JP2000105449A - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機

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JP2000105449A
JP2000105449A JP10277096A JP27709698A JP2000105449A JP 2000105449 A JP2000105449 A JP 2000105449A JP 10277096 A JP10277096 A JP 10277096A JP 27709698 A JP27709698 A JP 27709698A JP 2000105449 A JP2000105449 A JP 2000105449A
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halide photographic
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Akira Tanizaki
明 谷崎
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大きな噴射量が安定して得られ、処理の高速化
を達成する。 【解決手段】ハロゲン化銀写真感光材料用処理液を噴射
する噴射ヘッドが千鳥状に配列されている。同一噴射チ
ャネル内に設けられたオリフィスの間隔をdとし、隣接
する噴射ヘッド内の末端噴射チャネル30のオリフィス
同士の重なり程度をZとしたとき、−0.1nd≦z≦
1.5dの範囲内に設定される。Zが−3d〜0のと
き、特に大きな噴射量が安定してえられる。これによっ
て高速な現像処理を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料用の自動現像機に関する。さらに詳しくは、高速
処理能力および連続噴射に対する安定性に優れ、目詰ま
りや液だれ等による噴射不良が発生しにくく、しかも感
光材料の処理迅速性や均一発色性等の処理性が改善され
たメンテナンスの容易なハロゲン化感光材料用の自動現
像機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ミニラボ店の急激な増加によりミ
ニラボ1台あたりの感光材料(感材)の処理量が減少
し、感材処理槽内の現像処理液の液更新率が低下してい
る。このため、処理液が劣化しやすく、処理性能の不安
定性を招来している。また、簡易型の自動現像機をミニ
ラボ店に設置する場合には、機材を洗浄する等のメンテ
ナンスが不要で、日常での機材管理を省略できるような
簡易型の自動現像機の要望も高まっている。
【0003】このような要請に応えるべく、ハロゲン化
銀写真感光材料を処理する処理液を密閉性の高い容器
(例えばインクジェットヘッドのような密閉容器に収容
した処理手段)に収容し、処理液を感材の乳剤面に気相
を介して供給するようにした技術が、「特開平6−32
4455号公報」などに開示されている。
【0004】この公報に開示されているインクジェット
方式のヘッドは、微細な画像を形成する必要があるため
に、非常に小さな液滴を噴霧するように構成されてい
る。そのため、供給される処理液の供給量がかなり少な
く、この技術をそのまま処理液供給手段として使用した
のでは、感材の乳剤面に供給する処理液量が不足気味と
なり、処理を行うために必要な発色現像主薬などが絶対
的に不足し、処理工程での反応時間を遅延させる要因と
なっている。
【0005】また例えば、「USP4901093号公
報」にはインクジェットの噴射ノズル(つまりオリフィ
ス)の数を増して高速処理を可能にした技術が開示され
ているが、この技術をハロゲン化銀写真感光材料を処理
する処理装置に単に転用しただけでは、供給液量が十分
でないことが判明した。
【0006】もちろんこの技術では、さらに安定した処
理液の噴射を維持するには、処理液供給手段であるヘッ
ド部を洗浄して目詰まりを防止するなどのメンテナンス
が必要であったり、オリフィスそのものの目詰まりが発
生しやすいことが判明した。
【0007】また、「特開平6−324455号公報」
に記載されている技術は、主としてレドックス増幅処理
用の感材を処理するための技術である。レドックス増幅
処理用の感光材料は塗布された銀量が通常の感光材料に
比べて圧倒的に少ないため、特に本発明が対象とするハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理に適用しても不充分な効
果しか得られず、実用に供しないことが判明した。
【0008】さらに「特開平9−211832号公報」
に記載された技術は、熱現像方式におけるインクジェッ
ト方式の転用技術であるため、本発明が対象とするハロ
ゲン化銀写真感光材料特有の処理特性、つまり処理液の
連続噴射時における噴射の安定性等の問題を解決するに
は至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように近年に
おける処理の迅速化の要望に伴ってミニラボ店が急激に
増加している状況の中で、機材の管理が簡単で、しかも
高速処理が可能な自動現像機の出現が望まれている。
【0010】しかし、前述のインクジェットヘッドはも
ともと非常に小さな液滴を噴霧するために構成されてい
るので、反応に必要な十分な処理液の供給ができない。
これに加えて、長時間にわたり、複数のオリフィスから
処理液を同時に噴射するなどの駆動を行うと、必要量の
処理液を安定して供給することが困難になるなどの問題
を惹起している。このため処理液の噴射量を大幅に増加
させるとともに、安定した噴射を行うことが必須の技術
的課題となっている。
【0011】この課題を達成するには、例えば変換素子
の駆動周波数を高周波数化したり、駆動電圧を大電圧化
することが挙げられる。しかし、こうすると処理液の供
給量を確保できる反面、オリフィス部のメニスカスの形
成が不安定になり、噴射安定性が劣化する。
【0012】これを防止するためには噴射チャネルの数
を増加させればよいが、コストやオリフィス集積度を上
げられない問題がある。
【0013】噴射チャネルに設けられているオリフィス
の数を増加させることは、処理液を十分に供給できる可
能性が高い点で効果的であるが、ハロゲン化銀写真感光
材料用の処理液のような水溶性の溶液を噴射する場合
は、未だ十分な噴射量が得られないばかりか、噴射安定
性に欠けることが判明した。
【0014】また通常のインクジェットプリンターと異
なり、全オリフィス(ノズル)から長時間にわたって処
理液を噴射し続ける必要があるので、従来のオリフィス
の構成では噴射不良が発生し易いことが判明した。
【0015】ハロゲン化銀写真感光材料用処理液は、周
知のようにインクジェットペーパー用インクとは異な
り、有機溶媒を全く含まず主成分は水である。そのため
空気との接触面積が増加すると、蒸発による乾燥が起き
易い。また写真用処理液は通常のインクに比較して無機
塩の塩濃度が非常に高いため、局所的な乾燥により無機
塩の析出物が発生し易い。したがってオリフィスの目詰
まりが発生し易いという重大な問題を引き起こす。
【0016】さらには、連続して処理する処理速度は処
理液供給手段の方がインクジェットプリンタの場合より
も速いので、処理液中に気泡が混入し易いことが新たに
判った。気泡が発生すると噴射チャンバー内の圧力損失
が生じて、噴射不良が発生することがある。一旦噴射チ
ャンバー内に気泡が混入すると、その気泡を噴射チャン
バーの外部に排出することがなかなか難しいことも判明
した。
【0017】そこで、本発明の目的は、第1にハロゲン
化銀写真感光材料用処理液を噴射し現像を行う場合、安
定した供給量と十分な噴射量によりスジムラの発生がな
いハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機を提供するこ
とである。
【0018】第2には、感光材料の端部の発色不良がな
く、かつ迅速処理が可能なハロゲン化銀写真感光材料用
自動現像機を提供することである。第3には全オリフィ
スの噴射時に噴射方向の曲がりやオリフィスを構成して
いるオリフィス本体(プレート)の汚れの発生がなく、
メンテナンス性に優れたハロゲン化銀写真感光材料用自
動現像機を提供することである。
【0019】さらに、第4には長期間にわたって使用し
た場合でもオリフィスの目詰まり等が起きにくいハロゲ
ン化銀写真感光材料用自動現像機を提供することであ
る。第5には、低廃液量化して環境への悪影響を回避で
きるようなハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機を提
供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るため、請求項1に記載したこの発明に係るハロゲン化
銀写真感光材料用自動現像機では、ハロゲン化銀写真感
光材料用処理液を収容する複数の噴射チャンバー、及び
該複数の噴射チャンバーに連通して設けられた複数のオ
リフィスから形成される集合体により噴射チャネルが形
成され、さらに該噴射チャネルがハロゲン化銀感光材料
の搬送方向に対して交叉する方向に複数個配列されて噴
射ヘッドが形成されており、さらに該噴射ヘッドが複数
個組み合わされてハロゲンk銀感光材料用処理液供給手
段が形成されているものであり、
【0021】該ハロゲン化銀感光材料用処理液供給手段
中の隣接する2個の噴射ヘッドのそれぞれの最も近接し
た端部の噴射チャネルを構成するオリフィス列同士の距
離zが、下記の式(1)を満たすように設定されている
ことを特徴とするハロゲン化銀感光材料用自動現像機。 −0.1nd≦z≦1.5d ・・・(1)
【0022】ここで、dは同一ヘッド内の隣接する噴射
チャネル中のオリフィス列間の距離であり、nは同一ヘ
ッド内の噴射チャネル数である。zは隣接する2個の噴
射ヘッドのそれぞれの複数の噴射チャネルからなる群が
ハロゲン化銀写真感光材料の搬送方向に交叉する方向に
重なっている場合、負の値をとるものとする。
【0023】請求項2記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液供給手段において、前記噴
射チャンバーの容積を変化させる変換素子が圧電素子で
あることを特徴とする。
【0024】請求項3記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液供給手段において、1秒間
の処理液の供給量が0.01ml〜2.5mlの範囲に
設定されたことを特徴とする。
【0025】請求項4記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液供給手段において、隣接す
る噴射チャネル中のオリフィス列間の距離dが0.8m
m〜0.05mmの範囲に設定されたことを特徴とす
る。
【0026】請求項5記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記ハロゲン化銀写真感光材料を35
℃以上100℃以下に加熱する加熱手段を有することを
特徴とする。
【0027】請求項6記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記供給手段における処理液供給量
を、前記感光材料1m2当たり5ml〜100mlの範
囲に設定されたことを特徴とする。
【0028】請求項7記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液の溶質濃度が0.2重量%
以上であることを特徴とする。
【0029】請求項8記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、前記処理液が発色現像液であることを
特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】続いてこの発明に係るハロゲン化
銀写真感光材料用自動現像機の実施形態について図面を
参照して詳細に説明する。
【0031】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機は、ハロゲン化銀写真感光材料に対して所
定の処理液を噴射して感材面にこの処理液を塗布する処
理液供給手段を少なくとも有する。この他に、感光材料
に対する加熱手段、漂白・定着手段、安定手段、乾燥手
段などによって自動現像機が構成される。各手段の内容
を以下に示す。
【0032】(処理液供給手段)本発明では処理液の供
給を噴射チャネルによって行う。噴射チャネルのそれぞ
れは、少なくとも噴射される処理液で満たされ、加圧さ
れる圧力室である噴射チャンバーと、電気信号を変換し
て噴射チャンバーの容積を瞬時に変化させる変換素子
と、加圧された噴射チャンバー内の処理液が押し出され
るオリフィス(ノズル)とで構成される。
【0033】噴射チャンバーの大きさは、{縦横0.1mm
×(0.1〜3.0mm四方)×5mm}程度の微小なものが好ま
しい。噴射チャンバーは、溝が切られたステンレス材
(SUS)や、チタン等の金属さらにはプラスティックな
どの薄板を張り合わせて作成されることが好ましい。
【0034】ハロゲン化銀写真感光材料用処理液を収容
する噴射チャンバーと、この噴射チャンバーに連通する
と共に、前記感光材料の搬送方向と同じ方向に向かって
形成された1個以上のオリフィスを有する噴射チャネル
と、この噴射チャネルが前記噴射チャンバー内に、前記
搬送方向に対して交叉する方向に複数個配列されると共
に、前記噴射チャンバーの容積を変化させる変換素子が
設けられた噴出ヘッドが少なくとも2個以上並べてハロ
ゲン化銀写真感光材料用処理液供給手段が構成される。
【0035】まず、それぞれの噴射チャネル内に配列形
成されるオリフィスの数mは、1≦m≦15、就中、3
≦m≦10が好ましい。オリフィスの製造の容易性、液
供給量のバランス等からくる制約である。1つの噴射チ
ャンバー内にはn個の噴射チャネルが配列されるが、こ
のチャネル数nは、8≦n≦500の範囲内に設定され
る。nの値は感材の大きさ、噴射ヘッドの数などによっ
て決まり、好ましくは16≦n≦256、さらに好まし
くは32≦n≦64である。
【0036】噴射ヘッドは感材の搬送方向に対して交叉
する方向にインライン状若しくは千鳥状に配列される。
噴射ヘッド数jは2≦j≦15が適当である。これらは
いずれも、噴射の安定性、感光材料が必要とする処理液
の供給量や、オリフィス本体(プレート)の歩留まりな
どから決まる個数である。
【0037】本発明では、ハロゲン化銀感光材料用処理
剤を安定して噴射するために、処理液供給のため噴射ヘ
ッドを複数個使用するが、各噴射ヘッドの繋ぎ部を式
(1)で表されるように繋ぐ。 −0.1nd≦z≦1.5d ・・・(1)
【0038】ここでいうオリフィス列とは、1個の噴射
チャンバーに連通して設けられた複数のオリフィスの連
なりのことで、この形状は加工の際の容易性にもよるが
−ないし複数の直線状や、千鳥状、正弦波状、のこぎり
波状、或いは全くの不規則列などの任意の配列をとるこ
とができる。オリフィス列の配列が一直線状でない場合
は式(1)中の、隣接する2個の噴射ヘッドのそれぞれ
の最も近接した端部の噴射チャネルを構成するオリフィ
ス列どうしの距離z、及び隣接する噴射チャネル中のオ
リフィス列間の距離dは、当該オリフィス列の重心線を
もって規定することができる。
【0039】z,dの好ましい範囲は以下の通りであ
る。 z=0.05〜−10mm d=0.05〜0.8mm このうち、特にzが−6d〜dの範囲が好ましく、特に
スジムラなどの現像ムラをほぼ完全に回避できる範囲と
して−3d〜0の範囲が好ましい。
【0040】本発明では、ハロゲン化銀感光材料用の処
理液を安定して噴射するために、オリフィスの長さL
の、オリフィスの噴射側の直径Rに対する比(L/R)
が、5〜200の範囲が好ましく、より好ましくは10
〜100の範囲、特に好ましい範囲は20〜50であ
る。オリフィスの個数として選んだ20〜50の値は、
処理液をより安定に噴射でき、しかも十分な処理液を供
給できる値であるからである。
【0041】ここで、オリフィスの長さLは0.1mm
〜10mmが好ましく、より好ましいのは0.5mm〜
5mmである。機械的強度などを考慮すると、後者の値
が最適値である。オリフィスの直径Rは、噴射面側で
0.03mm〜0.1mmが好ましい。処理液の目詰ま
り、液ダレ、噴射チャンバー内への気泡の混入などを起
こしにくいなどの理由からこのような範囲に選定されて
いる。
【0042】同一ヘッド内の隣接する噴射チャネル中の
オリフィス列間の距離dの、オリフィスの噴射面側の直
径Rとの比(d/R)は、5〜30の範囲内に選ぶこと
が好ましい。より好ましくは10〜25の範囲である。
(d/R)の値が大きくなりすぎると現像ムラが発生し
やすくなり、逆に小さすぎると、後述する噴射チャンバ
ーを区切る振動板の機械的な共振による液ダレなどが発
生し易くなるからである。
【0043】処理液供給手段に設けられる変換素子とし
ては、スプレーバーのように、圧縮空気やソレノイドに
よって噴射チャンバーに対し急激な圧力を与えて処理液
を噴射するものの他に、圧電素子による体積変動や微少
量の液の突沸によって、噴射チャンバー内を加圧して処
理液を噴射する方法などが考えられる。
【0044】圧電素子を利用する場合には、ピエゾ素子
を用いた圧電素子が好ましい。これは、比較的小さな占
有体積で、しかもあまり大きな電圧を駆動電圧として印
加しなくても、処理液を噴射するに十分な変位量(0.
5〜5.0μm)を得ることができるからである。
【0045】ピエゾ素子の材質としては、周知のように
チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸・ジルコン酸
鉛などを使用することができる。ピエゾ素子の形状は柱
状であって、その断面形状は円形でも、角形でもよい。
柱状のピエゾ素子は電界が印加された場合、素子の長手
方向のひずみ量が大きい。印加する電界の方向は振動
(伸縮)方向に対して同一方向でも直交する方向でもよ
い。
【0046】次に処理液と接触する部材(液接部)の材
質について説明する。液接部とは、処理液がストックさ
れているタンク(図示はしない)から処理液供給手段で
噴射されるまでの液供給経路を構成する、特に加圧され
た処理液に直接接触する部材をいう。具体的には処理液
供給手段の噴射チャンバーの入り口、噴射チャンバーの
壁面、オリフィスを形成する壁面等である。
【0047】この液接部としては、塩化ビニリデン樹
脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、液晶ポリエステ
ル、ポリイミド樹脂、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリフェニレンサルファイドなどが好適で
ある。セラミック、ガラスセラミック材では、FOTOFORM
Glass、FOTOFORM OPAL GLASS-Ceramic、FOTOCREAM Gla
ss-Ceramic(Hoyaガラス)などが好適であり、またステ
ンレス材では、SUS302、SUS303,SUS3
04,SUS304L、SUS316などがよい。さら
に、ニッケル、タンタルTa、クロム、シリコン、二酸
化シリコンなどを使用することができる。
【0048】感材に塗布(供給)する処理液の供給スピ
ードは、オリフィスから噴射されて感材に供給される処
理液の1秒当たりの体積を言う。本発明では、処理の迅
速性の観点から、処理液供給スピードは0.01ml/
秒から2.5ml/秒が好ましく、より好ましくは0.
1ml/秒〜1.0ml/秒である。供給スピードが遅
いと処理速度が遅くなり、速すぎると供給過多となるお
それがあるからで、このような観点からすると、特に後
者の範囲が最も好ましい。
【0049】オリフィスの噴射面と感材の乳剤面との距
離Yは、50μm以上10mm以下が好ましいが、さら
に1mm以上5mm以下であることが好ましい。感材ま
での距離が近すぎると、処理液が乳剤面に到達後飛散す
るおそれがあり、遠すぎると処理液の直進性が劣化する
おそれがあるからである。これらの条件を満たすものと
して後者の値が最も適当である。
【0050】(感材の加熱手段)本発明の自動現像機
(処理液処理装置)には感材を加熱する手段を有するこ
とが好ましい。加熱手段としては熱ドラム、熱ベルト、
ドライヤー、赤外線照射、高周波による電磁波照射など
を用いることができる。感材は処理液の供給前、供給後
など、いつのタイミングに加熱されても良いが、処理の
迅速性の観点からすると、処理液が供給される前に加熱
されることが好ましい。感材への処理液の浸透がスムー
ズになるからである。
【0051】加熱したときの感材自体の温度は35℃以
上100℃以下であることが好ましく、さらに処理の迅
速性の観点などから40℃以上80℃以下であることが
より好ましい。100℃以上では感材の耐熱性に問題が
あるからであり、35℃以下では迅速処理性能が不十分
であるからである。
【0052】処理される感材の乳剤面への悪影響を防止
するために、乳剤面とは逆の面から感材を加熱した方が
よい。
【0053】(処理工程)本発明の自動現像機は、漂白
定着行程、定着工程、安定工程など不要物を感材から除
去する処理工程で用いるよりも、現像工程、発色現像工
程、漂白工程など色素生成や酸化反応を起こす処理工程
に用いるのがよい。これらの処理工程の中でも、現像工
程、発色現像工程が好ましく、さらに現像主薬の酸化に
よりタールが発生しないようにするため、その保存性の
観点からすると、特に発色現像工程において本発明の自
動現像機を適用するのがよい。
【0054】(処理液)本発明で用いられる処理液は、
通常の処理液だけでなく、それ単独では処理反応を完了
できない液も含むものとする。したがって感光材料の処
理に寄与しうる成分を含有する溶液の全てを含み、さら
には単なる水も含むものとする。感光材料の処理に寄与
しうる成分とは、発色現像主薬、アルカリ剤はもちろん
のこと、界面活性剤など処理反応にあまり寄与しない成
分も含む。
【0055】本発明の自動現像機は、処理工程において
必要とされる処理液成分の全てを含む液を1度に感材に
供給してもよいし、必要な成分を複数の液に含有させ
て、別々に感材に供給してもよい。複数の液を別々に供
給する場合には、全ての液の供給が完了する時間はでき
る限り短い方が処理の迅速性の点で好ましく、5秒以
内、好ましくは1秒以内がよい。処理液の違いによる処
理反応時間に差がでないようにするためである。複数例
えば、2種類の処理液に分けて感光材料に供給する場合
には、感材の搬送方向に対して前後に2つの処理液供給
手段を配すればよい。
【0056】本発明の自動現像機は、使用する処理液の
溶質濃度が0.2重量%以上20重量%以下に選ばれて
いる。このうち0.4重量%〜20重量%が好ましく、
特に好ましいのは1.0重量%〜10重量%である。
【0057】処理液供給手段からの処理液の供給量は、
感光材料5ml(ミリリットル)〜100mlであるこ
とが好ましく、さらには1m2平方当たり15ml〜5
0mlであることが、確実な現像処理を遂行できると共
に、処理液供給後の感材乳剤面の液だれ防止などの観点
から好ましい。
【0058】(発色現像処理)本発明の自動現像機は、
上述したように現像処理工程、特に発色現像処理工程に
適用されることが好ましい。発色現像処理液は、いくつ
かの部分構成液に分割してもよく、その液単独で発色現
像反応を完了させる能力がない液をも含む。したがっ
て、発色現像主薬と保恒剤のみの液、アルカリ剤のみの
液、界面活性剤のみの液、単なる水など発色現像液の一
部を構成する液も、ここで言う発色現像処理液に含まれ
るものとする。
【0059】その液単独で発色現像反応を完了する能力
を持つ処理液を感材の乳剤面に供給してもよいが、発色
現像処理反応に必要な成分を別々の複数の処理液に含有
させ、別々に供給して、感材の乳剤面上で混合して発色
現像処理を行ってもかまわない。複数の処理液に必要な
成分を含有させ、別々に供給する発色現像処理の方が、
成分の高濃度化が可能になり、迅速処理の観点から好ま
しい。
【0060】発色現像処理工程の処理時間は3秒以上、
特に5秒以上30秒以下が発色現像処理反応を安定的に
完了させる上で好ましく、とりわけ8秒以上20秒以下
であることが、発色現像液の劣化、発色現像液の乾燥な
どの観点から好ましい。
【0061】ここに、発色現像処理工程の処理時間と
は、感材(乳剤面)に発色現像液を供給してから次の工
程(例えば、漂白工程、漂白定着工程)において使用さ
れる処理液を供給するか、若しくは次の工程を行う処理
液にこの感材が浸漬されるまでの時間をいう。
【0062】(ハロゲン化銀写真感光材料)本発明の自
動現像機で処理される感材としては、ヨウ臭化銀または
臭化銀を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料や、
ハロゲン化銀モノクロ写真感光材料などを使用すること
ができる。このうち、塩化銀乳剤を含有するハロゲン化
銀カラー写真感光材料や、ハロゲン化銀モノクロ写真感
光材料が好ましい。
【0063】塩化銀乳剤を含有するハロゲン化銀写真感
光材料では、90%モル以上が塩化銀であるハロゲン化
銀乳剤を含有した乳剤層を、少なくとも1層持つ感光材
料であるのが好ましい。さらに好ましくは95〜100
モル%、最も好ましくは98〜100モル%が塩化銀で
あるハロゲン化銀乳剤を含有するハロゲン化銀写真感光
材料であることが処理進行性の観点から好ましい。
【0064】(実施例)以下、本発明の好ましい実施形
態について説明する。図1は、本発明による自動現像機
の主要部の概略構成図である。処理液により処理される
ハロゲン化銀写真感光材料Pの搬送経路上流には、ハロ
ゲン化銀写真感光材料Pを加熱する加熱手段110があ
る。加熱手段110には、加熱ドラム111がある。ま
た、加熱ドラム111の上側に出口側ローラ112があ
る。加熱ドラム111の左側に入口側ローラ113があ
る。出口側ローラ112の左側で入口側ローラ113の
下側に圧着ベルト駆動ローラ114がある。圧着ベルト
115が、出口側ローラ112、入口側ローラ113及
び圧着ベルト駆動ローラ114に架け渡され、加熱ドラ
ム111の周面90°の区間に渡って加熱ドラム111
に圧着されながら動くことにより、加熱ドラム111に
感材Pを圧着して搬送させる。これらにより、感材Pは
加熱される。
【0065】加熱ドラム111の感材Pの搬送経路下流
に現像処理手段120がある。現像処理手段120は、
感材Pを処理する第1液を収容する処理液容器125を
有する。処理液容器125は外気に対して密閉されてい
る。処理液供給手段1から加熱手段110により加熱さ
れた感材Pの乳剤面に気相を介して発色現像液を供給す
る。
【0066】処理液供給手段1により気相を介して処理
液が供給されるところの感材の搬送経路上流側から下流
側にかけて、感材Pをさらに加熱する第二加熱手段13
0がある。第二加熱手段130には、加熱ローラ13
1、駆動ローラ132、加熱ベルト133がある。加熱
ベルト133は加熱ローラ131と駆動ローラ132に
掛け渡されている。加熱ローラ131は、処理液供給手
段1により気相を介して処理液を供給される先の感材P
の搬送経路上流側にあり、加熱ベルト133を加熱す
る。
【0067】加熱ローラ131より感材Pの搬送経路下
流側にある駆動ローラ132は加熱ベルト133を駆動
させる。これにより、加熱ベルト133が加熱された状
態で感材Pを加熱する。そして、第二加熱手段130に
より加熱されている最中の写真感材Pの乳剤面に気相を
介して処理液が供給される。また、処理液がその乳剤面
に供給された感材Pは第二加熱手段130によってさら
に加熱される。
【0068】その後、現像処理手段120により発色現
像処理された感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着
処理され、安定化処理槽STで安定化処理される。
【0069】表面温度60℃の加熱ドラム111により
感材乳剤面温度を60℃にする。また、表面温度50℃
の加熱ベルト133を用いて、感材Pの支持体面側から
加熱し、感材乳剤面温度を50℃に保つ。
【0070】この実施形態で使用される処理液供給手段
1は、図2に示すように感光材料Pの搬送方向に対して
直交する方向に配置されたアレイ方式の処理液供給手段
に適用される。アレイ方式は1ライン分に亘り同時に処
理液が噴射されるものであるから、処理液供給手段1は
固定できる。
【0071】処理液供給手段1の実施形態を図3以下を
参照して説明する。処理液供給手段1は図3に示すよう
に、処理液供給本体(ヘッド本体)10と処理液の供給
管12を支持する支持手段14とで構成されている。
【0072】それぞれの噴射チャンバー内に形成される
オリフィス列は図4Aに示すようにインライン状となる
ように形成することができる他に、図4Bのような千鳥
状に配列形成したり、所定の周期と振幅をもつような正
弦波状に配列形成することができる。図4B、Cの距離
zは、オリフィス列の中心線(破線図示)が基準とな
る。
【0073】最も近接した端部の噴射チャネルを構成す
るオリフィス列同士の距離zについて次に説明する。噴
射チャネルを構成するオリフィス列同士の大小によっ
て、処理液の過少、過多につながるため、スジムラのよ
うな現像ムラが発生する可能性がある。このような現像
ムラなどが発生しない噴射チャネルを構成するオリフィ
ス列同士の距離zは、(1)式で示すような関係式を満
足すればよいことが判明した。
【0074】そこで、ヘッド数j、チャネル数n、オリ
フィスの個数m、噴射チャネルを構成するオリフィス列
どうしの距離zに関する適切な関係の一例を以下に示
す。ただし、感材の大きさはA3版であるものとする。 (1)j=2のとき、n=256、m=6、z=−2
5.6d (2)j=8のとき、n=64、m=6、z=−6.4
d (3)j=15のとき、n=16、m=6、z=−1.
6d
【0075】ここで、噴射チャネルを構成するオリフィ
ス列どうしの距離zがゼロであるときには、隣接噴射ヘ
ッドのそれぞれの最も近接した端部の噴射チャネルを構
成するオリフィス列同士が完全に重なり合っていること
になり、z=dは丁度オリフィス列間の距離dだけ、そ
れぞれの最も近接した端部の噴射チャネルを構成するオ
リフィス列群同士がハロゲン化銀写真感光材料の搬送方
向に交叉する方向に重なっていることになる。
【0076】本発明では諸種の実験により、1.5dだ
け開いていてもスジムラなどの発生を見い出すことがで
きなかった。同様に、0.1ndだけ重なっていたとし
てもスジムラ(現像ムラ)の発生がなかった。
【0077】噴射チャネル数nが多くなると、それに伴
って噴射チャネルを構成するオリフィス列どうしの距離
zの値も多く設定することができるので、噴射ヘッドH
相互間の取り付け精度が多少悪くても噴射ムラなどが発
生するおそれがない。したがって噴射チャネル数が多い
処理液供給手段1の場合には、噴射ヘッド取り付け精度
に余裕ができるなどと言った副次的な効果も発生する。
【0078】噴射ヘッドHは図5に示すように、それぞ
れ互いに独立した複数の噴射チャネル20で構成され
る。噴射チャネル20は上述したように16〜256個
の範囲で選択することができる。1つの噴射チャネル2
0は1個以上の処理液噴射口であるオリフィス22を有
する。オリフィス22の個数は15個以内であって、こ
の例では、感光材料Pの搬送方向と同じ向きにインライ
ン状で等間隔に5個のオリフィス22A〜22Eが噴射
チャンバー30に連通するように設けられる。オリフィ
ス22A〜22Eから処理液24(図3参照)が所定の
スピードで所定量感光材料Pに噴射される。オリフィス
22は断面円形のものを例示してあるが、楕円形状や矩
形であってもよい。
【0079】噴射ヘッドのうち噴射チャネル20の詳細
を図6以下に示す。図6は図5のI−I線上断面図であ
って、噴射チャネル20Cの構成が開示されている。
【0080】この噴射チャネル20Cは、処理液24
(図3参照)が注入される噴射チャンバー30Cと、こ
の噴射チャンバー30Cに連通した5個のオリフィス
(噴射口)22A〜22Eと、噴射チャンバー30Cの
容積を変化させるための変換素子32Cとで構成され
る。
【0081】この噴射チャンバー30Cを閉塞するよう
に板体、この例では振動板36が貼着される。図示の例
ではオリフィス本体34の左側面部に設けられた凹部3
8がバッファタンク用として使用され、このバッファタ
ンク38と噴射チャンバー30Cとが流路の面積が狭く
なされた導入細管40Cによって連通されている。バッ
クアップタンク38と支持部材14との間には液供給用
の導通孔15が穿設されている。
【0082】バッファタンク38には処理液タンク(図
示しない)から供給される処理液24が一時的に蓄えら
れ、蓄えられた処理液24の一部がこの導入細管40C
を介して噴射チャンバー30C内に注入される。処理液
24は噴射チャンバー30C内を完全に満たすように注
入される。
【0083】オリフィス22A〜22Eは図6に示すよ
うに先細形状となるように形成されており、その厚みL
がオリフィスの長さとなる。先細状に形成したのは、そ
の直径Rの選定と相俟って、処理液24の表面張力によ
ってオリフィス開口部内の液面が図6破線図示のように
なっても、気泡が噴射チャンバー30C内に浸入しない
ようにするためである。これによって、連続噴射時でも
気泡が噴射チャンバー30C内に混入することがなくな
る。
【0084】噴射チャンバー30Cのほぼ中心部、この
例ではオリフィス22Cの直上には振動板36Cを介し
て単一の変換素子32(32C)が配される。変換素子
32としてこの例では圧電素子、就中ピエゾ素子を使用
した圧電素子が使用される。
【0085】圧電素子は図7にも示すように角柱状体の
ものが使用され、その一端は振動板36Cに固定され、
他端は中空凹部となされた支持部材42に固定される。
支持部材42は噴射ヘッドHに対して共通に設けられた
部材である。
【0086】図8に示すように駆動回路(パルス発生回
路)44より圧電素子32Cに所定の電圧(図10に示
す正負の駆動パルスPa、Pb)を印加すると、ピエゾ
効果によって角柱状体の圧電素子32Cは図6および図
8の矢印a方向に伸縮する。
【0087】この伸縮が直接振動板36Cに伝達される
から、振動板36Cは噴射チャンバー30C方向に偏倚
する。この偏倚は噴射チャンバー30C内の容積変化
(体積変化)となり、この容積変化が内部処理液24に
対して強い圧力変化をもたらす。この圧力変化によって
オリフィス22A〜22Eを介して処理液24が外部に
噴射される。処理液24が噴射されると噴射チャンバー
30C内の圧力が減少して、導入細管40Cを介してバ
ッファタンク38より処理液24が補充される。圧電素
子32Cの伸縮を繰り返すと、オリフィス22A〜22
Eから処理液24が連続的に噴射される。駆動パルスP
a、Pbの周波数を高くすれば、噴射される処理液は液
滴状となる。
【0088】そのため、オリフィス22A〜22Eの長
さL、直径R、処理液24の噴射スピードなどは何れも
上述したように感光材料Pへの処理液の供給量や、最適
噴射条件に寄与する因子となる。
【0089】処理液24が触れる噴射チャンバー30C
などの壁面はステンレス材などがコーティングされてい
る。ステンレス材として上述したようにSUS304L
などを使用することができる。同様に、オリフィス22
A〜22Eもその壁面がSUS304Lでコーティング
されている。
【0090】振動板36Cは例えばエポキシ樹脂接着剤
でオリフィス本体34と支持部材42とに貼着固定され
る。振動板36CはSUS304Lを使用したシート状
体で構成することができる。
【0091】上述した各噴射チャネル20にそれぞれ設
けられた振動板36は、それぞれ独立に取り付けること
もできれば、全ての噴射チャネルに対して共通に設ける
こともできる。このように振動板36を共通化すると、
1つの噴射ヘッドHの組立が容易になる反面、噴射チャ
ネルごとに隔壁で固定されていたとしても、それぞれの
噴射チャネル20での相互の振動によって互いに影響を
及ぼしあうおそれがある。つまり振動板36が共振する
おそれがある。
【0092】このような共振現象の問題は、図9にも示
したように奇数番目の変換素子20A,20C,・・・
に加える駆動パルスPaと、偶数番目の変換素子20
B、20D、・・・に加える駆動パルスPbとに位相差
φを持たせることによって回避することができる。もち
ろん同相駆動も可能である。
【0093】1サイクルは2πであり、2π=360゜
=0゜であるから、位相差φは10゜〜180゜の範囲
を採り得る。その中でも、90゜から180゜の範囲が
共振現象を最小限に抑制できるので好ましい。図9の例
では共振の最も影響を受けにくい180゜の位相差φを
持たせて駆動した場合である。
【0094】駆動パルスPa、Pbは1KHz〜10K
Hz程度の周波数が好ましい。また駆動パルスPa、P
bのデューティーはパルス幅をPxとすると、1:5程
度が好ましい。駆動パルスPa、Pbの電圧は使用する
圧電素子の特性と、どの程度伸縮させるかその変位量に
よって決まる。
【0095】噴射チャネル20を構成する複数のオリフ
ィス22の配列方向が、上述の例では感光材料Pの搬送
方向と完全に一致するように選んであるが、これを傾け
ることもできる。図10は感光材料Pの搬送方向に対し
て所定の角度αだけ傾けた場合である。このように噴射
チャネル20つまり噴射ヘッドHを感光材料搬送方向に
対してある程度の傾斜を持たせると、隣接する噴射ヘッ
ドH同士の液滴が互いに重なり合うようになって、処理
液の噴射ムラを確実に防止できる。
【0096】さて、以上のような構成を採る処理液供給
手段1を用いて下記の処理液の噴出テストを行った。
【0097】 (処理液例1) (以下の発色現像液の処方は1リットル当たりである) 亜硫酸ナトリウム 0.1g ジエチレンペンタアミン5酢酸5ナトリウム 3.0g ポリエチレングルコール#4000 15g ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム 16g チノパールSFP 2g 炭酸カリウム 33g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20g CD−3 12g 水酸化カリウム 8g 水酸化カリウムまたは硫酸を用いてpHを11.0に調
整する。
【0098】このような現像処理液を使用すると共に、
圧電素子としてピエゾ素子を用いその駆動パルスの周波
数を8KHzに選んで、感光材料Pに対して処理液を連
続噴射した。駆動電圧は80Vで、駆動パルスPa、P
bの位相差を0゜として測定した。1つの噴射ヘッドH
に設けられている噴射チャネル数は32チャネルで、1
つの噴射チャネルには8個のオリフィスが形成されてい
る処理液供給手段1を用いた。
【0099】オリフィスパターンは図5のものを用い
た。同一噴射チャネル20でのオリフィス間隔dは0.
3mmとし、隣接チャネル同士のオリフィス列間距離d
は1mmである。そして、オリフィス列間距離dと噴射
チャネルを構成するオリフィス同士の距離zを下記(表
−1)の如く変化させた処理液供給手段1を作成して通
常のウエッジ露光をかけた感材を処理する実験を行っ
た。その結果を(表−1)に示す。また発色現像行程の
あとで下記の行程を行った。
【0100】(a)漂白定着工程、安定化工程 コニカ(株)プロセスCPK−2−28の処理条件で同
プロセス用処理液により処理を行った。 (b)処理時間 処理工程 処理時間 発色現像処理 8秒 漂白定着処理 27秒 安定化処理 27秒×3 (c)感光材料 通常の方法で露光されたコニカ(株)製QAペーパータ
イプA6(99.9%以上が塩化銀からなるハロゲン化
銀乳剤を含有する乳剤層を有する。)を処理した。 (d)加熱条件 60℃の表面温度の加熱ドラムで感材の表面温度を60
℃に加熱する。
【0101】処理後の感材の440nmの分光最大反射
濃度Dmax(Y)を測定した。また処理後、噴出ヘッ
ドのオリフィス本体34の表面の汚れを観察して、下記
の評価基準で評価した。 ○:全く処理液による汚れが認められない △:わずかに処理液による汚れが認められるが、実用上
問題ない ×:実用上問題のあるレベルまで汚れている
【0102】
【表1】
【0103】このようにオリフィス間隔d、噴射チャネ
ルを構成するオリフィス同士の距離zを変化させた場
合、Zが、−3d〜0の範囲において十分な噴射量が得
られることが判る。スジムラの発生もない。オリフィス
本体34の汚れがなく、発色濃度も良好である。
【0104】次に市販のバブルジェット(瞬間的にアパ
ーチャー内を加熱し突沸現象を利用し液体を噴射する)
方式のヘッドと本発明の変換素子に圧電素子を用いたヘ
ッドを用い、表1の実験No1−4と同一条件で8時間
の連続処理を行い、本発明の圧電素子を使用したヘッド
とバブルジェットのヘッドでの連続噴射安定性の時間、
オリフィスの汚れ及びスジムラを比較実験を行った。結
果、バブルジェット方式の場合わずか30分で噴出が困
難となり、オリフィスの汚れもひどくスジムラも発止し
た。これに比較し変換素子に圧電素子を用いたヘッドの
場合、8時間の連続処理を行っても連続噴射安定性に全
く問題なく、オリフィスの汚れ、スジムラの発生も認め
られなかった。
【0105】オリフィスパターンは図4(A)〜(C)
のものを用いた。同一噴射チャネルでの同一ヘッド内の
隣接する噴射チャネル中のオリフィス列間の距離dを
(表−2)のように変化させた。
【0106】1秒間の処理液供給回数7000回であ
り、感光材料Pへの供給量は0.07ml/secとし
た。また感光材料Pの1mm2当たりの供給量は20m
lである。オリフィスの長さLは1mm、オリフィス直
径Rは0.05mmものを使用した。
【0107】また、通常のウェッジ露光をかけた感材を
処理し、440nmの分光最大反射濃度Dmax(Y)
を測定した。またスジムラの発生程度を観察した。本実
施例ではDmax(Y)が2.0以上の時に十分な濃度
であるとする。結果を(表−2)に示す。
【0108】
【表2】
【0109】処理後オリフィスの汚れの程度を目視によ
り観察し、汚れの程度を下記の評価基準で評価した。 ○:全くオリフィス板に汚れがなく正常に処理液を噴出
できる △:オリフィス板に汚れが見られるが実用上特に問題な
く処理剤を噴出できる ×:オリフィス板の汚れが激しく正常に処理剤を噴出で
きない スジムラは目視による評価であって、「○」は全く発生
していない、「△」は実用性に問題はないが、若干スジ
ムラが発生している、「×」は明らかにスジムラが発生
しており問題になるという評価である。
【0110】この実験結果からも明らかなように、噴射
チャネルの同一ヘッド内の隣接する噴射チャネル中のオ
リフィス列間の距離dを0.05〜0.8mmに選んだ
場合には、感光材料Pの発色濃度が向上し、感光材料P
のスジムラの発生も少なく、オリフィスの汚れも少なく
できることが判る。
【0111】また以下に示すように1秒間の処理液供給
量を(表−3)のように変化させて同様の実験を行っ
た。そして、現像処理後の感光材料Pの端部の発色不良
を下記のような基準で評価した。 ○:全く問題のない △:端部にわずかに発色不良がある ×:あきらかに発色不良があり、問題になるレベル オリフィスの目詰まり評価は次の通りである。 ○:全てのオリフィスから問題のない噴出がある △:1〜2個のオリフィスの噴出の方向が曲がっている ×:1〜2個のオリフィスからの噴出がなく、目詰まり
が発生している
【0112】
【表3】
【0113】上記結果からわかるように、1秒間の処理
液供給量を0.01ml〜2.5mlに設定すること
で、感光材料Pの端部の発色不良が良好になり、オリフ
ィス22の目詰まりも改善される。さらに発色濃度も向
上することが判る。
【0114】次に(表−1)の1−4の実験で用いた噴
射ヘッドの相互関係にある処理液供給手段1を用い、加
熱ドラム111と加熱ベルト133に印加する電力(電
圧)を変えることによって発熱量を調整し、感材乳剤表
面を表−5のように変えた以外は(表−1)の1−4と
同様な処理を行い、処理後の感材の440nmにおける
最大と最小分光反射濃度を測定した。
【0115】
【表4】
【0116】表−4から、本発明のハロゲン化銀感光材
料用処理液が噴射されるハロゲン化銀感光材料が、35
℃以上100℃以下に加熱する手段を有する場合、最大
濃度と最小濃度が十分であり、迅速処理時の画像濃度が
優れていることが判る。
【0117】次に、感光材料1m2当たりの供給量を変
化させて、同様に実験した。その結果を(表−5)に示
す。そして、処理後の発色現像工程の搬送部の汚れを下
記の評価基準で評価した。 ○:処理液の液だれによる汚れが認められない △:わずかに処理液の液だれによる汚れがある ×:あきらかに処理液の液だれによる汚れがあり、問題
になるレベル
【0118】
【表5】
【0119】上記結果からわかるように、1m2当たり
の処理液供給量を5ml〜100mlに設定すること
で、感材搬送部の汚れが良好になり、オリフィス22の
目詰まりも改善され、発色濃度も向上することが判明し
た。
【0120】また、(表−1)の1−4の実験で用いた
処理液供給手段1を用い、(表−1)の実験と同様に漂
白定着処理まで行い、安定化処理工程を、処理液供給手
段1を用いて、コニカ(株)プロセスCPK−2−28
の安定化処理液の溶質濃度を表−6に示したように変え
て処理した後、照射強度が80,000Luxのキセノ
ンフェードメーターで200時間照射した後の感材の4
40nmにおける最大分光反射濃度の残存の様子を観察
した。結果を表−6にまとめて示す。 ○:全く濃度ムラが認められない △:わずかに濃度ムラが認められるが、実用上問題がな
い ×:実用上問題のあるレベルの濃度ムラがある
【0121】
【表6】
【0122】表−6から明らかなように、処理液の溶質
濃度が0.2重量%以上である場合、安定化処理液が均
一に適応されて、迅速処理時の画像濃度特性が光照射後
でも優れていることが判る。
【0123】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
以下に示すような顕著な効果を奏することができる。
【0124】第1に、ハロゲン化銀写真感光材料用処理
液を噴射して現像処理を行う場合、処理液を安定して、
しかも十分に感光材料に供給することができるからスジ
ムラのない処理を達成できる。
【0125】第2には、発色不良がなく、しかも迅速処
理を実現できる。第3には、全オリフィスの噴射時に噴
射方向の曲がりやオリフィスを構成しているオリフィス
本体(プレート)の汚れの発生がなく、メンテナンス性
を大幅に改善できる。
【0126】第4には、長期間にわたって使用した場合
でもオリフィスの目詰まり等が起きにくく、しかも低廃
液量化できるので環境に優しいハロゲン化銀写真感光材
料用自動現像機を提供できるなどの特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るハロゲン化銀写真感光材料用自
動現像機の一実施形態を示す要部の処理工程図である。
【図2】処理液供給手段の走査方式としてアレイ方式を
説明するための図である。
【図3】処理液供給手段と感光材料との関係を示す図で
ある。
【図4】オリフィスのパターン例を示す図である。
【図5】隣接する噴射ヘッドとの重なり関係を示す平面
図である。
【図6】図5のI−I線上断面図である。
【図7】変換素子である圧電素子とその駆動回路を示す
図である。
【図8】圧電素子の伸縮方向を示す図である。
【図9】駆動パルスの説明図である。
【図10】噴射ヘッド内の噴射チャネルを感光材料搬送
方向に対して傾けたときの実施形態を示す図6と同様な
部分的な平面図である。
【符号の説明】
1 処理液供給手段 10 処理液供給本体 20 噴射チャネル 22(22A〜22E) オリフィス 24 処理液 30 噴射チャンバー 32 変換素子(圧電素子) 38 バッファタンク 110,130 加熱手段 P 感光材料

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の処理工程からなるハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機において、 ハロゲン化銀写真感光材料用処理液を収容する複数の噴
    射チャンバー、及び該複数の噴射チャンバーに連通して
    設けられた複数のオリフィスから形成される集合体によ
    り噴射チャネルが形成され、さらに該噴射チャネルがハ
    ロゲン化銀感光材料の搬送方向に対して交叉する方向に
    複数個配列されて噴射ヘッドが形成されており、さらに
    該噴射ヘッドが複数個組み合わされてハロゲンk銀感光
    材料用処理液供給手段が形成されているものであり、 該ハロゲン化銀感光材料用処理液供給手段中の隣接する
    2個の噴射ヘッドのそれぞれの最も近接した端部の噴射
    チャネルを構成するオリフィス列同士の距離zが、下記
    の式(1)を満たすように設定されていることを特徴と
    するハロゲン化銀感光材料用自動現像機。 −0.1nd≦z≦1.5d ・・・(1) ここで、dは同一ヘッド内の隣接する噴射チャネル中の
    オリフィス列間の距離であり、nは同一ヘッド内の噴射
    チャネル数である。zは隣接する2個の噴射ヘッドのそ
    れぞれの複数の噴射チャネルからなる群がハロゲン化銀
    写真感光材料の搬送方向に交叉する方向に重なっている
    場合、負の値をとるものとする。
  2. 【請求項2】 前記処理液供給手段において、前記噴射
    チャンバーの容積を変化させる変換素子が圧電素子であ
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  3. 【請求項3】 前記処理液供給手段において、1秒間の
    処理液の供給量が0.01ml〜2.5mlの範囲に設
    定されたことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    写真感光材料用自動現像機。
  4. 【請求項4】 前記処理液供給手段において、隣接する
    噴射チャネル中のオリフィス列間の距離dが0.8mm
    〜0.05mmの範囲に設定されたことを特徴とする請
    求項1−3記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
    機。
  5. 【請求項5】 前記ハロゲン化銀写真感光材料を35℃
    以上100℃以下に加熱する加熱手段を有することを特
    徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自
    動現像機。
  6. 【請求項6】 前記供給手段における処理液供給量を、
    前記感光材料1m2当たり5ml〜100mlの範囲に
    設定されたことを特徴とする請求項1−4記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料用自動現像機。
  7. 【請求項7】 前記処理液の溶質濃度が0.2重量%以
    上であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀
    写真感光材料用自動現像機。
  8. 【請求項8】前記処理液が発色現像液であることを特徴
    とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動
    現像機。
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