JP2000110724A - 圧縮機およびポンプ - Google Patents
圧縮機およびポンプInfo
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- JP2000110724A JP2000110724A JP10286232A JP28623298A JP2000110724A JP 2000110724 A JP2000110724 A JP 2000110724A JP 10286232 A JP10286232 A JP 10286232A JP 28623298 A JP28623298 A JP 28623298A JP 2000110724 A JP2000110724 A JP 2000110724A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、冷凍サイクル等に使用する圧縮機
およびポンプに関し、摺動材料を変更することにより耐
摩耗性の向上を図る。 【解決手段】空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔質
焼結合金の摺動部品から成ることより、摺動部に安定的
にオイルを保持でき摩耗量を低減できる。
およびポンプに関し、摺動材料を変更することにより耐
摩耗性の向上を図る。 【解決手段】空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔質
焼結合金の摺動部品から成ることより、摺動部に安定的
にオイルを保持でき摩耗量を低減できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍冷蔵装置や空
調機等に用いられる圧縮機およびポンプに関するもので
ある。
調機等に用いられる圧縮機およびポンプに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】冷凍サイクル等に使用する圧縮機には従
来から冷媒としてCFC−12(ジクロロ・ジフロロ・
メタン、CCl2F2)やHCFC−22(モノクロロ・
ジフロロ・メタン、CHClF2)が主に使用されてき
たが、オゾン層の破壊による人体や生物系に対する影響
や地球温暖化の観点から分子内に塩素(Cl)原子を含
まないHFC系冷媒である例えばHFC−134a
(1,1,1,−テトラ・フロロ・エタン、CHF2C
F3)等の冷媒や自然冷媒(バイドロカーボン、二酸化
炭素、アンモニア、水素、ヘリウム等)が使用されてき
ている。
来から冷媒としてCFC−12(ジクロロ・ジフロロ・
メタン、CCl2F2)やHCFC−22(モノクロロ・
ジフロロ・メタン、CHClF2)が主に使用されてき
たが、オゾン層の破壊による人体や生物系に対する影響
や地球温暖化の観点から分子内に塩素(Cl)原子を含
まないHFC系冷媒である例えばHFC−134a
(1,1,1,−テトラ・フロロ・エタン、CHF2C
F3)等の冷媒や自然冷媒(バイドロカーボン、二酸化
炭素、アンモニア、水素、ヘリウム等)が使用されてき
ている。
【0003】また、冷凍サイクル等に使用する圧縮機に
は従来から冷媒とオイルとにより摺動部の潤滑を行って
きたが、環境破壊の観点から圧縮機内にオイルを封入し
ないオイルフリーの圧縮機の開発が望まれている。
は従来から冷媒とオイルとにより摺動部の潤滑を行って
きたが、環境破壊の観点から圧縮機内にオイルを封入し
ないオイルフリーの圧縮機の開発が望まれている。
【0004】しかし、冷媒がCFC−12からHFC−
134aに変わることにより耐摩耗性に優れる塩化鉄
(FeClx)膜を形成しなくなることや、オイルフリ
ーにすることにより、摺動状態が悪くなることから、摩
耗量が多くなる。
134aに変わることにより耐摩耗性に優れる塩化鉄
(FeClx)膜を形成しなくなることや、オイルフリ
ーにすることにより、摺動状態が悪くなることから、摩
耗量が多くなる。
【0005】この様な状況では、圧縮機の信頼性を高め
る為に摺動材料の耐摩耗性の向上が必要である。
る為に摺動材料の耐摩耗性の向上が必要である。
【0006】従来の圧縮機としては例えば振動式圧縮機
として実開昭58−116784号公報に示されている
ものがある。
として実開昭58−116784号公報に示されている
ものがある。
【0007】以下図面を参照しながら前記従来の圧縮機
の一例について説明する。図9は従来の圧縮機の断面図
である。
の一例について説明する。図9は従来の圧縮機の断面図
である。
【0008】本体1は、モーター3、シリンダー5、軸
受6、ピストン8、共振スプリング11、シリンダーヘ
ッド10とから構成されており、サスペションスプリン
グ(図示せず)により、密閉ケーシング2内に弾性支持
されている。モーター3は、コイル巻き線により形成さ
れた固定子4と鉄心で形成された可動子7とから構成さ
れており、可動子7はピストン8に固定されている。
受6、ピストン8、共振スプリング11、シリンダーヘ
ッド10とから構成されており、サスペションスプリン
グ(図示せず)により、密閉ケーシング2内に弾性支持
されている。モーター3は、コイル巻き線により形成さ
れた固定子4と鉄心で形成された可動子7とから構成さ
れており、可動子7はピストン8に固定されている。
【0009】シリンダー5、軸受6は、ピストン8が軸
方向に可動可能なように支持している。共振スプリング
11は一端がモーター3の可動子7に固定され、他端が
軸受6に固定されており、一部が密閉ケーシング2内に
溜められた潤滑油12内に浸かっている。8aはシリン
ダー5、ピストン8により構成される圧縮室であり、ピ
ストン8内の吸入孔8bより圧縮室8a導かれた冷媒ガ
スがピストン8の往復運動により圧縮される。
方向に可動可能なように支持している。共振スプリング
11は一端がモーター3の可動子7に固定され、他端が
軸受6に固定されており、一部が密閉ケーシング2内に
溜められた潤滑油12内に浸かっている。8aはシリン
ダー5、ピストン8により構成される圧縮室であり、ピ
ストン8内の吸入孔8bより圧縮室8a導かれた冷媒ガ
スがピストン8の往復運動により圧縮される。
【0010】また、密閉ケーシング2内の下部に溜まっ
た潤滑油12は、ピストン8の軸方向の往復運動に伴う
共振スプリング11の伸縮運動によりかく拌され、密閉
ケーシング2内に飛散し、ピストン8とシリンダー5間
の摺動部並びに、ピストン8と軸受6間の摺動部を潤滑
している。
た潤滑油12は、ピストン8の軸方向の往復運動に伴う
共振スプリング11の伸縮運動によりかく拌され、密閉
ケーシング2内に飛散し、ピストン8とシリンダー5間
の摺動部並びに、ピストン8と軸受6間の摺動部を潤滑
している。
【0011】従来では、圧縮機1の摺動部を構成する摺
動部材が鋳鉄製材料もしくはアルミ系合金にて形成して
いた。
動部材が鋳鉄製材料もしくはアルミ系合金にて形成して
いた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の摺動材料の仕様では、起動初期等のオイルの供給が
少ない状態では摩耗が多くなる可能性があった。
来の摺動材料の仕様では、起動初期等のオイルの供給が
少ない状態では摩耗が多くなる可能性があった。
【0013】本発明は従来の課題を解決するもので、オ
イルの供給が少ない場合でも摺動材料の潤滑特性を改善
し、耐摩耗性を向上させた信頼性の高い圧縮機やポンプ
を提供することを目的とする。また、圧縮機やポンプに
オイルを封入しない場合においても信頼性の高い圧縮機
やポンプを提供することを目的とする。
イルの供給が少ない場合でも摺動材料の潤滑特性を改善
し、耐摩耗性を向上させた信頼性の高い圧縮機やポンプ
を提供することを目的とする。また、圧縮機やポンプに
オイルを封入しない場合においても信頼性の高い圧縮機
やポンプを提供することを目的とする。
【0014】また、前記従来の摺動材料の仕様では、液
冷媒が摺動部に混入した際に、冷媒へのオイルの溶け込
みにより摺動部のオイルの洗い流しが生じ、摩耗が増加
するとともに、摩擦係数が上昇し、効率の低下が生じる
問題があった。
冷媒が摺動部に混入した際に、冷媒へのオイルの溶け込
みにより摺動部のオイルの洗い流しが生じ、摩耗が増加
するとともに、摩擦係数が上昇し、効率の低下が生じる
問題があった。
【0015】本発明は従来の課題を解決するもので、冷
媒による摺動部表面のオイルの洗い流しを防止すること
により、耐摩耗性を向上させるとともに、効率の低下を
防止する圧縮機やポンプの提供を目的とする。
媒による摺動部表面のオイルの洗い流しを防止すること
により、耐摩耗性を向上させるとともに、効率の低下を
防止する圧縮機やポンプの提供を目的とする。
【0016】また、前記従来の摺動材料の仕様では、オ
イル圧縮等により荷重が大きくなった場合や、圧縮機や
ポンプにオイルを封入しない場合、異常摩耗が発生する
問題があった。
イル圧縮等により荷重が大きくなった場合や、圧縮機や
ポンプにオイルを封入しない場合、異常摩耗が発生する
問題があった。
【0017】本発明は従来の課題を解決するもので、荷
重が大きくなり金属接触が生じた場合または、圧縮機や
ポンプにオイルを封入しない場合においても、摺動材料
の自己潤滑作用を向上させることにより、異常摩耗を防
止し信頼性の高い圧縮機やポンプの提供を目的とする。
重が大きくなり金属接触が生じた場合または、圧縮機や
ポンプにオイルを封入しない場合においても、摺動材料
の自己潤滑作用を向上させることにより、異常摩耗を防
止し信頼性の高い圧縮機やポンプの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明の圧縮機やポンプにおいては、空孔部に溶解性の
オイルを含浸した多孔質焼結合金の摺動部品から成るこ
とを特徴としたものである。
本発明の圧縮機やポンプにおいては、空孔部に溶解性の
オイルを含浸した多孔質焼結合金の摺動部品から成るこ
とを特徴としたものである。
【0019】これにより、摺動部に安定的にオイルを保
持することにより耐摩耗性を向上させた圧縮機やポンプ
が得られる。
持することにより耐摩耗性を向上させた圧縮機やポンプ
が得られる。
【0020】また、本発明の圧縮機やポンプにおいて
は、空孔部に非溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合
金の摺動部品から成ることを特徴としたものである。
は、空孔部に非溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合
金の摺動部品から成ることを特徴としたものである。
【0021】これにより、摺動部に液冷媒が混入しても
オイルの洗い流しが生じず、オイルを保持することによ
り耐摩耗性を向上させるとともに、効率の低下を防止し
た圧縮機やポンプが得られる。
オイルの洗い流しが生じず、オイルを保持することによ
り耐摩耗性を向上させるとともに、効率の低下を防止し
た圧縮機やポンプが得られる。
【0022】また、本発明の圧縮機やポンプにおいて
は、内部を封孔処理した空孔部に溶解性又は非溶解性の
オイルを含浸した前記多孔質焼結合金の摺動部品から成
ることを特徴としたものである。
は、内部を封孔処理した空孔部に溶解性又は非溶解性の
オイルを含浸した前記多孔質焼結合金の摺動部品から成
ることを特徴としたものである。
【0023】これにより、運転中の摺動部周辺の冷媒の
圧力変動により含浸したオイルが空孔内部へ入り込むの
を防止し、摺動面に安定的にオイルを保持することによ
り耐摩耗性を向上させた圧縮機やポンプが得られる。
圧力変動により含浸したオイルが空孔内部へ入り込むの
を防止し、摺動面に安定的にオイルを保持することによ
り耐摩耗性を向上させた圧縮機やポンプが得られる。
【0024】また、本発明の圧縮機やポンプにおいて
は、モリブデン(Mo)と硫黄(S)とを含有する鉄系
焼結合金の摺動部品から成ることを特徴としたものであ
る。
は、モリブデン(Mo)と硫黄(S)とを含有する鉄系
焼結合金の摺動部品から成ることを特徴としたものであ
る。
【0025】これにより、金属接触が生じた際でも摺動
材料の表面に形成された二硫化モリブデン(MoS2)
の自己潤滑作用により異常摩耗を防止した信頼性の高い
圧縮機やポンプが得られる。
材料の表面に形成された二硫化モリブデン(MoS2)
の自己潤滑作用により異常摩耗を防止した信頼性の高い
圧縮機やポンプが得られる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合金
の摺動部品から成ることを特徴としたものであり、本発
明に係わる多孔質焼結合金は、摺動面の表面に溶解性の
オイルを含浸することにより、含浸されたオイルが摺動
部へ供給されるため、オイルの供給が安定し、耐摩耗性
が向上するという作用を有する。
は、空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合金
の摺動部品から成ることを特徴としたものであり、本発
明に係わる多孔質焼結合金は、摺動面の表面に溶解性の
オイルを含浸することにより、含浸されたオイルが摺動
部へ供給されるため、オイルの供給が安定し、耐摩耗性
が向上するという作用を有する。
【0027】本発明の請求項2に記載の発明は、空孔部
に非溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合金の摺動部
品から成ることを特徴としたものであり、本発明に係わ
る多孔質焼結合金は、摺動面の表面に非溶解性のオイル
を含浸することにより、摺動部に液冷媒が混入しても液
冷媒中にオイルが溶け込まず、オイルの洗い流しを防止
して、摩擦係数の上昇による効率の低下を防ぐ作用を有
する。さらに、請求項1の発明と同様に、摺動部にオイ
ルが保持されることにより摺動部へのオイルの供給が安
定し、耐摩耗性が向上するという作用を有する。
に非溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合金の摺動部
品から成ることを特徴としたものであり、本発明に係わ
る多孔質焼結合金は、摺動面の表面に非溶解性のオイル
を含浸することにより、摺動部に液冷媒が混入しても液
冷媒中にオイルが溶け込まず、オイルの洗い流しを防止
して、摩擦係数の上昇による効率の低下を防ぐ作用を有
する。さらに、請求項1の発明と同様に、摺動部にオイ
ルが保持されることにより摺動部へのオイルの供給が安
定し、耐摩耗性が向上するという作用を有する。
【0028】本発明の請求項3に記載の発明は、内部が
封孔処理された空孔部を持つ請求項1又は請求項2に記
載の多孔質焼結合金の摺動部品から成ることを特徴とし
たものであり、本発明に係わる多孔質焼結合金は、空孔
部内部を封孔処理することにより、運転中の摺動部周辺
の冷媒の圧力変動により含浸したオイルが空孔内部へ入
り込むのを防止し、空孔部のオイル量の低下を防ぐ作用
を有する。
封孔処理された空孔部を持つ請求項1又は請求項2に記
載の多孔質焼結合金の摺動部品から成ることを特徴とし
たものであり、本発明に係わる多孔質焼結合金は、空孔
部内部を封孔処理することにより、運転中の摺動部周辺
の冷媒の圧力変動により含浸したオイルが空孔内部へ入
り込むのを防止し、空孔部のオイル量の低下を防ぐ作用
を有する。
【0029】本発明の請求項4に記載の発明は、モリブ
デン(Mo)と硫黄(S)とを含有する鉄系焼結合金の
摺動部品から成ることを特徴としたものであり、本発明
に係わる鉄系焼結合金は、摺動面の表面に二硫化モリブ
デン(MoS2)を形成することにより、金属接触が生
じた際でも二硫化モリブデン(MoS2)の持つ自己潤
滑作用により異常摩耗を防止する作用を有する。
デン(Mo)と硫黄(S)とを含有する鉄系焼結合金の
摺動部品から成ることを特徴としたものであり、本発明
に係わる鉄系焼結合金は、摺動面の表面に二硫化モリブ
デン(MoS2)を形成することにより、金属接触が生
じた際でも二硫化モリブデン(MoS2)の持つ自己潤
滑作用により異常摩耗を防止する作用を有する。
【0030】
【実施例】以下、本発明による圧縮機の実施例について
図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成に
ついては、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成に
ついては、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0031】(実施例1)図1は、本発明の実施例1に
よる圧縮機の断面図である。図2は同実施例のピストン
のA部拡大図である。
よる圧縮機の断面図である。図2は同実施例のピストン
のA部拡大図である。
【0032】図1、2において13は多孔質焼結合金の
ピストンで、14は空孔で、15は溶解性の冷凍機油で
ある。
ピストンで、14は空孔で、15は溶解性の冷凍機油で
ある。
【0033】多孔質焼結合金のピストン13の摺動面の
表面の空孔14に溶解性の冷凍機油15、例えば冷媒を
HFC系冷媒とした場合ではエステル系のオイルを封入
することにより、アルミ系合金並びに鋳物等の材料を用
いてピストン8や共振スプリング11のかく拌により潤
滑する従来例に比較して、オイルが多く摺動部へ供給さ
れるため、オイルの供給が安定することにより耐摩耗性
が向上するという作用を有することとなる。更に、摺動
部に溶解性の冷凍機油15が存在することにより、圧縮
機内に冷凍機油を封入しないオイルレス圧縮機とするこ
とも可能である。
表面の空孔14に溶解性の冷凍機油15、例えば冷媒を
HFC系冷媒とした場合ではエステル系のオイルを封入
することにより、アルミ系合金並びに鋳物等の材料を用
いてピストン8や共振スプリング11のかく拌により潤
滑する従来例に比較して、オイルが多く摺動部へ供給さ
れるため、オイルの供給が安定することにより耐摩耗性
が向上するという作用を有することとなる。更に、摺動
部に溶解性の冷凍機油15が存在することにより、圧縮
機内に冷凍機油を封入しないオイルレス圧縮機とするこ
とも可能である。
【0034】なお、本実施例においては、振動式圧縮機
の多孔質焼結合金のピストン13を例に挙げたが、その
他の摺動部品や振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動
部品であっても同様の効果が得られる。さらに、使用す
る冷媒に関係なく、例えば、HFC−134a系冷媒や
自然冷媒を使用する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポ
ンプ等の場合においても同様の効果が得られる。
の多孔質焼結合金のピストン13を例に挙げたが、その
他の摺動部品や振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動
部品であっても同様の効果が得られる。さらに、使用す
る冷媒に関係なく、例えば、HFC−134a系冷媒や
自然冷媒を使用する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポ
ンプ等の場合においても同様の効果が得られる。
【0035】(実施例2)図3は、本発明の実施例2に
よる圧縮機の断面図である。図4は同実施例のピストン
のB部拡大図である。
よる圧縮機の断面図である。図4は同実施例のピストン
のB部拡大図である。
【0036】図3、4において13は多孔質焼結合金の
ピストンで、14は空孔で、16は非溶解性の冷凍機油
である。
ピストンで、14は空孔で、16は非溶解性の冷凍機油
である。
【0037】多孔質焼結合金のピストン13の摺動面の
表面の空孔14に非溶解性の冷凍機油16、例えば冷媒
をHFC系冷媒とした場合ではアルキルベンゼン系のオ
イル又は鉱油、冷媒をアンモニアとした場合では鉱油を
封入することにより、摺動部に液冷媒が混入しても液冷
媒中にオイルが溶け込まないことより、オイルの洗い流
しを防止して、摩擦係数の上昇による効率の低下を防ぐ
作用を有することとなる。
表面の空孔14に非溶解性の冷凍機油16、例えば冷媒
をHFC系冷媒とした場合ではアルキルベンゼン系のオ
イル又は鉱油、冷媒をアンモニアとした場合では鉱油を
封入することにより、摺動部に液冷媒が混入しても液冷
媒中にオイルが溶け込まないことより、オイルの洗い流
しを防止して、摩擦係数の上昇による効率の低下を防ぐ
作用を有することとなる。
【0038】さらに、請求項1の発明と同様に、アルミ
系合金並びに鋳物等の材料を用いてピストン8や共振ス
プリング11のかく拌により潤滑する従来例に比較し
て、オイルが多く摺動部へ供給されるため、オイルの供
給が安定することにより耐摩耗性が向上するという作用
を有することとなる。さらに、摺動部にオイルが存在す
ることにより、圧縮機内に冷凍機油を封入しないオイル
レス圧縮機とすることも可能である。
系合金並びに鋳物等の材料を用いてピストン8や共振ス
プリング11のかく拌により潤滑する従来例に比較し
て、オイルが多く摺動部へ供給されるため、オイルの供
給が安定することにより耐摩耗性が向上するという作用
を有することとなる。さらに、摺動部にオイルが存在す
ることにより、圧縮機内に冷凍機油を封入しないオイル
レス圧縮機とすることも可能である。
【0039】なお、本実施例においては、振動式圧縮機
の多孔質焼結合金のピストン13を例に挙げたが、その
他の摺動部品や振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動
部品であっても同様の効果が得られる。さらに、使用す
る冷媒に関係なく、例えば、HFC−134a系冷媒や
自然冷媒を使用する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポ
ンプ等の場合においても同様の効果が得られる。
の多孔質焼結合金のピストン13を例に挙げたが、その
他の摺動部品や振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動
部品であっても同様の効果が得られる。さらに、使用す
る冷媒に関係なく、例えば、HFC−134a系冷媒や
自然冷媒を使用する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポ
ンプ等の場合においても同様の効果が得られる。
【0040】(実施例3)図5は、本発明の実施例3に
よる圧縮機の断面図である。図6は同実施例のピストン
のC部拡大図である。
よる圧縮機の断面図である。図6は同実施例のピストン
のC部拡大図である。
【0041】図5、6において17は封孔処理した多孔
質焼結合金のピストンで、18は摺動表面の空孔で、1
9は内部の空孔で、15は溶解性の冷凍機油である。
質焼結合金のピストンで、18は摺動表面の空孔で、1
9は内部の空孔で、15は溶解性の冷凍機油である。
【0042】封孔処理した多孔質焼結合金のピストン1
7の摺動部表面の空孔部18を封孔処理することによ
り、運転中の摺動部周辺の冷媒の圧力変動により摺動表
面の空孔18に含浸した溶解性の冷凍機油15が内部の
空孔19へ入り込むのを防止し、空孔部のオイル量の低
下を防ぐ作用を有することとなる。
7の摺動部表面の空孔部18を封孔処理することによ
り、運転中の摺動部周辺の冷媒の圧力変動により摺動表
面の空孔18に含浸した溶解性の冷凍機油15が内部の
空孔19へ入り込むのを防止し、空孔部のオイル量の低
下を防ぐ作用を有することとなる。
【0043】なお、本実施例において含浸するオイルを
溶解性の冷凍機油15としたが、例えば冷媒をHFC系
冷媒とした場合では、アルキルベンゼン系のオイル又は
鉱油を、冷媒をアンモニアとした場合では鉱油といった
非溶解性の冷凍機油を用いても同様の効果が得られる。
さらに、請求項1又は請求項2の発明と同様に、アルミ
系合金並びに鋳物等の材料を用いてピストン8や共振ス
プリング11のかく拌により潤滑する従来例に比較し
て、オイルが多く摺動部へ供給されるため、オイルの供
給が安定することにより耐摩耗性が向上するという作用
を有することとなる。さらに、摺動部にオイルが存在す
ることにより、圧縮機内に冷凍機油を封入しないオイル
レス圧縮機とすることも可能である。さらに、本実施例
においては、振動式圧縮機の封孔処理した多孔質焼結合
金のピストン17を例に挙げたが、その他の摺動部品や
振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動部品であっても
同様の効果が得られる。さらに、使用する冷媒に関係な
く、例えば、HFC−134a系冷媒や自然冷媒を使用
する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポンプ等の場合に
おいても同様の効果が得られる。
溶解性の冷凍機油15としたが、例えば冷媒をHFC系
冷媒とした場合では、アルキルベンゼン系のオイル又は
鉱油を、冷媒をアンモニアとした場合では鉱油といった
非溶解性の冷凍機油を用いても同様の効果が得られる。
さらに、請求項1又は請求項2の発明と同様に、アルミ
系合金並びに鋳物等の材料を用いてピストン8や共振ス
プリング11のかく拌により潤滑する従来例に比較し
て、オイルが多く摺動部へ供給されるため、オイルの供
給が安定することにより耐摩耗性が向上するという作用
を有することとなる。さらに、摺動部にオイルが存在す
ることにより、圧縮機内に冷凍機油を封入しないオイル
レス圧縮機とすることも可能である。さらに、本実施例
においては、振動式圧縮機の封孔処理した多孔質焼結合
金のピストン17を例に挙げたが、その他の摺動部品や
振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動部品であっても
同様の効果が得られる。さらに、使用する冷媒に関係な
く、例えば、HFC−134a系冷媒や自然冷媒を使用
する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポンプ等の場合に
おいても同様の効果が得られる。
【0044】(実施例4)図7は、本発明の実施例4に
よる圧縮機の断面図である。図8は同実施例のピストン
のD部拡大図である。
よる圧縮機の断面図である。図8は同実施例のピストン
のD部拡大図である。
【0045】図5、6において20は鉄系焼結合金のピ
ストンで、21は二硫化モリブデン(MoS2)の粒子
である。
ストンで、21は二硫化モリブデン(MoS2)の粒子
である。
【0046】鉄系焼結合金20にモリブデン(Mo)を
0.5〜10wt%、硫黄(S)を1〜20wt%含有
し、モリブデン(Mo)と硫黄(S)の含有の割合を
1:2にすることにより、摺動面の表面に二硫化モリブ
デン(MoS2)の粒子21が形成され、オイル圧縮等
により金属接触が生じた際でも二硫化モリブデン(Mo
S2)の持つ自己潤滑作用により異常摩耗を防止する作
用を有することとなる。さらに、圧縮機内に冷凍機油を
封入しないオイルレス圧縮機とすることも可能である。
0.5〜10wt%、硫黄(S)を1〜20wt%含有
し、モリブデン(Mo)と硫黄(S)の含有の割合を
1:2にすることにより、摺動面の表面に二硫化モリブ
デン(MoS2)の粒子21が形成され、オイル圧縮等
により金属接触が生じた際でも二硫化モリブデン(Mo
S2)の持つ自己潤滑作用により異常摩耗を防止する作
用を有することとなる。さらに、圧縮機内に冷凍機油を
封入しないオイルレス圧縮機とすることも可能である。
【0047】なお、本実施例においては、振動式圧縮機
の多孔質焼結合金のピストン20を例に挙げたが、その
他の摺動部品や振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動
部品であっても同様の効果が得られる。さらに、使用す
る冷媒に関係なく、例えば、HFC−134a系冷媒や
自然冷媒を使用する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポ
ンプ等の場合においても同様の効果が得られる。
の多孔質焼結合金のピストン20を例に挙げたが、その
他の摺動部品や振動式圧縮機以外の他の圧縮方式の摺動
部品であっても同様の効果が得られる。さらに、使用す
る冷媒に関係なく、例えば、HFC−134a系冷媒や
自然冷媒を使用する圧縮機の場合や冷媒を使用しないポ
ンプ等の場合においても同様の効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明は、空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合
金の摺動部品から成ることより、摺動面の表面に溶解性
のオイルを含浸しているため、封入されたオイルが摺動
部へ供給され、オイルの供給が安定することにより耐摩
耗性が向上する。
明は、空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合
金の摺動部品から成ることより、摺動面の表面に溶解性
のオイルを含浸しているため、封入されたオイルが摺動
部へ供給され、オイルの供給が安定することにより耐摩
耗性が向上する。
【0049】また、請求項2に記載の発明は、空孔部に
非溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合金の摺動部品
から成ることより、摺動面の表面に非溶解性のオイルを
含浸しているため、摺動部に液冷媒が混入しても液冷媒
中に含浸しているオイルが溶け込まないことより、オイ
ルの洗い流しを防止して、摩擦係数の上昇による効率の
低下を防ぐとともに、摺動部にオイルが保持されること
により摺動部へのオイルの供給が安定することにより耐
摩耗性が向上する。
非溶解性のオイルを含浸した多孔質焼結合金の摺動部品
から成ることより、摺動面の表面に非溶解性のオイルを
含浸しているため、摺動部に液冷媒が混入しても液冷媒
中に含浸しているオイルが溶け込まないことより、オイ
ルの洗い流しを防止して、摩擦係数の上昇による効率の
低下を防ぐとともに、摺動部にオイルが保持されること
により摺動部へのオイルの供給が安定することにより耐
摩耗性が向上する。
【0050】また、請求項3に記載の発明は、内部が封
孔処理された空孔部を持つ請求項1又は請求項2に記載
の多孔質焼結合金の摺動部品から成ることより、空孔部
内部が封孔処理されているため、運転中の摺動部周辺の
冷媒の圧力変動により含浸したオイルが空孔内部へ入り
込むのを防止し、空孔部のオイル量の低下を防ぐ。
孔処理された空孔部を持つ請求項1又は請求項2に記載
の多孔質焼結合金の摺動部品から成ることより、空孔部
内部が封孔処理されているため、運転中の摺動部周辺の
冷媒の圧力変動により含浸したオイルが空孔内部へ入り
込むのを防止し、空孔部のオイル量の低下を防ぐ。
【0051】また、請求項4に記載の発明は、モリブデ
ン(Mo)と硫黄(S)とを含有する鉄系焼結合金の摺
動部品から成ることより、摺動面の表面に二硫化モリブ
デン(MoS2)を形成するため、金属接触が生じた際
でも二硫化モリブデン(MoS2)の持つ自己潤滑作用
により異常摩耗を防止する。
ン(Mo)と硫黄(S)とを含有する鉄系焼結合金の摺
動部品から成ることより、摺動面の表面に二硫化モリブ
デン(MoS2)を形成するため、金属接触が生じた際
でも二硫化モリブデン(MoS2)の持つ自己潤滑作用
により異常摩耗を防止する。
【図1】本発明の実施例1による圧縮機の断面図
【図2】本発明の実施例1のA部拡大図
【図3】本発明の実施例2による圧縮機の断面図
【図4】本発明の実施例2のB部拡大図
【図5】本発明の実施例3による圧縮機の断面図
【図6】本発明の実施例3のC部拡大図
【図7】本発明の実施例4による圧縮機の断面図
【図8】本発明の実施例4のD部拡大図
【図9】従来の圧縮機の断面図
13 多孔質焼結合金のピストン 14 空孔 15 溶解性の冷凍機油 16 非溶解性の冷凍機油 17 封孔処理した多孔質焼結合金のピストン 18 摺動表面の空孔 19 内部の空孔 20 鉄系焼結合金のピストン 21 二硫化モリブデン(MoS2)の粒子
Claims (4)
- 【請求項1】 空孔部に溶解性のオイルを含浸した多孔
質焼結合金の摺動部品から成る圧縮機およびポンプ。 - 【請求項2】 空孔部に非溶解性のオイルを含浸した多
孔質焼結合金の摺動部品から成る圧縮機およびポンプ。 - 【請求項3】 内部が封孔処理された空孔部を持つ請求
項1又は請求項2に記載の多孔質焼結合金の摺動部品か
ら成る圧縮機およびポンプ。 - 【請求項4】 モリブデン(Mo)と硫黄(S)とを含
有する鉄系焼結合金の摺動部品から成る圧縮機およびポ
ンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10286232A JP2000110724A (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 圧縮機およびポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10286232A JP2000110724A (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 圧縮機およびポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000110724A true JP2000110724A (ja) | 2000-04-18 |
Family
ID=17701693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10286232A Withdrawn JP2000110724A (ja) | 1998-10-08 | 1998-10-08 | 圧縮機およびポンプ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000110724A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001042656A1 (fr) * | 1999-12-07 | 2001-06-14 | Daikin Industries, Ltd. | Piece poreuse pour refrigerateur, procede de fabrication de ladite piece et refrigerateur |
US6962059B2 (en) | 2000-08-01 | 2005-11-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Refrigerating cycle device |
-
1998
- 1998-10-08 JP JP10286232A patent/JP2000110724A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001042656A1 (fr) * | 1999-12-07 | 2001-06-14 | Daikin Industries, Ltd. | Piece poreuse pour refrigerateur, procede de fabrication de ladite piece et refrigerateur |
US6672100B1 (en) | 1999-12-07 | 2004-01-06 | Daikin Industries, Ltd. | Porous part for refrigerators, and method of producing the same and refrigerator |
AU772801B2 (en) * | 1999-12-07 | 2004-05-06 | Daikin Industries, Ltd. | Porous part for refrigerators, and method of producing the same and refrigerator |
US6962059B2 (en) | 2000-08-01 | 2005-11-08 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Refrigerating cycle device |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051006 |
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RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20051114 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070730 |