JP2000104256A - 盛土用発泡樹脂ブロック並びに盛土用ユニット - Google Patents

盛土用発泡樹脂ブロック並びに盛土用ユニット

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JP2000104256A
JP2000104256A JP10278735A JP27873598A JP2000104256A JP 2000104256 A JP2000104256 A JP 2000104256A JP 10278735 A JP10278735 A JP 10278735A JP 27873598 A JP27873598 A JP 27873598A JP 2000104256 A JP2000104256 A JP 2000104256A
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embankment
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resin block
foamed resin
banking
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Tetsuo Matsushita
哲夫 松下
Tetsuya Tateiwa
哲也 立岩
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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KANEPAALE SERVICE KK
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 盛土用発泡樹脂ブロックの開放面同士を接合
してなる盛土用ユニットとして使用するに好適な盛土材
において、水平方向の安定性を向上させることで横方向
の外力に対しても前記開放面の接触面積を強固に維持
し、盛土全体の安定性、施工時の安全性、及び取扱いや
保管の容易性を維持しつつ、更に冠水時の水の流通及び
排水性に優れた盛土用発泡樹脂ブロック並びに盛土用ユ
ニットを提供せんとする。 【解決手段】 発泡樹脂ブロック本体1a上面5に該上
面5側を開放した単又は複数の凹陥部2を設けるととも
に、該凹陥部2と、本体側面6外部と本体下面13外部
の一方又は双方とを連通させた盛土用発泡樹脂ブロック
であって、前記本体上面5の縁部に沿って上方に突設若
しくは開放する突条9及び凹溝10若しくは切欠溝を周
設するにつき、前記本体上面5における該上面5を線対
称に2等分する少なくとも1本の仮想線mを軸に互いに
対称な部位同士の突条9及び凹溝10若しくは切欠溝の
関係が逆になる構造であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に水位が上昇す
る虞れのある箇所に使用して好適な、盛土用発泡樹脂ブ
ロック及びそれを用いた盛土用ユニットに関し、更に詳
しくは、地震や地滑り等による横方向の力に対しても強
固にその積重状態を維持することのできる盛土用発泡樹
脂ブロック及び盛土用ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、軟弱地盤や急傾斜地における盛
土、構造物の裏込め盛土などを行う場合、荷重軽減及び
土圧低減を図るため、土砂を使用する代わりに盛土材と
して発泡合成樹脂製のブロックを積み重ねていくEPS
工法が広く採用されている。
【0003】前記EPS工法には多くの利点があり、例
えば、前記発泡合成樹脂製のブロック(以下、「盛土
用発泡樹脂ブロック」と称する。)の単位体積重量が土
砂の約1/100であるため、軟弱地盤の盛土材として
使用した場合に盛土荷重を大幅に低減できるとともに、
取り扱いが容易であるなど作業性が良好であり、土と
違って塑性上縁部に入っても一軸方向の圧縮力が卓越し
ているため、明確な剪断上縁部が発生せず、耐圧縮性に
優れており、自立性が良いので、直立に積み上げた場
合にも自立面が形成され、その上に荷重が作用した場合
でも側方への変形が極めて少ない。従って、橋台や擁壁
などの裏込め材として使用した場合に、背面に作用する
土圧を大幅に低減することができ、独立気泡を内蔵し
た合成樹脂の発泡体であるため、通常の施工状態では吸
水による材料特性に変化がなく、耐水性に優れており、
積み重ねには、大型建設機械が必要でなく人力での施
工が可能であるため、施工期間が短縮されるとともに、
傾斜地など大型機械の使用が難しい場所での施工が容易
になる等の利点がある。
【0004】しかしながら、上記の如き多くの利点を有
するEPS工法も、特に軟弱地盤などに採用する場合、
該地盤の地下水位の上昇、季節的な降雨、洪水などによ
り、盛土用発泡樹脂ブロックそのものが冠水してしまう
といった虞れがある。このように盛土用発泡樹脂ブロッ
クが冠水した場合、前述の如く軽量且つ耐水性に優れた
盛土用発泡樹脂ブロックの積層体には大きな浮力が作用
し、盛土全体を非常に不安定にするといった問題が生ず
る。
【0005】そこで、例えば実開平3−128730号
公報には、水の冠水する虞れのある下層に使用する盛土
用発泡樹脂ブロックとして、内部に水を流通させる空間
部を設けることで前記浮力を低減するものが提案されて
いる。
【0006】前記公開公報記載の盛土用発泡樹脂ブロッ
クは、成形の関係上、該ブロック2個を接合して1個の
盛土用ユニットとして使用するタイプであり、その構成
は、図7に示す如く、2個の発泡樹脂板51、51の組
み合わせからなり、一方の上面と他方の下面の互いに対
応する位置に複数の柱状の突起部52、…を設けて該突
起部52間を空間部53と為すとともに、その突起部5
2先端の端面同士を合致するように接合し、外周面には
不織布54を貼付してなるものであり、前記空間部53
に水を流通させることで当該盛土用ユニット50に作用
する浮力、延いては盛土全体に作用する浮力を低減する
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この様に水
の冠水する虞れのある下層に使用する盛土用発泡樹脂ブ
ロックには、上層に積層される盛土用発泡樹脂ブロッ
ク、その上部に敷設される土砂及び構造物などの荷重を
支持する強度が当然に必要となる。したがって、前述の
如き、開放面同士を接合してなる盛土用ユニットにおい
ては、その接合面の接触面積の維持及び座屈強度の維持
などが特に重要である。
【0008】しかしながら、上記の如く、柱状の突起部
52の先端同士で接合するものは、前記支持強度を十分
維持することが難しく、地震や地盤のすべり等による強
い横方向の力を受ける際には、前記突起部52が容易に
屈曲若しくは破損してしまい、前記接触面積が低下して
盛土全体が不安定な状態になるといった問題があった。
【0009】また、この様な水平方向の安定性に乏しい
盛土用発泡樹脂ブロック及び盛土用ユニットは、施工時
の足場が非常に不安定であるといった安全性の問題や、
運搬の際に前記突起部を発損し易やすいといった取り扱
い上の問題や、その他保管上の問題など、様々な問題が
生じていた。
【0010】本発明はかかる現況に鑑みなされたもの
で、盛土用発泡樹脂ブロックの開放面同士を接合してな
る盛土用ユニットとして使用するに好適な盛土材におい
て、水平方向の安定性を向上させることで横方向の外力
に対しても前記開放面の接触面積を強固に維持し、盛土
全体の安定性、施工時の安全性、及び取扱いや保管の容
易性を維持しつつ、更に冠水時の水の流通及び排水性に
優れた盛土用発泡樹脂ブロック並びに盛土用ユニットを
提供せんとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、発泡樹脂ブロック本体上面に該上面側を開
放した単又は複数の凹陥部を設けるとともに、該凹陥部
と、本体側面外部と本体下面外部の一方又は双方とを連
通させた盛土用発泡樹脂ブロックであって、前記本体上
面の縁部に沿って上方に突設若しくは開放する突条及び
凹溝若しくは切欠溝を周設するにつき、前記本体上面に
おける該上面を線対称に2等分する少なくとも1本の仮
想線を軸に互いに対称な部位同士の突条及び凹溝若しく
は切欠溝の関係が逆になる構造であることを特徴とする
盛土用発泡樹脂ブロックを構成した。
【0012】ここに、前記上面を線対称に2等分する仮
想線とは、例えば前記上面の形状を正方形とした場合に
は、互いに対向する各辺の中点同士を結んだ2本の線及
び2本の対角線が該当し、長方形の場合には長辺の中点
同士を結んだ線と短辺の中点同士を結んだ線の2本が該
当する。
【0013】また、上面を2等分する少なくとも1本の
仮想線を軸として互いに対称な上面部位同士の突条及び
凹溝若しくは切欠溝の関係が逆になる構造とは、各仮想
線を軸に上面を折り畳むと仮定した場合に前記突条と凹
溝若しくは切欠溝とが互いに嵌合する関係にある構造を
いい、即ち、当該盛土用発泡樹脂ブロック2個を、一方
を前記仮想線を軸に180°回転させた上で上面同士を
合致させ、盛土用ユニットとして組み立てた場合に、一
方の突条と他方の凹溝若しくは切欠溝とが互いに嵌合す
る関係となる構造をいう。従って、全く同形の当該盛土
用発泡樹脂ブロック2個を使用して、上面同士が密着嵌
合した盛土用ユニットを組み立てることができ、盛土用
発泡樹脂ブロックを作製する金型を2種類用意する必要
がなくなりコストを大幅に削減される。また、前記凹陥
部は冠水時に水を本体外部から取水し、盛土用発泡樹脂
ブロックに作用する浮力を小さくする。前記突条及び凹
溝若しくは切欠溝は、該発泡樹脂ブロックの上面同士を
合致させて盛土用ユニットを組み立てる際の嵌合部位で
あり、該嵌合部位としての前記突条及び凹溝若しくは切
欠溝はそれぞれ本体上面の周縁部に沿って設けられた横
長な形状であるため相当の強度を有しており、このよう
な盛土用発泡樹脂ブロック2個を上面同士を合致させて
盛土用ユニットとして組み立てた際には、前記突条及び
凹溝若しくは切欠溝同士が前記上面の周縁部に沿った略
連続した嵌合状態を形成し、横方向に対する支持強度が
大幅に向上する。
【0014】ここで、前記本体上面に該上面側を開放し
た複数の凹陥部を略格子状に設けるとともに、各凹陥部
と、本体側面外部と本体下面外部の一方又は双方とを連
通させれば、支持強度を維持しつつ冠水時には内部に多
量の水が流入され、該ブロック本体に作用する浮力を更
に小さくできる。
【0015】そして、本体上面から下方に切欠き形成さ
れ且つ前記凹陥部と本体側面外部とを連通する縦孔、及
び該凹陥部と本体下面外部とを連通する孔部を形成すれ
ば、冠水時に水平方向及び垂直方向に水を効果的に流通
させることが可能である。
【0016】ここで、前記縦孔の下端を、前記凹陥部の
底部より所定距離高く設定すれば、支持強度が十分に維
持される。
【0017】また、本体下面の2本の対角線全長にわた
って下方に開放した幅広な排水溝を形成し、且つ前記各
排水溝に平行して下方に開放した複数本の幅狭な排水溝
をそれぞれ前記下面に形成すれば、前記下面同士を合致
させて盛土用ユニットを順次積層する際に、前記下面間
に水を流通する流通路が形成され、冠水時の水の流通が
促進されるとともに、前記幅広な排水溝を把持して効率
よく運搬作業を行うことができる。このように本体下面
を手に持って容易に運搬できるので、本体上面の仕切部
位などを把持して破損してしまうといった不測の事態も
未然に防止できる。
【0018】ここで、前記幅広な排水溝を、下面の中心
位置から外方に向かって次第に深く形成すれば、水の流
通、特に水の排出能力が向上する。
【0019】また、本体側面の上下両縁部間にわたって
外方に開放した凹溝を形成すれば、該側面同士を合致さ
せて敷設する際、前記側面間に水を上下に流通する流通
路が形成され、冠水時の水の流通が促進される。
【0020】また、前記本体上面における該上面を線対
称に2等分する2本の仮想線を軸にそれぞれ互いに対称
な部位同士の突条及び凹溝若しくは切欠溝の関係が逆に
なる構造が好ましい。このような盛土用発泡樹脂ブロッ
ク2個を上面同士を合致させて盛土用ユニットとして組
み立てた際には、横方向に対する支持強度が更に向上す
る。
【0021】上記いずれかの2つの盛土用発泡樹脂ブロ
ックの上面同士を密接嵌合させた盛土用ユニットにあっ
ては、冠水時に該盛土用ユニットに生じる浮力が小さく
なる。また、地震や地滑り等により横方向に強い力が作
用しても、前記盛土用発泡樹脂ブロック同士の嵌合部位
が破損されることなく、上面同士の接触面積は強固に維
持され、盛土全体の安定性が維持される。更に、前記盛
土用ユニットを足場として作業する際や、倉庫で積み上
げて保管する際の安全性も向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に示した
実施例に基づき詳細に説明する。
【0023】図1〜図4は、本発明の一実施例による盛
土用発泡樹脂ブロックを示したもので、図1は一部破断
斜視図、図2は上面図、図3は下面図、図4は側断面図
である。尚、この盛土用発泡樹脂ブロックは、通常2個
一組で盛土用ユニットとして用いるため、上下の区別は
ないが、便宜上、図1は上面から見た時の一部破断斜視
図とする。
【0024】本実施例の盛土用発泡樹脂ブロック1は、
発泡ポリスチレン、発泡ポリウレタン、発泡ポリ塩化ビ
ニル及び発泡ポリオレフィン等の合成樹脂を発泡するこ
とにより、上面が方形又は多角形となる略角柱形状で一
体的に成形された樹脂発泡体であり、その発泡率は特に
制限はないが、周囲の緑化を促進するため10〜80倍
の範囲で選択される。単位体積重量は、約0.030〜
0.100t/m3 であり、0.050t/m3 程度の
ものが好適に使用される。また、そのサイズは作業能率
を考慮して1000×1000×250mm程度に設計
される。このような軽量な盛土用発泡樹脂ブロック1を
盛土材として採用すれば、運搬、組み立て等の施工時の
作業性が向上し、軟弱地盤上であってもその自重によっ
て地盤沈下が生じることはない。
【0025】前記盛土用発泡樹脂ブロック1は、上面5
が開口した発泡樹脂ブロック本体1aを有している。前
記発泡樹脂ブロック本体1aの内部には、上面5に開放
し水を貯留、流通する水溜部としての複数の凹陥部2、
…が形成されている。尚、本実施例の如く、16分割さ
れた凹陥部2、…を設ける場合には、各凹陥部2間の仕
切部位4の厚さは約60mm程度となり、前記仕切部位
4の肉厚は表面5側から基端側に向かって次第に厚くな
るように形成される。前記仕切部位4の厚さは該盛土用
発泡樹脂ブロック1に作用する荷重に十分耐えられるよ
うに、凹陥部2の大きさ等を考慮して適宜な値に設定さ
れる。更に、前記仕切部位4には各凹陥部2と本体側面
6外部とを連通するものとして、本体上面5から下方向
かって縦孔3が切欠き形成されている。このような縦孔
3は、水の流通効率を考慮すると、前記各凹陥部2を形
成する4方の仕切部位4、…にそれぞれ形成されること
が好ましいが、対向する2方の仕切部位に形成されるも
のであっても良い。尚、前記縦孔3の深さ寸法は、本実
施例においては発泡樹脂ブロック本体1aの高さの約半
分程度であり、その下端は前記凹陥部2の底部より所定
距離高く設定されているが、水を十分に流通し得るもの
であれば、例えば上面から10mm程度のものであって
も良い。また、本実施例の縦孔3は上面に開放した形状
であるが、本発明はこれに限らず、上面5に開放しない
長孔状その他の形状の孔であってよい。このように、凹
陥部2及び縦孔3を設けた発泡樹脂ブロック本体1a
は、仕切部位4の基端側が連続的に繋がった構造である
ため、この上に大荷重が掛かった場合にも変形が少なく
充分な耐力を発揮する。
【0026】また、発泡樹脂ブロック本体1aの側面6
には、前記縦孔3を含む周囲に、上下両縁部間にわたっ
て上下方向に延びる凹溝11が形成されている。該凹溝
11によれば、2個の盛土用発泡樹脂ブロック1、1を
横方向に突き合わせて敷設する際にも、隣接する発泡樹
脂ブロック本体1a間に水が流通し得る間隙が維持され
る。
【0027】そして、本体上面5の各縁部から所定の範
囲、例えば前記縁部から内側へ80mm、好ましくは前
記縁部から内側へ40mmの上縁部5aには、該上縁部
5aを本体外周に沿って本体内側と外側に略等分してな
る前記外側に、前記上面5全体を線対称に2等分する仮
想線mを軸に互いに対称な部位同士の凹凸関係が逆にな
る、幅5〜40mm、好ましくは10〜20mmの突条
9及び切欠溝10が周設されている。このような盛土用
発泡樹脂ブロック1として全く同形のものを2個用意
し、一方を例えば前記仮想線mを軸に180°回転させ
た上でそれぞれの上面5同士を合致させれば、一方の上
面5縁部近傍に沿って周設されている突条9及び切欠溝
10が、他方の上面5縁部近傍に沿って周設されている
切欠溝10及び突条9にそれぞれ嵌合し、上面5同士が
互いに密接嵌合した強固な盛土用ユニットが形成され、
横方向に対する支持強度を増大させることができるとと
もに、上下両方のブロックをその嵌合部位も含めて一種
類の金型で作製できるため、コストが大幅に削減され
る。また、嵌合部位としての前記突条9及び切欠溝10
自体が横長な形状であるため、運搬又は組み立て作業時
に誤って前記嵌合部位を破損してしまうといった事態も
未然に防止できる。
【0028】尚、本実施例では、前記嵌合部位としての
突条9及び切欠溝10を、前記本体上面5の縁部から所
定範囲にある上縁部5aを本体外周に沿って本体内側と
外側に略等分してなる前記外側にのみ設けられている
が、本発明はこれに限らず、前記内側若しくは内外両側
に、前記仮想線mを軸として互いに対称関係にある部分
同士が嵌合するように、突条及び切欠溝若しくは凹溝を
設けてもよい。特に前記突条を上面の4つの縁部にそれ
ぞれ付設しておくことが、盛土用発泡樹脂ブロックの安
定性が向上する点で好ましい。
【0029】また、図5に示す如く、前記上面5全体を
線対称に4つに等分する仮想線m、nを設定して、両仮
想線m、nに対してそれぞれ互いに対称な部位同士が嵌
合するように突条9及び切欠溝10を設けてもよい。こ
のような盛土用発泡樹脂ブロック1にあっては、2個の
盛土用発泡樹脂ブロックの上面同士を接合して盛土用ユ
ニットを組み立てる際に互いの凹凸関係を確かめること
なく何れの方向からも嵌合させることが可能となり、作
業能率が向上するとともに、特に前記突条が上面の4つ
の縁部に均一に設けられることとなり載置時な積載時の
安定性が向上して横方向に対する支持強度も更に向上さ
せることができる。
【0030】一方、発泡樹脂ブロック本体下面13に
は、図3に示す如く、その2本の対角線全長にわたって
下方に開放した幅10〜20mmの幅広な排水溝7a、
7aが形成され、更に前記各排水溝7aに平行して下方
に開放した幅10mm未満の複数の幅狭な排水溝7b、
…をそれぞれ前記下面13の縁部間にわたって形成され
ており、各排水溝7a、7bの底部には、各凹陥部2の
底部に連通する直径10mm程度の複数の孔部8、…が
設けられている。この様に排水溝7a、7bを形成すれ
ば、盛土用ユニットを積層した際にその接触面に水を流
通する流通路が維持され、周囲の緑化にも効果的であ
り、更に前記幅広な排水溝7aを、前記下面13の中心
から外方に向かって次第に深く形成すれば、その排水能
力が一段と向上する。前記幅広な排水溝7aは、運搬時
には把持部として有効に機能し、作業者が不用意に仕切
壁等を手に持って破損してしまうといった不測の事態を
未然に回避できる。尚、前記排水溝7a、7bは、それ
ぞれ上面の対角線に対して平行に設けられているが、こ
れに代えて、又はこれに加えて、前記下面の稜に対して
平行に一本以上の排水溝を設けることも好ましい。
【0031】本実施例の盛土用発泡樹脂ブロック1は、
上記の如き構成であるが、以下にその使用例について説
明する。
【0032】この盛土用発泡樹脂ブロック1は、湖沼跡
などの軟弱地盤を始めとし、地下水位の高い箇所での盛
土材として好適に使用することができる。更に、通常の
道路盛土、地滑り地の盛土、拡幅盛土、急傾斜地拡幅盛
土、水路基礎、仮設道路、埋設管基礎・保護など、様々
な現場において、土に代えて好適に使用することができ
る。通常、前記発泡樹脂ブロック1を盛土材として使用
する場合には、図6に示す如く、上記上面5の縁部から
所定の上縁部5aに周設された突条9及び切欠溝10を
嵌合させて該上面同士密接嵌合させてなる盛土用ユニッ
ト20を一単位として、順次敷設及び積層される。
【0033】前記盛土用ユニット20内部には凹陥部2
を2個連接した空間部2aが形成されるが、一対の盛土
用発泡樹脂ブロック1、1の上面5、5間における互い
の接触面積は比較的大きく、更に各盛土用ユニット20
内における格子状の仕切部位4、…がその基部側が一体
的に繋がった状態で突き合わされてリブの如き補強材と
して作用し、しかも本体上面5の縁部近傍に沿って周設
された突条9及び切欠溝10により互いに強固に嵌合し
ているため、多少の荷重が加わっても変形又は崩壊しな
い強い支持強度を有している。そして保管時や運搬時な
ど、前記嵌合状態を更に確実なものにするには、例えば
上下の盛土用発泡樹脂ブロックにわたる単又は複数個の
門形固定具を外表面に埋設することでガタつくことなく
強固に連結しておくことが好ましい。
【0034】尚、上下方向に積層された各盛土用ユニッ
ト20間では、排水溝7a、7bが互いに重合している
が、孔部8同士は直線状に連通しているとは限らない。
【0035】このような盛土用ユニット20を上下左右
方向に積載すると、雨などが降って上下から雨水が接近
してきた場合には、例えば、下面13に設けられた排水
溝7a、7bを介して水が流れるとともに、さらに孔部
8を介して、或いは周囲の縦孔3を介して凹陥部2内に
前記雨水を取り込むことができる。これにより、盛土用
発泡樹脂ブロック1の比重を高めることができ、水が冠
水したときの浮力を極力抑えることができる。また、前
記盛土用ユニット20を幾段にも重ねている場合、上位
の盛土用ユニット20側から下方の盛土用ユニット20
側に水が流下するが、2つの盛土用ユニット間の排水溝
7a、7bは側面に設けた凹溝11によって互いに連通
しているので、これらの排水溝7a、7b及び凹溝11
を流通させて下方の盛土用ユニット20内の凹陥部2内
に水を取り込むことができる。
【0036】ここで、上記各盛土用発泡樹脂ブロック1
における嵌合部位としての突条9及び切欠溝10と側面
との接合部に沿って、排水溝12を設けておけば、前記
側面に上下方向に設けた凹溝11、…同士を水平方向に
連結させることができ、水の排水効率を更に向上でき
る。
【0037】一方、下方から地下水などが上昇してきた
場合には、盛土用ユニット20を構成する下位の盛土用
発泡樹脂ブロック1の孔部8或いは周囲の縦孔3を介し
て、上位の盛土用発泡樹脂ブロック1内部の凹陥部2に
水を取り込むことができる。この場合、盛土用ユニット
20を構成する上位の盛土用発泡樹脂ブロック1の孔部
8が空気孔として機能するため、前記凹陥部2内部の空
気を速やかに外方に逃し、水の侵入を滞りなくスムーズ
に行うことができる。また、施工時には、地盤強度や盛
土用ユニットに係る浮力を考慮して、該盛土用ユニット
の内部に適宜バラス、コンクリート等を入れておくこと
が好ましい。
【0038】
【発明の効果】以上にしてなる本発明の盛土用発泡樹脂
ブロックによれば、全く同形の盛土用発泡樹脂ブロック
2個を使用して、上面同士が密着嵌合した盛土用ユニッ
トを組み立てることができ、盛土用発泡樹脂ブロックを
作製する金型を2種類用意する必要がなくなりコストを
大幅に削減できる。また、冠水時には本体外部から凹陥
部に水を取水できるので、発泡樹脂ブロックに作用する
浮力を小さくできる。更に、上記嵌合部位としての前記
突条及び凹溝若しくは切欠溝は相当の強度を有してお
り、盛土用ユニットとして組み立てた際には横方向に対
する支持強度が大幅に向上する。
【0039】前記本体上面に該上面側を開放した複数の
凹陥部を略格子状に設けるとともに、各凹陥部と、本体
側面外部と本体下面外部の一方又は双方とを連通させれ
ば、支持強度を維持しつつ冠水時には内部に多量の水を
流入でき、該ブロック本体に作用する浮力を更に小さく
できる。
【0040】本体上面から下方に切欠き形成され前記凹
陥部と本体側面外部とを連通する縦孔、及び該凹陥部と
本体下面外部とを連通する孔部を形成すれば、冠水時に
水平方向及び垂直方向に水を効果的に流通させることが
できる。
【0041】前記縦孔の下端を前記凹陥部の底部より所
定距離高く設定すれば、支持強度を十分に維持できる。
【0042】本体下面の2本の対角線全長にわたって下
方に開放した幅広な排水溝を形成し、且つ前記各排水溝
に平行して下方に開放した複数本の幅狭な排水溝をそれ
ぞれ前記下面に形成すれば、冠水時の水の流通を促進で
きるとともに、前記幅広な凹溝を把持して効率良く運搬
でき、本体上面の仕切部位などを把持して破損してしま
うといった不測の事態も未然に回避できる。
【0043】前記幅広な排水溝を下面の中心位置から外
方に向かって次第に深く形成すれば、水の流通、特に水
の排出能力を向上できる。
【0044】本体側面の上下両縁部間にわたって外方に
開放した凹溝を形成すれば、該側面同士を合致させて敷
設する際に冠水時の水の流通を促進できる。
【0045】また、前記本体上面における該上面を線対
称に2等分する2本の仮想線を軸にそれぞれ互いに対称
な部位同士の突条及び凹溝若しくは切欠溝の関係が逆に
なる構造にすれば、盛土用ユニットとして組み立てた際
に横方向に対する支持強度が更に向上する。
【0046】上記いずれかの2つの盛土用発泡樹脂ブロ
ックの上面同士を密接嵌合させた盛土用ユニットにあっ
ては、冠水時に該盛土用ユニットに生じる浮力を小さく
できる。また、地震や地滑り等により横方向に強い力が
作用しても、盛土全体の安定性を維持できる。更に、前
記盛土用ユニットを足場として作業する際や、倉庫で積
み上げて保管する際の安全性も向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る盛土用発泡樹脂ブロックの一実施
例を示す一部破断斜視図。
【図2】同じく盛土用発泡樹脂ブロックの一実施例を示
す上面図。
【図3】同じく盛土用発泡樹脂ブロックの一実施例を示
す下面図。
【図4】同じく盛土用発泡樹脂ブロックの一実施例を示
す断面図。
【図5】同じく盛土用発泡樹脂ブロックの他の実施例を
示す一部破断斜視図。
【図6】本発明に係る盛土用ユニットの一実施例を示す
断面図。
【図7】(a)は、空間部を設けた従来の盛土材を示す
説明図。(b)は、前記従来の盛土材を2個重ねあわせ
てなる従来の盛土用ユニットを示す説明図。
【符号の説明】
1 盛土用発泡樹脂ブロック 1a 発泡樹
脂ブロック本体 2 凹陥部 2a 空間部 3 縦孔 4 仕切部位 5 上面 5a 上縁部 6 側面 7a 排水溝 7b 排水溝 8 孔部 9 突条 10 切欠溝 11 凹溝 12 排水溝 13 下面 20 盛土用
ユニット m、n 仮想線 50 盛土用
ユニット 51 発泡樹脂板 52 突起部 53 空間部 54 不織布

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡樹脂ブロック本体上面に該上面側を
    開放した単又は複数の凹陥部を設けるとともに、該凹陥
    部と、本体側面外部と本体下面外部の一方又は双方とを
    連通させた盛土用発泡樹脂ブロックであって、前記本体
    上面の縁部に沿って上方に突設若しくは開放する突条及
    び凹溝若しくは切欠溝を周設するにつき、前記本体上面
    における該上面を線対称に2等分する少なくとも1本の
    仮想線を軸に互いに対称な部位同士の突条及び凹溝若し
    くは切欠溝の関係が逆になる構造であることを特徴とす
    る盛土用発泡樹脂ブロック。
  2. 【請求項2】 本体上面に該上面側を開放した複数の凹
    陥部を略格子状に設けるとともに、各凹陥部と、本体側
    面外部と本体下面外部の一方又は双方とを連通させた請
    求項1記載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  3. 【請求項3】 本体上面から下方に切欠き形成され且つ
    前記凹陥部と本体側面外部とを連通する縦孔、及び該凹
    陥部と本体下面外部とを連通する孔部を形成してなる請
    求項1又は2記載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  4. 【請求項4】 前記縦孔の下端が前記凹陥部の底部より
    所定距離高く設定されている請求項3記載の盛土用発泡
    樹脂ブロック。
  5. 【請求項5】 本体下面の2本の対角線全長にわたって
    下方に開放した幅広な排水溝を形成し、且つ前記各排水
    溝に平行して下方に開放した複数本の幅狭な排水溝をそ
    れぞれ前記下面の縁部間にわたって形成してなる請求項
    1〜4の何れか1項に記載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  6. 【請求項6】 前記幅広な排水溝が、下面の中心位置か
    ら外方に向かって次第に深く形成されている請求項5記
    載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  7. 【請求項7】 本体側面の上下両縁部間にわたって外方
    に開放した凹溝を形成してなる請求項1〜6の何れか1
    項に記載の盛土用発泡樹脂ブロック。
  8. 【請求項8】 前記本体上面における該上面を線対称に
    2等分する2本の仮想線を軸にそれぞれ互いに対称な部
    位同士の突条及び凹溝若しくは切欠溝の関係が逆になる
    構造である請求項1〜7の何れか1項に記載の盛土用発
    泡樹脂ブロック。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れか1項に記載された
    2つの盛土用発泡樹脂ブロックの上面同士を密接嵌合さ
    せてなる盛土用ユニット。
JP10278735A 1998-09-30 1998-09-30 盛土用発泡樹脂ブロック並びに盛土用ユニット Withdrawn JP2000104256A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014163050A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡樹脂製の盛土用ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニットならびに盛土用ユニットからなる盛土構築体

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JP2014163050A (ja) * 2013-02-21 2014-09-08 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡樹脂製の盛土用ブロックおよびそれを用いた盛土用ユニットならびに盛土用ユニットからなる盛土構築体

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