JP2000100916A - 静電チャック装置 - Google Patents

静電チャック装置

Info

Publication number
JP2000100916A
JP2000100916A JP26555798A JP26555798A JP2000100916A JP 2000100916 A JP2000100916 A JP 2000100916A JP 26555798 A JP26555798 A JP 26555798A JP 26555798 A JP26555798 A JP 26555798A JP 2000100916 A JP2000100916 A JP 2000100916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
layer
electrostatic chuck
chuck device
elastic adhesive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26555798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000100916A5 (ja
Inventor
Tadao Matsunaga
忠生 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tomoegawa Paper Co Ltd filed Critical Tomoegawa Paper Co Ltd
Priority to JP26555798A priority Critical patent/JP2000100916A/ja
Publication of JP2000100916A publication Critical patent/JP2000100916A/ja
Publication of JP2000100916A5 publication Critical patent/JP2000100916A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電チャック装置の吸着面の平面性、良好な
熱伝導性を達成できるとともに、絶縁破壊を防止できる
ようにする。 【解決手段】 金属基盤12上に、弾性接着剤層14を
介して吸着面30となる絶縁性吸着層22を有し、弾性
接着剤層14と絶縁性吸着層22の間に電極18が形成
され、通電手段27と通電手段27を電極28に電気的
に接続するための接続手段26とを備えた給電手段が弾
性接着剤層14を貫通して設けられており、金属基盤1
2には通電手段27を外部へ導くための貫通孔25bが
形成されており、弾性接着剤層14と給電手段との間に
は弾性接着剤層14よりも電気的抵抗が高い高抵抗接着
剤層14aが設けられている静電チャック装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエハ等の導電体
または半導体を静電気力で吸着固定するための静電チャ
ック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハを加工する工程において
は、半導体ウエハを加工機の所定部位に固定するために
チャック装置が使用される。チャック装置としては、機
械式、真空式、および静電式の装置が存在する。中で
も、静電チャック装置は、平坦でないウエハであっても
吸着でき、取り扱いが簡単で、真空中でも使用できる利
点を有している。従来の静電チャック装置の一例が、特
公平5−87177号公報に開示されている。この装置
は、図4に示すように、金属基盤1上に、接着剤層2
a、絶縁性フィルム層4、接着剤層2b、金属薄板から
なる電極3b、接着剤層2c、絶縁性フィルムからなる
絶縁性吸着層7を順に積層したものである。金属基盤1
内には、恒温水等を通して温度調節するための調温手段
6が形成されている。この静電チャック装置には、図示
していないが、外部の給電手段から電極3bに電圧を印
加するための給電部が設けられており、電極3bに電圧
を印加することによって絶縁性吸着層7表面に分極電荷
が発生し、絶縁性吸着層7の上面に半導体ウエハ5が吸
着されるようになっている。
【0003】図5は特開平8−148549号公報に開
示された静電チャック装置を示す。この装置では、金属
基盤1の上に比較的厚い絶縁性接着剤層2が形成され、
その上に、下面に金属の蒸着膜またはメッキ膜で形成さ
れた電極3aが接着された絶縁性フィルムからなる絶縁
性吸着層7が接着されている。そして電極3aに電圧を
印加することによって、絶縁性吸着層7の上面に半導体
ウエハ5が吸着されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの装
置では、熱伝導率が高いことが望ましい。伝熱性が低い
と、調温手段による効果が十分にはたらかず、処理中の
ウエハが異常に昇温するなどの原因となり得る。また電
極3a、3bと半導体ウエハ5との間、および電極3
a、3bと金属基盤1との間の電気絶縁性を高く確保す
ることも必要である。さらに、静電チャック装置を構成
しているそれぞれの部材が温度変化を受けた時の熱膨張
率の差や、樹脂部材の硬化時の体積変化に伴う応力によ
って、各部材間に剥離が生じたりウエハ吸着面の平面度
が悪化するなど、装置の性能や耐久性に悪影響を及ぼす
欠陥が生じるのを防止することも重要である。
【0005】例えば最近では、電気絶縁性に優れ、しか
も樹脂より熱伝導性が良好なセラミック板を絶縁性吸着
層7として用いることにより、電気絶縁性を高く確保し
つつ、ウエハと金属基盤との間の伝熱性を向上すること
が提案されている。そしてセラミック板の接着に用いる
接着剤としては、通常、エポキシ系等の接着剤が使用さ
れているが、全ての接着剤は多かれ少なかれ硬化の過程
で体積変化を生じる。またセラミック板と各種樹脂層あ
るいは金属基盤等とでは熱膨張率が異なるので、加熱さ
れたりしたときに応力が生じ、この応力によってセラミ
ック板が反ることがある。このため、セラミック板にお
いては、特に外周部で接着剤が剥離し、この剥離部分で
熱伝導性が悪化してウエハ外周部の冷却が困難になるお
それがある。また、用いられるセラミック板は通常かな
り薄いことから、金属基盤および接着剤層の体積変化に
よりセラミック板に応力がかかると、セラミック板が歪
んでウエハ吸着面の平面度が悪化し、ウエハ吸着力が低
下したり、ウエハ吸着面とウエハとの間に僅かに供給さ
れる冷却用ヘリウムガスが漏れるなどの様々な問題があ
った。
【0006】そこで、接着剤の体積変化やセラミック板
と金属基盤との熱膨張率の差に起因する応力を緩和して
セラミック板の反りを解決するために、本出願人は先の
特許出願(特願平10−101529号)で接着剤層に
ゴム系成分を含有させることを提案している。ゴム系成
分を含有させた接着剤はウエハ吸着面の反りを改善する
ことはできたが、静電チャック装置の熱伝導性を改善し
ようと接着剤層の厚さを薄くすると、接着剤の電気抵抗
が従来のものより低いために該接着剤層の部分で絶縁破
壊が生じるという問題が発生した。そのため、接着剤層
を厚く形成せざるを得ず、吸着面の平面性、良好な熱伝
導性、および絶縁破壊防止を全て同時に解決することは
できなかった。
【0007】したがって本発明の目的は、静電チャック
装置の吸着面の平面性、良好な熱伝導性を達成できると
ともに、絶縁破壊を防止できるようにすることを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る静電チャック装置は、金属基盤上に弾性
接着剤層を介して吸着面となる絶縁性吸着層を有し、前
記弾性接着剤層と絶縁性吸着層の間に電極が形成され、
通電手段と該通電手段を前記電極に電気的に接続するた
めの接続手段とを備えた給電手段が前記弾性接着剤層を
貫通して設けられており、前記金属基盤には前記通電手
段を外部へ導くための貫通孔が形成されており、前記弾
性接着剤層と前記給電手段との間には該弾性接着剤層よ
りも電気的抵抗が高い高抵抗接着剤層が設けられている
ことを特徴とする。前記弾性接着剤層がゴム成分を含有
してなることが望ましく、さらにゴム成分および抗酸化
剤を含有してなることが望ましい。前記高抵抗接着剤層
がエポキシ系、フェノール系、ポリアミド系、ポリイミ
ド系、およびポリフェニルエーテル系からなる群から選
ばれる少なくとも1種の接着剤からなることが望まし
い。前記弾性接着剤層がフィラーを有することが望まし
い。前記絶縁性吸着層がセラミックからなることが望ま
しい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の静電チャック装置の一実
施形態例を図1,2を参照して詳説する。図1は本実施
形態の静電チャック装置10の要部を示す断面図であ
り、図2は同じ静電チャック装置10の平面図である。
この静電チャック装置10は、下方から順に、円盤形を
なす金属基盤12、弾性接着剤層14、絶縁性フィルム
層16、接着剤層20、絶縁性吸着層22が積層され、
絶縁性フィルム層16上の所定位置に電極18,18,
・・・が形成されて概略構成されている。そして図2に示
すように、この静電チャック装置10には金属基盤12
から絶縁性吸着層22までを垂直に貫通して、3つの貫
通孔24が形成されている。これら貫通孔24内には昇
降ロッド(図示略)が配備され、これら昇降ロッドがウ
エハ吸着面から突出することにより、ウエハが昇降する
ようになっている。
【0010】また、弾性接着剤層14、および絶縁性フ
ィルム層16を垂直に貫通して給電孔25aが形成され
ており、この給電孔25a内に、リード線などの通電手
段27と、これを電極18に接続するためのハンダやそ
の他の導電性材料等からなる接続手段26とを備えた給
電手段が設けられている。そして、弾性接着剤層14に
おける給電手段の周囲、すなわち給電孔25aの周囲の
一部には、弾性接着剤層14と同じ厚さの高抵抗接着剤
層14aがドーナツ状に設けられている。金属基盤12
には、電極18に接続されている通電手段27を外部へ
導くための貫通孔25bが形成されており、通電手段2
7を介して電極18が外部の電圧発生装置に接続され、
電極18へ電圧が供給されるようになっている。貫通孔
25bは給電孔25aと連通する位置に設けられるが、
弾性接着剤層14に設けられている給電手段と金属基盤
12との絶縁性を確保する必要があり、好ましくは給電
孔25aよりも大径に形成される。また給電手段と外部
あるいは金属基盤12との絶縁性を確保するために、貫
通孔25bに樹脂等の絶縁体28が適宜の量で充填さ
れ、これにより貫通孔25bが封止されている。本実施
形態の静電チャック装置は、電極18へ電圧を印加する
と、絶縁性吸着層22の吸着面に分極電荷が発生し、半
導体ウエハ等の被吸着物が吸着されるようになってい
る。
【0011】金属基盤12は、従来から一般に静電チャ
ック装置に使用される周知のものでよい。金属基盤12
の内部には、ウエハ温度を調整するための熱媒が通る熱
媒流路(図示略)等からなる調温手段が形成されている
ものが望ましい。絶縁性吸着層22は、電気絶縁性およ
び熱伝導性に優れ、溶剤に対する耐性があることが必要
で、セラミック板が好ましく用いられる。具体的な材料
としてはアルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化
珪素、ジルコニア、ガラス等が好ましく、表面が平滑な
ものが使用される。中でも、安価であることからアルミ
ナセラミックが好ましい。本実施形態において絶縁性吸
着層22(以下セラミック層22ということもある)の
厚さは限定はされないが、吸着面30の熱を逃がしつつ
十分な耐久性を確保する観点から、0.1〜1.0mmの
範囲が好ましく、好ましくは0.2〜0.5mm、より好
ましくは0.3〜0.4mmである。
【0012】弾性接着剤層14は、弾性を有する応力緩
和性に優れたもので、絶縁性を有し、金属基盤12及び
絶縁性フィルム層16との接着性の高いものが適用され
る。さらに耐熱性に優れているものが望ましい。特に、
高い応力緩和能力を有することが必要であり、ヤング率
が低い弾性に富む接着剤が好ましく用いられる。こうし
た要件を満たすものとしては、接着剤にゴム成分を添加
することにより、接着剤層に適度の弾性を付与したもの
が好ましく用いられ、セラミック板および金属基盤の熱
膨張率の差により応力が発生しても、また、接着剤層自
身に体積変化が生じた場合にも、弾性によって応力を緩
和してセラミック層22の歪みを防ぐことができる。し
かし静電チャック装置は、プラズマ等によるウエハ処理
を繰り返すうちに、接着材層がラジカル、高温等により
劣化し、徐々に弾性を失って応力緩和効果が低下し、緩
和されていた応力がセラミック層の歪みやウエハ吸着面
の平面度低下をもたらしかねない。
【0013】そこで、上述した要件を全て満足し、か
つ、この劣化による不具合を解消するものとして、ゴム
成分と抗酸化剤を共に含むものが好ましい。ゴム成分と
して特に好ましいものは、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、オレフィン系共重合体、ポリフェニルエー
テル共重合体から選択される1種または2種以上の混合
物であり、特にブタジエン−アクリロニトリル共重合体
が好適である。ブタジエン−アクリロニトリル共重合体
は弾性が適当であり、セラミック層22に加わる応力を
緩和する作用に優れているからである。抗酸化剤は、例
えば高温に曝されたときにゴム成分が発生するラジカル
を吸収して、ゴム成分が劣化することを防止する作用を
果たすフェノール系抗酸化剤が好ましく、これにより弾
性接着剤層14の弾性劣化を防止する。このようなフェ
ノール系抗酸化剤としては、特にヒンダードフェノール
系抗酸化剤が好ましく、特に、t−ブチル基が2基以上
結合しているフェノール基を3基以上有し、分子量は7
00以上、より好ましくは750〜1500である化合
物が好適である。この条件を満たす場合には、静電チャ
ック装置が高温に曝された場合にも、ゴム成分が劣化し
にくく、接着剤層の応力緩和効果を長く持続できる。
【0014】弾性接着剤層14を構成する具体的な接着
剤としては、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体を
10〜90重量%(より好ましくは50〜90重量%、
最適には60〜80重量%)と、2個以上のマレイミド
基を含有する化合物を90〜10重量%(より好ましく
は50〜10重量%、最適には40〜20重量%)と、
前記フェノール系抗酸化剤を0.3〜20重量%(より
好ましくは0.3〜10重量%、最適には3〜7重量
%)と、パーオキサイトなどの反応促進剤5重量%以内
(より好ましくは0.1 〜2重量%、最適には0.1〜
1重量%)の割合で混合したものを適当な有機溶媒に溶
解したものである。これを塗布して有機溶媒を蒸発さ
せ、半硬化した後、被接着面に貼り合わせて加熱処理す
ることにより、好ましい弾性接着剤層14が形成でき
る。
【0015】ブタジエン−アクリロニトリル共重合体と
しては、重量平均分子量1,000〜200,000及び
カルボキシル基当量30〜10,000を有するカルボ
キシル基含有ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、
重量平均分子量1,000〜200,000及びアクリル
基当量500〜10,000を有するアクリル基含有ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体、重量平均分子量
1,000〜200,000及びエポキシ基当量500〜
10,000を有するエポキシ基含有ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、重量平均分子量1,000〜2
00,000を有するブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、および重量平均分子量1,000〜200,00
0及びアミノ基当量500〜10,000を有するピペ
ラジニルエチルアミノカルボニル基含有ブタジエン−ア
クリロニトリル共重合体から選択される1種または2種
以上の混合物が好適である。前記平均分子量は、より好
ましくは3000〜80000である。
【0016】フェノール系抗酸化剤は、接着剤からなる
層の体積変化(主に収縮および熱膨張率の差により生じ
る応力)によるセラミック層22の反りを低減するため
に、熱重量分析法により200℃に加熱した際の熱重量
減少率が5%以下であることが好ましい。尚、熱重量減
少率は、抗酸化剤を常温から200℃まで10℃/分で
昇温して測定した値である。フェノール系抗酸化剤の具
体例としては、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−
2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン:分子量78
4、熱重量減少率0%、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン:
分子量545、熱重量減少率2.8%、テトラキス[メ
チレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイ
ドロシンナメート)]メタン:分子量1178、熱重量
減少率0.2%、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン:分子量775、熱重量減少率0%、等が
例示できる。これに対し、例えば2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノールは分子量が206.33、熱重量減少率が
86%である。
【0017】弾性接着剤層14にはフィラーを添加して
もよい。フィラーとしては、例えば、シリカ、石英粉、
アルミナ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ダイヤ
モンド粉、マイカ、カオリナイト、フッ素樹脂粉、シリ
コーン粉、ポリイミド粉、ジルコン粉等が使用される。
これらフィラーは単独で使用してもよいし、2種以上混
合しても構わない。特にシリカ、石英粉、アルミナ、酸
化マグネシウムを添加すると弾性接着剤層14の熱伝導
性が向上するので好ましい。フィラーの含有量は、少な
すぎると熱伝導性向上の効果が得られず、多すぎると硬
化後の接着力および強度が低下するので、全固形分の7
0重量%以内、好ましくは5〜40重量%の範囲とされ
る。弾性接着剤層14の厚さは限定されないが、薄すぎ
ると電極18と金属基盤12との間で絶縁破壊が生じる
おそれがあるので、20〜200μmであることが好ま
しく、より好ましくは40〜200μmであり、最適に
は40〜100μmとされる。
【0018】高抵抗接着剤層14aは、弾性接着剤層1
4よりも電気的抵抗が高く、かつこれと接する金属基盤
12、絶縁性フィルム層16、弾性接着剤層14との接
着性を有する材料を用いて、給電孔25aの周囲にドー
ナツ状に設けられる。材料としては、例えばエポキシ
系、フェノール系、ポリアミド系、ポリイミド系、およ
びポリフェニルエーテル系のうちから選択される少なく
とも1つの接着剤が好ましく用いられる。ここで、上記
のように弾性接着剤14としてゴム成分と抗酸化剤を含
有する接着剤が好ましく用いられるが、接着剤に弾性を
付与するためにゴム成分を添加することによって接着剤
層の電気的抵抗が低下する。したがって、弾性接着剤1
4をある程度薄く形成すると、給電孔25a内の給電手
段と金属基盤12との間で絶縁破壊が生じるおそれがあ
った。したがって、本実施形態の如く弾性接着剤層14
と給電孔25aとの間に高抵抗接着剤層14aを介在さ
せることにより、給電孔25a付近でも高い電気絶縁性
を確保することができる。但し、高抵抗接着剤層14a
は、弾性接着剤層14に比べると弾性が劣るので、高抵
抗接着剤層14aの平面形状外径が大きすぎると、弾性
接着剤層14による応力緩和効果が部分的に損なわれる
ことにより、セラミック層22の歪みやウエハ吸着面の
平面度低下が生じるおそれがある。また高抵抗接着剤層
14aの平面形状外径が小さすぎると、給電孔25a付
近での電気絶縁性向上の効果が得られない。したがって
高抵抗接着剤層14aの平面形状外径は、好ましくはφ
5mm〜φ20mm、さらに好ましくはφ8mm〜φ1
5mm程度に設定される。
【0019】電極18は、所定のパターン状に形成され
るもので、導電性材料からなる。例えば銅箔を使用する
ことができるが、薄層化するためには絶縁性フィルム層
をなす絶縁性フィルムの片面に蒸着、スパッタリング、
またはメッキで形成することが好ましい。蒸着またはス
パッタリングで形成するには、ニッケル、クロム、アル
ミニウム等が、メッキで形成するには、銅、クロム等が
好ましいが、錫、銀、パラジウム等およびそれらの合金
などでも良い。電極18の厚さは限定はされないが、
0.1〜10μmが好ましく、0.5〜8μmがより好ま
しい。0.1μm未満の膜厚であると均一な膜が形成し
にくいうえ、アルミニウム等の反応性の高い材料の場合
は、酸化しやすいため安定した導電性を保持するのが難
しい。また、10μmを越えると蒸着やメッキ法では形
成コストがかかる。尚、図2に示す電極18の平面形状
は一例であり、他にもさまざまな変形が可能である。
【0020】電極18が形成される絶縁性フィルム層1
6は、誘電率ε、誘電損失係数tanδ、耐電圧等の電
気特性等を考慮したうえで、150℃以上の耐熱温度を
有する絶縁性フィルムが好ましい。150℃以上の耐熱
性を有する絶縁性フィルムとしては、例えば、フッ素樹
脂(フロロエチレン−プロピレン共重合体等)、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、セルロースト
リアセテート、シリコーンゴム、ポリイミド等が挙げら
れる。特にポリイミドが好ましい。ポリイミドフィルム
としては、例えば、「カプトン」(東レ・デュポン社
製)、「アピカル」(鐘淵化学工業社製)、「ユーピレ
ックス」(宇部興産社製)等の商品名で販売されている
フィルムが例示できる。絶縁性フィルム層16の厚さは
限定されないが、10〜75μmの範囲が好ましく、1
0〜50μmがより好ましい。熱伝導性の観点からは薄
い方が好ましいが、機械的強度、耐電圧および耐久性
(耐疲労性)を考慮すると、25〜50μmが特に好ま
しい。
【0021】接着剤層20の接着剤は、接着性、耐熱性
の高いものであれば良く、応力緩和効果の点で弾性接着
剤層14と同様のものでも、高抵抗接着剤層14aと同
様のものでも好ましく使用できる。また高い耐熱性を確
保する点で、熱硬化性であることが好ましい。接着剤層
20の厚さは限定されないが、熱伝導性を高めるため
に、薄い方がよく、5〜100μmであることが好まし
く、より好ましくは5〜50μmであり、5〜30μm
がさらに好ましく、約10μmが好ましい。弾性接着剤
層14はこの接着剤層20より厚い方が好ましい。
【0022】また図示しないが、本実施形態の静電チャ
ック装置において、金属基盤12、弾性接着剤層14、
絶縁性フィルム層16、接着剤層20、セラミック層2
2には、ウエハ吸着面に開口する複数のガス通路が形成
されていてもよい。これらガス通路を通して、少量の不
活性ガス、特に伝熱性に優れたヘリウムガスを通気させ
ることにより、半導体ウエハの冷却を促進することがで
きる。
【0023】本実施形態の静電チャック装置10は例え
ば次のようにして製造される。まず、絶縁性フィルム層
16の片面に、所定のパターンを有する電極18を形成
する。電極パターンをなす金属膜を直接、絶縁性フィル
ム層16上に形成することも可能であるが、複雑なパタ
ーンを有する電極18を形成するには、フォトレジスト
を用いた方法で作製するとより容易である。例えば、絶
縁性フィルム層16の片面全面に、スパッタリング、蒸
着法、メッキ法等により金属膜を形成し、その金属膜上
にフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層は、
液状レジストを塗布し、乾燥することにより形成しても
よく、フォトレジストフィルム(ドライフィルム)を熱
圧着により金属膜上に貼り合わせて形成してもよい。続
いて、フォトレジスト層をパターン露光し、現像して金
属膜を溶解すべき部分のフォトレジストを除去した後、
金属膜の露出部分をエッチングし、洗浄、レジスト剥
離、および乾燥を行い、所定の形状の電極18を形成す
る。これらの操作は、フォトレジストパターンを形成す
る周知の方法を使用して行えばよい。
【0024】絶縁性フィルム層16に電極18が形成さ
れたら、絶縁性フィルム層16の電極18形成面の全面
に、その電極18を覆うように、接着剤層20を形成す
るための液状またはフィルム状の接着剤をその表面が平
坦になるように塗布し、乾燥して半硬化させ、接着剤層
20を形成すると共に、セラミック層22を貼り合わせ
る。接着剤層20が熱硬化性接着剤を含む場合は、必要
に応じて適切な加熟を行い、硬化処理を行う。他方、絶
縁性フィルム層16の電極の形成されていない方の面
に、弾性接着剤層14を構成する接着剤を塗布して半硬
化させる。そして、高抵抗接着剤層14aの形成位置の
弾性接着剤層14を円形に切り取り、切り取った凹部を
高抵抗接着剤層14aを構成する樹脂で埋めて半硬化さ
せる。続いて、予め貫通孔25bが形成された金属基盤
12を弾性接着剤層14および高抵抗接着剤層14a上
に貼り合わせた後、加熱処理して弾性接着剤層14およ
び高抵抗接着剤層14aを硬化させる。この後、高抵抗
接着剤層14aおよび絶縁性フィルム層16の所定の位
置に給電孔25aを形成し、接続手段26により通電手
段27を電極18に接続したうえ、絶縁体28により貫
通孔25bを封止して、静電チャック装置が得られる。
あるいは、金属基盤12を貼り合わせる前に給電孔25
aを形成し、接続手段26により通電手段27を電極1
8に接続した後に、金属基盤12を貼り合わせてもよ
い。また、例えば上記金属膜の形成は、絶縁性フィルム
層16の片面上に、接着剤(例えば、熱硬化性接着剤)
を介して金属箔(例えば、銅箔)をラミネートする方法
によっても良いが、スパッタリング、蒸着法、メッキ法
等によった方が薄層化できる点でより好ましい。
【0025】本実施形態の静電チャック装置10によれ
ば、給電手段が設けられている給電孔25aと弾性接着
剤層14との間に高抵抗接着剤層14aが介在している
ので、給電孔25a付近において良好な電気絶縁性が得
られる。したがって弾性接着剤層14を従来より薄く形
成することが可能となり、これによって熱伝導性を向上
させることができる。また絶縁性吸着層22がセラミッ
クからなるので、電気絶縁性、熱伝導性に優れているう
え、摩耗や傷等の変形が生じにくく、耐久性がきわめて
高い。しかも、本実施形態の静電チャック装置10で
は、半硬化状態の弾性接着剤層14、高抵抗接着剤層1
4a、及び接着剤層20を加熱処理して硬化させる際
に、これらが若干体積変化したとしても、また、加熱処
理等により熱膨張率の差に起因して応力が発生しても、
弾性接着剤層14又は更に接着剤層20の主組成物であ
るゴム成分が弾性により応力を緩和するため、セラミッ
ク層22にかかる応力を低減し、セラミック層22の反
りを防ぐことができる。また、弾性接着剤層14又は更
に接着剤層20には耐熱性に優れたフェノール系抗酸化
剤が含まれることにより、ゴム成分から発生するラジカ
ルを吸収し、ゴム成分の酸化劣化を長期に亘って防ぐこ
とが可能である。従って、セラミック層22に歪みが生
じたり、セラミック層22と接着剤層20との接合界面
(特に外周部)に剥離が生じてウエハの冷却性が部分的
に低下したり、ウエハ吸着面の平面度が悪化してウエハ
吸着力が低下したり、ウエハ吸着面とウエハとの間に僅
かに供給される冷却用ヘリウムガスが漏れるなどの様々
な問題を長期に亘って防止することが可能であり、部品
交換に要するランニングコストの低減も図れる。
【0026】尚、本実施形態では絶縁性吸着層22とし
てセラミック板を用いたが、従来の樹脂材料を用いて絶
縁性吸着層22を形成することもできる。ただし、弾性
接着剤層14を設けることによる応力緩和効果は、セラ
ミック板を用いた場合に特に顕著である。また、本実施
形態の構成の他に、必要に応じて、他の層をさらに有し
ていてもかまわない。さらに、本実施形態においては給
電孔25aおよび貫通孔25bの平面形状を円形とした
が、これに限らず適宜の形状とすることができる。また
高抵抗接着剤層14aの平面形状も良好な電気絶縁性が
達成できる範囲で適宜変更可能である。また給電手段は
通電手段27を電極18に電気的に接続できるものであ
ればよく、適宜の構成とすることが可能である。本発明
における静電チャック装置は、被吸着物として、ウエハ
に限定されるものではなく、導電体または半導体であれ
ばいずれでもよい。
【0027】
【実施例】[接着剤(イ)の調製]両末端にピペラジニル
エチルアミノカルボニル基を有するアクリロニトリル−
ブタジエン共重合体(「Hycar ATBN」宇部興産(株)
製)(m=83.5、n=16.5、重量平均分子量36
00、アクリロニトリル含有量16.5重量%)の80
重量部をトルエン/メチルエチルケトン混合液(1:
1)に溶解し、その溶解液に、下式(I)で示されるマ
レイミド化合物20重量部、ラウロイルペロキシド
(「Lauroyl peroxide」日本油脂社製)0.1重量部、
およびヒンダードフェノール系抗酸化剤であるテトラキ
ス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ(ジハイドロシンナメート)]メタン(「アデカスタ
ブ AO−60」旭電化工業社製)を3重量部混合し、
テトラヒドロフランに溶解し、固形分率40重量%の液
状接着剤(イ)を調製した。
【0028】
【化1】
【0029】[接着剤(ロ)の調製]ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体(重量平均分子量250,000、
アクリロニトリル含有量27重量%)の100重量部、
p−t−ブチルフェノール型レゾールフェノール樹脂
(「CKM−1282」昭和高分子社製)の20重量
部、ノボラックエポキシ樹脂(「EOCN−1020」
日本化薬社製)の20重量部、前記式(I)で示される
マレイミド化合物の25重量部、1,3−ビス(3−ア
ミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サンの5重量部、α−α’−ビス(t−ブチルペロキシ
−m−イソプロピル)ベンゼン(日本油脂社製)の0.1
重量部、および1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−
2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン(「アデカスタ
ブ AO−20」旭電化工業社製)を3重量部混合し、
テトラヒドロフランに溶解し、固形分率40重量%の液
状接着剤(ロ)を調製した。
【0030】[接着剤(ハ)の調製]接着剤(イ)にアルミ
ナフィラー(昭和電工社製、平均粒径0.05μm)を
樹脂分100重量部に対して25重量部添加して接着剤
(ハ)とした。
【0031】[接着剤(ニ)の調製]下記表1に示す組成
の接着剤(ニ)を調製した。
【表1】
【0032】[実施例1]膜厚25μmのポリイミドフ
ィルム(「カプトン」東レ・デュポン社製)からなる絶
縁性フィルム16の片面に、ニッケルを厚さ500オン
グストロームに蒸着した後、銅メッキを行ない、厚さ2
μmの電極層を形成した。そして、レジスト塗布、露
光、現像、エッチング、洗浄を行ない、図2に示すよう
な形状の電極18を形成した。この電極形成面に、接着
剤層20として上記接着剤(イ)を乾燥後の厚さが10μ
mになるように塗布し、150℃で5分間加熱乾燥し半
硬化させた後、表面が平滑で直径8インチ、厚さ0.4
mmのアルミナセラミック板22と貼り合わせた。
【0033】次いで、絶縁性フィルム16の他方の面
(非電極形成面)に、弾性接着剤層14として接着剤
(イ)を厚さ40μmに成膜して半硬化させた後、この層
の給電孔25aの形成位置およびその周囲の高抵抗接着
剤層14aの形成位置を直径10mm、厚さ40μmの
円盤状に切り取った。続いて、この切り取った跡の凹部
内に高抵抗接着剤層14aとした接着剤(ニ)を厚さ40
μmに塗布し、半硬化させた。そして、予め直径8mm
の貫通孔25bが形成されたアルミニウム製金属基盤1
2を弾性接着剤層14および高抵抗接着剤層14a上に
貼り合わせ、100〜150℃のステップキュアーを行
って、接着剤を硬化させた。この後、高抵抗接着剤層1
4aおよび絶縁性フィルム層16に給電手段を設けてリ
ード線27を電極18に接続したうえ、絶縁体28とし
てエポキシ系接着剤を用いて貫通孔25bを封止し、図
1に示す静電チャック装置を製造した。
【0034】[実施例2]接着剤(イ)を上記接着剤(ロ)
に代えた以外は実施例1と同様にして、静電チャック装
置を製造した。 [実施例3]接着剤(イ)を上記接着剤(ハ)に代えて、静
電チャック装置を製造した。すなわち、上記実施例1と
同様にして絶縁性フィルム16の片面上に電極18を形
成し、この電極形成面に、接着剤層20として上記接着
剤(ハ)を塗布し、加熱乾燥、半硬化させた後、アルミナ
セラミック板22と貼り合わせた。次いで、絶縁性フィ
ルム16の他方の面(非電極形成面)に、弾性接着剤層
14として接着剤(ハ)を乾燥後の厚さが40μmとな
るように成膜して半硬化させた後、この層の給電孔25
aの形成位置およびその周囲の高抵抗接着剤層14aの
形成位置を直径15mm、厚さ40μmの円盤状に切り
取った。続いて、この切り取った跡の凹部内に高抵抗接
着剤層14aとした接着剤(ニ)を厚さ40μmに塗布
し、半硬化させた。そして、高抵抗接着剤層14aおよ
び絶縁性フィルム層16に給電手段を形成して、リード
線27を電極18に接続した後、予め直径10mmの貫
通孔25bが形成されたアルミニウム製金属基盤12を
弾性接着剤層14および高抵抗接着剤層14a上に貼り
合わせた。このときリード線27が金属基盤12の貫通
孔25bを通るようにした。
【0035】[比較例1]上記実施例1において、高抵
抗接着剤層14aを設けない他は同様にして、図3に示
す構成の静電チャック装置を製造した。すなわち、上記
実施例1と同様にして絶縁性フィルム16からアルミナ
セラミック板22までの積層体を形成した後、絶縁性フ
ィルム16の他方の面(非電極形成面)に、弾性接着剤
層14として接着剤(イ)を厚さ40μmに成膜して半硬
化させ、この上に、予め直径8mmの貫通孔25bが形
成されたアルミニウム製金属基盤12を貼り合わせ、1
00〜150℃のステップキュアーを行って、接着剤を
硬化させた。この後、実施例1と同様にして給電手段を
設け、図3に示す静電チャック装置を製造した。 [比較例2]接着剤(イ)の代りに、上記接着剤(ハ)を使
用したこと以外は、比較例1と同様にして静電チャック
装置を製造した。
【0036】[試験例1]上記実施例1〜3および比較
例1,2で得られたそれぞれの静電チャック装置につい
て、図3に示すようにして電極18と金属基盤12間に
電圧を印加し、絶縁破壊が起きる電圧を測定した。なお
測定は10回行って平均値を求めた。その結果、実施例
1〜3では、いずれも10kVの電圧を印加しても絶縁
破壊が生じなかったのに対して、比較例1では7.0k
V、比較例2では5.0kVでそれぞれ絶縁破壊が生じ
た。この結果から、高抵抗接着剤層14aを有する実施
例1〜3の構成は、耐電圧が高く、電気絶縁性に優れて
いることが確認された。
【0037】[比較例3]上記比較例1において、接着
剤(イ)の代りに、エポキシアクリレート(「R−55
1」日本化薬社製)の100重量部と、過酸化ベンゾイ
ルの1重量部とをトルエン/メチルエチルケトン混合液
(1:1)に溶解してなる固形分率40重量%の接着剤
(ホ)を使用したこと以外は同様にして、図3に示す構成
の静電チャック装置を製造した。
【0038】[試験例2]実施例1〜3および比較例1
〜3の静電チャック装置をヒートサイクル試験装置に入
れ、150℃に加熱して30分間保持した後、−40℃
に急冷して30分間保持するサイクルを60回繰り返
し、常温に戻した後、接着層の剥がれが生じたか否かを
超音波診断で評価した。その結果、応力緩和性に優れた
弾性接着剤層14を有する実施例1〜3、および比較例
1,2の静電チャック装置では、剥がれが生じていなか
ったが、比較例3の静電チャック装置では、セラミック
板の下面が部分的に剥離していた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る静電
チャック装置によれば、弾性接着剤層と給電手段との間
に、弾性接着剤層よりも電気的抵抗が高い高抵抗接着剤
層を設けることにより、弾性接着剤層の給電手段付近で
の電気絶縁性を向上させて絶縁破壊を防止することがで
きる。このことにより弾性接着剤層を従来より薄く形成
することが可能となり、これにより熱伝導性を向上させ
ることができる。また、加熱処理等により熱膨張率の差
に起因して発生する応力または樹脂部材が若干体積変化
したとしても、弾性接着剤層がその応力を緩和し、ウエ
ハ吸着面をなす絶縁性吸着層にかかる応力を低減するこ
とができ、平面度の低下などを抑制できる。さらに弾性
接着剤層にゴム成分を含有させることにより、良好な弾
性を有する接着剤層を形成することができ、絶縁性吸着
層に歪みが生じたり、絶縁性吸着層と接着剤層との接合
界面に部分的剥離が生じて被吸着物の冷却性が低下した
り、吸着面の平面度が悪化して吸着力が低下したりする
などの様々な問題を好ましく防止することができる。ま
たこの弾性接着剤層にフィラーを含有させることにより
熱伝導性を向上させることができる。また絶縁性吸着層
としてセラミックを用いることにより、電気絶縁性およ
び熱伝導性に優れるとともに、吸着面の摩耗や変形が生
じにくく、耐久性がきわめて高い静電チャック装置を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る静電チャック装置の一実施形態
例の部分を示す側断面図である。
【図2】 同静電チャック装置の平面図である。
【図3】 比較例の静電チャック装置の側断面図であ
る。
【図4】 従来例の静電チャック装置の側断面図であ
る。
【図5】 従来例の静電チャック装置の側断面図であ
る。
【符号の説明】
10 静電チャック装置 12 金属基盤 14 弾性接着剤層 14a 高抵抗接着剤層 16 絶縁性フィルム層 18 電極 20 接着剤層 22 絶縁性吸着層(セラミック層) 25a 給電孔 25b 貫通孔 26 接続手段 27 通電手段 28 絶縁体 30 吸着面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基盤上に、弾性接着剤層を介して吸
    着面となる絶縁性吸着層を有し、前記弾性接着剤層と絶
    縁性吸着層の間に電極が形成され、通電手段と該通電手
    段を前記電極に電気的に接続するための接続手段とを備
    えた給電手段が前記弾性接着剤層を貫通して設けられて
    おり、前記金属基盤には前記通電手段を外部へ導くため
    の貫通孔が形成されており、前記弾性接着剤層と前記給
    電手段との間には該弾性接着剤層よりも電気的抵抗が高
    い高抵抗接着剤層が設けられていることを特徴とする静
    電チャック装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性接着剤層がゴム成分を含有して
    なることを特徴とする請求項1記載の静電チャック装
    置。
  3. 【請求項3】 前記高抵抗接着剤層が、エポキシ系、フ
    ェノール系、ポリアミド系、ポリイミド系、およびポリ
    フェニルエーテル系からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の接着剤からなることを特徴とする請求項1記載の
    静電チャック装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性接着剤層がフィラーを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性吸着層がセラミックからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の静電チャック装置。
JP26555798A 1998-09-18 1998-09-18 静電チャック装置 Pending JP2000100916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26555798A JP2000100916A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 静電チャック装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26555798A JP2000100916A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 静電チャック装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000100916A true JP2000100916A (ja) 2000-04-07
JP2000100916A5 JP2000100916A5 (ja) 2005-07-28

Family

ID=17418773

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26555798A Pending JP2000100916A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 静電チャック装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000100916A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100683252B1 (ko) 2005-10-27 2007-02-15 주식회사 래디언테크 급전 장치 및 이를 포함하는 플라즈마 처리 장치
JP2008085245A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Shinko Electric Ind Co Ltd 静電チャック
US7576967B2 (en) 2006-03-24 2009-08-18 Ngk Insulators, Ltd. Electrostatic chuck
WO2009107701A1 (ja) * 2008-02-26 2009-09-03 京セラ株式会社 ウェハ支持部材とその製造方法、及びこれを用いた静電チャック
KR100920132B1 (ko) * 2003-01-06 2009-10-08 주식회사 코미코 분리 가능한 링을 갖는 정전척 및 그 제조 방법
WO2012128348A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 住友大阪セメント株式会社 静電チャック装置
JP2012235037A (ja) * 2011-05-09 2012-11-29 Shinko Electric Ind Co Ltd 基板温調固定装置
KR20160053342A (ko) * 2014-11-03 2016-05-13 세메스 주식회사 기판 처리 장치 및 지지 유닛 제조 방법
JP2020524398A (ja) * 2017-06-16 2020-08-13 チュソン エンジニアリング カンパニー,リミテッド 基板処理装置及び真空回転電気コネクタ

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100920132B1 (ko) * 2003-01-06 2009-10-08 주식회사 코미코 분리 가능한 링을 갖는 정전척 및 그 제조 방법
KR100683252B1 (ko) 2005-10-27 2007-02-15 주식회사 래디언테크 급전 장치 및 이를 포함하는 플라즈마 처리 장치
US7576967B2 (en) 2006-03-24 2009-08-18 Ngk Insulators, Ltd. Electrostatic chuck
KR101032663B1 (ko) * 2006-03-24 2011-05-06 엔지케이 인슐레이터 엘티디 정전 척
JP2008085245A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Shinko Electric Ind Co Ltd 静電チャック
WO2009107701A1 (ja) * 2008-02-26 2009-09-03 京セラ株式会社 ウェハ支持部材とその製造方法、及びこれを用いた静電チャック
WO2012128348A1 (ja) * 2011-03-23 2012-09-27 住友大阪セメント株式会社 静電チャック装置
US9330953B2 (en) 2011-03-23 2016-05-03 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Electrostatic chuck device
JP2012235037A (ja) * 2011-05-09 2012-11-29 Shinko Electric Ind Co Ltd 基板温調固定装置
KR20160053342A (ko) * 2014-11-03 2016-05-13 세메스 주식회사 기판 처리 장치 및 지지 유닛 제조 방법
KR102330379B1 (ko) 2014-11-03 2021-11-24 세메스 주식회사 기판 처리 장치 및 지지 유닛 제조 방법
JP2020524398A (ja) * 2017-06-16 2020-08-13 チュソン エンジニアリング カンパニー,リミテッド 基板処理装置及び真空回転電気コネクタ
US11469130B2 (en) 2017-06-16 2022-10-11 Jusung Engineering Co., Ltd. Substrate processing apparatus and rotating electrical connector for vacuum
JP7208168B2 (ja) 2017-06-16 2023-01-18 チュソン エンジニアリング カンパニー,リミテッド 基板処理装置及び真空回転電気コネクタ
US11600512B2 (en) 2017-06-16 2023-03-07 Jusung Engineering Co., Ltd. Substrate processing apparatus and rotating electrical connector for vacuum

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100572975B1 (ko) 정전 척 장치
US6166897A (en) Static chuck apparatus and its manufacture
JP3208029B2 (ja) 静電チャック装置およびその作製方法
JP2000114358A (ja) 静電チャック装置
US7352555B2 (en) Electrostatic chuck
JPH0587177B2 (ja)
JP4948337B2 (ja) 静電チャック装置用接着シート、および静電チャック装置
KR101485660B1 (ko) 반도체 장치 제조용 접착 시트 및 반도체 장치의 제조 방법
JP6250949B2 (ja) 半導体製造装置用部品及びその製造方法
JP2013120835A (ja) 基板温調固定装置及びその製造方法
JP2002324834A (ja) 静電チャック装置、静電チャック用積層シート、および静電チャック用接着剤
JP3484107B2 (ja) 静電チャック装置
JP4654062B2 (ja) 半導体装置製造用接着シート及び半導体装置の製造方法
TWI709189B (zh) 靜電卡盤裝置
JP2000100916A (ja) 静電チャック装置
JP2007123710A (ja) 半導体装置製造用接着シート及び半導体装置並びにその製造方法
JP4538398B2 (ja) 半導体装置製造用接着シート及び半導体装置の製造方法
JPH11297805A (ja) 静電チャック装置、静電チャック用積層シート、および静電チャック用接着剤
JP4714406B2 (ja) 半導体装置用ダイボンディング材及びこれを用いた半導体装置
JP3979694B2 (ja) 静電チャック装置およびその製造方法
JPH09260473A (ja) 静電チャック
JP2000001652A (ja) 接着テープ
JPH10209256A (ja) 静電チャック装置およびその製造方法
JP2019047019A (ja) 保持装置
US20220223454A1 (en) Substrate fixing device

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080827

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080924