JP2000098838A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

Info

Publication number
JP2000098838A
JP2000098838A JP10264527A JP26452798A JP2000098838A JP 2000098838 A JP2000098838 A JP 2000098838A JP 10264527 A JP10264527 A JP 10264527A JP 26452798 A JP26452798 A JP 26452798A JP 2000098838 A JP2000098838 A JP 2000098838A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lubricant
fluororesin
latent image
image forming
image carrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10264527A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyo Nakajima
章代 中嶋
Shigeto Kojima
成人 小島
Hiroshi Nagame
宏 永目
Hirota Sakon
洋太 左近
Ryuta Takechi
隆太 武市
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP10264527A priority Critical patent/JP2000098838A/ja
Publication of JP2000098838A publication Critical patent/JP2000098838A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤として機能を十分発揮すると共に、低
コストで潜像担持体の長寿命化が可能となる画像形成方
法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、潜像担持体およびこの潜像
担持体上に形成された静電潜像にトナーを付着させて可
視像とする現像工程と、該潜像担持体上に形成されたト
ナー像を転写材に転移させて付着させる転写工程と、上
記転写工程後、該潜像担持体上に残留したトナーを清掃
するクリーニング工程とを含む電子写真方式を用いた画
像形成プロセスを前提とし、上記潜像担持体上に潤滑剤
としてフッ素樹脂を供給して該潜像担持体の表面摩擦係
数を低減させて潜像担持体を長寿命化する画像形成方法
において、上記潤滑剤としてフッ素樹脂の多孔質体を用
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成方法に関
し、さらに詳しくは、電子写真プロセスによる画像形成
に用いられる潜像担持体の長寿命化を可能にして良好な
画像を得るための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタや複写機あるいはファクシミリ
装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置にお
いては、例えば、黒色などの単一色の画像を対象とする
場合で説明すると、ドラム状とされた像担持体に相当す
る感光体上に形成された静電潜像が現像装置から供給さ
れるトナーにより可視像処理されると、そのトナー像が
普通紙等の転写材に対して転写装置により静電転写する
転写工程が実行される。
【0003】転写工程後の感光体は、クリーニング装置
に有するゴムブレードなどによって余剰トナーがクリー
ニングされ、除電後、再度、帯電装置によって一様帯電
されて画像形成に備えられる。転写後の転写材は定着装
置に向け搬送され、そこで定着されて排出される。
【0004】近年では、複写機、ファクシミリ装置ある
いはプリンタ装置等の複合機能を備えた画像形成装置が
提供されてきており、このような画像形成装置の小型化
および高耐久化(メンテナンスフリー化)、画質の高安
定化および低コスト化が要求されてきている。このた
め、画像形成装置に用いられる感光体として、薄膜感光
体を備えることで小型化を達成することも提案されてい
るが、感光体が薄膜であるが故に長期間使用した場合に
表面の摩耗や削れにより感光体としての帯電特性を維持
できなくなる虞があった。従来、感光体表面の摩擦係数
を低減して摩耗を防止するための方法として、感光体表
面に潤滑剤を供給することが提案されている。潤滑剤と
して用いられる材料は、各種ワックスや脂肪酸金属塩な
どからなる固体や粉体が多かった。このため、これら物
質が温度の影響により流動性が変化することが原因し
て、感光体表面に均一に供給することが困難な場合があ
った。過剰に供給された場合には感光体の地肌部の付着
トナーが増加したり画像部の文字画像への付着量が低下
する等の不具合が発生し、また、供給量が少なすぎる
と、潤滑剤が柔らかく摩耗しやすい性質であることから
フィルミング層や斑点の発生原因であるトナー中での微
粉末が感光体に付着するのを防止するという効果を持続
できなくなる。さらに、少量の均一塗布ができないと、
塗布ムラが生じ異物が付着したりクリーニングブレード
の巻き込み原因となる。感光体表面の摩耗を防止するた
めの潤滑剤として、感光体表面層あるいは保護層にフッ
素樹脂粉体を含有させる方法を用いることが知られてい
る(例えば、特開平6−23059号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】フッ素樹脂粉体には分
散性、凝集性に問題があり、均一で平滑な膜形成を行う
ことが困難であった。そのため、画像ムラやピンホール
などの欠陥画像が得られることが多かった。また、フッ
素樹脂粉体は結着剤粒子に分散されて構成されており、
初期状態では感光体表面に露出していないために結着剤
粒子の摩擦係数がそのまま感光体の表面摩擦係数に該当
してしまい、フッ素樹脂を添付した効果が現れにくかっ
た。さらに、フッ素樹脂粉体の場合には屈折率が小さい
ために光り散乱が生じやすく、この結果、書き込み装置
からの光照射による潜像が劣化し易いという問題があっ
た。感光体表層にフッ素樹脂粉体を含有される代わりに
トナーを始めとする現像剤中にフッ素樹脂を内添若しく
は外添させる方法もある。しかし、この方法では、潤滑
剤の存在によりトナーの帯電量が減少し、感光体に対し
て必要な量を供給できなくなったり、あるいは、感光体
上で現像剤が滑りやすくなることで画像濃度の低下を招
く虞がある。
【0006】一方、上述した現像剤を対象とした内添あ
るいは外添に代えて、クリーニングブレードを潤滑性の
よいポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン等を用
いて構成する方法や、クリーニング部に用いられるトナ
ーの掻き取り部材であるファーブラシを潤滑性物質で被
覆する方法もあるが、前者の方法では、クリーニングブ
レードの潤滑性が向上する反面、エッジ部が摩耗し易い
ためにクリーニング特性が劣化してしまうという新たな
不具合が発生し、後者の方法では、被覆が破れやすく、
短期間でクリーニング特性が低下することが判ってい
る。
【0007】本発明者は、感光体の摩耗原因である表面
摩擦係数の変化が感光体と接触する周辺機器との関係に
あることに着目し、特に、感光体表層の削れに一番大き
く影響するのがクリーニングブレードであることを確認
した。感光体表層の摩耗原因には、クリーニング部での
感光体表面とブレードとの間に生じる剪断力による摩耗
とクリーニング対象であるトナーが研磨剤の働きをする
ことによる摩耗とがある。このような原因による摩耗の
発生頻度を左右する要因としては、感光体の構造上の強
さ、クリーニングブレードの当接条件、トナー粒子の組
成および感光体の表面摩擦係数がある。
【0008】上記要因のなかで感光体の表面摩擦係数を
低減する場合、感光体に潤滑剤を供給することや感光体
特性保護のために各種安定剤を供給することが考えら
れ、この方法によれば次の利点が得られる。第1に不要
なトナーの付着を防止して地肌汚れのない画像が得られ
る、第2に潤滑剤の塗布および掻き取りが可能になるこ
とで常に感光体表面がリフレッシュされて感光体の寿
命、ひいては画像形成装置自体の寿命を長くでき、コス
トダウンが図れる、第3に潜像担持体上での非画像部に
余分なトナーが付着するのを防止してトナーの消費量の
低減、トナーの有効活用および省資源化が達成できるこ
となどである。
【0009】このような利点を得るために、感光体への
潤滑剤を供給する場合として、上述したように潤滑剤を
用いることが考えられるが、この潤滑剤の成形前に潤滑
剤の粘着性を高めるという目的で添加剤を加える必要が
あることが多く、この場合には、その添加剤の種類によ
っては上述した不具合を解消することが困難となるばか
りでなく、却って添加剤の材質選択や成形時の温度管理
などの困難性によりコスト上昇を免れないという新たな
問題が生じる。
【0010】本発明の目的は上記従来の画像形成方法、
特に、潜像担持体の表面摩擦係数を低減する場合の問題
に鑑み、潤滑剤としての機能を十分発揮すると共に、低
コストで潜像担持体の長寿命化が可能となる画像形成方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも、潜像担持体およびこの潜像担持体上に形成
された静電潜像にトナーを付着させて可視像とする現像
工程と、該潜像担持体上に形成されたトナー像を転写材
に転移させて付着させる転写工程と、上記転写工程後、
該潜像担持体上に残留したトナーを清掃するクリーニン
グ工程とを含む電子写真方式を用いた画像形成プロセス
を前提とし、上記潜像担持体上に潤滑剤としてフッ素樹
脂を供給して該潜像担持体の表面摩擦係数を低減させて
潜像担持体を長寿命化する画像形成方法において、上記
潤滑剤としてフッ素樹脂の多孔質体を用いることを特徴
としている。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の画
像形成方法において、上記潤滑剤は、フッ素樹脂の多孔
質体に潤滑性液体を含浸させて用いることを特徴として
いる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の画
像形成方法において、上記潤滑剤は、フッ素樹脂の多孔
質体に潤滑性固体を含有させて用いることを特徴として
いる。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
うちの一つに記載の画像形成方法において、上記潤滑剤
を潜像担持体に直接接触させて潤滑剤の供給を行うこと
を特徴としている。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1乃至3の
うちの一つに記載の画像形成方法において、上記潤滑剤
を潜像担持体に対してブラシやローラあるいは袋体を介
して間接的に供給することを特徴としている。
【0016】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
うちの一つに記載の画像形成方法において、上記フッ素
樹脂はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用い
られることを特徴としている。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の実施例による画像形成方法
に用いられる画像形成装置の構成を説明するための模式
図であり、同図において、画像形成装置1は、ドラム状
の潜像担持体に相当する感光体ドラム1Aを備え、原稿
像あるいは画像情報に応じて出射されるレーザ光による
潜像形成が行えるレーザプリンタであるが、本発明で
は、このようなプリンタに限らず、複写機やファクシミ
リ装置を対象とすることも可能である。
【0018】図1において、感光体ドラム1Aは、図示
矢印方向に回転することができ、その周囲には回転方向
に沿って電子写真プロセスを実行するための帯電装置
2、書き込み装置3、現像装置4、転写装置5およびク
リーニング装置6がそれぞれ配置されている。
【0019】転写装置5の近傍には、給紙カセットから
普通紙などの記録媒体をなす転写紙Sを転写部に向け給
送する給紙装置(図示されず)が配置され、さらに転写
装置5から転写紙Sが繰り出される位置には搬送装置7
を介して定着装置8が配置されている。現像装置4は、
トナーTを内部に収容した現像槽4Aと、この現像槽4
A内に配置されて感光体ドラム1Aに対向する現像ロー
ラ4Bとを備えている。また、搬送装置7は、駆動プー
リ7Aおよび従動プーリ7Bにそれぞれ掛け回されたベ
ルト7Cを備えており、また、定着装置8は、転写紙S
の画像面に当接する加熱ローラ8Aとこの加熱ローラ8
Aと対向して転写紙Sを挟持搬送する搬送ローラ8Bと
を備えている。
【0020】画像形成装置1は、帯電装置2に有する帯
電ローラによって感光体ドラム1Aの表面が一様帯電さ
れ、書き込み装置3により画像に応じた潜像が形成され
る。感光体ドラム1A上の潜像は現像装置4によって可
視像処理された後、給紙装置からレジストタイミングを
設定されて繰り出された転写紙Sに表面対して転写装置
5により静電転写される。転写を終えた転写紙Sは、搬
送装置7を介して定着装置8に搬送されて表面に担持し
ている可視像が定着されて排出される。
【0021】可視像転写を終了した感光体ドラム1A
は、クリーニング装置6により表面の余剰トナーが除去
されると除電装置9によって残留電荷を除電された上で
帯電装置2による帯電が行われて次回の画像形成に備え
られる。
【0022】クリーニング装置6には、感光体ドラム1
Aの表面に当接して余剰トナーを掻き取ることができる
クリーニングブレード6B(図7参照)が用いられてい
る。
【0023】感光体ドラム1Aの表面摩擦係数は、次に
挙げる値に設定されている。感光体ドラム1Aには、無
機および有機感光体が用いられ、表面の摩擦係数(μ)
が、0.1〜0.3に設定されている。この摩擦係数に
関しては、図2に示す実験に基づく。図2は、オイラー
ベルト方式による摩擦係数を求める実験構造を示す模式
図であり、同図において感光体ドラム1Aの周面の一部
に、測定用紙(リコー製PPC用紙 TYPE6200
A4サイズ(T目))S’を297×30mmのサイズ
に裁断し、この測定用紙Sの中央を感光体ドラム1Aの
周方向で90度(π/2rad.)の範囲に巻き回す。測定
用紙S’の巻き回し方向端部の一方には、一定重さ
(0.98N(100g))の分銅Wを取付け、他方に
はデジタルプッシュプルゲージDSを取付け、分銅Wが
揺れない状態で測定用紙S’を一定速度の条件で牽引
し、感光体ドラム1Aの表面で測定用紙S’が動き始め
た瞬間でのデジタルプッシュプルゲージDSの値を測定
する。このときの測定値をF(N)とすると、摩擦係数
(μ)は、μ=In(F/0.98)/(π/2)で求
められる。上記実験構造から得られる摩擦係数のうち
で、トナー層からの圧力によってトナーが感光体ドラム
1Aの表面に擦り込まれた際、擦り込み圧力による摩擦
力によってトナーが付着するのを防止できる摩擦係数
(μ)として上記の範囲の値が地肌汚れを防止できる値
として得られた。感光体ドラム1Aの表面に潤滑剤など
を塗布しない、いわゆる未処理の場合の摩擦係数(μ)
は、0.5〜0.6という結果であるが、経時により
0.6〜0.7程度に上昇する傾向にあり、また、クリ
ーニングブレード6Aの摺接圧が上昇してブレードの異
常振動や感光体の摩耗が促進される可能性が増加する。
【0024】潤滑剤が存在することで摩擦係数が0.1
以下になった場合には、耐摩耗性が向上し、クリーニン
グ性が向上することが期待できる。しかし、潤滑剤が感
光体ドラム1Aに対して必要以上に付着すると、トナー
が滑りやすくなり、文字画像の場合にはエッジがかすれ
た状態になり、一見、解像度が向上したように思える
が、画像のシャープ性が悪くなり、ハーフトーン画像に
ついても均一性が希薄となり、がさついた画像が得られ
易くなる。従って、摩擦係数は低ければよいということ
にはならない。このような理由により、摩擦係数の好適
範囲は、上記の0.4以下、さらに好ましくは0.1〜
0.3の範囲とされ、0.1以下にならないようにして
画像品質の低下が抑えられるようになっている。
【0025】図1に示す画像形成装置1では、感光体ド
ラム1Aの表面摩擦係数を上記好適範囲に維持するため
に、感光体ドラム1Aの回転方向におけるクリーニング
装置6の下流側で現像装置4の配置位置よりも上流側に
相当する帯電装置2の上流側で潤滑剤が供給されるよう
になっている。
【0026】本実施例における潤滑剤は、フッ素樹脂の
多孔質体が用いられる。以下、フッ素樹脂およびその多
孔質体について説明する。一般的にフッ素樹脂とは分子
中にフッ素原子を含有する合成高分子のことであり、通
常、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹
脂:略称PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(四フッ化エチ
レン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂:略
称PFA)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(四フッ化エチレン・6フッ化プロ
ピレン共重合樹脂:略称FEP)、テトラフルオロエチ
レンーエチレン共重合体(四フッ化エチレン・エチレン
共重合樹脂:E/TFE)、ポリビニリデンフルオライ
ド(フッ化ビニリデン樹脂:PVDF)、ポリクロロト
リフルオロエチレン(三フッ化塩化エチレン樹脂:略称
PCTFE)、クロロトリフルオロエチレンーエチレン
共重合体(三フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹
脂:略称E/CTFE)、テトラフロオエチレン−パー
フロロジメチルジオキソール共重合樹脂(略称TFE/
PDD)、ポリビニルフルオライド(フッ化ビニル樹
脂:略称PVF)の9種類を指す。
【0027】フッ素樹脂は、表面摩擦係数が低いものが
多い。これは(1)フッ素分子の分極率が小さいため含
フッ素化合物の分子間凝集エネルギーが低いこと、
(2)構造的に分子鎖表面が滑らかなこと、(3)配向
によって摩擦抵抗が緩和されること等によると考えられ
る。上述のようにフッ素樹脂は分子間凝集力が弱いとい
う特徴があるために、別の部材に付着しやすい。更に一
般的にフッ素樹脂は耐熱性、耐薬品性に優れ、電気絶縁
性が良好であるという特徴を持つ。
【0028】次にフッ素樹脂の多孔質体成形方法につい
て説明すると、フッ素樹脂多孔質体の成形方法として
は、(A1)開孔剤を用いる方法、(A2)繊維状フッ
素樹脂から成形する方法、(A3)延伸化する方法の3
種類が挙げられる。(A1)の開孔剤を用いる方法と
は、フッ素樹脂と開孔剤とを混合し、予備成形、焼成、
焼成後等のいずれかの工程において開孔剤を除去してボ
ーラスシートを作る方法である。開孔剤としては無機塩
類等のように焼成時の温度に耐熱性があり水または溶剤
に可溶な物質やアクリル樹脂等のように焼成中に分離除
去可能な物質等が用いられる。(A2)の繊維状フッ素
樹脂から成形する方法としては、繊維フッ素樹脂の織布
を使用したり、フッ素樹脂から作った短繊維を水に分散
させてペーパ一状の多孔質体を成形する等の方法が挙げ
られる。素材繊維同士が融着により結合しているため、
樹脂そのものの特性を有しており、繊維の脱落、ほつれ
がないという特徴がある。(A3)の延伸化では、フッ
素樹脂をペースト押出し後、カレンダーしてシートを作
り、これを延伸して多孔質化する方法である。延伸比に
より孔径が制御できるため、(A1)、(A2)の方法
よりも孔径分布の狭い膜を作ることができる。
【0029】本実施例においては、上記フッ素樹脂のう
ちで、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと
いう)を用いた多孔質体が潤滑剤として用いられるよう
になっており、以下、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)に関して説明する。PTFEは、摩擦係数が
0.04で、あらゆる固体の中で最も低い。これはPT
FEが(−CF2−CF2−)nという炭素原子鎖を骨格
としてその周囲をフッ素原子が取り巻いている構造のた
めである。つまり極めて強固なC−F結合及びフッ素原
子によって強化されたC−C結合からなる線状高分子で
あり、対称構造を持っているために耐熱性、耐薬品性、
誘電特性が優れている。また、炭素原子鎖の骨格を取り
巻く原子が比較的大きなフッ素原子であるために、隙間
なく取り囲まれていてシリンダ一状に近い分子構造をと
っている。そのため分子表面は凹凸がなく滑らかで、分
子は屈曲性に乏しく剛直である。PTFEの短所として
硬度が柔らかすぎることが挙げられる。これはPTFE
の結晶における分子間凝集力が他の高分子に比べて小さ
いためである。従って実用的な機械的強度を持たせるた
めには、剛直なCF2鎖が互いに絡み合う程度に長くな
ければならない。そのためPTFEは極めて大きな分子
量を持つ。PTFEではその低い分子間凝集力と棒状構
造のため、実用的な機械強度を高分子量化による分子間
の絡みに依存している。
【0030】上記の強度を持たせるためにPTFEに充
填剤を入れる処方が取られている。充墳剤を入れると純
物質よりも、(B1)硬度が高く弾性係数が増す、(B
2)耐圧縮性、耐クリープ性が良い、(B3)高温特性
が優れ、熱膨張係数が低い、(B4)耐摩耗性が良く、
熱伝導率が大きいなど摩擦特性が優れるという長所が得
られる。
【0031】本実施例における潤滑剤は複写機、ブリン
タ等の画像形成装置に用いられるため、耐摩耗性が要求
されるので充填剤入りPTFEを用いることが望まし
い。各種充填剤は単独または複数同時に用いられる。充
填剤にはグラスファイバー、カーボンファイバー、グラ
ファイト、二硫化モリブデン、ブロンズ、珪酸アルミ、
滑石、金属酸化物等の無機充填剤、ポリイミド樹脂、芳
香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファィド
樹脂等の有機耐熱性ポリマーも用いられる。これら充填
剤を用いると、耐摩耗性以外にも耐クリーブ性、曲げ弾
性率、硬さ、熱伝導度、線膨張率等が改善できる。
【0032】本実施例において感光体ドラム1Aの表面
摩擦係数を低減して像担持体の長寿命化を行うにあた
り、潤滑剤としてPTFEを選択した理由は以下の通り
である。PTFEは非常に柔らかい物質であり、また分
子間凝集力が小さくPTFE分子間で滑りが起こりやす
い。異種材料と摺動させて摩擦が起こる場合には、相手
材に摩耗したPTFEが供給されてPTFEの移着が容
易に起こる。この効果により相手材表面にPTFE層が
形成され、そこに生じる摩擦がPTFE同士の摩擦に置
き換えられ、摩擦係数が低減する。このことは摺動状態
において多くの材料とPTFE間の摩擦抵抗が低いこと
の一要因として知られている。そしてPTFEの移着が
生じた後、PTFE同士の摩擦になった後はPTFEの
摩耗が低下する。これはPTFE同士の摩擦係数が極端
に小さいため、PTFE間に生じるせん断力が低下し、
摩耗が減少するためである。このためPTFEを直接像
担持体に接触させると、PTFEの像担持体への移着
後、PTFEの塗布量が自動的に制限されることとな
り、必要以上の潤滑剤の塗付が抑えられるという効果も
ある。
【0033】PTFEの物性は、原料の分子量と成形品
の結晶化度と成形品内に残存するボイドの3つの要素に
支配される。原料の分子量が低過ぎると成形時にクラッ
クが入って成形不能となる。成形可能な範囲では分子量
の影響は小さく、むしろ成形条件によって左右される結
晶化度、ボイドが重要な要素となる。結晶化度は焼結の
条件、特に冷却速度に大きく関係し、速いほど成形品の
結晶化度が小さくなるという特徴を持つ。成形品の結晶
化度は大きければ剛性も増し、小さければ強靭性、透明
性が出てくるなどそれぞれの特徴がある。ボイドの量は
粉末の粒度が小さいほど、そして予備成形圧力が大きい
ほど少なくなる。
【0034】次に上記PTFEの多硬質体の成形につい
て説明する。なお、本発明では、この材質に限らず、上
記したフッ素樹脂のいずれかを選択することもちろん可
能である。
【0035】フッ素樹脂に所定量の充填剤を添加した
(しなくてもよい)原料を適当な大きさの容器に入れ、
除助剤及び孔形成物質を予め混合したものを注ぎ、蓋を
して密閉して原料組成物を得る。前記助剤は、ペースト
押出しを行う際に滑剤として機能するものであり、ソル
ベントナフサ、白灯油等が挙げられる。この助剤の量は
多すぎると圧力が不足して繊維化せず連続した成形品を
得ることができず、少なすぎると押出し自体が困難にな
る。孔形成物質は、加熱により変質せず助剤に対して親
和性があり、低温で蒸発せずにフッ素樹脂の焼成温度近
傍で容易に蒸発するものであればよく、シリコーンオイ
ル類が適している。この孔形成物質の配合量が多すぎる
と形成したフッ素樹脂にクラックが生じたり、引張り強
さ等の機械的特性が低下し、少なすぎると焼成後のフッ
素樹脂の孔が少なくなるという問題が生じる。次にフッ
素樹脂原料、充填剤、助剤及び孔形成物質からなる原料
組成物の入った容器を転動ロール機で攪拌し、その後室
温にて熟成する。転動ロール機の撹拌時間が長すぎると
二次粒子が形成されるため、適当な撹拌時間を設けるこ
とが必要である。次に熟成した原料組成物を再び転動ロ
ール機で攪拌し、その後原料組成物を予備成形金型に充
填して圧力をかけ予備成形品を形成する。次に予備成形
品をペースト押出し機に入れ、ペースト押出しを行って
成形品を得る。その後得られた成形品を自然乾燥して助
剤を除去する。さらにその後、残留した助剤を完全に除
去するために電気炉を用いて低温を維持する。その後、
電気炉の温度を上げて焼成温度近辺まで加熱して所定時
間保持することにより、成形品が溶融状態となると共
に、焼成温度近傍で孔形成物質であるシリコーンオイル
が蒸発して蒸気となり、外部に放出されて多孔質体とな
る。最後に多孔質状態となった溶融状態の多孔質体を空
気中または水中で急冷して目的のフッ素樹脂多孔質体を
得ることができる。
【0036】上記フッ素樹脂の多孔質体は、図3に示す
ように、孔が一つ一つ独立して形成される構成(図3
(a)参照)、あるいは孔の一つ一つが連続して配置形
成されている構成(図3(b)参照)のいずれであって
もよい。
【0037】本実施例は以上のような構成のフッ素樹脂
の多孔質体を潤滑剤として用いることにより、つぎのよ
うな作用が得られる。感光体ドラム1Aに対してフッ素
樹脂の多孔質体を供給すると、フッ素樹脂の摩耗量を適
度に抑えることができる。つまり、市販のフッ素樹脂の
粉末や固形化されたフッ素樹脂を直接または間接的に感
光体ドラム1Aに供給した場合には感光体ドラム1Aの
表面摩擦係数が低減されることに関しては前述したとお
りであるが、さらに転移性のよいフッ素樹脂材料があれ
ば、短時間少量で感光体ドラム1Aの表面摩擦係数が低
減できる。しかし、転移性を制御する因子は多数あるも
のの、フッ素樹脂の転移性がよくなるとフッ素樹脂の摩
耗量が多くなる。このような潤滑剤に対して本実施例で
は潤滑剤としてフッ素樹脂の多孔質体を用いることによ
り、フッ素樹脂の摩耗量を適度に抑えるようになってお
り、しかも、多孔質体であるために多数の孔を有してい
ることから、孔のないフッ素樹脂に比べて柔らかい。こ
のため、薄膜の感光体層で形成される小型の感光体ドラ
ム1Aを対象とした場合には、供給される潤滑剤が硬す
ぎると感光体層表面を傷つけてしまうことがあるが、柔
らかい多孔質のフッ素樹脂を用いることによりこのよう
な弊害を生じることなく感光体ドラム1Aの表面摩擦係
数を低減させることができる。
【0038】一方、上記PTFEを用いる潤滑剤の構成
としては、PTFEの多孔質体に各種潤滑油などの潤滑
性液体を含浸させることができる。電子写真方式を利用
した画像形成方法においては、定着部においてローラを
PTFEでコーティングしたり潤滑油であるシリコーン
オイルを供給したりする方法が用いられている。定着部
というのは、電子写真法において紙にトナーを定着させ
る部分であり、他の感光体周りのプロセスとの関連が少
ない。そのため、紙にトナーを定着させるという目的の
ためだけに液体状の潤滑剤を用いることができる。しか
しながら定着部以外の電子写真プロセスの各工程におい
ては、トナーが粉末であることも関与し、液体状の物質
が存在することを好ましいとしない傾向がある。従来、
感光体表面摩擦係数を低減させるための方法は各種検討
されているが、上記の理由により液体状の潤滑剤が用い
られている場合は数少ない。含油フッ素樹脂は摺動面が
摩耗するに従い、内部の潤滑油を順次摺動面に供給でき
るので、摺動面を無給油でオイル潤滑することができる
という長所がある。通常、オイル潤滑を行うには、オイ
ル供給を行う装置を必要とするため、部品点数が増加
し、コストもアッブするという欠点がある。本発明の実
施例においては、潤滑性液体をPTFEの多孔質体に含
浸させることでこの欠点を回避することができる。
【0039】次に、各種潤滑油などの上記潤滑性液体を
フッ素樹脂の多孔質体に含浸させる方法について説明す
る。 まず、含浸させたい潤滑油を満たしたオイルバス
を用い、ある程度の温度近辺(100℃近辺であること
が多い)に加熱した潤滑油中にフッ素樹脂を1時間程度
浸漬させ、その後常温まで冷却した潤滑油中からフッ素
樹脂多孔質体を取り出す。液体状潤滑剤をフッ素樹脂多
孔質体に含浸させる方法は以上のものに限らない。
【0040】液体状潤滑剤として最も一般的なのは潤滑
油である。潤滑油とは石油の一定の留分、あるいは合成
系の基油に添加剤を混合したものであり、(A)用途に
よってかなり広い粘度範囲のものが選べる、(B)様々
な添加剤を溶かし込むことができる等の特徴を持つ。潤
滑油は鉱油系基油として、炭化水素組成によりナフテン
系とパラフィン系とに分けられる。合成基油にはエステ
ル系、シリコーン系等がある。本発明において用いる潤
滑油は、加熱により変質せず、フッ素樹脂の焼成温度で
容易に蒸発しないものならばどれを用いても良い。
【0041】なお、本実施例では、上記潤滑剤として、
固体潤滑剤をフッ素樹脂多孔質体に含有させて用いるこ
とも可能である。この場合の固体潤滑剤とは、潤滑剤自
身軟らかいとか、せん断によって内部滑りを起こしやす
いといった性質を持つ固体物質、いわゆる、潤滑性固体
のことである。これら固体潤滑剤を摩擦面に付与して摩
擦や摩耗を軽減し、表面損傷を防止することができる。
潤滑機構は固体潤滑剤による摩擦面での固体被膜の形成
である。固体潤滑剤としては、二硫化モリプデン、グラ
ファイト、窒化ほう素等の層状構造化合物や、ステアリ
ン酸金属塩、オレイン酸金属塩等の各種金属石鹸、カル
ナウバろう、蜜蝋等の各種ワックス、蝋、各種ポリマ一
等が挙げられるが、潤滑性を持っているものならばよ
く、以上のものに限らない。また上記の固体潤滑剤は単
独で用いても良いし、2種類以上を同時に用いても良
い。
【0042】次に、潤滑性固体に相当する固体潤滑剤を
フッ素樹脂多孔質体に含有させる方法について述べる。
固体潤滑剤を母材であるフッ素樹脂の孔中に入れるに
は、固体潤滑剤を融点以上に加熱し、溶融した状態でフ
ッ素樹脂の孔中に流し込む方法が挙げられる。溶融状態
ですぐ固まらないような物質であれば、固体潤滑剤を溶
融した液中に多孔質状フッ素樹脂を浸漬させれば良い。
【0043】上記フッ素樹脂多孔質体をそのままあるい
は孔中に潤滑剤を含浸させて感光体ドラム1Aにフッ素
樹脂供給する場合、フッ素樹脂多孔質体を直接接触させ
て供給すると、間接的に供給する場合に比べて供給に必
要な部品点数を低減できるので、コストダウンが可能と
なる。
【0044】上記潤滑剤を感光体ドラム1Aに供給する
構成として、図4乃至図7に示す構成が用いられる。
【0045】図4に示す構成は、感光体ドラム1Aの表
面に直接当接可能で内部に上記構成からなる潤滑剤を収
容した袋30を備えている。袋30は、感光体ドラム1
Aの軸方向に沿って延在しており、潤滑剤付与ケース3
1の内部に配置されている弾性体支持部材32に一端が
係止されているバネ等の弾性体33により感光体ドラム
1Aの表面に当接する習性が付与されている。この場合
には、弾性体33の圧力を調整することで、感光体ドラ
ム1Aに対する袋30の当接圧力を変更して袋30の織
り目から滲出する潤滑剤の量を調整できるので、感光体
ドラム1Aの表面での潤滑剤の供給量が最適化できる。
【0046】図5および図6に示す構成は、図5に示し
た構成の場合のように、収容部から直接感光体ドラム1
Aの表面に潤滑剤を供給するのに代えて、間接的に供給
するための構成であり、図5および図6において潤滑剤
は、潤滑剤付与ケース(便宜上、図4で用いた符号31
で示す)に設けられている潤滑剤支持部材34に支持さ
れた潤滑剤層35に蓄えられている。潤滑剤層35に
は、図5に示すように、感光体ドラム1Aの軸方向と平
行する長手方向を有して感光体ドラム1Aの表面に当接
している潤滑剤供給ローラ36あるいは図6に示すよう
に潤滑剤供給ブラシ37が当接しており、潤滑剤層35
からの潤滑剤を表面に担持して感光体ドラム1Aの表面
に供給する。なお、潤滑層35と潤滑剤供給ローラ36
あるいは潤滑剤供給ブラシ37とは、潤滑層35を上記
ローラ36あるいはブラシ37に向け付勢してこれらロ
ーラ36あるいはブラシ37の滑落を防止する弾性体3
8の弾性力に応じて当接圧力を変更できるようになって
おり、ローラ36あるいはブラシ37に対する潤滑剤の
担持量を調整して感光体ドラム1Aでの潤滑剤の供給量
を最適化できるようになっている。
【0047】図5および図6に示した潤滑剤供給ローラ
36と潤滑剤供給ブラシ37は、それぞれ単独で用いら
れることに限らず、両方を用いることも可能である。図
7はこの場合の構成を示しており、同図では、潤滑剤の
供給部が感光体ドラム1Aのクリーニング部に並設され
ている。なお、図7において図1、図5および図6に示
した部材と同じ構成部品については同符号により示して
ある。つまり、クリーニング装置6のケーシング6Aに
は、感光体ドラム1Aの回転方向前方側に潤滑剤供給部
が設けられている。潤滑剤供給部は、ケーシング6A内
に設けられている潤滑剤支持部材34により潤滑剤層3
5が支持されている。潤滑剤層35には潤滑剤供給ロー
ラ36が当接しており、さらに潤滑剤供給ローラ36と
感光体ドラム1Aの表面との間には、これら両部材に当
接する潤滑剤供給ブラシ37が配置されている。
【0048】一方、クリーニング装置6のケーシング6
A内には、感光体ドラム1Aの表面に当接するクリーニ
ングブレード6B、感光体ドラム1Aから掻き取られた
トナーの漏れを防止する入り口シール部材6C、掻き取
ったトナーの規制用フリッカー6D、トナーの回収ロー
ラ6Eが設けられている。このような構成では、感光体
ドラム1Aの回転方向と逆方向に回転するように潤滑剤
供給ブラシ37の回転方向が設定され、潤滑剤層35か
ら潤滑剤供給ローラ36に担持された潤滑剤が潤滑剤供
給ブラシ37に移行する際に長手方向で均されるので、
感光体ドラム1Aに対して軸方向で均一に供給されるこ
とになる。
【0049】上記構成によれば、フッ素樹脂多孔質体が
柔らかすぎる場合にローラやブラシを用いると掻き取る
際の接触圧を弱めることができるので、適量の潤滑剤を
感光体ドラム1A表面に供給することが可能になる。ま
た、図4に示した袋30中に潤滑剤を収容して適当な圧
力を付与することで、袋30の織り目を通過する際にそ
の織り目よりも小さくされる潤滑剤を感光体ドラム1A
に供給することができ、自動的に潤滑剤の孔径を制御し
て適量供給が可能になる。さらにローラ36やブラシ3
7を介して潤滑剤を供給した場合には、感光体ドラム1
Aに達するまでの間に潤滑剤がローラおよびブラシ間に
おいて長手方向に均一化されるので、感光体ドラム1A
の軸方向において均一に供給することが可能になる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、フッ素樹脂の多孔質体を潤滑剤として用い
ることにより、フッ素樹脂の摩耗量を適度に抑えること
ができるので、クリーニングブレードによる削り現象を
抑止して異常画像の発生を防止するとともに潜像担持体
の寿命を延ばすことが可能になる。しかも、潜像担持体
の感光層を薄膜として装置構造を小型化するような場合
には、多孔質体とすることで柔らかな潤滑剤が得られる
ので、潜像担持体の感光層表面を傷つけることがなくな
り、これによっても潜像担持体の寿命を延ばすことが可
能になる。
【0051】請求項2記載の発明によれば、フッ素樹脂
の多孔質体に潤滑性液体を含浸させているので、両者を
同時に供給することにより潜像担持体表面の摩擦係数を
良好に低減させて画像品質を高めることが可能になる。
【0052】請求項3記載の発明によれば、フッ素樹脂
の多孔質体に有する孔中に潤滑性固体を含有させたの
で、画像形成が繰り返し行われて潤滑剤が摩耗しても孔
中から固体潤滑剤が供給されることにより潜像担持体の
表面摩擦係数を低減した状態に維持することができ、こ
れにより、画像品質を損なわない状態を維持することが
可能となる。
【0053】請求項4記載の発明によれば、フッ素樹脂
の多孔質体で構成された潤滑剤を潜像担持体に直接供給
して接触させることができるので、間接的に接触させる
場合に比べて供給のための部品点数を少なくしてコスト
ダウンを図ることが可能になる。
【0054】請求項5記載の発明によれば、フッ素樹脂
多孔質体を間接的に潜像担持体に供給するようになって
いるので、その供給過程において潤滑剤の分布を均一化
することができ、これにより、潜像担持体表面での均一
供給が可能になる。
【0055】請求項6記載の発明によれば、潤滑剤とし
て用いられるフッ素樹脂をPTFEにより構成している
ので、潜像担持体と接触した際の潜像担持体との間の摩
擦が潜像担持体表面に移着したPTFEおよび供給され
るPTFE同士の特性によってPTFE同士の摩擦に置
き換えられて潜像担持体表面の摩耗が抑制され、さら
に、潜像担持体表面に過剰な移着が発生しないことによ
り、潜像担持体への潤滑剤付与が適切化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例による画像形成方法が適用される
画像形成装置の要部構成を説明するための模式図であ
る。
【図2】図1に示した画像形成装置に用いられる潜像担
持体の表面摩擦係数を設定する根拠を説明するための実
験装置の構成図である。
【図3】本発明実施例による画像形成方法における潤滑
剤の多孔質構造を説明するための図である。
【図4】本発明実施例による画像形成方法における潤滑
剤の供給構成の一例を示す模式図である。
【図5】本発明実施例による画像形成方法における潤滑
剤の供給構成の他の例を示す模式図である。
【図6】本発明実施例による画像形成方法における潤滑
剤の供給構成の別の例を示す模式図である。
【図7】本発明実施例による画像形成方法における潤滑
剤の供給構成のさらに別の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 1A 像担持体に相当する感光体ドラム 2 帯電装置 3 書き込み装置 4 現像装置 5 転写装置 6 クリーニング装置 6A クリーニングブレード 30 潤滑剤を収容した袋 34 潤滑剤支持部剤 35 潤滑層 36 潤滑剤供給ローラ 37 潤滑剤供給ブラシ S 転写紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永目 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 左近 洋太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 (72)発明者 武市 隆太 東京都大田区中馬込1丁目3番6号・株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H034 AA07 BF00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、潜像担持体およびこの潜像担
    持体上に形成された静電潜像にトナーを付着させて可視
    像とする現像工程と、該潜像担持体上に形成されたトナ
    ー像を転写材に転移させて付着させる転写工程と、上記
    転写工程後、該潜像担持体上に残留したトナーを清掃す
    るクリーニング工程とを含む電子写真方式を用いた画像
    形成プロセスを前提とし、上記潜像担持体上に潤滑剤と
    してフッ素樹脂を供給して該潜像担持体の表面摩擦係数
    を低減させて潜像担持体を長寿命化する画像形成方法に
    おいて、 上記潤滑剤としてフッ素樹脂の多孔質体を用いることを
    特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の画像形成方法において、 上記潤滑剤は、フッ素樹脂の多孔質体に潤滑性液体を含
    浸させて用いることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の画像形成方法において、 上記潤滑剤は、フッ素樹脂の多孔質体に潤滑性固体を含
    有させて用いることを特徴とする画像形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像
    形成方法において、 上記潤滑剤を潜像担持体に直接接触させて潤滑剤の供給
    を行うことを特徴とする画像形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像
    形成方法において、 上記潤滑剤を潜像担持体に対してブラシやローラあるい
    は袋体を介して間接的に供給することを特徴とする画像
    形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のうちの一つに記載の画像
    形成方法において、 上記フッ素樹脂はポリテトラフルオロエチレン(PTF
    E)が用いられることを特徴とする画像形成方法。
JP10264527A 1998-07-22 1998-09-18 画像形成方法 Pending JP2000098838A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10264527A JP2000098838A (ja) 1998-07-22 1998-09-18 画像形成方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20609398 1998-07-22
JP10-206093 1998-07-22
JP10264527A JP2000098838A (ja) 1998-07-22 1998-09-18 画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000098838A true JP2000098838A (ja) 2000-04-07

Family

ID=26515446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10264527A Pending JP2000098838A (ja) 1998-07-22 1998-09-18 画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000098838A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006350240A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009037171A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2009048107A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009271133A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Ricoh Co Ltd 像担持体用保護剤、保護層形成装置およびこれを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置および画像形成方法
JP2009282462A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Ricoh Co Ltd 保護剤、保護層形成装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2010186061A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Ricoh Co Ltd 感光体用保護剤、及び保護層形成装置、並びに画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
US7970334B2 (en) 2006-12-11 2011-06-28 Ricoh Company, Limited Image-carrier protecting agent, protecting-layer forming device, image forming method, image forming apparatus, and process cartridge
JP2012018427A (ja) * 2011-10-26 2012-01-26 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2012133075A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 滑剤固形物、画像形成装置及び画像形成方法
JP2016180950A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006350240A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びプロセスカートリッジ
US7970334B2 (en) 2006-12-11 2011-06-28 Ricoh Company, Limited Image-carrier protecting agent, protecting-layer forming device, image forming method, image forming apparatus, and process cartridge
JP2009037171A (ja) * 2007-08-03 2009-02-19 Ricoh Co Ltd 像担持体保護剤、保護層形成装置、画像形成方法、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
JP2009048107A (ja) * 2007-08-22 2009-03-05 Ricoh Co Ltd 画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009271133A (ja) * 2008-04-30 2009-11-19 Ricoh Co Ltd 像担持体用保護剤、保護層形成装置およびこれを用いるプロセスカートリッジおよび画像形成装置および画像形成方法
JP2009282462A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Ricoh Co Ltd 保護剤、保護層形成装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2010186061A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Ricoh Co Ltd 感光体用保護剤、及び保護層形成装置、並びに画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP2012133075A (ja) * 2010-12-21 2012-07-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 滑剤固形物、画像形成装置及び画像形成方法
JP2012018427A (ja) * 2011-10-26 2012-01-26 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016180950A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6060205A (en) Image forming apparatus
EP0969333B1 (en) Heated fuser member with a coating of elastomer and anisotropic filler
US6007657A (en) Method for increasing thermal conductivity of fuser member having elastomer and anisotropic filler coating
KR100572285B1 (ko) 전도성 부재, 이것을 이용한 전자 사진 장치 및 프로세스카트리지
JP6357875B2 (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP5448260B2 (ja) 転写帯電部材および画像形成装置
JP2000098838A (ja) 画像形成方法
JP2005144751A (ja) 表面離型性部材、表面離型性加熱部材およびそれらを用いた加熱定着装置
JPH08241006A (ja) 定着装置
JP5369405B2 (ja) 画像形成方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JPH11338307A (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP4933212B2 (ja) 像担持体保護剤塗布方法、保護層形成装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2000181284A (ja) 画像形成装置および画像形成装置の像担持体への潤滑剤塗布装置および固形潤滑剤
JP2000206722A (ja) 画像形成装置および画像形成装置の像担持体への潤滑剤塗布装置および固形潤滑剤
JP2004004785A (ja) 導電性部材、これを用いた電子写真装置およびプロセスカートリッジ
JP2023109394A (ja) 中間転写体用クリーニングブレード、及び画像形成装置
JP2014134696A (ja) 電子写真定着用定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP5119724B2 (ja) 定着装置用摺動部材、定着装置及び画像形成装置
JP2005316040A (ja) 転写ベルトおよび該ベルトを有する画像形成装置
JP4801560B2 (ja) 像担持体保護剤・保護層形成装置・画像形成方法・画像形成装置・プロセスカートリッジ
JP2007298650A (ja) 液体現像装置及び画像形成装置
JP2000131986A (ja) 定着ロールの製造方法、定着ロール、定着装置及び画像形成装置
JPH02266383A (ja) 定着装置
JP3753909B2 (ja) 潤滑剤塗布具・潤滑剤塗布装置および画像形成装置
JP2001282043A (ja) 画像形成装置