JP2000109142A - 自動調圧機能を有する包装用容器 - Google Patents

自動調圧機能を有する包装用容器

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JP2000109142A
JP2000109142A JP10287089A JP28708998A JP2000109142A JP 2000109142 A JP2000109142 A JP 2000109142A JP 10287089 A JP10287089 A JP 10287089A JP 28708998 A JP28708998 A JP 28708998A JP 2000109142 A JP2000109142 A JP 2000109142A
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hole
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film layer
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Hajime Mitarai
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MEIWA PACKS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器に小さな貫通孔を設けると共に、その貫
通孔をラベル状のフィルムで覆うようにした方式にかか
るものであるにかかわらず、流通期間における内容物の
変質や内容物の持つ香気等の喪失を効果的に防止でき、
しかも電子レンジによる加熱または加熱調理に際して圧
力が上昇したときに自動的に内部の圧力を確実に逃がす
ことができ、ラベル状のフィルムによる引っ掛かりや美
観低下の問題も解消した自動調圧機能を有する包装用容
器を提供することを目的とする。 【解決手段】 袋などの容器(1) に貫通孔(2) を設け、
その貫通孔(2) を覆うように容器(1) の内側からラベル
状の小片(3) を設ける。この小片(3) は、スチーム軟化
性ガスバリアフィルム層(3a)と熱軟化性ヒートシーラブ
ルフィルム層(3b)との積層フィルムからなり、貫通孔
(2) 側に後者の層(3b)が位置するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジによる
加熱または加熱調理に際し、容器内が所定の内圧に達し
たときに、内部の圧力を自動的に逃がすことのできる包
装用容器、つまり自動調圧機能を有する包装用容器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】袋やコンテナ形状の容器に食品を収容し
た包装体をそのまま電子レンジにて加熱または加熱調理
を行うと、発生する水蒸気により内部が過圧状態とな
り、最終的には包装体が破裂して、電子レンジ内に内容
物が飛び散ることがある。このような破裂は、食品の損
失、電子レンジの汚れ、電子レンジの寿命の低下を招く
だけでなく、周囲の人に危険を与える。
【0003】そこで電子レンジ等の加熱器による調理に
先立ち、消費者の側でハサミやカッターで包装体に傷を
つけることが必要となるが、包装体を構成する容器自体
に圧力を逃がす機構を設ける方法を採用する方がより望
ましいと言える。
【0004】内部の圧力を逃がすために種々の機構のも
のが提案されているが、そのうちの一つに、容器に小さ
な貫通孔を設けると共に、その貫通孔の外部側からラベ
ル状のフィルムで覆うようにした次のような方式があ
る。
【0005】〈水蒸気逃散孔/手による事前開口方式〉
特開平5−211941号公報には、内圧調節孔を有す
る電子レンジ用素材食品収納体が示されており、その実
施例においては、本体と蓋とからなる収納体の蓋に内圧
調節孔を設けると共に、その内圧調節孔をシールで閉鎖
している。このシールについてはそれ以上の説明がない
が、電子レンジ加熱に先立ち剥離除去するものと思われ
る。
【0006】特開平5−42977号公報には、蒸気の
抜け穴が穿設された両面ヒートシール性フィルムを容器
本体の開口部に溶着し、該フィルムの上面に前記の抜け
穴を塞ぐ「上フィルム」を溶着した電子レンジ用容器が
示されている。電子レンジ調理に際しては、予め上フィ
ルムを剥がして蒸気の抜け穴を形成する。
【0007】〈水蒸気逃散孔/自動開口方式〉実開昭6
2−125766号公報には、通気孔を設けた耐熱性フ
ィルムからなる基材に低融点樹脂フィルムを積層した包
装材料からなる蓋材で、トレー等の容器本体を密封した
電子レンジ加熱用密封容器が示されている。
【0008】特開昭63−307085号公報には、容
器に水蒸気を逃がすための孔を設け、この孔をふさい
で、ベースフィルム上にマイクロ波により発熱する物体
の層を有するバルブシートを接着剤を用いて貼り付けた
電子レンジ調理用食品包装体が示されている。マイクロ
波により発熱する物体の層がマイクロ波を吸収して発熱
すると、接着剤が軟化して接着力が低下するので、内容
物から発生した水蒸気の圧力でバルブシートが剥離さ
れ、水蒸気が逃がされる。
【0009】特開平6−329179号公報には、孔を
有する可撓性容器と、その孔を閉鎖するように接着され
たシート状圧力調整弁とを有する自動調理用パッケージ
が示されている。ここでシート状圧力調整弁は、可撓性
シートとその片側面に塗布された接着剤とからなり、可
撓性シートは片側面中央部において接着剤非塗布部分を
有し、その非塗布部分を非円形(殊に二等辺三角形)に
形成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のうち特開平5−
211941号公報や特開平5−42977号公報の
「水蒸気逃散孔/手による事前開口方式」は、消費者に
よる事前のラベル剥離操作を要するという問題が依然と
して残る。
【0011】「水蒸気逃散孔/自動開口方式」のうち実
開昭62−125766号公報に開示のものは、蓋材−
本体間のシール部の剥離と、低融点樹脂フィルムとの破
裂との競争となり、蓋材−本体間のシール部の剥離の方
が先に起きることがあるため、信頼性の点で改良の余地
がある。
【0012】特開昭63−307085号公報に開示の
ものは、マイクロ波照射条件によっては接着剤の軟化が
遅れ、他の部分(シール部分)の方が先に破裂すること
がある。
【0013】特開平6−329179号公報に開示のも
のは、片側面に接着剤を塗布してあるが非円形の接着剤
非塗布部分を有する可撓性シートを、孔を閉鎖するよう
に接着しなければならないので、製造工程においてわず
かでもずれを生ずると、調理に際し設計通りには接着の
剥がれや水蒸気の逃散が円滑に進まず、市場に提供した
段階でトラブルを生ずるおそれがあるが、極めて多量の
パッケージを製造するときにわずかのずれも生じないよ
うにすることは、現実には至難である。また、可撓性シ
ートが充分な精度で孔を閉鎖しているかどうかを調べる
検査も容易ではない。
【0014】そしてこれらいずれの出願の方法において
も、容器に貫通孔を設けているため、その外部側からラ
ベル状のフィルムで覆っていても、流通期間の長さを考
えると、ラベルを透過して貫通孔から侵入する空気(酸
素)により内容物(食品)が徐々に変質することを免れ
ず、また食品の持つ香気等が貫通孔およびラベルを通し
て徐々に失われることを免れない。加えて、容器の外部
側からラベル状のフィルムで貫通孔を覆う方式において
は、容器の取り扱いに際しラベル状のフィルムのところ
が引っ掛かるという問題点がある上、外観的にも好まし
いとは言いがたかった。
【0015】本発明は、このような背景下において、容
器に小さな貫通孔を設けると共に、その貫通孔をラベル
状のフィルムで覆うようにした方式にかかるものである
にかかわらず、流通期間における内容物の変質や内容物
の持つ香気等の喪失を効果的に防止でき、しかも電子レ
ンジによる加熱または加熱調理に際して圧力が上昇した
ときに自動的に内部の圧力を確実に逃がすことができ、
さらにはラベル状のフィルムによる引っ掛かりや美観低
下の問題も解消した自動調圧機能を有する包装用容器を
提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の自動調圧機能を
有する包装用容器は、容器(1) の適当部位に貫通孔(2)
が設けられていると共に、その貫通孔(2) を覆うように
ラベル状の小片(3) が設けられた構造を有する包装用容
器であって、上記小片(3) が容器(1) の内側から設けら
れていること、および、上記小片(3) がスチーム軟化性
ガスバリアフィルム層(3a)と熱軟化性ヒートシーラブル
フィルム層(3b)との積層フィルムからなり、貫通孔(2)
側に熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)が配設さ
れていることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明の包装用容器にあっては、その製造
工程の適当な段階において容器(1)の適当部位に貫通孔
(2) が設けられ、その貫通孔(2) を覆うようにラベル状
の小片(3) が設けられる。そしてこのときラベル状の小
片(3) は、容器(1) の内側から設けられる。この「内側
から」設ける点が、本発明の第1の特徴点である。
【0019】容器(1) としては、袋や、本体と蓋とから
なるコンテナ形状の容器があげられる。容器(1) が袋
(ガゼット袋、テトラパック様の袋、二股に分かれた袋
などとすることもできる)であるときは、その袋の胴部
に貫通孔(2) および小片(3) が設けられる。容器(1) が
コンテナ形状の容器であるときは、そのコンテナ形状の
容器の蓋に貫通孔(2) および小片(3) が設けられる。
【0020】容器(1) が袋であるときは、基材フィルム
(1a)/シーラント層(1b)の層構成を有する積層フィルム
を製袋することにより袋を得、それに内容物である食品
を充填してから開口部をヒートシールすることにより包
装体が得られる。
【0021】容器(1) がコンテナ形状の容器であるとき
は、圧空成形や真空成形して得た本体(1X)に内容物であ
る食品を充填してから、ヒートシールや糊付けによりフ
ィルム製の蓋(1Y)を設けることにより包装体が得られ
る。このときの蓋(1Y)としては、上記のような基材フィ
ルム(1a)/シーラント層(1b)の層構成を有する積層フィ
ルムが用いられる。本体(1X)は単層でも複層でもよい
が、通常は蓋(1Y)よりも厚手とする。
【0022】ここで基材フィルム(1a)としては、単層ま
たは複層のプラスチックスシートが用いられる。基材フ
ィルム(1a)のうち特に重要なものは、二軸延伸ナイロン
フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸
ポリエステルフィルム、比較的高融点の無延伸ナイロン
フィルム、比較的高融点の無延伸ポリプロピレンフィル
ムなどがあげられる。これらのフィルムは、ポリ塩化ビ
ニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの
ガスバリア性樹脂をコーティングしたものや、これらの
ガスバリア性樹脂の層をラミネートしたものであっても
よい。基材フィルム(1a)の厚みは8〜50μm 程度とす
ることが多い。
【0023】シーラント層(1b)としては、エチレンのホ
モポリマーやコポリマー(ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体
等)、プロピレンのホモポリマーやコポリマーなどのポ
リオレフィン、あるいはポリエステル、アクリル共重合
体をはじめ、ヒートシール性を有する種々の樹脂の層が
あげられるが、これらの中では、ポリエチレンのうち低
密度ポリエチレン、特に種々の触媒を用いて製造したリ
ニア低密度ポリエチレン、なかんずく密度 0.945〜 0.9
00(殊に 0.935〜0.910)のリニア低密度ポリエチレン
や、CPPと称されるプロピレン系重合体が特に好適で
ある。シーラント層(1b)の厚みは10〜120μm 程度
とすることが多い。シーラント層(1b)は単層であっても
複層であってもよい。
【0024】基材フィルム(1a)に対するシーラント層(1
b)の積層は、ドライラミネート、エクストルージョンコ
ーティング、共押出、コーティングなどの方法により達
成できる。
【0025】貫通孔(2) は通常は打ち抜き孔とし、この
ときの孔の形状は、円形孔、楕円形孔、長円形孔、六角
形孔、八角形孔、矩形孔などとすることができる。貫通
孔(2) は、場合によっては切り込み孔(開くことが可能
な切り込み孔)であってもよく、このときの形状はアス
タリスク(*)状、十字形、C字形、Ω字形などの切り
込みとすることができる。
【0026】貫通孔(2) の大きさ(切り込み孔の場合に
は開いた状態の大きさ)は、約5〜350mm2 (円形孔
の場合で約 2.5〜21mm径)が適当であり、特に7〜2
00mm2 (円形孔の場合で約3〜16mm径)が最適であ
る。貫通孔(2) が余りに小さいときは、加熱調理時など
においてその貫通孔(2) からのスチームの抜けが悪く、
一方貫通孔(2) が余りに大きいときは、その部分の強度
が小さくなるので、流通過程において密封性が損なわれ
ることがあり、また内容物の調理等において蒸らし効果
が薄れる傾向がある。なお貫通孔(2) の数は、容器1個
当り1ないし数個とすることが多い。
【0027】貫通孔(2) は、上記のようにその内側から
ラベル状の小片(3) で覆うが、本発明においてはこの小
片(3) として、スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3
a)と熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)との積層
フィルムを用いると共に、貫通孔(2) 側に熱軟化性ヒー
トシーラブルフィルム層(3b)が配設されるようにする。
この点が本発明の第2の特徴点である。
【0028】ここでスチーム軟化性ガスバリアフィルム
層(3a)は、ガスバリア性に貢献する多数のOH基を有す
る高分子のフィルム層であるビニルアルコール系重合体
またはセルロース系フィルムの層であることが好まし
い。
【0029】ビニルアルコール系重合体フィルム層の代
表例の一つは、エチレン−ビニルアルコール共重合体
(EVOH)、殊にエチレン含量が20〜60モル%程
度、ケン化度が90モル%程度以上のEVOHのフィル
ム層であり、無延伸品であっても二軸延伸品であっても
よい。ビニルアルコール系重合体フィルム層の代表例の
他の一つは、二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム層
である。これらは、包装体を電子レンジで加熱または加
熱調理するときに発生するスチームにより軟化する性質
を有するが、常温あるいはそれよりある程度高い温度条
件下(夏場の温度条件下)では必要な耐水性を保つから
である。ビニルアルコール系重合体としては、そのほ
か、ポリビニルアルコールフィルムの熱処理物、エチレ
ン以外のコモノマーで共重合変性されたポリビニルアル
コールのフィルム、ポリビニルアルコールの後変性物の
フィルムなどのうち、上記条件下で必要な耐水性を有す
るものも用いることができる。
【0030】セルロース系フィルム層の例は、再生セル
ロースフィルム(セロハン)、セルロースエステル、セ
ルロースエーテルなどである。
【0031】熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)
としては、JIS K 7206に基く軟化温度が80〜130℃
のヒートシーラブルフィルムが好適に用いられる。具体
的には、エチレンのホモポリマーやコポリマー(たとえ
ば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリレート共重合体、アイオノマー、エチレ
ン−プロピレン共重合体等)、プロピレンのホモポリマ
ーやコポリマーをはじめとするヒートシーラブルなポリ
マーのフィルム層があげられる。これらの中では、ポリ
エチレンのうち低密度ポリエチレン、特に種々の触媒を
用いて製造したリニア低密度ポリエチレン、なかんずく
密度 0.925〜 0.890(殊に 0.920〜 0.900)のリニア低
密度ポリエチレンや、CPPと称されるプロピレン系重
合体(コポリマーやターポリマー)が特に好適である。
【0032】スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)
と熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)との積層フ
ィルムは、ドライラミネート、エクストルージョンコー
ティング、共押出、コーティングなどの方法により得ら
れる。
【0033】スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)
の厚みは5〜50μm 程度、熱軟化性ヒートシーラブル
フィルム層(3b)の厚みは5〜50μm 程度とし、これら
両層を積層した積層フィルムの厚みは10〜80μm 程
度とすることが多い。ただし、必ずしもそのような範囲
に限られるものではない。
【0034】上記構造を有する本発明の包装用容器は、
水分を含む電子レンジ加熱または加熱調理用食品の包装
用の容器として特に好適である。
【0035】〈作用〉本発明の包装用容器は、容器(1)
の適当部位に貫通孔(2) を設けると共に、その貫通孔
(2) を覆うようにラベル状の小片(3) が設けられた構造
を有する方式にかかるものであるが、そのラベル状の小
片(3) として、スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3
a)と熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)との積層
フィルムからなり、貫通孔(2) 側に熱軟化性ヒートシー
ラブルフィルム層(3b)が配設されるようにしている。
【0036】そして小片(3) は容器(1) の内側から設け
てあるので、引っ掛かりや美観低下の問題は有しない。
また容器(1) には貫通孔(2) を設けてあるものの、その
貫通孔(2) はスチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)
を有する小片(3) で覆われており、そのスチーム軟化性
ガスバリアフィルム層(3a)は常態では耐水性があるの
で、包装用容器に食品等を充填した包装体を流通や保存
に供したときには、流通や保存期間における内容物の変
質を効果的に防止することができ、またこれらの期間に
おける内容物の持つ香気等の喪失も効果的に防止でき
る。
【0037】なお貫通孔(2) を小片(3) で覆う方法とし
て、容器(1) の内面と小片(3) の熱軟化性ヒートシーラ
ブルフィルム層(3b)とを同種またはなじみのある樹脂と
すれば、ヒートシールによって強固にシールすることが
可能となり、食品の充填および流通段階でも小片(3) が
剥離や脱落を起こすことがなく、安全である。
【0038】本発明の包装用容器に食品等を充填した包
装体は、そのまま(ハサミで切り込みを入れたり、一部
開封したりすることなく)、電子レンジに入れて加熱ま
たは加熱調理に供することができる。この場合、電子レ
ンジ内には、通常は貫通孔(2) を設けてある部位が上に
なるように位置させる。
【0039】加熱により食品に含まれる水分が蒸発して
内部の圧力が上昇したときには、小片(3) を構成する積
層フィルムのうちスチーム軟化性ガスバリアフィルム層
(3a)は、常態では耐水性があるにかかわらず、加熱スチ
ームと接触したときには軟化して強度を失い、同時に熱
軟化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)は熱により軟化
するので、小片(3) 全体が軟化して内部の圧力により貫
通孔(2) から外部に向けてちょうど餅焼きのときの膨ら
みのようにプーと膨らみ、ついでその膨らみが破裂して
内圧が自動的に逃がされる。このときには、水分を多量
に含む汁物のようなものであっても内容物が噴き出した
り飛び散ったりするおそれがない。調理等の加熱温度が
高かったり、昇温速度が急で内圧が予想外に高くなった
ときであっても、何のトラブルも生じない。
【0040】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0041】実施例1 図1は本発明の包装用容器が袋であるときの一例を示し
た平面図である。図2は図1のA−A切断端面図である
(ただし層厚を誇張して描いてある)。図3(イ)、
(ロ)、(ハ)、(ニ)は、図1の容器に内容物(食
品)を充填した包装体を電子レンジで加熱または加熱調
理するときの状態を模式的に示した説明図である。
【0042】基材フィルム(1a)の一例としての厚み15
μm の二軸延伸ナイロンフィルム(ONy)と、シーラ
ント層(1b)の一例としての厚み60μm のリニア低密度
ポリエチレンフィルム(LLDPE)(密度 0.920のリ
ニア低密度ポリエチレンから製造したもの)とをドライ
ラミネートして、ONy/LLDPEの層構成の容器
(1) 用の積層フィルムを得た。
【0043】ラベル状の小片(3) 用の原反フィルムとし
て、スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)の一例と
しての厚み20μm のエチレン含量44モル%、ケン化
度99.5モル%のEVOHフィルム(株式会社クラレ製の
「クラレエバールEF−E」)と、熱軟化性ヒートシー
ラブルフィルム層(3b)の一例としての厚み25μm のリ
ニア低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)(密度
0.912のリニア低密度ポリエチレンから製造したもの)
とをドライラミネートして、EVOH/LLDPEの層
構成の積層フィルムを準備した。
【0044】上記ONy/LLDPEからなる容器(1)
用の積層フィルムに機械的な打ち抜きによる径5mm(19.
6mm2) の円形の貫通孔(2) を一定間隔で形成していき、
続いてその容器(1) 用の積層フィルムのLLDPE側か
ら、貫通孔(2) を覆うように、上記EVOH/LLDP
Eの層構成の積層フィルムを裁断した10mm×10mmの
大きさのラベル状の小片(3) を、EVOH/LLDPE
のLLDPE側が貫通孔(2) 側(容器(1) 用の積層フィ
ルムのLLDPE側)となるようにヒートシールにより
積層接着していった。ヒートシール温度は150℃に設
定した。
【0045】ついでこの貫通孔(2) および小片(3) 付き
の容器(1) 用の積層フィルムと、これら貫通孔(2) およ
び小片(3) を設ける前の容器(1) 用の積層フィルムと
を、両積層フィルムのシーラント層(1b)同士が対向する
ように位置させると共に、ヒートシールと裁断とを行う
ことにより、1辺を除く周縁3辺が10mm巾にヒートシ
ールされた170mm×200mmの大きさの袋(容器(1)
の一例)を得た。貫通孔(2) および小片(3) は、袋のほ
ぼ中央に位置するようにした(図1参照)。
【0046】上記の袋に汁物の食品を充填してから、開
口部を10mm巾にヒートシールして、多数個の包装体を
作製した。この包装体をチルド状態にて流通を模した条
件で1ケ月間取り扱う試験を行ったが、内容物に変色、
腐敗などの兆候は認めらず、また食品の香気も失われな
かった。ちなみに、ラベル状の小片(3) として、CPP
層/EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)層からな
るイージーピール性のフィルムを用い、これを袋の外側
または内側に位置するようにした場合は、同様の試験で
2週間前後で一部の包装体の内容物に変色や腐敗が認め
られ、また全ての包装体において食品の香気がかなり失
われた。
【0047】そして、上記で得た包装体のうち任意にサ
ンプリングした200個以上の包装体を用い、それをそ
のまま電子レンジに入れて調理に供したところ、加熱時
間の経過と共に水蒸気が発生し、内圧が上昇して包装体
が膨れはじめたが、ある圧力にまで達すると、小片(3)
全体が軟化して内部の圧力により貫通孔(2) から外部に
はみ出すように膨らんだ後、その膨らみが破裂して内圧
が自動的に逃がされた(図3参照)。貫通孔(2) からの
スチーム逃散に先立ち、周縁のヒートシール部から破袋
するようなトラブルは1件も生じなかった。電子レンジ
のパワーを種々変更したときも、同様にトラブルは1件
も生じなかった。
【0048】実施例2 基材フィルム(1a)の一例としての厚み15μm の二軸延
伸ナイロンフィルム(ONy)と、シーラント層(1b)の
一例としての厚み40μm のプロピレン系重合体(CP
P)フィルムとをドライラミネートして、ONy/CP
Pの層構成の容器(1) 用の積層フィルムを得た。
【0049】ラベル状の小片(3) 用の原反フィルムとし
て、スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)の一例と
しての二軸延伸EVOHフィルム(「クラレエバールE
F−XL」)と、熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層
(3b)の一例としての厚み20μm のプロピレン系重合体
(CPP)フィルムとをドライラミネートして、EVO
H/CPPの層構成の積層フィルムを準備した。
【0050】他の条件は実施例1と同様にして包装用容
器を作製したところ、実施例1と同等の好ましい結果が
得られた。
【0051】実施例3 基材フィルム(1a)の一例としての厚み12μm の二軸延
伸ポリエステルフィルム(PET)と、シーラント層(1
b)の一例としての厚み50μm のプロピレン系重合体
(融点150℃の高融点グレードのCPP)フィルムと
をドライラミネートして、PET/CPPの層構成の容
器(1) 用の積層フィルムを得た。
【0052】ラベル状の小片(3) 用の原反フィルムとし
て、スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)の一例と
しての厚み30μm のEVOHフィルム(「クラレエバ
ールEF−HS」)と、熱軟化性ヒートシーラブルフィ
ルム層(3b)の一例としての厚み20μm のプロピレン系
重合体(CPP)フィルムとをドライラミネートして、
EVOH/CPPの層構成の積層フィルムを準備した。
【0053】他の条件は実施例1と同様にして(ただし
径8mm(50.2mm2) の円形の貫通孔(2) とした)包装用容
器を作製したところ、実施例1と同等の好ましい結果が
得られた。
【0054】実施例4 ラベル状の小片(3) 用の原反フィルムとして、スチーム
軟化性ガスバリアフィルム層(3a)の一例としての厚み2
3μm の再生セルロースフィルム(セロハン)と、熱軟
化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)の一例としての厚
み25μm のリニア低密度ポリエチレンフィルム(LL
DPE)(密度 0.912のリニア低密度ポリエチレンから
製造したもの)とをドライラミネートして、セロハン/
LLDPEの層構成の積層フィルムを準備した。
【0055】他の条件は実施例1と同様にして包装用容
器を作製したところ、実施例1に準ずる結果が得られ
た。
【0056】実施例5 ラベル状の小片(3) 用の原反フィルムとして、スチーム
軟化性ガスバリアフィルム層(3a)の一例としての厚み1
6μm の二軸延伸ポリビニルアルコールフィルム(日本
合成化学工業株式会社製の「ボブロン」)に、EVA
(エチレン−酢酸ビニル)系ホットメルトコート剤(安
原ケミカル株式会社製の「#17578」)を厚み20
μm にエクストルージョンコートして熱軟化性ヒートシ
ーラブルフィルム層(3b)とした積層フィルムを準備し
た。
【0057】他の条件は実施例1と同様にして(ただし
径8mm(50.2mm2) の円形の貫通孔(2) とした)包装用容
器を作製したところ、実施例1と同等の好ましい結果が
得られた。
【0058】実施例6 図4は本発明の包装用容器がコンテナ形状の容器である
ときの一例を示した断面図である。
【0059】容器(1) は、ポリプロピレン製の厚み25
0μm からなる本体(1X)と、実施例1と同じONy/L
LDPEの層構成の積層フィルムからなる蓋(1Y)とでで
きている。ラベル状の小片(3) として実施例1と同じも
のを用い(ただし15mm×15mmの大きさとしてあ
る)、蓋(1Y)には径6mm(28.3mm2) の円形の貫通孔(2)
を設けてある。蓋(1Y)への小片(3) の内側からの設置
は、図4に付記のように、貫通孔(2) に対して同心円状
に行っている。この場合も実施例1と同様の好ましい結
果が得られた。
【0060】
【発明の効果】本発明の包装用容器は、容器に小さな貫
通孔を設けると共に、その貫通孔をラベル状のフィルム
で覆うようにした方式にかかるものであるにかかわら
ず、流通期間における内容物の変質や内容物の持つ香気
等の喪失を効果的に防止でき、しかも電子レンジによる
加熱または加熱調理に際して圧力が上昇したときに自動
的に内部の圧力を確実に逃がすことができ、さらにはラ
ベル状のフィルムによる引っ掛かりや美観低下の問題も
解消している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装用容器が袋であるときの一例を示
した断面図である。
【図2】図1のA−A切断端面図である。
【図3】図1の容器に内容物(食品)を充填した包装体
を電子レンジで加熱または加熱調理するときの状態を模
式的に示した説明図である。
【図4】本発明の包装用容器がコンテナ形状の容器であ
るときの一例を示した断面図である。
【符号の説明】
(1) …容器、(1a)…基材フィルム、(1b)…シーラント
層、(1X)…本体、(1Y)…蓋、(2) …貫通孔、(3) …小
片、(3a)…スチーム軟化性ガスバリアフィルム層、(3b)
…熱軟化性ヒートシーラブルフィルム層
フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AA05 AA11 AB23 BA22 BA25 BA26 BA27 BA29 BA30 BA36 BA38 BA40 BA54 BB03 BC01 BC08 BC16 BC18 FA01 HD02 HE03 HN05 3E084 AA06 AA12 AA24 AB10 BA01 BA09 LA01 LB02 LB07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器(1) の適当部位に貫通孔(2) が設けら
    れていると共に、その貫通孔(2) を覆うようにラベル状
    の小片(3) が設けられた構造を有する包装用容器であっ
    て、上記小片(3) が容器(1) の内側から設けられている
    こと、および、上記小片(3)がスチーム軟化性ガスバリ
    アフィルム層(3a)と熱軟化性ヒートシーラブルフィルム
    層(3b)との積層フィルムからなり、貫通孔(2) 側に熱軟
    化性ヒートシーラブルフィルム層(3b)が配設されている
    ことを特徴とする自動調圧機能を有する包装用容器。
  2. 【請求項2】スチーム軟化性ガスバリアフィルム層(3a)
    が、ビニルアルコール系重合体フィルム層またはセルロ
    ース系フィルム層である請求項1記載の包装用容器。
  3. 【請求項3】ビニルアルコール系重合体フィルム層が、
    無延伸または二軸延伸エチレン−ビニルアルコール共重
    合体フィルム層または二軸延伸ポリビニルアルコールフ
    ィルム層である請求項2記載の包装用容器。
  4. 【請求項4】熱軟化性ヒートシーラブルフィルム(3b)
    が、ビカット軟化温度が80〜130℃のヒートシーラ
    ブルフィルムである請求項1記載の包装用容器。
  5. 【請求項5】容器(1) が袋であって、その袋の胴部に貫
    通孔(2) および小片(3) が設けられているか、容器(1)
    がコンテナ形状の容器であって、そのコンテナ形状の容
    器の蓋に貫通孔(2) および小片(3) が設けられている請
    求項1記載の包装用容器。
  6. 【請求項6】電子レンジによる加熱または加熱調理用食
    品の包装用容器である請求項1記載の包装用容器。
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