縁層も介在させているため絶縁性を高め、充分な検出感度を確保する。
本発明の電流センサおよび電流センサの製造方法は、特にクランプ式の電流センサに適用することができる。
1,1’:電流センサ
2,2’:磁気コア
10:第1コア部
11a:第1コア本体
11b:第1表面絶縁層
11c:第1中間絶縁層
12:第2コア部
121:コイル
13:第3コア部
14:第4コア部
14a:第4コア本体
14b:第4表面絶縁層
14c:第4中間絶縁層
141:コイル
15:第1コア部
15a:第1コア本体
15b:第1表面絶縁層
15c:第1中間絶縁層
15d:傾斜部
151:コイル
16:第2コア部
17:第3コア部
17a:第3コア本体
17b:第3表面絶縁層
17c:第3中間絶縁層
17d:傾斜部
171:コイル
3:ホール素子
31:センサ部
32:電極部

Claims (10)

  1. 磁電変換部が磁気コアの閉磁路内に配設されており、前記閉磁路内に導入されて貫通する活線状態の被測定導線の電流に応じて前記閉磁路に磁束が流れ、前記磁電変換部がこの磁束に応じた検出信号を出力するクランプ式の電流センサであって、
    変換部側突き合わせ部を含む変換部側コア本体と、前記変換部側コア本体の全体を覆う変換部側表面絶縁層と、前記変換部側突き合わせ部の前記変換部側表面絶縁層上に設けられる変換部側中間絶縁層と、を有し、前記変換部側中間絶縁層上に前記磁電変換部が直接形成される変換部側コア部と、
    対向側突き合わせ部を含む対向側コア本体と、前記対向側コア本体の全体を覆う対向側表面絶縁層と、前記対向側突き合わせ部の前記対向側表面絶縁層上に設けられる対向側中間絶縁層と、を有する対向側コア部と、
    を備えており、
    前記磁電変換部と前記対向側中間絶縁層とを対向当接させて組み立てた磁気コアでは、前記対向側コア本体、前記対向側表面絶縁層、前記対向側中間絶縁層、前記磁電変換部、前記変換部側中間絶縁層、前記変換部側表面絶縁層および前記変換部側コア本体を通るように閉磁路が形成されることを特徴とする電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサにおいて、
    前記変換部側コア本体および前記対向側コア本体はMn−Zn系高透磁率磁性材料により形成されるコア本体であり、
    前記変換部側表面絶縁層および前記対向側表面絶縁層は熱酸化により形成されるMnO酸化膜であり、
    前記変換部側中間絶縁層および前記対向側中間絶縁層はスパッタにより形成される金属酸化膜であることを特徴とする電流センサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電流センサにおいて、
    前記磁電変換部は、前記変換部側中間絶縁層上に製膜されたInSb薄膜からなるセンサ部と、前記センサ部から引き出された金属薄膜からなる電極と、を有するホール素子であることを特徴とする電流センサ。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
    前記変換部側コア本体は、少なくとも前記磁電変換部の搭載面を鏡面研磨による清浄平滑面としていることを特徴とする電流センサ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
    前記変換部側突き合わせ部または前記対向側突き合わせ部の少なくとも一方は先細り状に形成され、前記磁気コアに流れる磁束を前記磁電変換部に集中させることを特徴とする電流センサ。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
    前記変換部側コア部の前記変換部側コア本体は、略I字状に形成される一本のコア本体であり、
    前記対向側コア部の前記対向側コア本体は、略I字状に形成される一本のコア本体であり、
    前記変換部側コア部および前記対向側コア部と、略I字状の他の2本のコア部と、を組み合わせて前記磁気コアが略ロ字状に形成されることを特徴とする電流センサ。
  7. 請求項1〜請求項5の何れか一項に記載の電流センサにおいて、
    前記変換部側コア部の前記変換部側コア本体は、略L字状に形成される1個のコア本体であり、
    前記対向側コア部の前記対向側コア本体は、略L字状に形成される1個のコア本体であり、
    前記変換部側コア部および前記対向側コア部と、略I字状の他の1本のコア部と、を組み合わせて前記磁気コアが略ロ字状に形成されることを特徴とする電流センサ。
  8. 請求項1〜請求項7の何れかの電流センサの製造方法であって、
    前記変換部側コア部の前記変換部側コア本体の全体の表面処理を行う工程と、
    前記変換部側コア本体の表面全体に熱酸化により前記変換部側表面絶縁層を形成する工程と、
    前記変換部側コア本体の前記変換部側突き合わせ部上の前記変換部側表面絶縁層にスパッタリングにより前記変換部側中間絶縁層を形成する工程と、
    前記変換部側中間絶縁層の表面に前記磁電変換部を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電流センサの製造方法。
  9. 請求項8記載の電流センサの製造方法において、
    前記変換部側表面絶縁層を形成する工程は、大気雰囲気中で500℃で30分間の熱酸化を行う工程であることを特徴とする電流センサの製造方法。
  10. 請求項8または請求項9記載の電流センサの製造方法において、
    前記変換部側中間絶縁層を形成する工程は、前記変換部側中間絶縁層の形成箇所の孔が空いたマスクで前記変換部側表面絶縁層を覆った上でマグネトロンスパッタによるスパッタリングを行う工程であることを特徴とする電流センサの製造方法。
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