JP2000106515A - 圧電振動子用容器ならびに圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

圧電振動子用容器ならびに圧電振動子およびその製造方法

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JP2000106515A JP10274031A JP27403198A JP2000106515A JP 2000106515 A JP2000106515 A JP 2000106515A JP 10274031 A JP10274031 A JP 10274031A JP 27403198 A JP27403198 A JP 27403198A JP 2000106515 A JP2000106515 A JP 2000106515A
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電振動子片を搭載する絶縁基体に設けた貫
通孔を封止するための封止部材の一部が、絶縁基体の上
面や下面に突出して圧電振動子片の振動を妨げたり、圧
電振動子の外部回路基板等への実装を妨げたりする。 【解決手段】 上面に圧電振動子片3の搭載部1aを有
するとともに上面から下面にかけて貫通孔6が設けられ
た略平板状の絶縁基体1と、絶縁基体1の上面に接合さ
れ、絶縁基体1との間の空間に圧電振動子片3を気密に
収容する蓋体2とから成る圧電振動子用容器であって、
貫通孔6は、上面側の第1の孔6aと、第1の孔6aよ
り開口が大きな下面側の第2の孔6bとから成るととも
に、第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺に封止
用金属部材7を取着するための金属層8が被着されてい
る。貫通孔6が確実に封止されるとともに、封止部材が
絶縁基体1の上面や下面に突出することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動子片を収
容するための圧電振動子用容器ならびにこれを使用した
圧電振動子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧電振動子は、例えば図3に断面図で示
すように、圧電振動子用容器内に圧電振動子片21を気密
に収容することによって製作されている。
【0003】この圧電振動子片21を気密に収容する圧電
振動子用容器は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等の
セラミックスから成り、上面に圧電振動子片21が搭載さ
れる搭載部22aを有する略平板状の絶縁基体22と、ガラ
ス等の透光性材料から成り、絶縁基体22の上面に低融点
ガラス等の封止材23を介して接合されることにより絶縁
基体22との間の空間に圧電振動子片21を収容する蓋体24
とから構成されている。絶縁基体22には、絶縁基体22と
蓋体24との間の空間を真空に排気するための貫通孔25が
その上面から下面にかけて形成されている。これら絶縁
基体22と蓋体24とから成る容器の内部に圧電振動子片21
を収容した後、絶縁基体22に形成された貫通孔25を介し
て圧電振動子片21を収容する空間を真空に排気し、しか
る後、この貫通孔25内に鉛−錫合金等のろう材から成る
封止部材26を充填してこの貫通孔25を封止することによ
り、圧電振動子用容器の内部に圧電振動子片21が気密に
収容された圧電振動子となる。
【0004】なお、絶縁基体22に形成された貫通孔25内
に鉛−錫合金等のろう材から成る封止部材26を充填して
この貫通孔25を封止するには、貫通孔25の内面の全面に
タングステンやモリブデン粉末等の高融点金属メタライ
ズから成る金属層27を被着させておくとともにこの金属
層27の表面にろう材との濡れ性に優れるニッケルや金等
のめっき金属層(図示せず)を被着させておき、この貫
通孔25の下面側開口部に貫通孔25の直径より大き目の直
径を有する鉛−錫合金等のろう材を当接させてこのろう
材を加熱溶融することにより封止する方法が採用されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の圧電振動子によると、圧電振動子用容器の絶縁基体
22に形成された貫通孔25の内面の全面に金属層27が被着
されていることから、この貫通孔25を鉛−錫合金等のろ
う材からなる封止部材26により封止する際に、溶融した
封止部材26が貫通孔25の内面の全面に濡れ広がって貫通
孔25の開口部に達するため、この開口部に達した封止部
材26の一部が絶縁基体22の上面や下面に突出することが
ある。その結果、例えば絶縁基体22上面に突出した封止
部材26が容器内部に収容された圧電振動子片21に接触し
て圧電振動子片21の発振を停止させたり、または発振は
しても圧電振動子片21の正常な振動を妨げたり、あるい
は絶縁基体22の下面に突出した封止部材26が圧電振動子
を外部の回路基板等に実装する際にその実装の妨げにな
ったりするという問題点を有していた。
【0006】本発明は、係る従来の問題点に鑑みて案出
されたものであり、その目的は、絶縁基体に設けた貫通
孔を封止部材で封止しても封止部材が絶縁基体の上面や
下面に突出することがなく、内部に収容する圧電振動子
片を正確に振動させることができるとともに外部の回路
基板に良好に実装することができる圧電振動子用容器な
らびにこの容器を使用した圧電振動子および圧電振動子
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の圧電振動子用容
器は、上面に圧電振動子片の搭載部を有するとともに上
面から下面にかけて貫通孔が設けられた略平板状の絶縁
基体と、この絶縁基体の上面に接合され、前記絶縁基体
との間の空間に前記圧電振動子片を気密に収容する蓋体
とから成る圧電振動子用容器であって、前記貫通孔は、
上面側の第1の孔と、この第1の孔より開口が大きな下
面側の第2の孔とから成るとともに、前記第1の孔の前
記第2の孔側の開口の周辺に封止用金属部材を取着する
ための金属層が被着されていることを特徴とするもので
ある。
【0008】また本発明の圧電振動子は、上記構成の圧
電振動子用容器の前記空間に前記圧電振動子片を収容
し、前記貫通孔の前記金属層に前記封止用金属部材をろ
う材を介して取着してあることを特徴とするものであ
る。
【0009】さらに、本発明の圧電振動子は、上記構成
の圧電振動子において、前記封止用金属部材が前記第1
の孔の開口よりも小さいことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の圧電振動子の製造方法は、
上面に圧電振動子片の搭載部を有するとともに、上面側
の第1の孔とこの第1の孔より開口が大きな下面側の第
2の孔とから成り、前記第1の孔の前記第2の孔側の開
口周辺に封止用金属部材を取着するための金属層が被着
されている貫通孔が設けられた略平板状の絶縁基体を準
備する工程と、前記搭載部に前記圧電振動子片を搭載す
る工程と、前記絶縁基体の上面に蓋体を接合して前記絶
縁基体との間の空間に前記圧電振動子片を収容する工程
と、前記貫通孔の前記金属層に前記封止用金属部材をろ
う材を介して取着し、前記貫通孔を封止する工程とから
成ることを特徴とするものである。
【0011】さらに、本発明の圧電振動子の製造方法
は、上記の製造方法において、前記封止用金属部材の取
着は、表面がろう材で被覆された前記封止用金属部材を
前記貫通孔内に収容した後、前記ろう材を溶融させるこ
とによって行なわれることを特徴とするものである。
【0012】本発明の圧電振動子用容器によれば、絶縁
基体に形成された貫通孔は、上面側の第1の孔と、この
第1の孔より開口が大きな下面側の第2の孔とから成る
とともに、前記第1の孔の前記第2の孔側の開口の周辺
に封止用金属部材を取着するための金属層が被着されて
いることから、例えば絶縁基体と蓋体とから成る容器内
部に圧電振動子片を収容した後、第1の孔の第2の孔側
の開口周辺に被着された金属層に封止用金属部材をろう
材を介して取着させることにより貫通孔を封止すると、
溶融したろう材は第1の孔の第2の孔側の開口周辺にの
み濡れ広がり、絶縁基体の上下面に達することはない。
また、溶融したろう材の表面張力により封止用金属部材
を第1の孔の第2の孔側の開口近傍に保持する。従っ
て、封止用金属部材およびろう材で貫通孔を良好に封止
することができるとともに、ろう材や封止用金属部材が
絶縁基体の上面や下面に突出するようなことはない。
【0013】また、本発明の圧電振動子によれば、上記
構成の圧電振動子用容器内に圧電振動子片を収容し、絶
縁基体に形成した貫通孔の第1の孔の第2の孔側の開口
周辺に被着させた金属層に封止用金属部材をろう材を介
して取着してあることから、貫通孔の第1の孔の第2の
孔側の開口周辺に被着させた金属層に封止用金属部材を
ろう材を介して取着する際に、溶融したろう材が第1の
孔の第2の孔側の開口周辺にのみ濡れ広がり、絶縁基体
の上下面に達することはない。また、溶融したろう材の
表面張力により封止用金属部材が第1の孔の第2の孔側
の開口近傍に保持されるので、封止用金属部材およびろ
う材で貫通孔が良好に封止されるとともに、ろう材や封
止用金属部材が絶縁基体1の上面や下面に突出するよう
なことはない。
【0014】さらに、封止用金属部材を第1の孔の開口
より小さなものとしておくと、貫通孔の第1の孔の第2
の孔側の開口周辺に被着させた金属層に封止用金属部材
をろう材を介して取着する際に、ろう材を溶融させると
封止用金属部材が貫通孔内を自由に移動可能となる。そ
して、溶融したろう材の表面張力により貫通孔内で第1
の孔と第2の孔との間の物理的に最も安定した位置に封
止用金属部材が自動的に位置決めされる。その結果、貫
通孔の封止が極めて強固なものとなる。
【0015】本発明の圧電振動子の製造方法によれば、
上面に圧電振動子片の搭載部を有するとともに、上面側
の第1の孔とこの第1の孔より開口が大きな下面側の第
2の孔とから成り、第1の孔の第2の孔側の開口周辺に
封止用金属部材を取着するための金属層が被着されてい
る貫通孔が設けられた略平板状の絶縁基体を準備し、そ
の絶縁基体の搭載部に圧電振動子片を搭載して、絶縁基
体の上面に蓋体を接合して絶縁基体との間の空間に圧電
振動子片を収容した後、絶縁基体の貫通孔に被着された
金属層に封止用金属部材をろう材を介して取着して貫通
孔を封止することから、封止用金属部材をろう材を介し
て取着して貫通孔を封止する際、溶融したろう材は第1
の孔の第2の孔側の開口周辺にのみ濡れ広がり絶縁基体
の上下面に達することはない。また、溶融したろう材の
表面張力により封止用金属部材が第1の孔の第2の孔側
の開口近傍に保持されるので、封止用金属部材およびろ
う材で貫通孔を良好に封止することができるとともに、
ろう材や封止用金属部材が絶縁基体の上面や下面に突出
するようなことはない。
【0016】さらに、表面がろう材で被覆された封止用
金属部材を絶縁基体の貫通孔内に収容した後、封止用金
属部材を被覆するろう材を溶融させることにより封止用
金属部材を取着させるようにすると、封止用金属部材と
ろう材とを同時に貫通孔内に収容することができるとと
もに、被覆されたろう材によりろう材の溶融時に封止用
金属部材の表面が確実に濡れるので、封止用金属部材を
貫通孔内に容易かつ確実に取着させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付の図面を基に
詳細に説明する。
【0018】図1は本発明の圧電振動子用容器およびこ
れを使用した圧電振動子の実施の形態の一例を示す断面
図である。図において1は絶縁基体、2は蓋体、3は圧
電振動子片である。そして、絶縁基体1と蓋体2とから
成る圧電振動子用容器内に圧電振動子片3を気密に封止
することによって圧電振動子が形成されている。
【0019】まず、本発明の圧電振動子用容器について
説明する。
【0020】圧電振動子用容器を構成する絶縁基体1
は、酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼
結体・炭化珪素質焼結体・窒化珪素質焼結体・ムライト
質焼結体・ガラスセラミックス質焼結体等の電気絶縁材
料から成り、その上面側中央部に凹状の搭載部1aが形
成された略四角平板状体であり、凹状の搭載部1aの底
面には圧電振動子片3が搭載される。
【0021】なお、絶縁基体1は、一般に例えばその幅
が2〜5mm程度・長さが5〜10mm程度・厚みが0.3
〜0.6 mm程度であり、凹状の搭載部1aの幅が1〜4
mm程度・長さが4〜9mm程度・深さが0.2 〜0.5 m
m程度である。そして、圧電振動子の小型化・薄型化の
要求に伴い、その小型化・薄型化がますます進んでい
る。
【0022】絶縁基体1は、例えば酸化アルミニウム質
焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウムおよび
酸化珪素・酸化カルシウム・酸化マグネシウム等の原料
粉末に適当な有機バインダや溶剤・可塑剤・分散剤等を
添加混合して泥漿状のセラミックスラリーとなすととも
に、このセラミックスラリーを従来周知のドクターブレ
ード法を採用してシート状となすことにより複数枚のセ
ラミックグリーンシートを得て、次にこれらのセラミッ
クグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに
上下に積層し、最後にこれを還元雰囲気中約1600℃の温
度で焼成することによって製作される。
【0023】また、絶縁基体1には搭載部1aの底面の
一端側から絶縁基体1の下面にかけて導出する配線導体
4が被着形成されている。この配線導体4で搭載部1a
の底面の一端側に導出した部位に、圧電振動子片3の電
極が銀−ポリイミド樹脂や銀−エポキシ樹脂・銀−シリ
コーン樹脂等の導電性接着剤5を介して接着固定され
る。そして、配線導体4で絶縁基体1の下面に導出した
部位を図示しない外部回路基板等の配線導体に半田等の
導電性接着剤を介して接合することにより、圧電振動子
片3の各電極が外部回路基板等に接続されることとな
る。
【0024】配線導体4は、タングステンやモリブデン
・銀・銅等の金属粉末を用いたメタライズ導体層から成
る。例えば、タングステン等の金属粉末に適当な有機バ
インダや溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを絶縁
基体1となるセラミックグリーンシートに予め所定のパ
ターンに印刷塗布しておくとともに、これを絶縁基体1
と成るセラミックグリーンシートとともに焼成すること
によって絶縁基体1の搭載部1aの底面の一端側から絶
縁基体1の下面に導出するようにして被着形成される。
【0025】また、絶縁基体1にはその搭載部1aの底
面から下面にかけて貫通孔6が形成されている。
【0026】貫通孔6は、絶縁基体1と蓋体2とから成
る容器の内部に圧電振動子片3を収容した後、この圧電
振動子片3を収容する空間を真空に排気するための排気
孔として機能するものである。この貫通孔6は、絶縁基
体1の上面側の第1の孔6aと、この第1の孔6aより
も開口が大きな下面側の第2の孔6bとから成るととも
に、第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺、具体
的には第1の孔6aと第2の孔6bとの間に形成された
段部の下面に後述する封止用金属部材7を取着するため
の金属層8が被着されている。
【0027】なお、第1の孔6aおよび第2の孔6b
は、好ましくは開口が円形の孔であり、第1の孔6aが
0.1 mm〜0.5 mm程度の直径を、第2の孔6bが第1
の孔の直径より0.1 〜0.5 mm程度大きな直径を有して
いる。ただし、第1の孔6aおよび第2の孔6bは、必
ずしも開口が円形である必要はなく、開口が三角形や四
角形あるいはその他の形状であってもよい。また、第1
の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺に被着させた金
属層8は、絶縁基体1の上面に達しない範囲であれば、
その一部が第1の孔6a内に多少入り込んでいても差し
支えない。
【0028】そして、貫通孔6の金属層8には、絶縁基
体1と蓋体2との間の空間に圧電振動子片3を収容し、
この圧電振動子片3を収容する空間を真空に排気した後
に、封止用金属部材7がろう材9を介して取着される。
これにより貫通孔6が封止され、圧電振動子用容器が気
密に封止される。
【0029】なお、貫通孔6を封止するための封止用金
属部材7が取着される金属層8は、タングステンやモリ
ブデン・銀・銅等の金属粉末を用いたメタライズ金属層
から成り、ろう材9との濡れ性を良好なものとするため
にその表面に必要に応じて図示しないニッケルや金等か
ら成るめっき金属層を被着させている。
【0030】そして、金属層8は貫通孔6内で第1の孔
6aの第2の孔6b側の開口の周辺に被着されているこ
とから、封止用金属部材7を取着するろう材9は金属層
8が被着された第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の
周辺にのみ濡れ広がるので、この金属層8に封止用金属
部材7をろう材9を介して取着することによって貫通孔
6を封止する際にろう材9が絶縁基体1の上下面に達す
るようなことはない。
【0031】また、溶融したろう材9の表面張力により
封止用金属部材7は第1の孔6aの第2の孔6b側の開
口の周辺に保持されるので、ろう材9や封止用金属部材
7が絶縁基体1の上面から突出して圧電振動子片3の振
動を妨げたり、あるいは絶縁基体1の下面から突出して
圧電振動子を外部回路基板に実装する際にその実装を妨
げたりすることはない。
【0032】なお、貫通孔6は、絶縁基体1となるセラ
ミックグリーンシートに貫通孔6となる孔を予め所定の
大きさ・形状に穿孔しておくことによって、絶縁基体1
の搭載部1aの底面から下面にかけて、上面側の第1の
孔6aとこの第1の孔6aの開口より大きな下面側の第
2の孔6bとから成るように形成される。
【0033】また、金属層8は、タングステン等の金属
粉末に適当な有機バインダおよび溶剤等を添加混合して
得た金属ペーストを絶縁基体1となるセラミックグリー
ンシートに予め所定のパターンに印刷塗布しておき、こ
れを絶縁基体1となるセラミックグリーンシートととも
に焼成することによって、絶縁基体1に形成された貫通
孔6において第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周
辺、具体的には第1の孔6aと第2の孔6bとの間に形
成された段部の下面に被着される。
【0034】また、圧電振動子用容器を構成する蓋体2
は、例えばガラスやサファイア等の透光性材料から成る
略四角形状の平板である。蓋体2が透光性材料から成る
のは蓋体2を透して容器内部に収容する圧電振動子片3
にレーザビームを照射することにより圧電振動子片3の
振動周波数を調整可能とするためである。このようなレ
ーザビームによる圧電振動子片3の振動周波数の調整が
必要ない場合であれば、蓋体2は必ずしも透光性材料で
ある必要はなく、例えば鉄−ニッケル−コバルト合金等
の金属や酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックスか
ら形成されていてもよい。
【0035】蓋体2は、ガラスやサファイアから成る場
合であれば、蓋体2の厚みに対応した厚みのガラスやサ
ファイアから成る広面積の板材を所定の大きさ・形状に
切断したり、あるいは断面が蓋体2に対応した大きさ・
形状のガラスやサファイアから成る棒材を所定厚さに切
断することにより製作される。なお、この場合は、蓋体
2の各角部に微小な欠け等が発生しないように、蓋体2
に形成された各角部に面取り加工を施しておくことが好
ましい。こうしておくことによって、蓋体2に発生する
微小な欠けのかけらが容器内に浸入して圧電振動子片3
の振動を妨げることを防止することができる。
【0036】そして、蓋体2は、低融点ガラス等から成
る封止材10を介して絶縁基体1上面に接合されることに
より圧電振動子用容器を構成し、絶縁基体1との間の空
間に圧電振動子片3を収容する。
【0037】蓋体2の絶縁基体1への封止材10を介した
接合は、例えば、まず絶縁基体1の上面外周部および/
または蓋体2の下面外周部に封止材10を予め被着させて
おき、次にこの封止材10を間に挟んで絶縁基体1の上面
に蓋体2を載置し、最後にこの封止材10を加熱して軟化
溶融させた後、冷却固化することによって行なわれる。
【0038】なお、絶縁基体1の上面外周部および/ま
たは蓋体2の下面外周部に封止材10を予め被着させるに
は、例えば封止材10が低融点ガラスから成る場合であれ
ば、絶縁基体1の上面外周部および/または蓋体2の下
面外周部に封止材10となるガラスペーストをスクリーン
印刷法を採用して印刷塗布するとともに、このガラスペ
ーストを加熱して軟化溶融させた後、冷却固化すること
により絶縁基体1の上面外周部および/または蓋体2の
下面外周部に封止材10を被着させる方法が採用される。
【0039】また、蓋体2の下面外周部に封止材10とな
るガラスペーストをスクリーン印刷法を採用して印刷す
ると、印刷の際にガラスペーストの一部が蓋体2の下面
中央部に飛び散って付着することがある。このような飛
び散りがあると絶縁基体1と蓋体2とを接合した後に蓋
体2の下面中央部の下面にガラスによる突起が形成され
てしまい、容器内部に収容する圧電振動子片3に蓋体2
を透してレーザビーム照射して圧電振動子片3の振動周
波数を調整する場合に、この突起が蓋体2を透過するレ
ーザビームの正確な透過を妨げ、圧電振動子片3の振動
周波数の調整を困難なものとしてしまう。従って、蓋体
2を透して容器内部に収容する圧電振動子片3にレーザ
ビームを照射して圧電振動子片3の振動周波数を調整す
るような場合であれば、封止材10は絶縁基体1の上面に
のみ予め被着させておくことが好ましい。
【0040】次に、本発明の圧電振動子について説明す
る。
【0041】本発明の圧電振動子は上述した絶縁基体1
と蓋体2とから成る圧電振動子用容器内に圧電振動子片
3を気密に収容して成る。
【0042】圧電振動子片3は、その電極を絶縁基体1
の搭載部1aの一端側に導出した配線導体4に導電性接
着剤5を介して接合することにより、絶縁基体1の搭載
部1aに搭載されている。
【0043】そして、絶縁基体1の上面に蓋体2を例え
ば低融点ガラスから成る封止材10を介して接合すること
により、絶縁基体1と蓋体2との間の空間に圧電振動子
片3が収容されている。
【0044】さらに、圧電振動子片3が収容された絶縁
基体1と蓋体2との間の空間は、空間内部のガスが圧電
振動子片3の振動を妨げないようにするために真空に排
気されており、それとともに絶縁基体1に形成された貫
通孔6内の金属層8に封止用金属部材7をろう材9を介
して取着することにより気密に封止されている。このと
き、圧電振動子は圧電振動子片3を収容している容器内
の空間が真空に排気されていることから高いQ値を得る
ことができる。
【0045】絶縁基体1の貫通孔6を封止する封止用金
属部材7は、例えば銅等の金属から成る球体である。ま
た、封止用金属部材7を金属層8に取着しているろう材
9は、例えば鉛90重量%−錫10重量%から成る鉛−錫合
金である。
【0046】そして、封止用金属部材7は、貫通孔6に
対して第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の周辺、具
体的には第1の孔6aと第2の孔6bとの間に形成され
た段部の下面に被着された金属層8にろう材9を介して
取着されていることから、ろう材9が第1の孔6aの第
2の孔6b側の開口の周辺のみに濡れ広がっている。
【0047】その結果、このろう材9が溶融時に有して
いた表面張力により、ろう材9および封止用金属部材7
が第1の孔6aの第2の孔6b側の開口の近傍に保持固
定されている。このため、封止用金属部材7およびろう
材9で貫通孔6が良好に封止されるとともに、ろう材9
や封止用金属部材7が絶縁基体1の上面から突出して圧
電振動子片3の振動を妨げたり、あるいは絶縁基体1の
下面から突出して圧電振動子を外部回路基板に実装する
際にその実装を妨げたりすることはない。
【0048】さらに、貫通孔6は、封止用金属部材7お
よびろう材9で封止されていることから、例えば従来の
ようにろう材のみで貫通孔を封止する場合と比較して封
止に必要なろう材の体積を少ないものとすることができ
る。その結果、ろう材9を溶融させるときに通常発生す
るガスの量を少ないものとすることができるとともに、
このガスが容器内部に侵入するのを封止用金属部材7で
効果的に阻止することができるので、ろう材9から発生
するガスによる圧電振動子片3への悪影響を極めて小さ
なものとすることもできる。これと同時に、ろう材を溶
融するためのエネルギーが少なくて済み、安定した封止
が短時間で行なえる等、本発明の圧電振動子は経済的に
も優れている。
【0049】また、封止用金属部材7は、その大きさを
第1の孔6aの開口より0.04〜0.2mm程度小さいもの
としておくと、この封止用金属部材7を金属層8にろう
材9を介して取着する際に封止用金属部材7が溶融した
ろう材9に保持されて貫通孔6内を自由に移動可能とな
るとともに、溶融したろう材9の表面張力により貫通孔
6内で第1の孔6aと第2の孔6bとの間の物理的に最
も安定した位置に自動的に位置合わせされて固定される
ことから、貫通孔6内を極めて強固にかつ安定して封止
することが可能となる。従って、封止用金属部材7は、
その大きさを第1の孔6aの開口より0.04〜0.2 mm程
度小さいものとしておくことが好ましい。
【0050】なお、封止用金属部材7の形状は必ずしも
球体である必要はなく、例えば円板や円柱・円錐・角錐
・種々の多面体であってもよい。さらに、封止用金属部
材7の材質は必ずしも銅から成る必要はなく、銅系合金
や鉄系合金・ニッケル合金等の他の金属から形成されて
いてもよい。
【0051】さらに、ろう材9の材質は必ずしも鉛90重
量%−錫10重量%から成る鉛−錫合金である必要はな
く、これ以外の組成比の鉛−錫合金やあるいは金−錫合
金・銀系合金等の他の合金から成るろう材であってもよ
い。
【0052】次に、本発明の圧電振動子の製造方法を、
工程毎の断面図である図2(a)〜(c)を参照して説
明する。
【0053】まず、図2(a)に示すように、絶縁基体
1と蓋体2とから成る圧電振動子用容器および圧電振動
子片3を準備する。
【0054】絶縁基体1は、前述したように酸化アルミ
ニウム質焼結体等の電気絶縁材料から成り、上面の中央
部に圧電振動子片3を搭載するための搭載部1aを有し
ており、搭載部1a上面から下面にかけては圧電振動子
片3の電極が電気的に接続される配線導体4が被着され
ている。そして、搭載部1a上面から下面にかけては、
上面側の第1の孔6aとこの第1の孔6aの開口より大
きな下面側の第2の孔6bとから成る貫通孔6が形成さ
れており、この貫通孔6で第1の孔6aの第2の孔6b
側の開口の周辺には金属層8が被着されている。
【0055】なお、絶縁基体1で蓋体2と接合される上
面外周部には、低融点ガラスから成る封止材10を予め必
要な厚さ・幅に被着させておく。
【0056】一方、蓋体2は、ガラスやサファイア等の
透光性材料から成る平板である。この蓋体2を透してレ
ーザビームを容器内部に照射可能であり、そのために、
例えば1000nmの波長のレーザビームの透過率が90%以
上のものであることが好ましい。
【0057】また、圧電振動子片3は、例えば水晶を短
冊状に切り出したものである。その表面には図示しない
電極および振動周波数調整用の金属膜が被着されてい
る。
【0058】次に、図2(b)に示すように、圧電振動
子片3の電極を絶縁基体1の配線導体4に導電性接着剤
5を介して接着固定することにより搭載部1aに圧電振
動子片3を搭載する。さらに、絶縁基体1の上面に蓋体
2を封止材10を介して接合することにより絶縁基体1と
蓋体2とから成る容器内部の空間に圧電振動子片3を収
容する。
【0059】圧電振動子片3の配線導体4への接着固定
は、例えば未硬化の銀−ポリイミド樹脂を配線導体4の
上に塗布するとともにこの銀−ポリイミド樹脂の上に圧
電振動子片3を載置し、しかる後、これを約300 ℃の温
度に加熱して銀−ポリイミド樹脂を熱硬化させることに
よって行なわれる。
【0060】また、絶縁基体1の上面への蓋体2の接合
は、絶縁基体1の上面の外周部に予め被着させておいた
封止材10上に蓋体2を載置した後、この封止材10を約30
0 〜400 ℃温度に加熱して軟化溶融させることによって
行なわれる。
【0061】なお、絶縁基体1と蓋体2とを接合するた
めの封止材10は必ずしも絶縁基体1の上面に予め被着さ
せておく必要はなく、例えば蓋体2の下面に予め被着さ
せておいたり、あるいは絶縁基体1および蓋体2と別体
で準備しておいても良い。
【0062】そして次に、図2(c)に示すように、絶
縁基体1と蓋体2との間の空間に圧電振動子片3が収容
された圧電振動子用容器を真空中に置いて容器内部の空
間を絶縁基体1に設けた貫通孔6を介して真空に排気し
た後、貫通孔6内に表面がろう材9で被覆された封止用
金属部材7を配置させる。
【0063】前述したように、封止用金属部材7は例え
ば銅等の金属から成る球体であり、また、ろう材9は例
えば鉛−錫合金である。そして、封止用金属部材7は表
面がろう材9で被覆されていることから、これを貫通孔
6内に入れるだけで封止用金属部材7およびろう材9を
貫通孔6内に容易に配置させることができる。また、封
止用金属部材7はろう材9により予め被覆されているこ
とから、封止用金属部材7はろう材9により良好に濡れ
る。
【0064】なおこの場合、前述したように、封止用金
属部材7は第1の孔6aの開口より小さなものであるこ
とが好ましく、さらには封止用金属部材7を被覆するろ
う材9を含む大きさが第1の孔6aの開口より大きいこ
とが好ましい。
【0065】封止用金属部材7を第1の孔6aの開口よ
り小さいものとしておくことによって、ろう材9を溶融
させて封止用金属部材7を金属層8に取着させる際に封
止用金属部材7が貫通孔6内を自由に移動することが可
能となり、溶融したろう材9の表面張力により貫通孔6
内で第1の孔6aと第2の孔6bとの間の物理的に最も
安定した位置に封止用金属部材7が自動的に位置決めさ
れて貫通孔6を強固に封止することができる。また、ろ
う材9を含む大きさを第1の孔6aの開口より大きなも
のとしておくことによって、ろう材9で被覆された封止
用金属部材7を貫通孔6内に配置したときにろう材9で
被覆された封止用金属部材7が貫通孔6を通り抜けて容
器内部に転落するのを有効に防止することができる。
【0066】なお、封止用金属部材7は必ずしも表面が
ろう材9で被覆されたものである必要はなく、例えば封
止用金属部材7とろう材9とを貫通孔6内に別々に配置
するようにしても良い。
【0067】最後に、これらをろう材9の融点以上の温
度に加熱してろう材9を溶融させることにより、封止用
金属部材7を金属層8にろう材9を介して取着させて貫
通孔6を封止する。
【0068】このとき、金属層8は、第1の孔6aの第
2の孔6b側の開口の周辺にのみ被着されていることか
ら、溶融したろう材9は第1の孔6aの第2の孔6b側
の開口の周辺にのみ濡れ広がり、絶縁基体1の上下面に
達するようなことはない。また、この溶融したろう材9
の表面張力により封止用金属部材7が第1の孔6aの第
2の孔6b側の開口の周辺に保持されるので、ろう材9
や封止用金属部材7が絶縁基体1の上面から突出して圧
電振動子片3の振動を妨げたりすることのない、あるい
は絶縁基体1の下面から突出して圧電振動子を外部回路
基板に実装する際にその実装を妨げたりすることのない
圧電振動子を提供することができる。
【0069】またこのとき、貫通孔6は封止用金属部材
7およびろう材9で封止されることから、例えば従来の
ようにろう材のみで貫通孔を封止する場合と比較して封
止に必要なろう材の体積が少ないものとなっている。そ
の結果、ろう材9を溶融させたときに通常発生するガス
の量が少ないものとなるとともに、このガスが容器内部
に浸入するのが封止用金属部材7で効果的に阻止される
ので、このろう材9から発生したガスによる圧電振動子
片3への悪影響が極めて小さな圧電振動子を提供するこ
とができる。
【0070】そして、必要に応じて圧電振動子用容器の
内部に収容された圧電振動子片3に被着させた振動周波
数調整用の金属膜に蓋体2を透して例えば波長が1000n
m程度のレーザビームを照射し、その振動周波数調整用
の金属膜の一部を飛散させることによって圧電振動子片
3の振動周波数の微調整を行なうことにより、図1に示
す圧電振動子が完成する。
【0071】なお、本発明は上記の実施の形態の例に限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々の変更や改良を施すことは何ら差し支えない。
【0072】
【発明の効果】本発明の圧電振動子用容器によれば、絶
縁基体に形成された貫通孔が上面側の第1の孔とこの第
1の孔より開口が大きな下面側の第2孔とから成るとと
もに、第1の孔の第2の孔側の開口の周辺に封止用金属
部材を取着するための金属層が被着されていることか
ら、例えば絶縁基体と蓋体とから成る容器内部に圧電振
動子片を収容した後、第1の孔の第2の孔側の開口周辺
に被着された金属層に封止用金属部材をろう材を介して
取着させることにより排気孔を封止すると、溶融したろ
う材は第1の孔の第2の孔側の開口の周辺にのみ濡れ広
がり絶縁基体の上下面に達することはない。また、溶融
したろう材の表面張力により封止用金属部材を第1の孔
の第2の孔側の開口の近傍に保持するので、ろう材や封
止用金属部材が絶縁基体の上面から突出して圧電振動子
片の振動を妨げたり、あるいは絶縁基体の下面から突出
して圧電振動子を外部回路基板に実装する際にその実装
を妨げたりすることはない。
【0073】また、本発明の圧電振動子によれば、この
圧電振動子用容器内に圧電振動子片を収容し、絶縁基体
に形成した貫通孔の第1の孔の第2の孔側の開口の周辺
に被着させた金属層に封止用金属部材をろう材を介して
取着してあることから、貫通孔の第1の孔の第2の孔側
の開口の周辺に被着させた金属層に封止用金属部材をろ
う材を介して取着する際に、溶融したろう材が第1の孔
の第2の孔側の開口の周辺にのみ濡れ広がり、絶縁基体
の上下面に達することはない。また、溶融したろう材の
表面張力により封止用金属部材が第1の孔の第2の孔側
の開口の近傍に保持されるので、封止用金属部材および
ろう材で貫通孔が良好に封止されるとともに、ろう材や
封止用金属部材が絶縁基体の上面から突出して圧電振動
子片の振動を妨げたり、あるいは絶縁基体の下面から突
出して圧電振動子を外部回路基板に実装する際にその実
装を妨げたりすることはない。
【0074】さらに、封止用金属部材を第1の孔の開口
より小さなものとしておくと、貫通孔の第1の孔の第2
の孔側の開口の周辺に被着させた金属層に封止用金属部
材をろう材を介して取着する際に、溶融したろう材に保
持されて封止用金属部材が貫通孔内を自由に移動可能と
なり、溶融したろう材の表面張力により貫通孔内で第1
の孔と第2の孔との間の物理的に最も安定した位置に自
動的に位置決めされるので、貫通孔の封止が極めて強固
な、安定して行なえるものとなる。
【0075】また、本発明の圧電振動子の製造方法によ
れば、上面に圧電振動子片の搭載部を有するとともに、
上面側の第1の孔とこの第1の孔より開口が大きな下面
側の第2の孔とから成り、第1の孔の第2の孔側の開口
周辺に封止用金属部材を取着するための金属層が被着さ
れている貫通孔が設けられた略平板状の絶縁基体を準備
し、その搭載部に圧電振動子片を搭載して、絶縁基体の
上面に蓋体を接合して絶縁基体との間の空間に圧電振動
子片を収容した後、絶縁基体の貫通孔に被着された金属
層に封止用金属部材をろう材を介して取着して貫通孔を
封止することから、貫通孔に被着された金属層に封止用
金属部材をろう材を介して取着して貫通孔を封止する際
に、溶融したろう材は第1の孔の第2の孔側の開口の周
辺にのみ濡れ広がり絶縁基体の上下面に達することはな
い。また、この溶融したろう材の表面張力により封止用
金属部材が第1の孔の第2の孔側の開口の周辺に保持さ
れるので、ろう材や封止用金属部材が絶縁基体の上面か
ら突出して圧電振動子片の振動を妨げたりすることのな
い、あるいは絶縁基体の下面から突出して圧電振動子を
外部回路基板に実装する際にその実装を妨げたりするこ
とのない圧電振動子を提供することができる。
【0076】さらに、表面がろう材で被覆された封止用
金属部材を絶縁基体の貫通孔内に収容した後、封止用金
属部材を被覆するろう材を溶融させることにより封止用
金属部材を取着させるようにすると、封止用金属部材と
ろう材とを同時に貫通孔内に収容することができるとと
もに被覆されたろう材により封止用金属部材の表面が確
実に濡れるので、封止用金属部材を貫通孔内に容易かつ
確実に取着させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電振動子用容器ならびにこれを使用
した圧電振動子の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】(a)〜(c)は、それぞれ本発明の圧電振動
子の製造方法を説明するための工程毎の断面図である。
【図3】従来の圧電振動子用容器ならびにこれを使用し
た圧電振動子の断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁基体 2・・・・・・蓋体 3・・・・・・圧電振動子片 6・・・・・・貫通孔 6a・・・・・・第1の孔 6b・・・・・・第2の孔 7・・・・・・封止用金属部材 8・・・・・・金属層 9・・・・・・ろう材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊島 正幸 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5J108 BB02 CC04 EE03 EE07 EE18 GG03 GG09 GG13 GG16 GG20 KK04 KK06 MM02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に圧電振動子片の搭載部を有すると
    ともに上面から下面にかけて貫通孔が設けられた略平板
    状の絶縁基体と、該絶縁基体の上面に接合され、前記絶
    縁基体との間の空間に前記圧電振動子片を気密に収容す
    る蓋体とから成る圧電振動子用容器であって、前記貫通
    孔は、上面側の第1の孔と、該第1の孔より開口が大き
    な下面側の第2の孔とから成るとともに、前記第1の孔
    の前記第2の孔側の開口の周辺に封止用金属部材を取着
    するための金属層が被着されていることを特徴とする圧
    電振動子用容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電振動子用容器の前記
    空間に前記圧電振動子片を収容し、前記貫通孔の前記金
    属層に前記封止用金属部材をろう材を介して取着してあ
    ることを特徴とする圧電振動子。
  3. 【請求項3】 前記封止用金属部材が前記第1の孔の開
    口よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の圧電振
    動子。
  4. 【請求項4】 上面に圧電振動子片の搭載部を有すると
    ともに、上面側の第1の孔と該第1の孔より開口が大き
    な下面側の第2の孔とから成り、前記第1の孔の前記第
    2の孔側の開口周辺に封止用金属部材を取着するための
    金属層が被着されている貫通孔が設けられた略平板状の
    絶縁基体を準備する工程と、前記搭載部に前記圧電振動
    子片を搭載する工程と、前記絶縁基体の上面に蓋体を接
    合して前記絶縁基体との間の空間に前記圧電振動子片を
    収容する工程と、前記貫通孔の前記金属層に前記封止用
    金属部材をろう材を介して取着し、前記貫通孔を封止す
    る工程とから成ることを特徴とする圧電振動子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記封止用金属部材の取着は、表面がろ
    う材で被覆された前記封止用金属部材を前記貫通孔内に
    収容した後、前記ろう材を溶融させることによって行な
    われることを特徴とする請求項4記載の圧電振動子の製
    造方法。
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