JP2006239565A - 塗布方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェット塗布法を使用し、被塗布体上に薄膜を形成する塗布方法において、塗布装置の規模を大きくすることなく、且つ、被塗布体上に着弾した液滴間のレベリングに要する時間を短くし、塗膜の膜厚精度が向上した塗膜を得る塗布方法の提供。
【解決手段】 固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾し、前記支持手段の表面が前記塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下であることを特徴とする塗布方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は塗布液をノズル吐出口から液滴として吐出するインクジェットヘッド(以下、単にヘッドとも言う)を用いた塗布装置を使用し、被塗布体表面に塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法に関するものである。
従来、被塗布体表面に塗布液を塗設する塗布工程では様々な塗布方式が存在し、その塗布方式は大きく二つに大別されていることが知られている。一つは必要な塗布液膜を形成する量だけ塗布液を吐出させて被塗布体表面上に塗布液を塗設する前計量型塗布方式であり、代表的なものとしてエクストルージョン塗布方式、スライド塗布方式、カーテン塗布方式などが挙げられる。もう一つは予め必要な塗布膜形成量よりも余剰な塗布液を吐出させて、その後何らかの手段により余剰塗布液を掻き落とす後計量型塗布方式であり、代表的なものとしてロール塗布方式、エアーナイフ塗布方式、ワイヤーバー塗布方式などが挙げられる。
こうした従来の塗布方式において0.5〜3μmの薄膜化の困難さという問題点が存在する。特に前計量型塗布方式ではその塗布方式の特性や装置上の問題から薄膜化が困難の場合が多い。又、後計量型塗布方式では塗布液のロスや、塗布液の変質、一次膜形成後の被塗布体への浸透といった様々な問題点が存在する。特に、塗布液の粘度が10mPa・s以下の塗布液を薄膜塗布出来る塗布方式は未だ少ないのが現状である。
この様な低粘度の塗布液を薄膜塗布するための対応として、近年需要の増えている民生用の印刷機等に使用されているインクジェットヘッドを摘用したインクジェット塗布法による塗布液の薄膜形成方法が知られている。
インクジェット塗布法により形成される液状膜には、様々なものがある。その一つに、電気光学パネル(液晶表示装置や有機ELパネル)の製造に必要な、液晶やフォトレジスト膜やオーバーコート膜(平坦化膜)や配向膜のような基板全面に亘って一様に塗布されるいわゆるベタ膜や、カラーフィルタや有機EL材料(正孔注入材料、発光材料インクを含む)のような各画素内に層を形成するための膜が含まれる。又、インクジェット塗布法は、電気光学パネルの製造以外で必要なフォトレジスト膜などの液状膜など、工業用に広く適用可能であることが知られている。
インクジェット塗布法は、従来のエクストルージョン塗布方式、スライド塗布方式、カーテン塗布方式等のように被塗布体の幅に合わせた一つのコータを用い、被塗布体に対して同時に塗布が行われるのではなく、例えば、特開2004−313895に記載されている様に被塗布体の幅に合わせてヘッドを複数組み合わして使用することが記載されている。又、インクジェット塗布法の場合、インクジェットヘッドの複数のノズル吐出口から塗布液を液滴として吐出し、被塗布体上に液滴を着弾させることで塗膜を形成するため、被塗布体上に着弾した液滴同士が被塗布体上で結合、平滑となるよういわゆるレベリングを行う必要がある。レベリングが不完全な状態で膜面を形成した場合、膜厚にムラが生じる。このため、被塗布体の幅が広いほどヘッドの数も多くなることに伴い、被塗布体上に着弾した液滴の数も多くなるため、膜厚にムラの発生する危険も高くなる。
この様に、膜厚にムラがある場合、例えば、塗布対象が液晶のカラーフィルタである場合には表示ムラが生じたり、有機EL材料である場合には輝度ムラが生じたり、レジスト材料である場合には露光ムラが生じる等の不都合が生じる。
このため、インクジェット塗布法における塗膜面の膜厚ムラの防止方法がこれまでに検討されてきた。例えば、ヘッドにより被塗布体上に塗膜面を形成した後、ワイヤーバー、メイヤーバー、ブレード等により塗膜面を平滑化(レベリング)する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、被塗布体にうねりやツレの不均一がある場合、平滑化(レベリング)が難しく、塗膜の厚さを均一にすることが困難となり、又特別な平滑化(レベリング)機構を新たに付帯させるため装置規模が大きくなってしまう等の欠点を有している。
又、ヘッドの複数のノズル吐出口から吐出された基板(本発明の被塗布体に相当する)上のレベリングが完了するまで塗膜の流動性を維持し、各液滴間の乾燥差に伴う塗膜ムラを防止するため、基板に対して液滴を吐出するステップを規定した方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、塗膜形成の方法が限定されることや塗布液の物性によってはレベリングまでに長い時間を要してしまい装置規模が大きなものになってしまう欠点を有している。
この様な状況から、インクジェット塗布法を使用し、被塗布体上に薄膜を形成する塗布方法において、塗布装置の規模を大きくすることなく、且つ、被塗布体上に着弾した液滴間のレベリングに要する時間を短くし、塗膜の膜厚精度が向上した塗膜を得る塗布方法の開発がまれている。
特開2004−313895号公報 特開2004−298844号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、インクジェット塗布法を使用し、被塗布体上に薄膜を形成する塗布方法において、塗布装置の規模を大きくすることなく、且つ、被塗布体上に着弾した液滴間のレベリングに要する時間を短くし、塗膜の膜厚精度が向上した塗膜を得る塗布方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、
前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾し、
前記支持手段の表面が前記塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下であることを特徴とする塗布方法。
(請求項2)
固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、
前記塗布液の粘度が1〜10mPa・sで、前記インクジェットヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が前記被塗布体上に着弾するときの液滴速度が10〜20m/sであることを特徴とする塗布方法。
(請求項3)
請求項2に記載の塗布方法において、前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾し、前記支持手段の表面が前記塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下であることを特徴とする塗布方法。
(請求項4)
固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、
前記液滴が前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾した後、
前記塗膜面に1〜20秒間超音波を付与することを特徴とする塗布方法。
(請求項5)
請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布方法において、前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾した後、前記塗膜面に1〜20秒間超音波を付与することを特徴とする塗布方法。
(請求項6)
前記超音波は支持手段が有する超音波発生手段から塗膜面に付与されることを特徴とする請求項4又は5に記載の塗布方法。
(請求項7)
前記塗布装置は、液滴及び塗膜面からの溶媒の蒸発を防止する溶媒蒸発抑制手段を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布方法。
(請求項8)
前記溶媒蒸発抑制手段は、被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成するとき、該溶媒蒸発抑制手段の内部を塗布液に使用した溶媒の飽和蒸気で満たすことを特徴とする請求項7に記載の塗布方法。
(請求項9)
前記被塗布体がプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の塗布方法。
(請求項10)
前記支持手段がバックアップロールであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の塗布方法。
インクジェット塗布法を使用し、被塗布体上に薄膜を形成する塗布方法において、塗布装置の規模を大きくすることなく、且つ、被塗布体上に着弾した液滴間のレベリングに要する時間を短くし、塗膜の膜厚精度が向上した塗膜を得る塗布方法を提供することが出来、高品位で生産性の高い製品を作製することが可能となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図8を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成した被塗布体を製造する一例を示す模式図である。
図中、1aは製造装置を示す。製造装置1aは、塗布装置2と、塗布液供給部3と、被塗布体供給部4と、塗布部5aと、乾燥部6と、回収部7と、送液部8とを有している。
塗布装置2は、ヘッド201と、溶媒蒸発抑制手段のカバー202とを有している。201aはノズル吐出口201d1(図6を参照)を有するノズル板201d(図4を参照)の表面を示す。カバー202はヘッド201から噴霧される塗布液の液滴及び被塗布体上に着弾した液滴が形成する塗膜面からの溶媒の蒸発を抑えるため、ヘッド201の下部及び塗膜面上を覆う様に配設されている。詳細は、図4で説明する。
配置したヘッド201は単一のものでも、同じ種類のヘッドを複数個被塗布体の幅方向に並べたものでもかまわず、被塗布体の幅により適宜並べる数を変更することが可能である。又、複数列にして幅方向に並べてもかまわない。複数のヘッドの配置の具体例に関しては図8で説明する。
204はヘッド201の圧電性基盤を駆動させるための制御部を示す。制御部204はコネクタ(不図示)を介してヘッド201に接続されている。この制御部204により、塗布液吐出時の圧電性基盤の動作強度や周波数の選択等が行われる。
ヘッド201としては特に限定はなく、例えば発熱素子を有し、この発熱素子からの熱エネルギーにより塗布液の膜沸騰による急激な体積変化によりノズルから塗布液を吐出させるサーマルタイプのヘッドでもよいし、インク圧力室に圧電素子を備えた振動板を有しており、この振動板によるインク圧力室の圧力変化で塗布液を吐出させる剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドであってもよい。本発明ではヘッド201が剪断モード型(ピエゾ型)のヘッドの場合に付き説明する。
塗布液供給部3は、塗布液貯蔵タンク301と、塗布液貯蔵タンク301内の塗布液302をヘッド201に供給する配管303とを有している。配管303はヘッド201の塗布液供給管201e(図6を参照)に接合されおり、柔軟性の材料で出来ていることが好ましく、例えばフレキホース、ポリエチレン製ホース、ポリプロピレン製ホース等が挙げられる。尚、塗布液302は、絶対濾過精度又は準絶対濾過精度が0.4〜50μmの濾材を少なくとも1回は通過させることが好ましい。
被塗布体供給部4は、巻き芯401に巻かれたロール状被塗布体402と、ロール状被塗布体401を連続して搬送(図中の矢印方向)する繰り出し手段(不図示)とを有し、帯状の被塗布体403を繰り出す様になっている。
塗布部5aは、被塗布体供給部4から送られてくる帯状の被塗布体403上に、ヘッド201のノズル吐出口201d1(図6を参照)から射出された液滴203を安定に着弾させるために帯状の被塗布体403の平面性の保持と、超音波発生手段と、加熱手段とを有する支持手段のバックアップロール501aとを有している。203aは液滴203が被塗布体403上に着弾した着弾点を示す。
支持手段としては、平面性の保持と、超音波発生手段と、加熱手段とを有していれば特に限定することはなく、例えば、ベルト、プレートであってもよい。支持手段にベルト、プレートを使用する方法については図2、図3で説明する。404は被塗布体403上にヘッド201で塗布され形成した塗膜を示す。
乾燥部6は、塗布部5で被塗布体403上に塗布された塗膜404を乾燥する乾燥箱601を有している。乾燥箱601は加熱風の給気口602と、排気口603と搬送用ロール604とを有している。
回収部7は、乾燥部6で溶媒を除去することで形成された塗膜を有する被塗布体405を巻き芯701に巻き取り、ロール状被塗布体702とする巻き取り手段(不図示)を有している。
送液部8は、溶液801を貯蔵する貯蔵タンク802と、溶液801をヘッド201へ配管803を介して送液するポンプ(不図示)とを有している。配管803はヘッド201の接続手段(不図示)により接続されている。貯蔵タンク802に蓄えられた溶液は、用途により変更することが可能である。例えば、ヘッド201を洗浄する場合は洗浄液を、塗布前にヘッドに塗布液を充填する場合は塗布液を入れて使用することが可能である。送液装置よりヘッド201へポンプ(不図示)により強制的に送液することが出来るため、ヘッド201が詰まった場合の洗浄に有効である。又、塗布前にヘッド201に塗布液を充填するときも短時間で行えるので開始が容易になる。
図2はヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段に使用したベルトに支持され、連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成した被塗布体を製造する一例を示す模式図である。
図中、1bは製造装置を示す。5bは塗布部を示す。塗布部5bは、被塗布体供給部4から送られてくる帯状の被塗布体403上に、ヘッド201のノズル吐出口201d1(図4を参照)から射出された液滴203を安定に着弾させるために帯状の被塗布体403の平面性の保持と、超音波発生手段と、加熱手段とを有する支持手段のベルト501bとを有している。支持手段のベルトに関しては図6で説明する。他の符号は図1と同義である。
図3はヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段に使用したプレートに支持され、連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成した被塗布体を製造する一例を示す模式図である。
図中、1cは製造装置を示す。5cは塗布部を示す。塗布部5cは、被塗布体供給部4から送られてくる帯状の被塗布体403上に、ヘッド201のノズル吐出口201d1(図4を参照)から射出された液滴203を安定に着弾させるために帯状の被塗布体403の平面性の保持と、超音波発生手段と、加熱手段とを有する支持手段のプレート501cとを有している。支持手段のプレートに関しては図6で説明する。他の符号は図1と同義である。
図4は図1のGで示される部分の拡大概略図である。
図中、501a1はバックアップロール501aの表面を示し、501a2は軸芯を示す。表面501a1の温度は塗布液の液温度より10℃以上高く且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下である。表面501a1の温度が塗布液の液温度より10℃未満の場合は、被塗布体に着弾した液滴が平滑となるのが遅く、乾燥抑制手段を長くする必要があり装置が大きくなり、且つ生産性も上げられなくなるのため好ましくない。表面501a1の温度が塗布液の溶媒の沸点より高い場合は、塗膜上で溶媒が急激に気化することにより、膜面に乱れが生じてしまうため好ましくない。尚、塗布液の液温度とは、図1に示す塗布液貯蔵タンク301に貯蔵されている塗布液の温度を示す。
バックアップロール501aの表面の温度を規定の温度範囲にする方法としては、特に限定はなく、例えば、バックアップロール内に熱水、加熱した油、加熱気体を通す方法、バックアップロールの内側にヒータを取り付ける方法等が挙げられ、必要に応じて選択することが可能となっている。又、バックアップロール501aの表面の温度を規定の温度範囲に保持する方法としては、表面の温度を接触型、或いは非接触型の測定手段により測定し、測定した情報を、CPUとメモリーとを有する制御手段のCPUに入力し、予めメモリーに入力してある温度閾値と演算処理し、加熱手段の電源、バルブの開閉等を行う一般的な制御が挙げられる。
バックアップロール501aの表面の温度を規定の温度範囲に保持することにより次の効果が得られる。
1)被塗布体上に着弾した液滴の粘度を低くすることが可能となり、着弾した液滴間のレベリングを促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。
2)バックアップロールを加熱することで必要以上に製造装置を大きくすることなく、効率よく塗膜を加温することが可能となる。
溶媒蒸発抑制手段カバー202は、ヘッド201から噴霧される塗布液の液滴及び被塗布体上に着弾した液滴が形成する塗膜面からの溶媒の蒸発を抑えるため、ヘッド201の下部周囲を覆うカバー202aと塗膜面上を覆うカバー202bとを有している。
Rはカバー202aの端部と被塗布体403の表面との距離を示す。距離Rは、被塗布体の表面とカバー202aの端部との接触による被塗布体の表面の損傷、ヘッドから噴霧された塗布液の液滴の溶媒蒸発の抑制、ヘッド用カバー内の溶媒濃度の維持等を考慮し、0.1〜2mmが好ましく、更には0.1〜0.5mmがより好ましい。
又、カバー202aの代わりにヘッド201の下部に、被塗布体のインク塗布面側に接触して回転可能なロール(例えば、金属ロール、ゴムロール等)を設ける方式であってもよい。
Sは溶媒蒸発抑制手段のカバー202b2の内面と、被塗布体403上にヘッド201により塗布された塗膜面迄の距離を示す。距離Sは、塗膜面の物性、塗布部の大きさ、塗膜面の損傷、塗膜面カバー内の溶媒濃度等を考慮し、0.5〜5mmが好ましく、更には0.5〜2mmがより好ましい。
Tは溶媒蒸発抑制手段のカバー202bの下流側の側壁202b1の下端部と被塗布体403上にヘッド201により塗布された塗膜面迄の距離を示す。距離Tは、塗膜への接触、溶媒濃度の維持等を考慮し、0.5〜2mmが好ましく、更には0.5〜1mmがより好ましい。
Uは、着弾点203aからカバー202bの下流側の側壁202b1までの長さを示し、長さUは被塗布体にヘッド201のノズル吐出口201d1(図6を参照)から射出された液滴203が着弾した着弾点203aから、形成された塗膜面404を有する被塗布体403がカバー202bを出る迄の時間が、被塗布体に着弾した液滴の平滑性を考慮し、0.1〜5秒取れることが好ましい。
Vはカバー202bの出口202b2から、乾燥箱601の入り口605迄の距離を示す。距離Vは、塗膜面の安定性を考慮し、出口202b2から出た塗膜面404を有する被塗布体403が乾燥箱601の入り口605に入る迄の時間が0.5〜10秒取れることが好ましい。
溶媒蒸発抑制手段のカバー202b及びカバー202aを本図に示す様な位置に配設することで、カバー202b及びカバー202a内を飽和蒸気で満たすことが可能となり、着弾した複数の液滴で形成された塗膜面からの溶媒の蒸発を防止出来る。更に、カバー202b及びカバー202a内を塗布液に使用した溶媒の蒸気で飽和するために、塗布液に使用した溶媒蒸気を導入することで、カバー内が安定した飽和状態となり、塗膜面からの溶媒の蒸発を防止する効果が増加する。塗布液に使用した溶媒蒸気の導入は、塗布開始直前から行うことが好ましい。又、使用する塗布液の溶媒が有機溶媒の場合は、爆発の危険を回避するため不活性ガスを同時に供給することが好ましい。又、塗膜面を加熱するため、赤外線を始めとする電子線の照射、カバー内面にヒータを設け輻射熱による方法を併用することも可能である。
溶媒蒸発抑制手段のカバー202b及びカバー202aとを配設することで次の効果が得られる。
1)被塗布体上に着弾した液滴から溶媒の蒸発を防止し、液滴の粘度上昇に伴うレベリングの遅延を防止することで、着弾した液滴間のレベリングを促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。
2)液滴から溶媒の蒸発を防止することで、蒸発に伴う蒸発潜熱による液滴の温度低下を防止出来るため、熱効率の向上が可能となる。
501a3は、被塗布体403上に着弾した液滴のレべリングを行うため、バックアップロール501aの軸芯501a2の内側に配設された超音波発生手段を示す。超音波発生手段501a3は軸芯501a2の少なくともどちらか一端に配設することが好ましい。尚、超音波を塗膜に付与することで塗膜の温度は上昇し、塗膜から溶媒の蒸発を防止するため、カバー202b及びカバー202aとを配設することで更に着弾した液滴間のレベリングを促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。超音波発生手段はバックアップロールに超音波を与え、被塗布体を介して、被塗布体上の塗膜に超音波を付与することで被塗布体の状態によらず均一に超音波を塗膜に伝播させることが出来るため好ましい。又、超音波発生手段はバックアップロールの加熱手段と併用することは勿論可能であり、併用することで更に被塗布体に着弾した液滴のレベリングを促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。
支持手段であるバックアップロール上の被塗布体に超音波発生手段から超音波を付与するタイミングは、支持手段上の被塗布体上にインクジェットヘッドから射出された液滴が着弾した後、1〜20秒の間が好ましい。1秒未満の場合は、被塗布体上に着弾した液滴に対して十分なレベリング促進効果を与えることが出来ないため安定した塗膜が得られ難くなるため好ましくない。20秒を越えた場合は、20秒間で得られたレベリング促進効果以上の効果が得られないため、無駄なエネルギー消費となるため好ましくない。超音波の出力は、十分なレベリング促進効果を考慮し、25〜100kHzが好ましい。
本図に示す様に、超音波発生手段を配設することで次の効果が得られる。
1)被塗布体上に着弾した液滴の流動性を上げることが可能となり、着弾した液滴間のレべリング速度を促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。
2)バックアップロールの加熱手段と併用することで、更に着弾した液滴間のレべリング速度を促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。
図5は図2及び図3に示される塗布部の拡大概略図である。図5の(a)は図2のHで示される部分の拡大概略図である。図5の(b)は図3のIで示される部分の拡大概略図である。
図5の(a)に付いて説明する。図中、R1は溶媒蒸発抑制手段のカバー202aの下端部と被塗布体403の表面との距離を示す。距離R1は、図4で示す距離Rと同じである。S1は溶媒蒸発抑制手段のカバー202bの内面と、被塗布体403上にヘッド201により塗布された塗膜面迄の距離を示す。距離S1は、図4で示す距離Sと同じである。T1は202bの下端部と被塗布体403上にヘッド201により塗布された塗膜面迄の距離を示す。距離T1は、図4で示す距離Tと同じである。U1はカバー202bの長さを示す。長さU1は、図4で示す長さUと同じである。V1はカバー202bの出口202b2から、乾燥箱601の入り口605迄の距離を示す。距離V1は、図4で示す距離Vと同じである。
501b1はベルト501bの表面を示し、501b2はベルト501bの一方の保持ロールを示し、501b3はベルト501bの他方の保持ロールを示す。保持ロール501b2又は保持ロール501b3の何れか一方が駆動ロールとなっていることが好ましい。ベルト501bは2本の保持ロール501b2と保持ロール501b3との間に掛けられ、被塗布体403の搬送速度と同じ速度で回転可能となっている。
表面501b1の温度は塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下である。表面501b1の温度が塗布液の液温度より10℃未満の場合は、被塗布体に着弾した液滴が平滑となるのが遅く、乾燥抑制手段を長くする必要があり装置が大きくなり生産性も上げられなくなるのため好ましくない。表面501b1の温度が塗布液の溶媒の沸点より高い場合は、塗膜上で溶媒が急激に気化することにより、膜面に乱れが生じてしまうため好ましくない。尚、塗布液の液温度とは、図2に示す塗布液貯蔵タンク301に貯蔵されている塗布液の温度を示す。
ベルト501bを加熱する手段は特に限定はなく、例えば、保持ロール501b2又は保持ロール501b3の少なくとも一方を、加熱気体、ヒータ等による加熱方法、ベルトを赤外線ランプで直接加熱する方法等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。又、ベルトの温度制御は図4で示したバックアップロールの温度制御と同じ方法で行うことが可能である。
501b4は、被塗布体403上に着弾した液滴のレべリングを行うため、ベルト501b1の保持ロール501b2の軸芯501b21に配設された超音波発生手段を示す。超音波発生手段は、少なくとも保持ロール501b2の軸芯501b21又は保持ロール501b3のの軸芯501b31に配設することが好ましい。超音波発生手段501b4はベルトに超音波を与え、被塗布体を介して、被塗布体上の塗膜に超音波を付与することで被塗布体の状態によらず均一に超音波を塗膜に伝播させることが出来るため好ましい。又、超音波発生手段501b4はベルトの加熱手段と併用することは勿論可能であり、併用することで更に被塗布体に着弾した液滴のレベリングを促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。超音波発生手段501b4は、支持手段の架台(不図示)に取り付けることで配設することが可能である。支持手段上の被塗布体に超音波発生手段から超音波を付与するタイミング及び出力は、図4に示したバックアップロールの場合と同じである。他の符号は図1、図4と同義である。
本図に示す、加熱手段によるベルトの加熱、超音波発生手段による被塗布体上の液滴に対する超音波付与の効果は、図4に示したバックアップロールに対する加熱手段、超音波発生手段の効果と同じである。
図5の(b)に付いて説明する。図中、R2は溶媒蒸発抑制手段のカバー202aの下端部と被塗布体403の表面との距離を示す。距離R2は、図4で示す距離Rと同じである。S2は溶媒蒸発抑制手段のカバー202bの内面と、被塗布体403上にヘッド201により塗布された塗膜面迄の距離を示す。距離S2は、図4で示す距離Sと同じである。T2はカバー202bの側壁202b1の下端部と被塗布体403上にヘッド201により塗布された塗膜面迄の距離を示す。距離T2は、図4で示す距離Tと同じである。U2はカバー202bの長さを示す。長さU2は、図4で示す長さUと同じである。V2はカバー202bの出口202b2から、乾燥箱601の入り口605迄の距離を示す。距離V2は、図4で示す距離Vと同じである。
501c1はプレート501cの表面を示す。プレート501cとしては、金属又はプラスチック材料を使用することが可能であり、特に、テフロン(登録商標)が被塗布体403への傷付きを防止出来ることから好ましい。表面501c1の温度は塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下である。表面501c1の温度が塗布液の液温度より10℃未満の場合は、被塗布体に着弾した液滴が平滑となるのが遅く、乾燥抑制手段を長くする必要があり装置が大きくなり生産性も上げられなくなるのため好ましくない。表面501c1の温度が塗布液の溶媒の沸点より高い場合は、塗膜上で溶媒が急激に気化することにより、膜面に乱れが生じてしまうため好ましくない。尚、塗布液の液温度とは、図3に示す塗布液貯蔵タンク301に貯蔵されている塗布液の温度を示す。
プレート501cを加熱する手段は特に限定はなく、例えば、赤外線ランプ、ヒータ等による加熱方法等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。又、プレート501cの温度制御は図4で示したバックアップロールの温度制御と同じ方法で行うことが可能である。
501c2は、被塗布体403上に着弾した液滴のレべリングを行うため、プレートの下側に配設された超音波発生手段を示す。超音波発生手段501c2は被塗布体上の塗膜幅の全幅に超音波が付与出来るようにの配設する数を決める必要がある。超音波発生手段501c2はプレートに超音波を与え、被塗布体を介して、被塗布体上の塗膜に超音波を付与することで被塗布体の状態によらず均一に超音波を塗膜に伝播させることが出来るため好ましい。又、超音波発生手段501c2はプレートの加熱手段と併用することは勿論可能であり、併用することで更に被塗布体に着弾した液滴のレベリングを促進し、安定した平面性を有する塗膜面を得ることが可能となる。超音波発生手段501c2は、支持手段の架台(不図示)に取り付けることで配設することが可能である。支持手段上の被塗布体に超音波発生手段から超音波を付与するタイミング及び出力は、図4に示したバックアップロールの場合と同じである。他の符号は図1、図4と同義である。
本図に示す、加熱手段によるプレートの加熱、超音波発生手段による被塗布体上の液滴に対する超音波付与の効果は、図4に示したバックアップロールに対する加熱手段、超音波発生手段の効果と同じである。
図6は、一部破断面を有するヘッドの一例を示す概略斜視図である。本図は剪断モード型(ピエゾ型)インクジェットヘッドの場合を示している。
ヘッド201は、上層圧電性基盤201b1と下層圧電性基盤201b2とを接合して形成された圧電性基盤201bと、天板201cと、ノズル板201dとを有している。
圧電性基盤201bには、研削加工を施すことによりノズル板201d側が開口し、反対側が閉塞している互いに平行な所定の長さを有する複数のノズル201b3と、ノズル201b3の閉塞した側につながる平坦な面201b4と、ノズル(インク圧力室)201b3の両側に側壁201b5とを有している。複数のノズルは交互に塗布液圧力室用のノズルと空気圧力室用のノズルとして使用する場合もある。本図は塗布液圧力室用として使用した場合を示している。201c2は圧電性基盤201bの上面を覆う第1天板を示し、201c1は第1天板の上面を覆う第2天板を示す。
201eは塗布液供給部3(図1を参照)から送られてくる塗布液の塗布液供給管を示す。塗布液供給管201eより供給された塗布液はノズル吐出口201d1より吐出する様になっている。201c3は塗布液供給管201eから供給された塗布液の溜部を示し、各ノズル201b3に連通した各塗布液供給口201c4より各塗布液圧力室用のノズル201b3に供給される様になっている。各ノズル201b3は第1天板201c2とノズル板201dとにより覆われることで複数の密閉されたチャネル(塗布液圧力室)が形成される様になっている。
201d1は各側壁の剪断変形に伴い、塗布液圧力室の圧力変化で塗布液を液滴の状態で吐出させるノズル吐出口を示す。ノズル吐出口の間隔は、0.02〜0.3mmが好ましい。201fは送液部8(図1を参照)から送られてくる溶液の溶液供給管を示す。溶液供給管201fより供給された溶液は塗布液と同じ経路を経てノズル吐出口より吐出する様になっている。
第1天板及び第2天板の材料は特に限定されず、例えば有機材料からなってもよいが、アルミナ、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリコン、窒化シリコン、シリコンカーバイド、石英、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等が挙げられる。
ノズル板201dを構成する基材としては、金属や樹脂が使用される。例えばステンレス、ポリイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン等が好ましく採用出来る。特に好ましくはポリイミド樹脂で、Dupont社製:カプトンや宇部興産(株)製:ユーピレックス等が寸法安定性、耐インク性、耐熱性等に優れているので好ましい。
図7は、図5の概略平面図である。図7の(a)はヘッドと被塗布体との位置関係を示す図5の概略平面図である。図7の(b)は被塗布体に対するヘッドの配置角度を示す概略平面図である。
θは被塗布体403の面と、ヘッド201のノズル吐出口201d1(図4を参照)が配設されたノズル板201d(図4を参照)の表面201a(図4を参照)とが平行に一定の間隔を持って被塗布体上にヘッド201を配設したとき、ノズル板201d(図4を参照)に、被塗布体403の幅方向に配列されたノズル吐出口201a列の中心を結ぶ線と、被塗布体403の搬送方向(図中の矢印方向)とのなす角度を示す。角度θは、被塗布体の幅に対するヘッドの大きさ、配設するヘッドの数、塗膜面の安定性を考慮し、+45°〜−45°が好ましい。
θ1は被塗布体403の搬送方向(図中の矢印方向)に対して反時計回りの方向(被塗布体403の搬送方向と同じ方向)にヘッド201を配設(点線で示した枠)する角度を示す。本発明では被塗布体403の搬送方向(図中の矢印方向)に対して反時計回りの方向を−とする。本図では角度θ1が−45°の場合を示す。
θ2は被塗布体403の搬送方向(図中の矢印方向)に対して時計回りの方向(被塗布体403の搬送方向と逆方向)にヘッド201を配設(点線で示した枠)する角度を示す。本発明では被塗布体403の搬送方向(図中の矢印方向)に対して時計回りの方向を+とする。本図では角度θ2が+45°の場合を示す。その他の符号は図1と同義である。図7の(a)に示されるヘッド201は、被塗布物403の搬送方向(図中の矢印方向)に対して90°に配設した場合を示している。他の符号は図5と同義である。
本図に示される様に、ヘッド201の角度を変えて配設することで、ヘッド201のノズル吐出口から吐出する液滴が被塗布物上に着弾したとき、幅手方向の液滴の間隔が狭くなるため幅手方向の塗布密度を上げることが可能となり安定した膜厚の塗布が可能となった。又塗布密度を上げるため塗布液の濃度を上げる必要がなくなるため安定した液滴の吐出が可能となり安定した膜厚の塗布が可能となる。
図8は複数のヘッドの配列の一例を示す概略平面図である。図8の(a)は、ヘッドのノズル吐出口を有する面と被塗布体の塗膜面とが平行で一定間隔を保持し、且つ面の被塗布体の幅方向に配設されたノズル吐出口の中心を結ぶ線と被塗布体の搬送方向とのなす角度を90°に配置した場合の概略平面図である。図8の(b)は、ヘッドのノズル吐出口を有する面と被塗布体の塗膜面とが平行で一定間隔を保持し、且つ面の被塗布体の幅方向に配設されたノズル吐出口の中心を結ぶ線と該被塗布体の搬送方向とのなす角度を−45°に配置した場合の概略平面図である。
図8の(a)の場合に付き説明する。201−1〜201−5は配設されたヘッドを示す。ヘッド201−1〜201−5は、各ヘッド201−1〜201−5のノズル吐出口を有する面と被塗布体の塗膜面とが平行で一定間隔を保持し、且つ面の被塗布体の幅方向に配設されたノズル吐出口の中心を結ぶ線と該被塗布体の搬送方向とのなす角度を90°に配置されている。又、隣り合うヘッドの間に未塗布部をなくすために、各ヘッド201−1〜201−5の端部は互いに重なり合うように千鳥状に配設されている。この様に複数のヘッドを使用し、本図に示す様に配設することで被塗布体の幅に対する対応が容易となり、且つ、各ヘッド間で未塗布部分がなくなり安定した塗膜が得られる。
図8の(b)の場合に付き説明する。201−a〜201−hは配設されたヘッドを示す。ヘッド201−a〜201−gは、各ヘッド201−a〜201−hのノズル吐出口を有する面と被塗布体の塗膜面とが平行で一定間隔を保持し、且つ面の被塗布体の幅方向に配設されたノズル吐出口の中心を結ぶ線と該被塗布体の搬送方向とのなす角度を−45°に配置されている。又、隣り合うヘッドの間に未塗布部をなくすために、各ヘッド201−a〜201−hの後端部と先端部互いに重なり合うように配設されている。この様に複数のヘッドを使用し、本図に示す様に配設することで被塗布体の幅に対する対応が容易となり、且つ、各ヘッドのノズル吐出口から塗出された液滴の間隔が狭くなることで幅手方向の塗布密度を上げることが可能となり安定した膜厚の塗布が可能となる。
図8の(a)、図8の(b)で示されるヘッドの配設は必要に応じて適宜選択することが可能である。
図1〜図8に示される様なヘッドを使用した塗布では、ヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が被塗布体上に着弾し塗膜を形成するとき、塗膜が迅速に平滑となるためには着弾時点での表面凹凸が少なくすることが必要となる。ノズル吐出口から射出された液滴が支持体上へ到達すると液滴はその慣性力により自ら変形し平板上につぶれる。このつぶれは液滴の粘度を小さくし変形しやすくすることと液滴の被塗布体への衝突速度を上げることにより促進される。このため、本発明に係わる塗布液の粘度は1mPa・s〜10mPa・sであり、且つヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が支持体上へ着弾するときの液滴速度が10〜20m/secである。尚、粘度はB型粘度計を使用し、25℃で測定した値を示す。液滴速度は、オフラインで高速度カメラで撮影した映像より算出した値を示す。粘度が1mPa・s未満の場合は、ヘツドのノズル吐出口での液滴形成が均一に行うことが出来ないため好ましくない。粘度が10mPa・sを越える場合は、着弾時の液滴のつぶれが不十分でレベリングに多くの時間が必要となるため好ましくない。液滴速度が10m/sec未満の場合、着弾時の液滴のつぶれが不十分となり、レベリングに多くの時間が必要となるため好ましくない。液滴速度が20m/secを越える場合は、液滴の着弾位置が不正確となり、着弾時点での表面凹凸が大きくなりレベリングに多くの時間が必要となるため好ましくない。
本発明に係る被塗布物は種類に制限はなく、紙、プラスチックフィルム、金属シートなどを用いることが出来る。紙としては、例えばレジンコート紙、合成紙などが挙げられる。又、プラスチックフィルムとしては、ポリオレフィンフィルム(例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなど)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレン2,6−ナフタレートフィルムなど)、ポリアミドフィルム(例えば、ポリエーテルケトンフィルムなど)、セルロースアセテートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルムなど)などが挙げられる。又、金属シートではアルミニウム板が代表的である。又、用いる被塗布物の厚さ・幅についても、特に制限はない。
本発明に係る塗布液はとしては、高分子成分を0.5〜20質量%含んでいることが好ましい。高分子成分としては、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、天然ゴム等が挙げられる。
これらの高分子成分を含んだ塗布液としては特に制限はなく、例えば一般用及び産業用ハロゲン化銀感光材料用塗布液、感熱材料用塗布液、熱現像感光材料用塗布液、或いは高分子材料を有機溶媒、水などに溶解した液、顔料分散液、コロイド状分散液などを挙げることが出来る。
図1〜図8に示されるヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法により次の効果が挙げられる。
1)被塗布体を支持する支持手段に加熱手段、超音波発生手段、被塗布体上の塗膜からの溶媒の蒸発防止手段を設けることで、被塗布体上に着弾した液滴のレベリングが短時間に、且つ容易になり安定した膜厚を有する薄膜の高品位で生産性の高い製品の作製が可能となった。
2)被塗布体を支持する支持手段に加熱手段、超音波発生手段、被塗布体上の塗膜からの溶媒の蒸発防止手段を設けることで必要以上に塗布装置を大きくする必要がなくなった。
以下、実施例を挙げて本発明の具体的な効果を示すが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
実施例1
(被塗布体の準備)
被塗布体として厚さ75μm、幅600mm、長さ1000mのポリエチレンテレフタレートフィルムを準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し、粘度5.0mPa・sの塗布液を調製した。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを支持支持手段としてバックアップロールを使用した図1に示す塗布装置を使用し、表1に示す様にバックアップロールの温度を変えて塗布を行い試料を作製しNo.101〜107とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。ヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が被塗布体上に着弾するときの液滴速度は9m/sとした。被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の液温度は25℃とした。
評価
作製した各試料No.101〜107に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを以下に示す方法で測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。
塗布膜厚のバラツキ
大塚電子(株)製 光干渉膜厚計 FE−3000を用い、2mm間隔で20cm角の面内膜厚を測定し、最大膜厚と最小膜厚との差を平均膜厚で除した値Aを塗布膜厚のバラツキとした。
評価ランク
◎:0.01<A≦0.05
○:0.05<A≦0.1
×:0.1<A
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例2
(塗布装置の準備)
表2に示す条件の図4に示す様に溶媒蒸発抑制手段(ヘッドの下部周囲を覆うカバーと塗膜面上を覆うカバー)を使用した塗布装置を準備し2−1〜2−30とした。
Figure 2006239565
(塗布)
実施例の試料No.1−104を作製するとき、準備した塗布装置No.2−1〜2−30を使用した以外は全て同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.201〜230とした。
評価
作製した各試料No.201〜230に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 2006239565
実施例3
(被塗布体の準備)
実施例1と同じ被塗布体を準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し表4に示す様に粘度を変えた塗布液を調製しNo.3−1〜3−7とした。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。各粘度はポリビニルアルコールの量を変えることで調整した。
Figure 2006239565
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを図1に示す塗布装置を使用し、表5に示す様にヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が該被塗布体上に着弾するときの液滴速度を変えて塗布を行い試料を作製しNo.301〜311とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の温度は25℃とした。バックアップロールの温度は25℃とし、ポリエチレンテレフタレートフィルムを介して着弾し形成された塗膜に付与した。
評価
作製した各試料No.301〜311に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例3の試料303、309を作製するとき、以下に示す様に溶媒蒸発抑制手段(図4に示すヘッドの下部周囲を覆うカバーと塗膜面上を覆うカバー)を使用し、バックアップロールの温度を25℃とした他は全て同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.401、402とした。尚、溶媒蒸発抑制手段のヘッドの下部周囲を覆うカバーの端部と被塗布体の表面との距離Rを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの内面から塗膜面迄の距離Sを3mmとし、側壁の下端部と塗膜面迄の距離Tを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの出口から乾燥箱の入り口までの距離を2秒とした。
評価
作製した試料No.401、402に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例5
(被塗布体の準備)
実施例1と同じ被塗布体を準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し表7に示す様に粘度を変えた塗布液を調製しNo.5−1〜5−7とした。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。各粘度はポリビニルアルコールの量を変えることで調整した。
Figure 2006239565
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを図1に示す塗布装置を使用し、表8に示す様にヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が該被塗布体上に着弾するときの液滴速度と、バックアップロールの温度を変えて塗布を行い試料を作製しNo.501〜517とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の温度は25℃とした。
評価
作製した各試料No.501〜517に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例6
実施例5の試料503、509、513を作製するとき、以下に示す様に溶媒蒸発抑制手段(図4に示すヘッドの下部周囲を覆うカバーと塗膜面上を覆うカバー)を使用した他は全て同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.601〜603とした。尚、溶媒蒸発抑制手段のヘッドの下部周囲を覆うカバーの端部と被塗布体の表面との距離Rを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの内面から塗膜面迄の距離Sを3mmとし、側壁の下端部と塗膜面迄の距離Tを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの出口から乾燥箱の入り口までの距離を2秒とした。
評価
作製した試料No.601〜603に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表9に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例7
(被塗布体の準備)
実施例1と同じ被塗布体を準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し、粘度5.0mPa・sの塗布液を調製した。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを支持支持手段としてバックアップロールを使用した図1に示す塗布装置を使用し、表10に示す様にヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が被塗布体上に着弾した後に超音波をポリエチレンテレフタレートフィルムへ付与する時間を変えて塗布を行い試料を作製しNo.701〜707とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。バックアップロールの温度を25℃とした。ヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が該被塗布体上に着弾するときの液滴速度は9m/sとした。被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の液温度は25℃とした。
評価
作製した各試料No.701〜707に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例8
実施例7の試料703、705を作製するとき、以下に示す様に溶媒蒸発抑制手段(図4に示すヘッドの下部周囲を覆うカバーと塗膜面上を覆うカバー)を使用した他は全て同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.801、802とした。尚、溶媒蒸発抑制手段のヘッドの下部周囲を覆うカバーの端部と被塗布体の表面との距離Rを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの内面から塗膜面迄の距離Sを3mmとし、側壁の下端部と塗膜面迄の距離Tを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの出口から乾燥箱の入り口までの距離を2秒とした。
評価
作製した試料No.801、802に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表11に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例9
(被塗布体の準備)
実施例1と同じ被塗布体を準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し表12に示す様に粘度を変えた塗布液を調製しNo.9−1〜9−7とした。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。各粘度はポリビニルアルコールの量を変えることで調整した。
Figure 2006239565
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを図1に示す塗布装置を使用し、表13に示す様にヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が該被塗布体上に着弾するときの液滴速度と、液滴が着弾した後に超音波をポリエチレンテレフタレートフィルムへ付与する時間を表13に示す様に変えて試料を作製しNo.901〜918とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。バックアップロールの温度は25℃とし、被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の温度は25℃とした。
評価
作製した各試料No.901〜918に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表13に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例10
(被塗布体の準備)
実施例1と同じ被塗布体を準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し、粘度5.0mPa・sの塗布液を調製した。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを図1に示す塗布装置を使用し、表14に示す様に、液滴が着弾した後に超音波をポリエチレンテレフタレートフィルムへ付与する時間と、バックアップロールの温度を表13に示す様に変えて試料を作製しNo.1001〜1014とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。ヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が該被塗布体上に着弾するときの液滴速度を15m/sとし、被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の温度は25℃とした。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例11
(被塗布体の準備)
実施例1と同じ被塗布体を準備した。
(塗布液の調製)
純水とメタノールの70:30質量比の溶媒にポリビニルアルコールを溶解し表15に示す様に粘度を変えた塗布液を調製しNo.11−1〜11−7とした。尚、粘度はB型粘度計を使用し、温度25℃で測定した値を示す。各粘度はポリビニルアルコールの量を変えることで調整した。
Figure 2006239565
(塗布)
準備した被塗布体と、調製した塗布液とを図1に示す塗布装置を使用し、表16に示す様にヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が該被塗布体上に着弾するときの液滴速度と、バックアップロールの温度と、液滴が着弾した後に超音波をポリエチレンテレフタレートフィルムへ付与する時間を変えて塗布を行い試料を作製しNo.1101〜1124とした。尚、他の塗布条件は次の条件で行った。被塗布体であるポリエチレンテレフタレートフィルムの搬送速度は10m/minとした。ヘッドは図6に示す剪断モード型(ピエゾ型)を使用し、ノズル吐出口の径0.04mm、塗布液1滴当たりの平均吐出量50pl、ノズル間のピッチは0.07mm、ノズル数500のものを使用した。ヘッドは図8の(b)に示す千鳥状に550mm幅の塗膜が得られるように複数個を配置した。塗布液の温度は25℃とした。
評価
作製した各試料No.1101〜1124に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表16に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例12
実施例9の試料903、909、914を作製するとき、以下に示す様に溶媒蒸発抑制手段(図4に示すヘッドの下部周囲を覆うカバーと塗膜面上を覆うカバー)を使用し、バックアップロールの温度25℃とした他は全て同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.1201〜1203とした。尚、溶媒蒸発抑制手段のヘッドの下部周囲を覆うカバーの端部と被塗布体の表面との距離Rを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの内面から塗膜面迄の距離Sを3mmとし、側壁の下端部と塗膜面迄の距離Tを1mmとし、塗膜面上を覆うカバーの出口から乾燥箱の入り口までの距離を2秒とした。
評価
作製した試料No.1201〜1203に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表17に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
実施例13
実施例7の試料No.704を作製するとき、液滴が着弾した後にポリエチレンテレフタレートフィルムへ付与する超音波発生手段からの超音波の出力を表18に示す様に変えて塗布を行い試料を作製しNo.1301〜1307とした。
評価
作製した各試料No.1301〜1307に付き、幅手中央に対する端部の塗布膜厚のバラツキを実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表18に示す。
Figure 2006239565
本発明の有効性が確認された。
ヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成した被塗布体を製造する一例を示す模式図である。 ヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段に使用したベルトに支持され、連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成した被塗布体を製造する一例を示す模式図である。 ヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段に使用したプレートに支持され、連続的に搬送される被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成した被塗布体を製造する一例を示す模式図である。 図1のGで示される部分の拡大概略図である。 図2及び図3に示される塗布部の拡大概略図である。 一部破断面を有するヘッドの一例を示す概略斜視図である。 図5の概略平面図である。 複数のヘッドの配列の一例を示す概略平面図である。
符号の説明
1a〜1c 製造装置
2 塗布装置
201 ヘッド
202 カバー
3 塗布液供給部
4 被塗布体供給部
403 被塗布体
404 塗膜
5a〜5c 塗布部
501a バックアップロール
501a1、501b1、501c1 表面
501a3、501b4、501c2 超音波発生手段
501b ベルト
501b2、501b3 保持ロール
501c プレート
502 塗膜面カバー
6 乾燥部
7 回収部
8 送液部
θ、θ1、θ2 角度
R〜R2、S〜S2、T〜T2、V〜V2 距離
U〜U2 長さ

Claims (10)

  1. 固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、
    前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾し、
    前記支持手段の表面が前記塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下であることを特徴とする塗布方法。
  2. 固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、
    前記塗布液の粘度が1〜10mPa・sで、前記インクジェットヘッドのノズル吐出口から射出された液滴が前記被塗布体上に着弾するときの液滴速度が10〜20m/sであることを特徴とする塗布方法。
  3. 請求項2に記載の塗布方法において、前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾し、前記支持手段の表面が前記塗布液の液温度より10℃以上高く、且つ前記塗布液の溶媒の沸点以下であることを特徴とする塗布方法。
  4. 固形分を溶解又は分散した塗布液をノズル吐出口から液滴として射出するインクジェットヘッドを用いた塗布装置を使用し、支持手段により支持され連続的に搬送される被塗布体上に前記塗布液を塗布し塗膜面を形成する塗布方法において、
    前記液滴が前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾した後、
    前記塗膜面に1〜20秒間超音波を付与することを特徴とする塗布方法。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の塗布方法において、前記液滴は前記被塗布体の裏面が前記支持手段と接触している位置に着弾した後、前記塗膜面に1〜20秒間超音波を付与することを特徴とする塗布方法。
  6. 前記超音波は支持手段が有する超音波発生手段から塗膜面に付与されることを特徴とする請求項4又は5に記載の塗布方法。
  7. 前記塗布装置は、液滴及び塗膜面からの溶媒の蒸発を防止する溶媒蒸発抑制手段を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の塗布方法。
  8. 前記溶媒蒸発抑制手段は、被塗布体上に塗布液を塗布し塗膜面を形成するとき、該溶媒蒸発抑制手段の内部を塗布液に使用した溶媒の飽和蒸気で満たすことを特徴とする請求項7に記載の塗布方法。
  9. 前記被塗布体がプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の塗布方法。
  10. 前記支持手段がバックアップロールであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の塗布方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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