JP2000106331A - 固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサとその製造方法

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JP2000106331A JP10273505A JP27350598A JP2000106331A JP 2000106331 A JP2000106331 A JP 2000106331A JP 10273505 A JP10273505 A JP 10273505A JP 27350598 A JP27350598 A JP 27350598A JP 2000106331 A JP2000106331 A JP 2000106331A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 等価直列抵抗の低減を可能とした固体電解コ
ンデンサ及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 陰極箔として、エッチングしたアルミニ
ウム箔を、10V以下で、0.005〜3%のリン酸二
水素アンモニウムの水溶液で化成したものを用い、陽極
箔としては、エッチングしたアルミニウム箔の表面に、
従来から用いられている方法で化成処理を施して誘電体
皮膜を形成したものを用いる。この陽極箔を陰極箔及び
セパレータと共に巻回してコンデンサ素子を形成し、E
DTモノマーをコンデンサ素子に含浸し、さらに40〜
60%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶
液を含浸して、20〜180℃、30分以上加熱する。
その後、コンデンサ素子の表面を樹脂で被覆し、エージ
ングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は固体電解コンデンサ
及びその製造方法に係り、特に、等価直列抵抗(以下、
ESRという)の低減を図るべく改良を施した固体電解
コンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンタルあるいはアルミニウム等のよう
な弁作用を有する金属を利用した電解コンデンサは、陽
極側対向電極としての弁作用金属を焼結体あるいはエッ
チング箔等の形状にして誘電体を拡面化することによ
り、小型で大きな容量を得ることができることから、広
く一般に用いられている。特に、電解質に固体電解質を
用いた固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直
列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実
装に適している等の特質を備えていることから、電子機
器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせないものと
なっている。
【0003】この種の固体電解コンデンサにおいて、小
型、大容量用途としては、一般に、アルミニウム等の弁
作用金属からなる陽極箔と陰極箔をセパレータを介在さ
せて巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ
素子に駆動用電解液を含浸し、アルミニウム等の金属製
ケースや合成樹脂製のケースにコンデンサ素子を収納
し、密閉した構造を有している。なお、陽極材料として
は、アルミニウムを初めとしてタンタル、ニオブ、チタ
ン等が使用され、陰極材料には、陽極材料と同種の金属
が用いられる。また、電解コンデンサの静電容量を高め
るために、電極材料の基材であるアルミニウム箔の表面
積を、化学的にあるいは電気化学的にエッチングにより
拡大することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の固体電解コンデンサには、以下に述べる
ような問題点があった。すなわち、従来の固体電解コン
デンサにおいては、電解コンデンサの静電容量を高める
ために、電極材料の基材であるアルミニウム箔の表面に
エッチング処理を施しているが、エッチングが過大にな
るとアルミニウム箔表面の溶解が同時に進行し、却って
拡面率の増大を妨げることなどの理由から、エッチング
技術による電極材料の静電容量の増大化には限界があっ
た。
【0005】また、従来、固体電解コンデンサの固体電
解質には、主に硝酸マンガンの熱分解により形成される
二酸化マンガンが用いられていたが、この二酸化マンガ
ンは導電率が比較的高いため、コンデンサとしてのES
Rの低減には限度があった。
【0006】本発明は、上述したような従来技術の問題
点を解決するために提案されたものであり、その目的
は、等価直列抵抗(ESR)の低減を可能とした固体電
解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、ESRの低減を可能とすることができる固
体電解コンデンサ及びその製造方法について鋭意検討を
重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。す
なわち、電解質層として導電性ポリマーあるいは二酸化
鉛を用いた巻回型の固体電解コンデンサにおいて、陰極
箔の表面に所定の化成電圧で化成皮膜を形成することに
よって、ESRが低減することが判明したものである。
【0008】まず、本発明者は、電解質層として、近年
着目されるようになった電導度が高く、誘電体皮膜との
付着性の良い導電性高分子化合物を用いた巻回型の固体
電解コンデンサについて、種々の検討を行った。なお、
この導電性高分子化合物の代表例としては、ポリエチレ
ンジオキシチオフェン(以下、PEDTと記す)、ポリ
ピロール、ポリアニリン、TCNQ(7,7,8,8−
テトラシアノキノジメタン)もしくはこれらの誘電体等
が知られている。さらに、無機系の導電性化合物として
知られている二酸化鉛を用いた巻回型の固体電解コンデ
ンサについても、種々の検討を行った。
【0009】また、本発明者は、電解コンデンサのES
Rの低減を図るべく、種々の化成電圧の下、陰極箔に化
成皮膜を形成し、その陰極箔を用いて固体電解コンデン
サを作成して、そのESRを測定したところ、所定の化
成電圧で化成処理を施した場合には、良好な結果が得ら
れたものである。通常は、陰極箔に化成皮膜を形成する
と、陰極箔の酸化皮膜の厚みが増して、その静電容量が
減少するので、陽極箔と陰極箔の合成容量であるコンデ
ンサの容量も減少する。しかしながら、本発明のよう
に、電解質層として導電性ポリマーあるいは二酸化鉛を
用いた固体電解コンデンサの場合は、陰極箔の表面に所
定の化成皮膜を形成すると、陰極箔と導電性ポリマーも
しくは二酸化鉛との密着性が向上して、陰極箔と電解質
との接触面積が大きくなるため、陰極箔部分の静電容量
が上昇すると考えられる。
【0010】なお、陰極箔の表面に化成皮膜を形成する
ために印加する化成電圧は、10V以下であることが望
ましい。その理由は、化成電圧が10V以上であると、
陰極箔と導電性ポリマーもしくは二酸化鉛との密着性の
向上による静電容量向上効果がなくなり、陰極箔の表面
に形成される化成皮膜の厚みが増して陰極箔の静電容量
が減少し、陽極箔と陰極箔の合成容量であるコンデンサ
の容量が減少するからである。また、ESRは化成電圧
が0〜2Vの範囲で徐々に減少し、2V以上ではほぼ一
定となるので、陰極箔の表面に化成皮膜を形成するため
に印加する化成電圧は2〜10Vの範囲であることがよ
り望ましい。
【0011】また、陰極箔の化成液としては、リン酸二
水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン
酸系の化成液、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸系の化成
液、アジピン酸アンモニウム等のアジピン酸系の化成液
等を用いることができるが、なかでもリン酸二水素アン
モニウムを用いることが望ましい。なお、リン酸二水素
アンモニウムの水溶液の濃度は、0.005〜3%が適
している。
【0012】また、上述したように、導電性ポリマーと
しては、PEDT、ポリピロール、ポリアニリン、TC
NQもしくはこれらの誘電体等を用いることができる
が、なかでも、巻回型のコンデンサに適した100℃前
後で重合を行うことができ、単位容積当たりの静電容量
が最も大きいPEDTを用いることが望ましい。このP
EDTは本来ESRが低いため、本発明による固体電解
コンデンサの導電性ポリマーとしてPEDTを用いた場
合には、本発明によるESRの低減効果との相乗効果を
発揮し、従来にない、低ESRで小型の固体電解コンデ
ンサを実現することができる。
【0013】続いて、電解質層として導電性ポリマーを
用いた巻回型の固体電解コンデンサの製造方法について
説明する。すなわち、陰極箔としては、エッチングした
アルミニウム箔を、10V以下で、0.005〜3%の
リン酸二水素アンモニウムの水溶液で化成したものを用
い、陽極箔としては、エッチングしたアルミニウム箔の
表面に、従来から用いられている方法で化成処理を施し
て誘電体皮膜を形成したものを用いる。この陽極箔を陰
極箔及びセパレータと共に巻回してコンデンサ素子を形
成し、エチレンジオキシチオフェン(以下、EDTと記
す)をコンデンサ素子に含浸し、さらに40〜60%の
パラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノール溶液を含浸
して、20〜180℃、30分以上加熱する。その後、
コンデンサ素子の表面を樹脂で被覆し、エージングを行
う。
【0014】ここで、コンデンサ素子に含浸するEDT
としてはEDTモノマーを用いることができるが、ED
Tと揮発性溶媒とを1:1〜1:3の体積比で混合した
モノマー溶液を用いることもできる。また、揮発性溶媒
としては、ペンタン等の炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、ギ酸エチル等のエステル類、アセト
ン等のケトン類、メタノール等のアルコール類、アセト
ニトリル等の窒素化合物等を用いることができるが、な
かでも、メタノール、エタノール、アセトン等が好まし
い。また、酸化剤としては、ブタノールに溶解したパラ
トルエンスルホン酸第二鉄を用いる。この場合、ブタノ
ールとパラトルエンスルホン酸第二鉄の比率は任意で良
いが、本発明においては40〜60%溶液を用いてい
る。なお、EDTと酸化剤の配合比は1:3〜1:6の
範囲が好適である。
【0015】また、上述した導電性ポリマーと同様に、
低温で半導体層を形成することができる二酸化鉛を用い
た巻回型の固体電解コンデンサについても種々の検討を
行ったところ、導電性ポリマーからなる電解質層を備え
た固体電解コンデンサと同様に、耐電圧特性、漏れ電流
特性等が良好で、ESRの低減効果に優れていることが
判明した。この二酸化鉛は、高電導性の半導体層を形成
するので、低ESR特性を有する固体電解コンデンサを
形成することができる。また、二酸化鉛を用いた半導体
層は、酢酸鉛を過硫酸アンモニウム等の酸化剤で常温で
酸化して形成することができるので、高温で形成する二
酸化マンガンに比べて、陽極酸化皮膜の損傷が少ないと
考えられる。
【0016】続いて、電解質層として二酸化鉛を用いた
巻回型の固体電解コンデンサの製造方法について説明す
る。すなわち、陰極箔としては、エッチングしたアルミ
ニウム箔を、10V以下で、0.005〜3%のリン酸
二水素アンモニウムの水溶液で化成したものを用い、陽
極箔としては、エッチングしたアルミニウム箔の表面
に、従来から用いられている方法で化成処理を施して誘
電体皮膜を形成したものを用いる。この陽極箔を陰極箔
及びセパレータと共に巻回してコンデンサ素子を形成
し、このコンデンサ素子を、0.05モル/リットル〜
飽和溶解度を与える濃度までの範囲の酢酸鉛水溶液に浸
漬し、ここに、酢酸鉛1モルに対して0.1〜5モルま
での範囲の過硫酸アンモニウム水溶液を加え、室温で3
0分〜2時間放置して、誘電体層上に二酸化鉛層を形成
する。次いで、コンデンサ素子を水洗、乾燥した後、樹
脂封止して、固体電解コンデンサを形成する。
【0017】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明する。
【0018】[1.第1実施形態]本実施形態は、電解
質層として導電性ポリマーを用いた巻回型の固体電解コ
ンデンサに関するものである。なお、本発明に係る表面
に化成皮膜を形成した陰極箔は、以下の実施例1乃至実
施例3のように作成した。また、従来例1として、表面
に化成皮膜を形成していない陰極箔を用いた。
【0019】(実施例1)高純度のアルミニウム箔(純
度99%、厚さ50μm)を4mm×30mmに切断し
たものを被処理材として使用し、エッチング処理後、化
成電圧2Vで、0.15%のリン酸二水素アンモニウム
の水溶液で化成して陰極箔を作成した。そして、この陰
極箔を陽極箔及びセパレータと共に巻回して、素子形状
が4φ×7Lのコンデンサ素子を形成し、このコンデン
サ素子にEDTモノマーを含浸し、さらに酸化剤溶液と
して45%のパラトルエンスルホン酸第二鉄のブタノー
ル溶液を含浸して、100℃、1時間加熱した。その
後、コンデンサ素子の表面を樹脂で被覆し、エージング
を行って、固体電解コンデンサを形成した。なお、この
固体電解コンデンサの定格電圧は6.3WV、定格容量
は33μFである。
【0020】(実施例2)実施例1と同じ高純度のアル
ミニウム箔に、エッチング処理後、化成電圧5Vでリン
酸二水素アンモニウムの水溶液で化成して陰極箔を作成
した。そして、この陰極箔を用い、実施例1と同様にし
て固体電解コンデンサを形成した。
【0021】(実施例3)実施例1と同じ高純度のアル
ミニウム箔に、エッチング処理後、化成電圧15Vでリ
ン酸二水素アンモニウムの水溶液で化成して陰極箔を作
成した。そして、この陰極箔を用い、実施例1と同様に
して固体電解コンデンサを形成した。
【0022】(従来例1)被処理材には実施例1と同じ
ものを用い、表面に化成皮膜を形成していないものを陰
極箔として用いた。そして、この陰極箔を用い、実施例
1と同様にして固体電解コンデンサを形成した。
【0023】[比較結果]上記の方法により得られた実
施例1乃至実施例3と、従来例1の固体電解コンデンサ
の電気的特性を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、表面に化成皮膜
を形成していない陰極箔を用いた従来例1においては、
ESRは“49”と高く、tanδも“0.120”と
高かった。これに対して、実施例1及び実施例2におい
ては、ESRはそれぞれ“35” “32”と低くな
り、tanδも“0.088” “0.050”と低く
なった。さらに、静電容量(Cap)も従来例1に比べ
て、6.3〜9.3%上昇した。これは、実施例1及び
実施例2においては、表面に化成皮膜を形成した陰極箔
と導電性ポリマー(PEDT)との密着性が向上して、
陰極箔と電解質との接触面積が大きくなったため、陰極
箔部分の静電容量が上昇するためであると考えられる。
【0026】一方、化成電圧を15Vとした実施例3に
おいては、ESRは“35”と実施例1及び実施例2と
ほぼ等しくなり、tanδも“0.045”と実施例2
とほぼ等しくなったのに対し、静電容量は“28.0”
と従来例1の約92.7%、実施例1の87.2%、実
施例2の84.8%に低下した。従って、化成電圧を1
5Vとした場合には、静電容量が低下してしまうため、
固体電解コンデンサとしては望ましくないことが判明し
た。
【0027】このように、その表面に適切な化成電圧
(10V以下)で化成皮膜を形成した陰極箔を用いた固
体電解コンデンサにおいては、ESRを低減できること
が明らかとなった。
【0028】[2.第2実施形態]本実施形態は、電解
質層として二酸化鉛を用いた巻回型の固体電解コンデン
サに関するものである。なお、本発明に係る表面に化成
皮膜を形成した陰極箔は、以下の実施例4のように作成
した。また、従来例2として、表面に化成皮膜を形成し
ていない陰極箔を用いた。
【0029】(実施例4)高純度のアルミニウム箔(純
度99%、厚さ50μm)を4mm×30mmに切断し
たものを被処理材として使用し、エッチング処理後、化
成電圧5Vで、0.15%のリン酸二水素アンモニウム
の水溶液で化成して陰極箔を作成した。そして、この陰
極箔を陽極箔及びセパレータと共に巻回して、素子形状
が4φ×7Lのコンデンサ素子を形成した。このコンデ
ンサ素子を、3モル/リットルの酢酸鉛水溶液に浸漬
し、ここに同量の3モル/リットルの過硫酸アンモニウ
ム水溶液を加え、室温で1時間放置した。次いで、この
コンデンサ素子を水洗、乾燥した後、実施例1と同様に
して、定格電圧6.3WV、定格容量22μFの固体電
解コンデンサを形成した。
【0030】なお、実施例4では、PEDTを用いた実
施例1に比べて、定格容量が22μFと小さくなってい
るが、その理由は以下の通りである。すなわち、二酸化
鉛はPEDTに比べて、陽極箔の化成電圧に対してコン
デンサの定格電圧が低くなる。したがって、同じ定格電
圧であると、二酸化鉛の場合は陽極箔の化成電圧を高く
しなければならない。そのため、陽極箔の厚みが大きく
なって、陽極箔の静電容量が小さくなり、陽極箔の静電
容量と陰極箔の静電容量の合成容量であるコンデンサの
静電容量は小さくなる。
【0031】(従来例2)被処理材には実施例4と同じ
ものを用い、表面に化成皮膜を形成していないものを陰
極箔として用いた。そして、この陰極箔を用い、実施例
4と同様にして固体電解コンデンサを形成した。
【0032】[比較結果]上記の方法により得られた実
施例4と従来例2の固体電解コンデンサの電気的特性を
表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】表2から明らかなように、表面に化成皮膜
を形成していない陰極箔を用いた従来例2においては、
ESRは“158”と高く、tanδも“0.130”
と高かった。これに対して、実施例4においては、ES
Rは“125”と低くなり、tanδも“0.062”
と低くなった。さらに、静電容量(Cap)も従来例2
に比べて、約5%上昇した。これは、実施例4において
は、表面に化成皮膜を形成した陰極箔と二酸化鉛との密
着性が向上して、陰極箔と電解質との接触面積が大きく
なったため、陰極箔部分の静電容量が上昇するためであ
ると考えられる。
【0035】なお、実施例4において、静電容量の上昇
率(約5%)が、PEDTを用いた実施例1における上
昇率(約6.3%)に比べて小さいものとなっているの
は、以下の理由によると考えられる。すなわち、上述し
たように、実施例4においては、実施例1と同じ定格電
圧にすると、陽極箔の化成電圧を高くしなければならな
いため、陽極箔の厚みが大きくなって陽極箔の静電容量
が小さくなる。そのため、本発明の効果によって陰極箔
部分の静電容量が大きくなっても、陽極箔の静電容量と
陰極箔の静電容量の合成容量であるコンデンサの静電容
量に対する寄与が、PEDTを用いた実施例1より小さ
くなるためであると考えられる。
【0036】このように、電解質として二酸化鉛を用い
た場合にも、導電性ポリマーを用いた場合と同様に、E
SRの低減が可能となり、コンデンサの静電容量を増大
させることができることが判明した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
陰極箔の表面に所定の化成電圧で化成皮膜を形成するこ
とにより、陰極箔と導電性ポリマーもしくは二酸化鉛と
の密着性が向上して、ESR及びtanδが低減する。
また、陰極箔と導電性ポリマーもしくは二酸化鉛との密
着性が向上することにより、陰極箔と電解質との接触面
積が大きくなるため、陰極箔部分の静電容量が上昇し、
その結果、コンデンサの静電容量も増大する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁金属からなる陰極箔と、表面に酸化皮
    膜を形成した弁金属からなる陽極箔とを、セパレータを
    介して巻回してコンデンサ素子を形成し、前記陰極箔と
    陽極箔の間に電解質層を形成した固体電解コンデンサに
    おいて、 前記陰極箔の表面に、化成電圧が10V以下の化成皮膜
    を形成したことを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記電解質層が導電性ポリマーからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記電解質層が二酸化鉛からなることを
    特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 前記導電性ポリマーが、ポリエチレンジ
    オキシチオフェンであることを特徴とする請求項2に記
    載の固体電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記弁金属がアルミニウムであることを
    特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の
    固体電解コンデンサ。
  6. 【請求項6】 弁金属からなる陰極箔と表面に酸化皮膜
    を形成した弁金属からなる陽極箔を、セパレータを介し
    て巻回してコンデンサ素子を形成し、前記陰極箔と陽極
    箔の間に電解質層を形成する固体電解コンデンサの製造
    方法において、 前記陰極箔の表面に、化成電圧が10V以下の化成皮膜
    を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造
    方法。
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