JP2000107736A - シュレッダーダスト乾留物の処理方法 - Google Patents

シュレッダーダスト乾留物の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含まれる炭素を再利用でき、処理後の不要物
が少ないシュレッダーダスト乾留物の処理方法を提供す
る。 【解決手段】 非鉄金属38を含む乾留処理されたシュ
レッダーダスト22を破砕装置31で破砕して粉砕物と
し、粉砕物を分級機32で分級して粉砕物から粒状の非
鉄金属38を除去する第1工程と、第1工程で粒状の非
鉄金属38が除去された粉砕物を浮遊選鉱機33に投入
し、浮遊した炭素37を含む浮遊物34を回収すると共
に、沈降した粒径の小さい非鉄金属39aを含む沈殿物
35を回収する第2工程と、第2工程で回収された浮遊
物34を乾燥させて炭素加工物の原料とし、また、沈殿
物35を乾燥させて溶解原料とする第3工程を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉄金属を含むシ
ュレッダーダスト乾留物の処理方法に関し、詳しくは使
用済みの自動車や家電製品等の廃棄物のシュレッダーダ
ストを乾留処理した後の乾留物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、使用済みの自動車や家電製品等の
廃棄物を処理するには、まず廃棄物をプレシュレッダー
で粗破砕した後、シュレッダーで破砕し、その後、破砕
された廃棄物中の非金属を風力選別機によって除去して
から、磁力選別機により含まれる鉄を回収していた。そ
して、磁力選別機で回収されなかった残りの廃棄物に含
まれる非鉄金属は、移動磁界を利用した非鉄選別や手選
によって回収されていた。前記シュレッダーに備えられ
た集塵機で回収された集塵ダスト、風力選別機により回
収された非金属及び非鉄金属を回収した後の残り屑(以
下、これらを合わせてシュレッダーダストという。)
は、未処理のまま、又は焼却処理されてから管理型埋立
処分場に廃棄されていた。なお、最近では乾留処理を行
い、乾留時に発生するガスと乾留物を発電等の燃料とし
て活用することもあるが、このとき発生する乾留物の焼
却灰を廃棄する場合にも管理型埋立処分場に埋立処理を
することが義務化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のシュレッダーダスト、又はシュレッダーダスト乾留
物の処理方法は、以下の問題があった。 未処理のシュレッダーダスト、又は、焼却後に発生
する焼却灰の管理型埋立処分場での埋立処理に多大な費
用がかかる。 鉛等の有害物質を含む場合には、埋立処分費の非常
に高価な遮断型埋立処分場で処理することが必要なの
で、さらに費用がかかる。 乾留処理したとき、乾留物から非鉄金属が回収され
た後の乾留物に含まれる多量の炭素は、他の不純物と混
合していて分離が困難である。 乾留処理後に、乾留物から品位(純度)の低い炭素
を回収できたとしても、二次燃焼させること以外に用途
がなかった。 乾留物を発電用の燃料とする方法は、まだ不安定で
実用化に至っておらず、また、発生する焼却灰も埋め立
て処理が必要になるため、費用がかかる。 以上のように、発生する焼却灰の量を減らし、含まれる
炭素を再利用するため、シュレッダーダスト、又はシュ
レッダーダスト乾留物の処理方法を見直す必要があっ
た。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、含ま
れる炭素を再利用でき、処理後の不要物が少ないシュレ
ッダーダスト乾留物の処理方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るシュレッダーダスト乾留物の処理方法は、第1〜第
3工程を有しており、第1工程では非鉄金属を含む乾留
処理されたシュレッダーダストを破砕装置で破砕して粉
砕物とし、粉砕物を分級機で分級して粉砕物から粒状の
非鉄金属を除去している。ここで非鉄金属には、例え
ば、銅、亜鉛、鉛等を含む。また、破砕装置とは、例え
ば、ロッドミル、ボールミル等の機械的破砕装置をい
う。第1工程によって、乾留処理後のシュレッダーダス
トに含まれる粉粒状の炭素、非鉄金属及びその他の残留
物を粉砕して分離する。分級機には、エーキンス分級
機、又は振動式篩を含む。そして、粒状の非鉄金属と
は、分級機によって分級された粒径の大きい粒のことを
いう。次に第2工程においては、第1工程で粒状の非鉄
金属が除去された粉砕物を浮遊選鉱機に投入し、浮遊し
た炭素を含む浮遊物を回収すると共に、沈降した粒径の
小さい非鉄金属を含む沈殿物を回収するので、粉砕物に
含まれる粉粒状の炭素を選別して回収できる。
【0005】浮遊選鉱とは、微粉状態の物質を水中に入
れて、その物質に適応した薬剤を加えて攪拌しつつ、そ
の中に気泡を送り、その気泡をして、微粉状態の物質の
中の特定の物質を選択的につかまえしめ、その気泡が水
面上に集まって泡沫となったものを水から回収する選別
方法である。浮遊選鉱機には、インペラで攪拌して気泡
を発生させる機械力浮遊選鉱機、又は多数の細管から空
気を吹き込み攪拌する空気力攪拌式浮遊選鉱機等の空気
力浮遊選鉱機等が使用できる。第3工程においては、第
2工程で回収された浮遊物を乾燥させて炭素加工物の原
料とし、また、沈殿物を乾燥させて溶解原料とする。炭
素加工物には、活性炭、加炭材又は昇温材を含む。活性
炭とは、炭化物を賦活して得られる内部表面積を大きく
した炭素である。加炭材とは、鉄と化合させ硬度を調整
するための固形の炭材である。昇温材とは、燃料として
用いられる炭である。このように多様な用途に使用でき
る。
【0006】ここで、第2工程で使用する浮遊選鉱機は
多段に設けられ、浮遊物は多段に設けられた浮遊選鉱機
によって処理され、第2工程と第3工程との間に、回収
された浮遊物を酸洗浄し、含まれる鉄分を溶かす鉄分除
去工程とを設けることもできる。これによって、浮遊す
る炭素の品位を上げて、活性炭等の加工に用いることが
できる。また、沈殿物は、1段目の浮遊選鉱機で回収さ
れた非鉄金属を多く含む沈降物と、1段目の浮遊選鉱機
で回収された浮上物を2段目の浮遊選鉱機に投入し、回
収された沈降物を3段目の浮遊選鉱機に投入して回収さ
れた沈降物とを含み、第3工程の炭素加工物は、加炭材
又は昇温材の原料として用いることができる。これによ
り、沈殿物に含まれる非鉄金属の品位を上げて、後処理
をしないで非鉄金属の精錬ができる溶解原料とすること
ができる。さらに、第2工程から回収された非鉄金属を
含む沈殿物を比重選別機に投入し、非鉄金属とその残り
の残留物に選別して、非鉄金属を乾燥させて溶解原料と
すると共に、残留物を乾燥させてセメント用原料とする
ことができる。比重選別機の一例としては揺動テーブル
があり、揺動テーブルには、例えば、我が国でも普遍的
に知られているウィルフレー・テーブル、精鉱の精選に
十分な場所を与えるダイスター・オーバーストローム・
テーブル又は揺動運動の運搬力が強化されたゼームス・
テーブル等を使用できる。これによって、非鉄金属を回
収することができ、残った残留物を乾燥させてセメント
用原料とするので、発生する不要物を少なくしている。
また、第1工程に用いる破砕装置が湿式破砕機で、粉砕
と共に含まれる塩を水に溶かして脱塩処理を行なっても
よい。湿式であるので粉粒状の炭素の飛散を防いでい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本
発明の理解に供する。
【0008】図1(A)に示すように、本発明の第1の
実施の形態に係るシュレッダーダスト乾留物の処理方法
10は、乾留物11を原料としている。この乾留物11
は、図2に示す前処理工程12によって得られる。例え
ば、廃棄自動車又は家電製品13等は、プレシュレッダ
ー14で粗破砕して、シュレッダー15で破砕され、風
力選別機16にかけて、金属類を選別及び回収してい
る。回収された金属類からは、磁力選別機17によって
鉄等の磁着物18が回収される。そして非磁着物19か
らは、図示しない非鉄金属選別機、又は手選によって大
部分の非鉄金属20が回収される。シュレッダー15と
風力選別機16から排出される集塵ダストは、集塵機2
1によって回収される。そして、回収された集塵ダスト
は、非鉄金属20が除去された残りの非磁着物19と共
にシュレッダーダスト22となる。シュレッダーダスト
22の重量や成分は廃棄物によって変わる。例えば、廃
棄自動車の場合、回収された磁着物18(鉄分)が重量
比で約70%、非鉄金属20が約3%、集塵機21で回
収したシュレッダーダスト22が約27%であった。
【0009】シュレッダーダスト22からは、さらにト
ロンメル(回転篩)等の篩23によって土砂、ガラス2
4等が除去される。篩23には、例えば10mm程度の
フィルターを用いるとよい。土砂、ガラス24等が除去
されたシュレッダーダストからは、磁力選別機25で磁
着物26が回収され、非鉄選別機27で非鉄金属28が
回収される。非鉄選別機27及び篩23が運転されると
きに発生する粉塵は、図示しない集塵機によって回収さ
れ、非鉄選別機27から排出されるシュレッダーダスト
と共に乾留炉29に投入される。ここで、磁力選別機2
5は、乾式、湿式のどちらでも使用できるが、乾留処理
によって加熱乾燥されるため、乾式のものを使用するこ
とが望ましい。乾留処理後の非鉄金属を含むシュレッダ
ーダストは炭素を多く含む乾留物となって排出される。
排出された乾留物の成分は、例えば次に示す表1のよう
になっている。
【0010】
【表1】
【0011】乾留物中の成分は、原料となるシュレッダ
ーダスト22の成分、乾留条件によって変わるが、第1
の実施の形態では、表1に示す成分組成の乾留物を使用
している。表1に示す乾留物の中には、炭素は約33.
6重量%含まれている。従来は、乾留処理を行った場合
には含まれる炭素を取り出すことなく他の物質と混合し
たまま溶融処理していたが、本願発明者は炭素の品位を
上げ、加炭材、昇温材、又は活性炭等として再利用する
ことに成功した。また、Cuは11.8%含まれている
が、溶解原料とするためには品位を向上させる必要があ
った。そこで炭素を分離する工程で同時にCuの品位を
上げ、簡便に溶解原料を回収できることもできるように
なった。乾留炉29から排出された乾留物は、固形状態
で水槽30に投入されて冷却され、それから掻き上げら
れる。これによって、乾留物11に含まれる塩等を除去
する脱塩処理を促進している。これで乾留物11を得る
前処理工程12を終了する。
【0012】図1(A)に示すように、脱塩処理後の乾
留物11は、破砕装置の一例である湿式破砕機31に投
入されて破砕され粉砕物となる。湿式破砕されるので、
粉砕と共に含まれた塩を水に溶かしてさらに脱塩を行う
ことができる。ここで、炭素を含む炭化物は脆いので粉
状化するが、金属分は粘りがあって粉砕されないので、
粒状となる。湿式破砕機31には、例えば、ボールミ
ル、ロッドミル等が使用できる。なお、第1の実施の形
態では、湿式の破砕機を用いているが、乾式の破砕機を
使用することもできる。乾式の破砕機を用いる場合は、
破砕前に例えば空冷処理等の冷却工程を設けておく。湿
式破砕機31によって破砕された粉砕物は、エーキンス
分級機、又は振動篩等の分級機32によって分級し、粒
状の非鉄金属38の除去を行う。振動篩を使用する場合
には、例えば1mmのフィルターを使用してこれより大
きい粒子を除去する。これによって、粗粒の非鉄金属3
8を除去すると共に脱塩の効率を上げることができる。
【0013】非鉄金属38が除去された粉砕物は、浮遊
選鉱機33(又は浮選機ともいう。)に投入されて、浮
遊した炭素を含む浮遊物34と共に沈降した粒径の小さ
い非鉄金属を含む沈殿物35とに分離されて回収され
る。図1(B)に示すように、回収した浮遊物34中の
炭素の品位をさらに上げるときは、浮遊物34を水槽3
6に投入して酸洗浄を行うことができる。酸(例えばH
Cl)によって含まれる鉄分(Fe2 3 )を溶かし出
すことで炭素37の品位を上げている。回収された炭素
37は、乾燥させて炭素加工物の原料とし、また、沈殿
物35は、溶解原料とすることができる。炭素加工物
は、回収される炭素37の品位が高いときは活性炭とす
ることができ、品位が低いときは加炭材又は昇温材とす
ることができる。以下、図3、図4を使用して詳しく説
明する。
【0014】図3に示すように、まず前処理工程12か
ら運ばれた乾留物11に水を加えて、湿式破砕機31に
投入する。このときの原料となる乾留物の濃度は、例え
ば30〜40Wt%程度に調整しておく。この濃度が高
すぎると抵抗が大きくなって破砕が困難となり、濃度が
低すぎると滞留時間が短くなり破砕が不十分なうちに湿
式破砕機31から流出してしまうからである。固形の乾
留物を破砕することによって、物質の種類ごとに違う粒
径にすることができ、この後の選別を簡便に行うことが
できる。湿式破砕された乾留物11からは、エーキンス
等の分級機32によって直径1mm以上の粒状の非鉄金
属38を除去している(以上、第1工程)。直径1mm
以下の粉粒物は、条件槽39に投入されて、捕収剤40
及び水を混合し攪拌される。炭素を捕収するための捕収
剤40は1〜1.5kg/原料tの割合で加え、水は、
乾留物11の濃度を10〜20Wt%にするように加え
ている。そして、水等と混合された乾留物11は、ポン
プ41で浮遊選鉱機33に投入される。
【0015】図4に示すように、浮遊選鉱機33は多段
に設けられている。ポンプ41から第1の浮選機(1段
目の浮遊選鉱機)42に投入された乾留物11には、気
泡を発生させる起泡剤43が0.1〜0.2kg/原料
tの割合で加えられて攪拌される。乾留物11には、既
に補収剤40が加えられているので、発生する泡沫に炭
素が補収されて上方に浮上していく。泡沫に捕収された
炭素を回収したものを浮上物44とし、浮上しなかった
ものを回収して沈降物45とする。回収された沈降物4
5は、タンク52aに一旦貯留される。タンク52aに
は攪拌装置が設けられ、タンク52a内部に沈降物45
が沈降しないようにしている。その後、沈降物45は、
図3に示すバッチ処理式の脱水機53に沈殿物35とし
て一定量ずつ運ばれる。炭素の品位が上がった浮上物4
4は、さらに2段目の浮遊選鉱機である第2の浮選機4
6に投入される。第2の浮選機46でも第1の浮選機4
2と同様に、浮上物47と沈降物48に選別し、沈降物
48は前記沈降物45と共にタンク52aに貯留され
る。さらに炭素の品位が上がった浮上物47は第3の浮
選機(3段目の浮遊選鉱機)49に投入される。最終段
となる第3の浮選機49には、元来浮く性質の物質を沈
降させる抑制剤49aを1〜1.5t/原料tの割合で
投入している。第3の浮選機49によって浮上物50と
沈降物51に選別し、沈降物51は一旦タンク52内に
貯留され、その後沈殿物35として脱水機53に運ばれ
る。浮上した浮上物50は、タンク54内に貯留され、
その後浮遊物34として脱水機55に運ばれる。
【0016】第2、第3の浮選機46、49は、2連と
なったものを使用しているが、別々のものを使用しても
構わない。また、第1の浮選機42を加えて3連にした
ものも使用できる。第1〜第3の浮選機42、46、4
9の間を連結する図示しない原料流路は、簡単に取付
け、取り外しを行うことができる。3段に設けてある浮
遊選鉱機33は、浮遊物34に含まれる炭素の品位をさ
らに向上させたいときは、4段、5段と増やすこともで
きるし、炭素の品位が十分であるときは3段目を使用し
ないで、2段だけで運転することもできる。また、タン
ク52aを省略して、沈降物45及び48をタンク52
に貯留することもできる(以上、第2工程)。
【0017】図3に示すように、脱水機53、55はバ
ッチ式であり、一定量ずつ脱水を行っている。脱水機5
5で脱水されて回収された浮遊物34は、切り替え弁5
6を操作することによって、水槽36に運ばれる。水槽
36では、浮遊物34に塩酸58を混合してから攪拌し
て酸洗浄を行い、含まれる鉄分を溶かしている。溶解し
た鉄分を含む浮遊物34は、再度脱水機55に運ばれ、
鉄分を除去される(以上、鉄分除去工程)。鉄分を除去
された浮遊物34は、切り替え弁56を操作して、図示
しない水洗い、脱水工程を通過し、品位の高い炭素37
となって回収される。この品位の高い炭素37は、活性
炭の原料とすることができる。一方、脱水機53で脱水
してから回収された沈殿物35は乾燥されて非鉄金属を
多く含む溶解原料となるが、例えば、Cuの含有割合が
20%以下のときには、図1(C)に示すように、比重
選別機38aを使用して、沈殿物35中の非鉄金属の品
位を上げることができる。比重選別機38aで比重の大
きい非鉄金属39aとその残留物である比重の小さい非
金属40aを分離し回収する。回収された非鉄金属39
aは、乾燥させて溶解原料とし、非金属40aは乾燥さ
せてセメント用原料とすることができる(以上、第3工
程)。
【0018】脱水機53、55で回収された水は、一旦
タンク57aに蓄えられ、不純物を取り除いてからポン
プ58aによって湿式破砕機31に運ばれ再利用され
る。これによって水を無駄なく使用することができる。
なお、酸洗浄に使用した水は、別のタンク59に入れら
れ、アルカリ(NaOH等)60で中和して鉄分を除去
してからタンク57aに貯留される。また、回収された
鉄分は、溶解原料として使用することができる。
【0019】図5に示す本発明の第2の実施の形態に係
るシュレッダーダスト乾留物の処理方法は、第1の実施
の形態において図4を用いて説明した浮遊選鉱機33を
浮遊選鉱機60aに置き換えたものである。したがっ
て、浮遊選鉱機60a以外の部分は第1の実施の形態と
同じであるので説明を省略する。第1の実施の形態で
は、炭素の品位を上げて活性炭の原料とすることができ
るが、第2の実施の形態では、乾留物11から効率よく
溶解原料となる沈殿物61を回収する。水と混合された
乾留物11を第1の浮選機62に投入し、これに起泡剤
63を入れて運転を開始する。起泡剤63の混合割合
は、第1の実施の形態と略同一でよい。浮上物64は第
2の浮選機66に投入され、沈降物65はタンク75a
に貯留される。沈降物65は、その後、沈殿物61とし
て、図3に示す脱水機53に一定量ずつ運ばれる。初段
に設けられた第1の浮選機62から分離された沈降物6
5には比重の大きい金属分が多いので、通常はこの沈降
物65はそのまま沈殿物61としてよい。
【0020】第2の浮選機66に投入された浮上物64
は、浮上物67と沈降物68に分離される。浮上物67
はタンク69に貯留され、それから浮遊物70として脱
水機55に一定量ずつ運ばれる。沈降物68は、第3の
浮選機71に投入され、第3の浮選機71にはさらに抑
制剤72が混入される。抑制剤72の量は、第1の実施
の形態と略同量である。第3の浮選機71で分離され回
収された浮上物73は前記浮上物67が入っているタン
ク69に一旦貯留され、それから浮遊物70として乾燥
機55に運ばれる。含まれる金属の品位が高い沈降物7
4は、一旦タンク75に貯留され、それから沈殿物61
として脱水機53に運ばれる。図3に示すように、脱水
機53、55で脱水された後、第1の実施の形態と同様
の工程を経て非鉄金属61aと炭素70aが回収され
る。回収された非鉄金属61aは、品位が高いのでその
まま溶解原料とすることができる。また、炭素70a
は、加炭材又は昇温材として使用することができる。第
1、第2、第3の浮選機62、66、71は、独立した
ものを使用しているが、2連、3連のものを使用して構
わない。第1〜第3の浮選機62、66、71の間を連
結する図示しない原料流路は、簡単に取付け、取り外し
を行うことができる。3段に設けてある浮遊選鉱機60
aは、沈殿物61に含まれる非鉄金属の品位をさらに向
上させたいときは、4段、5段と増やすこともできる
し、非鉄金属の品位が十分であるときは3段目を使用し
ないで、2段だけで運転することもできる。また、原料
流路の連結部を変更して、第1の実施の形態の浮遊選鉱
機33と同一の形態にすることも簡単にできる。そして
タンク75aを省略して、沈降物65をタンク75に貯
留することもできる。
【0021】以上説明してきたように、本実施の形態に
おいては、乾留物に含まれる物質の割合と乾留の方法に
よって、回収できる物質の量と割合は大きく変化する。
そのため第1の実施の形態では炭素の品位に着目し、ま
た、第2の実施の形態では非鉄金属の品位に着目して回
収を行った。この第1の実施の形態と第2の実施の形態
を実施する場合の相違点は、多段に設けてある浮遊選鉱
機の浮遊物と沈降物の処理の仕方だけなので、予め回収
できる物質を予測して、迅速に浮遊選鉱機の組み替えを
行うことができる。なお、本発明は、これらの実施の形
態に限定されるものではなく、例えば、前記の鉄分除去
工程を省略してより簡易に加炭材又は昇温材の原料とす
ることができる。
【0022】
【実施例】次に、第1の実施例を示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表2の左端の+1mm〜4次沈鉱の欄に示
す数字は、上端の原料の重量を100%としたときのそ
れぞれの工程で選別・回収された物質の割合を示してい
る。そして、表2、表3中のC〜非鉄の欄に示す数字
は、回収されたそれぞれの物質の、横軸の右端の合計
(表3)に対する重量の割合を%で示している。原料
は、乾留、脱塩処理後のシュレッダーダストである。+
1mmとあるのは、エーキンスによって選別した直径1
mm以上の粒を表している。そして、直径が1mmより
小さい粒を−1mmで表している。浮遊選鉱は、第1の
実施の形態で使用した浮遊選鉱機33を使用している。
ここでいう1次選鉱は、図4に示す第1の浮選機42、
2次選鉱は、第3の浮選機49を表している。第2の浮
選機46は第3の浮選機49と2連で運転しているので
測定していない。回収した2次浮鉱を試験用の浮選機で
使用して、4次選鉱まで行った。1次浮鉱を2次選鉱に
かけ、2次浮鉱を3次選鉱にかけ、3次浮鉱を4次選鉱
にかけている。
【0026】実収率Eは、E=c(f−t)/f(c−
t)で表される。ここで、cは炭素の品位、fは給鉱の
品位、tは沈鉱の品位である。1次選鉱においては、E
=48.1(36.1−23)/36.1(48.1−
23)=0.695、(約70%)、2次選鉱において
は、E=51.2(48.1−35.6)/48.1
(51.2−35.6)=0.846(約85%)、3
次選鉱では、E=53.6(51.2−46.9)/5
1.2(53.6−46.9)=0.672(約67
%)、4次選鉱では、E=56.1(53.6−51.
0)/53.6(56.1−51.0)=0.533
(約53%)となった。実収率Eは2次選鉱で85%で
あるが、3次、4次選鉱では小さくなっているので、2
次選鉱まで行うとよい。なお、4次沈降中のCは、原料
の重量に対し0.125×0.51×100=6.4%
含まれており回収されていないが、この大部分は未還元
状態の炭化物である。即ち、乾留炉内の温度では、乾留
されない炭化物(例えばベークライト等)は、粉粒状態
になっても回収されずに沈降物となっているためであ
る。
【0027】次に、第2の実施例を示す。
【0028】
【表4】
【0029】第2の実施例では、浮遊選鉱に図5に示す
第2の実施の形態に係る浮遊選鉱機60aを使用して、
乾留温度が違う場合の炭素の品位を比較した。ここでい
う1次〜3次の浮選はそれぞれ第1の浮選機62、第2
の浮選機66、第3の浮選機71を示している。表中の
左端の原料〜3次沈鉱までの欄に示す数字は、上端の原
料の重量を100%としたときのそれぞれの工程で選別
・回収された物質の割合を示し、また、回収された原料
に含まれるCの品位をその隣の欄に示している。乾留温
度が350℃のとき+1mmの重量が27.7%ある。
これは、乾留温度が低いため、未燃焼の炭化物(ベーク
ライト等)が多く含まれていることを示している。2次
浮鉱のCの品位は、それぞれ左から44.4%、48.
6%、50.6%であるが、2次選鉱の実収率を計算す
ると、それぞれ左から99.3%、99.2%、99.
0%となりほとんど差がないので、乾留温度によらず選
別ができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1〜5記載のシュレッダーダスト
乾留物の処理方法においては、乾留処理されたシュレッ
ダーダストを破砕装置で粉砕して粉砕物とするので、選
別を効率よく行うことができる。また、第1工程で処理
された粉砕物を浮遊選鉱機に投入し、浮遊した粉粒状の
炭素を回収するので、炭素をその後の加工が容易な粉粒
状の状態で回収でき、湿式の選別法であるため粉塵が発
生しない。第2工程で回収された浮遊物を乾燥させて炭
素加工物の原料とし、燃料以外に多様な用途に使用でき
るので燃焼灰の発生を抑え処理後の不要物を少なくする
ことができると共に炭素の再利用を図ることができる。
また、沈殿物を乾燥させて溶解原料とするので、不要物
をさらに少なくすることができる。
【0031】特に、請求項2記載のシュレッダーダスト
乾留物の処理方法においては、浮遊物は多段に設けられ
た浮遊選鉱機によって処理され、第2工程と第3工程と
の間に、回収された浮遊物を酸洗浄し、含まれる鉄分を
溶かす鉄分除去工程を設けるので、浮遊する炭素の品位
を上げて、活性炭等の加工に用いることができ、更に高
度な再利用を図ることができる。また、請求項3記載の
シュレッダーダスト乾留物の処理方法においては、沈殿
物は、1段目の浮遊選鉱機で回収された非鉄金属を多く
含む沈降物と、1段目の浮遊選鉱機で回収された浮上物
を2段目の浮遊選鉱機に投入し、回収された沈降物を3
段目の浮遊選鉱機に投入して回収された沈降物とを含む
ので、沈殿物に含まれる非鉄金属の品位を上げて、後処
理をしないで非鉄金属の精錬ができる溶解原料とするこ
とができ、また、第3工程の炭素加工物は、加炭材又は
昇温材の原料として用いるので、不要物を少なくするこ
とができる。
【0032】請求項4記載のシュレッダーダスト乾留物
の処理方法においては、第2工程から回収された非鉄金
属を含む沈殿物を比重選別機に投入し、非鉄金属とその
残りの残留物に選別して、非鉄金属を乾燥させて溶解原
料とすると共に、残留物を乾燥させてセメント用原料と
するので、非鉄金属の含有量が少ない場合でも非鉄金属
を回収することができ、発生する不要物を少なくしてい
る。請求項5記載のシュレッダーダスト乾留物の処理方
法においては、破砕装置が湿式破砕機で、粉砕と共に脱
塩処理を行なうので、乾式に比べて粉粒状の炭素の飛散
を防ぐことができ、また、破砕しながら脱塩を行うの
で、効率よく脱塩できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダー
ダスト乾留物の処理方法の概略を示すフローチャートで
ある。
【図2】同前処理工程のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダー
ダスト乾留物の処理方法のフローチャートである。
【図4】同第2工程のフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るシュレッダー
ダスト乾留物の処理方法の第2工程のフローチャートで
ある。
【符号の説明】
10 シュレッダーダスト乾留物の処理方法 11 乾留物 12 前処理工
程 13 廃棄自動車又は家電製品 14 プレシュ
レッダー 15 シュレッダー 16 風力選別
機 17 磁力選別機 18 磁着物 19 非磁着物 20 非鉄金属 21 集塵機 22 シュレッ
ダーダスト 23 篩 24 土砂、ガ
ラス 25 磁力選別機 26 磁着物 27 非鉄選別機 28 非鉄金属 29 乾留炉 30 水槽 31 湿式破砕機 32 分級機 33 浮遊選鉱機 34 浮遊物 35 沈殿物 36 水槽 37 炭素 38 非鉄金属 38a 比重選別機 39 条件槽 39a 非鉄金属 40 捕収剤 40a 非金属 41 ポンプ 42 第1の浮選機 43 起泡剤 44 浮上物 45 沈降物 46 第2の浮選機 47 浮上物 48 沈降物 49 第3の浮
選機 49a 抑制剤 50 浮上物 51 沈降物 52 タンク 52a タンク 53 脱水機 54 タンク 55 脱水機 56 切り替え弁 57a タンク 58 塩酸 58a ポンプ 59 タンク 60 アルカリ 60a 浮遊選鉱機 61 沈殿物 61a 非鉄金属 62 第1の浮
選機 63 起泡剤 64 浮上物 65 沈降物 66 第2の浮
選機 67 浮上物 68 沈降物 69 タンク 70 浮遊物 70a 炭素 71 第3の浮
選機 72 抑制剤 73 浮上物 74 沈降物 75 タンク 75a タンク
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月12日(1999.10.
12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 シュレッダーダスト乾留物の処理方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非鉄金属を含むシ
ュレッダーダスト乾留物の処理方法に関し、詳しくは使
用済みの自動車や家電製品等の廃棄物のシュレッダーダ
ストを乾留処理した後の乾留物の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、使用済みの自動車や家電製品等の
廃棄物を処理するには、まず廃棄物をプレシュレッダー
で粗破砕した後、シュレッダーで破砕し、その後、破砕
された廃棄物中の非金属を風力選別機によって除去して
から、磁力選別機により含まれる鉄を回収していた。そ
して、磁力選別機で回収されなかった残りの廃棄物に含
まれる非鉄金属は、移動磁界を利用した非鉄選別や手選
によって回収されていた。前記シュレッダーに備えられ
た集塵機で回収された集塵ダスト、風力選別機により回
収された非金属及び非鉄金属を回収した後の残り屑(以
下、これらを合わせてシュレッダーダストという。)
は、未処理のまま、又は焼却処理されてから管理型埋立
処分場に廃棄されていた。なお、最近では乾留処理を行
い、乾留時に発生するガスと乾留物を発電等の燃料とし
て活用することもあるが、このとき発生する乾留物の焼
却灰を廃棄する場合にも管理型埋立処分場に埋立処理を
することが義務化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のシュレッダーダスト、又はシュレッダーダスト乾留
物の処理方法は、以下の問題があった。 1) 未処理のシュレッダーダスト、又は、焼却後に発生
する焼却灰の管理型埋立処分場での埋立処理に多大な費
用がかかる。 2) 鉛等の有害物質を含む場合には、埋立処分費の非常
に高価な遮断型埋立処分場で処理することが必要なの
で、さらに費用がかかる。 3) 乾留処理したとき、乾留物から非鉄金属が回収され
た後の乾留物に含まれる多量の炭素は、他の不純物と混
合していて分離が困難である。 4) 乾留処理後に、乾留物から品位(純度)の低い炭素
を回収できたとしても、二次燃焼させること以外に用途
がなかった。 5) 乾留物を発電用の燃料とする方法は、まだ不安定で
実用化に至っておらず、また、発生する焼却灰も埋め立
て処理が必要になるため、費用がかかる。 以上のように、発生する焼却灰の量を減らし、含まれる
炭素を再利用するため、シュレッダーダスト、又はシュ
レッダーダスト乾留物の処理方法を見直す必要があっ
た。本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、含ま
れる炭素を再利用でき、処理後の不要物が少ないシュレ
ッダーダスト乾留物の処理方法を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係るシュレッダーダスト乾留物の処理方法は、第1〜第
3工程を有しており、第1工程では非鉄金属を含む乾留
処理されたシュレッダーダストを破砕装置で破砕して粉
砕物とし、粉砕物を分級機で分級して粉砕物から粒状の
非鉄金属を除去している。ここで非鉄金属には、例え
ば、銅、亜鉛、鉛等を含む。また、破砕装置とは、例え
ば、ロッドミル、ボールミル等の機械的破砕装置をい
う。第1工程によって、乾留処理後のシュレッダーダス
トに含まれる粉粒状の炭素、非鉄金属及びその他の残留
物を粉砕して分離する。分級機には、エーキンス分級
機、又は振動式篩を含む。そして、粒状の非鉄金属と
は、分級機によって分級された粒径の大きい粒のことを
いう。次に第2工程においては、第1工程で粒状の非鉄
金属が除去された粉砕物を浮遊選鉱機に投入し、浮遊し
た炭素を含む浮遊物を回収すると共に、沈降した粒径の
小さい非鉄金属を含む沈殿物を回収するので、粉砕物に
含まれる粉粒状の炭素を選別して回収できる。
【0005】浮遊選鉱とは、微粉状態の物質を水中に入
れて、その物質に適応した薬剤を加えて攪拌しつつ、そ
の中に気泡を送り、その気泡をして、微粉状態の物質の
中の特定の物質を選択的につかまえしめ、その気泡が水
面上に集まって泡沫となったものを水から回収する選別
方法である。浮遊選鉱機には、インペラで攪拌して気泡
を発生させる機械力浮遊選鉱機、又は多数の細管から空
気を吹き込み攪拌する空気力攪拌式浮遊選鉱機等の空気
力浮遊選鉱機等が使用できる。第3工程においては、第
2工程で回収された浮遊物を乾燥させて炭素加工物の原
料とし、また、沈殿物を乾燥させて溶解原料とする。炭
素加工物には、活性炭、加炭材又は昇温材を含む。活性
炭とは、炭化物を賦活して得られる内部表面積を大きく
した炭素である。加炭材とは、鉄と化合させ硬度を調整
するための固形の炭材である。昇温材とは、燃料として
用いられる炭である。このように多様な用途に使用でき
る。
【0006】ここで、第2工程で使用する浮遊選鉱機は
多段に設けられ、浮遊物は多段に設けられた浮遊選鉱機
によって処理され、第2工程と第3工程との間に、回収
された浮遊物を酸洗浄し、含まれる鉄分を溶かす鉄分除
去工程を設けることもできる。これによって、浮遊する
炭素の品位を上げて、活性炭等の加工に用いることがで
きる。また、沈殿物は、1段目の浮遊選鉱機で回収され
た非鉄金属を多く含む沈降物と、1段目の浮遊選鉱機で
回収された浮上物を2段目の浮遊選鉱機に投入し、回収
された沈降物を3段目の浮遊選鉱機に投入して回収され
た沈降物とを含み、第3工程の炭素加工物は、加炭材又
は昇温材の原料として用いることができる。これによ
り、沈殿物に含まれる非鉄金属の品位を上げて、後処理
をしないで非鉄金属の精錬ができる溶解原料とすること
ができる。さらに、第2工程から回収された非鉄金属を
含む沈殿物を比重選別機に投入し、非鉄金属とその残り
の残留物に選別して、非鉄金属を乾燥させて溶解原料と
すると共に、残留物を乾燥させてセメント用原料とする
ことができる。比重選別機の一例としては揺動テーブル
があり、揺動テーブルには、例えば、我が国でも普遍的
に知られているウィルフレー・テーブル、精鉱の精選に
十分な場所を与えるダイスター・オーバーストローム・
テーブル又は揺動運動の運搬力が強化されたゼームス・
テーブル等を使用できる。これによって、非鉄金属を回
収することができ、残った残留物を乾燥させてセメント
用原料とするので、発生する不要物を少なくしている。
また、第1工程に用いる破砕装置が湿式破砕機で、粉砕
と共に含まれる塩を水に溶かして脱塩処理を行なっても
よい。湿式であるので粉粒状の炭素の飛散を防いでい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本
発明の理解に供する。
【0008】図1(A)に示すように、本発明の第1の
実施の形態に係るシュレッダーダスト乾留物の処理方法
10は、乾留物11を原料としている。この乾留物11
は、図2に示す前処理工程12によって得られる。例え
ば、廃棄自動車又は家電製品13等は、プレシュレッダ
ー14で粗破砕して、シュレッダー15で破砕され、風
力選別機16にかけて、金属類を選別及び回収してい
る。回収された金属類からは、磁力選別機17によって
鉄等の磁着物18が回収される。そして非磁着物19か
らは、図示しない非鉄金属選別機、又は手選によって大
部分の非鉄金属20が回収される。シュレッダー15と
風力選別機16から排出される集塵ダストは、集塵機2
1によって回収される。そして、回収された集塵ダスト
は、非鉄金属20が除去された残りの非磁着物19と共
にシュレッダーダスト22となる。シュレッダーダスト
22の重量や成分は廃棄物によって変わる。例えば、廃
棄自動車の場合、回収された磁着物18(鉄分)が重量
比で約70%、非鉄金属20が約3%、集塵機21で回
収したシュレッダーダスト22が約27%であった。
【0009】シュレッダーダスト22からは、さらにト
ロンメル(回転篩)等の篩23によって土砂、ガラス2
4等が除去される。篩23には、例えば10mm程度の
フィルターを用いるとよい。土砂、ガラス24等が除去
されたシュレッダーダストからは、磁力選別機25で磁
着物26が回収され、非鉄選別機27で非鉄金属28が
回収される。非鉄選別機27及び篩23が運転されると
きに発生する粉塵は、図示しない集塵機によって回収さ
れ、非鉄選別機27から排出されるシュレッダーダスト
と共に乾留炉29に投入される。ここで、磁力選別機2
5は、乾式、湿式のどちらでも使用できるが、乾留処理
によって加熱乾燥されるため、乾式のものを使用するこ
とが望ましい。乾留処理後の非鉄金属を含むシュレッダ
ーダストは炭素を多く含む乾留物となって排出される。
排出された乾留物の成分は、例えば次に示す表1のよう
になっている。
【0010】
【表1】
【0011】乾留物中の成分は、原料となるシュレッダ
ーダスト22の成分、乾留条件によって変わるが、第1
の実施の形態では、表1に示す成分組成の乾留物を使用
している。表1に示す乾留物の中には、炭素は約33.
6重量%含まれている。従来は、乾留処理を行った場合
には含まれる炭素を取り出すことなく他の物質と混合し
たまま溶融処理していたが、本願発明者は炭素の品位を
上げ、加炭材、昇温材、又は活性炭等として再利用する
ことに成功した。また、Cuは11.8%含まれている
が、溶解原料とするためには品位を向上させる必要があ
った。そこで炭素を分離する工程で同時にCuの品位を
上げ、簡便に溶解原料を回収できることもできるように
なった。乾留炉29から排出された乾留物は、固形状態
で水槽30に投入されて冷却され、それから掻き上げら
れる。これによって、乾留物11に含まれる塩等を除去
する脱塩処理を促進している。これで乾留物11を得る
前処理工程12を終了する。
【0012】図1(A)に示すように、脱塩処理後の乾
留物11は、破砕装置の一例である湿式破砕機31に投
入されて破砕され粉砕物となる。湿式破砕されるので、
粉砕と共に含まれた塩を水に溶かしてさらに脱塩を行う
ことができる。ここで、炭素を含む炭化物は脆いので粉
状化するが、金属分は粘りがあって粉砕されないので、
粒状となる。湿式破砕機31には、例えば、ボールミ
ル、ロッドミル等が使用できる。なお、第1の実施の形
態では、湿式の破砕機を用いているが、乾式の破砕機を
使用することもできる。乾式の破砕機を用いる場合は、
破砕前に例えば空冷処理等の冷却工程を設けておく。湿
式破砕機31によって破砕された粉砕物は、エーキンス
分級機、又は振動篩等の分級機32によって分級し、粒
状の非鉄金属38の除去を行う。振動篩を使用する場合
には、例えば1mmのフィルターを使用してこれより大
きい粒子を除去する。これによって、粗粒の非鉄金属3
8を除去すると共に脱塩の効率を上げることができる。
【0013】非鉄金属38が除去された粉砕物は、浮遊
選鉱機33(又は浮選機ともいう。)に投入されて、浮
遊した炭素を含む浮遊物34と共に沈降した粒径の小さ
い非鉄金属を含む沈殿物35とに分離されて回収され
る。図1(B)に示すように、回収した浮遊物34中の
炭素の品位をさらに上げるときは、浮遊物34を水槽3
6に投入して酸洗浄を行うことができる。酸(例えばH
Cl)によって含まれる鉄分(Fe23 )を溶かし出
すことで炭素37の品位を上げている。回収された炭素
37は、乾燥させて炭素加工物の原料とし、また、沈殿
物35は、溶解原料とすることができる。炭素加工物
は、回収される炭素37の品位が高いときは活性炭とす
ることができ、品位が低いときは加炭材又は昇温材とす
ることができる。以下、図3、図4を使用して詳しく説
明する。
【0014】図3に示すように、まず前処理工程12か
ら運ばれた乾留物11に水を加えて、湿式破砕機31に
投入する。このときの原料となる乾留物の濃度は、例え
ば30〜40Wt%程度に調整しておく。この濃度が高
すぎると抵抗が大きくなって破砕が困難となり、濃度が
低すぎると滞留時間が短くなり破砕が不十分なうちに湿
式破砕機31から流出してしまうからである。固形の乾
留物を破砕することによって、物質の種類ごとに違う粒
径にすることができ、この後の選別を簡便に行うことが
できる。湿式破砕された乾留物11からは、エーキンス
等の分級機32によって直径1mm以上の粒状の非鉄金
属38を除去している(以上、第1工程)。直径1mm
以下の粉粒物は、条件槽39に投入されて、捕収剤40
及び水を混合し攪拌される。炭素を捕収するための捕収
剤40は1〜1.5kg/原料tの割合で加え、水は、
乾留物11の濃度を10〜20Wt%にするように加え
ている。そして、水等と混合された乾留物11は、ポン
プ41で浮遊選鉱機33に投入される。
【0015】図4に示すように、浮遊選鉱機33は多段
に設けられている。ポンプ41から第1の浮選機(1段
目の浮遊選鉱機)42に投入された乾留物11には、気
泡を発生させる起泡剤43が0.1〜0.2kg/原料
tの割合で加えられて攪拌される。乾留物11には、既
に補収剤40が加えられているので、発生する泡沫に炭
素が補収されて上方に浮上していく。泡沫に捕収された
炭素を回収したものを浮上物44とし、浮上しなかった
ものを回収して沈降物45とする。回収された沈降物4
5は、タンク52aに一旦貯留される。タンク52aに
は攪拌装置が設けられ、タンク52a内部に沈降物45
が沈降しないようにしている。その後、沈降物45は、
図3に示すバッチ処理式の脱水機53に沈殿物35とし
て一定量ずつ運ばれる。炭素の品位が上がった浮上物4
4は、さらに2段目の浮遊選鉱機である第2の浮選機4
6に投入される。第2の浮選機46でも第1の浮選機4
2と同様に、浮上物47と沈降物48に選別し、沈降物
48は前記沈降物45と共にタンク52aに貯留され
る。さらに炭素の品位が上がった浮上物47は第3の浮
選機(3段目の浮遊選鉱機)49に投入される。最終段
となる第3の浮選機49には、元来浮く性質の物質を沈
降させる抑制剤49aを1〜1.5t/原料tの割合で
投入している。第3の浮選機49によって浮上物50と
沈降物51に選別し、沈降物51は一旦タンク52内に
貯留され、その後沈殿物35として脱水機53に運ばれ
る。浮上した浮上物50は、タンク54内に貯留され、
その後浮遊物34として脱水機55に運ばれる。
【0016】第2、第3の浮選機46、49は、2連と
なったものを使用しているが、別々のものを使用しても
構わない。また、第1の浮選機42を加えて3連にした
ものも使用できる。第1〜第3の浮選機42、46、4
9の間を連結する図示しない原料流路は、簡単に取付
け、取り外しを行うことができる。3段に設けてある浮
遊選鉱機33は、浮遊物34に含まれる炭素の品位をさ
らに向上させたいときは、4段、5段と増やすこともで
きるし、炭素の品位が十分であるときは3段目を使用し
ないで、2段だけで運転することもできる。また、タン
ク52aを省略して、沈降物45及び48をタンク52
に貯留することもできる(以上、第2工程)。
【0017】図3に示すように、脱水機53、55はバ
ッチ式であり、一定量ずつ脱水を行っている。脱水機5
5で脱水されて回収された浮遊物34は、切り替え弁5
6を操作することによって、水槽36に運ばれる。水槽
36では、浮遊物34に塩酸58を混合してから攪拌し
て酸洗浄を行い、含まれる鉄分を溶かしている。溶解し
た鉄分を含む浮遊物34は、再度脱水機55に運ばれ、
鉄分を除去される(以上、鉄分除去工程)。鉄分を除去
された浮遊物34は、切り替え弁56を操作して、図示
しない水洗い、脱水工程を通過し、品位の高い炭素37
となって回収される。この品位の高い炭素37は、活性
炭の原料とすることができる。一方、脱水機53で脱水
してから回収された沈殿物35は乾燥されて非鉄金属を
多く含む溶解原料となるが、例えば、Cuの含有割合が
20%以下のときには、図1(C)に示すように、比重
選別機38aを使用して、沈殿物35中の非鉄金属の品
位を上げることができる。比重選別機38aで比重の大
きい非鉄金属39aとその残留物である比重の小さい非
金属40aを分離し回収する。回収された非鉄金属39
aは、乾燥させて溶解原料とし、非金属40aは乾燥さ
せてセメント用原料とすることができる(以上、第3工
程)。
【0018】脱水機53、55で回収された水は、一旦
タンク57aに蓄えられ、不純物を取り除いてからポン
プ58aによって湿式破砕機31に運ばれ再利用され
る。これによって水を無駄なく使用することができる。
なお、酸洗浄に使用した水は、別のタンク59に入れら
れ、アルカリ(NaOH等)60で中和して鉄分を除去
してからタンク57aに貯留される。また、回収された
鉄分は、溶解原料として使用することができる。
【0019】図5に示す本発明の第2の実施の形態に係
るシュレッダーダスト乾留物の処理方法は、第1の実施
の形態において図4を用いて説明した浮遊選鉱機33を
浮遊選鉱機60aに置き換えたものである。したがっ
て、浮遊選鉱機60a以外の部分は第1の実施の形態と
同じであるので説明を省略する。第1の実施の形態で
は、炭素の品位を上げて活性炭の原料とすることができ
るが、第2の実施の形態では、乾留物11から効率よく
溶解原料となる沈殿物61を回収する。水と混合された
乾留物11を第1の浮選機62に投入し、これに起泡剤
63を入れて運転を開始する。起泡剤63の混合割合
は、第1の実施の形態と略同一でよい。浮上物64は第
2の浮選機66に投入され、沈降物65はタンク75a
に貯留される。沈降物65は、その後、沈殿物61とし
て、図3に示す脱水機53に一定量ずつ運ばれる。初段
に設けられた第1の浮選機62から分離された沈降物6
5には比重の大きい金属分が多いので、通常はこの沈降
物65はそのまま沈殿物61としてよい。
【0020】第2の浮選機66に投入された浮上物64
は、浮上物67と沈降物68に分離される。浮上物67
はタンク69に貯留され、それから浮遊物70として脱
水機55に一定量ずつ運ばれる。沈降物68は、第3の
浮選機71に投入され、第3の浮選機71にはさらに抑
制剤72が混入される。抑制剤72の量は、第1の実施
の形態と略同量である。第3の浮選機71で分離され回
収された浮上物73は前記浮上物67が入っているタン
ク69に一旦貯留され、それから浮遊物70として乾燥
機55に運ばれる。含まれる金属の品位が高い沈降物7
4は、一旦タンク75に貯留され、それから沈殿物61
として脱水機53に運ばれる。図3に示すように、脱水
機53、55で脱水された後、第1の実施の形態と同様
の工程を経て非鉄金属61aと炭素70aが回収され
る。回収された非鉄金属61aは、品位が高いのでその
まま溶解原料とすることができる。また、炭素70a
は、加炭材又は昇温材として使用することができる。第
1、第2、第3の浮選機62、66、71は、独立した
ものを使用しているが、2連、3連のものを使用して構
わない。第1〜第3の浮選機62、66、71の間を連
結する図示しない原料流路は、簡単に取付け、取り外し
を行うことができる。3段に設けてある浮遊選鉱機60
aは、沈殿物61に含まれる非鉄金属の品位をさらに向
上させたいときは、4段、5段と増やすこともできる
し、非鉄金属の品位が十分であるときは3段目を使用し
ないで、2段だけで運転することもできる。また、原料
流路の連結部を変更して、第1の実施の形態の浮遊選鉱
機33と同一の形態にすることも簡単にできる。そして
タンク75aを省略して、沈降物65をタンク75に貯
留することもできる。
【0021】以上説明してきたように、本実施の形態に
おいては、乾留物に含まれる物質の割合と乾留の方法に
よって、回収できる物質の量と割合は大きく変化する。
そのため第1の実施の形態では炭素の品位に着目し、ま
た、第2の実施の形態では非鉄金属の品位に着目して回
収を行った。この第1の実施の形態と第2の実施の形態
を実施する場合の相違点は、多段に設けてある浮遊選鉱
機の浮遊物と沈降物の処理の仕方だけなので、予め回収
できる物質を予測して、迅速に浮遊選鉱機の組み替えを
行うことができる。なお、本発明は、これらの実施の形
態に限定されるものではなく、例えば、前記の鉄分除去
工程を省略してより簡易に加炭材又は昇温材の原料とす
ることができる。
【0022】
【実施例】次に、第1の実施例を示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表2の左端の+1mm〜4次沈鉱の欄に示
す数字は、上端の原料の重量を100%としたときのそ
れぞれの工程で選別・回収された物質の割合を示してい
る。そして、表2、表3中のC〜非鉄の欄に示す数字
は、回収されたそれぞれの物質の、横軸の右端の合計
(表3)に対する重量の割合を%で示している。原料
は、乾留、脱塩処理後のシュレッダーダストである。+
1mmとあるのは、エーキンスによって選別した直径1
mm以上の粒を表している。そして、直径が1mmより
小さい粒を−1mmで表している。浮遊選鉱は、第1の
実施の形態で使用した浮遊選鉱機33を使用している。
ここでいう1次選鉱は、図4に示す第1の浮選機42、
2次選鉱は、第3の浮選機49を表している。第2の浮
選機46は第3の浮選機49と2連で運転しているので
測定していない。回収した2次浮鉱を試験用の浮選機で
使用して、4次選鉱まで行った。1次浮鉱を2次選鉱に
かけ、2次浮鉱を3次選鉱にかけ、3次浮鉱を4次選鉱
にかけている。
【0026】実収率Eは、E=c(f−t)/f(c−
t)で表される。ここで、cは炭素の品位、fは給鉱の
品位、tは沈鉱の品位である。1次選鉱においては、E
=48.1(36.1−23)/36.1(48.1−
23)=0.695、(約70%)、2次選鉱において
は、E=51.2(48.1−35.6)/48.1
(51.2−35.6)=0.846(約85%)、3
次選鉱では、E=53.6(51.2−46.9)/5
1.2(53.6−46.9)=0.672(約67
%)、4次選鉱では、E=56.1(53.6−51.
0)/53.6(56.1−51.0)=0.533
(約53%)となった。実収率Eは2次選鉱で85%で
あるが、3次、4次選鉱では小さくなっているので、2
次選鉱まで行うとよい。なお、4次沈降中のCは、原料
の重量に対し0.125×0.51×100=6.4%
含まれており回収されていないが、この大部分は未還元
状態の炭化物である。即ち、乾留炉内の温度では、乾留
されない炭化物(例えばベークライト等)は、粉粒状態
になっても回収されずに沈降物となっているためであ
る。
【0027】次に、第2の実施例を示す。
【0028】
【表4】
【0029】第2の実施例では、浮遊選鉱に図5に示す
第2の実施の形態に係る浮遊選鉱機60aを使用して、
乾留温度が違う場合の炭素の品位を比較した。ここでい
う1次〜3次の浮選はそれぞれ第1の浮選機62、第2
の浮選機66、第3の浮選機71を示している。表中の
左端の原料〜3次沈鉱までの欄に示す数字は、上端の原
料の重量を100%としたときのそれぞれの工程で選別
・回収された物質の割合を示し、また、回収された原料
に含まれるCの品位をその隣の欄に示している。乾留温
度が350℃のとき+1mmの重量が27.7%ある。
これは、乾留温度が低いため、未燃焼の炭化物(ベーク
ライト等)が多く含まれていることを示している。2次
浮鉱のCの品位は、それぞれ左から44.4%、48.
6%、50.6%であるが、2次選鉱の実収率を計算す
ると、それぞれ左から99.3%、99.2%、99.
0%となりほとんど差がないので、乾留温度によらず選
別ができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1〜3記載のシュレッダーダスト
乾留物の処理方法においては、乾留処理されたシュレッ
ダーダストを破砕装置で粉砕して粉砕物とするので、選
別を効率よく行うことができる。また、第1工程で処理
された粉砕物を浮遊選鉱機に投入し、浮遊した粉粒状の
炭素を回収するので、炭素をその後の加工が容易な粉粒
状の状態で回収でき、湿式の選別法であるため粉塵が発
生しない。第2工程で回収された浮遊物を乾燥させて炭
素加工物の原料とし、燃料以外に多様な用途に使用でき
るので燃焼灰の発生を抑え処理後の不要物を少なくする
ことができると共に炭素の再利用を図ることができる。
また、沈殿物を乾燥させて溶解原料とするので、不要物
をさらに少なくすることができる。また、第2工程から
回収された非鉄金属を含む沈殿物を比重選別機に投入
し、非鉄金属とその残りの残留物に選別して、非鉄金属
を乾燥させて溶解原料とすると共に、残留物を乾燥させ
てセメント用原料とするので、非鉄金属の含有量が少な
い場合でも非鉄金属を回収することができ、発生する不
要物を少なくしている。
【0031】特に、請求項2記載のシュレッダーダスト
乾留物の処理方法においては、浮遊物は多段に設けられ
た浮遊選鉱機によって処理され、第2工程と第3工程と
の間に、回収された浮遊物を酸洗浄し、含まれる鉄分を
溶かす鉄分除去工程を設けるので、浮遊する炭素の品位
を上げて、活性炭等の加工に用いることができ、更に高
度な再利用を図ることができる。
【0032】請求項3記載のシュレッダーダスト乾留物
の処理方法においては、破砕装置が湿式破砕機で、粉砕
と共に脱塩処理を行なうので、乾式に比べて粉粒状の炭
素の飛散を防ぐことができ、また、破砕しながら脱塩を
行うので、効率よく脱塩できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダー
ダスト乾留物の処理方法の概略を示すフローチャートで
ある。
【図2】同前処理工程のフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るシュレッダー
ダスト乾留物の処理方法のフローチャートである。
【図4】同第2工程のフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るシュレッダー
ダスト乾留物の処理方法の第2工程のフローチャートで
ある。
【符号の説明】 10:シュレッダーダスト乾留物の処理方法、11:乾
留物、12:前処理工程、13:廃棄自動車又は家電製
品、14:プレシュレッダー、15:シュレッダー、1
6:風力選別機、17:磁力選別機、18:磁着物、1
9:非磁着物、20:非鉄金属、21:集塵機、22:
シュレッダーダスト、23:篩、24:土砂、ガラス、
25:磁力選別機、26:磁着物、27:非鉄選別機、
28:非鉄金属、29:乾留炉、30:水槽、31:湿
式破砕機、32:分級機、33:浮遊選鉱機、34:浮
遊物、35:沈殿物、36:水槽、37:炭素、38:
非鉄金属、38a:比重選別機、39:条件槽、39
a:非鉄金属、40:捕収剤、40a:非金属、41:
ポンプ、42:第1の浮選機、43:起泡剤、44:浮
上物、45:沈降物、46:第2の浮選機、47:浮上
物、48:沈降物、49:第3の浮選機、49a:抑制
剤、50:浮上物、51:沈降物、52:タンク、52
a:タンク、53:脱水機、54:タンク、55:脱水
機、56:切り替え弁、57a:タンク、58:塩酸、
58a:ポンプ、59:タンク、60:アルカリ、60
a:浮遊選鉱機、61:沈殿物、61a:非鉄金属、6
2:第1の浮選機、63:起泡剤、64:浮上物、6
5:沈降物、66:第2の浮選機、67:浮上物、6
8:沈降物、69:タンク、70:浮遊物、70a:炭
素、71:第3の浮選機、72:抑制剤、73:浮上
物、74:沈降物、75:タンク、75a:タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 寛 福岡県北九州市小倉北区馬借3丁目6番42 号 日本磁力選鉱株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA22 AA26 AA28 BA02 BA03 BA06 BA10 CA04 CA08 CA09 CA10 CA24 CA44 CB13 CC15 4H012 HA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非鉄金属を含む乾留処理されたシュレッ
    ダーダストを破砕装置で破砕して粉砕物とし、前記粉砕
    物を分級機で分級して前記粉砕物から粒状の非鉄金属を
    除去する第1工程と、 第1工程で粒状の非鉄金属が除去された前記粉砕物を浮
    遊選鉱機に投入し、浮遊した炭素を含む浮遊物を回収す
    ると共に、沈降した粒径の小さい非鉄金属を含む沈殿物
    を回収する第2工程と、 第2工程で回収された前記浮遊物を乾燥させて炭素加工
    物の原料とし、また、前記沈殿物を乾燥させて溶解原料
    とする第3工程を有することを特徴とするシュレッダー
    ダスト乾留物の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシュレッダーダスト乾留
    物の処理方法において、第2工程で使用する前記浮遊選
    鉱機は多段に設けられ、前記浮遊物は多段に設けられた
    該浮遊選鉱機によって処理され、第2工程と第3工程と
    の間に、回収された前記浮遊物を酸洗浄し、含まれる鉄
    分を溶かす鉄分除去工程とを設けたことを特徴とするシ
    ュレッダーダスト乾留物の処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシュレッダーダスト乾留
    物の処理方法において、第2工程で使用する前記浮遊選
    鉱機は多段に設けられ、 前記沈殿物は、1段目の浮遊選鉱機で回収された非鉄金
    属を多く含む沈降物と、該1段目の浮遊選鉱機で回収さ
    れた浮上物を2段目の浮遊選鉱機に投入し、回収された
    沈降物を3段目の浮遊選鉱機に投入して回収された沈降
    物とを含み、 第3工程の前記炭素加工物は、加炭材又は昇温材の原料
    として用いることを特徴とするシュレッダーダスト乾留
    物の処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のシュレッダーダス
    ト乾留物の処理方法において、第2工程から回収された
    前記非鉄金属を含む沈殿物を比重選別機に投入し、前記
    非鉄金属とその残りの残留物に選別して、前記非鉄金属
    を乾燥させて溶解原料とすると共に、前記残留物を乾燥
    させてセメント用原料とすることを特徴とするシュレッ
    ダーダスト乾留物の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシ
    ュレッダーダスト乾留物の処理方法において、第1工程
    に用いる前記破砕装置が湿式破砕機で、粉砕と共に含ま
    れる塩を水に溶かして脱塩処理を行なうことを特徴とす
    るシュレッダーダスト乾留物の処理方法。
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