JP2000096042A - 有機エレクトロルミネツセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネツセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネツセンス素子材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネツセンス素子

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JP2000096042A
JP2000096042A JP10266595A JP26659598A JP2000096042A JP 2000096042 A JP2000096042 A JP 2000096042A JP 10266595 A JP10266595 A JP 10266595A JP 26659598 A JP26659598 A JP 26659598A JP 2000096042 A JP2000096042 A JP 2000096042A
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JP
Japan
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group
carbon atoms
compound
organic
atom
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JP10266595A
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English (en)
Inventor
Hisashi Okada
久 岡田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色純度が高く、高輝度、高効率の発光が可能で
あり、通常発光輝度の低い塗布方式でも良好な発光特性
が得られる有機エレクトロルミネッセンス素子材料を提
供する。 【解決手段】 一般式(I)で表される化合物であるこ
とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材
料。 【化1】 式中、Mは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子ま
たはセレン原子により構成される5または6員環を表
す。A- はO- 、S- またはN- R(Rは脂肪族炭化水
素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換して発光できる発光素子(有機エレクトロルミ
ネッセンス(EL)素子)用材料および発光素子に関
し、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写
真、照明光源、記録光源、読み取り光源、標識、看板、
インテリア等の分野に好適に使用できる発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日、種々の表示素子に関する研究開発
が活発であり、中でも有機EL素子は、低電圧で高輝度
の発光を得ることができるため、有望な表示素子として
注目されている。例えば、有機化合物の蒸着により有機
薄膜を形成するEL素子が知られている(アプライド
フィジックス レターズ、51巻、913頁、1987
年)。この文献に記載された有機EL素子はトリス(8
−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)
を電子輸送材料として用い、正孔輸送材料(アミン化合
物)と積層させることにより、従来の単層型素子に比べ
て発光特性を大幅に向上させている。
【0003】上記積層型EL素子の発光効率を更に改良
する手段として、蛍光色素をドープする方法が知られて
いる。例えば、ジャーナル オブ アプライド フィジ
ックス 65巻、3610頁、1989年に記載のクマ
リン色素をドープした有機EL素子はドープしない素子
に比べて発光効率が大幅に向上している。この場合、用
いる蛍光性化合物の種類を変えることにより所望の波長
の光を取り出すことが可能であるが、電子輸送材料とし
てAlqを用いた場合、高輝度を得るために駆動電圧を
高くすると、ドープした蛍光性化合物の発光の他にAl
qの緑色発光が観測されてくるため、青色や赤色発光さ
せる場合には色純度の低下が問題になり、色純度を低下
させないホスト材料の開発が望まれている。
【0004】また、これまで開発されてきた有機EL素
子は、素子構成、材料の改善等により、発光強度、耐久
性等が改良されてきているものの、様々な用途展開を考
えた場合、未だ十分な性能を有していない。例えば、A
lqなどの従来の金属錯体は、電界発光時に化学的に不
安定であり、また陰極との密着も悪く、素子劣化の問題
も解決されていない。さらにAlqの場合、オキシンを
配位子に用いた錯体であり、その素材安全性も懸念され
ており、安全性上問題のない有機EL素子用の電子輸送
材料の開発が求められている。その他のこれまで開発さ
れた電子輸送材料でも、駆動時の発熱等による有機層と
陰極界面の剥離が素子劣化の一因と考えられており、こ
れを抑制するために層界面の密着性を改良する材料開発
が望まれている。
【0005】一方、有機EL素子において高輝度発光を
実現しているものは有機物質を真空蒸着によって積層し
ている素子であるが、製造工程の簡略化、加工性、大面
積化等の観点から塗布方式による素子作製が望ましい。
しかしながら、従来の塗布方式で作製した素子では発光
輝度、発光効率の点で蒸着方式で作製した素子に劣って
おり、高輝度、高効率発光化が大きな課題となってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
特性が良好であり、また繰り返し使用時での安定性に優
れた有機EL素子用材料および有機EL素子の提供にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題は下記手段によ
って達成された。 (1)メソイオン構造を有する化合物であることを特徴
とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。 (2)下記一般式(I)で表される化合物であることを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Mは炭素原子、窒素原子、酸素原
子、硫黄原子またはセレン原子により構成される5また
は6員環を表す。A- はO- 、S- またはN- R(Rは
脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表
す。)を表す。) (3)下記一般式(II)で表される化合物であることを
特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
【0010】
【化4】
【0011】(式中、XはNまたはC−R2 を表す。Y
はO、S、NまたはN−R3 を表す。ZはN、N−R4
またはC−R5 を表す。R1 、R2 、R3 、R4 または
5は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、アリー
ル基、ヘテロ環基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホ
ニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、
アシル基、チオアシル基、カルバモイル基またはチオカ
ルバモイル基を表す。) (4)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数
の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子において、少なくとも一層が(1)ないし
(3)のエレクトロルミネッセンス素子材料を含有する
層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセン
ス素子。 (5)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数
の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子において、少なくとも一層が(1)ないし
(3)の有機エレクトロルミネッセンス素子材料をポリ
マー中に分散した層であることを特徴とする有機エレク
トロルミネッセンス素子。 (6)一対の電極間に発光層もしくは発光層を含む複数
の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロルミネッセ
ンス素子において、少なくとも一層が(1)ないし
(3)のエレクトロルミネッセンス素子材料を含有する
層であり、少なくとも一つの電極が銀および/または金
を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
ンス素子。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明のメソイオン化合物
について詳細に説明する。本発明で用いられるメソイオ
ン化合物は、W.BakerとW.D.Ollisがク
オータリー・レヴュー(Quart.Rev.)11
巻、15頁(1957年)、アドバンシイズ・イン・ヘ
テロサイクリック・ケミストリー(Advancesi
nHeterocyclicChemistry)19
巻、1頁(1976年)で定義している化合物群であ
り、「5または6員のヘテロ環状化合物で、一つの共有
構造式または極性構造式では満足に表示することができ
ず、また環を構成するすべての原子に関連したπ電子の
六遇子を有する化合物で、環は正電荷を帯び、環外電子
または原子団上の等しい負電荷とつい合いを保ってい
る」ものを表す。このメソイオン構造を有する化合物の
うち好ましくは下記一般式(I)で表される化合物であ
る。
【0013】
【化5】
【0014】式中、Mは炭素原子、窒素原子、酸素原
子、硫黄原子またはセレン原子により構成される5また
は6員環を表す。A- はO- 、S- またはN- R(Rは
脂肪族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表
す。)を表す。Mで表される環としては、例えばイミダ
ゾリウム類、ピラゾリウム類、オキサゾリウム類、チア
ゾリウム類、トリアゾリウム類、テトラゾリウム類、チ
アジアゾリウム類、オキサジアゾリウム類、チアトリア
ゾリウム類、オキサトリアゾリウム類などが挙げられ、
好ましくはトリアゾリウム類、チアジアゾリウム類、オ
キサジアゾリウム類であり、より好ましくはトリアゾリ
ウム類である。Mで表される環は可能な場合には置換基
を有してもよく、置換基としては例えばアルキル基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
2、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチ
ル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n
−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプ
ロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げら
れる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、
より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数
2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、
3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2
〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプ
ロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、ア
リール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは
炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であ
り、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルな
どが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜
20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは
炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジ
メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなど
が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1
〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましく
は炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブ
トキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ま
しくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜1
6、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェ
ニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられ
る。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好
ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜1
2であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピ
バロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例え
ばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げ
られる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは
炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に
好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキ
シカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2
〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば
アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ま
しくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10
であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなど
が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好
ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜1
6、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメト
キシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリール
オキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜2
0、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭
素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル
アミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタ
ンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが
挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数
0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好まし
くは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メ
チルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニ
ルスルファモイルなどが挙げられる。)、スルファモイ
ルアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましく
は炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばスルファモイルアミノ、3−メチルスルファ
モイルアミノなどが挙げられる。)、カルバモイル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば
カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモ
イル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、ア
ルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好まし
くは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12で
あり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられ
る。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、
より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数
6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられ
る。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、よ
り好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1
〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられ
る。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、
より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼン
スルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ま
しくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜1
6、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレ
イド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げら
れる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜2
0、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フ
ェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ
基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ
基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、ス
ルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好
ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12
であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原
子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジ
ル、キノリル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベン
ズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリ
ルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置
換基は更に置換されてもよい。また、置換基が二つ以上
ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場
合には連結して環を形成してもよい。
【0015】置換基として好ましくは、アルキル基、ア
ルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基で
あり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アラ
ルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、更に
好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、芳
香族アゾール基である。
【0016】A- はO- 、S- またはN- R(Rは脂肪
族炭化水素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)
を表す。Rで表される脂肪族炭化水素基は、直鎖、分岐
または環状であっても良く、好ましくは、アルキル基
(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1
〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメ
チル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、
n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げ
られる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜2
0、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭
素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニ
ル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル
基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数
2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えば
プロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)で
あり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基であ
り、更に好ましくはアルキル基である。
【0017】Rで表されるアリール基は単環または縮環
のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜30、より
好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜
12であり、例えばフェニル、4−メチルフェニル、4
−メトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニ
ル、ペンタフルオロフェニル、1−ナフチル、2−ナフ
チルなどが挙げられる。R1 で表されるヘテロ環基は、
単環または縮環のヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜2
0、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数
2〜10のヘテロ環基)であり、好ましくは窒素原子、
酸素原子、硫黄原子、セレン原子の少なくとも一つを含
む芳香族ヘテロ環基である。Rで表されるヘテロ環基の
具体例としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ピロ
ール、フラン、チオフェン、イミダゾリン、イミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、チアゾ
リジン、チアゾール、ベンズチアゾール、ナフトチアゾ
ール、イソチアゾール、オキサゾリン、オキサゾール、
ベンズオキサゾール、ナフトオキサゾール、イソオキサ
ゾール、セレナゾール、ベンズセレナゾール、ナフトセ
レナゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、イン
ドール、インドレニン、ピラゾール、ピラジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、トリアジン、インダゾール、プリ
ン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾ
リン、シンノリン、プテリジン、フェナントリジン、プ
テリジン、フェナントロリン、テトラザインデンなどが
挙げられ、好ましくはフラン、チオフェン、ピリジン、
キノリン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリア
ジン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナ
ゾリンであり、より好ましくはフラン、チオフェン、ピ
リジン、キノリンである。Rで表される脂肪族炭化水素
基、アリール基、ヘテロ環基は置換基を有してもよく、
置換基としては例えばMで表される環の置換基として挙
げたものが適用できる。Rとして好ましくは脂肪族炭化
水素基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、より好
ましくはアリール基、芳香族ヘテロ環基である。A-
して好ましくは、S- 、N- Rであり、より好ましくは
- である。
【0018】また、一般式(I)で表される化合物は、
塩(例えば酢酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、硝酸
塩、塩酸塩、臭素酸塩、沃素酸塩、ベンゼンスルホン酸
塩、ナフタレンスルホン酸塩など)を形成してもよい。
【0019】一般式(I)で表される化合物のうち、よ
り好ましくは一般式(II)で表される化合物である。
【0020】
【化6】
【0021】式中、XはNまたはC−R2 を表す。Yは
O、S、NまたはN−R3 を表す。ZはN、N−R4
たはC−R5 を表す。R1 、R2 、R3 、R4 またはR
5 は、それぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール
基、ヘテロ環基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニ
ルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、ア
シル基、チオアシル基、カルバモイル基またはチオカル
バモイル基を表す。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表
される脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基は、
一般式(I)におけるRで表される脂肪族炭化水素基、
アリール基、ヘテロ環基と同義であり、また好ましい範
囲も同様である。
【0022】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表される
アミノ基は、好ましくは炭素数0〜30、より好ましく
は炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジ
エチルアミノ、ジベンジルアミノ、フェニルアミノ、ナ
フチルアミノ、ピリジルアミノ、キノリルアミノ、チエ
ニルアミノ、フリルアミノなどが挙げられる。アミノ基
としてより好ましくはアリールアミノ基、芳香族ヘテロ
環アミノ基であり、更に好ましくはアリールアミノ基で
ある。
【0023】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表される
アシルアミノ基は、好ましくは炭素数2〜30、より好
ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜1
2であり、例えばアセチルアミノ、メトキシプロピオニ
ルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。R1
2 、R3 、R4 、R5 で表されるスルホニルアミノ基
は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数
1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミ
ノ、4−トリルスルホニルアミノなどが挙げられる。R
1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表されるスルファモイル
アミノ基は、好ましくは炭素数0〜30、より好ましく
は炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であ
り、例えばスルファモイルアミノ、3−メチルスルファ
モイルアミノ、3,3−ジエチルスルファモイルアミ
ノ、3−フェニルスルファモイルアミノなどが挙げられ
る。
【0024】R1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表される
ウレイド基は、好ましくは炭素数1〜30、より好まし
くは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12で
あり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレ
イド、1−ナフチルウレイド、ピリジルウレイド、キノ
リルウレイドなどが挙げられる。R1 、R2 、R3 、R
4 、R5 で表されるアシル基は、好ましくは炭素数1〜
30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは
炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、
ナフトイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。
1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表されるチオアシル基
は、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数
2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例え
ばチオアセチル、チオベンゾイルなどが挙げられる。R
1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表されるカルバモイル基
は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数
1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例え
ばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバ
モイル、フェニルカルバモイル、ナフチルカルバモイル
などが挙げられる。R1 、R2 、R3 、R4 、R5 で表
されるチオカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばチオカルバモイル、メチル
チオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、フェニ
ルチオカルバモイル、ナフチルチオカルバモイルなどが
挙げられる。また、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 は可
能な場合には連結して環を形成してもよい。
【0025】R1 として好ましくは脂肪族炭化水素基、
アリール基、ヘテロ環基であり、より好ましくは脂肪族
炭化水素基、アリール基、芳香族炭化水素基である。R
2 として好ましくは水素原子、脂肪族炭化水素基、アリ
ール基、ヘテロ環基、アシル基、チオアシル基、チオカ
ルバモイル基であり、より好ましくは水素原子、脂肪族
炭化水素基、アリール基、芳香族ヘテロ環基である。R
3 として好ましくは脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘ
テロ環基、アシル基、チオアシル基、チオカルバモイル
基であり、より好ましくは水素原子、脂肪族炭化水素
基、アリール基、芳香族ヘテロ環基である。R4 として
好ましくは脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基
であり、より好ましくは脂肪族炭化水素基、アリール
基、芳香族ヘテロ環基である。R5 として好ましくは水
素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ環基で
あり、より好ましくは水素原子、脂肪族炭化水素基、ア
リール基、芳香族ヘテロ環基である。
【0026】Xとして好ましくはNである。Yとして好
ましくはO、S、N−R3 であり、より好ましくはN−
3 である。Zとして好ましくはN、C−R5 であり、
より好ましくはC−R5 である。
【0027】一般式(I)で表される化合物のうち、更
に好ましくは一般式(III)で表される化合物である。
【0028】
【化7】
【0029】(式中、R1 、R3 、R5 は、それぞれ一
般式(II)におけるそれらと同義であり、また好ましい
範囲も同様である。)
【0030】本発明のメソイオン化合物は低分子量化合
物であっても良いし、残基がポリマー主鎖に接続された
高分子量化合物(好ましくは重量平均分子量1000〜
5000000、特に好ましくは5000〜20000
00、さらに好ましくは10000〜1000000)
もしくは、本発明の化合物を主鎖にもつ高分子量化合物
(好ましくは重量平均分子量1000〜500000
0、特に好ましくは5000〜2000000、更に好
ましくは10000〜1000000)であってもよ
い。高分子量化合物の場合は、ホモポリマーであっても
良いし、他のモノマーとの共重合体であっても良い。
【0031】以下に本発明の化合物の具体例を挙げるが
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】
【化15】
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】本発明の化合物は種々の合成法により合成
することができ、例えばジャーナル・オブ・ヘテロサイ
クリック・ケミストリー(J.Heterocycli
cChem.)2巻、105頁(1965年)、同5
巻、277頁(1968年)、ジャーナル・オブ・オー
ガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)3
2巻、2245頁(1967年)、同30巻、567頁
(1965年)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ケミス
トリー(J.Chem.Soc.)3799頁(196
9年)、同899頁(1935年)、同2865頁(1
959年)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)80
巻、1895頁(1958年)、ケミカル・コミュニケ
ーション(Chem.Commun.)1222頁(1
971年)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrah
edronLett.)2939頁(1972年)、同
5881頁(1968年)、同1809頁(1967
年)、同1578頁(1971年)、ベリヒテ・デア・
ドイツチエン・ヘミッシェン・ゲゼルシャフト(Ber
ihitederDeutschenChemisch
enGesellschaft)38巻、4049頁
(1905年)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイ
アティ・ケミカル・コミュニケーション(J.Che
m.Soc.Chem.Commun.)1224頁
(1971年)、アドバンシイズ・イン・ヘテロサイク
リック・ケミストリー(AdvancesinHete
rocyclicChemistry)19巻、1頁
(1976年)、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイ
アティ・パーキン・トランザクションI(J.Che
m.Soc.,PerkinTrans.I)627頁
(1974年)、特開昭60−87322号、同60−
122936号、同60−117240号等に記載の方
法を参考に合成できる。
【0043】本発明の発光素子は陽極、陰極の一対の電
極間に発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物薄
膜を形成した素子であり、発光層のほか正孔注入層、正
孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、保護層などを有し
てもよく、またこれらの各層はそれぞれ他の機能を備え
たものであってもよい。各層の形成にはそれぞれ種々の
材料を用いることができる。
【0044】陽極は正孔注入層、正孔輸送層、発光層な
どに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化
物、電気伝導性化合物、またはこれらの混合物などを用
いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材
料である。具体例としては酸化スズ、酸化亜鉛、酸化イ
ンジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金
属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金
属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物
または積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物
質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなど
の有機導電性材料、およびこれらとITOとの積層物な
どが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、
特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好
ましい。陽極の膜厚は材料により適宜選択可能である
が、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、よ
り好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは
100nm〜500nmである。
【0045】陽極は通常、ソーダライムガラス、無アル
カリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが
用いられる。ガラスを用いる場合、その材質について
は、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アル
カリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライ
ムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施
したものを使用することが好ましい。基板の厚みは、機
械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガ
ラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましく
は0.7mm以上のものを用いる。陽極の作製には材料
によって種々の方法が用いられるが、例えばITOの場
合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着
法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウム
スズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。陽極は
洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、
発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場
合、UV−オゾン処理などが効果的である。
【0046】陰極は電子注入層、電子輸送層、発光層な
どに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送
層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン
化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。陰極の
材料としては金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合
物、またはこれらの混合物を用いることができ、具体例
としてはアルカリ金属(例えばLi、Na、K等)また
はそのフッ化物、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca
等)またはそのフッ化物、金、銀、鉛、アルミニウム、
ナトリウム−カリウム合金またはそれらの混合金属、リ
チウム−アルミニウム合金またはそれらの混合金属、マ
グネシウム−銀合金またはそれらの混合金属、インジウ
ム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ま
しくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好まし
くはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金または
それらの混合金属、マグネシウム−銀合金、マグネシウ
ム−金合金またはそれらの混合金属等である。また、有
機層界面と陰極との界面剥離防止の観点から、マグネシ
ウム−銀合金、マグネシウム−金合金が更に好ましく、
マグネシウム−銀合金が特に好ましい。この界面剥離防
止効果は本発明のメンイオン化合物を有機層内に含有
し、陰極にマグネシウム−銀合金、マグネシウム−金合
金を用いることで顕著に現れる。陰極の膜厚は材料によ
り適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲
のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmで
あり、更に好ましくは100nm〜1μmである。陰極
の作製には電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱
蒸着法、コーティング法などの方法が用いられ、金属を
単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着するこ
ともできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金
電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整
した合金を蒸着させてもよい。陽極及び陰極のシート抵
抗は低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
【0047】発光層の材料は、電界印加時に陽極または
正孔注入層、正孔輸送層から正孔を注入することができ
ると共に陰極または電子注入層、電子輸送層から電子を
注入することができる機能や、注入された電荷を移動さ
せる機能、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させ
る機能を有する層を形成することができるものであれば
何でもよい。好ましくは発光層に本発明の化合物を含有
するものであるが、本発明の化合物の他の発光材料を用
いることもできる。例えばベンゾオキサゾール誘導体、
ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、
スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェ
ニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導
体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、ペリレン
誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ア
ルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエ
ン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリ
ドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリ
ジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミ
ン誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノ
ール誘導体の金属錯体や希土類錯体に代表される各種金
属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェ
ニレンビニレン等のポリマー化合物等が挙げられる。発
光層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常1n
m〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5
nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500
nmである。発光層の形成方法は、特に限定されるもの
ではないが、抵抗加熱蒸着、電子ビーム、スパッタリン
グ、分子積層法、コーティング法(スピンコート法、キ
ャスト法、ディップコート法など)、LB法などの方法
が用いられ、好ましくは抵抗加熱蒸着、コーティング法
である。
【0048】正孔注入層、正孔輸送層の材料は、陽極か
ら正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から
注入された電子を障壁する機能のいずれかを有している
ものであればよい。その具体例としては、カルバゾール
誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オ
キサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリ
ールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘
導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導
体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン
誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチ
ルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化
合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系
化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、
ポリ(N−ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系共
重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導
電性高分子オリゴマー等が挙げられる。正孔注入層、正
孔輸送層の膜厚は特に限定されるものではないが、通常
1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましく
は5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜5
00nmである。正孔注入層、正孔輸送層は上述した材
料の1種または2種以上からなる単層構造であってもよ
いし、同一組成または異種組成の複数層からなる多層構
造であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層の形成方法
としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送剤を
溶媒に溶解または分散させてコーティングする方法(ス
ピンコート法、キャスト法、ディップコート法など)が
用いられる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶
解または分散することができ、樹脂成分としては例え
ば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオ
キシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹
脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂など
が挙げられる。
【0049】電子注入層、電子輸送層の材料は、陰極か
ら電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から
注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているも
のであればよい。その具体例としては、トリアゾール誘
導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、
フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ア
ントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピラン
ジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニ
リデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフ
タレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フ
タロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯
体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベン
ゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種
金属錯体等が挙げられる。電子注入層、電子輸送層の膜
厚は特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μ
mの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1
μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmであ
る。電子注入層、電子輸送層は上述した材料の1種また
は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組
成または異種組成の複数層からなる多層構造であっても
よい。電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真
空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送剤を溶媒に溶解ま
たは分散させてコーティングする方法(スピンコート
法、キャスト法、ディップコート法など)などが用いら
れる。コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解また
は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔
注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
【0050】保護層の材料としては水分や酸素等の素子
劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能
を有しているものであればよい。その具体例としては、
In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、N
i等の金属、MgO、SiO、SiO2 、Al2 3
GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2 3 、Y2
3 、TiO2 等の金属酸化物、MgF2 、LiF、Al
3 、CaF2 等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、
ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレ
ン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロ
エチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少な
くとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重
合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有
する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、
吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。保護
層の形成方法についても特に限定はなく、例えば真空蒸
着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、M
BE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム
法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波
励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レ
ーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コ
ーティング法を適用できる。
【0051】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。 実施例1 25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上にIT
Oを150nmの厚さで製膜したものを透明支持基板と
した。この透明支持基板をエッチング、洗浄後、ポリ
(N−ビニルカルバゾール)40mg、1,1,4,4
−テトラフェニルブタジエン0.5mg、表1記載の化
合物12mgを1,2−ジクロロエタン3mlに溶解
し、洗浄したITO基板上にスピンコートした。生成し
た有機薄膜の膜厚は、約110nmであった。有機薄膜
上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5m
mとなるマスク)を設置し、蒸着装置内でマグネシウ
ム:銀=10:1を50nm共蒸着した後、銀150n
mを蒸着した。東陽テクニカ製ソースメジャーユニット
2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加し発
光させ、その輝度をトプコン社の輝度計BM−8、発光
波長を浜松ホトニクス社製スペクトルアナライザーPM
A−11を用いて測定した。また、40℃、湿度30%
で20時間保管後のダークスポット発生の有無を目視で
観察した。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【化18】
【0054】表1の結果から明らかなように、本発明の
化合物を用いた素子では、比較化合物に比べ、通常発光
輝度が低い塗布方式においても低電圧駆動、高輝度発光
が可能であることが判る。また、比較化合物1(PB
D)を用いた素子ではダークスポットの発生が顕著に見
られるのに対し、本発明の素子では良好な面状発光を示
した。更に、比較化合物2(Alq)を用いた素子で
は、Alqの発光が主に観測され、青色純度が低下し、
青色発光用のホスト材料としては有効に機能しないのに
対し、本発明の化合物を用いた素子では青色純度が高
く、良好な青色発光用ホスト材料として機能することが
判る。
【0055】実施例2 実施例1と同様にITO基板をエッチング、洗浄後、銅
フタロシアニン5nm、TPD(N,N−ビス(3−メ
チルフェニル)−N,N−ジフェニルベンジジン)40
nm、クマリン6および表2記載の化合物をそれぞれ蒸
着速度0.04Å/秒、4Å/秒で膜厚60nmとなる
ように共蒸着した。次いで実施例1と同様に陰極を蒸着
した。実施例1と同様な評価を行った結果を表2に示
す。
【0056】
【表2】
【0057】
【化19】
【0058】表2の結果から明らかなように、本発明の
化合物を用いた素子では、蒸着方式でも比較化合物に比
べ、高輝度発光が可能であり、また素子の耐久性も良好
であることが判る。
【0059】実施例3 実施例1と同様にエッチング、洗浄したITOガラス基
板上に、ポリ(N−ビニルカルバゾール)40mg、本
発明例示化合物7を12mg、1,1,4,4−テトラ
フェニルブタジエン10mg、DCM0.5mgおよび
ナイルレッド0.1mgを1,2−ジクロロエタン3m
lに溶解した溶液をスピンコートした。次いで実施例1
と同様に陰極を蒸着した。この素子にITO電極を陽
極、Mg:Ag電極を陰極として直流電圧を印加して発
光特性を調べたところ、15VでCIE色度図上(x、
y)=(0.35、0.36)の白色発光(輝度184
0cd/m2)が得られ、白色発光に有効であることが
わかった。
【0060】
【化20】
【0061】
【発明の効果】本発明により、色純度が高く、高輝度、
高効率の発光が可能であり、通常発光輝度の低い塗布方
式でも良好な発光特性が得られ、製造コスト面等で有利
な素子作製が可能となる。また、従来の化合物に対して
耐久性面でも良好な素子作製が可能となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月24日(1998.11.
24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明のメソイオン化合物
について詳細に説明する。本発明で用いられるメソイオ
ン化合物は、W.BakerとW.D.Ollisがク
オータリー・レヴュー(Quart.Rev.)11
巻、15頁(1957年)、アドバンシイズ・イン・ヘ
テロサイクリック・ケミストリー(Advancesi
nHeterocyclicChemistry)19
巻、1頁(1976年)で定義している化合物群であ
り、「5または6員のヘテロ環状化合物で、一つの共有
結合構造式または極性構造式では満足に表示することが
できず、また環を構成するすべての原子に関連したπ電
子の六遇子を有する化合物で、環は正電荷を帯び、環外
電子または原子団上の等しい負電荷とつ合いを保って
いる」ものを表す。このメソイオン構造を有する化合物
のうち好ましくは下記一般式(I)で表される化合物で
ある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】
【化19】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソイオン構造を有する化合物であるこ
    とを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材
    料。
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表される化合物であ
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
    材料。 【化1】 (式中、Mは炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子
    またはセレン原子により構成される5または6員環を表
    す。A- はO- 、S- またはN- R(Rは脂肪族炭化水
    素基、アリール基またはヘテロ環基を表す。)を表
    す。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(II)で表される化合物であ
    ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子
    材料。 【化2】 (式中、XはNまたはC−R2 を表す。YはO、S、N
    またはN−R3 を表す。ZはN、N−R4 またはC−R
    5 を表す。R1 、R2 、R3 、R4 またはR5は、それ
    ぞれ水素原子、脂肪族炭化水素基、アリール基、ヘテロ
    環基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ
    基、スルファモイルアミノ基、ウレイド基、アシル基、
    チオアシル基、カルバモイル基またはチオカルバモイル
    基を表す。)
  4. 【請求項4】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を
    含む複数の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1
    ないし3のエレクトロルミネッセンス素子材料を含有す
    る層であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセ
    ンス素子。
  5. 【請求項5】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を
    含む複数の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1
    ないし3の有機エレクトロルミネッセンス素子材料をポ
    リマー中に分散した層であることを特徴とする有機エレ
    クトロルミネッセンス素子。
  6. 【請求項6】 一対の電極間に発光層もしくは発光層を
    含む複数の有機化合物薄膜を形成した有機エレクトロル
    ミネッセンス素子において、少なくとも一層が請求項1
    ないし3のエレクトロルミネッセンス素子材料を含有す
    る層であり、少なくとも一つの電極が銀および/または
    金を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッ
    センス素子。
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