JP2000108128A - タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫成形方法 - Google Patents

タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫成形方法

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JP2000108128A JP28076898A JP28076898A JP2000108128A JP 2000108128 A JP2000108128 A JP 2000108128A JP 28076898 A JP28076898 A JP 28076898A JP 28076898 A JP28076898 A JP 28076898A JP 2000108128 A JP2000108128 A JP 2000108128A
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vulcanizing
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vulcanization
suction port
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達夫 松尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未加硫タイヤT全体を均一に加硫する。 【解決手段】 未加硫タイヤTの加硫時、電気ヒータ
ー67によって加熱された媒体通路59内の加硫媒体は排出
口54から媒体室50に流出されるが、この流出の途中で第
1整流部75の排出口54側(軸方向上方)に傾斜している
部位により流れ方向が排出口54側に変化させられる。こ
の結果、前記加硫媒体は排出口54側のサイドウォール部
Sの内面に沿って流れるようになり、該上側のサイドウ
ォール部Sの近傍における温度の高い加硫媒体の滞留が
阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、加硫ブラダ等の
環状体内の加硫媒体を電気ヒーターで加熱することによ
り未加硫タイヤを加硫するようにしたタイヤ加硫装置お
よびタイヤ加硫成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加硫ブラダ内の加硫媒体を電気ヒ
ーターで加熱することにより未加硫タイヤを加硫するよ
うにしたタイヤ加硫装置としては、例えば特開昭63ー
22614号公報に記載されているようなものが知られ
ている。
【0003】このものは、内部に加硫を行う未加硫タイ
ヤが収納された加硫金型と、密閉された媒体室に加硫媒
体が充填されることにより膨張して未加硫タイヤを加硫
金型に押し付ける屈曲可能な加硫ブラダと、外周に前記
媒体室に連通する排出口および吸入口が軸方向に離れて
形成されているケーシングと、該ケーシング内に形成さ
れ前記排出口と吸入口とを連通する媒体通路と、媒体通
路内の加硫媒体を吸入口から排出口に向かって移動させ
ることにより、該加硫媒体を排出口から媒体室に流出さ
せる流出手段と、前記媒体通路の途中に配設され、移動
途中の加硫媒体を加熱する電気ヒーターと、前記排出口
と吸入口との間のケーシング外周に設けられた平坦な鍔
状の仕切り板とを備えたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のタイヤ加硫装置にあっては、仕切り板が平坦
な鍔状であるため、排出口から媒体室内に流出された高
温の加硫媒体は、仕切り板に邪魔されることなく、該媒
体室内を半径方向外側に向かってほぼ直進し、加硫ブラ
ダの内面に当たって方向転換した後、吸入口に向かって
半径方向内側にほぼ直進するのである。この結果、排出
口より上側の媒体室(上側のサイドウォール部近傍)に
おいては加硫媒体の流れが弱くなって温度の高い加硫媒
体が比較的大量に滞留し、一方、吸入口より下側の媒体
室(下側のサイドウォール部近傍)においても加硫媒体
の流れが弱くなって温度の低下した加硫媒体が若干量滞
留し、これにより、未加硫タイヤの加硫温度(加硫速
度)が場所によって異なってしまい、加硫を均一に行う
ことが困難となってしまうという問題点がある。
【0005】この発明は、未加硫タイヤ全体を均一に加
硫することができるタイヤ加硫装置およびタイヤ加硫成
形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、第1
に、内部に加硫を行う未加硫タイヤが収納された加硫金
型と、密閉された媒体室に加硫媒体が充填されるととも
に、未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状体と、外
周に前記媒体室に連通する排出口および吸入口が軸方向
に離れて形成されているケーシングと、該ケーシング内
に形成され前記排出口と吸入口とを連通する媒体通路
と、媒体通路内の加硫媒体を吸入口から排出口に向かっ
て移動させることにより、該加硫媒体を排出口から媒体
室に流出させる流出手段と、前記媒体通路の途中に配設
され、移動途中の加硫媒体を加熱する電気ヒーターと、
前記排出口と吸入口との間のケーシング外周に設けられ
た略鍔状の仕切り板とを備えたタイヤ加硫装置におい
て、前記仕切り板に、少なくとも一部が排出口側に傾斜
した第1の整流部を設けることにより、
【0007】第2に、未加硫タイヤを加硫金型に押し付
ける環状体内の密閉された媒体室から吸入口を通じて媒
体通路に流入した加硫媒体を電気ヒーターで加熱した
後、流出手段により排出口を通じて前記媒体室に流出さ
せることで前記未加硫タイヤの加硫を行う際、前記排出
口と吸入口との間に設けた仕切り板によって加硫媒体の
流れを仕切るようにしたタイヤ加硫成形方法において、
前記仕切り板の少なくとも一部を排出口側に傾斜させる
ことにより、排出口を通じて流出した直後の加硫媒体の
流れ方向を変化させて、該加硫媒体が排出口側に位置す
る未加硫タイヤのサイドウォール部内面に沿って流れる
ようにすることにより達成することができる。
【0008】今、加硫金型内に収納されている未加硫タ
イヤは、媒体室に加硫媒体が充填されている環状体によ
って該加硫金型に押し付けられているとする。このと
き、前記媒体室から吸入口を通じて媒体通路に流入した
加硫媒体は、電気ヒーターによって加熱されるととも
に、流出手段によって排出口に向かって移動され、該排
出口を通じて媒体室(環状体内)に流出される。そし
て、この加硫媒体は流出直後に仕切り板を構成する第1
の整流部の傾斜した部位に衝突し、その流れ方向が変化
させられるが、該第1の整流部の傾斜部位は排出口側に
傾斜しているため、前記流れ方向は排出口側に向かって
変化させられ(整流され)、この結果、排出口から流出
した加硫媒体は排出口側のサイドウォール部内面に沿っ
て流れるようになり、該サイドウォール部近傍における
温度の高い加硫媒体の滞留が阻止される。これにより、
媒体室の加硫媒体の温度はいずれの場所もほぼ均一とな
って、未加硫タイヤに対する加硫が全体的に均一に行わ
れるのである。
【0009】また、請求項2、5に記載のように構成す
れば、吸入口を通じて媒体通路に吸入される直前の加硫
媒体は第2の整流部の傾斜した部位によって吸入口側の
サイドウォール部内面に沿って流れるよう流れが変化さ
せられ(整流され)、これにより、該サイドウォール部
近傍における温度の低い加硫媒体の滞留が阻止される。
この結果、媒体室の加硫媒体の温度がさらに均一化し、
未加硫タイヤに対する加硫がさらに均一となる。
【0010】さらに、各加硫モールドを加熱する電気ヒ
ーターおよび媒体通路の途中に配設された電気ヒーター
の温度を一括して制御した場合には、場所によって加硫
温度(加硫速度)が異なることがあり、このときには加
硫が不均一となってしまうが、請求項3、6に記載のよ
うに構成すれば、タイヤの各部位を最適の加硫温度に調
整することができるため、加硫をさらに均一化すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1、2において、10は静止し
た固定フレーム11を有するタイヤ加硫装置であり、この
固定フレーム11上にはリング状をした下プラテン12が固
定され、この下プラテン12内にはニクロム線からなり後
述する制御手段に接続されている鍔状の電気ヒーター13
が2個収納されている。14は下プラテン12内に埋設され
た温度センサであり、この温度センサ14は下プラテン12
の温度を検出してその結果を制御手段15に出力する。17
は前記下プラテン12上に固定され該下プラテン12(電気
ヒーター13)により加熱される加硫モールドとしての下
サイドモールドであり、この下サイドモールド17の上面
には未加硫タイヤTの下側のサイドウォール部Sを主に
型付けする型付け面18が設けられている。
【0012】21は固定フレーム11の上方にこれから離れ
て設置された可動台であり、この可動台21の下面にはリ
ング状をした上プラテン22が固定され、この上プラテン
22内にはニクロム線からなり前記制御手段15に接続され
ている鍔状または周方向に均等に並べられた扇状の電気
ヒーター23が収納されている。24は上プラテン22内に埋
設された温度センサであり、この温度センサ24は上プラ
テン22の温度を検出してその結果を前記制御手段15に出
力する。そして、この可動台21は図示していない垂直な
シリンダのピストンロッドに連結されており、この結
果、該シリンダが作動すると、可動台21は昇降して固定
フレーム11に接近離隔する。26は上プラテン22の直下に
設置された可動プレートであり、この可動プレート26に
は可動台21に支持された図示していないシリンダのピス
トンロッド27の先端(下端)が連結されているため、該
シリンダが作動することで、該可動プレート26は可動台
21と別個に昇降することができる。前記可動プレート26
の下面には加硫モールドとしての上サイドモールド28が
固定され、この上サイドモールド28の下面には未加硫タ
イヤTの上側のサイドウォール部Sを主に型付けする型
付け面29が形成されている。そして、この上サイドモー
ルド28は可動プレート26が上プラテン22に面接触してい
るとき、可動プレート26を介して上プラテン22(電気ヒ
ーター23)により加熱される。
【0013】31は可動プレート26および上サイドモール
ド28を半径方向外側から囲むよう設けられたアウターリ
ングであり、このアウターリング31の上端は前記上プラ
テン22の半径方向外端部下面に固定されている。このア
ウターリング31内にはオイルが充満している環状空間32
が形成されるとともに、上下方向に延び前記制御手段15
に接続された複数本の棒状電気ヒーター33が挿入され、
これら電気ヒーター33の発熱部は該環状空間32に位置し
ている。34はアウターリング31内に埋設された温度セン
サであり、この温度センサ34はアウターリング31の温度
を検出してその結果を前記制御手段15に出力する。ま
た、このアウターリング31の内周には下方に向かって拡
開している円錐状の傾斜面35が形成されている。36は周
方向に離れて設置された複数、ここでは9個の弧状をし
たセクターセグメントであり、これらのセクターセグメ
ント36の上端は上サイドモールド28より半径方向外側の
可動プレート26に半径方向に移動可能に支持されてい
る。
【0014】また、これらセクターセグメント36の外周
には前記アウターリング31の傾斜面35と同一勾配の傾斜
面37が形成され、これら傾斜面37と前記傾斜面35とはあ
り継手によって連結されながら摺動可能に係合してい
る。この結果、これらセクターセグメント36は、アウタ
ーリング31(電気ヒーター33)によって加熱されるとと
もに、可動プレート26が可動台21に対し接近離隔してこ
れらの間の間隔が変化すると、可動プレート26に支持さ
れながら前記傾斜面35、37の楔作用によって半径方向に
同期移動する。前記セクターセグメント36の半径方向内
側面には未加硫タイヤTのトレッド部Dを主に型付けす
る型付け面38が内面に形成されたセクターモールド39が
それぞれ取り付けられている。そして、これらセクター
モールド39はセクターセグメント36が半径方向内側限ま
で同期移動したとき、互いに密着して連続リング状を呈
するとともに、下降端の上サイドモールド28および下サ
イドモールド17に密着して内部に未加硫タイヤTを収納
するドーナツ状の加硫空間を形成する。また、前述の
下、上サイドモールド17、28およびセクターモールド39
(本実施形態では周方向に9個)は全体として、内部に
加硫を行う未加硫タイヤTが収納された加硫金型41を構
成する。
【0015】43は固定フレーム11の中央部に固定された
上下方向に延びる円筒体であり、この円筒体43は図示し
ていない流体シリンダ等により昇降される。この円筒体
43内には該円筒体43と同軸であるケーシングとしての円
筒状をしたセンターポスト44が摺動可能に挿入され、こ
のセンターポスト44は後述するモータ60の下端に連結さ
れたシリンダによって円筒体43と別個に昇降される。前
記センターポスト44の上端は上閉止板45により、その下
端は下閉止板46により閉止されており、この結果、セン
ターポスト44の内部は密閉された空間となる。このセン
ターポスト44の上端部外周には上クランプリング47が取
り付けられており、この上クランプリング47は、上サイ
ドモールド28の内端部に当接することができる。
【0016】前記円筒体43の上端部外周には下クランプ
リング48が取り付けられ、この下クランプリング48は下
サイドモールド17の内端部に当接することができる。49
は上端部が上クランプリング47に、下端部が下クランプ
リング48にそれぞれ気密状態で把持された環状体として
の屈曲可能な加硫ブラダであり、この加硫ブラダ49は、
密閉された媒体室50に高温、高圧の加硫媒体が充填され
ると、未加硫タイヤT内でドーナツ状に膨張し、該未加
硫タイヤTを加硫金型41、即ち上、下サイドモールド2
8、17およびセクターモールド39の型付け面29、18、38
に押し付けながら加硫する。
【0017】図1、2、3、4において、前記センター
ポスト44の上端部外周には前記媒体室50に連通している
複数の排出口54が形成され、これら排出口54は周方向に
等距離離れて配置されるとともに、センターポスト44の
内部まで貫通している。また、前記排出口54から軸方向
下方に離れたセンターポスト44の外周には前記媒体室50
に連通している複数の吸入口55が形成され、これら吸入
口55も周方向に等距離離れて配置されるとともに、セン
ターポスト44の内部まで貫通している。前記排出口54と
吸入口55との間のセンターポスト44の内周にはリング体
57が固定され、このリング体57の内周には該センターポ
スト44内に遊嵌された薄肉内筒58の上端が固定されてい
る。
【0018】この内筒58の下端は下閉止板46の若干上方
で終了しており、この結果、センターポスト44内には、
センターポスト44と内筒58との間の空間から内筒58内、
リング体57内の空間を順次通過してリング体57より上方
のセンターポスト44内の空間に至る媒体通路59が形成さ
れ、この媒体通路59は前記排出口54と吸入口55とを連通
している。60は下閉止板46に取り付けられたモータであ
り、このモータ60の出力軸61は媒体通路59内に突出する
とともに、その上端には羽根62が固定されている。前述
したモータ60、羽根62は全体として流出手段63を構成
し、この流出手段63は、モータ60によって羽根62を回転
させることにより、吸入口55を通じて媒体室50から媒体
通路59内に流入(吸入)した加硫媒体を排出口54に向か
って移動させた後、該排出口54を通じて媒体室50に再び
流出させる。
【0019】65は排出口54の直上のセンターポスト44内
に固定された密閉板であり、この密閉板65の下面には内
筒58内に遊嵌されたコア66の上端が固定され、このコア
66の下端は内筒58の下端より上方で終了している。前記
コア66内には前記制御手段15に接続された棒状の電気ヒ
ーター67が収納され、また、このコア66の外周には半径
方向外側に向かって突出するとともに、軸方向(上下方
向)に延びる複数のフィン68が形成され、これらのフィ
ン68は周方向に等距離離れて配置されている。このよう
に前記電気ヒーター67は媒体通路59の途中に配設されて
いるため、該媒体通路59内を移動している加硫媒体はそ
の移動途中でコア66を介して電気ヒーター67により加熱
される。
【0020】69はセンターポスト44の内周で排出口54の
直上に取り付けられた温度センサであり、この温度セン
サ69は媒体室50に流出される加硫媒体の温度を検出して
その結果を前記制御手段15に出力する。ここで、前記制
御手段15は、予め設定記憶されている設定温度と、前記
温度センサ14、24、34、69からのフィードバック検出温
度とを比較し、これらの値が異なっているときには、加
硫モールド17、28、39を加熱する電気ヒーター13、23、
33および媒体通路59の途中に配設された電気ヒーター67
への通電電力を制御して、これら電気ヒーター13、23、
33、67の温度を個別に制御するようにしている。ここ
で、加硫モールドを加熱する電気ヒーターおよび媒体通
路の途中に配設された電気ヒーターの温度を制御手段に
よって一括して統一温度に制御することも考えられる
が、このようにすると、場所によって加硫温度(加硫速
度)が異なることがあり、このときには加硫が不均一と
なってしまうのである。このため、この実施形態では前
述のように個別に温度、具体的には前述のように通電電
力を制御しているのである。このため、タイヤTの各部
位を最適の加硫温度に調整することができ、加硫を全体
的に均一化することができる。
【0021】73はセンターポスト44の外周に内周が固定
され該センターポスト44と同軸である略鍔状の仕切り板
であり、この仕切り板73は補強用の複数のステー74によ
って上クランプリング47にも固定されている。この仕切
り板73は前記排出口54と吸入口55との間に位置すること
で、排出口54から排出される加硫媒体と吸入口55に吸入
される加硫媒体との流れを仕切り、これら流れ方向の異
なる加硫媒体が混合しないよう遮断している。
【0022】ここで、前記仕切り板73は複数の第1整流
部75を有し、これらの第1整流部75は周方向に等距離離
れて配置されるとともに、少なくとも一部、ここでは半
径方向外側部が排出口54側(軸方向上方)に鋭角で傾斜
している。また、前記仕切り板73は隣接する第1整流部
75間に第2整流部76を有し、これらの第2整流部76も周
方向に等距離離れて配置されるとともに、少なくとも一
部、ここでは半径方向外側部が吸入口55側(軸方向下
方)に鋭角で傾斜している。この結果、前述した複数の
第1整流部75と複数の第2整流部76とは周方向に交互に
配置されることとなる。そして、これら第1、第2整流
部75、76の半径方向内側部同士は直接連結され、また、
傾斜している半径方向外側部同士は略三角形の接続片77
を介して連結されている。
【0023】次に、この発明の一実施形態の作用につい
て説明する。前述したタイヤ加硫装置10を用いて未加硫
タイヤTを加硫する場合には、まず、開放状態の加硫金
型41内に未加硫タイヤTを搬入して円筒状をした加硫ブ
ラダ49の外側に嵌合するとともに、該未加硫タイヤTの
下側のサイドウォール部Sを下サイドモールド17の型付
け面18に接触させる。次に、センターポスト44、上クラ
ンプリング47を下降させるとともに、加硫ブラダ49内に
低圧の加硫媒体を充填して該加硫ブラダ49をドーナツ状
に膨張させ未加硫タイヤT内に侵入させる。このとき、
可動プレート26、上サイドモールド28は上プラテン22か
ら下方に所定距離離れているとともに、セクターセグメ
ント36はアウターリング31の傾斜面35に沿って下方およ
び半径方向外側に移動し、アウターリング31の下端部か
ら垂下した状態で停止している。
【0024】次に、上基台21、上プラテン22、アウター
リング31、可動プレート26、上サイドモールド28、セク
ターセグメント36を一体的に上サイドモールド28が上ク
ランプリング47に当接するまで下降させる。このとき、
上サイドモールド28の型付け面29は未加硫タイヤTの上
側のサイドウォール部Sに接触し、また、セクターセグ
メント36の下端が下サイドモールド17の半径方向外側部
上面に当接する。
【0025】この結果、可動プレート26、上サイドモー
ルド28、セクターセグメント36は強制的に下降が停止さ
れるが、この後も上基台21は継続下降して可動プレート
26に接近するため、セクターセグメント36は傾斜面35、
37の楔作用により押されて下サイドモールド17上を摺動
しながら半径方向内側に同期移動し、未加硫タイヤTに
接近する。そして、上基台21、アウターリング31が下降
限に到達すると、上基台21の下降を停止させるが、この
とき、セクターモールド39は半径方向内側限に到達して
互いに密着するとともに、上、下サイドモールド28、17
に密着し、加硫金型41が閉止される。このようにして加
硫金型41内に未加硫タイヤTが収納される。
【0026】次に、媒体室50に高圧の加硫媒体を充填し
て加硫ブラダ49を膨張させるとともに、加硫金型41およ
び媒体室50、媒体通路59内の加硫媒体を加熱する。この
とき、制御手段15は、予め設定された設定温度に対し、
下プラテン、上プラテン、アウターリング12、22、31の
温度を検出している温度センサ14、24、34からの検出結
果および加硫媒体の温度を検出している温度センサ69か
らの検出結果をフィードバックすることで、電気ヒータ
ー13、23、33、67に対する通電電力を個別に制御し、タ
イヤTの各部位が最適の加硫温度となるよう温度制御し
ている。
【0027】この結果、未加硫タイヤTは加硫ブラダ49
により加硫金型41、即ち上、下サイド、セクターモール
ド28、17、39の型付け面29、18、38に押付けられながら
加硫される。このようにして加硫を行っているとき、吸
入口55を通じて媒体室50から媒体通路59に吸入された加
硫媒体は、電気ヒーター67によって加熱されるととも
に、モータ60の作動により回転している羽根62によって
吸入口55から排出口54に向かって移動され、該排出口54
を通じて媒体室50に流出される。そして、この加硫媒体
は流出直後に仕切り板73を構成する第1整流部75の傾斜
した部位に衝突し、その流れ方向が変化させられる。こ
こで、これら第1整流部75の傾斜した部位は排出口54側
(軸方向上方)に傾斜しているため、前記流れ方向は排
出口54側(上方)に変化させられ(整流され)、この結
果、該排出口54から流出した加硫媒体は排出口54側(上
側)のサイドウォール部Sの内面に沿って流れるように
なり、該上側のサイドウォール部Sの近傍における温度
の高い加硫媒体の滞留が阻止される。これにより、媒体
室50の加硫媒体の温度はいずれの場所もほぼ均一となっ
て、未加硫タイヤTに対する加硫が全体的に均一に行わ
れるのである。
【0028】一方、吸入口55に吸入される直前の加硫媒
体も、第2整流部76の吸入口55側(軸方向下方)に傾斜
した部位によって吸入口55側(下側)のサイドウォール
部Sの内面に沿って流れるよう変化させられ(整流さ
れ)、これにより、該下側のサイドウォール部Sの近傍
における温度の低い加硫媒体の滞留が阻止される。この
結果、媒体室50の加硫媒体の温度がさらに均一化し、未
加硫タイヤTに対する加硫がさらに均一となる。
【0029】このようにしてタイヤの加硫が終了する
と、加硫ブラダ49内から加硫媒体を排出するとともに、
上基台21を上昇させながらシリンダのピストンロッド27
を下方に突出させ、可動プレート26、上サイドモールド
28を加硫時の位置に保持する。この結果、セクターセグ
メント36は傾斜面35、37の楔作用により半径方向外側に
同期移動するとともに、傾斜面35に沿ってアウターリン
グ31の下端部まで下方に摺動する。その後、セクターセ
グメント36はアウターリング31の下端部から吊り下げら
れた状態で可動プレート26、上サイドモールド28と共に
上昇する。次に、センターポスト44を上昇させて加硫ブ
ラダ49を円筒状に変形させるとともに、図示していない
搬出装置によって加硫済みのタイヤをタイヤ加硫装置10
から搬出する。以上がタイヤ加硫の1サイクルであり、
以後このサイクルが繰り返される。
【0030】なお、前述の実施形態においては、交互に
配置された複数の第1、第2整流部75、76によって仕切
り板73を構成するようにしたが、この発明においては、
仕切り板全体を第1整流部から構成してもよい。また、
前述の実施形態においては、第1、第2整流部75、76の
半径方向外側部のみをそれぞれ排出口54側、吸入口55側
に傾斜させるようにしたが、この発明においては、第
1、第2整流部の半径方向中央部のみ、あるいは半径方
向内側部のみを傾斜させるようにしてもよく、さらに
は、第1、第2整流部全体を傾斜させるようにしてもよ
い。さらに、前述の実施形態においては、下、上サイ
ド、セクターモールド17、28、39によって加硫金型41を
構成するようにしたが、この発明においては、2個の
上、下モールドにより加硫金型を構成するようにしても
よい。また、前述の実施形態においては、環状体とし
て、加硫媒体の充填、排出により膨張、収縮することが
できる加硫ブラダを用いたが、この発明においては、周
方向に複数分割された剛体からなる内型を用いてもよ
い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、未加硫タイヤ全体を均一に加硫することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す概略正面断面図で
ある。
【図2】加硫金型近傍の正面断面図である。
【図3】図2のIーI矢視断面図である。
【図4】仕切り板近傍の斜視図である。
【符号の説明】
10…タイヤ加硫装置 13、23、33…電気ヒータ
ー 15…制御手段 17、28、39…加硫モール
ド 41…加硫金型 44…ケーシング 49…環状体 50…媒体室 54…排出口 55…吸入口 59…媒体通路 63…流出手段 67…電気ヒーター 73…仕切り板 75…第1の整流部 76…第2の整流部 T…タイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AA45 AG13 AH20 AK09 CA21 CT01 CU12 CY04 CY08 CY17 CY22 4F203 AA45 AG13 AH20 AK09 DA11 DB01 DC02 DC13 DD01 DL12 DM03 DM23

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に加硫を行う未加硫タイヤが収納され
    た加硫金型と、密閉された媒体室に加硫媒体が充填され
    るとともに、未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状
    体と、外周に前記媒体室に連通する排出口および吸入口
    が軸方向に離れて形成されているケーシングと、該ケー
    シング内に形成され前記排出口と吸入口とを連通する媒
    体通路と、媒体通路内の加硫媒体を吸入口から排出口に
    向かって移動させることにより、該加硫媒体を排出口か
    ら媒体室に流出させる流出手段と、前記媒体通路の途中
    に配設され、移動途中の加硫媒体を加熱する電気ヒータ
    ーと、前記排出口と吸入口との間のケーシング外周に設
    けられた略鍔状の仕切り板とを備えたタイヤ加硫装置に
    おいて、前記仕切り板は、少なくとも一部が排出口側に
    傾斜した第1の整流部を有することを特徴とするタイヤ
    加硫装置。
  2. 【請求項2】前記第1の整流部を周方向に離して複数配
    置するとともに、隣接する第1の整流部間に、少なくと
    も一部が吸入口側に傾斜した第2の整流部をそれぞれ配
    置した請求項1記載のタイヤ加硫装置。
  3. 【請求項3】前記加硫金型を電気ヒーターによって加熱
    される少なくとも2個の加硫モールドから構成するとと
    もに、これら加硫モールドを加熱する電気ヒーターおよ
    び前記媒体通路の途中に配設された電気ヒーターの温度
    を制御手段によって個別に制御するようにした請求項1
    記載のタイヤ加硫装置。
  4. 【請求項4】未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状
    体内の密閉された媒体室から吸入口を通じて媒体通路に
    流入した加硫媒体を電気ヒーターで加熱した後、流出手
    段により排出口を通じて前記媒体室に流出させることで
    前記未加硫タイヤの加硫を行う際、前記排出口と吸入口
    との間に設けた仕切り板によって加硫媒体の流れを仕切
    るようにしたタイヤ加硫成形方法において、前記仕切り
    板の少なくとも一部を排出口側に傾斜させることによ
    り、排出口を通じて流出した直後の加硫媒体の流れ方向
    を変化させて、該加硫媒体が排出口側に位置する未加硫
    タイヤのサイドウォール部内面に沿って流れるようにし
    たことを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
  5. 【請求項5】前記仕切り板の他の一部を吸入口側に傾斜
    させることにより、吸入口を通じて媒体通路に流入する
    直前の加硫媒体の流れ方向を変化させて、該加硫媒体が
    吸入口側に位置する未加硫タイヤのサイドウォール部内
    面に沿って流れるようにした請求項4記載のタイヤ加硫
    成形方法。
  6. 【請求項6】前記電気ヒーターおよび加硫金型を構成す
    る加硫モールドに配置された電気ヒーターの温度を個別
    に制御して、未加硫タイヤの各部位における加硫温度を
    最適な温度に調整するようにした請求項4記載のタイヤ
    加硫成形方法。
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