JP2000104268A - 植生用ブロック及び同ブロックの段積み工法 - Google Patents

植生用ブロック及び同ブロックの段積み工法

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JP2000104268A
JP2000104268A JP11093579A JP9357999A JP2000104268A JP 2000104268 A JP2000104268 A JP 2000104268A JP 11093579 A JP11093579 A JP 11093579A JP 9357999 A JP9357999 A JP 9357999A JP 2000104268 A JP2000104268 A JP 2000104268A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 護岸と共に緑化も図れる法面護岸用ブロック
を提供すること。 【解決手段】 客土を充填して植物を植生する客土室
と、同客土室と連通して、集めた雨水等を客土に給水す
るための集水・給水室とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植生用ブロック及
び同ブロックの段積み工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植生用ブロックの一形態として、
ブロック本体を上面開口の箱型に形成して、同ブロック
本体内に客土を充填し、同客土に植物を植生するように
したものがある。
【0003】そして、かかる植生用ブロックは、地山の
法面に沿わせて段積みすることにより、法面保護擁壁や
護岸擁壁を構築することもできるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した植
生用ブロックは、未だ、次のような課題を有している。
【0005】 植物を育成させるための土量が少なす
ぎる。
【0006】 植物に必要な水を取り込む機能が弱
く、せっかくの雨水も外部に取りこぼしてしまう。
【0007】 客土が外気温の影響を受けやすいため
に、客土の水分や養分が不足して、客土に植生した植物
やバクテリヤ等の小動物の育成を阻害しており、かかる
植物や小動物の保護・管理に大きな手間や費用を要して
いる。
【0008】 排水孔が小さすぎて水はけが悪く、当
然のこと新鮮な空気の流通も期待できない。
【0009】 植物を育成させるための客土室と地山
とが、コンクリートで完全に遮断され、相互の連続性が
無視されている。
【0010】 植物の生態系サイクルに不可欠な小動
物や土壌微生物の生息空間があまり考慮されていない。
【0011】 河川の生態系との関連性が薄い。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、客
土を充填して植物を植生する客土室と、同客土室と連通
して、集めた雨水等を客土に給水するための集水・給水
室とを具備する植生用ブロックを提供せんとするもので
ある。
【0013】また、本発明は、次の構成にも特徴を有す
る。
【0014】(1) ブロック本体に、集水・給水室を形成
する集水・給水体を配設して、同ブロック本体と集水・
給水体との間に客土室を形成し、同客土室内と集水・給
水室内とを連通させたこと。
【0015】(2) 客土室と集水・給水室との間に毛細管
現象生起材を介設して、集水・給水室内に流入した雨水
等を毛細管現象により毛細管現象生起材を通して客土室
に供給可能としたこと。
【0016】(3) ブロック本体は、雨水等流入用開口部
と雨水等流出用開口部とを有すること。
【0017】(4) 集水・給水体は、雨水等流出用開口部
と連通する連通用開口部を有すること。
【0018】(5) ブロック本体の左右側壁は、少なくと
も前部上端を前壁の上端よりも低位置に配置して、ブロ
ック本体の前部上側を左右方向に開口させたこと。
【0019】(6) ブロック本体の前壁の左右側端面に、
それぞれブロック本体の底面に対して略垂直方向に伸延
する接続部を形成したこと。
【0020】(7) ブロック本体は、矩形枠状に形成した
こと。
【0021】(8) ブロック本体の前壁は、前傾姿勢とな
したこと。
【0022】(9) 集水・給水体は、ブロック本体の上部
を前後方向に仕切る前後方向仕切り壁と、ブロック本体
の中途部を上下方向に仕切る上下方向仕切り壁とを具備
し、前後方向仕切り壁の下部には、集水・給水室内に流
入した雨水等を前方の客土室内へ流出させるための雨水
等流出路を形成したこと。
【0023】(10) 前後方向仕切り壁の上端縁部には、
客土室内に充填した客土の上面に降りそそがれた雨水等
を、集水・給水室内に流入させるための雨水等流入路を
形成したこと。
【0024】(11) 集水・給水体の下方位置には、左右
方向に伸延する客土受壁をブロック本体の左右側壁間に
横架状に配設したこと。
【0025】(12) 集水・給水室内に、栗石や砂利等の
塊状物を収容したこと。
【0026】また、本発明では、上記した植生用ブロッ
クを、上方へ段積みすると共に、上段に配置する植生用
ブロックの客土室を通して流下する雨水等は、下段に配
置した植生用ブロックの集水・給水室内に流入するよう
に配置することを特徴とする植生用ブロックの段積み工
法を提供せんとするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0028】すなわち、本発明に係る植生用ブロック
は、客土を充填して植物を植生する客土室と、同客土室
と連通して、集めた雨水等を客土に給水するための集水
・給水室とを具備している。
【0029】このようにして、植物の生育のための客土
室内に、つる性植物や小低木の育成に充分な量を充填し
て、同客土室内の客土には、雨水等を集水して貯留して
いる集水・給水室内の雨水等を常時供給することができ
て、客土に植生した植物やバクテリア等の小動物に水分
や養分さらには新鮮な空気を供給することができる。
【0030】従って、植物や小動物の保護・管理のため
の手間や費用を不要にすることができる。
【0031】また、集水・給水室は、上下方向や左右方
向に隣接するブロック間や、河川側との間に砕石や栗石
等の透水性の良い埋戻し材を介設することにより、同埋
戻し材間に形成される隙間状の通路でこれらと連通させ
ることができ、この場合には、同隙間状の通路を通して
各ブロック間や河川から集水・給水室内への小動物の移
動が可能となる。
【0032】従って、小動物の成育を保護することがで
きて、植生した植物の成育環境も良好にすることができ
る。
【0033】しかも、客土室内に充填した客土と地山と
を連続状態となすことにより、地山から排出される養分
を含んだ地下水を、客土室→集水・給水室→客土室内に
案内することができて、同客土室内に充填した客土に養
分を充分に与えることができる。
【0034】また、客土室内に充填した客土の表面に降
りそそいだ雨水等が、集水・給水室内に流入した場合に
は、同雨水等を客土室内の客土中に給水することができ
て、客土中の湿度を良好に確保することができる。
【0035】そして、客土室内に充填した客土と地山と
の間の空気は、活発に流動し、客土と地山の両方を活性
化することができる。
【0036】しかも、隙間や空間が多く、各ブロック内
部の連続性を確保することができることから、空気の対
流を生起することができ、その結果、夏場等において、
極端な温度上昇を防止することができて、動植物の生息
環境を良好に確保することができる。
【0037】さらに、客土室内に充填した客土の上を往
来し、この客土上に糞等をしたり、死骸を残すことによ
り、それが充填土の養分となって、植生した植物の生育
環境を良くすることができる。
【0038】従って、これらの点からも、植生した植物
の成育環境を良好に確保することができる。
【0039】また、ブロック本体に、集水・給水室を形
成する集水・給水体を配設して、同ブロック本体と集水
・給水体との間に客土室を形成し、同客土室内と集水・
給水室内とを連通させている。
【0040】このようにして、集水・給水体内に流入し
た雨水等は、客土室内に流出させることができて、同客
土室内の客土に植生した植物やバクテリア等の小動物に
水分と養分さらには新鮮な空気を供給することができ
る。
【0041】しかも、ブロック本体内や、同ブロック本
体と地山との間に砕石や栗石等の透水性の良い埋戻し材
を充填することにり、客土室内に充填した客土と地山と
を連続状態にすることができて、客土の外気温の影響を
少なくすることができると共に、客土に植生した植物や
バクテリア等の小動物は、地山からも水分や養分を補給
することができる。
【0042】また、客土と地山との間の小動物の移動や
空気の流動をより一層活発にして、客土と地山を活性化
することができ、この点からも生物の成育環境を良好に
確保することができる。
【0043】従って、植生用ブロックを配設しているに
もかかわらず、自然の生態系を阻害することなく、生物
を自然の状態にて育成することができて、生物の保護・
管理のための手間や費用を不要にすることができる。
【0044】また、客土室と集水・給水室との間に毛細
管現象生起材を介設して、集水・給水室内に流入した雨
水等を毛細管現象により毛細管現象生起材を通して客土
室に供給可能としている。
【0045】このようにして、給水室内の雨水等を客土
室内の客土に点滴のように少量づつ継続的に供給するこ
とができて、客土を植物の生育にとって好適な土にする
土の団粒化を促進させることができる。
【0046】また、ブロック本体は、雨水等流入用開口
部と雨水等流出用開口部とを有している。
【0047】このようにして、雨水等流入用開口部より
客土室に雨水等を流入させることができると共に、同客
土室内に流入した雨水等を雨水等流出用開口部より流出
させることができる。
【0048】また、集水・給水体は、雨水等流出用開口
部と連通する連通用開口部を有している。
【0049】このようにして、雨水等の流れとして、上
段の集水・給水室→上段の客土室→雨水等流出用開口部
→連通用開口部→下段の集水・給水室→下段の客土室へ
の流れが形成され、各客土室内の客土に植生した植物
や、バクテリア等の小動物への水分や養分の補給ルート
を確保することができる。
【0050】また、ブロック本体の左右側壁は、少なく
とも前部上端を前壁の上端よりも低位置に配置して、ブ
ロック本体の前部上側を左右方向に開口させている。
【0051】このようにして、左右方向に隣接する植生
用ブロックの客土室内に充填した客土同士が、左右方向
に連続する状態となり、各客土に植生した植物の根張り
や水分・養分等の左右方向への均一分散化を良好に確保
することができる。
【0052】また、ブロック本体の前壁の左右側端面
に、それぞれブロック本体の底面に対して略垂直方向に
伸延する接続部を形成している。
【0053】このようにして、弯曲する河川の法面に沿
って植生用ブロックを敷設する際には、左右方向に隣接
する各ブロック同士の接続部を接続すると共に、所望の
角度にて各ブロック同士を上記接続部を中心に法面に沿
わせて略垂直方向の軸線廻りに回動・調整することがで
きる。
【0054】また、ブロック本体は、矩形枠状に形成し
ている。
【0055】このようにして、ブロック本体の構造の簡
易化を軽量化と製造コストの低減化とを図ることができ
ると共に、施工性を向上させることができる。
【0056】また、前壁は、前傾姿勢となしている。
【0057】このようにして、客土上面の植生面積を可
及的に大きく形成することができ、同客土に植生した植
物により上段に配置した植生用ブロックの前壁を覆うこ
とができる。
【0058】特に、保護すべき法面が急勾配の場合で
も、植生面積を広く確保することができると共に、降水
面積(客土露出面積)を広く確保することができる。
【0059】また、弯曲する河川の法面に沿わせて擁壁
を構築した場合には、前壁が前傾姿勢となっているため
に、上段に配置した植生用ブロックの前壁が、その下方
に配置した植生用ブロックの客土の上方を覆って、同客
土が河川の流れにより洗掘されるのを低減することがで
きる。
【0060】この際、前壁を前傾姿勢となしているが、
各ブロック同士を接続する接続部の回動・調整に、この
前壁の姿勢は何ら支障とならず、簡単かつ確実にブロッ
ク同士を所望の角度にて回動・調整することができる。
【0061】また、集水・給水体は、ブロック本体の上
部を前後方向に仕切る前後方向仕切り壁と、ブロック本
体の中途部を上下方向に仕切る上下方向仕切り壁とを具
備し、前後方向仕切り壁の下部には、集水・給水体内に
流入した雨水等を前方の客土室内へ流出させるための雨
水等流出路を形成している。
【0062】このようにして、同雨水等流出路を通して
集水・給水体内の雨水等を客土中へ少量づつ供給するこ
とができ、同客土に植生した植物やバクテリア等の小動
物への水分や養分の補給を良好に確保することができ
る。
【0063】また、前後方向仕切り壁の上端縁部には、
客土室内に充填した客土の上面に降りそそがれた雨水等
を、集水・給水体内に流入させるための雨水等流入路を
形成している。
【0064】このようにして、客土上に降りそそがれた
雨水等を雨水等流入路を通して集水・給水体内に集水
し、同集水・給水体内の雨水等を前記雨水等流出路を通
して客土中へ少両づつ供給することができ、前記した補
給ルートと協働して、同客土に植生した植物やバクテリ
ア等の小動物への水分や養分の補給を良好に確保するこ
とができる。
【0065】特に、夏場の渇水期においては、客土の上
面が固く乾燥した状態となっており、夕立が降った場合
には、この雨水は客土中にしみ込むことなく、客土の上
面を流れるだけであるが、雨水等流入路を通して集水・
給水体内に確実に集水することができて、この集水した
雨水を前記したように客土に供給して有効利用すること
ができる。
【0066】また、雨水等流入路は、小動物の集水・給
水体内への出入口としても機能する。
【0067】そして、客土の表面に接している大気と、
集水・給水室内とを連通させ、同集水・給水室内と地山
とを連通させることができるために、空気を、大気と地
山との間で活発に流動させることができて、客土と地山
の両方を活性化することができる。
【0068】集水・給水体の下方位置には、左右方向に
伸延する客土受壁をブロック本体の左右側壁間に横架状
に配設している。
【0069】このようにして、客土受壁の前方に形成さ
れる客土室と、客土受壁の後方に形成される埋戻し材等
を充填する空間とを仕切ることができて、客土室を大き
く確保することができ、万一、客土室内の客土が洗掘等
された場合にも、埋戻し材等が客土室に流入するのを防
止することができて、客土室を良好に確保することがで
きる。
【0070】また、集水・給水室内に、栗石や砂利等の
塊状物を収容している。
【0071】このようにして、かかる集水・給水室を客
土室の客土中に埋設しておくことにより、同客土中の余
剰水を集水・給水室内に円滑にとり込むことができて、
客土の排水性を良好となすことができる。
【0072】また、植生用ブロックを段積みした場合に
は、集水・給水室内の塊状物と、上段に配置した植生用
ブロック内の客土とを上下方向に連続状態となすことに
より、上段の客土の余剰水を下段の集水・給水室内に円
滑にとり込むことができて、上段の客土の排水性を良好
となすことができる。
【0073】そして、集水・給水室内にとり込んだ余剰
水等を、同じ植生用ブロックの客土室内に充填した客土
に給水することができ、同客土の余剰水は、その下段の
集水・給水室に同様にして円滑にとり込まれる。
【0074】その結果、段積みした植生用ブロック内の
客土中を、上方より下方へ雨水等が円滑に流下して、客
土中には雨水等が滞留することがない。
【0075】この際、客土中には、空気が含まれている
が、かかる空気も、上記した雨水等の流下に追随して下
方へ流れ、客土中に滞留している空気が外部へ排出され
ると共に、新鮮な空気がとり込まれて、客土が活性化さ
れる。
【0076】従って、段積みした各植生用ブロックの客
土に、充分な水分と養分と新鮮な空気を与えることがで
きて、客土に植生した植物の生育環境を良好なものにす
ることができる。
【0077】また、集水・給水室内に塊状物を収容した
場合には、上記した集水・給水機能のみならず、小動物
の生息空間としても機能させることができるために、小
動物は、客土室と集水・給水室とを自由に往来すること
ができて、小動物に快適な居住・生息空間を提供するこ
とができる。
【0078】上記した植生用ブロックを、上方へ段積み
すると共に、上段に配置する植生用ブロックの客土室を
通して流下する雨水等は、下段に配置した植生用ブロッ
クの集水・給水室内に流入するように配置している。
【0079】このようにして、植生用ブロックの客土室
内に充填した客土中を流下する雨水等は、下段に配置し
た植生用ブロックの集水・給水室内に集水することがで
きると共に、客土の上面を流れる雨水等は、同客土の後
方に配置した集水・給水室内に集水することができて、
同集水・給水室より各ブロックの客土室内に充填した客
土に継続して給水することができる。
【0080】従って、各ブロックの客土上に降りそそが
れた雨水等を、各客土に植生した植物やバクテリア等の
小動物への水分や養分の補給用として、むだなく有効利
用することができる。
【0081】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0082】図1は、本発明に係る植生用ブロックとし
ての河川用の法面保護用ブロックAを段積みして構築し
た護岸擁壁Yの断面側面図である。Bは岩石、Cは栗
石、Dは地山、Fは植物、Gは客土、Hは栗石や砕石等
の塊状物、Jは天端コンクリート、Kは河川、Uは、砕
石や栗石等の透水性の良い埋戻し材である。
【0083】法面保護用ブロックAは、図2〜図7に示
すように、平面視矩形枠状に形成したブロック本体1
と、同ブロック本体1の中途部に配設した上面開口で箱
型の集水・給水体2と、同集水・給水体2とブロック本
体1との間に介設した左右方向仕切り壁9とを具備して
いる。
【0084】ブロック本体1は、前壁3と、同前壁3の
左右側端部より後方へ伸延させた左右側壁4,5と、両
側壁4,5の後端間に介設した後壁6と、前壁3の左右
側端面と左右側壁4,5の前端部左右側面とにわたって
形成した接続部としての接続・嵌合用凸条部7及び接続
・嵌合用凹条部8とから形成している。
【0085】そして、前壁3は、前高後低の前傾姿勢と
なし、同前壁3の左右側後面に左右側壁4,5の前端部
4a,5a を連設し、同前端部4a,5a の下半部を後方へ水平
に伸延させて左右側壁本体4b,5b を形成し、両左右側壁
本体4b,5b の前部上面には、集水・給水体受用突片4c,5
c を突設し、また、左右側壁本体4b,5b の後端間には、
両左右側壁本体4b,5b と同一高さに形成した後壁6を前
低後高の後傾姿勢に介設している。
【0086】また、前壁3の後面の左右側部と中央部と
には、それぞれ左右方向仕切り壁9の前端部を嵌入する
ための嵌入溝15,15,15を形成している。
【0087】接続・嵌合用凸条部7は、前壁3の左側端
面の下端よりブロック本体1の底面に対して略垂直上方
向に伸延させて形成すると共に、水平断面形状を半円弧
凸状に形成しており、一方、接続・嵌合用凹条部8は、
前壁3の右側端面の下端よりブロック本体1の底面に対
して略垂直上方向に伸延させて形成すると共に、水平断
面形状を上記接続・嵌合用凸条部7が嵌合可能な半円弧
凹状に形成している。
【0088】集水・給水体2は、図8〜図12に示すよ
うに、ブロック本体1の左右側壁4,5間に横架すべく
横長矩形状の箱型に形成しており、左右側底部10,10 を
段付凹条に形成して、左右側壁4,5間に中央底部11が
嵌合すべく形成し、内部に集水・給水室49を形成してい
る。
【0089】そして、集水・給水体2の前壁12の上端縁
部には、複数の雨水等流入路13を左右方向に間隔を開け
て凹状に形成し、同前壁12の下端部には複数の雨水等流
出路14を左右方向に間隔を開けて形成し、同前壁12の前
面の左右側部と中央部とには、それぞれ左右方向仕切り
壁9の後端部を嵌入するための嵌入溝16,16,16を形成し
ている。
【0090】また、前壁12の左側端部には前面側にテー
パー面を有するスライドガイド片12a を外側方へ突出さ
せて形成する一方、前壁12の右側端部には後面側にテー
パー面を有するスライドガイド片12b を外側方へ突出さ
せて形成している。
【0091】集水・給水体2の後壁18の左右側上部位置
には、左右方向に伸延する地下水等流入孔19,19 を形成
している。
【0092】集水・給水体2の左右側壁20,20 の上端部
には、オーバーフロー孔21,21 を凹状に形成しており、
同オーバーフロー孔21,21 の下端は、前記地下水等流入
孔19と同等もしくはそれよりも高い位置に設定してい
る。
【0093】上記のように、法面保護用ブロックAは、
ブロック本体1上に集水・給水体2を横架すると共に、
ブロック本体1の集水・給水体受用突片4c,5c に集水・
給水体2の前端下部を当接させ、同状態にて固定ボルト
24により集水・給水体2をブロック本体1に固定し、続
いて、同ブロック本体1の前壁3と集水・給水体2の前
壁12との間に左右方向仕切り壁9を嵌入溝16,15 を介し
て横架することにより組立てることができる。
【0094】このようにして、ブロック本体1の前壁3
と集水・給水体2の前壁12との間に客土室22を形成し、
同客土室22内に客土Gを充填するようにしている。
【0095】そして、ブロック本体1は、図15に示す
ように、上面に雨水等流入用開口部46を形成すると共
に、下面に雨水等流出用開口部47を形成している。
【0096】また、集水・給水体2は、図15に示すよ
うに、上面に、上方に段積みしたブロック本体1の雨水
等流出用開口部47と上下方向に連通する連通用開口部48
を形成している。
【0097】また、客土室22内を左右方向仕切り壁9に
より河川Kの流れ方向と略直交する方向に配置して仕切
ることにより、洪水時等において、河川Kの水位が上昇
した際にも、客土室22内に充填した客土Gが河川Kの流
水により洗掘される量を、左右方向仕切り壁9により抑
制することができ、客土Gの流失を可及的に少なくし
て、ブロック本体1が具備する植生機能、さらには、生
物の保護・管理機能を良好に確保することができる。
【0098】次に、法面保護用ブロックAを段積みする
工法について、図1を参照しながら説明する。
【0099】 ブロック本体1だけを載置し、同ブロ
ック本体1内の下層部に埋戻し材Uを敷設する。
【0100】 ブロック本体1に集水・給水体2を前
記のように横架する。
【0101】 集水・給水体2の集水・給水室49内に
塊状物Hを充填する。
【0102】 ブロック本体1内に埋戻し材Uを充填
すると共に、地山D側へも埋戻し材Uを充填して、ブロ
ック本体1内と地山Dとを連続状態にする。
【0103】 客土室22内に客土Gを充填する。
【0104】 上記ブロック本体1と集水・給水体2
の上に別のブロック本体1を配置する。
【0105】この際、上段に配置するブロック本体1の
前壁3は、下段に配置した集水・給水体2の前端上方近
傍に配置して、集水・給水室49内の塊状物Hの直上方位
置に上段の客土室22が配置されるようにする。
【0106】このようにして、集水・給水室49内の塊状
物Hと上段客土室22内の客土Gとを埋戻し材Uを介して
連続させて、客土G内の余剰水が集水・給水室49内に円
滑かつ確実にとり込まれるようにする。
【0107】 前記〜を繰返す。
【0108】 前記〜を所望の高さが得られるま
で繰返し行なう。
【0109】図13及び図14は、集水・給水体2の変
容例を示しており、図13に示す集水・給水体2では、
前記集水・給水体2の前壁12をなくして、前方を開放し
た形態となしている。
【0110】そして、かかる集水・給水体2の集水・給
水室49は、図1に示すように、客土室22と連続させて、
同集水・給水室49内にも上部を除いて客土Gを充填する
ことができる。
【0111】また、図14に示す集水・給水体2では、
底部23の前端縁部を前壁12よりも前方へ延設して雨水等
ガイド部23a を形成している。
【0112】このようにして、集水・給水室49内より雨
水等流出路14を通して客土室22内に流入する雨水等が、
雨水等ガイド部23a により、可及的に客土室22の中央部
寄り側へ案内されるようにしている。
【0113】図15は、図1に示す護岸擁壁Yにおける
雨水等の流れの模式図であり、最上段の法面保護用ブロ
ックAの集水・給水体2内に流入した雨水等は、客土室
22内に流出され、同客土室22より直下方の別個の法面保
護用ブロックAの集水・給水室49内に流入し、同様に客
土室22→集水・給水室49→客土室22→……を繰返しなが
ら順次流下するが、常時、客土室22内に雨水等が流入し
て、客土Gに植生した植物Fやバクテリア等の小動物に
水分と養分を供給することができるようにしている。
【0114】ここで、集水・給水室49内には、客土Gの
上面を流れる雨水等が雨水等流入路13を通して流入して
集水されることも、また、地下水等が地下水等流入孔19
を通して流入して集水されることもあり、これら雨水や
地下水等も、常時、客土室22へむだなく供給されるこ
とになる。
【0115】また、客土Gの表面に接している大気と、
集水・給水室49内とは雨水等流入路13を介して連通さ
せ、同集水・給水室49内と地山Dとは埋戻し材Uを介し
て連通させているために、空気を、大気と地山Dとの間
で活発に流動させることができて、客土Gと地山Dの両
方を活性化することができる。
【0116】図16は、弯曲する河川Kの法面に沿って
法面保護用ブロックAを敷設した状態を示す説明図であ
り、左右に隣接する法面保護用ブロックA,Aの半円弧
凸状に形成した接続・嵌合用凸条部7と半円弧凹状に形
成した接続・嵌合用凹条部8とを嵌合させて接続すると
共に、各ブロックAを上記接続・嵌合用凹・凸条部8,
7を中心に法面に沿わせて略垂直方向の軸線廻りに回動
・調整することができる。
【0117】この際、集水・給水体2の前壁12のスライ
ドガイド片12a,12b には、それぞれ前面側と後面側とに
テーパー面を形成しているために、凸状に弯曲する法面
に沿って法面保護用ブロックAを接続した場合には、隣
接するブロックA,A同士のスライドガイド片12a,12b
が当接しながらスライドして、両ブロックA,Aの接続
・嵌合状態を良好に確保することができる。
【0118】図17は、スライドガイド片12a,12b の変
容例であり、両スライドガイド片12a,12b の摺動面を、
それぞれ接続・嵌合用凸条部7の中心部からの同一円弧
状軌跡Rに沿わせて形成して、略垂直方向の軸線廻りの
法面保護用ブロックAの回動・調整がスムーズに行なえ
るようにしている。
【0119】図18〜図20は、第2実施例としての法
面保護用ブロックAを示しており、同法面保護用ブロッ
クAは、基本的構造を前記第1実施例としての法面保護
用ブロックAと同様に構成しているが、集水・給水体2
の形状及びその取付構造とスライドガイド片12a,12b の
形成が異なる。
【0120】すなわち、集水・給水体2は、前壁12を垂
直に立設すると共に、後壁18を前低後高の傾斜状とな
し、しかも、中央底部11の前後幅を細幅となして、集水
・給水室49の内部空間を側面視にて略逆三角形状に形成
している。30,31 は取付ブラケット、32は取付部、33は
取付ボルトである。
【0121】このようにして、集水・給水室49内に塊状
物Hを収容した際には、側面視略逆三角形状の収容空間
内に塊状物Hを密に充填させることができて、集水・給
水室49の内外の塊状物H同士の詰まり・填圧具合を良好
なものとなすことができ、その結果、法面保護用ブロッ
クAの安定性を向上させることができる。
【0122】図21〜図23は、第3実施例としての法
面保護用ブロックAを示しており、同法面保護用ブロッ
クAは、基本的構造を前記第2実施例としての法面保護
用ブロックAと同様に構成しているが、集水・給水体2
の形状とその取付構造が異なる。
【0123】すなわち、集水・給水体2は、ブロック本
体1の左右側壁本体4b,5b の上面間に横架状に載置する
と共に、取付ボルト40,40 により左右側壁本体4b,5b に
取付けている。41はボルト受部である。
【0124】しかも、集水・給水体2の前端部直下方位
置には、客土受壁42を、左右側壁本体4b,5b の内面に形
成した壁取付用溝部4d,5d を介して上方より抜差し自在
に挿入して、左右側壁本体4b,5b 間に横架している。
【0125】このように、集水・給水体2は、左右側壁
本体4b,5b の上面間に横架させるだけで、その底部を左
右側壁本体4b,5b 間に嵌入させることなく、別途、客土
受壁42を設けることにより、集水・給水体2の形状の簡
易化を図っている。
【0126】ここで、客土受壁42は、前方に形成される
客土室22と、客土受壁42の後方に形成される埋戻し材U
等を充填する空間とを仕切っているために、客土室22を
大きく確保することができると共に、万一、客土室22内
の客土Gが洗掘等された場合にも、埋戻し材U等が客土
室22に流入するのを防止することができて、客土室22を
良好に確保することができる。
【0127】また、客土受壁42の配設位置は、集水・給
水体2の前端部直下方位置に限らず、適宜、地山D側へ
位置ずれさせて配置して、客土室22を大きく設定するこ
ともできる。
【0128】図24及び図25は、第4実施例としての
法面保護用ブロックAを示しており、同法面保護用ブロ
ックAでは、集水・給水体2を、ブロック本体1の上半
部を前後方向に仕切る前後方向仕切り壁50と、ブロック
本体1の中途部を上下方向に仕切る上下方向仕切り壁51
とを具備し、前後方向仕切り壁50の下部には、集水・給
水体2内に流入した雨水等を前方の客土室22内へ流出さ
せるための雨水等流出路14を形成している。
【0129】そして、上下方向仕切り壁51の上面51a
は、前低後高の下り傾斜面となして、雨水等流出路14側
へ雨水等をスムーズに誘導するようにしている。
【0130】また、ブロック本体1の左右側壁本体4b,5
b の上端中途部には、嵌合・載置用凹部52,52 を形成し
ている。
【0131】このようにして、左右側壁本体4b,5b の嵌
合・載置用凹部52,52 に、集水・給水体2の左右側部を
嵌合・載置して横架状に取付けることができる。
【0132】図24及び図26は、上記第4実施例とし
ての法面保護用ブロックAの変容例であり、前後方向仕
切り壁50と上下方向仕切り壁51とを別体に形成して、前
後方向仕切り壁50の下端面と上下方向仕切り壁51の上面
との間にスリット条の雨水等流出路14を形成するように
している。53は固定ブラケットである。
【0133】図27〜図32は、陸上用の法面保護用ブ
ロックAを示しており、前記した河川用の法面保護用ブ
ロックAと基本的構造を同じくしているが、接続・嵌合
用凹・凸条部8,7の前端を前壁3の上端に符合させて
配置すると共に、接続・嵌合用凹・凸条部8,7の後側
上部を一部切欠して、ブロック本体1の前側上部に左右
側方へ大きく開口する開口部54を形成している。
【0134】従って、かかる法面保護用ブロックAで
は、河川用の法面保護用ブロックAに比して接続・嵌合
用凹・凸条部8,7が前方に位置して、これらが前傾状
態の前壁3の左右側方より前方へ張出した状態となって
いるが、河川Kの流れの抵抗等を考慮する必要がない
分、接続・嵌合位置を可及的に前端側に配置して、法面
保護用ブロックAを略垂直方向の軸線廻りに楽に回動・
調整することができるようにしている。
【0135】図33〜図40は、第5実施例としての法
面保護用ブロックAを示しており、同法面保護用ブロッ
クAは、基本的構造を第1実施例としての法面保護用ブ
ロックAと同じくしているが、ブロック本体1の左右側
壁4,5の前部間に出入通路形成板43を横架状に一体成
形して、同出入通路形成板43を、下段の集水・給水体2
に形成した雨水等流入路13上に配置することにより、同
雨水等流入路13の直上方を被覆して、同雨水等流入路13
が埋戻し材U等により閉塞されるのを防止し、小動物
が、常時、雨水等流入路13を通して集水・給水体2内へ
確実に出入りできるようにしている点で異なる。
【0136】しかも、各雨水等流出路14には、毛細管現
象生起材Mを挿通して、集水・給水室49内の雨水等を毛
細管現象により毛細管現象生起材Mを通して後述する客
土室22に供給可能としている。
【0137】ここで、毛細管現象生起材Mとしては、雨
水等流出路14に挿通可能な繊維製の紐を使用することが
できる。
【0138】また、集水・給水体2では、底部17の前端
縁部を前壁12よりも前方へ延設して雨水等ガイド部17a
を形成している。
【0139】このようにして、集水・給水体2内より雨
水等流出路13を通して客土室22内に流入する雨水等が、
雨水等ガイド部17a により、可及的に客土室22の中央部
寄り側へ案内されるようにしている。
【0140】集水・給水体2の左右側壁20,20 の後半上
部には、オーバーフロー用凹部44,44 を段付凹状に形成
しており、同オーバーフロー用凹部44,44 の後端は、後
壁18の上面と同等位置に設定して、同後壁18の上面を地
下水等流入用凹部45となしている。
【0141】上記のように、法面保護用ブロックAは、
ブロック本体1の左右側壁本体4b,5b 間に客土受壁42を
壁取付用溝部4d,5d を介して横架し、両左右側壁本体4
b,5b上に集水・給水体2を横架し、続いて、同ブロック
本体1の前壁3と集水・給水体2の前壁12との間に左右
方向仕切り壁9を嵌入溝15,16 を介して横架することに
より組立てることができる。
【0142】この際、前壁3は、前傾姿勢となしている
ために、客土G上面の植生面積を可及的に大きく形成す
ることができ、同客土Gに植生した植物により上段に配
置した法面保護用ブロックAの前壁3を覆うことができ
る。
【0143】特に、保護すべき法面が急勾配の場合で
も、植生面積を広く確保することができる。
【0144】また、河川Kの法面に沿わせて擁壁を構築
した場合には、前壁3が前傾姿勢となっているために、
上段に配置した法面保護用ブロックAの前壁3が、その
下方に配置した法面保護用ブロックAの客土Gの上方を
覆って、同客土Gが河川の流れにより洗掘されるのを低
減することができる。
【0145】そして、集水・給水室49内に流入した雨水
等は、客土室22内に流出させることができて、同客土室
22内の客土Gに植生した植物やバクテリア等の小動物に
水分と養分を供給することができる。
【0146】しかも、矩形枠状のブロック本体1内や、
同ブロック本体1と地山Dとの間に埋戻し材Uを充填す
ることにより、客土室22内に充填した客土Gと地山Dと
を連続状態にすることができて、客土Gの外気温の影響
を少なくすることができ、客土Gに植生した植物やバク
テリア等の小動物は、地山Dからも水分や養分を補給す
ることができる。
【0147】また、客土Gと地山Dとの間の空気の流動
をより一層活発にして、客土Gと地山Dを活性化するこ
とができ、この点からも生物の成育環境を良好に確保す
ることができる。
【0148】従って、法面保護用ブロックAを配設して
いるにもかかわらず、自然の生態系を阻害することな
く、生物を自然の状態にて育成することができて、生物
の保護・管理のための手間や費用を不要にすることがで
きる。
【0149】また、集水・給水体2は、集水機能のみな
らず、生物の生息空間としても機能するために、小動物
は、客土室22と給水室11とを自由に往来することができ
て、生物に快適な住・生息空間を提供することができ
る。
【0150】従って、小動物の成育を保護することがで
きて、植生した植物Fの成育環境も良好にすることがで
きる。
【0151】しかも、地山Dから排出される養分を含ん
だ地下水を集水・給水室49→客土室22内に案内すること
ができて、同客土室22内に充填した客土Gに養分を与え
ることができる。
【0152】また、客土室22内に充填した客土Gの表面
に降りそそいだ雨水等が、給水室11内に流入した場合に
は、同雨水等を雨水等流入路13を通して客土室22内の客
土G中に案内することができて、客土G中の湿度を良好
に確保することができる。
【0153】そして、客土室22内に充填した客土Gと地
山Dとの間の空気は、活発に流動し、客土Gと地山Dの
両方を活性化することができる。
【0154】しかも、小動物が客土室22内に充填した客
土Gの上を往来し、この客土G上に糞等をしたり、死骸
を残すことにより、それが客土Gの養分となって、植生
した植物Fの生育環境を良くすることができる。
【0155】従って、これらの点からも、植生した植物
Fの成育環境を良好に確保することができる。
【0156】また、客土室22内を左右方向仕切り壁9に
より河川Kの流れ方向と略直交する方向に配置して仕切
ることにより、洪水時等において、河川Kの水位が上昇
した際にも、客土室22内に充填した客土Gが河川Kの流
水により洗掘される量を、左右方向仕切り壁9により抑
制することができ、客土Gの流失を可及的に少なくし
て、ブロック本体1が具備する植生機能、さらには、生
物の保護・管理機能を良好に確保することができる。
【0157】図41は、図33に示す護岸擁壁Yにおけ
る雨水等の流れの模式図であり、最上段の法面保護用ブ
ロックAの給水室11内に流入した雨水等は、毛細管現象
生起材Mを通した毛細管現象により、客土室22内に供給
され、同客土室22より直下方の別個の法面保護用ブロッ
クAの集水・給水室49内に流入し、同様に客土室22→集
水・給水室49→客土室22→……を繰返しながら順次流下
するが、常時、客土室22内に雨水等が流入して、客土G
に植生した植物Fやバクテリア等の小動物に、水分と養
分を供給することができるようにしている。
【0158】ここで、集水・給水室49内には、雨水等流
入路13や地下水等流入用凹部19からも雨水等や地下水等
が流入するものであり、これらも、常時、客土室22へ毛
細管現象生起材Mを通して少量づつ継続的に供給される
ことになる。
【0159】図42及び図43は、前記した第5実施例
としての法面保護用ブロックAの変容例であり、ブロッ
ク本体1に底部60を形成し、同底部60の前部に左右方向
に伸延する矩形状の雨水等流出用開口部47を部分的に開
口させて形成している。
【0160】そして、上段の法面保護用ブロックAの雨
水等流出用開口部47が、下段の法面保護用ブロックAの
集水・給水体2の連通開口部48と上下方向に連通するよ
うに段積みしている。
【0161】ここで、雨水等流出用開口部47は、連通用
開口部48の直上方向への投影面積内に納まるように形成
している。
【0162】このようにして、上段の法面保護用ブロッ
クAの客土Gを通して下方へ流下する雨水等を、下段の
法面保護用ブロックAの集水・給水体2内に確実に集水
することができるようにしていいる。
【0163】図44は、前記ブロック本体1の底部60の
変形例を示しており、底部60を格子状若しくは網目状に
形成して、複数の雨水等流出用開口部47を具備させてい
る。
【0164】図45及び図46は、それぞれ前記した第
5実施例としての法面保護用ブロックAの変容例を示し
ており、図45に示す法面保護用ブロックAでは、前壁
3を略垂直姿勢となす一方、図46に示す法面保護用ブ
ロックAでは、前壁3を後傾姿勢となしている。
【0165】そして、いずれの法面保護用ブロックAの
場合にも、前壁3の左右側端面に、それぞれブロック本
体1の底面に対して略垂直方向に伸延する接続・嵌合用
凸条部7と接続・嵌合用凹条部8とを形成している。
【0166】このようにして、前壁3の姿勢(前傾,直
交,後傾)にかかわりなく、弯曲する河川Kの法面に沿
わせて法面保護用ブロックA,A同士を接続させて敷設
すると共に、段積みすることができるようにしてる。
【0167】図47は、第6実施例としての法面保護用
ブロックAを示しており、同法面保護用ブロックAは、
矩形枠状に形成したブロック本体1の客土室22内に客土
Gを充填し、同客土G中に、上面開口の箱型に形成した
集水・給水体2を埋設している。
【0168】そして、集水・給水体2の集水・給水室49
内には、塊状物Hを充填して、同集水・給水室49内に空
隙を確保し、集水・給水体2の前壁12の下部に雨水等流
出路14を形成している。
【0169】このようにして、集水・給水室49の上方に
位置する客土G中の余剰水を、同集水・給水室49内にと
り込んで集水し、同余剰水を、雨水等流出路14を通して
前方に位置する客土Gに流出させて、給水することがで
きるようにしている。
【0170】ここで、上記した法面保護用ブロックA
は、法面保護用としてではなく、植生用としてのみ使用
する場合について説明している。
【0171】そして、本実施例では、集水・給水室49を
客土G中に完全に埋設しているが、同集水・給水室49の
連通開口部48を客土Gより露出させた状態にて埋設する
こともできる。
【0172】また、ブロック本体1と集水・給水体2の
形状は、美感等も考慮して適宜設計することができる。
【0173】図48は、上記した法面保護用ブロックA
を段積みして、護岸擁壁Yを構築する場合についての断
面説明図であり、ブロック本体1内の下部に埋戻し材U
を敷設し、同埋戻し材U上に集水・給水体2を載置し、
同集水・給水体2の集水・給水室49内に塊状物Hを充填
した状態にて、ブロック本体1内の上部に、客土室22を
形成して、同客土室22内に客土Gを充填している。
【0174】そして、かかる法面保護用ブロックAを上
方に段積みしており、上段の法面保護用ブロックAは、
客土Gの前部が下段の集水・給水室49の直上方位置に位
置するように載置している。
【0175】このようにして、雨水等が上段の法面保護
用ブロックAの集水・給水室49→雨水等流水路14→集水
・給水室49の前方に位置する客土G→同客土Gの直下方
に位置する埋戻し材U→同埋戻し材Uの直下方に位置す
る客土G→同客土Gの直下方に位置する集水・給水室49
→同集水・給水室49の前方に位置する客土G→同客土G
の直下方に位置する埋戻し材Uに流下するようにして、
かかる流下の過程で各客土Gに水分と養分と新鮮な空気
が供給されるようにしている。
【0176】図49は、毛細管現象生起材Mの他の使用
形態を示しており、同毛細管現象生起材Mは、集水・給
水体2の前壁12の上端越しに、客土室22と給水・給水室
49との間に介設している。
【0177】このようにして、集水・給水体2内の雨水
W等を毛細管現象生起材Mを通して客土室22内に供給可
能としている。
【0178】従って、この場合には、集水・給水体2に
は、雨水等流出路14を設ける必要がなく、同集水・給水
体2の構造の簡易化と製造コストの低減が図れる。
【0179】なお、毛細管現象生起材Mを上記したよう
に集水・給水体2の前壁12の上端越しに配置するのは、
同前壁12の高さが低い場合が好ましい。
【0180】図50及び図51は、第7実施例としての
保護用ブロックAを示しており、同法面保護用ブロック
Aは、上面開口の箱型に形成したブロック本体1の前壁
3と左右側壁4,5と後壁6と底部60に、それぞれ雨水
等流出用開口部47,47,47,47,47を部分的に開口させてい
る。
【0181】そして、ブロック本体1内には、下部に埋
戻し材Uを敷設し、同埋戻し材U上の後部に、上面に連
通用開口部48を開口した箱型の集水・給水体2を載置す
ると共に、埋戻し材U上の前部に客土室22を形成して、
同客土室22内に客土Gを充填している。
【0182】しかも、上段に配置したブロック本体1の
底部60に開口した雨水等流出用開口部47の直下方位置に
は、下段に配置した集水・給水体2の連通用開口部48が
位置するようにして、上段の客土室22と下段の集水・給
水室49とを両開口部47,48 を介して連通させている。
【0183】このようにして、客土室22内に充填した客
土Gの余剰水を、各雨水等流出用開口部47より円滑に流
出させることができるようにして、各雨水等流出用開口
部47より流出した余剰水は、下段に配置した法面保護用
ブロックAの客土室22内と集水・給水室49内に確実にと
り込むことができるようにしている。
【0184】そして、集水・給水室49内にとり込まれた
余剰水等は、雨水等流出路14を通して直前方の客土Gに
給水することができるようにしている。
【0185】従って、余剰水の上方から下方への流れを
円滑にして、各客土室22の客土Gへの水分や養分さらに
は新鮮な空気の供給を良好に確保することができる。
【0186】図52は、他の実施例としての集水・給水
体2を示しており、同集水・給水体2は、前壁12をポー
ラスコンクリートにより形成して、同前壁12に形成され
た多数の空隙を雨水等流出路14となしている。
【0187】このようにして、集水・給水体2の前壁12
を、客土室22内の客土Gと面接触させて、集水・給水室
49内の雨水等を前壁12の雨水等流出路14より客土Gへ円
滑かつ確実に給水することができるようにしている。
【0188】なお、ポーラスコンクリートにより形成す
る部分は、前壁12に限らず、客土Gと接触する部分であ
ればよく、適宜、集水・給水体2を部分的に、又は、全
体的にポーラスコンクリートにより形成することができ
る。
【0189】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0190】(1) 請求項1記載の本発明では、客土を充
填して植物を植生する客土室と、同客土室と連通して、
集めた雨水等を客土に給水するための集水・給水室とを
具備しているために、植物の生育のための客土室内に、
つる性植物や小低木の育成に充分な量を充填して、同客
土室内の客土には、雨水等を集水して貯留している集水
・給水室内の雨水等を常時供給することができて、客土
に植生した植物やバクテリア等の小動物に水分や養分さ
らには新鮮な空気を供給することができる。
【0191】従って、植物や小動物の保護・管理のため
の手間や費用を不要にすることができる。
【0192】また、集水・給水室は、上下方向や左右方
向に隣接するブロック間や、河川側との間に砕石や栗石
等の透水性の良い埋戻し材を介設することにより、同埋
戻し材間に形成される隙間状の通路でこれらと連通させ
ることができ、この場合には、同隙間状の通路を通して
各ブロック間や河川から集水・給水室内への小動物の移
動が可能となる。
【0193】従って、小動物の成育を保護することがで
きて、植生した植物の成育環境も良好にすることができ
る。
【0194】しかも、客土室内に充填した客土と地山と
を連続状態となすことにより、地山から排出される養分
を含んだ地下水を、客土室→集水・給水室→客土室内に
案内することができて、同客土室内に充填した客土に養
分を充分に与えることができる。
【0195】また、客土室内に充填した客土の表面に降
りそそいだ雨水等が、集水・給水室内に流入した場合に
は、同雨水等を客土室内の客土中に給水することができ
て、客土中の湿度を良好に確保することができる。
【0196】そして、客土室内に充填した客土と地山と
の間の空気は、活発に流動し、客土と地山の両方を活性
化することができる。
【0197】しかも、隙間や空間が多く、各ブロック内
部の連続性を確保することができることから、空気の対
流を生起することができ、その結果、夏場等において、
極端な温度上昇を防止することができて、動植物の生息
環境を良好に確保することができる。
【0198】さらに、客土室内に充填した客土の上を往
来し、この客土上に糞等をしたり、死骸を残すことによ
り、それが充填土の養分となって、植生した植物の生育
環境を良くすることができる。
【0199】従って、これらの点からも、植生した植物
の成育環境を良好に確保することができる。
【0200】(2) 請求項2記載の本発明では、ブロック
本体に、集水・給水室を形成する集水・給水体を配設し
て、同ブロック本体と集水・給水体との間に客土室を形
成し、同客土室内と集水・給水室内とを連通させている
ために、集水・給水体内に流入した雨水等は、客土室内
に流出させることができて、同客土室内の客土に植生し
た植物やバクテリア等の小動物に水分と養分さらには新
鮮な空気を供給することができる。
【0201】しかも、ブロック本体内や、同ブロック本
体と地山との間に砕石や栗石等の透水性の良い埋戻し材
を充填することにり、客土室内に充填した客土と地山と
を連続状態にすることができて、客土の外気温の影響を
少なくすることができると共に、客土に植生した植物や
バクテリア等の小動物は、地山からも水分や養分を補給
することができる。
【0202】また、客土と地山との間の小動物の移動や
空気の流動をより一層活発にして、客土と地山を活性化
することができ、この点からも生物の成育環境を良好に
確保することができる。
【0203】従って、植生用ブロックを配設しているに
もかかわらず、自然の生態系を阻害することなく、生物
を自然の状態にて育成することができて、生物の保護・
管理のための手間や費用を不要にすることができる。
【0204】(3) 請求項3記載の本発明では、客土室と
集水・給水室との間に毛細管現象生起材を介設して、集
水・給水室内に流入した雨水等を毛細管現象により毛細
管現象生起材を通して客土室に供給可能としているため
に、給水室内の雨水等を客土室内の客土に点滴のように
少量づつ継続的に供給することができて、客土を植物の
生育にとって好適な土にする土の団粒化を促進させるこ
とができる。
【0205】(4) 請求項4記載の本発明では、ブロック
本体は、雨水等流入用開口部と雨水等流出用開口部とを
有しているために、雨水等流入用開口部より客土室に雨
水等を流入させることができると共に、同客土室内に流
入した雨水等を雨水等流出用開口部より流出させること
ができる。
【0206】(5) 請求項5記載の本発明では、集水・給
水体は、雨水等流出用開口部と連通する連通用開口部を
有しているために、雨水等の流れとして、上段の集水・
給水室→上段の客土室→雨水等流出用開口部→連通用開
口部→下段の集水・給水室→下段の客土室への流れが形
成され、各客土室内の客土に植生した植物や、バクテリ
ア等の小動物への水分や養分の補給ルートを確保するこ
とができる。
【0207】(6) 請求項6記載の本発明では、ブロック
本体の左右側壁は、少なくとも前部上端を前壁の上端よ
りも低位置に配置して、ブロック本体の前部上側を左右
方向に開口させているために、左右方向に隣接する植生
用ブロックの客土室内に充填した客土同士が、左右方向
に連続する状態となり、各客土に植生した植物の根張り
や水分・養分等の左右方向への均一分散化を良好に確保
することができる。
【0208】(7) 請求項7記載の本発明では、ブロック
本体の前壁の左右側端面に、それぞれブロック本体の底
面に対して略垂直方向に伸延する接続部を形成している
ために、弯曲する河川の法面に沿って植生用ブロックを
敷設する際には、左右方向に隣接する各ブロック同士の
接続部を接続すると共に、所望の角度にて各ブロック同
士を上記接続部を中心に法面に沿わせて略垂直方向の軸
線廻りに回動・調整することができる。
【0209】(8) 請求項8記載の本発明では、ブロック
本体は、矩形枠状に形成しているために、ブロック本体
の構造の簡易化を軽量化と製造コストの低減化とを図る
ことができると共に、施工性を向上させることができ
る。
【0210】(9) 請求項9記載の本発明では、前壁は、
前傾姿勢となしているために、客土上面の植生面積を可
及的に大きく形成することができ、同客土に植生した植
物により上段に配置した植生用ブロックの前壁を覆うこ
とができる。
【0211】特に、保護すべき法面が急勾配の場合で
も、植生面積を広く確保することができると共に、降水
面積(客土露出面積)を広く確保することができる。
【0212】また、弯曲する河川の法面に沿わせて擁壁
を構築した場合には、前壁が前傾姿勢となっているため
に、上段に配置した植生用ブロックの前壁が、その下方
に配置した植生用ブロックの客土の上方を覆って、同客
土が河川の流れにより洗掘されるのを低減することがで
きる。
【0213】この際、前壁を前傾姿勢となしているが、
各ブロック同士を接続する接続部の回動・調整に、この
前壁の姿勢は何ら支障とならず、簡単かつ確実にブロッ
ク同士を所望の角度にて回動・調整することができる。
【0214】(10) 請求項10記載の本発明では、集水
・給水体は、ブロック本体の上部を前後方向に仕切る前
後方向仕切り壁と、ブロック本体の中途部を上下方向に
仕切る上下方向仕切り壁とを具備し、前後方向仕切り壁
の下部には、集水・給水体内に流入した雨水等を前方の
客土室内へ流出させるための雨水等流出路を形成してい
るために、同雨水等流出路を通して集水・給水体内の雨
水等を客土中へ少量づつ供給することができ、同客土に
植生した植物やバクテリア等の小動物への水分や養分の
補給を良好に確保することができる。
【0215】(11) 請求項11記載の本発明では、前後
方向仕切り壁の上端縁部には、客土室内に充填した客土
の上面に降りそそがれた雨水等を、集水・給水体内に流
入させるための雨水等流入路を形成しているために、客
土上に降りそそがれた雨水等を雨水等流入路を通して集
水・給水体内に集水し、同集水・給水体内の雨水等を前
記雨水等流出路を通して客土中へ少量づつ供給すること
ができ、前記(5) の補給ルートと協働して、同客土に植
生した植物やバクテリア等の小動物への水分や養分の補
給を良好に確保することができる。
【0216】特に、夏場の渇水期においては、客土の上
面が固く乾燥した状態となっており、夕立が降った場合
には、この雨水は客土中にしみ込むことなく、客土の上
面を流れるだけであるが、雨水等流入路を通して集水・
給水体内に確実に集水することができて、この集水した
雨水を前記したように客土に供給して有効利用すること
ができる。
【0217】また、雨水等流入路は、小動物の集水・給
水体内への出入口としても機能する。
【0218】そして、客土の表面に接している大気と、
集水・給水室内とを連通させ、同集水・給水室内と地山
とを連通させることができるために、空気を、大気と地
山との間で活発に流動させることができて、客土と地山
の両方を活性化することができる。
【0219】(12) 請求項12記載の本発明では、集水
・給水体の下方位置には、左右方向に伸延する客土受壁
をブロック本体の左右側壁間に横架状に配設しているた
めに、客土受壁の前方に形成される客土室と、客土受壁
の後方に形成される埋戻し材等を充填する空間とを仕切
ることができて、客土室を大きく確保することができ、
万一、客土室内の客土が洗掘等された場合にも、埋戻し
材等が客土室に流入するのを防止することができて、客
土室を良好に確保することができる。
【0220】(13) 請求項13記載の本発明では、集水
・給水室内に、栗石や砂利等の塊状物を収容しているた
めに、かかる集水・給水室を客土室の客土中に埋設して
おくことにより、同客土中の余剰水を集水・給水室内に
円滑にとり込むことができて、客土の排水性を良好とな
すことができる。
【0221】また、植生用ブロックを段積みした場合に
は、集水・給水室内の塊状物と、上段に配置した植生用
ブロック内の客土とを上下方向に連続状態となすことに
より、上段の客土の余剰水を下段の集水・給水室内に円
滑にとり込むことができて、上段の客土の排水性を良好
となすことができる。
【0222】そして、集水・給水室内にとり込んだ余剰
水等を、同じ植生用ブロックの客土室内に充填した客土
に給水することができ、同客土の余剰水は、その下段の
集水・給水室に同様にして円滑にとり込まれる。
【0223】その結果、段積みした植生用ブロック内の
客土中を、上方より下方へ雨水等が円滑に流下して、客
土中に雨水等が滞留することがない。
【0224】この際、客土中には、空気が含まれている
が、かかる空気も、上記した雨水等の流下に追随して下
方へ流れ、客土中に滞留している空気が外部へ排出され
ると共に、新鮮な空気がとり込まれて、客土が活性化さ
れる。
【0225】従って、段積みした各植生用ブロックの客
土に、充分な水分と養分と新鮮な空気を与えることがで
きて、客土に植生した植物の生育環境を良好なものにす
ることができる。
【0226】また、集水・給水室内に塊状物を収容した
場合には、上記した集水・給水機能のみならず、小動物
の生息空間としても機能させることができるために、小
動物は、客土室と集水・給水室とを自由に往来すること
ができて、小動物に快適な居住・生息空間を提供するこ
とができる。
【0227】(14) 請求項14記載の本発明では、上記
した植生用ブロックを、上方へ段積みすると共に、上段
に配置する植生用ブロックの客土室を通して流下する雨
水等は、下段に配置した植生用ブロックの集水・給水室
内に流入するように配置しているために、植生用ブロッ
クの客土室内に充填した客土中を流下する雨水等は、下
段に配置した植生用ブロックの集水・給水室内に集水す
ることができると共に、客土の上面を流れる雨水等は、
同客土の後方に配置した集水・給水室内に集水すること
ができて、同集水・給水室より各ブロックの客土室内に
充填した客土に継続して給水することができる。
【0228】従って、各ブロックの客土上に降りそそが
れた雨水等を、各客土に植生した植物やバクテリア等の
小動物への水分や養分の補給用として、むだなく有効利
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植生用ブロックとしての河川用の
法面保護用ブロックを段積みして構築した護岸擁壁の断
面側面図。
【図2】同法面保護用ブロックの拡大断面側面図。
【図3】同法面保護用ブロックの右側面図。
【図4】同法面保護用ブロックの左側面図。
【図5】同法面保護用ブロックの正面図。
【図6】同法面保護用ブロックの平面図。
【図7】同法面保護用ブロックの背面図。
【図8】集水体の正面図。
【図9】同集水体の背面図。
【図10】同集水体の平面図。
【図11】同集水体の側面図。
【図12】同集水体の断面側面図。
【図13】変容例としての集水体の断面側面図。
【図14】もう一つの変容例としての集水体の断面側面
図。
【図15】雨水等の流下説明図。
【図16】法面保護用ブロックの接続・嵌合状態説明
図。
【図17】変容例としてのスライドガイド片の説明図。
【図18】第2実施例としての法面保護用ブロックの一
部切欠側面図。
【図19】同法面保護用ブロックの断面側面図。
【図20】同法面保護用ブロックの平面図。
【図21】第3実施例としての法面保護用ブロックの断
面側面説明図。
【図22】同法面保護用ブロックの平面図。
【図23】同法面保護用ブロックの断面側面図。
【図24】第4実施例としての法面保護用ブロックの断
面側面説明図。
【図25】同法面保護用ブロックの組立て説明図。
【図26】同法面保護用ブロックの変容例の組立て説明
図。
【図27】陸上用の法面保護用ブロックの断面側面説明
図。
【図28】同法面保護用ブロックの右側面図。
【図29】同法面保護用ブロックの左側面図。
【図30】同法面保護用ブロックの正面図。
【図31】同法面保護用ブロックの平面図。
【図32】同法面保護用ブロックの背面図。
【図33】第5実施例としての法面保護用ブロックを段
積みして構築した護岸擁壁の断面側面図。
【図34】同法面保護用ブロックの拡大断面側面図。
【図35】同法面保護用ブロックの正面図。
【図36】同法面保護用ブロックの背面図。
【図37】同法面保護用ブロックの側面図。
【図38】同法面保護用ブロックの平面図。
【図39】図38のI-I 線断面図。
【図40】図38のII-II 線断面図。
【図41】雨水等の流下説明図。
【図42】第5実施例としての法面保護用ブロックの拡
大断面側面図。
【図43】同法面保護用ブロックの平面図。
【図44】同法面保護用ブロックの変形例の平面図。
【図45】同法面保護用ブロックの変容例の側面図。
【図46】同法面保護用ブロックの変容例の側面図。
【図47】第6実施例としての法面保護用ブロックの断
面側面説明図。
【図48】同法面保護用ブロックの段積みした断面側面
説明図。
【図49】毛細管現象生起材の他の使用形態説明図。
【図50】第7実施例としての法面保護用ブロックの段
積みした断面側面説明図。
【図51】同法面保護用ブロックの平面図。
【図52】他の実施例としての集水・給水体の断面側面
図。
【符号の説明】
A 法面保護用ブロック 1 ブロック本体 2 集水・給水体 3 前壁 4 左側壁 5 右側壁 6 後壁

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 客土を充填して植物を植生する客土室
    と、同客土室と連通して、集めた雨水等を客土に給水す
    るための集水・給水室とを具備する植生用ブロック。
  2. 【請求項2】 ブロック本体に、集水・給水室を形成す
    る集水・給水体を配設して、同ブロック本体と集水・給
    水体との間に客土室を形成し、同客土室内と集水・給水
    室内とを連通させたことを特徴とする請求項1記載の植
    生用ブロック
  3. 【請求項3】 客土室と集水・給水室との間に毛細管現
    象生起材を介設して、集水・給水室内に流入した雨水等
    を毛細管現象により毛細管現象生起材を通して客土室に
    供給可能としたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    植生用ブロック。
  4. 【請求項4】 ブロック本体は、雨水等流入用開口部と
    雨水等流出用開口部とを有することを特徴とする請求項
    2又は3記載の植生用ブロック。
  5. 【請求項5】 集水・給水体は、雨水等流出用開口部と
    連通する連通用開口部を有することを特徴とする請求項
    4記載の植生用ブロック。
  6. 【請求項6】 ブロック本体の左右側壁は、少なくとも
    前部上端を前壁の上端よりも低位置に配置して、ブロッ
    ク本体の前部上側を左右方向に開口させたことを特徴と
    する請求項2〜5のいずれか1項記載の植生用ブロッ
    ク。
  7. 【請求項7】 ブロック本体の前壁の左右側端面に、そ
    れぞれブロック本体の底面に対して略垂直方向に伸延す
    る接続部を形成したことを特徴とする請求項2〜6のい
    ずれか1項記載の植生用ブロック。
  8. 【請求項8】 ブロック本体は、矩形枠状に形成したこ
    とを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項記載の植生
    用ブロック。
  9. 【請求項9】 ブロック本体の前壁は、前傾姿勢となし
    たことを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項記載の
    植生用ブロック。
  10. 【請求項10】 集水・給水体は、ブロック本体の上部
    を前後方向に仕切る前後方向仕切り壁と、ブロック本体
    の中途部を上下方向に仕切る上下方向仕切り壁とを具備
    し、 前後方向仕切り壁の下部には、集水・給水室内に流入し
    た雨水等を前方の客土室内へ流出させるための雨水等流
    出路を形成したことを特徴とする請求項2〜9のいずれ
    か1項記載の植生用ブロック。
  11. 【請求項11】 前後方向仕切り壁の上端縁部には、客
    土室内に充填した客土の上面に降りそそがれた雨水等
    を、集水・給水室内に流入させるための雨水等流入路を
    形成したことを特徴とする請求項10記載の植生用ブロ
    ック。
  12. 【請求項12】 集水・給水体の下方位置には、左右方
    向に伸延する客土受壁をブロック本体の左右側壁間に横
    架状に配設したことを特徴とする請求項2〜11のいず
    れか1項記載の植生用ブロック。
  13. 【請求項13】 集水・給水室内に、栗石や砂利等の塊
    状物を収容したことを特徴とする請求項1〜12のいず
    れか1項記載の植生用ブロック。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項記載の
    植生用ブロックを、上方へ段積みすると共に、上段に配
    置する植生用ブロックの客土室を通して流下する雨水等
    は、下段に配置した植生用ブロックの集水・給水室内に
    流入するように配置することを特徴とする植生用ブロッ
    クの段積み工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002121757A (ja) * 2000-10-17 2002-04-26 Toei Shoko Kk 擁壁構造
JP2005171478A (ja) * 2003-12-05 2005-06-30 Toei Shoko Kk 擁壁及びその施工方法
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CN107401210A (zh) * 2017-08-30 2017-11-28 北京顺景园林股份有限公司 一种雨水就地消纳利用的阶梯式绿地
CN113957855A (zh) * 2021-11-16 2022-01-21 宋佳 一种基于国土空间规划的区域生态整治修复装置

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