JP2000103102A - サーマルスタンパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】搬送状態にある包材上にサーマルプリントヘッ
ドにより印字し、印字汚れを解消し、印字品位を犠牲に
することなく、転写リボン消費量を節約する。 【解決手段】サーマルプリントヘッド７と、サーマルプ
リントヘッドを包材Ｈに対する非印字位置Ｐ₁ 並びに印
字位置Ｐ₂ にアップ・ダウン駆動させるサーマルプリン
トヘッド駆動手段８と、サーマルプリントヘッドと包材
との間に転写リボンＴＲを供給案内するための転写リボ
ン送り手段９と、包材の搬送速度を検出する包材搬送速
度検出手段１０とを含み、ヘッドのダウン作動時に、転
写リボンを前送りし、ヘッドによる包材への印字時に、
転写リボンの送り速度と包材の送り速度とを一致させ、
ヘッドのアップ作動時に、転写リボンを後送りし、ヘッ
ドが包材から離れた時点で転写リボンの送りを停止した
後、転写リボンを所定量巻き戻し制御する制御手段を設
けてなるサーマルスタンパ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、製造ラ
イン中における包装工程において、その各種包材に対し
て、多様化した伝達情報を選択的に印字処理可能になし
た、所謂スタンパによる印字システムに対してサーマル
プリントヘッドを適用したサーマルスタンパに係るもの
であり、特に、搬送状態の包材への印字を可能とし、印
字品位を犠牲にすることなく、且つ、転写リボン消費量
の節約に適合するサーマルスタンパに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、産業流通社会における流
通商品包装システムの多様化、並びに情報処理の多様化
にともない、各種包装システムによって包装された包装
商品に対するリアルタイムでの伝達情報印字システムの
開発が要求されている。例えば、製造ライン中における
包装工程において、その多様化する各種包装材料（プラ
スチックフィルム、紙、ラベルシート等）の被印字体に
対して、製造年月日、製造管理番号またはバーコード、
さらには食品類にあってはその賞味期限等を表示するよ
うな場合、包装システムの完全自動化にともない、上記
するような表示内容をコンピュータ処理によりリアルタ
イムで変更しなければならない。このような場合に、上
記する被印字体に対して即効的に印字処理することがで
き、当該状況に的確に応答し得るスタンパ装置が要望さ
れている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一例になる従来のスタ
ンパ装置は、スタンパに所望の活字を予めセットしてお
き、当該活字を空気圧あるいは電動にて被印字体に押し
つけて、被印字体上に印字処理を行う方式が知られてい
る。この方式は、任意の文字に印字内容を変更すること
ができず、さらには、グラフィックパターンあるいはバ
ーコード等の印字内容を都度変更することができないも
のであって、多様化する伝達情報の印字処理に対して適
合し得ないものであった。

【０００４】さらにまた、従来の他のスタンパ装置にあ
って、インクジェット方式のものでは、インクの吸着性
の点において、被印字体の材質に制約があるなどの大き
な問題点を有していた。

【０００５】一方、同一出願人は、上記する従来の各種
スタンパ装置にみられる欠点並びに問題点を解消する目
的において、自動化する包装工程にあって、当該各種の
包装材料で供される包装物を被印字体として、これら
に、製造年月日、製造管理番号、バーコード、種々のグ
ラフィックパターン、さらには食品類に対する賞味期限
などの伝達情報をコンピュータとオンラインし、リアル
タイムで印字内容の変更を可能になし、多様的な伝達情
報を選択的に印字処理可能になしたサーマルスタンパを
開発し、これを特願平７−５３４０６号として特許出願
している。この特願平７−５３４０６号にかかるサーマ
ルスタンパは、本発明とその基本的構成においては符合
するものである。

【０００６】上記する同一出願人による特願平７−５３
４０６号にかかるサーマルスタンパは、基本的には、直
線状の発熱ドット素子列からなる発熱体をもつサーマル
プリントヘッドと、前記サーマルプリントヘッドを駆動
させるためのサーマルプリントヘッド駆動手段と、転写
リボンを送るための転写テープ送り手段とを備えたもの
からなっている。このサーマルスタンパは、より具体的
には、転写リボン並びにラベルなどの被印字体を停止さ
せた状態でサーマルプリントヘッドを走行移動させて印
字処理する構造になっており、走行印字期間中、転写リ
ボンが弛まないように、走行するサーマルプリントヘッ
ドを搭載する台車に対し、一体に移動する移動ガイドロ
ーラが取り付けてある。従って、走行するサーマルプリ
ントヘッドが印字開始ポジションから印字終了ポジショ
ンに至る間、当該転写リボンは、静止ガイドローラ間に
おいて常時一定の長さを確保する。このように構成する
ことによって、走行印字期間中、転写リボンに弛みが生
じることがないので、転写リボンの送りを制御しなくて
もよいという作用効果を奏する。

【０００７】しかしながら、上記するサーマルスタンパ
では、転写リボンを移動ガイドローラの内側にセットし
なければならないため、転写リボンの交換装填に際して
その作業の困難性が強いられていた。すなわち、同一出
願人の開発にかかる特願平７−５３４０６号のサーマル
スタンパは、転写リボンの弛みに対する送り制御が不要
であるという有効な作用効果を奏する反面、転写リボン
の交換装填に際して煩雑な作業を要するという問題点が
あった。

【０００８】さらに、同一出願人は、上記する特願平７
−５３４０６号にかかるサーマルスタンパの問題点を解
消する目的において、特に、転写リボンの装填に関し
て、当該転写リボンを転写リボンガイド部材並びにサー
マルプリントヘッドなどの各構成部材の外周囲に周回さ
せてセットするように構成し、もって、転写リボンの交
換装填作業の簡易化を図り得るようになしたサーマルス
タンパを開発し、これを特願平７−２６２２６３号とし
て特許出願している。

【０００９】上記する同一出願人による特願平７−２６
２２６３号にかかるサーマルスタンパは、印字すべき被
印字体である包材側を停止させておき、サーマルスタン
パ側を走行移動させて、サーマルスタンパ側に組み込ん
だサーマルプリントヘッドによって転写リボン越しに前
記包材上に印字処理を行うように構成してある。この特
願平７−２６２２６３号にかかるサーマルスタンパで
は、包装関連装置において、高速で連続して搬送されて
いる包材に対する印字処理には不適当なものであった。

【００１０】この発明は、上記する同一出願人による特
願平７−２６２２６３号にかかるサーマルスタンパに対
し、特に、包装関連装置において搬送状態にある包材上
にサーマルプリントヘッドによる印字を可能になし、印
字汚れなどの問題を解消し、印字品位を犠牲にすること
なく、且つ、転写リボン消費量の節約に適合するサーマ
ルスタンパを提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記する目
的を達成するにあたって、具体的には、プラテンローラ
上に案内される搬送状態の包材に対し、前記プラテンロ
ーラの位置でサーマルプリントヘッドを包材上に接触さ
せ、前記サーマルプリントヘッドにより包材上に印字を
行うサーマルスタンパであって、発熱ドット素子列から
なる発熱体をもつサーマルプリントヘッドと、前記サー
マルプリントヘッドを前記包材に対する非印字位置Ｐ₁
並びに印字位置Ｐ₂ にアップ・ダウン駆動させるサーマ
ルプリントヘッド駆動手段と、前記サーマルプリントヘ
ッドと包材との間に転写リボンを供給案内するための転
写リボン送り手段と、前記包材の搬送速度を検出する包
材搬送速度検出手段とを含み、前記サーマルプリントヘ
ッドのダウン作動時に、前記転写リボンを前送りし、前
記サーマルプリントヘッドによる包材への印字時に、前
記転写リボンの送り速度と包材の送り速度とを一致さ
せ、前記サーマルプリントヘッドのアップ作動時に、前
記転写リボンを後送りし、前記サーマルプリントヘッド
が包材から離れた時点で前記転写リボンの送りを停止し
た後、前記転写リボンを所定量巻き戻し制御する制御手
段を設けてなるサーマルスタンパを構成するものであ
る。

【００１２】さらに、この発明では、前記サーマルプリ
ントヘッド駆動手段が、第１の駆動源と、前記サーマル
プリントヘッドを非印字位置Ｐ₁ と印字位置Ｐ₂ との間
で往復動させるための伝動機構とを含むものからなるサ
ーマルスタンパを構成するものでもある。

【００１３】さらにまた、この発明では、前記転写リボ
ン送り手段が、第２の駆動源と、前記第２の駆動源によ
って前記転写リボンをニューリボン供給側から使用済み
リボン回収側に向けて送り込み案内する転写リボン送り
機構とを含むものからなるサーマルスタンパを構成する
ものでもある。

【００１４】さらに、この発明では、前記包材搬送速度
検出手段が、前記プラテンローラに接続されたエンコー
ダを含むものからなるサーマルスタンパを構成する。

【００１５】

【発明の実施の態様】以下、この発明になるサーマルス
タンパについて、図面に示す具体的な実施例にもとづい
て詳細に説明する。まず、この発明になるサーマルスタ
ンパの具体的な実施例にあって、その全体的構成につい
て、図１〜図９にもとづいて説明する。図１は、この発
明になるサーマルスタンパの全体構造についての具体的
な実施例を示す概略的な正面図である。図２は、図１に
示すサーマルスタンパを左サイドから見た概略的な左側
面図であり、図３は、図１に示すサーマルスタンパを右
サイドから見た概略的な右側面図である。

【００１６】図４は、この発明の具体例になるサーマル
スタンパにあって、サーマルプリントヘッドをアップ駆
動並びにダウン駆動させるためのサーマルプリントヘッ
ド駆動手段の例を示すものであって、図４Ａは、サーマ
ルプリントヘッドをダウンさせた印字の状態を示す概略
的な正面図であり、図４Ｂは、サーマルプリントヘッド
をアップさせた非印字の状態を示す概略的な正面図であ
る。

【００１７】図５は、この発明の具体例になるサーマル
スタンパにあって、転写リボンを送るための転写リボン
送り手段の全体構成を示す概略的な正面図であり、図６
は、図５に示す転写リボン送り手段の構成例を示す側面
図であって、図６Ａは、図５を左サイドから見た概略的
な左側面図であり、図６Ｂは、図５を右サイドから見た
概略的な右側面図である。

【００１８】一方、図７は、この発明の具体例になるサ
ーマルスタンパにあって、包材の搬送速度を検出するた
めの包材搬送速度検出手段の具体的の構成例を示すもの
であって、図７Ａは、その概略的な正面図、図７Ｂは、
その概略的な平面図、図７Ｃは、その概略的な右側面図
である。

【００１９】さらにまた、図８は、この発明の具体例に
なるサーマルスタンパにあって、左側にヘッドを備えた
左ヘッドタイプの装置例の外観を示すものであって、図
８Ａは、その概略的な正面図、図８Ｂは、その概略的な
左側面図、図８Ｃは、その概略的な右側面図である。こ
れに対して、図９は、右側にヘッドを備えた右ヘッドタ
イプの装置例の外観を示すものであって、図９Ａは、そ
の概略的な正面図、図９Ｂは、その概略的な左側面図、
図９Ｃは、その概略的な右側面図である。

【００２０】この発明になるサーマルスタンパ１は、基
本的には、コンパクトな機体枠２によって構成される。
前記機体枠２は、第１の基板３と、前記第１の基板３に
対して複数の組み立てポール５を介して所定の間隔を隔
てて平行に組み立てた第２の基板４とを含むものからな
っている。さらに、前記機体枠２は、前記第１の基板３
と前記第２の基板４との間に、前記第１および第２の基
板３、４に平行に配した中間基板６を含むものからなっ
ている。

【００２１】この発明になるサーマルスタンパ１は、直
線状の発熱ドット素子列からなる発熱体をもつサーマル
プリントヘッド７およびこのサーマルプリントヘッド７
を駆動させるためのサーマルプリントヘッド駆動手段８
を備えており、さらには、転写リボンＴＲを送るための
転写リボン送り手段９と、包材の搬送速度を検出する包
材搬送速度検出手段１０とを備えてたものからなってい
る。

【００２２】この発明になるサーマルスタンパ１におい
て、前記サーマルプリントヘッド駆動手段８は、サーマ
ルプリントヘッド駆動用の第１の駆動源１１と、前記サ
ーマルプリントヘッド７を非印字位置Ｐ₁ と印字位置Ｐ
₂ との間で往復動させるための伝動機構１２とを含むも
のからなっている。

【００２３】以下、図４Ａおよび図４Ｂに基づいて、前
記サーマルプリントヘッド駆動手段８の具体的な構成並
びに作動態様について説明する。前記サーマルプリント
ヘッド駆動手段８の第１の駆動源１１は、サーマルプリ
ントヘッド駆動用のパルスモータである。このモータ１
１の回転出力軸１３には、タイミングプーリ１４が取り
付けてある。一方、前記中間基板６には、前記モータ１
１の回転出力軸１３に対して間隔をおいて平行にのびる
伝動駆動軸１５が回転可能に設けてある。

【００２４】前記伝動駆動軸１５には、タイミングプー
リ１６が取り付けられてある。前記モータ１１の回転出
力軸１３に取り付けてあるタイミングプーリ１４と、前
記伝動駆動軸１５に取り付けてあるタイミングプーリ１
６との間にはタイミングベルト１７が張装してあり、前
記モータ１１の回転出力軸１３と前記伝動駆動軸１５と
が伝動連結されている。

【００２５】より具体的な実施例によれば、前記タイミ
ングプーリ１４の歯数を４８歯に設定し、前記タイミン
グプーリ１６の歯数を２０歯に設定することによって、
前記モータ１１の１回転につき、前記伝動駆動軸１５を
２．４回転させることができるようになっている。

【００２６】さらに、前記伝動駆動軸１５には、サーマ
ルプリントヘッド７をアップ・ダウン駆動するためのア
ップ・ダウン駆動用カム部材１８が取り付けてある。前
記アップ・ダウン駆動用カム部材１８は、前記伝動駆動
軸１５の軸心から離れる方向に突出している第１のカム
作用部１８Ａと、第２のカム非作用部１８Ｂとを有して
いる。前記第１のカム作用部１８Ａは、例えば、図に示
す実施例のもののように１２０°の角度間隔をおいて設
けられている。

【００２７】一方、前記サーマルプリントヘッド７は、
サーマルプリントヘッド支持体１９に支持されている。
前記サーマルプリントヘッド支持体１９は、回転軸２０
に対して回動可能に取り付けられており、前記回転軸２
０に対して一方の側１９ａにサーマルプリントヘッド７
が支持されていて、前記回転軸２０に対して他方の側１
９ｂに、前記アップ・ダウン駆動用カム部材１８に対す
るカムフォロアＣＦが取り付けてある。

【００２８】前記サーマルプリントヘッド支持体１９
は、スプリング部材２１によって、常時は前記回転軸２
０のまわりに時計方向に押圧付勢されており、前記サー
マルプリントヘッド７をプラテンローラＰＲ上の包材面
上に押圧付勢している。前記サーマルプリントヘッド７
のヘッド圧は、ヘッド圧切り換えレバー２２によって調
整できるようになっている。

【００２９】上記構成になるサーマルプリントヘッド駆
動手段８によれば、サーマルプリントヘッド駆動用のパ
ルスモータ１１の回転にともない、タイミングプーリ１
４、タイミングベルト１７、タイミングプーリ１６、伝
動駆動軸１５を介して前記アップ・ダウン駆動用カム部
材１８が回転し、前記アップ・ダウン駆動用カム部材１
８における第１のカム作用部１８ＡがカムフォロアＣＦ
に接する時間帯にサーマルプリントヘッド７をアップさ
せて、サーマルプリントヘッド７を非印字位置Ｐ ₁ に位
置決めし（図４Ｂ参照）、前記アップ・ダウン駆動用カ
ム部材１８における第２のカム非作用部１８Ｂがカムフ
ォロアＣＦに対向する時間帯にサーマルプリントヘッド
７をダウンさせて、サーマルプリントヘッド７を印字位
置Ｐ₂ に位置決めする（図４Ａ参照）。

【００３０】次いで、この発明の具体例になるサーマル
スタンパ１における転写リボン送り手段９について詳細
に説明する。前記転写リボン送り手段９は、前記サーマ
ルプリントヘッド７と包材Ｈとの間に転写リボンＴＲを
供給案内するためのものであり、基本的には、第２の駆
動源２３と、前記第２の駆動源２３によって前記転写リ
ボンＴＲをニューリボン供給部２５から使用済みリボン
回収部２６に向けて送り込み案内する転写リボン送り機
構２４とを含むものからなっている。

【００３１】前記転写リボン送り手段９における第２の
駆動源２３は、転写リボン駆動用のパルスモータであ
る。このモータ２３の回転出力軸２７には、タイミング
プーリ２８が取り付けてある。一方、前記第１の基板３
には、前記モータ２３の回転出力軸２７に対して間隔を
おいて平行にのびる転写リボン送りローラ軸２９、３０
が設けてあり、前記転写リボン送りローラ軸２９に対し
ては、タイミングプーリ３１が取り付けてあり、前記転
写リボン送りローラ軸３０には、タイミングプーリ３２
および別のタイミングプーリ３３が取り付けてある。

【００３２】前記モータ２３の回転出力軸２７に取り付
けられているタイミングプーリ２８と、前記転写リボン
送りローラ軸２９に取り付けられているタイミングプー
リ３１と、前記転写リボン送りローラ軸３０に取り付け
られているタイミングプーリ３２との間にタイミングベ
ルト３４が張装されており、前記タイミングベルト３４
は、アイドラプーリ３５によって調整されている。

【００３３】一方、前記転写リボンＴＲは、ニューリボ
ン供給部２５におけるニューリボンホルダー３６にセッ
トされ、ガイドローラ３７、前記転写リボン送りローラ
軸２９に取り付けられている転写リボン送りローラ３
８、サーマルプリントヘッド７および前記転写リボン送
りローラ軸３０に取り付けられている転写リボン送りロ
ーラ３９を迂回して前記使用済みリボン回収部２６にお
ける使用済みリボンホルダ４０に巻き取られるようにな
っている。

【００３４】前記転写リボンＴＲは、前記転写リボン送
りローラ３８に対向して配してある押さえローラ４１、
前記転写リボン送りローラ３９に対向して配してある押
さえローラ４２によって案内されており、転写リボン駆
動用のパルスモータの駆動時に、図中矢印Ａ方向に送ら
れるようになっている。

【００３５】前記使用済みリボン回収部２６における巻
取り軸４３には、タイミングプーリ４４が取り付けてあ
り、前記転写リボン送りローラ軸３０に取り付けられて
いるタイミングプーリ３３との間にタイミングベルト４
５が張装されている。前記タイミングベルト４５は、ア
イドラプーリ４６、４７によって調整されている。前記
使用済みリボン回収部２６における巻取り軸４３は、転
写リボン駆動用のパルスモータ２３の回転に伝動して回
転し、前記転写リボンＴＲを巻取り側に引っ張り駆動す
るようになっている。

【００３６】さらに、前記使用済みリボン回収部２６に
おける巻取り軸４３には、クラッチ４８が組み込まれて
いて、後述する転写リボン巻き戻し時に、前記使用済み
リボンホルダ４０をスリップリング支持するように構成
してある。

【００３７】次いで、この発明になるサーマルスタンパ
１における包材搬送速度検出装置１０の具体的な構成例
について、図７各図を参照して説明する。前記包材搬送
速度検出装置１０は、前記プラテンローラＰＲに対し、
接触ローラＣＲを介して接続されたエンコーダ４９を含
むものからなっている。より具体的には、前記包材搬送
速度検出装置１０は、エンコーダアップ・ダウンレバー
部材５０を含み、前記エンコーダアップ・ダウンレバー
部材５０には、回転軸５１が設けてあり、前記回転軸５
１に対してタイミングプーリ５２が取り付けてある。

【００３８】前記エンコーダ４９の回転軸５３には、タ
イミングプーリ５４が取り付けられており、前記回転軸
５１に取り付けてあるタイミングプーリ５２との間にタ
イミングベルト５５が張装してある。

【００３９】前記エンコーダアップ・ダウンレバー部材
５０は、二安定バネ部材５６によって、図７Ａにおいて
実線で示す作動位置と、点線で示す非作動位置との間を
手動によって切り換えることができるようになってい
る。

【００４０】図８各図および図９各図は、この発明の具
体例になるサーマルスタンパ１にあって、左側にサーマ
ルプリントヘッドを備えた左ヘッドタイプの装置例の外
観および右側にサーマルプリントヘッドを備えた右ヘッ
ドタイプの装置例の外観を示すものである。

【００４１】図８各図に示す左ヘッドタイプの装置例で
は、図８Ａに示す正面側に各種表示部６０のための前面
パネル６１を有し、図８Ｃに示す右側面図において、そ
の左側にサーマルプリントヘッドを備え、右側にエンコ
ーダアップ・ダウンレバー部材５０の操作部６２が設け
てあり、図８Ｂに示す左側面図において、その左側に各
種接続のためのコネクタ部６３が設けてある。

【００４２】図９各図に示す右ヘッドタイプの装置例で
は、図９Ａに示す正面側に各種表示部６０のための前面
パネル６１を有し、図８Ｂに示す左側面図において、そ
の右側にサーマルプリントヘッドを備え、左側にエンコ
ーダアップ・ダウンレバー部材５０の操作部６２が設け
てあり、図８Ｃに示す右側面図において、その右側に各
種接続のためのコネクタ部６３が設けてある。

【００４３】次いで、この発明になるサーマルスタンパ
１におけるサーマルプリントヘッドスライド駆動手段
８、転写リボン送り手段９および包材搬送速度検出手段
１０についての制御システム、並びに駆動タイミング制
御について図１０〜図１２にもとづいて説明する。

【００４４】まず、この発明になるサーマルスタンパ１
の制御において重要な点は、サーマルプリントヘッド７
のアップ・ダウン駆動と、転写リボンＴＲの送りとの関
係にあって、サーマルプリントヘッド７のアップ・ダウ
ン駆動時における印字汚れ対策と、転写リボンＴＲの送
り量の節約を如何に制御するかにある。

【００４５】以下、図１０に示すフローチャート図に基
づいて、サーマルプリントヘッド７のアップ・ダウン駆
動と、転写リボンＴＲの送り制御について説明する。ま
ず、図１０に示すフローチャート図において、サーマル
プリントヘッド駆動用のパルスモータ１１の駆動によ
り、サーマルプリントヘッド駆動手段８が作動して、サ
ーマルプリントヘッド７のダウンが開始し、サーマルプ
リントヘッド７が対向するプラテンローラＰＲ上を走行
する包材Ｈに転写リボンＴＲを挟み込む状態で接触す
る。

【００４６】前記サーマルプリントヘッド７のダウン開
始後、前記サーマルプリントヘッド７がプラテンローラ
ＰＲに接触するまでに、転写リボン駆動用のパルスモー
タ２３の駆動により、転写リボン送り手段９が作動し
て、転写リボンＴＲの送りが開始する。前記サーマルプ
リントヘッド７が完全にダウンする時には、転写リボン
ＴＲの送り速度が包材Ｈの送り速度と同じようになるよ
うにする。この転写リボンＴＲの送りを、転写リボンの
前送りとする。このように転写リボンの前送りを設定す
ることによって、サーマルプリントヘッド７のダウン時
の包材Ｈに対する汚れを防止することができる。

【００４７】図１０に示すフローチャート図において、
サーマルプリントヘッド７のダウンが完了した場合、包
材Ｈに対する印字が開始される。この包材Ｈに対する印
字期間中は、印字長（ソフトで自動的に印字ライン数を
調べる）分の印字が終了すれば、サーマルプリントヘッ
ド駆動手段８が作動して、サーマルプリントヘッド７の
アップが開始する。この段階では、前記転写リボンＴＲ
の送り速度は包材Ｈの送り速度と同じである。

【００４８】前記サーマルプリントヘッド７のアップ段
階において、印字終了後であっても前記転写リボンＴＲ
の送りを止めずに、前記サーマルプリントヘッド７がプ
ラテンローラＰＲから離れるまで、包材Ｈの送り速度と
同じ速度で送り続ける。この転写リボンＴＲの送りを、
転写リボンの後送りとする。このように転写リボンの後
送りを設定することによって、サーマルプリントヘッド
７のアップ時の包材Ｈに対する汚れを防止することがで
きる。

【００４９】前記サーマルプリントヘッド７がプラテン
ローラＰＲから離れ時点で転写リボンＴＲの送りを停止
する。この発明では、前記転写リボンＴＲの節約を目的
として、上記段階において前記転写リボンＴＲの送りを
停止した後、転写リボン駆動用のパルスモータ２３を逆
回転させて、前記転写リボンＴＲを巻き戻す。前記転写
リボンＴＲを巻き戻し量は、 巻き戻し量＝（転写リボンの前送りの量＋転写リボンの
後送りの量）−α 但し、αは転写リボンＴＲの節約の隙間量であって、例
えば、約１ｍｍ程度のものであり、あらかじめ設定され
る。

【００５０】一方、この発明になるサーマルスタンパ１
において、包材Ｈの搬送速度の検出とサーマルプリント
ヘッド７による包材Ｈに対する印字の関係について、図
１１に基づいて説明する。図１１は、エンコーダ４９の
出力信号波形図である。プラテンローラＰＲは、包材Ｈ
を搬送する搬送機側のローラであって、別の駆動源によ
って独自に回転駆動しており、包材Ｈの送り速度を設定
するものである。搬送機側のプラテンローラＰＲに接続
されたエンコーダ４９からの出力信号を取り込み、その
信号の周期を計測することによって、搬送機の速度（包
材Ｈの送り速度）を検出する。

【００５１】この発明になるサーマルスタンパ１にあっ
て、その印字の方法には、二種類の方法がある。第１に
は、前記エンコーダ４９の出力信号をそのまま印字周期
として印字する方法と、第２には、前記エンコーダ４９
の周期を印字の直前に計測して、その周期の時間をＣＰ
Ｕのタイマーにセットし、そのタイマーの周期で印字す
る方法である。

【００５２】次いで、この発明になるサーマルスタンパ
１にあって、印字速度と印字密度との関係について、図
１２に基づいて説明する。この発明になるサーマルスタ
ンパ１では、例えば、１２ｄｏｔ／ｍｍのサーマルプリ
ントヘッド７が用いられる。この発明になるサーマルス
タンパ１では、送り方法に対しての印字密度に、１２ｄ
ｏｔ／ｍｍと、６ｄｏｔ／ｍｍ（拡大印字モード）とに
切り換えることができる切り換えスイッチがある。

【００５３】上記するモードのうち、６ｄｏｔ／ｍｍ
（拡大印字モード）のときは、１２ｄｏｔ／ｍｍのとき
の倍の印字スピードでの印字が可能である。例えば、印
字周期が３０３μであれば、１２ｄｏｔ／ｍｍのとき
は、２５０ｍｍ／ｓの印字速度となり、６ｄｏｔ／ｍｍ
のときは、５００ｍｍ／ｓの印字速度となる。

【００５４】

【発明の効果】以上の構成になるこの発明のサーマルス
タンパ１は、自動化する包装工程において、当該各種の
包装材料で供される包装物を被印字体として、これら
に、製造年月日、製造管理番号、バーコード、種々のグ
ラフィックパターン、さらには食品類に対する賞味期限
などの伝達情報をコンピュータとオンラインし、リアル
タイムで印字内容の変更を可能になした点においてきわ
めて有効に作用するものであり、さらに、多様的な伝達
情報を選択的に印字処理可能であり、被印字体上のラベ
ルなどに対して正確にかつ美しく印字し得る点において
きわめて実効性の高いものであるといえる。

【００５５】さらに、この発明のサーマルスタンパ１
は、包材Ｈの搬送中に印字処理が可能なため、連続自動
的に包材Ｈに対する印字処理を可能とする点において、
さらには、シンプルな構造のものとして設計が可能であ
り、所要スペースも少なく省資源化が計れる点など多く
の点においてきわめて有効に作用するものといえる。

【００５６】さらに、この発明のサーマルスタンパ１
は、サーマルプリントヘッドのダウン駆動に連動して、
転写リボンを前送りし、サーマルプリントヘッドのアッ
プ駆動に連動して、転写リボンを後送りするように構成
したことにより、包材Ｈに対する印字の直前、直後の印
字汚れを解消することができる点においても極めて有効
に作用するものといえる。

【００５７】さらに、この発明になるサーマルスタンパ
１は、転写リボン駆動用パルスモータの制御によって、
転写リボンの前送り量並びに転写リボンの後送り量に近
似的に見合った量を巻き戻し量として巻き戻すように構
成したことにより、比較的高価な転写リボンの消費量を
可及的に節約することができ、その点においても極めて
有効に作用するものといえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この発明になるサーマルスタンパの全
体構造についての具体的な実施例を示す概略的な正面図
である。

【図２】図２は、図１に示すサーマルスタンパを左サイ
ドから見た概略的な左側面図である。

【図３】図３は、図１に示すサーマルスタンパを右サイ
ドから見た概略的な右側面図である。

【図４】図４は、この発明の具体例になるサーマルスタ
ンパにあって、サーマルプリントヘッドをアップ駆動並
びにダウン駆動させるためのサーマルプリントヘッド駆
動手段の例を示すものであって、図４Ａは、サーマルプ
リントヘッドをダウンさせた印字の状態を示す概略的な
正面図であり、図４Ｂは、サーマルプリントヘッドをア
ップさせた非印字の状態を示す概略的な正面図である。

【図５】図５は、この発明の具体例になるサーマルスタ
ンパにあって、転写リボンを送るための転写リボン送り
手段の全体構成を示す概略的な正面図である。

【図６】図６は、図５に示す転写リボン送り手段の構成
例を示す側面図であって、図６Ａは、図５を左サイドか
ら見た概略的な左側面図であり、図６Ｂは、図５を右サ
イドから見た概略的な右側面図である。

【図７】図７は、この発明の具体例になるサーマルスタ
ンパにあって、包材の搬送速度を検出するための包材搬
送速度検出手段の具体的の構成例を示すものであって、
図７Ａは、その概略的な正面図、図７Ｂは、その概略的
な平面図、図７Ｃは、その概略的な右側面図である。

【図８】図８は、この発明の具体例になるサーマルスタ
ンパにあって、左側にヘッドを備えた左ヘッドタイプの
装置例の外観を示すものであって、図８Ａは、その概略
的な正面図、図８Ｂは、その概略的な左側面図、図８Ｃ
は、その概略的な右側面図である。

【図９】図９は、右側にヘッドを備えた右ヘッドタイプ
の装置例の外観を示すものであって、図９Ａは、その概
略的な正面図、図９Ｂは、その概略的な左側面図、図９
Ｃは、その概略的な右側面図である。

【図１０】図１０は、サーマルプリントヘッドのアップ
・ダウン駆動と、転写リボンＴＲの送り制御の状況を示
すフローチャート図である。

【図１１】図１１は、この発明になるサーマルスタンパ
にあって、エンコーダの出力信号波形図である。

【図１２】図１２は、この発明になるサーマルスタンパ
にあって、印字速度と印字密度との関係について説明す
る説明図である。

【符号の説明】

１ サーマルスタンパ ２ 機体枠 ３ 第１の基板 ４ 第２の基板 ６ 中間基板 ７ サーマルプリントヘッド ８ サーマルプリントヘッド駆動手段 ９ 転写リボン送り手段 １０ 包材搬送速度検出手段 １１ サーマルプリントヘッド駆動源 １２ 伝動機構 １５ 伝動駆動軸 １８ アップ・ダウン駆動用カム部材 １８Ａ カム作用部 １８Ｂ カム非作用部 ＣＦ カムフォロア ２３ 転写リボン送り用駆動源 ２４ 転写リボン送り機構 ２５ ニューリボン供給部 ２６ 使用済リボン回収部 ２９ 転写リボン送りローラ軸 ３０ 転写リボン送りローラ軸 ３６ ニューリボンホルダ ４０ 使用済みリボンホルダ ４８ クラッチ Ｐ₁ 非印字位置 Ｐ₂ 印字位置 ＴＲ 転写リボン Ｈ 包材 ＰＲ プラテンローラ

フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C058 AB01 AC06 AD09 AE14 GB07 GB19 GB43 GB47 2C064 CC02 CC07 CC11 EE01 EE05 EE15 FF06 FF07 2C065 AA01 AD02 AD07 DA03 DA12 DA13 DA17 DA23 DA24 2C068 AA02 AA06 AA15 GP04

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンローラ上に案内される搬送状態
   の包材に対し、前記プラテンローラの位置でサーマルプ
   リントヘッドを包材上に接触させ、前記サーマルプリン
   トヘッドにより包材上に印字を行うサーマルスタンパで
   あって、発熱ドット素子列からなる発熱体をもつサーマ
   ルプリントヘッドと、前記サーマルプリントヘッドを前
   記包材に対する非印字位置Ｐ₁ 並びに印字位置Ｐ₂ にア
   ップ・ダウン駆動させるサーマルプリントヘッド駆動手
   段と、前記サーマルプリントヘッドと包材との間に転写
   リボンを供給案内するための転写リボン送り手段と、前
   記包材の搬送速度を検出する包材搬送速度検出手段とを
   含み、前記サーマルプリントヘッドのダウン作動時に、
   前記転写リボンを前送りし、前記サーマルプリントヘッ
   ドによる包材への印字時に、前記転写リボンの送り速度
   と包材の送り速度とを一致させ、前記サーマルプリント
   ヘッドのアップ作動時に、前記転写リボンを後送りし、
   前記サーマルプリントヘッドが包材から離れた時点で前
   記転写リボンの送りを停止した後、前記転写リボンを所
   定量巻き戻し制御する制御手段を設けてなることを特徴
   とするサーマルスタンパ。
2. 【請求項２】 前記サーマルプリントヘッド駆動手段
   が、第１の駆動源と、前記サーマルプリントヘッドを非
   印字位置Ｐ₁ と印字位置Ｐ₂ との間で往復動させるため
   の伝動機構とを含むものからなることを特徴とする請求
   項１に記載のサーマルスタンパ。
3. 【請求項３】 前記転写リボン送り手段が、第２の駆動
   源と、前記第２の駆動源によって前記転写リボンをニュ
   ーリボン供給側から使用済みリボン回収側に向けて送り
   込み案内する転写リボン送り機構とを含むものからなる
   ことを特徴とする請求項１に記載のサーマルスタンパ。
4. 【請求項４】 前記包材搬送速度検出手段が、前記プラ
   テンローラに接続されたエンコーダを含むものからなる
   ことを特徴とする請求項１に記載のサーマルスタンパ。