JP2005264739A - オイルレスリニア圧縮機 - Google Patents

オイルレスリニア圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2005264739A
JP2005264739A JP2004074274A JP2004074274A JP2005264739A JP 2005264739 A JP2005264739 A JP 2005264739A JP 2004074274 A JP2004074274 A JP 2004074274A JP 2004074274 A JP2004074274 A JP 2004074274A JP 2005264739 A JP2005264739 A JP 2005264739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cylinder
linear compressor
oilless
mover
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004074274A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Iwata
博光 岩田
Hidetoshi Nishihara
秀俊 西原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004074274A priority Critical patent/JP2005264739A/ja
Publication of JP2005264739A publication Critical patent/JP2005264739A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Compressor (AREA)

Abstract

【課題】オイルレスリニア圧縮機に関し、効率及び信頼性を向上し、かつ振動の低減を図ることができる圧縮機を提供する。
【解決手段】シリンダ104とピストン105はガスベアリング109を構成するとともに、ピストン105をアルミ含浸カーボン材料によって形成することにより、ピストン105が自己潤滑性を備えることで摩擦係数が低くなり、効率および信頼性を向上することができ、またピストン105が軽量なため振動を低減することができるオイルレスリニア圧縮機を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は冷凍冷蔵装置や空調機等に用いられるリニア圧縮機に関するものである。
近年、冷凍機器分野において、高効率、高信頼性の一環として、摺動部に潤滑油を用いる代わりにガスベアリングを設けたオイルレスリニア圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来のオイルレスリニア圧縮機について説明する。
図4は、従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図である。図4において圧縮機構1は、巻き線2aを挿入した固定子2bおよびマグネット2cを備えた可動子3からなるリニアモータ2と、固定子2bに固定されたシリンダ4と、シリンダ4内に往復自在に嵌装されるとともに可動子3に連結されたピストン5と、可動子3と固定子2bを連結し可動子3が軸方向に可動可能なように支持するスプリング6とを備え、サスペションスプリング等(図示せず)により、密閉容器7内に弾性支持されている。またシリンダ4はガスベアリング8を構成しており、潤滑油は用いないオイルレスの仕様となっている。
以上のような構成において交流電源から巻き線2aに電流が通電されると、固定子2bが発生する磁界が、マグネット2cが作る磁界に作用することで、マグネット2c、可動子3に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子3は、スプリング6を変形させるとともに、そのスプリング6の反発力を利用しながら共振し、可動子3と連結されたピストン5はシリンダ4内で軸方向の往復運動を繰り返す。
その結果、冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダ4とピストン5から形成された圧縮室9に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド10内に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
また、圧縮されたガスをガスベアリング8のガス流路8aを介してピストン5とシリンダ4の摺動部に導き、複数の給気孔8bから高い圧力の冷媒ガスを噴出させることで、噴出した冷媒のガス膜の剛性が、ピストン5とシリンダ4間に生じる荷重に対抗してピストン5を支持するため、摺動部の非接触化を図るものとなっている。
また、別の従来の技術としては、圧縮機用の摺動材料として摺動部表面に固体潤滑剤である二硫化モリブデン(MoS2)を塗布したものの記載がある(例えば特許文献2参照)。
特開2002−122071号公報 特開2000−2181号公報
しかしながら、特許文献1に記載の内容では、ピストン5とシリンダ4の摺動部に配設したガスベアリング8により摺動部の非接触化を図っていることから、摺動部における冷媒ガスの膜の剛性を高くする為に、十分な高圧冷媒ガスを供給しなければならないので、ピストン5とシリンダ4の隙間からの冷媒ガスの漏れ損失が多くなり、効率が低下するといった問題があった。
一方、特許文献2に記載の内容では、摺動部の母材に塗布している二硫化モリブデン(MoS2)が母材から剥離を生じた場合、二硫化モリブデン(MoS2)の耐摩耗性向上の効果が得られず、母材が異常摩耗を起すといった問題があった。
また、使用される二硫化モリブデン(MoS2)は摺動面に塗布するためにバインダーを含んでいるが、一般的に二硫化モリブデン(MoS2)のバインダーとしてはポリアミドイミド樹脂(PAI)が用いられる。しかしながらポリアミドイミド樹脂(PAI)は、二硫化モリブデン(MoS2)単体と比較して摩擦係数が高く、その結果、摺動損失が増加するといった問題があった。
さらに、ピストン5摺動部の母材が鉄系の金属材料であった場合、質量が増えるため圧縮時のアンバランス量が大きくなるので振動が大きいといった問題もあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高効率、高信頼性、及び低振動のオイルレスリニア圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のオイルレスリニア圧縮機は、圧縮室を形成するシリンダと、シリンダ内を往復動するピストンとを備え、シリンダとピストンはガスベアリングを構成するとともに、ピストンをアルミ含浸カーボン材料によって形成したものであり、ピストンが自己潤滑性を備えることで耐摩耗性を向上させ、また、ピストンを軽量化することで往復振動によるアンバランス量を低減するという作用を有する。
本発明のオイルレスリニア圧縮機は、効率及び信頼性が向上し、振動の低いオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に固定子および可動子からなるリニアモータと、圧縮室を形成するシリンダと、前記可動子と連結され前記シリンダ内を往復動するピストンと、前記可動子と前記固定子とを伸縮自在に連結するスプリングとを備え、前記シリンダと前記ピストンはガスベアリングを構成するとともに、前記ピストンをアルミ含浸カーボン材料によって形成したもので、アルミ含浸カーボン材料の基材となるカーボン材料が自己潤滑性を備え、摩擦係数が低いため摺動損失が減少し効率が向上し、また、摺動により摺動面が削れても自己潤滑性を確保できるため信頼性を向上することができる。さらに、鉄系の材料に比べ、比重の小さいアルミ含浸カーボン材料を用いることでピストンが半分以下の質量に軽量化され、ピストンの往復動によるアンバランス量が小さくなるため、振動を低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、さらに前記ピストンに固体潤滑剤を混入したもので、固体潤滑作用によって耐摩耗性が向上するため、請求項1の効果に加えてさらに信頼性の高いオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の発明に、さらにシリンダは、鉄系の材料によって構成されることで、アルミ含浸カーボン材料と鉄系の鋳物の線膨張係数が近いため、温度の変化が発生してもシリンダとピストン間のクリアランスを一定に保てるので、漏れ損失の極端な増加やこじりを防ぐことができ、請求項1または2の効果に加えてさらに効率および信頼性の高いオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明に、さらに圧縮する冷媒がR600aとしたもので、冷媒特性の違いによりR134a冷媒に比べピストンの外径や振幅が大きくなっても、アルミ含浸カーボン材料を用いることで、アルミ含浸カーボン材料の基材となるカーボン材料が自己潤滑性を備え、摩擦係数が低いため摺動損失が減少し、また、摺動により摺動面が削れても自己潤滑性を確保できる。さらに、鉄系の材料に比べ、比重が小さいことからピストンが軽量化され、ピストンの往復動によるアンバランス量が小さくなるため、請求項1から3の発明の効果に加えて、ピストンの外径や振幅が大きく気筒容積が大きくなっても、効率及び信頼性が向上し、振動の低いオイルレスリニア圧縮機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1によるオイルレスリニア圧縮機の縦断面図。図2は同実施の形態のピストンの拡大図、図3はオイルレスリニアの振幅の特性図である。
図1において密閉容器101に収納された圧縮機構101aは、巻き線102aを挿入した固定子102bおよびマグネット102cを備えた可動子103からなるリニアモータ102と、固定子102bに固定されたシリンダ104と、シリンダ104内に往復自在に嵌装され、可動子103に連結されたピストン105と、可動子103と固定子102bを連結し可動子103が軸方向に可動可能なように支持する略円盤状のスプリング106aおよび106bとを備えている。
圧縮機構101aは密閉容器101内にサスペンションスプリング107を介して支持されている。
またシリンダ104とピストン105は圧縮室108を形成するとともにガスベアリング109を構成している。ガスベアリング109は一端が吐出室110に連通し、他端が複数の給気孔109aに連通する連通路109bと、連通路109bの途中に設けた絞り手段109cから形成されている。
そして、ピストン105は、アルミ含浸カーボン材料で形成され、前記ピストン105を形成するアルミ含浸カーボン材料は炭素質の基材105aにアルミニウム系の材料105bを含浸させたものである。本実施の形態においては、炭素質の基材105aにはグラフト化したコークスを用いてあり、予め金型に基材105aを充填し、真空加圧成形によってアルミニウム系の材料105bであるアルミニウム−ケイ素合金を基材105aに含浸させることでピストン105の素材を形成している。素材はピストン105の所定の形状寸法に機械加工され、ピストン105が完成する。
また線膨張係数を1.0×10−5/K程度と、鉄系の材料とほぼ同じ値に調節してあるが、これは基材105aとアルミ系の材料105bとの比率を変えることで細かい調節が可能である。また、基材105aには予め二硫化モリブデンからなる固体潤滑剤を数パーセント混入している。
また、このオイルレスリニア圧縮機は温暖化係数の低い炭化水素系冷媒の代表的な冷媒であるR600aを使用する。R600aはR134aに比べ密度が低く、R134aと同等の冷凍能力をR600aで得るためには、ガスの状態で約2倍の体積の冷媒を循環させる必要がある。従って気筒容積を大きくする必要があり、その結果、ピストン105の外径や振幅は大きくなっている。
以上のように構成されたオイルレスリニア圧縮機において以下その動作を説明する。
交流電源から電流が巻き線102aに通電すると、固定子102bが発生する磁界が、マグネット102cが作る磁界に作用することで、マグネット102c、可動子103に軸方向の往復運動する力が発生する。その力により、可動子103と連結されたピストン105は、スプリング106aおよび106bの反発力を利用しながら共振し、効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。
また、この時の運転周波数は、スプリング106aおよび106bのばね定数と可動子103、マグネット102c、及びピストン105の総質量によって決めることができる。例えば、スプリング106aおよび106bのばね定数を一定にして、可動子103、マグネット102c、及びピストン105の総質量を軽くすると運転周波数を上げることができ、逆に総重量を重くすると運転周波数を下げることができる。また、可動子103、マグネット102c、及びピストン105の総質量を一定にして、スプリング106aおよび106bのばね定数を大きくすると運転周波数を上げることができ、逆にばね定数を小さくすると運転周波数を下げることができる。
冷凍システム(図示せず)からの冷媒ガスは、吸入管(図示せず)を介してシリンダ104とピストン105から形成された圧縮室108に吸入され、圧縮された冷媒ガスは、一旦シリンダヘッド111内の吐出室110に吐出された後、吐出管(図示せず)を介して冷凍システムに吐出される。
また、圧縮された冷媒ガスは吐出室110から連通路109bを通り、連通路109bの途中に設けた絞り手段109cによって減圧し、給気孔109aからピストン105とシリンダ104との間に噴出させることで噴出した冷媒のガス膜の剛性がピストン105を支持しガスベアリング109を形成する。このため、ピストン105とシリンダ104の摺動部は相互に接触することが無く、よってオイルは不要であり、また摺動損失もほとんど発生しない。
一方、吐出室110内にガスベアリング109へ圧縮ガスを供給できない場合に、例えば、起動初期など、ガスベアリングの機能を発揮できず、ピストン105とシリンダ104の摺動部は相互に接触しても、アルミ含侵カーボン材料の基材105aであるグラフト化したコークスによって、自己潤滑性を備えており、また、数パーセント混入している二硫化モリブデンの固体潤滑作用よって、摺動部の摩擦係数が低くなり、摺動損失は低減され、耐摩耗性は飛躍的に向上する。
また、万が一摺動により摺動部の表面が削られるようなことがあっても、アルミ含侵カーボン材料の基材105aであるグラフト化したコークスによって、自己潤滑性を確保することができるため、異常摩耗を起すことがなく、信頼性を向上することができる。
さらに、ガスベアリング109のピストン105を支持する機能を発揮する際に、吐出室110からピストン105とシリンダ104との間に噴出された冷媒のガスの一部はピストン105とシリンダ104の隙間を経て密閉容器101内に漏出し、体積効率を下げることになる。また、他の一部は吸入期などの圧縮室108内圧力がピストン105とシリンダ104の隙間内圧力より低い時に、圧縮室108内に漏出し、体積効率を下げることになる。しかしながら、アルミ含侵カーボン材の基材105aであるグラフト化したコークスによって、自己潤滑性を備えており、また、数パーセント混入している二硫化モリブデンの固体潤滑作用によってシリンダ104とピストン105との多少の接触が許容されるため、設計上のクリアランスを小さく設定できるために、ガスベアリング109に供給する高圧冷媒ガスの圧力を低くすることができ、その結果、漏れ損失を低下させることができる。
なお、ガスベアリング109に供給する高圧冷媒ガスの圧力を低くする手段としては、絞り手段109cがオリフィスの場合では絞り口径を小さくし、絞り溝とキャピラーリチュブの場合には溝の長さを長くすることが有効である。例えば、絞り手段109cをオリフィスにする場合に、絞り口径を半分にすると、ピストン105がシリンダ104の中にある時に供給する高圧冷媒ガスの圧力は50kPa低減し、その結果、漏れ損失を30%以上低減することができる。
また、ピストン105は、スプリング106aおよび106bの反発力を利用しながら共振し、効率よく軸方向に往復運動を繰り返す。前記ピストン105の往復運動の反作用として、不平衡の振動エネルギーが発生し、アンバランス量として圧縮機構101aとリニアモータ102に加わり、サスペンションスプリング107を介して密閉容器101の振動を引き起こす。このアンバランス量の大きさは、可動子103、マグネット102c、及びピストン105の総質量と加速度の積に等しい。
ところが、本実施の形態のピストン105はアルミ含浸カーボン材料で形成されており、鉄の比重7.9に比べ2.2前後と、1/3以下であり、ピストン105の軽量化が可能である。
この結果、ピストンに鉄系の材料を用いた場合に比べてピストン105の質量を1/3以下に軽量化することができ、往復運動によるアンバランス量も1/3以下に低下する。
図3は、運転周波数を変化させたときの振動特性の測定値で、横軸は運転周波数、縦軸は密閉容器101のピストン往復方向の振幅を示している。また、三角印で示す従来のオイルレスリニア圧縮機は鉄製のピストンを用いており、丸印で示す本発明によるオイルレスリニア圧縮機のピストン105はアルミ含浸カーボン材料を用いており、ともにR600a用の同一諸元であるが、ピストン質量を変化させているために同一運転周波数で測定を行うために、スプリング106aおよび106bのばね定数の調整をしている。
図3の結果から、本発明によるオイルレスリニア圧縮機の振動は従来に比べ低減していることがわかる。
また、このように本実施の形態のオイルレスリニア圧縮機を、鉄製のピストンを用いた従来のオイルレスリニア圧縮機と同一運転周波数で運転させる場合は、ピストン105の質量が鉄製のものに比べて1/3以下に軽量化されているため、前記スプリング106aおよび106bのばね定数を小さくすることができる。ばね定数を小さくすると、ばね応力が低下するためばね損失が低減され、効率を向上させることができる。
一方、オイルレス仕様の冷媒圧縮機のピストンやシリンダは、使用環境によって100K近い温度変化が生ずることがある。この際、ピストンとシリンダの相互の材料の線膨張係数が異なると、ピストンとシリンダの間のクリアランスが変化する。通常、ピストンとシリンダの間のクリアランスは漏れ損失を最小限に抑えるため、室温下での組立時に10μm前後に設定されている。
ここで、ピストンに用いられる軽量材料として、例えばアルミニウム系材料を用いた場合、その線膨張係数は2.4×10−5/K程度であるのに対して、鉄系材料の線膨張係数は1.2×10−5/K程度と、大きく乖離している。このため、上記したような軽量材料を用いる場合、通常、ピストンとシリンダの間のクリアランスは高温時にクリアランスが詰まってゼロに近づかない程度の寸法を確保した上で、低温時のシール性を維持するためにピストンリング等のシール機能を別途付加する必要があるが、ピストンリングは一般に高価である。また、ピストンリングはシール幅が狭いので、漏れ損失は増加してしまう。
しかしながら本実施の形態のアルミ含浸カーボン材料の線膨張係数は、鉄系材料の線膨張係数に近い0.7から1.0×10−5/K程度であり、その結果冷媒圧縮機の使用環境によって温度変化が生じてもピストン105とシリンダ104の間のクリアランスはあまり変化しないので、ピストンリング等のシール機能は不要である。更に本実施の形態ではピストン105の線膨張係数をシリンダ104に近い1.0×10−5/K程度に調整したものを用いているため、ピストン105、シリンダ104が例えば80℃といった温度になっても、室温で設定したクリアランスに近い値を維持することができるため、極めて低い漏れ損失を実現できる。
さらにアルミ含浸カーボン材料の基材105aであるグラフト化したコークスによって、自己潤滑性を備えているため、摺動性が良く、ねずみ鋳鉄製のシリンダ104との相性は非常に良好である。
その結果、安定したクリアランスの維持とも相まって、信頼性を向上することができる。
なお、既に説明したように冷媒にR600aを用いた場合、R134aに比べて、ピストン105の外径や振幅が大きくなるので、ピストン105の摺動面積が大きくなる。また、ピストン105の質量が大きくなり、ピストン105の往復運動の反作用として作用するアンバランス量も大きくなり、振動が大きくなりやすい。
しかしながら、アルミ含浸カーボン材料のピストン105を用いることで、アルミ含浸カーボン材料の基材105aであるグラフト化したコークスによって、自己潤滑性を備えているので、摩擦係数が低いため摺動損失が減少し、また、摺動により摺動面が削れても自己潤滑性を確保できる。さらに、鉄系の材料に比べ、比重の小さいことからピストン105が軽量化され、ピストン105の往復動によるアンバランス量が小さくなるため、冷媒にR600aを用いた場合でも、効率及び信頼性が向上し、振動を低減することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、自己潤滑性を備え、かつ軽量なピストン105を用いることで、高効率、高信頼性、及び低振動のオイルレスリニア圧縮機を実現することができる。
以上のように、本発明にかかるオイルレスリニア圧縮機は、効率及び信頼性が向上し、振動を低減することが可能となるので、冷凍ショーケース、除湿機エアーコンディショナーや自動販売機などに用いられる密閉型圧縮機等の用途にも適用できる。
本発明による実施の形態1のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図 同実施の形態のピストンの拡大図 同実施の形態のオイルレスリニア圧縮機の振幅の特性図 従来のオイルレスリニア圧縮機の縦断面図
符号の説明
101 密閉容器
102 リニアモータ
102b 固定子
103 可動子
104 シリンダ
105 ピストン
106a,106b スプリング
108 圧縮室
109 ガスベアリング

Claims (4)

  1. 密閉容器内に固定子および可動子からなるリニアモータと、圧縮室を形成するシリンダと、前記可動子と連結され前記シリンダ内を往復動するピストンと、前記可動子と前記固定子とを伸縮自在に連結するスプリングとを備え、前記シリンダと前記ピストンはガスベアリングを構成するとともに、前記ピストンをアルミ含浸カーボン材料によって形成したオイルレスリニア圧縮機。
  2. 前記ピストンに固体潤滑材を混入した請求項1記載のオイルレスリニア圧縮機。
  3. シリンダは、鉄系の材料によって構成される請求項1または2に記載のオイルレスリニア圧縮機。
  4. 圧縮する冷媒がR600aである請求項1から3のいずれか1項に記載のオイルレスリニア圧縮機。
JP2004074274A 2004-03-16 2004-03-16 オイルレスリニア圧縮機 Pending JP2005264739A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074274A JP2005264739A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 オイルレスリニア圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074274A JP2005264739A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 オイルレスリニア圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005264739A true JP2005264739A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35089570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004074274A Pending JP2005264739A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 オイルレスリニア圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005264739A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101134843B1 (ko) * 2008-11-24 2012-04-13 김종근 스크래퍼 장치

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101134843B1 (ko) * 2008-11-24 2012-04-13 김종근 스크래퍼 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6273688B1 (en) Linear compressor
JP5477455B2 (ja) 密閉型圧縮機
JP2007248020A (ja) 密閉形圧縮機及び冷凍装置並びに冷蔵庫
JP3205122B2 (ja) 密閉形電動圧縮機
CN104040177B (zh) 空气静压线性压缩器的活塞汽缸装置
EP1170506A1 (en) Hermetic compressor
US20020176785A1 (en) Compressor provided with sliding bearing
JP2009508029A (ja) 冷媒圧縮機、冷却装置および冷蔵庫
CN103671122B (zh) 合成树脂轴承以及具有该轴承的涡旋式压缩机
JP2005155438A (ja) 密閉型圧縮機
JP2005264739A (ja) オイルレスリニア圧縮機
JP2005220804A (ja) リニア圧縮機
JP2016205134A (ja) 密閉型圧縮機
JP2004278475A (ja) オイルレスリニア圧縮機
JP2959556B1 (ja) シール機構及び該シール機構を備えた冷凍機並びにターボ圧縮機
KR20060065471A (ko) 밀폐형 압축기
JP2002061573A (ja) 圧縮機およびポンプ
US20200270541A1 (en) Oxide film formed on surface of base material that is iron-based sintered body, sliding member on which oxide film is formed, and apparatus including sliding member
JPH0968165A (ja) 往復動圧縮機
JP2005264742A (ja) リニア圧縮機
JP2001107859A (ja) 圧縮機およびポンプ
JP3930079B2 (ja) 振動式圧縮機
JP2013241848A (ja) 密閉型圧縮機および該密閉型圧縮機を備える冷蔵庫
JP5353445B2 (ja) 密閉型圧縮機および冷凍冷蔵装置
JP2000110724A (ja) 圧縮機およびポンプ