JP3753909B2 - 潤滑剤塗布具・潤滑剤塗布装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、潤滑剤塗布具・潤滑剤塗布装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
潜像担持体に静電潜像を形成し、形成された静電潜像を現像してトナー画像として可視化し、潜像担持体上に形成されたトナー画像を、直接的に、もしくは中間転写媒体を介して記録シートに転写し、転写されたトナー画像を記録シート上に定着して画像を得る画像形成装置は、複写装置やプリンタ等として広く知られている。
このような画像形成装置においては、トナー画像の転写された後も潜像担持体や中間転写媒体に「ある程度のトナー」が残留しているので、このような残留トナーを除去する像担持体クリーニング装置が必要となる。
残留トナーの除去には、クリーニングブレードのブレードエッジを潜像担持体や中間転写媒体の表面に押圧して、残留トナーを「擦り取る」のが最も有効である。一方において、潜像担持体や中間転写媒体には、潜像の形成やトナー画像の転写に必要な電気的特性が与えられているが、クリーニングブレードの圧接により、このような電気特性が損なわれ、潜像担持体や中間転写媒体の寿命を短命化する問題がある。
クリーニングブレードの圧接によるダメージを軽減するのに、「潜像担持体や潜像担持体の表面摩擦係数を低下させる」のが有効であることが知られており、上記表面摩擦係数の低減化のために、潜像担持体等に潤滑剤を塗布することが提案されている(例えば、特開平8−95455号公報)。
潤滑剤は塗布されることにより消費されるので、必要に応じて潤滑剤の交換を行う必要がある。従来、潤滑剤を長期にわたって安定的に塗布し続けることが難しかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、上記の如き画像形成装置において、潤滑剤の塗布を長期にわたり安定且つ良好に行えるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の潤滑剤塗布具は「潜像担持体上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像してトナー画像とし、トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布具」である。
即ち、潤滑剤塗布具による潤滑剤の塗布は、「潜像担持体それ自体」あるいは「潜像担持体に接触して回転する部材」例えば、前述の中間転写媒体や「潜像担持体を帯電させるための帯電ローラ」、トナー画像を潜像担持体から記録シートに転写するための転写ローラ、トナー画像転写後の潜像担持体表面を摺擦するクリーニングブラシ等に対して行わうことができる。このように、潤滑剤が直接的に塗布されるものを「被塗布体」と呼ぶ。
請求項1記載の潤滑剤塗布具は、潤滑剤ベルトと1以上のローラを有する。
「潤滑剤ベルト」は、変形可能な潤滑剤を、無端ベルト状に形成したものである。
「1以上のローラ」は、潤滑剤ベルトの内周側に設けられる。単一のローラが用いられる場合は、潤滑剤ベルトはローラ周面に密接する。2以上のローラが用いられるときは、これら2以上のローラが潤滑剤ベルトに張りを与える。
勿論、潤滑剤ベルトは、その幅が「潤滑剤を塗布される被塗布体の有効幅」以上の大きさを有する。潤滑剤ベルトは、上述の如く無端ベルト状である。無端ベルトの形態としては「継ぎ目のあるもの」でも良いが、継ぎ目の無い所謂「シームレス無端ベルト」が好ましい。
【0005】
潤滑剤としては公知の種々のものを用いることができるが、特に好ましいものとして「フッ素系樹脂」を挙げることができる(請求項2)。
フッ素系樹脂は、分子中にフッ素原子を含有する合成高分子を意味し、通常、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン樹脂:略称PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂:略称PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(四フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂:略称FEP)、テトラフルオロエチレンーエチレン共重合体(四フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂:E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(フッ化ビニリデン樹脂:PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(三フッ化塩化エチレン樹脂:略称PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(三フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂:略称E/CTFE)、テトラフロオエチレン−パーフロロジメチルジオキソール共重合樹脂(略称TFE/PDD)、ポリビニルフルオライド(フッ化ビニル樹脂:略称PVF)の9種類を指す。
フッ素系樹脂は、表面摩擦係数が低いものが多い。フッ素分子の分極率が小さいため含フッ素化合物の分子間凝集エネルギーが低いことや、構造的に分子鎖表面が滑らかであること、配向によって摩擦抵抗が緩和されること等によると考えられている。フッ素系樹脂は分子間凝集力が弱いため、別の部材に付着しやすく、従って塗布しやすい。また一般的にフッ素系樹脂は、耐熱性、耐薬品性に優れ、電気絶縁性が良好であるので、潜像担持体等に塗布するのに好適である。
フッ素系樹脂のうちでも、上記PTFT(ポリテトラフルオロエチレン)は、潤滑剤の材料として特に好適である(請求項3)。PTFTはそれ自体を、例えばシリンダ状の型を用いる型成形により、容易に「シームレス無端ベルト状」に形成できる。
PTFEの摩擦係数は0.04であり、あらゆる固体の中で最も低い。これはPTFEが「(-CF2-CF2-)n」という炭素原子鎖を骨格とし、その周囲をフッ素原子が取り巻いている構造による。即ち、極めて強固な「C-F結合」とフッ素原子によって強化された「C-C結合」からなる線状高分子で、対称構造を持つため耐熱性、耐薬品性、誘電特性に優れる。
【0006】
また、炭素原子鎖の骨格を取り巻く原子が比較的大きなフッ素原子であるために、炭素原子鎖はフッ素原子により隙間なく取り囲まれ、シリンダー状に近い分子構造を呈し、分子表面は凹凸なく滑らかで、屈曲性に乏しく剛直である。
PTFEは、結晶における分子間凝集力が他の高分子に比べて小さいため、純物質としてのPTFEは非常に柔らかい。潤滑剤ベルトをPTFTで構成する場合、潤滑剤ベルトに必要とされる機械強度を得るには、PTFEに充填剤を入れれば良い。充填剤を入れると、純物質よりも硬度が高くなり、弾性係数が増し、耐圧縮性、耐クリープ性が良くなる。また、耐高温特性も向上し、熱膨張係数が低く、耐摩耗性が良く、熱伝導率が大きくなる。
この発明においては、潤滑剤は潤滑剤ベルトとして用いられるので、潤滑剤ベルトの耐摩耗性が重要であり、潤滑剤として「充填剤入りPTFE」を用いることが望ましい。
充填剤としてはグラスファイバー、カーボンファイバー、グラファイト、二硫化モリブデン、ブロンズ、珪酸アルミ、滑石、金属酸化物等の無機充填剤、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の有機耐熱性ポリマーを用いることができる。
これら充填剤を用いると、耐摩耗性以外にも耐クリープ性、曲げ弾性率、硬さ、熱伝導度、線膨張率等を改善できる。上記各種充填剤は単独で、または複数種を混合して用いることができる。
勿論、フッ素系樹脂以外の潤滑剤を使用することも可能である。例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類、滑石(タルク)類、カルナウバワックスのような天然ワックス類、シリコンオイル、フッ素系オイル等の合成油、スクワランオイル等の動物性油、菜種油等の植物性油、鉱物油等がある。これらを、フェルト等により構成した無端ベルトに保持させたり、含浸させたりして用いることが考えられる。
【0007】
PTFEにつき、更に付言すると、PTFEは上記の如く、非常に柔らかい物質で分子間凝集力が小さいため分子間で滑りが起こりやすい。異種材料と摺動させて摩擦が起こる場合には、相手材に摩耗したPTFEが供給されてPTFEの移着が容易に起こる。このため相手材表面にPTFE層が形成され、そこに生じる摩擦がPTFE同士の摩擦に置き換えられて摩擦係数が低減する。そしてPTFE同士の摩擦になった後はPTFE同士の摩擦係数が極端に小さいため、PTFE間に生じるせん断力が低下し、摩耗が減少する。このためPTFEを被塗布体に接触させると、PTFEの被塗布体への移着後、PTFEの塗布量が自動的に制限されることとなり、必要以上の潤滑剤の塗付が抑えられる利点がある。
【0008】
この発明の潤滑剤塗布装置は「潜像担持体上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像してトナー画像とし、トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体に潤滑剤を塗布する装置」であり、潤滑剤塗布具と、駆動手段とを有する(請求項4)。
「潤滑剤塗布具」としては、上に説明した請求項1または2または3記載の潤滑剤塗布具が用いられるが、潤滑剤ベルトの内周側に設けられる1以上のローラのうち1つは駆動ローラである。
「駆動手段」は、上記駆動ローラを介して潤滑剤ベルトを回転駆動する手段である。
この請求項4記載の潤滑剤塗布装置において、潤滑剤ベルトを「通常は回転させず」、潤滑剤ベルトを回転駆動する駆動手段により所定時間ごとに、潤滑剤ベルトを所定量回転させるように構成することができる(請求項5)。ここに言う「所定時間」は、必ずしも具体的な時間そのものでなく、画像記録枚数や潜像担持体の回転数として換算されるものでもよい。
また、上記請求項4記載の潤滑剤塗布装置において、潤滑剤ベルトを回転駆動する駆動手段が「潤滑剤ベルトを常時、所定の周速度で回転させる」ようにしても良い(請求項6)。常時は「潜像担持体が機械的に駆動されているとき」を意味する。
請求項7記載の潤滑剤塗布装置は「潜像担持体上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像してトナー画像とし、トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗装置」であって、潤滑剤塗布具として、前記請求項1または2または3記載の潤滑剤塗布具を用い、以下の点を特徴とする。
即ち、潤滑剤ベルトの内周側に設けられる1以上のローラのうちの1以上を「回転停止可能なストッパローラ」とし、これら1以上のストッパローラを、「回転状態切り換え手段」により自由回転状態と停止状態とに切り換える。
【0009】
上に説明した請求項4〜7の任意の1に記載の潤滑剤塗布装置は、「潤滑剤を塗布されるべき被塗布体への潤滑剤塗布量を調整する塗布量調整手段」を有することができる(請求項8)。塗布量調整手段は、潤滑剤ベルトの被塗布体への圧接力を調整するものであることができる(請求項9)。
塗布量調整は、種々の方法で実行することができる。例えば、潤滑剤ベルトと被塗布体とを離接可能とし「潤滑剤ベルトと被塗布体との接触状態と離隔状態とを切り換える」ことにより塗布量調整を行うことができる。あるいは、請求項6記載の塗布装置の場合であれば、潤滑剤ベルトの周速度を可変とし、周速度を変えることにより「被塗布体の周速度と潤滑剤ベルトの周速度との相対速度差を変化させる」ことにより塗布量調整を行うことが可能である。請求項7記載の潤滑剤塗布装置の場合であれば、潤滑剤ベルトが停止状態とされる時間を調整することにより塗布量調整を行うことができる。これらの場合には、塗布量調整手段を「上記各塗布量調整を実現できるよう」に構成すれば良い。
上記請求項4〜9の任意の1に記載の潤滑剤塗布装置において、潤滑剤を塗布されるべき被塗布体を「潜像担持体」とし、潤滑剤が潜像担持体に直接的に塗布されるようにしても良いし(請求項10)、被塗布体を「潜像担持体を接触帯電させる帯電ローラもしくは帯電ベルト」とし、潤滑剤が帯電ローラもしくは帯電ベルトに直接的に塗布されるようにしても良く(請求項11)、さらには、潤滑剤を塗布されるべき被塗布体を「潜像担持体上のトナー画像を記録シートに転写させるための中間転写媒体」とし、潤滑剤が中間転写媒体に直接的に塗布されるように構成しても良い(請求項12)。
中間転写媒体は「中間転写ベルトや中間転写ドラム」として構成できる。
画像形成装置内に、潜像担持体とともに、上記帯電ローラや中間転写媒体がある場合、2以上の潤滑剤塗布装置を用い、これらの2以上の被塗布体に潤滑剤を直接的に塗布するようにしてもよい。
帯電ローラや中間転写媒体は潜像担持体と直接接触するので、帯電ローラや中間転写媒体に潤滑剤を塗布すると、これらを通じて潤滑剤は潜像担持体にも間接的に塗布されることになるので、潜像担持体への潤滑剤塗布の少なくとも一部を、このような間接的塗布で賄うようにしてもよい。
なお、上記「帯電ローラ」は、ローラ状に形成された帯電ブラシをも含む。
【0010】
この発明の画像形成装置は「潜像担持体上に静電潜像を形成し、静電潜像を現像してトナー画像とし、トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置」である。このような画像形成装置は、デジタル方式やアナログ方式の「電子複写装置」、レーザプリンタ等の「光プリンタ」、光プロッタ、ファクシミリ装置等として実施することができる。潜像担持体としては、光導電性の感光体を用いることもできるし、誘電性のものを用いることができる。
「光導電性の感光体」を潜像担持体として用いる場合には、その周面を、帯電ローラやコロナチャージャにより均一帯電し、光像の照射や光書き込みによる画像露光を行って静電潜像を形成する。誘電性の潜像担持体を用いる場合には、潜像担持体を帯電ローラ等で均一帯電させたのち、多針電極等による位置選択的な除電を行うなどして静電潜像の形成を行う。
潜像担持体の形態としては「ドラム状やベルト状」が可能である。
請求項13記載の画像形成装置は、このような画像形成装置において、潜像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置として、請求項10に記載されたものを有することを特徴とする。請求項14記載の画像形成装置は、潜像担持体を帯電させる帯電手段として「潜像担持体を接触帯電させる帯電ローラもしくは帯電ベルト」を有し、潤滑剤塗布装置として、請求項11に記載されたものを有することを特徴とする。請求項15記載の画像形成装置は、潜像担持体上のトナー画像を記録シートに転写させるための中間転写媒体を有し、潤滑剤塗布装置として、請求項12に記載されたものを有することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の画像形成装置の実施の1形態を要部のみ略示している。
符号10は「潜像担持体」としての光導電性の感光体を示す。感光体10は、比較的小径の円筒状に形成され、矢印方向へ回転可能である。
等速回転される感光体10の周面は、帯電ローラ12により均一帯電される。
感光体10の帯電には、周知のコロナチャージャを用いて行っても良いが、帯電ローラ12による接触式の帯電を行うと、帯電に伴うオゾンの発生が少ないという利点がある。
周面を均一帯電された感光体10は、続いて周知の光走査装置14で「光書き込みによる画像露光」を受けて静電潜像を形成される。形成される静電潜像は所謂「ネガ潜像」であり、光照射を受けた部分が可視化される。
形成された静電潜像は、周知の現像装置16により反転現像され、静電潜像はトナー画像として可視化される。得られるトナー画像は、周知のベルト式の転写装置18により記録シートS上に転写される。記録シートSは、シート状の記録媒体で、具体的には転写紙や「オーバヘッドプロジェクタ用のプラスチックシート(所謂OHPシート)」であり、矢印の如く搬送され、トナー画像を転写されると周知の定着装置24によりトナー画像を定着され、装置外へ排出される。
トナー画像転写後の感光体10は、除電器20により除電されたのちクリーニング装置(クリーニングブレードとクリーニングブラシを有する)22によりクリーニングされ、周面の残留トナーや紙粉を除去される。
光走査装置14に印加される情報信号(画像信号)は、原稿画像を読み取って画像信号化されたものでもよいし、フロッピーディスク等に記録された情報を読み取ったものでもよく、コンピュータ等で生成させた情報でもよいし、あるいは電話回線等を通じて伝送された信号でもよい。即ち、図1の画像形成装置は、光プリンタや光プロッタとして実施することもできるし、デジタル方式の電子複写装置やあるいはファクシミリ装置等として実施することもできる。
感光体10は、有機光半導体等の光導電層を薄層に形成された所謂「薄層感光体」である。光導電層が薄いので、表面の摺擦による光導電層の磨耗が大きいと感光体10の寿命が短命化する。このような短命化を有効に軽減し、感光体10の電気的特性を長期にわたって安定に保つため、クリーニング装置22と帯電ローラ12との間において、潤滑剤塗布装置30により潤滑剤の塗布を行う。
潤滑剤塗布装置30は、この発明によるものであり、その詳細は後述する。
【0012】
図1に示した実施の形態においては、上述の如く、潤滑剤の感光体10への塗布を「クリーニング装置22と帯電ローラ12との間」において行う。帯電工程から転写工程までは画像形成プロセスが行われているので、この部分においては感光体周面への物理的な接触は避けることが好ましい。従って、潤滑剤を塗布する位置としては「トナー画像の転写位置の下流で帯電位置の上流」である範囲が好ましい。図1の実施の形態のように、クリーニング装置22によるクリーニング後に潤滑剤を塗布するようにすると、クリーニングされた清浄な感光体周面に潤滑剤が塗布されるので、塗布が均一且つ良好に行われる利点がある。
潤滑剤を塗布する位置はクリーニング工程の前にすることもできる。このようにすると、塗布された潤滑剤がクリーニングブレードの圧力(感光体10作用する圧力のうちで最大である)により、潤滑剤を「より強い力」で感光体10に付着させることができる利点がある。
図2は、画像形成装置の実施の別形態を略示している。煩雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては図1におけると同一の符号を付し、図1の画像形成装置と同様の事項に就いては説明を省略し、図1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図2の実施の形態が、図1の実施の形態と異なるところは、図2の実施の形態においては、潤滑剤塗布装置32が「帯電ローラ12に潤滑剤を塗布するよう」に設けられている点である。
帯電ローラ12は、感光体10の周面に常時接触して、感光体10の周面を接触帯電するが、コロナチャージャーを用いる非接触帯電の場合に比して印加電圧が小さく(非接触方式の4000〜7000Vに対し、1000〜2000V)オゾンの発生が小さいというメリットがあるが、反面、帯電ローラが感光体周面と常時接触しているためローラ周面に紙粉や残留トナー等が付着しやすく、このような付着が生じると「帯電むら」を生じやすい。このため、帯電ローラの周面をクリーニングするクリーニング手段を設けることが好ましい。
【0013】
図2の実施の形態の如く、潤滑剤塗布装置32により帯電ローラ12に潤滑剤を塗布するようにすると、潤滑剤塗布装置32が「帯電ローラ12に対するクリーニング手段」として作用するので「ブレードのような、帯電ローラに強い機械力(帯電ローラの寿命の短命化の原因になる)を作用させる専用のクリーニング手段」を必要とせず、帯電ローラ12の周面に大きな機械力を作用させることなく帯電ローラ12の周面をクリーニングでき、且つ、帯電ローラ12を介して、潤滑剤を感光体10に塗布することができる。
この場合、感光体10への潤滑剤の塗布は、帯電ローラ12を介して間接的に行われることになるので、感光体10への潤滑剤塗布量が十分でない場合には、図2に破線で示すように、潤滑剤塗布装置30を設けて感光体10への直接的な潤滑剤塗布を行うようにし、潤滑剤塗布装置30による直接的塗布と、潤滑剤塗布装置32による「帯電ローラ12を介しての間接的塗布」とにより、感光体10に必要とされる量の潤滑剤を塗布するように構成しても良い。
潤滑剤塗布装置32は、潤滑剤塗布装置30と同様、この発明によるものであり、その詳細は後述する。
図3は、画像形成装置の実施の他の形態を略示している。図3においても煩雑を避けるため、混同の虞がないと思われるものについては図1におけると同一の符号を付し、図1の画像形成装置と同様の事項に就いては説明を省略し、図1の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
図3の実施の形態では、感光体10に形成されたトナー画像を記録シートSに転写するために「中間転写媒体」として、周知の中間転写ベルト26を用いている。即ち、トナー画像は、先ず感光体10から中間転写ベルト26に転写され、次いで転写ローラ27の作用により記録シートSに転写される。そして、定着装置22において記録シートSに定着されて装置外へ排出される。このように、この実施の形態では、トナー画像が中間転写ベルト26を介して記録シートSに転写されるので、感光体10に形成されるトナー画像は「図1,図2の実施の形態において感光体10に形成されるトナー画像と鏡映像の関係になる」ように静電潜像の形成が行われる。
【0014】
トナー画像転写後の中間転写ベルト26は、クリーニング装置28により残留トナー等を除去されたのち、潤滑剤塗布部材34により潤滑剤を塗布される。
この場合、感光体10への潤滑剤の塗布は、中間転写ベルト26を介して間接的に行われるので、感光体10への潤滑剤塗布量が十分でない場合は、図3に破線で示すように潤滑剤塗布装置30を設けて感光体10への直接的な潤滑剤塗布を行うようにし、潤滑剤塗布装置30による直接的塗布と、潤滑剤塗布装置34による「帯電ローラ12を介しての間接的塗布」とにより、感光体10に必要とされる量の潤滑剤を塗布するように構成しても良い。
潤滑剤塗布装置34は、潤滑剤塗布装置30と同様、この発明によるものであり、その詳細は後述する。
図1、図2に示した実施の形態では、トナー画像は感光体10から記録シートS上に直接転写されるが、その転写方式は、図3の実施の形態と同じく「ベルト転写方式」である。
ベルト転写方式のような「接触転写方式(転写ベルトや転写ローラ(図3の実施の形態における転写ローラ27)等の転写部材を用いる転写方法)は、コロナ放電式の転写方式に比して、転写に必要な印加電圧が少なく、オゾン発生量も少ないという利点があるが、反面、潜像担持体と転写部材との間に記録シートが存在しない時、感光体表面に付着している少量のトナーが転写部材に付着し、画像形成プロセスの繰り返し回数と共に転写部材上で付着トナーが蓄積し、転写不良や、記録シート紙の裏汚れの原因となる虞れがある。
このような場合、図3の実施の形態のように、中間転写ベルト26への潤滑剤の塗布を行うと、中間転写ベルト26に付着したトナーをクリーニング装置28で容易に除去できるので、中間転写ベルト26上に付着トナーが蓄積する問題を有効に軽減もしくは防止することができる。
従って、図1,図2に示した実施の形態においても、ベルト転写装置18の転写ベルトにも潤滑剤を塗布して、転写ベルトをクリーニングするように構成することは技術的に意義がある。
なお、潤滑剤を塗布された被塗布体に対してはトナーの付着力が弱まるので、転写ベルトのように「一度に多量のトナー付着の生じない部材」の場合には、潤滑剤を塗布するのみでも「トナー付着を有効に防止」することができるので、例えば、図3の実施の形態において、中間転写ベルト26をクリーニングするクリーニング装置28は省略することも可能である。
【0015】
上に、図1〜図3を参照して実施の形態を説明した「画像形成装置」は、潜像担持体10上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー画像とし、このトナー画像を記録シートS上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置である(請求項13〜15)。
そして、図1に即して実施の形態を説明した画像形成装置は、潜像担持体10に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置30として、請求項10に記載されたものを有するものであり(請求項13)、図2に即して実施の形態を説明した画像形成装置は、潜像担持体10を帯電させる帯電手段として、潜像担持体10を接触帯電させる帯電ローラ12を有し、潤滑剤塗布装置32として、請求項11に記載されたものを有するものであり(請求項14)、図3に即して実施の形態を説明した画像形成装置は、潜像担持体10上のトナー画像を記録シートSに転写させるための中間転写媒体26を有し、潤滑剤塗布装置34として、請求項12に記載されたものを有するものである(請求項15)。
なお、図2の実施の形態の変形例として、転写ローラ12に代えて「ベルト状の帯電部材(帯電ベルト)」が帯電手段として用いられる場合には、潤滑剤塗布装置32により、帯電ベルトの周面に潤滑剤を塗布するようにしてよいことは言うまでも無い。
また、図1、図3に示す実施の各形態においては、帯電ローラ12に代えてコロナチャージャを用いることができ、図1、図2に示す実施の各形態においては、ベルト式の転写装置18に代えてコロナ放電式の転写装置を用いることができる。
【0016】
図4は、この発明の潤滑剤塗布装置の実施の形態を説明図的に示している。
図4において、符号40は「被塗布体」を示す。被塗布体40は、上に説明したように「潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体」であり、具体的には上記感光体10や帯電ローラ12、中間転写ベルト26等である。
【0017】
以下に説明する潤滑剤塗布装置は、上に説明した画像形成装置の実施の各形態において、潤滑剤塗布装置30,32,34として示したものとして適宜に利用することができる。
図4において符号50は「潤滑剤塗布具」を示している。潤滑剤塗布具50は変形可能な潤滑剤を無端ベルト状に形成してなる潤滑材ベルト51と、この潤滑剤ベルト51の内周側に設けられて潤滑剤ベルト51に「張り」を与える2以上のローラ53、55とを有し、被塗布体40に潤滑剤を塗布する。
図4の実施の形態においては、潤滑剤ベルト51はフッ素系樹脂であるPTFEにより構成されている。潤滑剤であるPTFEは、所望の機械的強度を実現するために適宜の充填剤を充填され、型を用いて「シームレス状の無端ベルト」に形成されている。ベルトの「厚み」は適宜であるが、1〜5mm程度が実用的である。
図4に示す実施の形態において、潤滑剤塗布具50は、潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー画像とし、このトナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体である被塗布体40に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布具であって、変形可能な潤滑剤を無端ベルト状に形成してなる潤滑剤ベルト51と、この潤滑剤ベルト51の内周側に設けられる1以上のローラ53,55とを有する(請求項1)。そして、潤滑剤ベルト51の材料としての潤滑剤は「フッ素系樹脂」であるPTFEである(請求項2,3)。
図4に示す実施の形態において、ローラ53は弾性ローラ、ローラ55は剛体ローラであり、ローラ55は駆動ローラとなっている。
即ち、駆動ローラ55は駆動部57からの動力伝達を受けて回転駆動されるようになっている。また、弾性ローラ53には、公知の適宜の押圧手段55からの押圧力:Fが作用するようになっており、押圧力:Fを制御部60により調整するようになっている。押圧力:Fを可変する機構は例えば「偏心カム」を用いて容易に実現できる。
制御部60は、マイクロコンピュータ等であり「画像形成装置全体を制御するコンピュータ」の機能の一部として実現しても良い。
【0018】
制御部60は駆動部57も制御する。この実施の形態において、駆動部57と制御部60とは駆動ローラ55を介して潤滑剤ベルト51を回転駆動する「駆動手段」を構成している。
即ち、図4に実施の形態を示す潤滑剤塗布装置は、潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像してトナー画像とし、このトナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体である被塗布体40に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗装置であって、請求項1または2または3記載の潤滑剤塗布具50を用い、潤滑剤ベルト51の内周側に設けられる1以上のローラ53,55のうち1つが駆動ローラ55であり、駆動ローラ55を介して潤滑剤ベルト51を回転駆動する駆動手段57,60を有する(請求項4)。
【0019】
ところで、潤滑剤の塗布は「潤滑剤ベルト」の表層部分が被塗布体40の周面に「移着する」ことにより実現される。このような「移着」が起こるためには、潤滑剤ベルト51と被塗布体40との間に「相対的な移動」が行われること、即ち、潤滑剤ベルト51と被塗布体40との間に「相対速度」が存在し、潤滑剤が被塗布体により摺擦されることが必要である。
潤滑剤ベルト51と被塗布体40との間に「相対速度」を与える方法としては、第1に「潤滑剤ベルト51の回転を停止させる方法」があり、第2に「潤滑剤ベルト51を被塗布体40と異なる周速で回転させる方法」がある。
上記第1の方法を実施するには、以下の如くすればよい。
即ち、駆動ローラ55を常時固定状態に保ち、必要な場合のみ、駆動部57により回転させるようにする。この場合の「必要な場合」は、制御部60により判断される。このようにすると、潤滑剤ベルト51は常時、ベルト周面の1箇所で被塗布体40の周面に、その有効幅にわたって接触する。このとき、制御部60は押圧手段59による押圧力:Fを適性に設定する。
【0020】
このような状態で、画像形成プロセスを繰り返していくと、繰り返し回数の増大に伴い、潤滑剤ベルト51の「被塗布体40との接触部」で潤滑剤が被塗布体40に移着して塗布されることにより、上記接触部では潤滑剤が次第に失われていく。このように潤滑剤消費が進み、それ以上「同一の接触位置」で塗布を行うと潤滑剤ベルトが破断する虞があるようになったら、制御部60は、駆動部57を制御して駆動ローラ55を回転させ、潤滑剤ベルト51を所定量(例えば、被塗布体4の接触部のニップ幅分)だけ変位させ、潤滑剤ベルト51の新たな周面が被塗布体40に接触するようにする。
駆動ローラ55を回転させるタイミングは、画像形成プロセスの繰り返し回数(画像形成プロセスの画像形成装置の使用開始当初からの総加算回数)や、感光体等である被塗布体の回転数(総加算回転数)の「所定増加回数」として、換言すれば、これらの回数として換算される所定時間として、予め実験的に特定しておき、これを制御部60に設定することが可能である。従って、制御部60は、上記所定時間が経過したことを上記繰り返し回数や回転数のカウントにより検出すると、上記の如くして潤滑剤ベルト51の回転を行う。
この方法によると、被塗布体40との摺動により潤滑剤ベルト51が寿命に達して破れたり切れたりすることがない。
また、潤滑剤ベルト51が、被塗布体40との接触部において磨耗耗により薄くなった場合に、潤滑剤ベルト51を回転させることにより、新しい部分を接触部に持ち来して潤滑剤供給を続行できるため、極めて長期にわたり潤滑剤ベルトの交換の必要がない。潤滑剤ベルトは無端ベルト状になっているため無駄にする部分がない。例えば、潤滑剤として「巻き取り式のウェブ」を用いる方法(特開昭53-133439,特開昭56-51767)の場合は、潤滑剤の巻き取り端部は像担持体に接触させることができず、この部分の潤滑剤は無駄になってしまうが、この発明におけるように「潤滑剤を無端ベルト状にして用い」れば潤滑剤を寿命まで使い切ることができ、潤滑剤塗布を極めて長期間にわたり安定して行うことができる。
【0021】
第2の方法である「潤滑剤ベルト51を被塗布体40と異なる周速で回転させる方法」を実施する場合は、制御60の制御により、駆動部57により駆動ローラ55を所定の回転数で常時(被塗布体が回転駆動されているとき)回転させ、潤滑剤ベルト51が、被塗布体40の周面に対して所望の相対速度(実験により最適化する)で回転するようにすればよい。このようにすると、潤滑剤は、上記相対速度により被塗布体40の周面により摺擦され、被塗布体40に移着する。この場合、潤滑剤ベルト51の厚みは、潤滑剤の消費に従い、全体が均一に薄くなっていく。
先に、画像形成装置の実施の形態の説明で述べたように、感光体10は画像形成プロセス時は常時回転し、トナー画像の転写後、残留トナー等を除去するためにクリーニング装置22によるクリーニング工程が行われる。通常は、クリーニング工程において紙粉や残留トナー等は感光体10の周面から掻き取られるが、光学的や力学的に感光体表面に不具合が生じた場合、感光体10の表面にトナー固着が起こることがある。また、帯電や転写等にコロナ放電を利用する場合、コロナ放電によって発生した多量のオゾンが空気中の窒素を酸化して窒素酸化物を生成する。この窒素酸化物が感光体10に付着すると感光体を劣化させる。また付着した窒素酸化物が空気中の水分と反応して硝酸等に変じると感光体を変質させりする。窒素酸化物や硝酸等は「低抵抗物質」であり、感光体表面に固着するとクリーニングブレードでの除去が困難となり、感光体表面の電気特性を低抵抗化させて画像ぼけの原因となる。感光体表面にトナーや低抵抗物質の固着が生じた場合、それらを除去する以外には画像劣化を防ぐ手立てはなく、除去方法としては力学的に感光体表面を少量削り取る方法が挙げられるが、感光体の短命化の原因となる。
この発明のように、感光体周面に潤滑剤が常時存在するように,潤滑剤塗布を行うことにより、トナーや低抵抗物質の付着が起こった場合は直ちに除去でき、トナーや低抵抗物質の固着に起因する画像劣化を有効に防止できる。
なお、ベルト状部材は一般的に薄く蛇行しやすいため、潤滑剤ベルトの場合にも、経時の寄りが問題となることも考えられる。従って、潤滑剤ベルト51に対しても、公知の「寄り防止機構やベルトたるみ防止手段」を設けても良い。
【0022】
図4に実施の形態を示した潤滑剤塗布装置において、上記第1の方法を行うように構成したものは、前記請求項4記載の潤滑剤塗布装置において、潤滑剤ベルト51が通常は回転せず、潤滑剤ベルト51を回転駆動する駆動手段57,60が所定時間ごとに、潤滑剤ベルトを所定量回転させるものである(請求項5)。
また、上記第2の方法を行うように構成したものは、潤滑剤ベルト51を回転駆動する駆動手段57,60が、潤滑剤ベルト51を常時、所定の周速度で回転させるものである(請求項6)。
また、図4に実施の形態を示した潤滑剤塗布装置において、ローラ55を「回転停止可能なストッパローラ」とし、このストッパローラを自由回転状態と停止状態とに切り換える「回転状態切り換え手段」の制御を制御部60で行うことができる(請求項7)。自由回転状態では、潤滑剤ベルトを「被塗布体40との相対速度が実質的に0となる」ように回転させてもよいし、上記相対速度が適宜の大きさとなるように回転させてもよい。このような回転状態切り換え手段は、駆動部とローラとの間を適宜のギヤとクラッチで結合することにより実現できる。
このようにすると、潤滑剤ベルトと被塗布体の摺擦状態を、潤滑剤ベルトの自由回転状態と回転停止状態とで異ならせることができるので、潤滑剤の塗布を2段階に切り換えることができる。
ここで、被塗布体が感光体である場合における、感光体への潤滑剤の塗布の有無と、感光体の表面摩擦係数の経時の変化の様子を説明する。
図5において、破線は、例えば図1に示す如き画像形成装置において、被塗布体である感光体に対して潤滑剤の塗布を全く行わずに画像形成プロセスを繰り返したときの表面摩擦係数の変化の典型的な1例を示している。即ち、潤滑剤を塗布しない場合、感光体の表面摩擦係数は、画像形成プロセスが繰り返されるに連れて時間(画像形成プロセスの繰り返し回数)と共に上昇するが、上昇は「初期に急上昇」する。
【0023】
なお、感光体表面の摩擦係数の測定は「オイラーベルト法」により行った。
簡単に説明すると、図6に示すように、感光体3を長手方向を水平にして、冶具4により固定的に保持し、その表面にベルト2として、30mm×250mmの市販の中厚上質紙(#6200ペーパー(T目) 株式会社リコー製)の紙片を図の如く掛け回し、ベルト2の一端にW=100gfの錘を下げ、他端側をデジタルフォースゲージ1で引っ張り、ベルト2が移動開始した時点の値:Fを読み取って、式:μ=ln(F/W)/(π/2)により摩擦係数を算出した。 一般に、潤滑剤を使用しない場合の有機感光体(未使用時)の表面摩擦係数は0.5〜0.6程度であり、前記画像形成プロセスを行うと、摩擦係数は、図3に破線で示すように、使用前よりも摩擦係数径が略1程度大きくなる。感光体の担持面の摩擦係数が大きくなると、クリーニングブレードの摺擦圧が上昇し、クリーニングブレードが振動して異音を発したり、感光体の光導電層(例えば、有機光半導体)の摩耗が促進したりする。
摩擦係数が0.1以下になると光導電層の耐摩耗性は向上し、クリーニング性も向上するが、この状態は、潤滑剤が感光体上に必要以上に付着した状態で、現像時におけるトナーの滑りが生じ、トナー画像のエッジが「かすれた状態」になり易い。この状態は一見すると解像度が向上したようにも見えるが、実際には画像のシャープ性が悪く、ハーフトーン画像についても均一性が希薄で「がさついた感じの画像」となる。即ち、摩擦係数は低ければ低いほど良いというわけではなく、説明中の画像形成装置の場合でいえば感光体の表面摩擦係数の好適範囲は0.1〜0.4、より好ましくは0.1〜0.3の範囲である。
図5における実線の曲線は、感光体表面に潤滑剤の塗布を連続して行ったときの、表面摩擦係数の変化の典型的1例である。図の如く、潤滑剤の供給が続く限り、感光体の担持面の摩擦係数を低く維持できる。しかし、塗布量が増大すると表面摩擦係数が上記好適範囲の下限を下回ることになるので、常時一定量を供給すれば良いというわけではなく、適正量の供給が必要である。
例えば、上に説明した請求項5記載の潤滑剤塗布装置であれば、弾性ローラ53に印加する押圧力を調整することにより、また請求項6記載の潤滑剤塗布装置であれば、滑剤ベルトの被塗布体としての感光体への圧接強さ(弾性ローラ53への押圧力の強さ)や、潤滑剤ベルトの回転の周速度を調整することにより、さらには、請求項7記載の潤滑剤塗布装置の場合であれば、潤滑剤ベルトを自由回転させる時間と回転停止する時間との時間比等の調整により、常に「感光体の表面摩擦係数の好適範囲」が実現するようにできる。
この場合、上記押圧力や圧接力、時間比といったパラメータを最適に調整するには、これらパラメータを変化させたとき「表面摩擦係数が経時的にどのように変化するか」を実験的にデータ化する一方、画像形成プロセスの標準的な条件を設定し、得られたデータに基づき、標準的な画像形成プロセスの場合に「常に感光体の表面摩擦係数の好適範囲」が実現するように上記パラメータを設定することになる。
しかしながら、画像形成装置が実際にユーザにより使用されるとき、実行される画像形成プロセスが常に「標準的な画像形成プロセス」であるとは限らない。例えば、形成される画像の大部分が「文字画像」である場合には、一般に一度の画像形成プロセスで消費されるトナー量も多くはなく、感光体等の被塗布体に付着するトナー量も比較的少ない。このような場合には、潤滑剤の塗布量を少なめに設定しないと、塗布量過多となって感光体の表面抵抗が低くなりすぎる虞れがある。
逆に、形成される画像の多くが写真画像のような「イメージ画像」であると、1度の画像形成で消費されるトナー量も多く、感光体等へのトナー付着量も多くなるので、これらを良好に除去するためには、潤滑材を十分に塗布する必要がある。さらにはまた、通常は文字画像を画像記録しているユーザが、トー消費量の多い画像を画像形成する必要が生じるような場合もある。
このような理由から、潤滑剤塗布装置は「潤滑剤を塗布されるべき被塗布体への潤滑剤塗布量を調整する塗布量調整手段」を有すること(請求項8)が好ましい。
潤滑剤塗布量を調整する塗布量調整手段としては上述のように「潤滑剤ベルト51の被塗布体への圧接力を調整するもの」とすることができる(請求項9)。
例えば、図4に示す実施の形態の場合であれば、制御部60に上記圧接力:Fを複数種類記憶させておき、画像形成装置の操作パネルに設けられた選択キーを通じて、適当な押圧力を選択して設定できるようにすれば良い。同様に、上記圧接力や時間比、潤滑剤ベルトの周速度といったパラメータを複数値、制御部に記憶させておき、操作パネルで選択・設定できるようにしてもい。このようにすることにより、現実にユーザが行う画像形成プロセスに応じて、適正な潤滑剤塗布を実現することができる。このほかに、潤滑剤ベルトと被塗布体とを離接させることができるようにし、離接を制御することにより、塗布量を調整するようにすることもできる。
上記パラメータのうち「押圧力」を変化させる場合は、何らかの理由で急に大量の潤滑剤を供給しなければならなくなった場合にレスポンスが早いという利点がある。
なお、従来、潤滑剤を適正量供給するために各種検知方法が提案されている。被塗布体である感光体の光導電層の層厚、表面摩擦係数、表面温度、総回転数等を反映させる方法、得られた画像の地肌部の濃度を検知する方法、像担持体上のトナー濃度を検知する方法等である。
上記塗布量調整を行う場合に、これらの検知方法を利用することもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、新規な潤滑剤塗布具・潤滑剤塗布装置および画像形成装置を実現できる。
この発明の潤滑剤塗布具とこれを用いる潤滑剤塗布装置では、潤滑剤が無端ベルト状にして用いられるので、潤滑剤を長期にわたって安定して被塗布体に塗布することができ、しかも無駄のない塗布を実現できる。
また、この発明の画像形成装置では、上記潤滑剤塗布装置を用いることにより、潜像担持体を長寿命化でき、長期間にわたり良好な画像形成を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】この発明の画像形成装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図3】この発明の画像形成装置の実施の他の形態を説明するための図である。
【図4】この発明の潤滑剤塗布装置の実施の形態を説明するための図である。
【図5】被塗布体としての光導電性の感光体に潤滑剤を塗布する場合と塗布しない場合との表面摩擦係数の経時的変化の典型例を示す図である。
【図6】表面摩擦係数を測定するオイラーベルト法を説明するための図である。
【符号の説明】
40 被塗布体(潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体)
50 潤滑剤塗布具
51 潤滑剤ベルト
53 ローラ(弾性ローラ)
55 ローラ(駆動ローラ)
59 押圧手段
Claims (15)
- 潜像担持体上に静電潜像を形成し、上記静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布具であって、
変形可能な潤滑剤を無端ベルト状に形成してなる潤滑剤ベルトと、
この潤滑剤ベルトの内周側に設けられる1以上のローラとを有することを特徴とする潤滑剤塗布具。 - 請求項1記載の潤滑剤塗布具において、
潤滑剤がフッ素系樹脂であることを特徴とする潤滑剤塗布具。 - 請求項2記載の潤滑剤塗布具において、
潤滑剤としてのフッ素系樹脂がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする潤滑剤塗布具。 - 潜像担持体上に静電潜像を形成し、上記静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗装置であって、
請求項1または2または3記載の潤滑剤塗布具を用い、
潤滑剤ベルトの内周側に設けられる1以上のローラのうち1つが駆動ローラであり、
上記駆動ローラを介して潤滑剤ベルトを回転駆動する駆動手段を有することを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項4記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤ベルトが通常は回転せず、上記潤滑剤ベルトを回転駆動する駆動手段が所定時間ごとに、上記潤滑剤ベルトを所定量回転させることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項4記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤ベルトを回転駆動する駆動手段が、上記潤滑剤ベルトを常時、所定の周速度で回転させることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 潜像担持体上に静電潜像を形成し、上記静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体に接触して回転する部材もしくは潜像担持体自体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗装置であって、
請求項1または2または3記載の潤滑剤塗布具を用い、
潤滑剤ベルトの内周側に設けられる1以上のローラのうちの1以上を回転停止可能なストッパローラとし、これら1以上のストッパローラを、自由回転状態と停止状態とに切り換える回転状態切り換え手段を有することを特徴とするとを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項4〜7の任意の1に記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤を塗布されるべき被塗布体への潤滑剤塗布量を調整する塗布量調整手段を有することを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項8記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤塗布量を調整する塗布量調整手段が、潤滑剤ベルトの被塗布体への圧接力を調整するものであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項4〜9の任意の1に記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤を塗布されるべき被塗布体が潜像担持体であって、潤滑剤が上記潜像担持体に直接的に塗布されることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項4〜9の任意の1に記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤を塗布されるべき被塗布体が、潜像担持体を接触帯電させる帯電ローラもしくは帯電ベルトであって、潤滑剤が上記帯電ローラもしくは帯電ベルトに直接的に塗布されることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 請求項4〜9の任意の1に記載の潤滑剤塗布装置において、
潤滑剤を塗布されるべき被塗布体が、潜像担持体上のトナー画像を記録シートに転写させるための中間転写媒体であり、潤滑剤が上記中間転写媒体に直接的に塗布されることを特徴とする潤滑剤塗布装置。 - 潜像担持体上に静電潜像を形成し、上記静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、
潜像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布装置として、請求項10に記載されたものを有することを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体上に静電潜像を形成し、上記静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体を帯電させる帯電手段として、上記潜像担持体を接触帯電させる帯電ローラもしくは帯電ベルトを有し、
潤滑剤塗布装置として、請求項11に記載されたものを有することを特徴とする画像形成装置。 - 潜像担持体上に静電潜像を形成し、上記静電潜像を現像してトナー画像とし、上記トナー画像を記録シート上に転写・定着して画像形成を行う画像形成装置において、潜像担持体上のトナー画像を記録シートに転写させるための中間転写媒体を有し、
潤滑剤塗布装置として、請求項12に記載されたものを有することを特徴とする画像形成装置。
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