JP2000110118A - 鉄鋼構造物の施工方法 - Google Patents

鉄鋼構造物の施工方法

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JP2000110118A
JP2000110118A JP10287015A JP28701598A JP2000110118A JP 2000110118 A JP2000110118 A JP 2000110118A JP 10287015 A JP10287015 A JP 10287015A JP 28701598 A JP28701598 A JP 28701598A JP 2000110118 A JP2000110118 A JP 2000110118A
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steel
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concrete
pipes
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Makoto Kondo
近藤  誠
Hisashi Sekimoto
恒 関本
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な施工性を有し、高い強度をもった橋脚
を早期かつ安全に建造可能とする鉄鋼構造物の施工方法
の提供。 【解決手段】 鋼管5,6の内部をコンクリートで充填
させて橋脚1を建造する際に適用される鉄鋼構造物の施
工方法は、鋼管5を複数使用し、各鋼管5を直立させる
と共に、連結鋼管11を介して、互いに隣り合う鋼管5
同士をそれぞれの内部が連通するように連結する鋼管連
結工程と、複数の鋼管5のうち、少なくとも一の鋼管5
から各鋼管5の内部にコンクリートを充填するコンクリ
ート充填工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉄鋼構造物の施工方
法に関し、特に、コンクリート充填鋼管を用いて鉄鋼構
造物を建造する時に適用される鉄鋼構造物の施工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
特開平7−42114号公報や特開平7−300817
号公報によって開示されたものが知られている。これら
の公報に記載された従来の鉄鋼構造物の施工方法は、何
れも、鋼管の内部にコンクリートを充填させたコンクリ
ート充填鋼管からなる橋脚を建造するためのものであ
る。これらの方法を適用する場合、まず、基礎上に複数
の鋼管を立設する。そして、各鋼管の上端に、他の鋼管
を順次接合して複数の鋼管接合体を形成する。各鋼管接
合体は、適宜、H鋼等を用いて水平方向に連結される。
鋼管接合体が所定高さに組み上げられた段階で、鋼管接
合体の頂部に橋座を形成するための型枠を固定する。そ
して、組み上げられた各鋼管接合体の内部に、コンクリ
ートを充填する。
【0003】この場合、各鋼管接合体の内部にコンクリ
ートを充填する手法としては、トレミー管等を用いて、
各鋼管接合体の上端開口から下方に向けてコンクリート
を打設する手法や、コンクリート工学年次論文報告集,
Vol.15,No.1,1993,論文[1178]「充填形鋼管コンク
リート柱の圧入施工実験」に記載されている手法が知ら
れている。この手法では、各鋼管接合体の下端部に導入
口を設けると共に、各導入口に圧送管を接続して、各鋼
管接合体の内部にコンクリートを上方に向けて圧入す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鉄鋼構造物の施工方法には、次のような問題点が存在し
ていた。すなわち、橋梁主塔のような高層構造物を建造
する場合に、鋼管接合体を組み上げてから、各鋼管接合
体の上端開口から下方に向けてコンクリートを打設する
手法を採用すれば、上端開口から鋼管接合体の下端まで
の間の高低差に起因して、打設したコンクリートペース
トと、骨材としての鋼管とが材料分離してしまったり、
鋼管接合体を組み上げる途中で、鋼管がその自重によっ
て座屈してしまったりする恐れがある。一方、鋼管(鋼
管接合体)の下端部からコンクリートを上方に向けて圧
入する手法を採用した場合、導入口を各鋼管(鋼管接合
体)毎に設ける必要が生じると共に、各導入口毎に圧送
管を配する必要が生じる。従って、コンクリート充填作
業が煩雑になり、また、高所作業が増加してしまう。こ
の結果、建造コストの増大化や工期の長期化といった弊
害を招くことになる。
【0005】そこで、本発明は、良好な施工性を有し、
高い強度をもった鉄鋼構造物を短期間かつ安全に建造可
能とする鉄鋼構造物の施工方法を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
による鉄鋼構造物の施工方法は、鋼管の内部をコンクリ
ートで充填させて鉄鋼構造物を建造する際に適用される
鉄鋼構造物の施工方法において、鋼管を複数使用し、各
鋼管を立設させると共に、連結鋼管を介して、互いに隣
り合う鋼管同士をそれぞれの内部が連通するように連結
する鋼管連結工程と、複数の鋼管のうち、少なくとも一
の鋼管から各鋼管の内部にコンクリートを充填するコン
クリート充填工程とを含むものである。
【0007】この鉄鋼構造物の施工方法を適用する際に
は、鋼管連結工程で、互いに隣り合う鋼管同士を、連結
鋼管を介してそれぞれの内部が連通するように連結す
る。これにより、複数の鋼管がユニット化されると共
に、各鋼管の内部を通過する経路が形成される。従っ
て、コンクリート充填工程で、少なくとも一の鋼管にコ
ンクリートを導入すれば、導入されたコンクリートは連
結鋼管内を通過し、この鋼管と隣り合う他の鋼管の内部
に流入することになる。そして、コンクリートを導入し
続ければ、すべての鋼管の内部が順次コンクリートによ
って充填される。
【0008】また、鋼管連結工程では、鋼管として短尺
鋼管を複数使用すると共に、各短尺鋼管を連結鋼管で連
結して短鋼管ユニットを形成し、短鋼管ユニットの各短
尺鋼管と長尺鋼管とを接合する長管延設工程を含み、コ
ンクリート充填工程では、短鋼管ユニットに含まれる少
なくとも一の短尺鋼管から各短尺鋼管及び各長尺鋼管の
内部にコンクリートを充填すると好ましい。
【0009】この場合、鋼管連結工程にて、各短尺鋼管
を立設させると共に、連結鋼管で連結することによっ
て、互いに隣り合う短尺鋼管同士の内部が連通している
短鋼管ユニットを形成する。この際、取り扱う鋼管は、
何れも短尺であるので、施工性が向上する。また、長管
延設工程にて、各短尺鋼管と長尺鋼管とを接合すること
により、長尺の鋼管を連結鋼管で連結して鋼管ユニット
を形成した場合と同様の結果を得ることができる。更
に、短鋼管ユニットに含まれる少なくとも一の短尺鋼管
に導入されたコンクリートは、他の短尺鋼管の内部に順
次流入すると共に、各長尺鋼管の内部に流入するので、
各短尺鋼管及び各長尺鋼管の内部がコンクリートによっ
て充填される。
【0010】更に、各長尺鋼管と短鋼管ユニットの各短
尺鋼管とを接合する短管延設工程を更に含み、短管延設
工程、長管延設工程及びコンクリート充填工程を繰り返
すと好ましい。
【0011】この場合、例えば、下方に位置する各長尺
鋼管の上端に短鋼管ユニットを接合すると共に、この短
鋼管ユニットの各短尺鋼管の上端に長尺鋼管を接合した
段階で、短尺鋼管からコンクリートの圧入を行うことが
できる。また、下方に位置する各長尺鋼管の上端に短鋼
管ユニットを接合した段階で、短尺鋼管からコンクリー
トを打設してもよい。すなわち、鉄鋼構造物が所望の計
画高さに組み上がるまで、短管延設工程、長管延設工程
及びコンクリート充填工程の3工程が適宜繰り返され
る。
【0012】加えて、鉄鋼構造物は、橋脚であると好ま
しく、また、鉄鋼構造物は、吊り橋の主塔であると好ま
しい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明による鉄
鋼構造物の施工方法の好適な実施形態について詳細に説
明する。
【0014】図1は、本発明による鉄鋼構造物の施工方
法を適用して建造した橋脚の一例を示す斜視図である。
同図に示す橋脚1は、高さが300mを超える長大吊橋
用の橋脚として形成されており、二体の主塔2を備え
る。各主塔2は、コンクリートを硬化させて形成した基
礎3上に立設されている。同図に示すように、主塔2
は、円形の断面形状をもった短尺鋼管5と、長尺鋼管6
とをそれぞれ複数用いて形成されている。長尺鋼管6
は、短尺鋼管5と同径であり、かつ、短尺鋼管5よりも
大きな全長(例えば、短尺鋼管5の全長の5倍程度)を
有する。また、各短尺鋼管5と各長尺鋼管6の内部は、
何れもコンクリートによって充填されている。このた
め、この橋脚1は、高い構造性能と防火性能とを併せも
つ。
【0015】各主塔2において、短尺鋼管5は所定本数
ずつ集合させられており、短鋼管ユニット10を形成し
ている。この橋脚1では、8本の短尺鋼管5を8本の連
結鋼管11によって連結して形成した短鋼管ユニット1
0が用いられている。短鋼管ユニット10に含まれる各
短尺鋼管5の上端には、長尺鋼管6が接合されており、
各長尺鋼管6の上端には、短鋼管ユニット10に含まれ
る各短尺鋼管5が接合されている。そして、主塔2の最
上部に位置する短鋼管ユニット10上には、主ケーブル
8を支持し、主ケーブル8から鉛直方向に加えられる力
を主塔2に伝達するためのサドル9が固定されている。
また、各主塔2に含まれる短鋼管ユニット10のうち、
基礎3からの高さが同一であって互いに対向し合う短鋼
管ユニット10同士は、H鋼等からなる連結トラス7に
よって連結されている。
【0016】次に、図2〜10を参照しながら、本発明
による橋脚の施工方法を用いて上述した橋脚1を建造す
る手順について説明する。
【0017】まず、図2に示すように、基礎3を形成す
る。基礎3を形成するに際しては、直立させた複数(例
えば8本)の基礎鋼管4を多角環状に配置して基礎鋼管
部3aを形成する。基礎鋼管4は、短尺鋼管5及び長尺
鋼管6と同径である。そして、各基礎鋼管4の周囲にコ
ンクリートを打ち込んでコンクリートブロック3bを形
成する。主塔2を二体備える橋脚1を建造する場合は、
図2に示すように、基礎鋼管部3aを2ヶ所設ける。
【0018】次に、図3に示すように、1体の短鋼管ユ
ニット10を、各基礎鋼管部3bに接合する。具体的に
は、各基礎鋼管4の上端と、短鋼管ユニット10に含ま
れる各短尺鋼管5の下端とを突合せ溶接する。この短鋼
管ユニット10は、短尺鋼管5と連結鋼管11とをそれ
ぞれ複数(例えば、8本ずつ)用いて形成したものであ
る。ここで、短尺鋼管5は、断面円形の鋼管であり、お
よそ1500〜2000mm程度の全長(高さ)を有
し、2000〜2500mm(この場合、2200m
m)程度の直径を有する。また、連結鋼管11も断面円
形の鋼管であり、その直径は、短尺鋼管5及び長尺鋼管
6の直径以下とするとよい。
【0019】短鋼管ユニット10を形成する場合(鋼管
連結工程)、短尺鋼管5は、図4に示すように、直立す
る状態で多角環状に配列される。そして、互いに隣り合
う短尺鋼管5の下部等にそれぞれ開口を設けると共に、
1本又は複数本の連結鋼管11を水平に溶接固定する。
各連結鋼管11の取付位置(高さ)は、各短尺鋼管5に
ついて、同一の位置(高さ)にすると好ましい。これに
より、互いに隣り合う短尺鋼管5同士は、水平に延在す
る連結鋼管11を介してそれぞれの内部が連通する状態
で順次連結される。この際、取り扱う短尺鋼管5の全長
は小さいことから、短鋼管ユニット10を容易に形成す
ることができる。このようにして、複数の短尺鋼管5が
ユニット化されると共に、各短尺鋼管5の内部を通過す
る経路が形成される。なお、連結鋼管11は、水平に配
置するのが好ましいが、作業性等を考慮して斜めに配置
してもよい。
【0020】また、図5に示すように、互いに隣り合う
短尺鋼管5同士は、H鋼等からなるブレース12によっ
て連結されている。これにより、短鋼管ユニット10の
強度を向上させることができる。更に、図6に示すよう
に、短尺鋼管5の内周面には、連結鋼管11との結合部
付近に環補剛材14が溶接固定される。これにより、短
尺鋼管5の剛性を維持することができる。なお、短尺鋼
管5を基礎鋼管4に接合させる場合、上述したように、
工場や橋脚の建造現場等で一体に組み立てた鋼管ユニッ
ト10を基礎鋼管部3a上に固定すると好ましいが、こ
れに限られるものではない。すなわち、各基礎鋼管4の
上端に短尺鋼管5を接合させながら、各短尺鋼管5を連
結鋼管11によって連結することも可能である。
【0021】各基礎鋼管4に対する短鋼管ユニット10
の接合が完了したならば、図7に示すように、各短鋼管
ユニット10の各短尺鋼管5の上端に長尺鋼管6を接合
する(長管延設工程)。長尺鋼管6の全長は、出来るだ
け大きくするとよいが、施工時の取り扱い性を考慮すれ
ば、長尺鋼管6の全長は10m程度とするのが好まし
い。このように、各短尺鋼管5の上端に長尺鋼管6を接
合することにより、長尺の鋼管を連結鋼管11で連結し
て鋼管ユニットを形成した場合と同様の結果を得ること
ができる。すべての短尺鋼管5に対する長尺鋼管6の接
合が完了したならば、次に、各基礎鋼管4、各短尺鋼管
5並びに各長尺鋼管6の内部に高流動性のコンクリート
を充填(圧入)する(コンクリート充填工程)。
【0022】コンクリートを圧入するに際しては、ま
ず、各短鋼管ユニット10に含まれる複数の短尺鋼管5
のうち、何れか一の短尺鋼管5の下部に導入口(導入
口)15を設ける。導入口15は、連結鋼管11の取付
位置(高さ)と同一位置(高さ)に設けると好ましい。
そして、圧送管16を介して導入口15とコンクリート
ブロック3b上に配置した圧送ポンプ17とを接続す
る。圧送ポンプ17の容量は、通常の40m3/h程度
あれば十分である。この状態で圧送ポンプ17を作動さ
せれば、導入口15が設けられている短尺鋼管5に導入
されたコンクリートは、短尺鋼管5の内部から基礎鋼管
4内へ流入すると共に、長尺鋼管6の内部を徐々に上昇
していく。
【0023】同時に、コンクリートは、連結鋼管11内
を通過し、当該短尺鋼管5と隣り合う他の短尺鋼管5の
内部に流入すると共に、この短尺鋼管5と連通する基礎
鋼管4及び短尺鋼管5内に流入する。この際、適正な品
質をもった高流動性のコンクリートを用いれば、導入口
15が一ヶ所のみであっても、導入口15が設けられて
いない短尺鋼管5及び長尺鋼管6では若干のヘッドロス
があるものの、コンクリートは各鋼管5,6内をほぼ同
一レベルで上昇する。また、各鋼管5,6内に存在して
いた空気等は、長尺鋼管6の上部開口から流出する。そ
して、圧送ポンプ17を連続運転してコンクリートの導
入(圧入)を続ければ、各基礎鋼管4、各短尺鋼管5並
びに各長尺鋼管6の内部が順次コンクリートによって充
填されていくことになる。各長尺鋼管6の上端付近まで
コンクリートが充填されたならば、圧送ポンプ17の運
転を停止する。
【0024】このように、各短尺鋼管5及び各長尺鋼管
6にコンクリートを充填する際に、ユニット化された複
数の短尺鋼管5(及び長尺鋼管鋼管6)のうち、少なく
とも一の短尺鋼管5に導入口15を設ければよいので、
各鋼管毎に導入口15を設けたり、圧送管16を配した
りする必要がなくなる。また、圧送ポンプ17も各短鋼
管ユニット10に対して最低一基ずつ配備すればよい。
従って、コンクリート充填(圧入)作業が単純化され
る。
【0025】各鋼管4,5,6にコンクリートを圧入し
た後、又は、コンクリートの圧入作業中に、図8に示す
ように、各長尺鋼管6の上端に、新たな短鋼管ユニット
10を接合する(短管延設工程)。すなわち、図示しな
いクレーンを用いて、短鋼管ユニット10を各長尺鋼管
6の上方まで持ち上げ、下方に位置する各長尺鋼管6の
上端と、短鋼管ユニット10の各短尺鋼管5の下端とを
突合せ溶接する。なお、この場合、各長尺鋼管6の上端
に短尺鋼管5を接合させながら、各短尺鋼管5を連結鋼
管11によって連結することも可能である。また、図9
に示すように、左右の互いに対向し合う短鋼管ユニット
10同士を、H鋼等からなる連結トラス7で連結する。
この短鋼管ユニット10の各短尺鋼管5の上端には、更
に、図10に示すように、長尺鋼管6を接合する(長管
延設工程)。
【0026】新たな短鋼管ユニット10に対する長尺鋼
管6の接合が完了したならば、各短尺鋼管5並びに各長
尺鋼管6の内部にコンクリートを充填(圧入)する(コ
ンクリート充填工程)。この場合も、各短鋼管ユニット
10に含まれる複数の短尺鋼管5のうち、少なくとも一
の短尺鋼管5に導入口15を設ける。そして、上方に延
長した圧送管16を介して導入口15とコンクリートブ
ロック3b上に配置した圧送ポンプ17とを接続する。
従って、各鋼管毎に導入口15を設けたり、圧送管16
を配したりする必要がなくなる。また、圧送ポンプ17
も各短鋼管ユニット10に対して最低一基ずつ配備すれ
ばよい。この結果、コンクリート充填(圧入)作業が単
純化されると共に、高所作業が簡易化、低減化される。
【0027】この状態で圧送ポンプ17を作動させれ
ば、導入口15が設けられている短尺鋼管5に導入され
たコンクリートは、順次、各短尺鋼管5及び各長尺鋼管
6に流入する。各長尺鋼管6の上端付近までコンクリー
トが充填されたならば、圧送ポンプ17の運転を停止す
る。この場合、圧送ポンプ17の圧送容量が不足する場
合や、コンクリート圧入時間の短縮化を図る場合等に
は、必要に応じて中継ポンプ18を配備するとよい。
【0028】これら短管延設工程、長管延設工程及びコ
ンクリート充填工程の3工程を順次繰り返すことによ
り、主塔2を計画高さまで組み上げる。そして、最上部
の短鋼管ユニット10の上端に、サドル9(図1参照)
を固定する。これにより、橋脚1が完成する。
【0029】上述したように、この橋脚施工方法によれ
ば、橋脚1(主塔2)が組み上がるまでの間に、一の短
鋼管ユニット10に対する長尺鋼管6の接続が完了した
段階で、コンクリートの充填(圧入)を行うことができ
る。従って、鋼管5,6の強度を高めながら作業を進め
ることが可能となり、コンクリートペーストと鋼管5,
6との材料分離や、鋼管5,6の自重に起因する座屈を
防止することができる。このため、この橋脚の施工方法
は、全高の高い大規模な橋脚の建造に極めて有用とな
る。また、下方に位置する鋼管5,6に充填させたコン
クリートが硬化する間に、上方での作業を進めることが
できるので、高層の橋脚を短期間で建造することが可能
となる。
【0030】一方、一の短鋼管ユニット10に対する長
尺鋼管6の接続が完了した段階で、コンクリートの圧入
を行う代わりに、次のような方法を採用してもよい。す
なわち、コンクリートを圧入することなく、まず、短鋼
管ユニット10と長尺鋼管6とを図8又は9に示す状態
まで組み上げる。次に、図8又は9における上側の短鋼
管ユニット10に少なくとも一の導入口(打設口)15
を設け、圧送管16を介して導入口15と圧送ポンプ1
7とを接続する(図9における二点鎖線参照)。そし
て、圧送ポンプ17によって短鋼管ユニット10(上
側)に設けられた導入口15までコンクリートを圧送す
ると共に、各基礎鋼管4、各短尺鋼管5及び各長尺鋼管
6の内部に対して、上から下へとコンクリートを充填
(打設)する(コンクリート充填工程)。
【0031】各鋼管4,5,6にコンクリートを打設し
た後、又は、コンクリートの打設作業中に、各短鋼管ユ
ニット10の短尺鋼管5の上端に、新たな長尺鋼管6を
接合する(長官延設工程)。各長尺鋼管6の上端には、
新たな短鋼管ユニット10を接合し(短管延設工程)、
短鋼管ユニット10の接合が完了したならば、短鋼管ユ
ニット10に導入口(打設口)15を設け、延長した圧
送管16を介して導入口15と圧送ポンプ17とを接続
する。そして、圧送ポンプ17によって短鋼管ユニット
10に設けられた導入口15までコンクリートを圧送す
ると共に、各基礎鋼管4、各短尺鋼管5及び各長尺鋼管
6の内部に対して、上から下へとコンクリートを充填
(打設)する。
【0032】以下、長管延設工程、短管延設工程及びコ
ンクリート充填工程の3工程を順次繰り返すことによ
り、主塔2を計画高さまで組み上げる。そして、最上部
の短鋼管ユニット10の上端に、サドル9(図1参照)
を固定する。これにより、橋脚1が完成する。このよう
な方法によっても、鋼管5,6の強度を高めながら作業
を進めることが可能となり、コンクリートペーストと鋼
管5,6との材料分離や、鋼管5,6の自重に起因する
座屈を防止することができる。このため、この橋脚の施
工方法も、全高の高い大規模な橋脚の建造に極めて有用
である。また、コンクリート充填(圧入)作業が単純化
されると共に、高所作業が簡易化、低減化される。更
に、鋼管5,6に充填させたコンクリートが硬化する間
に、上方での作業を進めることができるので、高層の橋
脚を短期間で建造することが可能となる。
【0033】なお、導入口15は、短鋼管ユニット10
に含まれる何れか一の短尺鋼管5に設けるものとして説
明したが、短鋼管ユニット10に含まれる二つ又は、そ
れ以上の短尺鋼管5に対して導入口15を設けてもよ
い。この場合は、導入口15は、互いに対角線上に位置
する短尺鋼管5に対して設けるとよい。これにより、一
方の導入口15から圧入又は打設したコンクリートが鋼
管内部で閉塞した場合であっても、他方の導入口15か
らコンクリートの充填を継続することができる。
【0034】また、短尺鋼管5及長尺鋼管6並びに連結
鋼管11の断面形状は、上述したものに限られるもので
はなく、任意のものを採用可能であり、例えば、多角形
断面を有する鋼管を用いることも可能である。また、短
尺鋼管5、長尺鋼管6並びに連結鋼管11の寸法も任意
のものを採用可能であるが、上述した数値よりも小さい
範囲内であれば、実用上良好な結果が得られる。
【0035】更に、橋脚1の建造に際しては、鋼管連結
工程で短尺鋼管5を用いて短鋼管ユニット10を形成す
るものとして説明したが、これに限られるものではな
い。すなわち、長尺鋼管を複数使用し、連結鋼管によっ
て互いに隣り合う長尺鋼管同士をそれぞれの内部が連通
するように連結して長鋼管ユニットを形成し、長鋼管ユ
ニットにコンクリートを圧入しながら、順次組み上げて
いくことも可能である。
【0036】また、この実施形態では、本発明による鉄
鋼構造物の施工方法を、橋脚を建造するためのものとし
て説明したが、これに限られるものではなく、本発明に
よる鉄鋼構造物の施工方法は、橋梁主塔や送電鉄塔等の
塔状建造物を建造する際に適用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明の鉄鋼構造物の施工方法によれ
ば、次のような効果を得ることができる。すなわち、請
求項1に記載の鉄鋼構造物の施工方法によれば、鋼管に
コンクリートを充填する際に、ユニット化された複数の
鋼管のうち、少なくとも一の鋼管に導入口が存在してい
ればよいので、各鋼管毎に導入口を設けたり、圧送管を
配したりする必要がなくなる。従って、コンクリート充
填作業が単純化されると共に、高所作業の簡易化、低減
化を図ることができる。
【0038】また、請求項2に記載の鉄鋼構造物の施工
方法によれば、鋼管連結工程の施工性を良好にすること
ができ、また、ユニット化した鋼管の全高を容易に拡大
することができる。
【0039】更に、請求項3に記載の鉄鋼構造物の施工
方法によれば、鉄鋼構造物が組み上がるまでの間に、少
なくとも一の短鋼管ユニットと長尺鋼管との接続が完了
した段階で、コンクリートの充填(圧入、打設)を開始
することができる。従って、鋼管の強度を高めながら作
業を進めることが可能となり、コンクリートペーストと
鋼管との材料分離や、鋼管の自重に起因する座屈を防止
することができる。また、下方に位置する鋼管に対する
コンクリートの充填中、又は、充填させたコンクリート
が硬化する間に、上方での作業を進めることができるの
で、高層の鉄鋼構造物を短期間で建造することが可能と
なる。
【0040】そして、請求項4又は5に記載したよう
に、本発明による鉄鋼構造物の施工方法は、橋脚、特
に、吊り橋の主塔の建造用に好適である。
【0041】このように本発明によれば、良好な施工性
を有し、高い強度をもった鉄鋼構造物を早期かつ安全に
建造可能とする鉄鋼構造物の施工方法の実現が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による橋脚の鉄鋼構造物の施工方法を適
用して建造した橋脚の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明による鉄鋼構造物の施工方法を説明する
ための斜視図である。
【図3】本発明による鉄鋼構造物の施工方法を説明する
ための斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線についての断面図である。
【図5】短鋼管ユニットを示す部分拡大斜視図である。
【図6】短鋼管ユニットを示す部分拡大斜視図である。
【図7】本発明による鉄鋼構造物の施工方法を説明する
ための斜視図である。
【図8】本発明による鉄鋼構造物の施工方法を説明する
ための斜視図である。
【図9】本発明による鉄鋼構造物の施工方法を説明する
ための斜視図である。
【図10】本発明による鉄鋼構造物の施工方法を説明す
るための斜視図である。
【符号の説明】
1…橋脚、2…主塔、3…基礎、4…基礎鋼管、5…短
尺鋼管、6…長尺鋼管、10…短鋼管ユニット、11…
連結鋼管、15…導入口、16…圧送管、17…圧送ポ
ンプ、18…中継ポンプ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の内部をコンクリートで充填させて
    鉄鋼構造物を建造する際に適用される鉄鋼構造物の施工
    方法において、 前記鋼管を複数使用し、前記各鋼管を立設させると共
    に、連結鋼管を介して、互いに隣り合う前記鋼管同士を
    それぞれの内部が連通するように連結する鋼管連結工程
    と、 前記複数の鋼管のうち、少なくとも一の鋼管から前記各
    鋼管の内部にコンクリートを充填するコンクリート充填
    工程とを含む鉄鋼構造物の施工方法。
  2. 【請求項2】 前記鋼管連結工程では、前記鋼管として
    短尺鋼管を複数使用すると共に、前記各短尺鋼管を前記
    連結鋼管で連結して短鋼管ユニットを形成し、前記短鋼
    管ユニットの前記各短尺鋼管と長尺鋼管とを接合する長
    管延設工程を含み、前記コンクリート充填工程では、前
    記短鋼管ユニットに含まれる少なくとも一の短尺鋼管か
    ら前記各短尺鋼管及び前記各長尺鋼管の内部にコンクリ
    ートを充填することを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼
    構造物の施工方法。
  3. 【請求項3】 前記各長尺鋼管と前記短鋼管ユニットの
    前記各短尺鋼管とを接合する短管延設工程を更に含み、
    前記短管延設工程、前記長管延設工程及び前記コンクリ
    ート充填工程を繰り返すことを特徴とする請求項2に記
    載の鉄鋼構造物の施工方法。
  4. 【請求項4】 前記鉄鋼構造物は、橋脚であることを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鉄鋼構造物の施
    工方法。
  5. 【請求項5】 前記鉄鋼構造物は、吊り橋の主塔である
    ことを特徴とする請求項4記載の鉄鋼構造物の施工方
    法。
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