JP2000109724A - 塗料組成物およびプラスチック積層体 - Google Patents

塗料組成物およびプラスチック積層体

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JP2000109724A
JP2000109724A JP28247598A JP28247598A JP2000109724A JP 2000109724 A JP2000109724 A JP 2000109724A JP 28247598 A JP28247598 A JP 28247598A JP 28247598 A JP28247598 A JP 28247598A JP 2000109724 A JP2000109724 A JP 2000109724A
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meth
acrylate
coating
plastic
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Kiyoshige Maeda
清成 前田
Yasushi Harada
裕史 原田
Satoru Horiuchi
哲 堀内
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面硬度、耐摩耗性、防眩性を有する、特定
の塗料組成物を硬化、積層したプラスチック積層体を提
供する。 【解決手段】 1分子中に2個以上の(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有する単量体を含む活性線硬化型樹脂中
に、有機珪素化合物により表面処理され、かつジーn−
ブチルアミンによる吸着量が150ミリグラム当量/k
g以下である一次粒子径0.5〜10μmの疎水性シリ
カ粒子を含有することを特徴とする塗料組成物、およ
び、プラスチックフィルムの少なくとも片面にその塗料
組成物を硬化、積層したプラスチック積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料組成物、およ
びその塗料組成物の硬化層を積層した、表面硬度、耐摩
耗性に優れ、かつ防眩性に優れたプラスチック積層体に
関するもので、特に、ディスプレイ表示部、計器表示部
などの保護フィルム、シートキーボード、銘板、タッチ
パネルなどの防眩フィルムに適したプラスチック積層体
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチックフィルムの表面に耐
摩耗性と防眩性を付与する方法として、例えば、放射線
硬化性組成物に艶消し剤としてシリカ、酸化チタンなど
の微粉末を配合した放射線硬化性層を施す方法が知られ
ている(例えば特開昭59−58036号公報)。
【0003】しかし、上記従来のプラスチック積層体は
下記のような問題点を有している。表面硬度化層組成物
に艶消し剤を単に混合分散した塗料は、艶消し剤の分散
安定性が不良で、分散した粒子が経時的に二次凝集を起
こし、再分散が困難な固い沈降を生じ、均一な防眩性を
有する硬度化層を形成することは難しい。さらに、硬度
化層の表面に粒子が突出し耐摩耗性が低下するなどの問
題がある。また、艶消しの程度が不安定で、防眩性は有
するがヘイズあるいは光沢度が安定しないなどの問題が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解消せんとするものであり、特定の塗料組成物
を硬化させた層をプラスチックフィルム表面に設けるこ
とにより良好な結果を得ることができることを見出し本
発明に到達した。
【0005】すなわち本発明の課題は、表面硬度、耐摩
耗性、耐薬品性および透明性に優れ、防眩性の点を改良
したプラスチック積層体、およびそれに用いる特定の塗
料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の塗料組成物は、1分子中に2個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する単量体を含む活性線
硬化型樹脂中に、有機珪素化合物により表面処理され、
かつジーn−ブチルアミンによる吸着量が150ミリグ
ラム当量/kg以下である一次粒子径0.5〜10μm
の疎水性シリカ粒子を含有することを特徴とするものか
らなる。
【0007】また、本発明に係るプラスチック積層体
は、プラスチックフィルムの少なくとも片面に上記塗料
組成物を硬化させた層が積層されていることを特徴とす
るものからなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明において
使用するプラスチックフィルムは、特に限定されるもの
ではなく、公知のプラスチックフィルムの中から適宜選
択して用いることができる。このようなプラスチックフ
ィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ジアセチ
ルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィル
ム、アセチルセルロースフィルム、ポリスチレンフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフ
ィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエチル
ケトンフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素フィル
ム、ナイロンフィルム、アクリルフィルムなどが挙げら
れる。これらのフィルムの中で、ポリエステルフィルム
が光学的、強度的な観点から、また均一性に優れたもの
が得られやすいことから好ましい。
【0009】本発明のポリエステルフィルムのポリエス
テルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高
分子の総称であって、好ましいポリエステルとしては、
エチレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレ
ート、ブチレンテレフタレート、エチレン−α,β−ビ
ス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4−ジカルボ
キシレート等から選ばれた少なくとも1種の構成成分を
主要構成成分とするものが挙げられる。これら構成成分
は1種のみ用いても、2種以上併用してもいずれでもよ
いが、中でも品質、経済性などを総合的に判断するとエ
チレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステ
ルが好ましい。また、これらポリエステルには、さらに
他のジカルボン酸成分やジオール成分が20モル%以下
共重合されていてもよい。
【0010】上記ポリエステルを使用したポリエステル
フィルムは、積層膜が設けられた状態においては二軸配
向されたものであるのが好ましい。二軸配向ポリエステ
ルフィルムとは、未延伸状態のポリエステルシートまた
はフィルムを長手方向及び幅方向に各々2.5倍〜5倍
程度延伸され、その後熱処理を施し、結晶配向を完了さ
せたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを
示すものをいう。
【0011】上記プラスチックフィルムは着色フィルム
でもよいし、また未着色のフィルムでもよく、さらに部
分的に着色されたものでもよい。
【0012】上記プラスチックフィルムは、硬度化層を
設ける前に各種表面処理(例えば、コロナ放電処理、グ
ロー放電処理、火炎処理、エッチング処理、粗面化処理
など)や、接着促進のための表面コーテイング(ポリウ
レタン系、ポリエステル系、ポリエステルアクリレート
系、ポリウレタンアクリレート系、ポリエポキシアクリ
レート系、チタネート系など)を行ってもよい。特に親
水基含有ポリエステル樹脂にアクリル系化合物をグラフ
ト化させた共重合体と架橋結合剤からなる組成物を下塗
りしたものが、接着性が向上し、耐湿熱性、耐沸水性な
どの耐久性に優れたフィルムとして好ましい。
【0013】これらのアンカーコート層の厚みは通常
0.01〜2g/m2 、好ましくは0.1〜1g/m2
である。0.01g/m2 より薄いと均一に塗布するこ
とが難しく、2g/m2 を越えるとこの上に積層する硬
度化層の表面硬度、耐摩耗性の優れた積層体を得ること
が難しく好ましくない。
【0014】プラスチックフィルムの厚みは特に限定さ
れるものではないが、機械的強度、熱伝導性の点から、
通常0.5〜500μm、好ましくは1〜300μmで
ある。また、得られたフィルムを公知の方法で貼り合わ
せ、さらに厚いフィルムとすることもできる。
【0015】本発明における1分子中に2個以上の(メ
タ)アクリロイル基(但し、本発明で「(メタ)アクリ
ロイル基」とは、アクリロイル基およびメタアクリロイ
ル基とを総称して表示したもので、特許請求の範囲及び
それ以下の説明でも同様である。)を有する多官能(メ
タ)アクリレート化合物とは、1分子中に2個以上のア
ルコール性水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が
2個以上の(メタ)アクリル酸のエステル化物となって
いる化合物などを用いることができる。具体的には、
(a)炭素数2〜12のアルキレングリコールの(メ
タ)アクリル酸ジエステル類:エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレ
ートなど、(b)ポリオキシアルキレングリコールの
(メタ)アクリレート酸ジエステル類:ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレートなど、(c)多価アルコールの(メ
タ)アクリル酸ジエステル類:ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレートなど、(d)ビスフェノールAあ
るいはビスフェノールAの水素化物のエチレンオキシド
及びプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジ
エステル類:2,2’−ビス(4−アクリロキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロ
キシプロポキシフェニル)プロパンなど、(e)ジイソ
シアネート化合物と2個以上のアルコール性水酸基含有
化合物を予め反応させて得られる末端イソシアネート基
含有化合物に、さらにアルコール性水酸基含有(メタ)
アクリレートを反応させて得られる分子内に2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有するウレタン(メ
タ)アクリレート類、(f)分子内に2個以上のエポキ
シ基を有する化合物にアクリル酸又はメタクリル酸を反
応させて得られる分子内に2個以上の(メタ)アクリロ
イルオキシ基を有するエポキシ(メタ)アクリレート
類、などが挙げられる。
【0016】特に1分子中に3個以上の(メタ)アクリ
ロイル基を有する単量体の少なくとも1種を含むハード
コート層が、硬度、硬化性はもちろん、耐摩耗性、可撓
性に優れるので好ましい。
【0017】また、1分子中に3個以上のアルコール性
水酸基を有する多価アルコールの該水酸基が3個以上の
(メタ)アクリル酸のエステル化物となっている化合物
が挙げられる。
【0018】具体的な例としては、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールト
リ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペン
タ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの単量
体は、1種または2種以上を混合して使用してもよい。
【0019】これらの1分子中に3個以上の(メタ)ア
クリロイルオキシ基を有する単量体の使用割合は、重合
性単量体総量に対して20〜90重量%、好ましくは3
0〜80重量%が望ましい。
【0020】上記単量体の使用割合が20重量%未満の
場合には、充分な耐摩耗性を有する硬化被膜が得られ
ず、またその量が90重量%を超える場合は、重合によ
る収縮が大きく、硬化被膜に歪みが残ったり、被膜の可
撓性が低下したり、硬化被膜側に大きくカールするので
好ましくない。
【0021】さらに分子内に1個のエチレン性不飽和二
重結合を有する化合物も含んでもよい。例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−及びi−プロピル(メタ)アクリレート、n−、s
ec−、及びt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メト
キシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−
3−メチルピロリドン、N−ビニル−5−メチルピロリ
ドンなどが挙げられる。特にプラスチック基材との密着
性を良くするために、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリ
ル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドンなどが
好ましい。これらの単量体は、1種または2種以上混合
して使用してもよい。
【0022】本発明における活性線硬化性の組成物を硬
化させる方法として紫外線を照射する方法が挙げられる
が、この場合には前記組成物に光重合開始剤を加えるこ
とが望ましい。光重合開始剤の具体的な例としては、ア
セトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p
−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピ
オフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノ
ン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビ
スジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベ
ンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−
α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイ
ソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル
アセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルケトン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラム
モノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントンなどの硫黄化合物、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のパーオキ
サイド化合物が挙げられる。これらの光重合開始剤は単
独で使用してもよいし、2種以上組み合わせてもよい。
【0023】光重合開始剤の使用量は重合性単量体組成
物100重量部に対して、0.01〜10重量部が適当
である。電子線又はガンマ線を硬化手段とする場合に
は、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。
【0024】本発明に用いる活性線硬化性組成物には、
製造時の熱重合や貯蔵中の暗反応を防止するために、ハ
イドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、
2,5−t−ブチルハイドロキノンなど、公知の熱重合
防止剤を加えるのが望ましい。添加量は重合性化合物総
重量に対して、0.005〜0.05重量%が好まし
い。
【0025】本発明に用いる活性線硬化性組成物には、
塗工時の作業性の向上、塗工膜厚のコントロールを目的
として、本発明の目的を損なわない範囲において、有機
溶剤を配合することができる。
【0026】有機溶剤としては、沸点が50〜150℃
のものが、塗工時の作業性、硬化前後の乾燥性の点から
用いやすい。具体的な例としては、メタノール、エタノ
ール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶
剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エ
ステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン系溶剤、トルエンなどの芳香族系溶剤、ジオキサン
などの環状エーテル系溶剤などを挙げることができる。
これらの溶剤は単独あるいは2種以上を混合して用いる
こともできる。
【0027】本発明に用いる活性線硬化性組成物には、
本発明の目的を損なわない範囲で、各種の添加剤を必要
に応じて配合することができる。例えば、酸化防止剤、
レベリング剤、帯電防止剤などが挙げられる。
【0028】本発明において活性線とは、紫外線、電子
線、放射線(α線、β線、γ線など)などアクリル系の
ビニル基を重合させる電磁波を意味し、実用的には、紫
外線が簡便であり好ましい。紫外線源としては、紫外線
蛍光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセ
ノン灯、炭素アーク灯などが挙げられる。また、電子線
方式は、装置が高価で不活性気体下での操作が必要では
あるが、塗布層中に光重合開始剤や光増感剤など含有さ
せなくてもよい点から有利である。
【0029】本発明において、硬化膜層に防眩性を付与
するために有機珪素化合物によって表面処理した疎水性
シリカを含有させる。
【0030】上記有機珪素化合物としては、例えば、ポ
リシロキサン、アルコキシド化合物、シランカップリン
グ剤、クロロシランなどをあげることができる。表面処
理は、シリカ表面のシラノール基に、例えばジメチルポ
リシロキサンのような有機珪素化合物をアミンと水の存
在下において加熱加圧下で反応させることにより行うこ
とができる。この場合、水とアミンはポリシロキサン鎖
の切断と、シリカのシラノール基との反応の触媒作用と
して作用する。
【0031】シリカ表面に有機物が処理されている程度
は、表面シラノール基に吸着されるジーn−ブチルアミ
ン(DBA)量を測定することにより定量することがで
きる。DBA値は150ミリグラム当量/kg以下であ
る。特にシリカ表面が疎水化される点で100ミリグラ
ム当量/kg以下が好ましい。DBA値は150ミリグ
ラム当量/kgを越えると表面硬度化層塗料内で粒子が
二次凝集を起こし防眩性は有するものの平滑な塗膜が得
られず、透過性が低下するなど好ましくない。
【0032】本発明に使用されるシリカの平均一次粒子
径は0.5〜10μmである。さらに好ましくは1〜5
μmがよい。平均一次粒子径が0.5μm以下であると
防眩性が得られず、特に0.1μm以下では膜は透明と
なり十分な防眩性が得られない。また、一次粒子径が
0.5μm以下の粒子を用いて塗料中に分散させた場
合、粒子が凝集して二次粒子径0.5μm以上の塗料組
成物とすることができるが、平滑な塗膜が得られない。
10μmを越えると平滑な塗膜が得られず、表面に突き
出た粒子が削られるなどして耐摩耗性が低下し、塗膜の
外観が著しく損なわれ、光透過性が悪くなるので好まし
くない。
【0033】疎水化されたシリカ粒子は公知の方法、例
えば高速攪拌機、ボールミル、ロールミル、サンドグラ
インドミルなどで硬度化層塗料液に混合・分散させるこ
とにより容易に硬度化層膜に含有させることができる。
これらの分散機の中でロールミル、サンドグラインドミ
ルが連続微粒分散ができ、分散速度が速いことなどから
好ましい。さらに上記疎水性シリカに公知の顔料、染料
なども併用することができる。
【0034】疎水性シリカの含有量は硬度化成分固形分
100重量部に対し10〜40重量部が好ましく、特に
光沢度、ヘイズ、塗料適性などの観点から15〜30重
量部が特に好ましい。シリカが10重量部未満では十分
な防眩性が得られず、40重量部を越えると硬度化層表
面の凹凸が不規則となりヘイズが著しく高くなり好まし
くない。
【0035】表面硬度化層の厚さとしては用途に応じて
適宜選択されるが、通常0.5μm〜10μm、好まし
くは1μm〜5μmである。表面硬度化層の厚さが、
0.5μm未満の場合には、表面硬度が不十分で傷が付
きやすく、10μmを超える場合には、硬化膜が脆くな
りやすく、表面硬度化フィルムを折り曲げた時に硬化膜
にクラックが入りやすくなって好ましくない。
【0036】また、本発明の目的を損なわない範囲にお
いて、表面硬度化層の最外層に図柄及び画などの印刷層
などを設けてもよい。
【0037】本発明のプラスチック積層体の全光線透過
率は、80〜99%が好ましく、85〜99%がさらに
好ましい。ヘイズは15〜55%が好ましく、20〜4
5%がさらに好ましい。光沢度は10〜80%が好まし
く、15〜70%がさらに好ましく、防眩性から15〜
50%がさらに好ましい。全光線透過率が80%未満、
ヘイズが55%を越え、光沢度が10%未満のものは、
塗膜が白化し、光透過性が悪くなり、表示体等が見えに
くくなり好ましくない。また、全光線透過率が99%を
越え、ヘイズが15%未満、光沢度が80%を越えるも
のは、表面光沢が高くなり、つや消し効果が得られず、
防眩性がなくなるため好ましくない。
【0038】本発明のプラスチック積層体は、プラスチ
ックフィルムに表面硬度化層を塗布硬化させることによ
り製造される。
【0039】本発明の表面硬度化層組成物の塗布手段と
しては、刷毛塗り、浸漬塗り、ナイフ塗り、スプレー塗
り、流し塗り、回転塗り(スピンナーなど)などの通常
行われている塗布方法が容易に適用可能である。各々の
方式には特徴があり、積層体の要求特性、使用用途など
により、塗布方法を適宜選択する。表面硬度化層組成物
の硬化方法としては、スチーム、ガスあるいは電気など
の熱源を利用する方法や、紫外線や電子線などの活性エ
ネルギー線を照射する方法が挙げられる。
【0040】本発明の積層体は、表面硬度が高く、耐摩
耗性に優れ、かつ防眩性を有しているため、広範な用途
に使用できる。詳しくは、CRT用フィルター、メンブ
レンスイッチ、ディスプレイ、銘板、計器のカバーなど
防眩性が要求される分野に用いることができる。
【0041】[特性の測定方法及び効果の評価方法]本
発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次の
通りである。 (1)耐摩耗性 スチールウール#0000で表面硬度化層を摩擦し、傷
のつき具合いを次の基準で評価した。 ○:強く摩擦してもほとんど傷がつかない。 △:かなり強く摩擦すると少し傷がつく。 ×:弱い摩擦でも傷がつく。
【0042】(2)全光線透過率 積分球式光線透過装置(スガ試験機(株)HGM−2D
P)を用いてJISK−6714に従って測定した。
【0043】(3)ヘイズ 積分球式光線透過装置(スガ試験機(株)HGM−2D
P)を用いてJISK−6714に従って測定した。
【0044】(4)光沢度 光沢度計(スガ試験機(株)デジタル変角光沢計 UG
V−5D)を用いてJIS Z−8741に従って入射
角60度で測定した。
【0045】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではな
い。
【0046】実施例1,2、比較例1,2 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ(株)製“ルミラー”)の片面にジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート70重量部、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート30重量部、シリカ(表面を疎
水性処理されたDBE値が70ミリグラム当量/kgで
ある平均粒子径1.4μmのもの)(サイロホービック
100:富士シリシア化学(株)製)表1に示す量、1
−ヒドロキシフェニルケトン5重量部、トルエン50重
量部、メチルエチルケトン50重量部を攪拌混合した組
成物をバーコータを用いて硬化後の膜厚が3μmになる
ように塗布し、塗膜層を設けたフィルムを作成した。得
られたフィルムの塗膜層を熱風乾燥機で30秒間放置
し、溶媒を揮発後、該塗膜面に高さ12cmの高さから
セットした80W/cmの強度を有する高圧水銀灯の下
を3m/分の速度で通過させた。塗膜は完全に硬化し
た。得られた塗膜の性能評価試験結果を表1に示す。
【0047】比較例3 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ(株)製“ルミラー”)の片面にジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート70重量部、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート30重量部、シリカ(表面未処
理のDBE値が500ミリグラム当量/kgである平均
粒子径1.4μmのもの)(サイリシア310:富士シ
リシア化学(株)製)20重量部、1−ヒドロキシフェ
ニルケトン5重量部、トルエン50重量部、メチルエチ
ルケトン50重量部を攪拌混合した組成物をバーコータ
を用いて硬化後の膜厚が3μmになるように塗布し、塗
膜層を設けたフィルムを作成した。得られたフィルムの
塗膜層を熱風乾燥機で30秒間放置し、溶媒を揮発後、
該塗膜面に高さ12cmの高さからセットした80W/
cmの強度を有する高圧水銀灯の下を3m/分の速度で
通過させた。塗膜は完全に硬化した。得られた塗膜の性
能評価試験結果を表1に示す。
【0048】比較例4 厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(東レ(株)製“ルミラー”)の片面にジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート70重量部、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート30重量部、シリカ(表面を疎
水性処理したDBA値49である平均粒子径0.02μ
mのもの)(アエロジルR−972:日本アエロジル
(株)製)20重量部、1−ヒドロキシフェニルケトン
5重量部、トルエン50重量部、メチルエチルケトン5
0重量部を攪拌混合した組成物をバーコータを用いて硬
化後の膜厚が3μmになるように塗布し、塗膜層を設け
たフィルムを作成した。得られたフィルムの塗膜層を熱
風乾燥機で30秒間放置し、溶媒を揮発後、該塗膜面に
高さ12cmの高さからセットした80W/cmの強度
を有する高圧水銀灯の下を3m/分の速度で通過させ
た。塗膜は完全に硬化した。得られた塗膜の性能評価試
験結果を表1に示す。
【0049】実施例3 厚さ80μmのトリアセテートフィルム(富士写真フィ
ルム(株)製“フジタック”)に実施例1と同様にして
塗膜層を設けたフィルムを作成した。得られた塗膜の性
能評価試験を結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、特に各実施例に示
したような本発明による優れた効果は、プラスチックフ
ィルムの上に有機珪素化合物により表面処理させた特定
の疎水性シリカを配合させた組成物を用いたことにより
生起されたものである。
【0052】有機珪素化合物により表面処理した疎水性
シリカは、塗料中に粒子が分散され、沈降、凝集もする
ことなく安定である。さらにこの塗料組成物を用いて得
られた硬化層は均一な防眩性を発現させる性質を有す
る。本発明では、このような特定のシリカを配合するこ
とにより、耐摩耗性に優れた防眩性を有する硬化膜が得
られる。疎水化処理をしないシリカでは塗料中の粒子の
安定性が悪いが、本発明の疎水化シリカを配合した結
果、シリカの分散安定性がすぐれ、均一な防眩性を有
し、かつ塗膜の耐摩耗性に優れるという著しい効果を生
じる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 哲 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20C AH02H AH06A AH06C AK25 AK25A AK25C AK25J AK41B AK42 AL01 AT00B BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C BA13 CA30 CC00A CC00C DE01A DE01C EH46 EJ08 EJ08A EJ08C EJ54 EJ64A EJ64C JB01 JB06A JB06C JB14A JB14C JD14A JD14C JK09 JK14 JN01 JN08 JN21 YY00 YY00A YY00C 4J038 CG141 CH051 CH061 CH101 CH171 CH191 GA02 GA03 HA446 JC30 JC31 KA03 KA13 KA15 KA20 NA01 NA11 NA19 PA17 PB03 PC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中に2個以上の(メタ)アクリロ
    イルオキシ基を有する単量体を含む活性線硬化型樹脂中
    に、有機珪素化合物により表面処理され、かつジーn−
    ブチルアミンによる吸着量が150ミリグラム当量/k
    g以下である一次粒子径0.5〜10μmの疎水性シリ
    カ粒子を含有することを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 プラスチックフィルムの少なくとも片面
    に請求項1記載の塗料組成物を硬化させた層が積層され
    ていることを特徴とするプラスチック積層体。
  3. 【請求項3】 積層体としての全光線透過率が80〜9
    9.5%、ヘイズが15〜55%、光沢度が10〜80
    %であることを特徴とする請求項2記載のプラスチック
    積層体。
  4. 【請求項4】 プラスチックフィルムがポリエステルフ
    ィルムであることを特徴とする請求項2または3記載の
    プラスチック積層体。
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JP2015189040A (ja) * 2014-03-27 2015-11-02 大日本印刷株式会社 化粧シート

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