JP2000109362A - 強誘電体材料、その製造方法及び強誘電体メモリ - Google Patents
強誘電体材料、その製造方法及び強誘電体メモリInfo
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Abstract
キャパシタ絶縁膜として使用される際のキャパシタ電極
の形成を容易なものとすることができる強誘電体材料、
その製造方法及び強誘電体メモリを提供する。 【解決手段】 強誘電体材料はx、yをモル比として、
PbxZr(1-y)Ti yO3により表される材料にAlを置
換固溶させて得られる。このxの値は0.9乃至1.
1、yの値は0.3乃至0.7である。また、強誘電体
メモリは、この強誘電体材料を膜厚が50乃至500n
mになるように形成したキャパシタ絶縁膜を有する。
Description
に好適な強誘電体メモリに関し、特に、リーク電流が低
く疲労特性が向上した強誘電体メモリに関する。
rroelectric Random Access Memory))中に強誘電
体膜に使用される強誘電体材料として鉛系酸化物強誘電
体材料及びビスマス層状構造強誘電体材料が使用されて
いる。前者の鉛系酸化物強誘電体材料の例としては、ペ
ブロスカイト型結晶構造を有するPZT(Pb(Zr、
Ti)O3)系強誘電体材料が挙げられる。このPZT
系強誘電体材料は、自発分極は大きいが疲労特性が低い
という性質を有する。また、PZT系強誘電体材料にL
a、Nb又はBi等の陽イオンを添加すると、自発分極
及び比誘電率が変化すると共に、リーク電流が低減され
るという効果が得られることが公知である。一方、後者
のビスマス層状構造強誘電体材料の例としては、SBT
(SrBi 2Ta2O9)が挙げられる。SBTは、疲労
特性は良好であるが自発分極は小さいという性質を有す
る。
数繰り返したときの自発分極の劣化を示すものである。
膜をキャパシタ絶縁膜として使用したときのキャパシタ
電極の改良により疲労を軽減する方法が検討されてい
る。一般的にキャパシタ電極にはPt電極又はTi電極
等が使用されるが、RuO2電極及びIrO2電極がPZ
T系強誘電体膜の疲労特性を改善することができるとい
う点で注目されている。
強誘電体膜としてPZT系強誘電体膜以外の膜が提案さ
れている(特開平9−82097号公報)。この公報に
は、例えば、強誘電体膜として(Ba、Sr)TiO3
膜が記載されており、薄膜化による誘電率の低下及びリ
ーク電流の発生が防止されている。
することにより、PZT系強誘電体薄膜の実用性を向上
させたものが提案されている(特開平10−41186
号公報)。この公報に記載された従来の強誘電体薄膜に
おいては、原子比で、100部のPZTに0.1乃至1
5部のCuが添加されて強誘電体薄膜が形成されてい
る。この結果、膜内の特性のばらつきが低減され微細加
工性が向上し、実用性が向上している。
RuO2電極及びIrO2電極をキャパシタ電極として使
用する従来の技術においては、キャパシタ電極を形成す
るために複雑な工程が必要になるという問題点がある。
また、強誘電体膜として(Ba、Sr)TiO3膜を使
用する方法及びPZTにCuに添加して薄膜を形成する
方法では、強誘電体膜の疲労特性を向上させることがで
きないという問題点がある。
のであって、疲労特性を向上させることができると共
に、キャパシタ絶縁膜として使用される際のキャパシタ
電極の形成を容易なものとすることができる強誘電体材
料、その製造方法及び強誘電体メモリを提供することを
目的とする。
料は、x、yをモル比として、PbxZr(1-y)TiyO3
により表される組成を有する材料にAlを置換固溶させ
てなることを特徴とする。
1.1、yの値は0.3乃至0.7であることが好まし
く、前記Alの置換固溶の割合がPbxZr(1-y)Tiy
O3に対して0.2乃至20モル%であることが好まし
い。
電体材料により形成され膜厚が50乃至500nmであ
るキャパシタ絶縁膜を有することを特徴とする。
yをモル比として、PbxZr(1-y)TiyO3により表さ
れる組成を有する材料にAlをZr又はTiと置換固溶
させたことを特徴とする。
置換固溶されることにより、強誘電体材料は製造され
る。これにより、自発分極が高いPZT系強誘電体材料
は標準生成エネルギーが低くくなると共に酸素との結合
力が大きくなり、酸素抜けが防止される。そのために分
極量の減少が防止され、リーク電流を低くでき、高い疲
労特性が得られる。
べく、鋭意実験研究を重ねた結果、PbxZr(1-y)Ti
y(以下、PZTとも言う。)にAlを含有する組成を
有するPZT強誘電体材料は、リーク電流を低くでき、
耐疲労特性が向上させることができることを見出した。
れる化学組成及びその組成限定理由について説明する。
成エネルギーを低下させると共に、Oとの結合力が高い
元素である。従って、酸素抜けの防止により分極量の減
少が防止され、疲労特性が著しく向上する。
xの値は0.9乃至1.1であり、yの値は0.3乃至
0.7であることが好ましい。
し強誘電体の自発分極が低くなりやすい。一方、yの値
が0.7を超えると、Tiが過剰となり強誘電体材料の
リーク電流が大きくなりやすい。一方、xの値が0.9
未満であると、Pbが不足し自発分極が低くなりやす
い。一方、xの値が1.1を超えると、余剰なPbによ
りリーク電流が増大しやすい。従って、xの値は0.9
乃至1.1であり、yの値は0.3乃至0.7であるこ
とが好ましい。
(1-y)TiyO3に対して0.2乃至20モル%であるこ
とが好ましい。
iyO3に対して0.2モル%未満であると、Alの添加
効果が低く、疲労特性の向上が小さい。一方、Alの含
有量が20モル%を超えると、リーク電流が多くなると
共に、強誘電体が変化してヒステリシスループの形状が
歪むことがある。従って、Alの添加量はPbxZr(
1-y)TiyO3に対して0.2乃至20モル%であること
が好ましい。
的に説明する。このような組成を有する絶縁膜をキャパ
シタ絶縁膜として使用する場合についての実施例であ
る。Pt電極又はTi電極等の容易に形成することがで
きる電極をキャパシタ電極として使用可能である。
料に添加されている元素とは添加元素としての性質が異
なる元素である。従来のPZT系強誘電体材料にはL
a、Nb又はBi等が添加されているが、これらは、P
ZT系強誘電体材料からなる膜中からの酸素の抜け出し
を防止するためである。そして、これらの添加元素はP
bの置換元素として作用する。一方、Alは、Ti及び
Zrの置換元素として作用する。このようにAlの添加
元素としての性質は、従来の添加元素と比して相違する
ものである。
タ膜を備えた本発明の実施例に係る強誘電体メモリを製
造する方法について説明する。絶縁層及びバッファ層を
備えた本発明に係る強誘電体メモリの製造する方法につ
いて説明する。図1(a)乃至(e)は本発明の実施例
に係る強誘電体メモリを製造する方法を工程順に示す断
面図である。
様の方法により、例えば、膜厚が0.6mmのシリコン
基板1の表面又は表面上にゲート酸化膜2、ゲート電極
3、ソース4a及びドレイン4bを形成する。更に,全
面に膜厚が,例えば、450nmの第1のSiO2膜8
を層間絶縁膜として形成する。
第1の導電膜5a、前述の組成を有し、膜厚が、例え
ば、200nmの強誘電体膜6及び第2の導電膜5bを
順次形成する。なお、強誘電体膜6の具体的な形成方法
については後述する。また、第1の導電膜5aは、例え
ば、膜厚が20nmのTi膜及び膜厚が2000ÅのP
t膜からなる。更に、第2の導電膜5bは、例えば、P
t膜からなる。
タが形成される予定の所定の領域にのみ残るように第2
の導電膜5b、強誘電体膜6及び第1の導電膜5aをイ
オンミリング等によりパターニングする。これにより、
第1の導電膜5aから下部電極が構成され、強誘電体膜
6からキャパシタ絶縁膜が構成され、第2の導電膜5b
から上部電極が構成される。
第2のSiO2膜9を層間絶縁膜として形成する。次い
で、第2の導電膜5b、ソース4a又はドレイン4bま
で到達するコンタクトホール10を第1のSiO2膜8
及び第2のSiO2膜9に形成する。
を全面に形成しパターニングすることにより、コンタク
トホール10内にAl配線層7を埋設する。このとき、
第2の導電層5bとドレイン4bとがAl配線層7によ
り接続されるようにする。これにより、1個のトランジ
スタ11及び1個のキャパシタ12が形成される。
モリを示す等価回路である。上述のようにして構成され
た本実施例の強誘電体メモリセルは、図2に示すよう
に、1個のトランジスタ11と1個のキャパシタ12か
ら構成される。そして、この強誘電体メモリに1ビット
の情報が記憶される。
体的に説明する。強誘電体膜6は種々の方法により形成
することが可能であるが、ここではその一例として、ゾ
ルゲル液を使用する形成方法を示す。先ず、20.9g
の2酢酸鉛・3水和物を溶媒である70mlのメトキシ
エタノールに入れた後、80℃で30乃至60分間加熱
攪拌することにより、2酢酸鉛・3水和物を溶解させ
る。このとき、鉛酸化物は0.05モルの1.1倍使用
されている。これは、加熱時のPbの蒸発、電極中への
拡散及びPbの純度が99.9%であるための補正を考
慮したものである。
加えて全量を200mlとする。そして、124℃で1
2時間の加熱攪拌により脱水を行う。
た後、8.691gのテトライソプロポキシジルコニウ
ム(0.026モル、純度98%補正済み)と7.14
4mlのテトライソプロポキシチタン(0.024モ
ル、純度99%補正済み)及び0.333gのイソプロ
ポキシアルミニウム(0.005モル、純度99.9%
補正済み)を反応系に加え、124℃で6時間の加熱攪
拌を行う。
に移し、溶媒を更に加えて全量を100mlとする。こ
れにより、アルミニウムを含有する強誘電体膜6のPZ
Tゾルゲル液が作成される。0.05モルの液が100
mlの液中にあるので、その濃度は0.5モル/リット
ルとなる。
れる。
ムを含むPZTゾルゲル液を第1の導電膜上に3000
rpmの回転数で10秒間スピンコーティングする。そ
して、150℃で5分間プリベーク及び400℃で10
分間プリベークの2段階のプリベークをホットプレート
を使用して行う。以降、スピンコーティング及び2段階
のプリベークを4回繰り返す。これにより、アモルファ
ス状の膜が第1の導電膜上に形成される。
中で1時間のアニールを行う。又は、酸素雰囲気の60
0℃の赤外線イメージ炉(RTA)中で1分間のアニー
ルをしてもよい。これにより、アモルファス状の膜が結
晶化し、強誘電体膜6が形成される。なお、上述のよう
に強誘電体膜6、の形成方法はゾルゲル液を使用する方
法に限定されるものではなく、スパッタリング法又はC
VD法等によっても形成可能である。また、ゾルゲル液
の作製に使用される薬品の量等も上述の数値に限定され
るものではない。
体膜6をキャパシタ絶縁膜として200nm形成した
が、キャパシタ絶縁膜の膜厚はこれに限定されるもので
はなく、50乃至500nmであることが望ましい。好
ましくは、膜厚は100乃至300nmである。
あると、均一な膜を得ることが困難となり、リーク電流
が増大することがある。一方、キャパシタ絶縁膜の膜厚
が500nmを超えると、分極反転に必要な電圧が高く
なり、駆動電圧が不足する虞がある。従って、キャパシ
タ絶縁膜の膜厚は50乃至500nmであることが望ま
しい。
置換固溶されることにより、強誘電体材料は製造され
る。
求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明す
る。
を添加したときの残留分極値Prを測定した。なお、残
留分極値Prの測定においては、±5Vの電極を印加し
た。この結果を下記表1に示す。表1において、添加量
とは、PbZr0. 52Ti0.48O3に対するAl、Ta又
はMgの割合である。また、残留分極値Prの単位は
「μC/cm2」であり、示された値は2Prに該当す
る値である。
0.48O3にAlを添加した場合には、高い残留分極値P
rが得られているが、Ta又はMgを添加した場合に
は、その添加量の増加に伴い残留分極値Prは低下して
いる。
リーク電流の変化を測定した。ここでは、Al添加量が
異なる種々の試料に対し、5Vの電圧を印加したときの
リーク電流を測定した。この結果を表2に示す。
1,2.5、10又は20モル%である試料及びAlを
含有しない試料においては、リーク電流が1(μA/c
m2)以下であり極めて良好であった。一方、Al添加
量が22又は25モル%である試料においては、Alの
添加量が請求項3に規定する範囲の上限を超えているの
で、リーク電流が1(μA/cm2)を超えた。
を10モル%添加したときの疲労特性を測定した。ここ
では、添加されている元素が異なる種々の試料に対し、
±5Vの電圧を25KHzの周波数で印加したときの残
留分極値Prの2倍の値の2Prを測定した。この結果
を図3に示す。図3は横軸にサイクル数Cの対数をと
り、縦軸に2Prの値をとって種々の試料における疲労
特性の変化を示すグラフ図である。図3において、●は
Alが添加されている試料、○はTaが添加されている
試料、×はMgが添加されている試料、△は元素が添加
されていない試料である。
試料においては、2Prの値は28(μA/cm2)か
ら低下しない。一方、元素が添加されていない試料にお
いては、初期値はAlが添加されている試料と同等であ
るが、サイクル数Cの増加に伴い2Prの値は低下して
いる。また、Ta又はMgが添加されている試料におい
ては、全てのサイクル数Cにおいて、どの元素も添加し
ていない試料よりも2Prの値が低い。
疲労特性の変化を測定した。ここでは、Alの添加量が
異なる種々の試料に対し、±5Vの電圧を25KHzの
周波数で印加したときの初期値Pr0に対する残留分極
値Prの変化を測定した。この結果を図4に示す。図4
は横軸にサイクル数Cの対数をとり、縦軸にPr/Pr
0の値をとって種々の試料における疲労特性の変化を示
すグラフ図である。図4において、●はAlの添加量が
1、2.5、5、10又は15モル%である試料、□は
Alの添加量が0.2モル%である試料、△はAlの添
加量が0.1モル%である試料、○はAlが添加されて
いない試料である。
い試料においては、サイクル数Cの増加に伴いPr/P
r0の値が著しく減少している。一方、Alの添加量が
1、2.5、5、10又は15モル%である試料におい
ては、請求項3に規定する範囲内にあるので、Pr/P
r0の値は1のまま一定である。また、Al添加量が
0.1又は0.2モル%の試料では、請求項3に規定す
る範囲から外れるので、サイクル数Cの増加に伴いPr
/Pr0の値に減少がみられる。
自発分極が高いPZT系強誘電体材料にAl添加するこ
とにより、疲労特性を著しく向上させることができる。
また、キャパシタ絶縁膜に使用する場合には、Pt電極
又はTi電極等をキャパシタ電極として使用することが
可能であるために、容易にキャパシタを形成することが
できる。そして、このような強誘電体材料からなるキャ
パシタ絶縁膜を強誘電体メモリに備えさせることによ
り、強誘電体メモリの疲労特性を向上させることができ
る。
誘電体メモリを製造する方法を工程順に示す断面図であ
る。
等価回路図である。
極、4a; ソース、4b;ドレイン、 5a、5b;
導電膜、 6;強誘電体膜、 7;Al配線層、8、
9;SiO2膜、 10;コンタクトホール、 11;
トランジスタ、 12;キャパシタ
Claims (5)
- 【請求項1】 x、yをモル比として、PbxZr(1-y)
TiyO3により表される組成を有する材料にAlを置換
固溶させてなることを特徴とする強誘電体材料。 - 【請求項2】 前記xの値は0.9乃至1.1、yの値
は0.3乃至0.7であることを特徴とする請求項1に
記載の強誘電体材料。 - 【請求項3】 前記Alの置換固溶の割合がPbxZr
(1-y)TiyO3に対して0.2乃至20モル%であるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の強誘電体材料。 - 【請求項4】 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記
載の強誘電体材料により形成され膜厚が50乃至500
nmであるキャパシタ絶縁膜を有することを特徴とする
強誘電体メモリ。 - 【請求項5】 x、yをモル比として、PbxZr(1-y)
TiyO3により表される組成を有する材料にAlをZr
又はTiと置換固溶させたことを特徴とする強誘電体材
料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28456098A JP3937033B2 (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | 強誘電体材料、その製造方法及び強誘電体メモリ |
Applications Claiming Priority (1)
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