JP2000109821A - 非リン系冷却液組成物 - Google Patents

非リン系冷却液組成物

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JP2000109821A
JP2000109821A JP10286210A JP28621098A JP2000109821A JP 2000109821 A JP2000109821 A JP 2000109821A JP 10286210 A JP10286210 A JP 10286210A JP 28621098 A JP28621098 A JP 28621098A JP 2000109821 A JP2000109821 A JP 2000109821A
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phosphorus
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benzoate
nitrate
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JP10286210A
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Tatsuya Nishigaki
達也 西垣
Masatsune Hasegawa
政恒 長谷川
Kyoji Hosono
恭司 細野
Midori Kondo
みどり 近藤
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Nissan Motor Co Ltd
CCI Corp
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
CCI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた金属の腐食防止性能を有し、かつウォ
ーターポンプのメカニカルシールに使用されているゴム
材を劣化させ難い非リン系冷却液組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 グリコール類を主成分とし、成分中にリ
ン酸塩、アミン塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及び亜硝酸塩を
含有しない冷却液組成物であって、0.5〜5.0重量
%のp-tertブチル安息香酸と、0.5〜5.0重量%の
2−エチルヘキサン酸とを含有し、さらに0.05〜1
0重量%の割合で安息香酸塩及び又は硝酸塩を含むこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として内燃機関
等の冷却液に使用される非リン系冷却液組成物に関す
る。詳細には優れた金属の腐食防止性能を有し、かつウ
ォーターポンプのメカニカルシールに使用されているゴ
ム材を劣化させ難い非リン系冷却液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、エンジン等の内燃機関の冷却系統には、グリコール
類を主成分とする冷却液組成物が適用されている。内燃
機関の冷却系統は、アルミニウム、アルミニウム合金、
鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅などの金属が使用されてお
り、これらの金属は、水あるいは空気との接触により腐
食を生じることから、これら冷却系統における金属の腐
食を防止するため、前記冷却液組成物中には、リン酸
塩、アミン塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩、亜硝酸塩といった
腐食防止剤が添加されている。
【0003】ところが、これらの腐食防止剤にあって
は、以下の如き欠点を有していた。すなわちリン酸塩
は、これが河川等に流入すると、富栄養化を引き起こ
し、水中のBOD、CODが上昇して藻類が繁殖し、こ
の結果、赤潮やスライムが発生するという問題があっ
た。さらにリン酸塩は、冷却液中に含まれる硬水成分と
反応して沈殿を生じ、これにより冷却液の腐食防止機能
が低下し、さらには沈殿物が堆積して冷却系統の循環路
が閉塞してしまうという事態を引き起こしていた。
【0004】ケイ酸塩は、冷却液中での安定性に劣り、
熱やpHが変化した場合や他の塩類が共存する場合に
は、容易にゲル化してしまい、腐食防止機能が低下する
という不具合があった。さらにホウ酸塩は、アルミニウ
ムやその合金を腐食させる傾向があり、亜硝酸塩は消耗
が速く、その分腐食防止機能も速く低下してしまうとい
う欠点があった。
【0005】そこで、上記腐食防止剤に代えて、人や環
境に悪影響を与え難くく、しかも優れた金属の腐食防止
性能を有する腐食防止剤として、p−tertブチル安
息香酸や2−エチルヘキサン酸が提案され、多用される
ようになった。
【0006】ところが、上記p−tertブチル安息香
酸や2−エチルヘキサン酸は、それらの添加量が多くな
ると、ウォーターポンプのメカニカルシールに使用され
ているゴム材(NBRやH−NBR)の劣化を促進する
という不具合があった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、優れた金属の腐食防止性能を有し、かつウ
ォーターポンプのメカニカルシールに使用されているゴ
ム材を劣化させ難い非リン系冷却液組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、グリコール類を主成分と
し、成分中にリン酸塩、アミン塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩
及び亜硝酸塩を含有しない冷却液組成物であって、0.
5〜5.0重量%のp-tertブチル安息香酸と、0.5〜
5.0重量%の2−エチルヘキサン酸とを含有し、さら
に0.05〜10重量%の割合で安息香酸塩及び又は硝
酸塩を含むことを特徴とする非リン系冷却液組成物をそ
の要旨とした。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の非
リン系冷却液組成物において、トリアゾール類を0.0
5〜1.0重量%の範囲で含有することを特徴とする非
リン系冷却液組成物をその要旨とした。
【0010】本発明の非リン系冷却液組成物(以下単に
組成物という)における主成分たるグリコール類として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール、グリセリン等が挙げられ、その中でも
特にエチレングリコール、或いはプロピレングリコール
が望ましい。
【0011】当該組成物におけるp-tertブチル安息香酸
は、金属、特にはアルミニウム系または鉄系に対して優
れた腐食防止機能を有している。またp-tertブチル安息
香酸は、硬水の安定化作用をも有している。このp-tert
ブチル安息香酸は、0.5〜5.0重量%の範囲で当該
組成物中に含まれている。その含有量が0.5重量%よ
りも少ない場合には十分な腐食防止機能が得られず、硬
水の安定化作用も期待できなくなる。一方、含有量が
5.0重量%を越える場合には、含有量が増した分だけ
の腐食防止機能が得られず不経済となる。
【0012】2−エチルヘキサン酸は、前記p-tertブチ
ル安息香酸とともに冷却液中にあって、冷却系統を構成
する金属、特にはアルミニウム系または鉄系の腐食防止
に優れた機能を発揮する。この2−エチルヘキサン酸
は、0.5〜5.0重量%の範囲で当該組成物中に含ま
れている。その含有量が0.5重量%よりも少ない場合
には十分な腐食防止機能が得られなくなる。一方、含有
量が5.0重量%を越える場合には、含有量が増した分
だけの腐食防止機能が得られず不経済となる。
【0013】安息香酸塩及び又は硝酸塩、すなわち安息
香酸塩(好ましくはそのアルカリ金属塩)、または硝酸
塩(好ましくはそのアルカリ金属塩)、あるいは安息香
酸塩及び硝酸塩は、前記p-tertブチル安息香酸及び2−
エチルヘキサン酸とともに冷却液中にあって、冷却系統
を構成する金属、特にはアルミニウム系または鉄系の腐
食防止に優れた機能を発揮する。また本発明者の実験に
より、安息香酸塩及び又は硝酸塩は、前記p-tertブチル
安息香酸及び2−エチルヘキサン酸とともに併用したと
き、これらが共働してウォーターポンプのメカニカルシ
ールに使用されているゴム材の劣化を抑制することが確
認された。
【0014】上記安息香酸塩及び又は硝酸塩は、0.0
5〜10重量%の割合で当該組成物中に含まれている。
その含有量が0.05重量%よりも少ない場合には十分
な腐食防止機能が得られなくなり、かつ前述のゴム材の
劣化抑制機能が十分に発揮されなくなる。一方、含有量
が10重量%を越える場合には、含有量が増した分だけ
の腐食防止機能及びゴム材の劣化抑制機能が得られず不
経済となる。
【0015】また当該組成物中には、0.05〜1.0
重量%の範囲でトリアゾール類を含ませることができ
る。このトリアゾール類としては、トリルトリアゾール
やベンゾトリアゾールなどが挙げられる。トリアゾール
類は、金属、特に銅に対して優れた腐食防止機能を有し
ており、そのような腐食防止機能を組成物中において十
分に発揮するため、0.05〜1.0重量%の範囲で含
まれるのが望ましい。
【0016】なお、本発明に係る組成物には、前記の成
分以外に例えば消泡剤、着色剤等を含有させても良い
し、他の従来公知の腐食防止剤であるモリブデン酸塩、
タングステン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、メルカプトベンゾ
チアゾール及びアルカリ金属塩等を使用しても良い。
【0017】
【実施例】以下に本発明の組成物をさらに詳しく説明す
る。下記表1には、本発明の好ましい実施例1〜3を示
すとともに、比較として上記安息香酸塩及び硝酸塩の含
有量が0.05重量を満たないものを比較例1として、
安息香酸塩及び硝酸塩総和のいずれも含まないものを比
較例2〜4としてそれぞれ示した。
【0018】
【表1】 上記実施例1〜3並びに比較例1〜4の各サンプルにつ
いて、金属腐食試験を行った。その結果を表2及び表3
に示す。尚、金属腐食試験は、JIS K 2234−
1987 2種の規定に基づいて行った。試験に供する
各サンプルは、調合水によって30体積%に希釈したも
のを用い、試験に供する金属には、アルミニウム鋳物、
鋳鉄、鋼、黄銅、はんだ、銅の各試験片を使用した。
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】 表2及び表3から、アルミニウム鋳物、鋳鉄、鋼、黄
銅、はんだ、銅の各金属について、優れた腐食防止機能
を有していることが確認された。
【0021】次に、上記実施例1〜3並びに比較例1〜
4の各サンプルについて、ゴム材に対する劣化抑制機能
の評価を行った。その結果を表4に示す。尚、各サンプ
ルのゴム材に対する劣化抑制機能について評価は、縦2
0mm×横20mm×高さ2mmの長方形に裁断したN
BR製のゴム板と、同形状でH−NBR製のゴム板を、
それぞれ各サンプルを調合水によって30体積%に希釈
した希釈液中に浸漬し、500時間の各ゴム板の外観変
化(亀裂の有無)を目視により確認し、その結果を表4
に示した。また、各ゴム板の同試験による亀裂の発生時
間も測定した。その結果を表5に示した。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】 表4及び表5から、比較例1〜4に係る希釈液に浸漬し
たゴム板は、NBR製、H−NBR製のいずれもが、若
干の微小亀裂または亀裂の発生が確認された。これに対
し、実施例1〜3に係る希釈液に浸漬したゴム板は、N
BR製が若干、微小亀裂が発生したものの、H−NBR
製のゴム板についてはいずれも異状がなかった。
【0024】また亀裂の発生時間を見たとき、NBR製
のゴム板については、実施例1〜3、比較例1〜4のい
ずれも大差は無かったが、H−NBR製のゴム板につい
ては、実施例1〜3に係るものが1000時間、比較例
1〜4に係るものが500時間となっており、実施例に
係るものが亀裂発生に2倍の時間を要し、実施例に係る
ものがいかに劣化しにくいか、換言すれば劣化抑制機能
を有するかが確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明の組成物は、0.5〜5.0重量
%のp-tertブチル安息香酸と、0.5〜5.0重量%の
2−エチルヘキサン酸とを含有し、さらに0.05〜1
0重量%の割合で安息香酸塩及び又は硝酸塩を含んでい
て、優れた金属の腐食防止性能を有し、かつウォーター
ポンプのメカニカルシールに使用されているゴム材の劣
化抑制機能に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 政恒 岐阜県関市新迫間12番地 シーシーアイ株 式会社内 (72)発明者 細野 恭司 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 近藤 みどり 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリコール類を主成分とし、成分中にリ
    ン酸塩、アミン塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩及び亜硝酸塩を
    含有しない冷却液組成物であって、0.5〜5.0重量
    %のp-tertブチル安息香酸と、0.5〜5.0重量%の
    2−エチルヘキサン酸とを含有し、さらに0.05〜1
    0重量%の割合で安息香酸塩及び又は硝酸塩を含むこと
    を特徴とする非リン系冷却液組成物。
  2. 【請求項2】 トリアゾール類を0.05〜1.0重量
    %の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の非
    リン系冷却液組成物。
JP10286210A 1998-10-08 1998-10-08 非リン系冷却液組成物 Pending JP2000109821A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009242663A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Cci Corp 不凍液/冷却液組成物
JP2010531919A (ja) * 2007-06-28 2010-09-30 シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド 不凍剤濃縮物及び冷却剤組成物並びにその調製
CN108441176A (zh) * 2018-04-03 2018-08-24 安徽职业技术学院 一种内燃机无水冷冻液

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JP2009242663A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Cci Corp 不凍液/冷却液組成物
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