JP4179679B2 - タイヤ加硫装置およびタイヤ加硫成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加硫ブラダ等の環状体内の加硫媒体を電気ヒーターで加熱することにより未加硫タイヤを加硫するようにしたタイヤ加硫装置およびタイヤ加硫成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、加硫ブラダ内の加硫媒体を電気ヒーターで加熱することにより未加硫タイヤを加硫するようにしたタイヤ加硫装置としては、例えば特開昭63ー22614号公報に記載されているようなものが知られている。
【0003】
このものは、内部に加硫を行う未加硫タイヤが収納された加硫金型と、密閉された媒体室に加硫媒体が充填されることにより膨張して未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける屈曲可能な加硫ブラダと、外周に前記媒体室に連通する排出口および吸入口が軸方向に離れて形成されているケーシングと、該ケーシング内に形成され前記排出口と吸入口とを連通する媒体通路と、媒体通路内の加硫媒体を吸入口から排出口に向かって移動させることにより、該加硫媒体を排出口から媒体室に流出させる流出手段と、前記媒体通路の途中に配設され、移動途中の加硫媒体を加熱する電気ヒーターと、前記排出口と吸入口との間のケーシング外周に設けられた平坦な鍔状の仕切り板とを備えたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のタイヤ加硫装置にあっては、仕切り板が平坦な鍔状であるため、排出口から媒体室内に流出された高温の加硫媒体は、仕切り板に邪魔されることなく、該媒体室内を半径方向外側に向かってほぼ直進し、加硫ブラダの内面に当たって方向転換した後、吸入口に向かって半径方向内側にほぼ直進するのである。この結果、排出口より上側の媒体室(上側のサイドウォール部近傍)においては加硫媒体の流れが弱くなって温度の高い加硫媒体が比較的大量に滞留し、一方、吸入口より下側の媒体室(下側のサイドウォール部近傍)においても加硫媒体の流れが弱くなって温度の低下した加硫媒体が若干量滞留し、これにより、未加硫タイヤの加硫温度(加硫速度)が場所によって異なってしまい、加硫を均一に行うことが困難となってしまうという問題点がある。
【0005】
この発明は、未加硫タイヤ全体を均一に加硫することができるタイヤ加硫装置およびタイヤ加硫成形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、第1に、内部に加硫を行う未加硫タイヤが収納された加硫金型と、密閉された媒体室に加硫媒体が充填されるとともに、未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状体と、外周に前記媒体室に連通する排出口および吸入口が軸方向に離れて形成されているケーシングと、該ケーシング内に形成され前記排出口と吸入口とを連通する媒体通路と、媒体通路内の加硫媒体を吸入口から排出口に向かって移動させることにより、該加硫媒体を排出口から媒体室に流出させる流出手段と、前記媒体通路の途中に配設され、移動途中の加硫媒体を加熱する電気ヒーターと、前記排出口と吸入口との間のケーシング外周に設けられた鍔状の仕切り板とを備えたタイヤ加硫装置において、前記仕切り板は、少なくとも一部が排出口側に傾斜した第1の整流部を有する一方、前記第1の整流部を周方向に離して複数配置するとともに、隣接する第1の整流部間に、少なくとも一部が吸入口側に傾斜した第2の整流部をそれぞれ配置することにより、
【0007】
第2に、未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状体内の密閉された媒体室から吸入口を通じて媒体通路に流入した加硫媒体を電気ヒーターで加熱した後、流出手段により排出口を通じて前記媒体室に流出させることで前記未加硫タイヤの加硫を行う際、前記排出口と吸入口との間に設けた仕切り板によって加硫媒体の流れを仕切るようにしたタイヤ加硫成形方法において、前記仕切り板の少なくとも一部を排出口側に傾斜させることにより、排出口を通じて流出した直後の加硫媒体の流れ方向を変化させて、該加硫媒体が排出口側に位置する未加硫タイヤのサイドウォール部内面に沿って流れるようにするとともに、前記仕切り板の他の一部を吸入口側に傾斜させることにより、吸入口を通じて媒体通路に流入する直前の加硫媒体の流れ方向を変化させて、該加硫媒体が吸入口側に位置する未加硫タイヤのサイドウォール部内面に沿って流れるようにすることにより達成することができる。
【0008】
今、加硫金型内に収納されている未加硫タイヤは、媒体室に加硫媒体が充填されている環状体によって該加硫金型に押し付けられているとする。このとき、前記媒体室から吸入口を通じて媒体通路に流入した加硫媒体は、電気ヒーターによって加熱されるとともに、流出手段によって排出口に向かって移動され、該排出口を通じて媒体室(環状体内)に流出される。そして、この加硫媒体は流出直後に仕切り板を構成する第1の整流部の傾斜した部位に衝突し、その流れ方向が変化させられるが、該第1の整流部の傾斜部位は排出口側に傾斜しているため、前記流れ方向は排出口側に向かって変化させられ(整流され)、この結果、排出口から流出した加硫媒体は排出口側のサイドウォール部内面に沿って流れるようになり、該サイドウォール部近傍における温度の高い加硫媒体の滞留が阻止される。これにより、媒体室の加硫媒体の温度はいずれの場所もほぼ均一となって、未加硫タイヤに対する加硫が全体的に均一に行われるのである。
【0009】
また、吸入口を通じて媒体通路に吸入される直前の加硫媒体は第2の整流部の傾斜した部位によって吸入口側のサイドウォール部内面に沿って流れるよう流れが変化させられ(整流され)、これにより、該サイドウォール部近傍における温度の低い加硫媒体の滞留が阻止される。この結果、媒体室の加硫媒体の温度がさらに均一化し、未加硫タイヤに対する加硫がさらに均一となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、10は静止した固定フレーム11を有するタイヤ加硫装置であり、この固定フレーム11上にはリング状をした下プラテン12が固定され、この下プラテン12内にはニクロム線からなり後述する制御手段に接続されている鍔状の電気ヒーター13が2個収納されている。14は下プラテン12内に埋設された温度センサであり、この温度センサ14は下プラテン12の温度を検出してその結果を制御手段15に出力する。17は前記下プラテン12上に固定され該下プラテン12(電気ヒーター13)により加熱される加硫モールドとしての下サイドモールドであり、この下サイドモールド17の上面には未加硫タイヤTの下側のサイドウォール部Sを主に型付けする型付け面18が設けられている。
【0011】
21は固定フレーム11の上方にこれから離れて設置された可動台であり、この可動台21の下面にはリング状をした上プラテン22が固定され、この上プラテン22内にはニクロム線からなり前記制御手段15に接続されている鍔状または周方向に均等に並べられた扇状の電気ヒーター23が収納されている。24は上プラテン22内に埋設された温度センサであり、この温度センサ24は上プラテン22の温度を検出してその結果を前記制御手段15に出力する。そして、この可動台21は図示していない垂直なシリンダのピストンロッドに連結されており、この結果、該シリンダが作動すると、可動台21は昇降して固定フレーム11に接近離隔する。26は上プラテン22の直下に設置された可動プレートであり、この可動プレート26には可動台21に支持された図示していないシリンダのピストンロッド27の先端(下端)が連結されているため、該シリンダが作動することで、該可動プレート26は可動台21と別個に昇降することができる。前記可動プレート26の下面には加硫モールドとしての上サイドモールド28が固定され、この上サイドモールド28の下面には未加硫タイヤTの上側のサイドウォール部Sを主に型付けする型付け面29が形成されている。そして、この上サイドモールド28は可動プレート26が上プラテン22に面接触しているとき、可動プレート26を介して上プラテン22(電気ヒーター23)により加熱される。
【0012】
31は可動プレート26および上サイドモールド28を半径方向外側から囲むよう設けられたアウターリングであり、このアウターリング31の上端は前記上プラテン22の半径方向外端部下面に固定されている。このアウターリング31内にはオイルが充満している環状空間32が形成されるとともに、上下方向に延び前記制御手段15に接続された複数本の棒状電気ヒーター33が挿入され、これら電気ヒーター33の発熱部は該環状空間32に位置している。34はアウターリング31内に埋設された温度センサであり、この温度センサ34はアウターリング31の温度を検出してその結果を前記制御手段15に出力する。また、このアウターリング31の内周には下方に向かって拡開している円錐状の傾斜面35が形成されている。36は周方向に離れて設置された複数、ここでは9個の弧状をしたセクターセグメントであり、これらのセクターセグメント36の上端は上サイドモールド28より半径方向外側の可動プレート26に半径方向に移動可能に支持されている。
【0013】
また、これらセクターセグメント36の外周には前記アウターリング31の傾斜面35と同一勾配の傾斜面37が形成され、これら傾斜面37と前記傾斜面35とはあり継手によって連結されながら摺動可能に係合している。この結果、これらセクターセグメント36は、アウターリング31(電気ヒーター33)によって加熱されるとともに、可動プレート26が可動台21に対し接近離隔してこれらの間の間隔が変化すると、可動プレート26に支持されながら前記傾斜面35、37の楔作用によって半径方向に同期移動する。前記セクターセグメント36の半径方向内側面には未加硫タイヤTのトレッド部Dを主に型付けする型付け面38が内面に形成されたセクターモールド39がそれぞれ取り付けられている。そして、これらセクターモールド39はセクターセグメント36が半径方向内側限まで同期移動したとき、互いに密着して連続リング状を呈するとともに、下降端の上サイドモールド28および下サイドモールド17に密着して内部に未加硫タイヤTを収納するドーナツ状の加硫空間を形成する。また、前述の下、上サイドモールド17、28およびセクターモールド39(本実施形態では周方向に9個)は全体として、内部に加硫を行う未加硫タイヤTが収納された加硫金型41を構成する。
【0014】
43は固定フレーム11の中央部に固定された上下方向に延びる円筒体であり、この円筒体43は図示していない流体シリンダ等により昇降される。この円筒体43内には該円筒体43と同軸であるケーシングとしての円筒状をしたセンターポスト44が摺動可能に挿入され、このセンターポスト44は後述するモータ60の下端に連結されたシリンダによって円筒体43と別個に昇降される。前記センターポスト44の上端は上閉止板45により、その下端は下閉止板46により閉止されており、この結果、センターポスト44の内部は密閉された空間となる。このセンターポスト44の上端部外周には上クランプリング47が取り付けられており、この上クランプリング47は、上サイドモールド28の内端部に当接することができる。
【0015】
前記円筒体43の上端部外周には下クランプリング48が取り付けられ、この下クランプリング48は下サイドモールド17の内端部に当接することができる。49は上端部が上クランプリング47に、下端部が下クランプリング48にそれぞれ気密状態で把持された環状体としての屈曲可能な加硫ブラダであり、この加硫ブラダ49は、密閉された媒体室50に高温、高圧の加硫媒体が充填されると、未加硫タイヤT内でドーナツ状に膨張し、該未加硫タイヤTを加硫金型41、即ち上、下サイドモールド28、17およびセクターモールド39の型付け面29、18、38に押し付けながら加硫する。
【0016】
図1、2、3、4において、前記センターポスト44の上端部外周には前記媒体室50に連通している複数の排出口54が形成され、これら排出口54は周方向に等距離離れて配置されるとともに、センターポスト44の内部まで貫通している。また、前記排出口54から軸方向下方に離れたセンターポスト44の外周には前記媒体室50に連通している複数の吸入口55が形成され、これら吸入口55も周方向に等距離離れて配置されるとともに、センターポスト44の内部まで貫通している。前記排出口54と吸入口55との間のセンターポスト44の内周にはリング体57が固定され、このリング体57の内周には該センターポスト44内に遊嵌された薄肉内筒58の上端が固定されている。
【0017】
この内筒58の下端は下閉止板46の若干上方で終了しており、この結果、センターポスト44内には、センターポスト44と内筒58との間の空間から内筒58内、リング体57内の空間を順次通過してリング体57より上方のセンターポスト44内の空間に至る媒体通路59が形成され、この媒体通路59は前記排出口54と吸入口55とを連通している。60は下閉止板46に取り付けられたモータであり、このモータ60の出力軸61は媒体通路59内に突出するとともに、その上端には羽根62が固定されている。前述したモータ60、羽根62は全体として流出手段63を構成し、この流出手段63は、モータ60によって羽根62を回転させることにより、吸入口55を通じて媒体室50から媒体通路59内に流入(吸入)した加硫媒体を排出口54に向かって移動させた後、該排出口54を通じて媒体室50に再び流出させる。
【0018】
65は排出口54の直上のセンターポスト44内に固定された密閉板であり、この密閉板65の下面には内筒58内に遊嵌されたコア66の上端が固定され、このコア66の下端は内筒58の下端より上方で終了している。前記コア66内には前記制御手段15に接続された棒状の電気ヒーター67が収納され、また、このコア66の外周には半径方向外側に向かって突出するとともに、軸方向(上下方向)に延びる複数のフィン68が形成され、これらのフィン68は周方向に等距離離れて配置されている。このように前記電気ヒーター67は媒体通路59の途中に配設されているため、該媒体通路59内を移動している加硫媒体はその移動途中でコア66を介して電気ヒーター67により加熱される。
【0019】
69はセンターポスト44の内周で排出口54の直上に取り付けられた温度センサであり、この温度センサ69は媒体室50に流出される加硫媒体の温度を検出してその結果を前記制御手段15に出力する。ここで、前記制御手段15は、予め設定記憶されている設定温度と、前記温度センサ14、24、34、69からのフィードバック検出温度とを比較し、これらの値が異なっているときには、加硫モールド17、28、39を加熱する電気ヒーター13、23、33および媒体通路59の途中に配設された電気ヒーター67への通電電力を制御して、これら電気ヒーター13、23、33、67の温度を個別に制御するようにしている。ここで、加硫モールドを加熱する電気ヒーターおよび媒体通路の途中に配設された電気ヒーターの温度を制御手段によって一括して統一温度に制御することも考えられるが、このようにすると、場所によって加硫温度(加硫速度)が異なることがあり、このときには加硫が不均一となってしまうのである。このため、この実施形態では前述のように個別に温度、具体的には前述のように通電電力を制御しているのである。このため、タイヤTの各部位を最適の加硫温度に調整することができ、加硫を全体的に均一化することができる。
【0020】
73はセンターポスト44の外周に内周が固定され該センターポスト44と同軸である鍔状の仕切り板であり、この仕切り板73は補強用の複数のステー74によって上クランプリング47にも固定されている。この仕切り板73は前記排出口54と吸入口55との間に位置することで、排出口54から排出される加硫媒体と吸入口55に吸入される加硫媒体との流れを仕切り、これら流れ方向の異なる加硫媒体が混合しないよう遮断している。
【0021】
ここで、前記仕切り板73は複数の第1整流部75を有し、これらの第1整流部75は周方向に等距離離れて配置されるとともに、少なくとも一部、ここでは半径方向外側部が排出口54側(軸方向上方)に鋭角で傾斜している。また、前記仕切り板73は隣接する第1整流部75間に第2整流部76を有し、これらの第2整流部76も周方向に等距離離れて配置されるとともに、少なくとも一部、ここでは半径方向外側部が吸入口55側(軸方向下方)に鋭角で傾斜している。この結果、前述した複数の第1整流部75と複数の第2整流部76とは周方向に交互に配置されることとなる。そして、これら第1、第2整流部75、76の半径方向内側部同士は直接連結され、また、傾斜している半径方向外側部同士は略三角形の接続片77を介して連結されている。
【0022】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
前述したタイヤ加硫装置10を用いて未加硫タイヤTを加硫する場合には、まず、開放状態の加硫金型41内に未加硫タイヤTを搬入して円筒状をした加硫ブラダ49の外側に嵌合するとともに、該未加硫タイヤTの下側のサイドウォール部Sを下サイドモールド17の型付け面18に接触させる。次に、センターポスト44、上クランプリング47を下降させるとともに、加硫ブラダ49内に低圧の加硫媒体を充填して該加硫ブラダ49をドーナツ状に膨張させ未加硫タイヤT内に侵入させる。このとき、可動プレート26、上サイドモールド28は上プラテン22から下方に所定距離離れているとともに、セクターセグメント36はアウターリング31の傾斜面35に沿って下方および半径方向外側に移動し、アウターリング31の下端部から垂下した状態で停止している。
【0023】
次に、上基台21、上プラテン22、アウターリング31、可動プレート26、上サイドモールド28、セクターセグメント36を一体的に上サイドモールド28が上クランプリング47に当接するまで下降させる。このとき、上サイドモールド28の型付け面29は未加硫タイヤTの上側のサイドウォール部Sに接触し、また、セクターセグメント36の下端が下サイドモールド17の半径方向外側部上面に当接する。
【0024】
この結果、可動プレート26、上サイドモールド28、セクターセグメント36は強制的に下降が停止されるが、この後も上基台21は継続下降して可動プレート26に接近するため、セクターセグメント36は傾斜面35、37の楔作用により押されて下サイドモールド17上を摺動しながら半径方向内側に同期移動し、未加硫タイヤTに接近する。そして、上基台21、アウターリング31が下降限に到達すると、上基台21の下降を停止させるが、このとき、セクターモールド39は半径方向内側限に到達して互いに密着するとともに、上、下サイドモールド28、17に密着し、加硫金型41が閉止される。このようにして加硫金型41内に未加硫タイヤTが収納される。
【0025】
次に、媒体室50に高圧の加硫媒体を充填して加硫ブラダ49を膨張させるとともに、加硫金型41および媒体室50、媒体通路59内の加硫媒体を加熱する。このとき、制御手段15は、予め設定された設定温度に対し、下プラテン、上プラテン、アウターリング12、22、31の温度を検出している温度センサ14、24、34からの検出結果および加硫媒体の温度を検出している温度センサ69からの検出結果をフィードバックすることで、電気ヒーター13、23、33、67に対する通電電力を個別に制御し、タイヤTの各部位が最適の加硫温度となるよう温度制御している。
【0026】
この結果、未加硫タイヤTは加硫ブラダ49により加硫金型41、即ち上、下サイド、セクターモールド28、17、39の型付け面29、18、38に押付けられながら加硫される。このようにして加硫を行っているとき、吸入口55を通じて媒体室50から媒体通路59に吸入された加硫媒体は、電気ヒーター67によって加熱されるとともに、モータ60の作動により回転している羽根62によって吸入口55から排出口54に向かって移動され、該排出口54を通じて媒体室50に流出される。そして、この加硫媒体は流出直後に仕切り板73を構成する第1整流部75の傾斜した部位に衝突し、その流れ方向が変化させられる。ここで、これら第1整流部75の傾斜した部位は排出口54側(軸方向上方)に傾斜しているため、前記流れ方向は排出口54側(上方)に変化させられ(整流され)、この結果、該排出口54から流出した加硫媒体は排出口54側(上側)のサイドウォール部Sの内面に沿って流れるようになり、該上側のサイドウォール部Sの近傍における温度の高い加硫媒体の滞留が阻止される。これにより、媒体室50の加硫媒体の温度はいずれの場所もほぼ均一となって、未加硫タイヤTに対する加硫が全体的に均一に行われるのである。
【0027】
一方、吸入口55に吸入される直前の加硫媒体も、第2整流部76の吸入口55側(軸方向下方)に傾斜した部位によって吸入口55側(下側)のサイドウォール部Sの内面に沿って流れるよう変化させられ(整流され)、これにより、該下側のサイドウォール部Sの近傍における温度の低い加硫媒体の滞留が阻止される。この結果、媒体室50の加硫媒体の温度がさらに均一化し、未加硫タイヤTに対する加硫がさらに均一となる。
【0028】
このようにしてタイヤの加硫が終了すると、加硫ブラダ49内から加硫媒体を排出するとともに、上基台21を上昇させながらシリンダのピストンロッド27を下方に突出させ、可動プレート26、上サイドモールド28を加硫時の位置に保持する。この結果、セクターセグメント36は傾斜面35、37の楔作用により半径方向外側に同期移動するとともに、傾斜面35に沿ってアウターリング31の下端部まで下方に摺動する。その後、セクターセグメント36はアウターリング31の下端部から吊り下げられた状態で可動プレート26、上サイドモールド28と共に上昇する。次に、センターポスト44を上昇させて加硫ブラダ49を円筒状に変形させるとともに、図示していない搬出装置によって加硫済みのタイヤをタイヤ加硫装置10から搬出する。以上がタイヤ加硫の1サイクルであり、以後このサイクルが繰り返される。
【0029】
なお、前述の実施形態においては、第1、第2整流部75、76の半径方向外側部のみをそれぞれ排出口54側、吸入口55側に傾斜させるようにしたが、この発明においては、第1、第2整流部の半径方向中央部のみ、あるいは半径方向内側部のみを傾斜させるようにしてもよく、さらには、第1、第2整流部全体を傾斜させるようにしてもよい。さらに、前述の実施形態においては、下、上サイド、セクターモールド17、28、39によって加硫金型41を構成するようにしたが、この発明においては、2個の上、下モールドにより加硫金型を構成するようにしてもよい。また、前述の実施形態においては、環状体として、加硫媒体の充填、排出により膨張、収縮することができる加硫ブラダを用いたが、この発明においては、周方向に複数分割された剛体からなる内型を用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、未加硫タイヤ全体を均一に加硫することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態を示す概略正面断面図である。
【図2】 加硫金型近傍の正面断面図である。
【図3】 図2のIーI矢視断面図である。
【図4】 仕切り板近傍の斜視図である。
【符号の説明】
10…タイヤ加硫装置 13、23、33…電気ヒーター
15…制御手段 17、28、39…加硫モールド
41…加硫金型 44…ケーシング
49…環状体 50…媒体室
54…排出口 55…吸入口
59…媒体通路 63…流出手段
67…電気ヒーター 73…仕切り板
75…第1の整流部 76…第2の整流部
T…タイヤ
Claims (2)
- 内部に加硫を行う未加硫タイヤが収納された加硫金型と、密閉された媒体室に加硫媒体が充填されるとともに、未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状体と、外周に前記媒体室に連通する排出口および吸入口が軸方向に離れて形成されているケーシングと、該ケーシング内に形成され前記排出口と吸入口とを連通する媒体通路と、媒体通路内の加硫媒体を吸入口から排出口に向かって移動させることにより、該加硫媒体を排出口から媒体室に流出させる流出手段と、前記媒体通路の途中に配設され、移動途中の加硫媒体を加熱する電気ヒーターと、前記排出口と吸入口との間のケーシング外周に設けられた鍔状の仕切り板とを備えたタイヤ加硫装置において、前記仕切り板は、少なくとも一部が排出口側に傾斜した第1の整流部を有する一方、前記第1の整流部を周方向に離して複数配置するとともに、隣接する第1の整流部間に、少なくとも一部が吸入口側に傾斜した第2の整流部をそれぞれ配置したことを特徴とするタイヤ加硫装置。
- 未加硫タイヤを加硫金型に押し付ける環状体内の密閉された媒体室から吸入口を通じて媒体通路に流入した加硫媒体を電気ヒーターで加熱した後、流出手段により排出口を通じて前記媒体室に流出させることで前記未加硫タイヤの加硫を行う際、前記排出口と吸入口との間に設けた仕切り板によって加硫媒体の流れを仕切るようにしたタイヤ加硫成形方法において、前記仕切り板の少なくとも一部を排出口側に傾斜させることにより、排出口を通じて流出した直後の加硫媒体の流れ方向を変化させて、該加硫媒体が排出口側に位置する未加硫タイヤのサイドウォール部内面に沿って流れるようにするとともに、前記仕切り板の他の一部を吸入口側に傾斜させることにより、吸入口を通じて媒体通路に流入する直前の加硫媒体の流れ方向を変化させて、該加硫媒体が吸入口側に位置する未加硫タイヤのサイドウォール部内面に沿って流れるようにしたことを特徴とするタイヤ加硫成形方法。
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