JP2000098573A - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機

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JP2000098573A
JP2000098573A JP10268628A JP26862898A JP2000098573A JP 2000098573 A JP2000098573 A JP 2000098573A JP 10268628 A JP10268628 A JP 10268628A JP 26862898 A JP26862898 A JP 26862898A JP 2000098573 A JP2000098573 A JP 2000098573A
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halide photographic
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Masaru Fukuda
勝 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな噴射量であっても現像ムラを回避できる
ようにする。 【解決手段】ハロゲン化銀写真感光材料用処理液を収容
する噴射チャンバーと、噴射チャンバーに連通した2個
以上のオリフィスと、噴射チャンバーの内部圧力を変化
させる変換手段とで構成された処理液供給ユニットを有
する。オリフィスから処理液を噴射する際の感光材料か
らオリフィスまでの距離が0.5から10mmの範囲で
ある。しかも隣接オリフィス中心の走査軌跡の間隔x
と、感光材料に噴射した際の前記処理液の液滴の半径r
との関係が、0.6≦r/x≦2.5のように選定され
ている。オリフィスが描く走査軌跡の密度と、処理液を
噴射したときの感光材料表面における液滴の大きさとの
関係を最適化することによって解決できる。換言すれ
ば、処理液の噴射量を大きくしたときに発生するスジム
ラなどの現像ムラを解消できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料用の自動現像機に関する。さらに詳しくは、高速
処理能力と連続噴射に対する安定性に優れ、目詰まりや
液だれ等による噴射不良が発生しにくく、しかも感光材
料の処理迅速性や均一発色性等の処理性が改善されたメ
ンテナンスの容易なハロゲン化銀感光材料用の自動現像
機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ミニラボ店の急激な増加によりミ
ニラボ1台あたりの感光材料(感材)の処理量が減少
し、感材処理槽内の現像処理液の液更新率が低下してい
る。このため、処理液が劣化しやすく、処理性能の不安
定性を招来している。また、簡易型の自動現像機をミニ
ラボ店に設置する場合には、機材を洗浄する等のメンテ
ナンスが不要で、日常での機材管理を省略できるような
簡易型の自動現像機の要望も高まっている。
【0003】このような要請に応えるべく、ハロゲン化
銀写真感光材料を処理する処理液を密閉性の高い容器
(例えばインクジェットヘッドのような密閉容器に収容
した処理手段)に収容し、処理液を感材の乳剤面に気相
を介して供給するようにした技術が、「特開平6−32
4455号公報」などに開示されている。
【0004】この公報に開示されているインクジェット
方式のヘッドは、微細な画像を形成する必要があるため
に、非常に小さな液滴を噴霧するように構成されてい
る。そのため、供給される処理液の供給量がかなり少な
く、この技術をそのまま処理液供給手段として使用した
のでは、感材の乳剤面に供給する処理液量が不足気味と
なり、処理を行うために必要な発色現像主薬などが絶対
的に不足し、処理工程での反応時間を遅延させる要因と
なっている。
【0005】また例えば、「USP4901093号公
報」にはインクジェットの噴射ノズル(つまりオリフィ
ス)の数を増して高速処理を可能にした技術が開示され
ているが、この技術をハロゲン化銀写真感光材料を処理
する処理装置に単に転用しただけでは、供給液量が十分
でないことが判明した。
【0006】もちろんこの技術では、さらに安定した処
理液の噴射を維持するには、処理液供給手段であるヘッ
ド部を洗浄して目詰まりを防止するなどのメンテナンス
が必要であったり、オリフィスそのものの目詰まりが発
生しやすいことが判明した。
【0007】また、「特開平6−324455号公報」
に記載されている技術は、主としてレドックス増幅処理
用の感材を処理するための技術である。レドックス増幅
処理用の感光材料は塗布された銀量が通常の感光材料に
比べて圧倒的に少ないため、特に本発明が対象とするハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理に適用しても不充分な効
果しか得られず、実用に供しないことが判明した。
【0008】さらに「特開平9−211832号公報」
に記載された技術は、熱現像方式におけるインクジェッ
ト方式の転用技術であるため、本発明が対象とするハロ
ゲン化銀写真感光材料特有の処理特性、つまり処理液の
連続噴射時における噴射の安定性等の問題を解決するに
は至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように近年に
おける処理の迅速化の要望に伴ってミニラボ店が急激に
増加している状況の中で、機材の管理が簡単で、しかも
高速処理が可能な自動現像機の出現が望まれている。
【0010】しかし、前述のインクジェットヘッドはも
ともと非常に小さな液滴を噴霧するために構成されてい
るので、反応に必要な十分な処理液の供給ができない。
これに加えて、長時間にわたり、複数のオリフィスから
処理液を同時に噴射するなどの駆動を行うと、必要量の
処理液を安定して供給することが困難になるなどの問題
を惹起している。このため処理液の噴射量を大幅に増加
させるとともに、安定した噴射を行うことが必須の技術
的課題となっている。
【0011】この課題を達成するには、例えば変換素子
の駆動周波数を高周波数化したり、駆動電圧を大電圧化
することが挙げられる。しかし、こうすると処理液の供
給量を確保できる反面、オリフィス部のメニスカスの形
成が不安定になり、噴射安定性が劣化する。
【0012】これを防止するためには噴射チャネルの数
を増加させればよいが、コストやオリフィス集積度を上
げられない問題がある。
【0013】噴射チャネルに設けられているオリフィス
の数を増加させることは、処理液を十分に供給できる可
能性が高い点で効果的であるが、ハロゲン化銀写真感光
材料用の処理液のような水溶性の溶液を噴射する場合
は、未だ十分な噴射量が得られないばかりか、噴射安定
性に欠けることが判明した。
【0014】また通常のインクジェットプリンターと異
なり、全オリフィス(ノズル)から長時間にわたって処
理液を噴射し続ける必要があるので、従来のオリフィス
の構成では噴射不良が発生し易いことが判明した。
【0015】ハロゲン化銀写真感光材料用処理液は、周
知のようにインクジェットペーパー用インクとは異な
り、有機溶媒を全く含まず主成分は水である。そのため
空気との接触面積が増加すると、蒸発による乾燥が起き
易い。また写真用処理液は通常のインクに比較して無機
塩の塩濃度が非常に高いため、局所的な乾燥により無機
塩の析出物が発生し易い。したがってオリフィスの目詰
まりが発生し易いという重大な問題を引き起こす。
【0016】さらには、処理液供給手段の方がインクジ
ェットプリンタの場合よりも連続して噴霧する液量が多
く、かつ処理速度を速くする必要があるので、処理液中
に気泡が混入し易いことが新たに判った。気泡が発生す
ると噴射チャンバー内の圧力損失が生じて、噴射不良が
発生することがある。一旦噴射チャンバー内に気泡が混
入すると、その気泡を噴射チャンバーの外部に排出する
ことがなかなか難しいことも判明した。
【0017】そこで、本発明の目的は、第1にハロゲン
化銀写真感光材料に対してオリフィスが描く走査軌跡の
密度と、処理液を噴射したときの感光材料表面における
液滴の大きさとの関係を最適化することによって、処理
液の噴射量を大きくしたときに発生するスジムラなどの
現像ムラを解消できるハロゲン化銀写真感光材料用自動
現像機を提供することである。
【0018】第2には、感光材料の端部の発色不良がな
く、かつ迅速処理が可能なハロゲン化銀写真感光材料用
自動現像機を提供することである。第3には全オリフィ
スの噴射時に噴射方向の曲がりやオリフィスを構成して
いるオリフィス板(プレート)の汚れの発生がなく、メ
ンテナンス性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用自動
現像機を提供することである。
【0019】更に、第4には長期間にわたって使用した
場合でもオリフィスの目詰まり等が起きにくいハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機を提供することである。
第5には、低廃液量化して環境への悪影響を回避できる
ようなハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機を提供す
ることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るため、請求項1に記載したこの発明に係るハロゲン化
銀写真感光材料用自動現像機では、複数の処理工程から
なるハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機において、
少なくともハロゲン化銀写真感光材料用処理液を収容す
る噴射チャンバーと、この噴射チャンバーに連通した2
個以上のオリフィスと、前記噴射チャンバーの内部圧力
を変化させる変換手段とで構成されたハロゲン化銀写真
感光材料用処理液供給ユニットを有し、前記オリフィス
から前記処理液を噴射する際の前記ハロゲン化銀写真感
光材料から該オリフィスまでの距離が0.5から10m
mの範囲であり、かつ隣接する前記オリフィス中心の走
査軌跡の間隔xと、前記感光材料に噴射した際の前記処
理液の液滴の半径rとの関係が、 0.6≦r/x≦2.5 のように選定されたことを特徴とする。
【0021】請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記ハロゲン化銀写真感光材料の搬送
経路の登坂傾斜角が0〜90゜の範囲に選定されている
ことを特徴とする。
【0022】請求項3記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液供給ユニットが、ハロゲン
化銀写真感光材料の搬送方向に対し直交方向に移動する
ことを特徴とする。
【0023】請求項4記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液供給ユニットが、ハロゲン
化銀写真感光材料の幅とほぼ同じ長さに選定されると共
に、前記感光材料の搬送方向に対し固定されていること
を特徴とする。
【0024】請求項5記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記ハロゲン化銀写真感光材料に噴射
された際の、前記処理液液滴の半径が、25〜150μ
mであることを特徴とする。
【0025】請求項6記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記オリフィスから前記処理液が噴射
される際の射出速度が、5〜20m/秒であることを特
徴とする。
【0026】請求項7記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記ハロゲン化銀写真感光材料への前
記処理液の塗布量が、15〜100ml/m2であるこ
とを特徴とする。
【0027】請求項8記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記噴射チャンバーの内部圧力を変化
させる変換手段が圧電素子であることを特徴とする。
【0028】請求項9記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記圧電素子の変位方向が加圧方向と
一致することを特徴とする。
【0029】請求項10記載のハロゲン化銀写真感光材
料用自動現像機は、前記ハロゲン化銀写真感光材料を3
5℃以上90℃以下に加熱する加熱手段を有することを
特徴とする。
【0030】請求項11記載のハロゲン化銀写真感光材
料用自動現像機は、前記ハロゲン化銀写真感光材料用処
理液が発色現像液であることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】続いてこの発明に係るハロゲン化
銀写真感光材料用自動現像機の実施形態について図面を
参照して詳細に説明する。
【0032】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、ハロゲン化銀写真感光材料に対して所
定の処理液を噴射して感材面にこの処理液を塗布する処
理液供給手段を少なくとも有する。この他に、感光材料
に対する加熱手段、現像手段、漂白・定着手段、安定手
段、乾燥手段などによって自動現像機が構成される。各
手段の内容を以下に示す。
【0033】(処理液供給手段)本発明では処理液の供
給を噴射チャネルによって行う。噴射チャネルのそれぞ
れは、少なくとも噴射される処理液で満たされ、加圧さ
れる圧力室である噴射チャンバーと、電気信号を変換し
て噴射チャンバーの容積を瞬時に変化させる変換素子
と、加圧された噴射チャンバー内の処理液が押し出され
るオリフィス(ノズル)とで構成される。
【0034】噴射チャンバーの大きさは、{縦横0.1mm
×(0.1〜3.0mm四方)×5mm}程度の微小なものが好ま
しい。噴射チャンバーは、溝が切られたステンレス材
(SUS)や、チタン等の金属さらにはプラスティックな
どの薄板を張り合わせて作成されることが好ましい。
【0035】ハロゲン化銀感光材料用の処理液を安定し
て噴射するために、オリフィスの長さLの、オリフィス
の噴射側の直径Rに対する比(L/R)が、5〜200
の範囲が好ましく、より好ましくは10〜100の範
囲、特に好ましい範囲は20〜50である。オリフィス
の個数として選んだ20〜50の値は、処理液をより安
定に噴射でき、しかも十分な処理液を供給できる値であ
るからである。
【0036】ここで、オリフィスの長さLは0.1mm
〜10mmが好ましく、より好ましいのは0.5mm〜
5mmである。機械的強度などを考慮すると、後者の値
が最適値である。オリフィスの直径Rは、噴射面側で
0.03mm〜0.1mmが好ましい。処理液の目詰ま
り、液ダレ、噴射チャンバー内への気泡の混入などを起
こしにくいなどの理由からこのような範囲に選定されて
いる。
【0037】同じ噴射チャネル内に設けられたオリフィ
ス間の距離(感材搬送方向に対する配列ピッチ)dの、
オリフィスの噴射面側の直径Rとの比(d/R)は、5
〜30の範囲内に選ぶことが好ましい。より好ましくは
10〜25の範囲である。(d/R)の値が大きくなり
すぎると現像ムラが発生しやすくなり、逆に小さすぎる
と、後述する噴射チャンバーを区切る振動板の機械的な
共振による液ダレなどが発生し易くなるからである。
【0038】処理液供給手段に設けられる変換素子とし
ては、スプレーバーのように、圧縮空気やソレノイドに
よって噴射チャンバーに対し急激な圧力を与えて処理液
を噴射するものの他に、圧電素子による体積変動や微少
量の液の突沸によって、噴射チャンバー内を加圧して処
理液を噴射する方法などが考えられる。
【0039】圧電素子を利用する場合には、ピエゾ素子
を用いた圧電素子が好ましい。これは、比較的小さな占
有体積で、しかもあまり大きな電圧を駆動電圧として印
加しなくても、処理液を噴射するに十分な変位量(0.
5〜5.0μm)を得ることができるからである。
【0040】ピエゾ素子の材質としては、周知のように
チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸・ジルコン酸
鉛などを使用することができる。ピエゾ素子の形状は柱
状であって、その断面形状は円形でも、角形でもよい。
柱状のピエゾ素子は電界が印加された場合、素子の長手
方向のひずみ量が大きい。印加する電界の方向は振動
(伸縮)方向に対して同一方向でも直交する方向でもよ
い。
【0041】次に処理液と接触する部材(液接部)の材
質について説明する。液接部とは、処理液がストックさ
れているタンク(図示はしない)から処理液供給手段で
噴射されるまでの液供給経路を構成する、特に加圧され
た処理液に直接接触する部材をいう。具体的には処理液
供給手段の噴射チャンバーの入り口、噴射チャンバーの
壁面、オリフィスを形成する壁面等である。
【0042】この液接部としては、塩化ビニリデン樹
脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、液晶ポリエステ
ル、ポリイミド樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリフェニレンサルファイドなどが好適で
ある。セラミック、ガラスセラミック材では、FOTFORM
Glass、FOTOFORM OPAL GLASS-Ceramic、FOTOCREAM Glas
s-Ceramic(Hoyaガラス)などが好適であり、またステン
レス材では、SUS302、SUS303,SUS30
4,SUS304L、SUS316などがよい。さら
に、ニッケル、タンタルTa、クロム、シリコン、二酸
化シリコンなどを使用することができる。
【0043】感材に塗布(供給)する処理液の供給スピ
ードは、オリフィスから噴射されて感材に供給される処
理液の1秒当たりの体積を言う。本発明では、処理の迅
速性の観点から、処理液供給スピードは0.01ml/
秒から2.5ml/秒が好ましく、より好ましくは0.
1ml/秒〜1.0ml/秒である。供給スピードが遅
いと処理速度が遅くなり、速すぎると供給過多となるお
それがあるからで、このような観点からすると、特に後
者の範囲が最も好ましい。
【0044】ハロゲン化銀写真感光材料からオリフィス
までの距離Pとしては、0.5から10mmの範囲がよ
い。0.5mm未満では、感光材料の乳剤面に到達した
処理液が飛散する恐れがあり、また感光材料と接触して
傷をつける恐れもあり、これとは逆に10mmを超える
と処理液がまっすぐ感光材料に噴射されず曲がって到達
するおそれがあるからである。
【0045】ここで、オリフィスより噴射した液滴が走
査する走査軌跡の隣接間隔xと、感光材料に噴射された
処理液の液滴そのものの半径rとの関係は、 0.6≦r/x≦2.5 のように選定されるのが好ましく、より好ましくは、 0.8≦r/x≦1.8 のように選定される。これは感光材料への処理液がムラ
なく噴射されて現像ムラのないようにするためである。
【0046】(感材の加熱手段)本発明の自動現像機
(処理液処理装置)には感材を加熱する手段を有するこ
とが好ましい。加熱手段としては熱ドラム、熱ベルト、
ドライヤー、赤外線照射、高周波による電磁波照射など
を用いることができる。感材は処理液の供給前、供給後
など、いつのタイミングに加熱されても良いが、処理の
迅速性の観点からすると、処理液が供給される前に加熱
されることが好ましい。感材への処理液の浸透がスムー
ズになるからである。
【0047】加熱したときの感材自体の温度は35℃以
上90℃以下であることが好ましく、さらに処理の迅速
性の観点などから40℃以上60℃以下であることがよ
り好ましい。90℃以上では感材の耐熱性に問題がある
からであり、35℃以下では迅速処理性能が不十分であ
るからである。処理される感材の乳剤面への悪影響を防
止するために、乳剤面とは逆の面から感材を加熱した方
がよい。
【0048】(処理工程)本発明の自動現像機は、漂白
定着行程、定着工程、安定工程など不要物を感材から除
去する処理工程で用いるよりも、現像工程、発色現像工
程、漂白工程など色素生成や酸化反応を起こす処理工程
に用いるのがよい。これらの処理工程の中でも、現像工
程、発色現像工程が好ましく、さらに現像主薬の酸化に
よりタールが発生しないようにするため、その保存性の
観点からすると、特に発色現像工程において本発明の自
動現像機を適用するのがよい。
【0049】(処理液)本発明で用いられる処理液は、
通常の処理液だけでなく、それ単独では処理反応を完了
できない液も含むものとする。したがって感光材料の処
理に寄与しうる成分を含有する溶液の全てを含み、さら
には単なる水も含むものとする。感光材料の処理に寄与
しうる成分とは、発色現像主薬、アルカリ剤はもちろん
のこと、界面活性剤など処理反応にあまり寄与しない成
分も含む。
【0050】本発明の自動現像機は、処理工程において
必要とされる処理液成分の全てを含む液を1度に感材に
供給してもよいし、必要な成分を複数の液に含有させ
て、別々に感材に供給してもよい。複数の液を別々に供
給する場合には、全ての液の供給が完了する時間はでき
る限り短い方が処理の迅速性の点で好ましく、5秒以
内、好ましくは1秒以内がよい。処理液の違いによる処
理反応時間に差がでないようにするためである。複数例
えば、2種類の処理液に分けて感光材料に供給する場合
には、感材の搬送方向に対して前後に2つの処理液供給
手段を配するか、あるいは処理液供給部の走査方向に対
して前後に2種の処理液供給手段を配すればよい。
【0051】本発明の自動現像機は、使用する処理液の
溶質濃度が0.2重量%以上20重量%以下に選ばれて
いる。このうち0.4重量%〜20重量%が好ましく、
特に好ましいのは1.0重量%〜10重量%である。
【0052】処理液供給手段からの処理液の供給量は、
感光材料1m2当たり15ml(ミリリットル)〜10
0mlであることが好ましく、さらには1平方m当たり
20ml〜80mlであることが、確実な現像処理を遂
行できると共に、処理液供給後の感材乳剤面の液だれ防
止などの観点から好ましい。
【0053】(発色現像処理)本発明の自動現像機は、
上述したように現像処理工程、特に発色現像処理工程に
適用されることが好ましい。発色現像処理液は、いくつ
かの部分構成液に分割してもよく、その液単独で発色現
像反応を完了させる能力がない液をも含む。したがっ
て、発色現像主薬と保恒剤のみの液、アルカリ剤のみの
液、界面活性剤のみの液、単なる水など発色現像液の一
部を構成する液も、ここで言う発色現像処理液に含まれ
るものとする。
【0054】その液単独で発色現像反応を完了する能力
を持つ処理液を感材の乳剤面に供給してもよいが、発色
現像処理反応に必要な成分を別々の複数の処理液に含有
させ、別々に供給して、感材の乳剤面上で混合して発色
現像処理を行ってもかまわない。複数の処理液に必要な
成分を含有させ、別々に供給する発色現像処理の方が、
成分の高濃度化が可能になり、迅速処理の観点から好ま
しい。
【0055】発色現像処理工程の処理時間は3秒以上、
特に5秒以上30秒以下が発色現像処理反応を安定的に
完了させる上で好ましく、とりわけ8秒以上20秒以下
であることが、発色現像液の劣化、発色現像液の乾燥な
どの観点から好ましい。
【0056】ここに、発色現像処理工程の処理時間と
は、感材(乳剤面)に発色現像液を供給してから次の工
程(例えば、漂白工程、漂白定着工程)において使用さ
れる処理液を供給するか、若しくは次の工程を行う処理
液にこの感材が浸漬されるまでの時間をいう。
【0057】(ハロゲン化銀写真感光材料)本発明の自
動現像機で処理される感材としては、ヨウ臭化銀、臭化
銀、塩臭化銀または塩化銀を含有するハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料や、ハロゲン化銀モノクロ写真感光材料
などを使用することができる。このうち、塩化銀乳剤を
含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料や、ハロゲン
化銀モノクロ写真感光材料が好ましい。
【0058】塩化銀乳剤を含有するハロゲン化銀写真感
光材料では、90%モル以上が塩化銀であるハロゲン化
銀乳剤を含有した乳剤層を、少なくとも1層持つ感光材
料であるのが好ましい。さらに好ましくは95〜100
モル%、最も好ましくは98〜100モル%が塩化銀で
あるハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀写真感光
材料であることが処理進行性の観点から好ましい。
【0059】(実施例)以下、本発明の好ましい実施形
態について説明する。図1は、本発明による自動現像機
の主要部の概略構成図である。処理液により処理される
ハロゲン化銀写真感光材料Pの搬送経路上流には、ハロ
ゲン化銀写真感光材料Pを加熱する加熱手段110があ
る。加熱手段110には、加熱ドラム111がある。ま
た、加熱ドラム111の上側に出口側ローラ112があ
る。加熱ドラム111の左側に入口側ローラ113があ
る。出口側ローラ112の左側で入口側ローラ113の
下側に圧着ベルト駆動ローラ114がある。圧着ベルト
115が、出口側ローラ112、入口側ローラ113及
び圧着ベルト駆動ローラ114に架け渡され、加熱ドラ
ム111の周面90°の区間に渡って加熱ドラム111
に圧着されながら動くことにより、加熱ドラム111に
感材Pを圧着して搬送させる。これらにより、感材Pは
加熱される。
【0060】加熱ドラム111の感材Pの搬送経路下流
に現像処理手段120がある。現像処理手段120は、
感材Pを処理する第1液を収容する処理液容器125を
有する。処理液容器125は外気に対して密閉されてい
る。処理液供給手段1から加熱手段110により加熱さ
れた感材Pの乳剤面に気相を介して発色現像液を供給す
る。
【0061】処理液供給手段1により気相を介して処理
液が供給されるところの感材の搬送経路上流側から下流
側にかけて、感材Pをさらに加熱する第二加熱手段13
0がある。第二加熱手段130には、加熱ローラ13
1、駆動ローラ132、加熱ベルト133がある。加熱
ベルト133は加熱ローラ131と駆動ローラ132に
掛け渡されている。加熱ローラ131は、処理液供給手
段1により気相を介して処理液を供給される先の感材P
の搬送経路上流側にあり、加熱ベルト133を加熱す
る。
【0062】加熱ローラ131より感材Pの搬送経路下
流側にある駆動ローラ132は加熱ベルト133を駆動
させる。これにより、加熱ベルト133が加熱された状
態で感材Pを加熱する。そして、第二加熱手段130に
より加熱されている最中の写真感材Pの乳剤面に気相を
介して処理液が供給される。また、処理液がその乳剤面
に供給された感材Pは第二加熱手段130によってさら
に加熱される。
【0063】その後、現像処理手段120により発色現
像処理された感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着
処理され、安定化処理槽STで安定化処理される。
【0064】表面温度60℃の加熱ドラム111により
感材乳剤面温度を60℃にする。また、表面温度50℃
の加熱ベルト133を用いて、感材Pの支持体面側から
加熱し、感材乳剤面温度を50℃に保つ。
【0065】この実施形態で使用される処理液供給手段
1は、図2Aに示すように感光材料Pの搬送方向に対し
て直交する方向に走査するシリアル方式の処理液供給手
段にも適用できるし、搬送方向と直交する方向に配置さ
れたアレイ方式の処理液供給手段にも適用できる。アレ
イ方式は1ライン分に亘り同時に処理液が噴射されるも
のであるから、処理液供給手段1は固定できる。
【0066】処理液供給手段1の実施形態を図3以下を
参照して説明する。処理液供給手段1としてはまずシリ
アル方式の供給手段を例示する。処理液供給手段1は図
3に示すように、処理液供給本体(ヘッド本体)10と
処理液の供給管12を支持する支持手段14とで構成さ
れている。処理液供給手段1の走査駆動手段の詳細につ
いては図示していないが、これはガイド棒を利用したギ
ヤ(ラック、ピニオン系)駆動など周知の走査駆動手段
を使用して実現することができる。
【0067】処理液供給本体10には複数の噴射チャネ
ル20が設けられる。実施形態では5つの噴射チャネル
20A〜20Eが感光材料Pに対して傾斜して並行に配
置されている。それぞれの噴射チャネル20A〜20E
には複数の、この例ではライン状に5個の噴射口(オリ
フィス)22が設けられ、それぞれから処理液24が所
定のスピードで所定量感光材料Pに噴射される。オリフ
ィス22は断面円形であるが、楕円形状や矩形であって
もよい。
【0068】処理液供給本体10の詳細を図4以下に示
す。図4は図3のI−I線上断面図、図5はその上面
図、図6は図3のII−II線上断面図であって、5つの噴
射チャネル20A〜20Eは同一構成であるため、図3
には1つの噴射チャネル20Aの構成のみを示す。
【0069】この噴射チャネル20Aは、処理液24
(図3参照)が注入される噴射チャンバー30Aと、こ
の噴射チャンバー30Aに連通した5個のオリフィス
(噴射口)22A〜22Eと、噴射チャンバー30Aの
容積を変化させるための変換素子32Aとで構成され
る。
【0070】オリフィス板34の内面が噴射チャンバー
30A用の凹部35Aとなされ、凹部底面に複数のオリ
フィス22A〜22Eが、等ピッチQをもってライン状
に1列だけ穿設されている。またこの噴射チャンバー3
0Aを閉塞するように板体、この例では振動板36が貼
着されると共に、図示の例ではオリフィス板34の左側
面部に設けられた凹部38がバッファタンク用として使
用され、このバッファタンク38と噴射チャンバー30
Aとが流路の面積が狭くなされた導入細管40Aによっ
て連通されている。
【0071】バッファタンク38には処理液タンク(図
示しない)から供給される処理液24が一時的に蓄えら
れ、蓄えられた処理液24の一部がこの導入細管40A
を介して噴射チャンバー30A内に注入される。処理液
24は噴射チャンバー30A内を完全に満たすように注
入される。
【0072】オリフィス22A〜22Eは図4および図
6に示すように先細形状となるように形成されており、
その厚みLがオリフィスの長さとなる。先細状に形成し
たのは、その直径Rの選定と相俟って、処理液24の表
面張力によってオリフィス開口部内の液面が図4破線図
示のようになっても、気泡が噴射チャンバー30A内に
浸入しないようにするためである。これによって、連続
噴射時でも気泡が噴射チャンバー30A内に混入するこ
とがなくなる。
【0073】噴射チャネル20Aに設けられた噴射チャ
ンバー30Aのほぼ中心部、この例では図6のようにオ
リフィス22Cの直上であって振動板36を介して上述
した変換素子30Aが配される。変換素子30Aとして
この例では圧電素子、就中ピエゾ素子を使用した圧電素
子が使用される。
【0074】圧電素子は図6にも示すように角柱状体の
ものが使用され、その一端は振動板36に固定され、他
端は中空凹部となされた支持部材42に固定される。
【0075】図7に示すように駆動回路(パルス発生回
路)44より圧電素子32Aに所定の電圧(図9に示す
正負の駆動パルスPa、Pb)を印加すると、ピエゾ効
果によって角柱状体の圧電素子32Aは図6および図8
の矢印a方向に伸縮する。
【0076】この伸縮が直接振動板36に伝達されるか
ら、振動板36は噴射チャンバー30A方向に偏倚す
る。この偏倚は噴射チャンバー30A内の容積変化(体
積変化)となり、この容積変化が内部処理液24に対し
て強い圧力変化をもたらす。この圧力変化によってオリ
フィス22A〜22Eを介して処理液24が外部に噴射
される。処理液24が噴射されると噴射チャンバー30
A内の圧力が減少して、供給孔40Aを介してバッファ
タンク38より処理液24が補充される。圧電素子32
Aの伸縮を繰り返すと、オリフィス22A〜22Eから
処理液24が連続的に噴射される。駆動パルスPa、P
bの周波数を高くすれば、噴射される処理液は液滴状と
なる。
【0077】そのため、オリフィス22A〜22Eの長
さL、直径R、処理液24の噴射スピードなどは何れも
上述したように感光材料Pへの処理液の供給量や、最適
噴射条件に寄与する因子となる。
【0078】処理液24が触れる噴射チャンバー30A
などの壁面はステンレス材などがコーティングされてい
る。ステンレス材として上述したようにSUS304L
などを使用することができる。同様に、オリフィス22
A〜22Eもその壁面をSUS304Lでコーティング
した。
【0079】振動板36は例えばエポキシ樹脂接着剤で
オリフィス板34と支持部材42とに貼着固定される。
振動板36はSUS304Lを使用したシート状体で構
成することができる。
【0080】上述した各噴射チャネル20A〜20Eに
それぞれ設けられた5つの変換素子32A〜32Bは本
来ならば同時に駆動されるが、そうすると相互の振動に
よって振動板36が共振するおそれがある。そこで、奇
数番目の変換素子20A,20C,20Eに加える駆動
パルスPaと、偶数番目の変換素子20B、20Dに加
える駆動パルスPbとに位相差φを持たせることによっ
て、この共振現象を回避している。
【0081】1サイクルは2πであり、2π=360゜
=0゜であるから、位相差φは10゜〜180゜の範囲
を採り得る。その中でも、90゜から180゜の範囲が
共振現象を最小限に抑制できるので好ましい。図9の例
では共振の最も影響を受けにくい180゜の位相差φを
持たせて駆動した場合である。
【0082】駆動パルスPa、Pbは1KHz〜10K
Hz程度の周波数が好ましい。また駆動パルスPa、P
bのデューティーはパルス幅をPxとすると、1:5程
度が好ましい。駆動パルスPa、Pbの電圧は使用する
圧電素子の特性と、どの程度伸縮させるかその変位量に
よって決まる。
【0083】ここで、図5のように処理液供給手段1の
走査方向が感光材料Pの搬送方向と直交しているときに
は、オリフィス22の配列方向は処理液供給手段1の走
査方向と並行に選ばれる。このとき感光材料Pの搬送速
度と、処理液供給手段1の走査速度とを適切な関係に選
ぶことによって、全てのオリフィス22の走査軌跡を交
わらないようにすることができる。これは感光材料Pの
搬送を止め、処理液供給手段1のみを走査したとき、図
10のように噴射チャネル20を走査方向に対して−θ
だけ傾けて、それぞれのオリフィス22の走査軌跡が互
いに交差しないようにしたことと等価になる。
【0084】図11は2つの噴射チャネル20Aと20
Bとで処理液供給手段1を構成した場合であって、それ
ぞれの走査軌跡z上に滴下される液滴によって満遍なく
処理液が感光材料Pの乳剤面を満たすように、液滴の半
径r(図12参照)と、オリフィス22の走査軌跡の間
隔xとが、 0.6≦r/x≦2.5 の範囲内に選ばれている。この範囲に選ぶことによって
現像ムラを防止できる。詳細は後述する。
【0085】処理液供給手段1は、図5のように5つの
噴射チャネル20で構成することもできれば、図11の
ように2個の噴射チャネル20で構成することもでき
る。さらに処理効率は劣化するが図14のように単一の
噴射チャネル20で構成することもできる。この場合に
は噴射チャネル20のオリフィス配列方向は感光材料P
の搬送方向と並行にしてもよい。この構成でも液滴とオ
リフィス走査軌跡との関係は上式を満たすように選ばれ
ている。
【0086】図15は図14の構成をさらに拡張したも
のであって、2個の噴射チャネル20A、20Bを感光
材料Pの搬送方向と同じ方向に並行して配列した場合で
ある。この場合でも上式を満足するように液滴とオリフ
ィス走査軌跡との関係が選定されるのは言うまでもな
い。
【0087】本発明は処理液供給手段1がアレイ方式で
も適用できる。この場合には、同一基板状に噴射チャネ
ルを多数配列して構成することができる。しかし、感光
材料Pの全幅を単一のオリフィス板でカバーすることは
技術的に困難を伴う場合もある。そのような場合には図
16のように複数の噴射チャネルを1つにまとめてこれ
を噴射ヘッドとして構成し、これを複数個配列すること
によってアレイ方式の処理液供給本体10を構成するこ
とができる。
【0088】したがって図16のように処理液供給本体
10には、複数個の噴射ヘッドHがインライン状若しく
は千鳥状に配列されて構成される。噴射ヘッドHは2〜
15個の範囲で選択できるもので、図の例では8個の噴
射ヘッドH1〜H8が千鳥状にそれぞれ所定の間隔を隔
てて配列されて構成された場合を示す。
【0089】それぞれの噴射ヘッドHに設けられる噴射
チャネル20は図17のように感光材料Pの搬送方向に
対してθだけ傾斜させる。この場合、液滴半径rとオリ
フィス走査軌跡の間隔xとの関係が上式を満たすように
傾斜角θが選ばれることになる。
【0090】噴射ヘッドH1〜H8相互間の重なり程度
について次に説明する。1つの噴射ヘッドHの中には1
6〜256個程度の噴射チャネルが設けられている。今
噴射ヘッドHの個数をj、噴射チャネル数をn、1つの
噴射チャネル内に形成されるオリフィスの個数をmとし
たとき、これらの最も適切な例を以下に挙げる。ただ
し、感材の大きさはA3版であるものとし、噴射ヘッド
Hそれぞれの幅(長さ)をlとする。 (1)j=2のとき、l≒15cm、n=256、m=
6 (2)j=8のとき、l≒4cm、n=64、m=6 (3)j=15のとき、l≒2cm、n=16、m=6 ここで、隣接する噴射ヘッドHに設けられた末端オリフ
ィス同士の重なりは、噴射チャネル数nが多い程重なり
幅を広くしても問題はない。
【0091】さて、以上のような構成を採る処理液供給
手段1を用いて下記の処理液の噴出テストを行った。処
理液供給手段1はアレイ方式を用いた。
【0092】 (処理液例) (以下の発色現像液の処方は1リットル当たりである) 亜硫酸ナトリウム 0.1g ジエチレンペンタアミン5酢酸5ナトリウム 3.0g ポリエチレングルコール#4000 15g ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム 16g チノパールSFP 2g 炭酸カリウム 33g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20g CD−3 12g 水酸化カリウム 8g 水酸化カリウムまたは硫酸を用いてpHを11.0に調整する。
【0093】このような現像処理液を使用すると共に、
圧電素子としてピエゾ素子を用いその駆動パルスの周波
数を6kHZに選んで、感光材料Pに対して処理液を連
続噴射した。駆動電圧は80Vで、駆動パルスPa、P
bの位相差を0゜として測定した。8個の噴射ヘッドH
で供給手段1が構成され、1つの噴射ヘッドHに設けら
れている噴射チャネル数は36チャネルで、1つの噴射
チャネルには3個のオリフィスが形成されている。処理
液の噴射速度は12m/secである。そして、通常のウ
エッジ露光をかけた感材を処理する実験を行った。その
結果を(表−1)に示す。また発色現像行程のあとで下
記の行程を行った。
【0094】(a)漂白定着工程、安定化工程 コニカ(株)プロセスCPK−2−28の処理条件で同
プロセス用処理液により処理を行った。 (b)処理時間 処理工程 処理時間 発色現像処理 8秒 漂白定着処理 27秒 安定化処理 27秒×3 (c)感光材料 通常の方法で露光されたコニカ(株)製QAペーパータ
イプA6(99.9%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳
剤を含有する乳剤層を有する。)を処理した。 (d)加熱条件 加熱ドラムで感材の表面温度を43℃に加熱する。処理
後の感材の440nmの分光最大反射濃度Dmax
(Y)を測定した。
【0095】
【表1】
【0096】(表−1)において、現像ムラの評価は次
のとおりである。 「○」・・・現像ムラがない 「△」・・・若干現像ムラが見られる 「×」・・・現像ムラがはっきり判る このうち、「○〜△」以上が実用許容レベルである。
【0097】(表−1)から明らかなように、感光材料
Pまでの距離としては、0.5〜10mmの範囲が好ま
しく、完全な現像ムラをなくすにはその距離を2〜3m
mに選ぶのがよい。また、r/xとしては、0.6〜
2.5の範囲が好ましい。現像ムラを全く起こさない範
囲は、そのうち0.8〜1.8の範囲であることが判
る。
【0098】次に、r/xの比を変化させたときの発色
濃度および現像ムラの関係を実験した。オリフィス走査
軌跡の間隔xは感光材料Pの搬送方向に対する噴射チャ
ネル20の傾きθを変化させることで調整した。その他
の条件は前の実験例と同じである。その結果を(表−
2)に示す。
【0099】
【表2】
【0100】これからも明らかなように、液滴半径rと
しては、25〜150μmが適当である。特に発色濃度
が規定濃度(2.0)以上であって、現像ムラが全くな
いのは50〜100μmであることが判る。
【0101】次に、処理液の噴射速度について調べる。
噴射開始直後の5分当たりの塗布量(乳剤面での)を
T、連続噴射50時間後の5分当たりの塗布量をT′と
し、噴射量変化率を次のように定義する。 ΔT=T′/T この噴射量変化率ΔTは、0.95〜1.05の範囲が
望ましい範囲としたとき、r/xの比と噴射速度との関
係を調べると次の(表−3)のようになった。ただし、
上述した条件のうち感光材料Pまでの距離は2mmとし
た。
【0102】
【表3】
【0103】r/xは(表4)に示す値を利用した。
【0104】
【表4】
【0105】この結果から明らかなように、処理液の噴
射速度としては、5〜20m/secがよく、そのうち特
に発色濃度や現像ムラの関係からは、7〜12m/sec
の噴射速度が好ましいことが判明した。
【0106】次は、感光材料Pの温度とr/xとの関係
を(表−5)に示す。条件は(表−3)までに使用した
条件と同じである。
【0107】
【表5】
【0108】上記結果からわかるように、感材温度とし
ては、35〜90℃がよく、望ましくは40〜60℃の
範囲に設定した方が、発色濃度と現像ムラの点で好まし
い。
【0109】続いて、処理液塗布量の変化を調べると
(表−6)のようになる。条件は全て同じである。
【0110】
【表6】
【0111】上記結果からわかるように、処理液の塗布
量としては15〜100mlであることが望ましいが、
さらに20〜80mlの範囲が、発色濃度がよく、しか
も現像ムラがない点で最も好ましいことが判る。
【0112】最後にr/xの比と処理液が噴射される際
の感光材料の登坂傾斜角Sとの関係を調べると(表−
7)のようになった。条件は前の場合と同じである。
【0113】ここに、登坂傾斜角Sとは図18に示すよ
うに処理液供給手段1が対峙する第二加熱手段130に
おける傾斜角を指す。図1の例はS=0の場合で、Sが
ある程度大きくなると感光材料Pの搬入方向を図1とは
逆向き(左右対称)に設定した方が搬送がスムーズにな
る。
【0114】
【表7】
【0115】上記結果からわかるように、感光材料Pの
搬送経路の登坂傾斜角Sとしては、0〜90゜の範囲を
使用できる。特に、実験番号(6−8)、(6−9)お
よび(6−10)が、発色濃度、現像ムラおよびオリフ
ィスの汚れに関して最も好適であることが判明した。
【0116】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
以下に示すような顕著な効果を奏することができる。第
1に、非連続的な処理液の供給に起因する塗布ムラや現
像ムラなどを、ハロゲン化銀写真感光材料に対してオリ
フィスが描く走査軌跡の密度と、処理液を噴射したとき
の感光材料表面における液滴の大きさとの関係を最適化
することによって解決できる。換言すれば、処理液の噴
射量を大きくしたときに発生するスジムラなどの現像ム
ラを解消できる。
【0117】第2には、発色不良がなく、しかも迅速処
理を実現できる。第3には、全オリフィスの噴射時に噴
射方向の曲がりやオリフィスを構成しているオリフィス
板(プレート)の汚れの発生がなく、メンテナンス性を
大幅に改善できる。
【0118】第4には、長期間にわたって使用した場合
でもオリフィスの目詰まり等が起きにくく、しかも低廃
液量化できるので環境に優しいハロゲン化銀写真感光材
料用自動現像機を提供できるなどの特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料用自
動現像機の一実施形態を示す要部の処理工程図である。
【図2】処理液供給手段の走査方式を説明するための図
である。
【図3】処理液供給手段と感光材料との関係を示す図で
ある。
【図4】図3のI−I線上断面図である。
【図5】処理液供給手段の平面図である。
【図6】図3のII−II線上断面図である。
【図7】変換素子である圧電素子とその駆動回路を示す
図である。
【図8】圧電素子の伸縮方向を示す図である。
【図9】駆動パルスの説明図である。
【図10】噴射ヘッド内の噴射チャネルを感光材料搬送
方向に対して傾けたときの平面図である。
【図11】噴射チャネルと走査軌跡との関係を示す図で
ある。
【図12】液滴の図である。
【図13】オリフィス走査軌跡と液滴の関係を示す図で
ある。
【図14】噴射チャネルの方向を変えたときのオリフィ
ス走査軌跡と液滴の関係を示す図である。
【図15】図14と同様な図である。
【図16】アレイ方式の供給手段の平面図である。
【図17】アレイ方式の噴射チャネルの傾斜例を示す図
である。
【図18】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料用
自動現像機の他の実施形態を示す要部の処理工程図であ
る。
【符号の説明】
1 処理液供給手段 10 処理液供給本体 20 噴射チャネル 22(22A〜22E) オリフィス 24 処理液 30 噴射チャンバー 32 変換素子(圧電素子) 38 バッファタンク 110,130 加熱手段 H 噴射ヘッド P 感光材料 z オリフィス走査軌跡

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の処理工程からなるハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機において、 該処理工程の1つの工程の手段として、少なくともハロ
    ゲン化銀写真感光材料用処理液を収容する噴射チャンバ
    ーと、この噴射チャンバーに連通した2個以上のオリフ
    ィスと、前記噴射チャンバーの内部圧力を変化させる変
    換手段とで構成されたハロゲン化銀写真感光材料用処理
    液供給ユニットを有し、 前記オリフィスから前記処理液を噴射する際の前記ハロ
    ゲン化銀写真感光材料から該オリフィスまでの距離が
    0.5から10mmの範囲であり、 かつ隣接する前記オリフィス中心の走査軌跡の間隔x
    と、前記感光材料に噴射した際の前記処理液の液滴の半
    径rとの関係が、 0.6≦r/x≦2.5 のように選定されたことを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料用自動現像機。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀写真感光材料の搬送経
    路の登坂傾斜角が0〜90゜の範囲に選定されているこ
    とを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材
    料用自動現像機。
  3. 【請求項3】 前記処理液供給ユニットが、ハロゲン化
    銀写真感光材料の搬送方向に対し直交方向に移動するこ
    とを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材
    料用自動現像機。
  4. 【請求項4】 前記処理液供給ユニットが、ハロゲン化
    銀写真感光材料の幅とほぼ同じ長さに選定されると共
    に、前記感光材料の搬送方向に対し固定されていること
    を特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料
    用自動現像機。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化銀写真感光材料に噴射さ
    れた際の、前記処理液液滴の半径が、25〜150μm
    であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機。
  6. 【請求項6】 前記オリフィスから前記処理液が噴射さ
    れる際の射出速度が、5〜20m/秒であることを特徴
    とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動
    現像機。
  7. 【請求項7】 前記ハロゲン化銀写真感光材料への前記
    処理液の塗布量が、15〜100ml/m2であること
    を特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料
    用自動現像機。
  8. 【請求項8】 前記噴射チャンバーの内部圧力を変化さ
    せる変換手段が圧電素子であることを特徴とする請求項
    1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  9. 【請求項9】 前記圧電素子の変位方向が加圧方向と一
    致することを特徴とする請求項8記載のハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機。
  10. 【請求項10】 前記ハロゲン化銀写真感光材料を35
    ℃以上90℃以下に加熱する加熱手段を有することを特
    徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自
    動現像機。
  11. 【請求項11】 前記ハロゲン化銀写真感光材料用処理
    液が発色現像液であることを特徴とする請求項1記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
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