JP2000111378A - 流量センサ及び流量センサの製造方法 - Google Patents

流量センサ及び流量センサの製造方法

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JP2000111378A
JP2000111378A JP10283821A JP28382198A JP2000111378A JP 2000111378 A JP2000111378 A JP 2000111378A JP 10283821 A JP10283821 A JP 10283821A JP 28382198 A JP28382198 A JP 28382198A JP 2000111378 A JP2000111378 A JP 2000111378A
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heat
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JP10283821A
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Yuichi Sakai
裕一 坂井
Akira Yamashita
彰 山下
Kazuhiko Tsutsumi
和彦 堤
Masahiro Kawai
正浩 河合
Tomoya Yamakawa
智也 山川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝達現象に基づいて流体の流量を計測する
流量センサ並びにセンサ素子の製造方法に関し、ダイヤ
フラムから基材への熱絶縁を図り、感度低下や応答性の
低下を起こさない流量センサ並びに製造方法を提供す
る。 【解決手段】 この流量センサは、少なくとも熱抵抗体
及び該熱抵抗体を支持する支持膜からなるダイヤフラム
構造部、並びに該ダイヤフラム構造部の下面側を支持す
る支持基材を有してなる流量センサであって、支持基材
はダイヤフラム構造部の下面側の熱抵抗体領域の周囲を
包囲して、高さ方向について底面側が開口する熱絶縁部
空間を形成しており、該熱絶縁部空間は、支持膜が露出
する深領域と、支持基材が高さ方向について部分的に残
っている浅領域とからなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体又は発熱体
によって加熱された部分から流体への熱伝達現象に基づ
いて該流体の流速ないしは流量を計測する流量センサ、
並びに流量センサに用いられる流量センサの製造方法に
関するものである。本発明の流量センサは、種々の流
体、例えば気体及び液体の流量、好ましくは気体、特に
空気、その他の混合気体などの流量を測定するために用
いることができる。本発明の流量センサは、例えば内燃
機関の吸入空気量の計測等に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】流体の流速ないしは流量と、該流体中に
配置された発熱体から流体への熱伝達量との間に成立す
るほぼ一義的な関数関係を利用して、該熱伝達量に基づ
いて流体の流速ないしは流量を検出するようにした感熱
式流量センサ、あるいは該流量センサを用いた流量セン
サは、従来より内燃機関の吸入空気量の検出等に広く用
いられている。
【0003】図9及び図10は、それぞれ、例えば特公
平5−7659号公報に開示されている従来の感熱式流
量センサの立面断面図及び平面図である。図9及び図1
0において、1はシリコン半導体よりなる平板状基材で
あり、2は窒化シリコンよりなる絶縁性の支持膜であ
り、4は感熱抵抗であるパーマロイよりなる発熱抵抗で
あり、5及び6はそれぞれ感熱抵抗であるパーマロイよ
りなる測温抵抗である。また、3は窒化シリコンよりな
る絶縁性の保護膜である。発熱抵抗4及び両測温抵抗
5、6の着膜部近傍において平板状基材1には空気スペ
ース9が設けられ、これによりブリッジ13が形成され
ている。尚、図9において、発熱抵抗4及び測温抵抗5
・6を明示してはいないが、これらは支持膜2と保護膜
3との間において、それぞれ符号4、5及び6で示す領
域に存在している。空気スペース9は、窒化シリコンに
損傷を与えないエッチング液を用いて開口部8からシリ
コン半導体の一部を除去することにより形成されてい
る。両測温抵抗5、6は、発熱抵抗4を挟んで計測流体
の流れの方向に平面的に並んでいる。なお、7は感熱抵
抗であるパーマロイよりなる比較抵抗である。
【0004】このような従来の流量センサでは、発熱抵
抗4に通電する加熱電流が、図示していない制御回路に
よって、例えば比較抵抗7で検出された平板状基材1の
温度より200℃だけ高い一定の温度になるように制御
されている。ここで、発熱抵抗4の下方には空気スペー
ス9が存在するので、発熱抵抗4で発生した熱はほとん
ど比較抵抗7には伝達されず、したがって比較抵抗7の
温度は空気の温度とほぼ等しくなっている。
【0005】発熱抵抗4で発生した熱は、支持膜2や保
護膜3あるいは熱抵抗体を介して測温抵抗5、6に伝達
される。図10に示すように、測温抵抗5と測温抵抗6
とは、発熱抵抗4に対して互いに対称な位置に配置され
ているので、空気の流れがない場合は、測温抵抗5と測
温抵抗6の抵抗値に差は生じない。しかしながら、空気
の流れがある場合は、上流側の測温抵抗は空気によって
冷却され、他方下流側の測温抵抗は発熱抵抗4から空気
に伝達された熱の影響により上流側の測温抵抗ほどは冷
却されない。例えば、矢印10で示す方向の空気の流れ
が生じた場合は、上流側の測温抵抗5は下流側の測温抵
抗6よりも低温となり、両者の抵抗値の差は、空気の流
速ないしは流量が大きいときほど拡大される。したがっ
て、測温抵抗5と測温抵抗6の抵抗値の差を検出するこ
とにより、空気の流速ないしは流量を測定することがで
きる。また、空気の流れの方向が矢印10と逆になった
場合は、上流側の測温抵抗6の方が下流側の測温抵抗5
より低温になるので、空気の流れの方向を検出すること
も可能である。
【0006】図9及び図10に示す従来の流量センサは
ブリッジタイプの感熱式流量センサであるが、このほか
ダイヤフラムタイプの感熱式流量センサも従来より広く
用いられている。図11及び図12は、それぞれ、従来
のダイヤフラムタイプの感熱式流量センサの立面断面図
及び平面図である。図11及び図12において、1〜1
0の各構成要素は、それぞれ、図9及び図10に示すブ
リッジタイプの流量センサの同一番号を付した構成要素
と実質的に同じものである。そして、12は、平板状基
材1の支持膜2が取り付けられた方の表面とは反対側の
表面から該平板状基材1の一部をエッチング等により除
去することにより形成された凹部である。したがって、
支持膜2と保護膜3とは、発熱抵抗4及び両測温抵抗
5、6を挟んでダイヤフラム14を形成することにな
る。このような構成によれば、図9及び図10に示すブ
リッジタイプの流量センサに比べて、高い強度を得るこ
とができるものの、ダイヤフラム14が全周で支持され
ている関係上応答性が劣るといった特徴がある。なお、
空気の流速ないしは流量の検出原理は、前記のブリッジ
タイプの流量センサの場合と同様である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のダイヤフラム構造を持つ流量センサにおいては、
ダイヤフラムが周囲4辺で基材と接触しているため、発
熱抵抗により生じた熱が、ダイヤフラムを通して基材の
方へ伝導し、流量特性上の感度低下や、応答性の低下が
おきるといった問題点があった。また、ダイヤフラムを
極力大きくすれば、ある程度の感度低下防止になるが、
そのかわりダイヤフラムの強度が非常に小さくなるとい
う問題点があった。
【0008】この発明は、上記従来の問題を解決するた
めになされたものであって、ダイヤフラムから基材への
熱絶縁を図り、感度低下や応答性の低下をできるだけ小
さく留めることができる流量センサを提供すること、さ
らにはかかる流量センサを簡単な製造工程で製造するこ
とができる製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされたこの発明の第1の態様に係る流量センサ
は、少なくとも熱抵抗体及び該熱抵抗体を支持する支持
膜からなるダイヤフラム構造部、並びに該ダイヤフラム
構造部の下面側を支持する支持基材を有してなる流量セ
ンサであって、支持基材はダイヤフラム構造部の下面側
の熱抵抗体領域の周囲を包囲して、高さ方向について底
面側が開口する熱絶縁部空間を形成しており、該熱絶縁
部空間は、支持膜が露出する深領域と、支持基材が高さ
方向について部分的に残っている浅領域とからなること
を特徴とする。
【0010】この流量センサにおいては、ダイヤフラム
構造部の下面側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領
域からなる熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体
で発熱した熱量が、基材に流れる量を少なくし、熱絶縁
をとるようにできる。このため、流量センサの感度向上
と応答性向上が図れる。また、浅領域の存在により、深
領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることが
できる。
【0011】この発明の第2の態様に係る流量センサ
は、第1の態様に係る流量センサにおいて、熱絶縁部空
間が、支持基材に隣接して設けられている深領域及び支
持基材に隣接して設けられている浅領域を有することを
特徴とする。
【0012】この流量センサにおいては、ダイヤフラム
構造部の下面側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領
域からなる熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体
で発熱した熱量が、基材に流れる量を少なくし、熱絶縁
をとるようにできる。このため、流量センサの感度向上
と応答性向上が図れる。また、浅領域の存在により、深
領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることが
できる。
【0013】この発明の第3の態様に係る流量(流体温
度)センサは、少なくとも熱抵抗体及び該熱抵抗体を支
持する支持膜からなるダイヤフラム構造部、並びに該ダ
イヤフラム構造部の下面側を支持する支持基材を有して
なる流量センサであって、支持膜上に温度センサを有し
ており、支持基材はダイヤフラム構造部の下面側の熱抵
抗体領域の周囲を包囲して、高さ方向について底面側が
開口する熱絶縁部空間を形成しており、該熱絶縁部空間
は、支持膜が露出する深領域と、支持基材が高さ方向に
ついて部分的に残っている浅領域とからなることを特徴
とする。
【0014】この流量センサにおいては、ダイヤフラム
構造部の下面側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領
域からなる熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体
で発熱した熱量が、基材を通して温度センサに流れる量
を少なくし、熱絶縁をとるようにできる。このため、流
量センサの精度や温度特性向上が図れる。また、浅領域
の存在により、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の
向上を図ることができる。
【0015】この発明の第4の態様に係る流量センサ
は、第1の態様に係る流量センサにおいて、熱絶縁部空
間が、支持基材に隣接して設けられている深領域及び支
持基材に隣接して設けられている浅領域を有することを
特徴とする。この流量センサにおいては、ダイヤフラム
構造部の下面側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領
域からなる熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体
で発熱した熱量が、基材を通して温度センサに流れる量
を少なくし、熱絶縁をとるようにできる。このため、流
量センサの精度や温度特性向上が図れる。また、浅領域
の存在により、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の
向上を図ることができる。
【0016】この発明の第5の態様に係る流量センサの
製造方法は、上記の第1〜4のいずれかの態様に係る流
量センサを製造する方法であって、平板状基材の上面側
に支持膜を積層し、該支持膜の上面側に熱抵抗体領域を
設け、熱抵抗体領域を含む支持膜の上面側に保護膜を積
層することによって平板状基材上にダイヤフラム構造部
を形成するステップ、平板状基材の下面側において、熱
抵抗体領域及びその周囲の領域の少なくとも一部を第一
の非マスキング領域として、第一の非マスキング領域を
除く領域に第一のマスキングをする第一のマスキングス
テップ、第一のマスキングに従って第一のエッチングを
行うステップ、第一のマスキングを除去するステップ、
第一の非マスキング領域よりも広い領域を第二の非マス
キング領域として、第二の非マスキング領域を除く領域
に第二のマスキングをする第二のマスキングステップ、
並びに第二のマスキングに従って第二のエッチングを行
い、深領域及び浅領域を有する熱絶縁部空間を形成する
第二のエッチングステップを含んでなることを特徴とす
る。
【0017】この製造方法においては、本発明の請求項
1〜4のいずれかに係る流量センサを容易に製造するこ
とができる。また、ダイヤフラム構造部の下面側に、深
領域とこの深領域よりも浅い浅領域からなる熱絶縁部空
間を有することにより、熱抵抗体で発熱した熱量が、基
材に流れる量を少なくし、熱絶縁をとるようにできる。
このため、流量センサの感度向上と応答性向上が図れ
る。また、浅領域の存在により、深領域の強度を落とす
ことなく熱絶縁の向上を図ることができるような構造を
簡単なプロセスで得ることができる。またこの手法は感
熱センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能である。
【0018】この発明の第6の態様に係る流量センサ
は、第一の非マスキング領域を、熱抵抗体領域及びその
周囲の領域において2以上の部分に設定することを含む
ことを特徴とする。
【0019】この製造方法においては、基材の熱抵抗体
が配設される側とは反対側に、深領域とこの深領域より
も浅い浅領域からなる熱絶縁部空間を有することによ
り、熱抵抗体で発熱した熱量が、基材に流れる量を少な
くし、熱絶縁をとるようにできる。このため、流量セン
サの感度向上と応答性向上が図れる。また、浅領域の存
在により、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上
を図ることができるような構造を簡単なプロセスで得る
ことができる。またこの手法は感熱センサの熱絶縁を図
る目的にも使用可能である。
【0020】この発明の第7の態様に係る流量センサの
製造方法は、上記の第1〜4のいずれかの態様に係る流
量センサを製造する方法であって、平板状基材の上面側
の所定の領域を不純物拡散領域として、この領域に不純
物を拡散するステップ、平板状基材において不純物拡散
領域を設けた側の表面に支持膜を積層し、該支持膜の上
面側に熱抵抗体領域を設け、熱抵抗体領域を含む支持膜
の上面側に保護膜を積層するステップ、平板状基材にお
いて不純物拡散領域を設けていない側の面の所定領域を
マスキングするステップ、並びに該マスキングに従って
エッチングを行うステップを含んでなることを特徴とす
る。
【0021】この製造方法においては、基材の熱抵抗体
が配設される側とは反対側に、深領域とこの深領域より
も浅い浅領域からなる熱絶縁部空間を有することによ
り、熱抵抗体で発熱した熱量が、基材に流れる量を少な
くし、熱絶縁をとるようにできる。このため、流量セン
サの感度向上と応答性向上が図れる。また、浅領域の存
在により、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上
を図ることができるような構造を簡単なプロセスで得る
ことができる。裏面からのエッチングも1回で済むた
め、歩留まりも向上させることができる。またこの手法
は感熱センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能である。
【0022】この発明の第8の態様に係る流量センサの
製造方法は、不純物がホウ素であることを特徴とする。
【0023】この製造方法においては、基材の熱抵抗体
が配設される側とは反対側に、深領域とこの深領域より
も浅い浅領域からなる熱絶縁部空間を有することによ
り、熱抵抗体で発熱した熱量が、基材に流れる量を少な
くし、熱絶縁をとるようにできる。このため、流量セン
サの感度向上と応答性向上が図れる。また、浅領域の存
在により、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上
を図ることができるような構造を簡単なプロセスで得る
ことができる。また、裏面からのエッチングも1回で済
むため、歩留まりも向上させることができる。さらに、
ドーパントにホウ素を使用しているため、コスト面、安
全面でも有利である。またこの手法は感熱センサの熱絶
縁を図る目的にも使用可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1(a)は、こ
の発明の実施の形態1に係る流量センサの平面図を示し
ており、図1(b)はその正面断面図を、図1(c)は
その側面断面図である。図1において、1は例えば厚さ
約400μmのシリコンウェハからなる支持基材であ
り、この支持基材1の上面側に、厚さ約1μmの窒化シ
リコン膜からなる絶縁性の支持膜2がスパッタ法等によ
り形成されている。尚、本明細書において上面側と称す
る場合、図1(b)に示すような正面断面図において平板
状基材1及び/又は支持膜2の上側に位置する表面を意
味する。従って、当然ながら、下面側とは、図1(b)に
示すような正面断面図において平板状基材1の下側に位
置する表面を意味する。支持膜2は、例えばスパッタ法
等により形成することができる。更に、支持膜2の上面
側のほぼ中央部には、例えば厚さ0.2μmの白金等よ
りなる熱抵抗体が着膜されて熱抵抗体領域11を形成し
ている。熱抵抗体領域11は、基本的には、少なくとも
1つの抵抗を含んで形成される。1つの抵抗を用いる場
合には、その抵抗が発熱抵抗及び測温抵抗の役割を果た
すようにする。例えば、この抵抗に所定の電流を通じて
おき、流体が接触すると熱伝達現象に基づいて抵抗の温
度及び電流値が変化し、その温度及び電流値の変化に基
づいて流体の流量を計算し測定することができる。尤
も、熱抵抗体領域11に用いる抵抗の数を2以上とし、
少なくとも1つの発熱抵抗及び少なくとも1つの測温抵
抗を設けるようにすれば、測定精度をより向上させるこ
とができる。更に、熱抵抗体領域11には、比較抵抗を
配することもできる。感熱抵抗膜を着膜させるには、蒸
着法やスパッタ法等を用いることができる。熱抵抗体領
域11は写真製版法、ウェットエッチング法あるいはド
ライエッチング法等を用いてパターニングが行われ、こ
れにより電流路が形成されている。本発明の第1の態様
は、流体の流量を測定するという目的を達成するための
基本的構成として、以上説明したように熱抵抗体領域1
1を上面側に有する支持膜2からなるダイヤフラム構造
部を用いるものである。
【0025】但し、実用的には、熱抵抗体領域11が露
出していると、流体が熱抵抗体領域11と直接接触する
ことによって、熱抵抗体領域11が物理的及び/又は化
学的損傷を受けやすくなるため、熱抵抗体領域11を保
護するための被覆を用いることが好ましい。従って、よ
り実用的な形態では、図1において示しているように、
熱抵抗体領域11及び支持膜2の上面側に、厚さ約1μ
mの窒化シリコン膜からなる絶縁性の保護膜3がスパッ
タ法等により形成されていることが好ましい。平板状基
材1の下面側において形成された裏面保護膜16に、写
真製版法等を用いて熱抵抗体領域11の周囲を包囲する
ようにエッチングホールが形成された後、例えばアルカ
リエッチング等を施すことにより基材1の一部が除去さ
れて、熱抵抗体11からの熱を絶縁する略凹部からなる
熱絶縁部空間が形成される。エッチングホールの大きさ
を変えてこれを2回繰り返すことにより、この熱絶縁部
空間は、深領域17とこの深領域よりも浅い浅領域18
を有することができる。なお、この深領域17と浅領域
18は熱抵抗体11からの熱ができるだけ基材1に伝わ
らないようにするため、両者ともできる限り深いことが
望ましい。この実施の形態では深領域17は基材1をす
べて除去してダイヤフラム構造部14が残るのみとし
て、浅領域18は基材1のシリコンが高さ方向について
ダイヤフラム構造部から下方に約50μmの高さで残る
ような構造とした。尚、本明細書において高さ方向と称
する場合、図1(b)に示すような正面断面図における上
下方向を意味する。従って、支持基材はダイヤフラム構
造部の下面側の熱抵抗体領域の周囲を包囲して、高さ方
向について底面側が開口する熱絶縁部空間を形成してい
るとは、平板状基材1をエッチングすることによって、
平板状基材1の中央部が平面図で見てほぼ四角形状にく
りぬかれて熱絶縁部空間が形成され、更に熱絶縁部空間
の側方の周囲は残っている支持基材1によって包囲さ
れ、熱絶縁部空間の上面側はダイヤフラム構造部14に
よって塞がれており、熱絶縁部空間の底面側は開口して
いることを意味する。尚、本明細書において、深領域及
び浅領域という用語は、例えば図1(b)に示すように熱
絶縁部空間の高さが二段階に分かれている場合に、図に
おいて17で示す領域のように空間としての高さが高い
方(従って、凹部としての深さが深い方)の領域を深領
域と称し、18で示す領域のように空間としての高さが
低い方(従って、凹部としての深さが浅い方)の領域を
浅領域と称しており、空間としての高さ又は凹部として
の深さが少なくとも二段階に分かれる場合の相対的な表
現である。また、 図1(a)に示す態様では、ダイヤフ
ラム構造部上において熱抵抗体11が設けられている領
域は、内側の破線で囲まれているほぼ四角形の領域であ
り、この領域を本明細書においては熱抵抗体領域と称す
る。
【0026】図1に示すように、ダイヤフラム構造部1
4の下面側に、深領域及び浅領域からなる熱絶縁部空間
を有することにより、熱抵抗体11で発熱した熱量が、
基材1に流れる量を少なくし、熱絶縁をとるようにでき
る。このため、流量センサの感度向上と応答性向上が図
れる。また、浅領域18の存在により、深領域であるダ
イヤフラム14の強度をあまり低下させることなく熱絶
縁の向上を図ることができる。
【0027】実施の形態2.図2は、この発明の実施の
形態2に係る流量センサの平面図(a)並びに正面断面図
(b)及び側面断面図(c)である。図2において、1は例
えば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる基材で
あり、この基材1の上に、厚さ約1μmの窒化シリコン
膜からなる絶縁性の支持膜2がスパッタ法等により形成
されている。さらに、支持膜2の上に、例えば厚さ0.
2μmの白金等よりなる熱抵抗体11(発熱抵抗、測温
抵抗、比較抵抗等の発熱部)が蒸着法やスパッタ法等に
より着膜されている。熱抵抗体11は写真製版法、ウェ
ットエッチング法あるいはドライエッチング法等を用い
てパターニングが行われ、これにより電流路が形成され
ている。さらに、厚さ約1μmの窒化シリコン膜からな
る絶縁性の保護膜3がスパッタ法等により形成されてい
る。
【0028】基材1の熱抵抗体11が配設される側とは
反対側の表面(裏面)に形成された裏面保護膜16に、
写真製版法等を用いてエッチングホールが形成された
後、例えばアルカリエッチング等を施すことにより基材
1の一部が除去されて、熱抵抗体11からの熱を絶縁す
る略凹部からなる熱絶縁部空間が形成される。エッチン
グホールの大きさを変えてこれを2回繰り返すことによ
り、この熱絶縁部空間は、深領域17とこの深領域より
も浅い浅領域18を有することができる。なお、この深
領域17と浅領域18は熱抵抗体11からの熱ができる
だけ基材1に伝わらないようにするため、両者ともでき
る限り深いことが望ましい。この実施の形態では深領域
17をダイヤフラム14が残るのみとし、浅領域18を
基材1のシリコンが約50μm残るような構造とした。
更に、この形態では、図2(b)の正面断面は、熱絶縁部
空間が深領域17と浅領域18とを有し、図2(c)の側
面断面は、熱絶縁部空間が浅領域18を有さず深領域1
9のみを有するように構成されている。即ち、正面断面
において熱絶縁部空間は、ダイヤフラム構造部14が下
面側に露出する深領域17と、周囲を包囲する支持基材
1との間に、その中間的な高さを有する浅領域18を有
しているが、側面断面において熱絶縁部空間は、ダイヤ
フラム構造部14が下面側に露出する深領域17と周囲
を包囲する支持基材1とが隣接しており、深領域17の
平面形状は長方形状となる構成となっている。この長方
形の深領域17はその長い辺が、熱抵抗体11の配置の
長手方向と同じ方向となり、熱抵抗体11と接触又は重
なることはない。この構成によれば、熱抵抗体11が細
長い場合等に、深領域がそれに合致するように基材及び
ダイヤフラム構造部を形成すると、基材及びセンサの寸
法を小さくすることができる。
【0029】図2に示すように、基材1の熱抵抗体11
が配設される側とは反対側に、深領域とこの深領域より
も浅い浅領域からなる熱絶縁部空間を有することによ
り、熱抵抗体11で発熱した熱量が、基材1に流れる量
を少なくし、熱絶縁をとるようにできる。このため、流
量センサの感度向上と応答性向上が図れる。また、浅領
域18の存在により、深領域であるダイヤフラム14の
強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることができ
る。また、長手方向に深領域をとることにより、基材サ
イズを小さくすることができる。
【0030】実施の形態3.図3は、この発明の実施の
形態3に係る流量センサの平面図(a)並びに正面断面図
(b)及び側面断面図(c)である。図3において、1は例
えば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる基材で
あり、この基材1の上に、厚さ約1μmの窒化シリコン
膜からなる絶縁性の支持膜2がスパッタ法等により形成
されている。さらに、支持膜2の上に、例えば厚さ0.
2μmの白金等よりなる温度センサ膜19が蒸着法やス
パッタ法等により着膜されている。温度センサ膜19は
写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッ
チング法等を用いてパターニングが行われ、これにより
電流路が形成されている。さらに、厚さ約1μmの窒化
シリコン膜からなる絶縁性の保護膜3がスパッタ法等に
より形成されている。
【0031】基材1の温度センサ膜19が配設される側
とは反対側の表面(裏面)に形成された裏面保護膜16
に、写真製版法等を用いてエッチングホールが形成され
た後、例えばアルカリエッチング等を施すことにより基
材1の一部が除去されて、温度センサ膜19へ基材1を
通して外部から伝わる熱(例えば、図示していないが、
熱抵抗体11によるヒーターからの熱伝達等)を絶縁す
る略凹部からなる熱絶縁部が形成される。エッチングホ
ールの大きさを変えてこれを2回繰り返すことにより、
この熱絶縁部は、深領域17とこの深領域よりも浅い浅
領域18を有することができる。温度センサ膜19へ基
材1を通して外部から伝わる熱をできるだけ少なくする
ため、両者ともできる限り深いことが望ましい。この実
施の形態では深領域17をダイヤフラム14が残るのみ
とし、浅領域18を基材1のシリコンが約50μmのこ
るような構造とした。
【0032】図3に示すように、基材1の温度センサ膜
19が配設される側とは反対側に、深領域とこの深領域
よりも浅い浅領域からなる熱絶縁部空間を有することに
より、熱抵抗体11で発熱した熱量が、基材1を通して
温度センサ膜19に流れる量を少なくし、熱絶縁をとる
ようにできる。このため、流量センサの精度や温度特性
向上が図れる。また、浅領域18の存在により、深領域
であるダイヤフラム14の強度をあまり落とすことなく
熱絶縁の向上を図ることができる。また、この形態で
は、ダイヤフラム構造部14を構成する支持膜2上に温
度センサ19を設けるが、支持膜2上には実施の形態1
において説明したような感熱抵抗部(図示せず)も同時
に備えることができ、温度センサと感熱抵抗部とは、温
度センサが感熱抵抗部の発する熱によって直接影響を受
けない程度の近傍に設けることができる。このような構
成の流量センサによれば、流体の流量と、測定の対象と
なっている流体の温度とを同時に測定することができ
る。
【0033】実施の形態4.図4は、この発明の実施の
形態4に係る流量センサの平面図(a)並びに正面断面図
(b)及び側面断面図(c)である。図4において、1は例
えば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる基材で
あり、この基材1の上に、厚さ約1μmの窒化シリコン
膜からなる絶縁性の支持膜2がスパッタ法等により形成
されている。さらに、支持膜2の上に、例えば厚さ0.
2μmの白金等よりなる温度センサ膜19が蒸着法やス
パッタ法等により着膜されている。温度センサ膜19は
写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッ
チング法等を用いてパターニングが行われ、これにより
電流路が形成されている。さらに、厚さ約1μmの窒化
シリコン膜からなる絶縁性の保護膜3がスパッタ法等に
より形成されている。
【0034】基材1の温度センサ膜19が配設される側
とは反対側の表面(裏面)に形成された裏面保護膜16
に、写真製版法等を用いてエッチングホールが形成され
た後、例えばアルカリエッチング等を施すことにより基
材1の一部が除去されて、温度センサ膜19へ基材1を
通して外部から伝わる熱(例えば、図示していないが、
熱抵抗体11によるヒーターからの熱伝達等)を絶縁す
る略凹部からなる熱絶縁部が形成される。エッチングホ
ールの大きさを変えてこれを2回繰り返すことにより、
この熱絶縁部は、深領域17とこの深領域よりも浅い浅
領域18を有することができる。なお、この深領域17
と浅領域18は、温度センサ膜19へ基材1を通して外
部から伝わる熱をできるだけ少なくするため、両者とも
できる限り深いことが望ましい。この実施の形態では深
領域17をダイヤフラム14が残るのみとし、浅領域1
8を基材1のシリコンが約50μmのこるような構造と
した。さらにこの深領域17は熱抵抗体パターンの長手
方向に対して長く、その両端では浅領域18を持たない
構造である。
【0035】図4に示すように、基材1の温度センサ膜
19が配設される側とは反対側に、深領域とこの深領域
よりも浅い浅領域からなる熱絶縁部空間を有することに
より、熱抵抗体11で発熱した熱量が、基材1を通して
温度センサ膜19に流れる量を少なくし、熱絶縁をとる
ようにできる。このため、流量センサの精度や温度特性
向上が図れる。また、浅領域18の存在により、深領域
であるダイヤフラム14の強度を落とすことなく熱絶縁
の向上を図ることができる。さらに長手方向に深領域を
とることにより、基材サイズが小さくできる。また、こ
の形態では、ダイヤフラム構造部14を構成する支持膜
2上に温度センサ19を設けるが、支持膜2上には実施
の形態1において説明したような感熱抵抗部(図示せ
ず)も同時に備えることができ、温度センサと感熱抵抗
部とは、温度センサが感熱抵抗部の発する熱によって直
接影響を受けない程度の近傍に設けることができる。こ
のような構成の流量センサによれば、流体の流量と、測
定の対象となっている流体の温度とを同時に測定するこ
とができる。
【0036】実施の形態5.図5(a)〜(d)は、そ
れぞれ、この発明の実施の形態5に係る流量センサの製
造途上における立面断面図であり、該流量センサの製造
工程を順次示している。図5(a)〜(d)において、
1は例えば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる
平板状基材であり、この平板状基材1の上に、厚さ約1
μmの窒化シリコン膜からなる支持膜2がスパッタ法等
により形成されている。支持膜2の上に、白金等よりな
る熱抵抗体11が蒸着法やスパッタ法等により着膜され
る。写真製版法、ウェットエッチング法あるいはドライ
エッチング法等を用いてパターニングが行われ、これに
より電流路が形成されて熱抵抗体領域が形成される。さ
らに、熱抵抗体11ないし支持膜2の上に、厚さ約1.
0μmの窒化シリコン膜からなる保護膜3がスパッタ法
等により形成される。
【0037】その後、平板状基材1において、ダイヤフ
ラム構造部14の熱抵抗体領域及びその周囲の領域の下
面側を第一の非マスキング領域として、平板状基材1の
下面側の第一の非マスキング領域を除く領域に対して、
裏面保護膜16をパターニングして第一のマスキングを
する。(図5a)。その後、ウエットエッチング法等に
より、第一のエッチングを約50μmの深さに行う(図
5(b))。その後、第一のエッチングを除去する。その
後、第一の非マスキング領域を含み、その周囲に広がる
領域を第二の非マスキング領域として、平板状基材1の
下面側の第二の非マスキング領域を除く領域に対して、
裏面保護膜16’をパターニングして第二のマスキング
をする(図5(c))。従って第二の非マスキング領域に
凹部(熱絶縁部空間)形成のための窓を設けることにな
る。その後、ウエットエッチング法等により、第二のエ
ッチングを施し、図5(d)に示すような深領域17と
浅領域18を持つような熱絶縁部空間を形成する。尚、
マスキングは、レジスト、シリコン酸化膜、シリコン窒
化膜、シリコン酸窒化膜等を用いて行うことができる。
【0038】かくして、図5(a)〜(d)に示すよう
に、ダイヤフラム構造部14の下面側に、深領域と浅領
域からなる熱絶縁部空間を有する流量センサを簡易に製
造することができる。かかる流量センサは、熱抵抗体1
1で発熱した熱量が、基材1に流れる量を少なくし、熱
絶縁をとるようにできる。このため、流量センサの感度
向上と応答性向上が図れる。また、浅領域18の存在に
より、深領域であるダイヤフラム14の強度を落とすこ
となく熱絶縁の向上を図ることができるような構造を簡
単なプロセスで得ることができる。またこの手法は感熱
センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能である。
【0039】実施の形態6.図6(a)〜(d)は、そ
れぞれ、この発明の実施の形態6に係る流量センサの製
造途上における立面断面図であり、該流量センサの製造
工程を順次示している。図6(a)〜(d)において、
1は例えば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる
平板状基材であり、この平板状基材1の上に、厚さ約1
μmの窒化シリコン膜からなる支持膜2がスパッタ法等
により形成されている。支持膜2の上に、全面的に、白
金等よりなる熱抵抗体11が蒸着法やスパッタ法等によ
り着膜される。写真製版法、ウェットエッチング法ある
いはドライエッチング法等を用いてパターニングが行わ
れ、これにより電流路が形成されて熱抵抗体領域が形成
される。さらに、熱抵抗体11ないし支持膜2の上に、
厚さ約1.0μmの窒化シリコン膜からなる保護膜3が
スパッタ法等により形成される。
【0040】その後、平板状基材1において、ダイヤフ
ラム構造部14の熱抵抗体領域及びその周囲の領域の下
面側に第一の非マスキング領域を設けるが、図6(a)
に示す形態では第一の非マスキング領域は3つの部分に
分かれて設けられている。その後、平板状基材1の下面
側において、この第一の非マスキング領域を除く領域に
対して、裏面保護膜16をパターニングして第一のマス
キングをする(図5a)。例えば図6(a)の場合は、
平板状基材1の左右両端につながる左右の長い2つの部
分の裏面保護膜16・16と、平面方向に見て熱抵抗体
領域と重なる領域に比較的短い2つの部分の裏面保護膜
16・16とが形成されている。この裏面保護膜16が
形成されていない部分が、上述した第一の非マスキング
領域である。その後、ウエットエッチング法等により、
第一のエッチングを約50μmの深さに行う(図6
(b))。その後、第一のエッチングを除去する。その
後、第一の非マスキング領域を含み、その周囲に広がる
領域を第二の非マスキング領域とする。即ち、図6
(c)に示すように、平板状基材1の下面側において、
熱抵抗体領域及びその周囲の領域であって、第一の非マ
スキング領域を設定した領域よりも広い領域を、第二の
非マスキング領域と設定する。その後、第二の非マスキ
ング領域を除く領域に対して、裏面保護膜16’をパタ
ーニングして第二のマスキングをする(図6(c))。
従って第二の非マスキング領域に凹部(熱絶縁部空間)
形成のための窓を設けることになる。その後、ウエット
エッチング法等により、第二のエッチングを施し、図6
(d)に示すような深領域17と浅領域18を持つよう
な熱絶縁部空間を形成する。
【0041】かくして、図6(a)〜(d)に示すよう
に、ダイヤフラム構造部14の下面側に、深領域と浅領
域からなる熱絶縁部空間を有する流量センサを簡易に製
造することができる。かかる流量センサは、熱抵抗体1
1で発熱した熱量が、基材1に流れる量を少なくし、熱
絶縁をとるようにできる。このため、流量センサの感度
向上と応答性向上が図れる。また、浅領域18の存在に
より、深領域であるダイヤフラム14が浅領域18で支
えられているため、ダイヤフラム厚を非常に薄くしても
強度が保たれる。熱絶縁の向上を図ることができるよう
な構造を簡単なプロセスで得ることができる。またこの
手法は感熱センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能であ
る。
【0042】実施の形態7.図7(a)〜(d)は、そ
れぞれ、この発明の実施の形態7に係る流量センサの製
造途上における立面断面図であり、該流量センサの製造
工程を順次示している。図7(a)において、1は例え
ば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる平板状基
材であり、この基材1の表面に最終的にダイヤフラムが
形成される部分を除く領域に、Asが濃度10x10E
20個/cm3(10×1020個/cm3)以上でドープ
し、不純物拡散領域20を形成する。この濃度ではアル
カリ溶液によるシリコンのウエットエッチング速度が非
常に遅くなり、実質的にエッチングストップ層として作
用する。図7(b)において、この平板状基材1の上
に、厚さ約1μmの窒化シリコン膜からなる支持膜2が
スパッタ法等により形成されている。支持膜2の上に、
全面的に、白金等よりなる熱抵抗体11が蒸着法やスパ
ッタ法等により着膜される。写真製版法、ウェットエッ
チング法あるいはドライエッチング法等を用いてパター
ニングが行われ、これにより電流路が形成される。さら
に、熱抵抗体11ないし支持膜2の上に、厚さ約1.0
μmの窒化シリコン膜からなる保護膜3がスパッタ法等
により形成される(図7b)。その後裏面保護膜16を
パターニングし、凹部形成のための窓を開ける(図7
c)。
【0043】このあと、ウエットエッチング法によりエ
ッチングを施す。ドープした層(不純物拡散領域)20
はエッチングストップ層として働くため、図7(d)に
示したような深領域17と浅領域18を持つような構造
を形成することができる。
【0044】かくして、図7(a)〜(d)に示すよう
に、ダイヤフラム構造部14の下面側に、深領域と浅領
域からなる熱絶縁部空間を有する流量センサを簡易に製
造することができる。かかる流量センサは、熱抵抗体1
1で発熱した熱量が、基材1に流れる量を少なくし、熱
絶縁をとるようにできる。このため、流量センサの感度
向上と応答性向上が図れる。また、浅領域18の存在に
より、深領域であるダイヤフラム14の強度を落とすこ
となく熱絶縁の向上を図ることができるような構造を簡
単なプロセスで得ることができる。裏面からのエッチン
グも1回で済むため、歩留まりも向上させることができ
る。またこの手法は感熱センサの熱絶縁を図る目的にも
使用可能である。
【0045】実施の形態8.図8(a)〜(d)は、そ
れぞれ、この発明の実施の形態7に係る流量センサの製
造途上における立面断面図であり、該流量センサの製造
工程を順次示している。図8(a)において、1は例え
ば厚さ約400μmのシリコンウェハからなる平板状基
材であり、この基材1の表面に最終的にダイヤフラムが
形成される部分を除いて、ホウ素が濃度10x10E2
0個/cm3(10×1020個/cm3)以上でドープさ
れる。この濃度ではアルカリ溶液によるシリコンのウエ
ットエッチング速度が非常に遅くなり、実質的にエッチ
ングストップ層として作用する。図8(b)において、
この平板状基材1の上に、厚さ約1μmの窒化シリコン
膜からなる支持膜2がスパッタ法等により形成されてい
る。支持膜2の上に、全面的に、白金等よりなる熱抵抗
体11が蒸着法やスパッタ法等により着膜される。写真
製版法、ウェットエッチング法あるいはドライエッチン
グ法等を用いてパターニングが行われ、これにより電流
路が形成される。さらに、熱抵抗体11ないし支持膜2
の上に、厚さ約1.0μmの窒化シリコン膜からなる保
護膜3がスパッタ法等により形成される(図8b)。そ
の後裏面保護膜16をパターニングし、凹部形成のため
の窓を開ける(図8c)。
【0046】このあと、ウエットエッチング法によりエ
ッチングを施す。ドープした層20はエッチングストッ
プ層として働くため、図8(d)に示したような深領域
17と浅領域18を持つような構造を形成することがで
きる。
【0047】かくして、図8(a)〜(d)に示すよう
に、ダイヤフラム構造部14の下面側に、深領域と浅領
域からなる熱絶縁部空間を有する流量センサを簡易に製
造することができる。かかる流量センサは、熱抵抗体1
1で発熱した熱量が、基材1に流れる量を少なくし、熱
絶縁をとるようにできる。このため、流量センサの感度
向上と応答性向上が図れる。また、浅領域18の存在に
より、深領域であるダイヤフラム14の強度を落とすこ
となく熱絶縁の向上を図ることができるような構造を簡
単なプロセスで得ることができる。裏面からのエッチン
グも1回で済むため、より簡単な製造方法となり、歩留
まりも向上させることができる。また、ドーパントにホ
ウ素を使用しているため、安全性をより高くすることが
でき、また、エッチング速度をより低下させることがで
き、従ってエッチングの制御が容易となる利点が得られ
る。またこの手法は感熱センサの熱絶縁を図る目的にも
使用可能である。
【0048】
【発明の効果】この発明によれば、以下に示すような顕
著な効果を奏する。すなわち、この発明の第1の態様に
かかる流量センサによれば、基材の熱抵抗体が配設され
る側とは反対側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領
域からなる熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体
で発熱した熱量が、基材に流れる量を少なくし、熱絶縁
をとるようにできる。このため、流量センサの感度向上
と応答性向上が図れる。また、浅領域の存在により、深
領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることが
できる。
【0049】この発明の第2の態様に係る流量センサに
よれば、基材の熱抵抗体が配設される側とは反対側に、
深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からなる熱絶縁部
空間を有することにより、熱抵抗体で発熱した熱量が、
基材に流れる量を少なくし、熱絶縁をとるようにでき
る。このため、流量センサの感度向上と応答性向上が図
れる。また、浅領域の存在により、深領域の強度を落と
すことなく熱絶縁の向上を図ることができる。
【0050】この発明の第3の態様に係る流量センサに
よれば、基材の温度センサ膜が配設される側とは反対側
に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からなる熱絶
縁部空間を有することにより、熱抵抗体で発熱した熱量
が、基材を通して温度センサ膜に流れる量を少なくし、
熱絶縁をとるようにできる。このため、流量センサの精
度や温度特性向上が図れる。また、浅領域の存在によ
り、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図る
ことができる。
【0051】この発明の第4の態様に係る流量センサに
よれば、基材の温度センサ膜が配設される側とは反対側
に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からなる熱絶
縁部空間を有することにより、熱抵抗体で発熱した熱量
が、基材を通して温度センサ膜に流れる量を少なくし、
熱絶縁をとるようにできる。このため、流量センサの精
度や温度特性向上が図れる。また、浅領域の存在によ
り、深領域の強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図る
ことができる。
【0052】この発明の第5の態様に係る流量センサの
製造方法によれば、基材の熱抵抗体が配設される側とは
反対側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からな
る熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体で発熱し
た熱量が、基材1に流れる量を少なくし、熱絶縁をとる
ようにできる。このため、流量センサの感度向上と応答
性向上が図れる。また、浅領域の存在により、深領域の
強度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることができる
ような構造を簡単なプロセスで得ることができる。また
この手法は感熱センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能
である。
【0053】この発明の第6の態様に係る流量センサの
製造方法によれば、基材の熱抵抗体が配設される側とは
反対側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からな
る熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体で発熱し
た熱量が、基材に流れる量を少なくし、熱絶縁をとるよ
うにできる。このため、流量センサの感度向上と応答性
向上が図れる。また、浅領域の存在により、深領域の強
度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることができるよ
うな構造を簡単なプロセスで得ることができる。またこ
の手法は感熱センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能で
ある。
【0054】この発明の第7の態様に係る流量センサの
製造方法によれば、基材の熱抵抗体が配設される側とは
反対側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からな
る熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体で発熱し
た熱量が、基材に流れる量を少なくし、熱絶縁をとるよ
うにできる。このため、流量センサの感度向上と応答性
向上が図れる。また、浅領域の存在により、深領域の強
度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることができるよ
うな構造を簡単なプロセスで得ることができる。裏面か
らのエッチングも1回で済むため、歩留まりも向上させ
ることができる。またこの手法は感熱センサの熱絶縁を
図る目的にも使用可能である。
【0055】この発明の第8の態様に孫る流量センサの
製造方法によれば、基材の熱抵抗体が配設される側とは
反対側に、深領域とこの深領域よりも浅い浅領域からな
る熱絶縁部空間を有することにより、熱抵抗体で発熱し
た熱量が、基材に流れる量を少なくし、熱絶縁をとるよ
うにできる。このため、流量センサの感度向上と応答性
向上が図れる。また、浅領域の存在により、深領域の強
度を落とすことなく熱絶縁の向上を図ることができるよ
うな構造を簡単なプロセスで得ることができる。裏面か
らのエッチングも1回で済むため、歩留まりも向上させ
ることができる。ドーパントにホウ素を使用しているた
め、コスト面、安全面でも有利である。またこの手法は
感熱センサの熱絶縁を図る目的にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る感熱式流量セ
ンサの平面図及び立面断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る感熱式流量セ
ンサの平面図及び立面断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態3に係る感熱式流量セ
ンサの平面図及び立面断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態4に係る感熱式流量セ
ンサの平面図及び立面断面図である。
【図5】 (a)〜(d)は、それぞれ、この発明の実
施の形態5に係る感熱式流量センサの製造途上における
立面断面図である。
【図6】 (a)〜(d)は、それぞれ、この発明の実
施の形態6に係る感熱式流量センサの製造途上における
立面断面図である。
【図7】 (a)〜(d)は、それぞれ、この発明の実
施の形態7に係る感熱式流量センサの製造途上における
立面断面図である。
【図8】 (a)〜(d)は、それぞれ、この発明の実
施の形態8に係る感熱式流量センサの製造途上における
立面断面図である。
【図9】 従来のブリッジタイプの感熱式流量センサの
立面断面図である。
【図10】 図9に示す従来の流量センサの保護膜を取
り除いた状態における平面図である。
【図11】 従来のダイヤフラムタイプの感熱式流量セ
ンサの立面断面図である。
【図12】 図11に示す従来の流量センサの保護膜を
取り除いた状態における平面図である。
【符号の説明】
1 平板状基材、2 支持膜、3 保蔑膜、4 発熱抵
抗、5 測温抵抗、6 測温抵抗、7 比較抵抗、8
開口部、9 空気スペース、10 矢印、11熱抵抗
体、12 凹部、13 ブリッジ、14 ダイヤフラ
ム、16 裏面保護膜、17 深領域、18 浅領域、
19 感熱センサ膜、20 高濃度ドープ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 和彦 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 河合 正浩 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山川 智也 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2F035 AA02 EA03 EA04 EA05 EA08 4M112 AA03 BA01 CA03 CA08 CA14 DA04 DA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱抵抗体及び該熱抵抗体を支
    持する支持膜からなるダイヤフラム構造部、並びに該ダ
    イヤフラム構造部の下面側を支持する支持基材を有して
    なる流量センサであって、 支持基材はダイヤフラム構造部の下面側の熱抵抗体領域
    の周囲を包囲して、高さ方向について底面側が開口する
    熱絶縁部空間を形成しており、 該熱絶縁部空間は、支持膜が露出する深領域と、支持基
    材が高さ方向について部分的に残っている浅領域とから
    なることを特徴とする流量センサ。
  2. 【請求項2】 熱絶縁部空間が、支持基材に隣接して設
    けられている深領域及び支持基材に隣接して設けられて
    いる浅領域を有することを特徴とする請求項1記載の流
    量センサ。
  3. 【請求項3】 少なくとも熱抵抗体及び該熱抵抗体を支
    持する支持膜からなるダイヤフラム構造部、並びに該ダ
    イヤフラム構造部の下面側を支持する支持基材を有して
    なる流量センサであって、 支持膜上に温度センサを有しており、 支持基材はダイヤフラム構造部の下面側の熱抵抗体領域
    の周囲を包囲して、高さ方向について底面側が開口する
    熱絶縁部空間を形成しており、 該熱絶縁部空間は、支持膜が露出する深領域と、支持基
    材が高さ方向について部分的に残っている浅領域とから
    なることを特徴とする流量センサ。
  4. 【請求項4】 熱絶縁部空間が、支持基材に隣接して設
    けられている深領域及び支持基材に隣接して設けられて
    いる浅領域を有することを特徴とする請求項3記載の流
    量センサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の流量セ
    ンサを製造する方法であって、 平板状基材の上面側に支持膜を積層し、該支持膜の上面
    側に熱抵抗体領域を設け、熱抵抗体領域を含む支持膜の
    上面側に保護膜を積層することによって平板状基材上に
    ダイヤフラム構造部を形成するステップ、 平板状基材の下面側において、熱抵抗体領域及びその周
    囲の領域の少なくとも一部を第一の非マスキング領域と
    して、第一の非マスキング領域を除く領域に第一のマス
    キングをする第一のマスキングステップ、 第一のマスキングに従って第一のエッチングを行うステ
    ップ、 第一のマスキングを除去するステップ、 第一の非マスキング領域よりも広い領域を第二の非マス
    キング領域として、第二の非マスキング領域を除く領域
    に第二のマスキングをする第二のマスキングステップ、
    並びに第二のマスキングに従って第二のエッチングを行
    い、深領域及び浅領域を有する熱絶縁部空間を形成する
    第二のエッチングステップを含んでなることを特徴とす
    る流量センサの製造方法。
  6. 【請求項6】 第一の非マスキング領域を、熱抵抗体領
    域及びその周囲の領域において2以上の部分に設定する
    ことを含むことを特徴とする請求項5記載の流量センサ
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の流量セ
    ンサを製造する方法であって、 平板状基材の上面側の所定の領域を不純物拡散領域とし
    て、この領域に不純物を拡散するステップ、 平板状基材において不純物拡散領域を設けた側の表面に
    支持膜を積層し、該支持膜の上面側に熱抵抗体領域を設
    け、熱抵抗体領域を含む支持膜の上面側に保護膜を積層
    するステップ、 平板状基材において不純物拡散領域を設けていない側の
    面の所定領域をマスキングするステップ、並びに該マス
    キングに従ってエッチングを行うステップを含んでなる
    ことを特徴とする流量センサの製造方法。
  8. 【請求項8】 不純物がホウ素であることを特徴とする
    請求項7記載の流量センサの製造方法。
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