JP2000096019A - 粘着剤組成物及び粘着剤製品 - Google Patents

粘着剤組成物及び粘着剤製品

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JP2000096019A
JP2000096019A JP11199540A JP19954099A JP2000096019A JP 2000096019 A JP2000096019 A JP 2000096019A JP 11199540 A JP11199540 A JP 11199540A JP 19954099 A JP19954099 A JP 19954099A JP 2000096019 A JP2000096019 A JP 2000096019A
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Japan
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isobutylene
group
monomer
sensitive adhesive
pressure
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JP11199540A
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English (en)
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Shinji Ozawa
伸二 小澤
Toshinobu Nakada
年信 中田
Tomoki Hiiro
知樹 日色
Taizo Aoyama
泰三 青山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流動性、耐熱性、耐候性及び広い温度範囲で
の接着性が良好な粘着剤組成物及び粘着剤製品を提供す
る。 【解決手段】 官能基を有するイソブチレン系ブロック
共重合体を含有してなる粘着剤組成物であって、上記官
能基を有するイソブチレン系ブロック共重合体の主鎖
は、イソブチレンを主成分とする単量体成分からなる重
合体ブロック及びイソブチレンを主成分としない単量体
成分からなる重合体ブロックから形成されるものである
粘着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能基を有するイ
ソブチレン系ブロック共重合体を含有してなる粘着剤組
成物及び粘着剤製品に関する。更に詳しくは、流動性、
耐熱性、耐候性及び広い温度範囲での接着性が良好な粘
着剤組成物、並びに、該粘着剤組成物を基材に塗布して
得られる粘着剤製品に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着剤組成物及び粘着剤製品は、包装
用、表面保護用等の産業用途や医療用途、事務用途等の
広汎な用途に使用される。このような粘着剤組成物及び
粘着剤製品としては、近年、公害防止、作業環境改善、
火災防止、コストダウン、省資源等の観点から、天然ゴ
ム、合成ゴム又はその他の重合体を有機溶剤に溶解した
溶剤型の粘着剤及び接着剤に代わって、ホットメルト型
又は水性エマルジョン型の粘着剤及び接着剤が普及して
きている。ホットメルト型の粘着剤及び接着剤のベース
ポリマーとしては、芳香族ビニル重合体ブロック及び共
役ジエン重合体ブロックから形成されるブロック共重合
体(例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体等)が知られている。しかしながら、これらの共
重合体は、分子中に共役ジエンに由来する二重結合を有
しているため、紫外線や熱による劣化が著しいという欠
点を有している。
【0003】上記熱及び紫外線に対する安定性を改善す
るために、二重結合部分を水添したスチレン−エチレン
/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エ
チレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体等が検
討されている。しかし、安定性の改善はある程度見られ
るものの流動性が悪く、接着性が充分ではない。
【0004】また、特開平4−145184号公報に
は、熱や紫外線に対する安定性を改善するために、芳香
族ビニル重合体ブロック−イソブチレン重合体ブロック
−芳香族ビニル重合体ブロックからなるトリブロック共
重合体を使用した粘着剤組成物が開示されている。しか
しこの場合も、耐熱安定性や耐候性は改善されるものの
接着性が充分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑みて、流動性、耐熱性、耐候性及び広い温度範囲で
の接着性が良好な粘着剤組成物並びに粘着剤製品を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、官能
基を有するイソブチレン系ブロック共重合体(A)を含
有してなる粘着剤組成物であって、上記官能基を有する
イソブチレン系ブロック共重合体(A)の主鎖は、イソ
ブチレンを主成分とする単量体成分からなる重合体ブロ
ック及びイソブチレンを主成分としない単量体成分から
なる重合体ブロックから形成されるものである粘着剤組
成物である。また、本発明は、上記粘着剤組成物を基材
に塗布して得られる粘着剤製品でもある。以下に、本発
明を詳述する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の粘着剤組成物は、官能基
を有するイソブチレン系ブロック共重合体であって、イ
ソブチレンを主成分とする単量体成分からなる重合体ブ
ロック及びイソブチレンを主成分としない単量体成分か
らなる重合体ブロックから形成されるイソブチレン系ブ
ロック共重合体を含有してなるものである。以下、この
ブロック共重合体を「官能基含有イソブチレン系ブロッ
ク共重合体(A)」という。
【0008】上記官能基含有イソブチレン系ブロック共
重合体(A)における官能基の結合部位は特に限定され
るものではないが、以下に示す部位に官能基を有してい
ることが好ましい。 1)イソブチレン系ブロック共重合体の少なくとも1つ
の主鎖末端 2)イソブチレン系ブロック共重合体の末端以外の主鎖 3)イソブチレン系ブロック共重合体の主鎖に結合した
グラフト鎖
【0009】上記イソブチレン系ブロック共重合体の少
なくとも1つの主鎖末端に官能基を有している状態と
は、イソブチレン系ブロック共重合体の主鎖末端に位置
するモノマー単位に、直接又は一原子若しくは複数の原
子からなる原子団を介して、官能基が結合している状態
を指す。なお、上記イソブチレン系ブロック共重合体に
おいて、イソブチレンを主成分としない単量体成分から
なる重合体ブロックが芳香族ビニル系単量体を主成分と
する単量体成分からなる重合体ブロックである場合に
は、主鎖末端に位置する芳香族ビニルモノマー単位の芳
香環に、直接又は一原子若しくは複数の原子からなる原
子団を介して、官能基が結合している状態をも含む。
【0010】上記イソブチレン系ブロック共重合体の末
端以外の主鎖に官能基を有している状態とは、官能基を
有するモノマー単位が、イソブチレン系ブロック共重合
体を構成するモノマー単位と共重合している状態を指
す。
【0011】上記イソブチレン系ブロック共重合体の主
鎖に結合したグラフト鎖に官能基を有している状態と
は、官能基を有するモノマー単位、又は、官能基を有す
るモノマー単位及び他のビニル系モノマー単位が、イソ
ブチレン系ブロック共重合体の主鎖にグラフト共重合し
ている状態を指す。
【0012】上記官能基含有イソブチレン系ブロック共
重合体(A)における官能基としては特に限定されず、
例えば、エポキシ基、水酸基、アミノ基、アルキルアミ
ノ基、アルコキシル基等のエーテル基、カルボキシル
基、アルコキシカルボニル基、アシロキシル基等のエス
テル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、ア
シルアミノ基等のアミド基、無水マレイン酸等の酸無水
物基、シリル基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。
イソブチレン系ブロック共重合体は、これらの官能基の
1種類のみを有していてもよいし、2種類以上を有して
いてもよい。これらの中でも、接着性の点から、エポキ
シ基、アミノ基、アルキルアミノ基、エーテル基、エス
テル基、アミド基、シリル基、アリル基、及び、ビニル
基が好ましく、接着性と粘着物性のバランスからエポキ
シ基がより好ましい。
【0013】上記官能基がエポキシ基である場合には、
上記官能基含有イソブチレン系ブロック共重合体(A)
におけるエポキシ基の含有量は、エポキシ基の結合部位
によっても異なるが、イソブチレン系ブロック共重合体
1分子あたり0.5〜50個であるのが好ましく、より
好ましくは1〜30個である。0.5個よりも少ない場
合にはエポキシ基を含有することによる効果が小さく、
50個よりも多い場合には粘着物性、流動性、安定性等
のバランスが悪くなる。
【0014】上記官能基含有イソブチレン系ブロック共
重合体(A)の主鎖としては、イソブチレンを主成分と
する単量体成分からなる重合体ブロック及びイソブチレ
ンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロック
から形成されているものであれば特に限定されず、例え
ば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共
重合体、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、
マルチブロック共重合体等のいずれの形状のものをも用
いることができる。好ましいものとしては、物性バラン
スの点から、イソブチレンを主成分としない単量体成分
からなる重合体ブロック−イソブチレンを主成分とする
単量体成分からなる重合体ブロック−イソブチレンを主
成分としない単量体成分からなる重合体ブロックから形
成されるトリブロック共重合体、イソブチレンを主成分
とする単量体成分からなる重合体ブロック−イソブチレ
ンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロック
−イソブチレンを主成分とする単量体成分からなる重合
体ブロックから形成されるトリブロック共重合体、イソ
ブチレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブ
ロック−イソブチレンを主成分とする単量体成分からな
る重合体ブロックから形成されるジブロック共重合体等
が挙げられる。上記官能基含有イソブチレン系ブロック
共重合体(A)においては、これらの1種のみを用いて
もよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】上記イソブチレンを主成分とする単量体成
分は、イソブチレン以外の単量体を含有していてもよく
含有していなくてもよい。イソブチレン以外の単量体を
含有する場合には、イソブチレンは50%以上含有さ
れ、通常、イソブチレンを60重量%以上含有する単量
体成分であることが好ましい。より好ましくは、80重
量%以上である。
【0016】上記イソブチレン以外の単量体としては、
カチオン重合可能な単量体であれば特に限定されず、例
えば、脂肪族オレフィン系単量体、芳香族ビニル系単量
体、ジエン系単量体、ビニルエーテル系単量体、シラン
系単量体、ビニルカルバゾール、β−ピネン、アセナフ
チレン等の単量体等が例示できる。これらは単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】上記脂肪族オレフィン系単量体としては特
に限定されず、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノ
ルボルネン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。
【0018】上記芳香族ビニル系単量体としては特に限
定されず、例えば、スチレン、o−、m−又はp−メチ
ルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレ
ン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−
m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレ
ン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m
−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、
2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6
−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルス
チレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−
メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp
−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4
−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレ
ン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p
−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、
β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−ク
ロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−
クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,
4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロ
スチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o
−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又は
p−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチ
ルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレ
ン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、
ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0019】上記ジエン系単量体としては特に限定され
ず、例えば、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、
シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペ
ンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネ
ン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種
以上を混合して用いてもよい。
【0020】上記ビニルエーテル系単量体としては特に
限定されず、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビ
ニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテ
ル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニ
ルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペ
ニルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いても
よく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】上記シラン系単量体としては特に限定され
ず、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジ
クロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジ
メチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビ
ニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビ
ニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラ
ン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】上記イソブチレンを主成分としない単量体
成分とは、イソブチレンの含有量が30重量%以下であ
る単量体成分のことをいう。好ましくは、10重量%以
下である。より好ましくは、3重量%以下である。上記
イソブチレンを主成分としない単量体成分中の、イソブ
チレン以外の単量体としては、カチオン重合可能な単量
体であれば特に限定されず、上述したものと同様のもの
が挙げられる。
【0023】上記イソブチレンを主成分としない単量体
成分は、物性及び重合特性等のバランスから、上記芳香
族ビニル系単量体を単量体主成分としてなるものである
ことが好ましい。この場合、上記単量体成分における芳
香族ビニル系単量体の含有量は60重量%以上であり、
好ましくは80重量%以上である。上記芳香族ビニル系
単量体として好ましいものは、スチレン、α−メチルス
チレン、p−メチルスチレン又はインデンである。これ
らは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
コストの面から、スチレン、α−メチルスチレン又はこ
れらの混合物を用いることがより好ましい。
【0024】上記イソブチレンを主成分とする単量体成
分からなる重合体ブロックと、上記イソブチレンを主成
分としない単量体成分からなる重合体ブロックとの割合
としては特に限定されず、物性と加工性のバランスか
ら、上記イソブチレンを主成分とする単量体成分からな
る重合体ブロックが98〜40重量%で、上記イソブチ
レンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロッ
クが2〜60重量%であることが好ましい。より好まし
くは、上記イソブチレンを主成分とする単量体成分から
なる重合体ブロックが95〜50重量%で、上記イソブ
チレンを主成分としない単量体成分からなる重合体ブロ
ックが5〜50重量%である。
【0025】上記官能基含有イソブチレン系ブロック共
重合体(A)の数平均分子量としては特に限定されず、
流動性、加工性、物性等の面から、3000〜5000
00であることが好ましい。数平均分子量が上記範囲よ
りも低い場合には、軟化剤等のブリードアウトが起こる
傾向にあり粘着剤としての物性が十分に発現されず、一
方、上記範囲を超える場合には、流動性、加工性の面で
不利である。より好ましくは、5000〜300000
である。
【0026】上記官能基含有イソブチレン系ブロック共
重合体(A)の製造方法としては特に限定されず、公知
の方法を用いて製造することができる。例えば、イソブ
チレン系ブロック共重合体を製造した後に官能基を導入
する方法や、官能基を有する単量体を、イソブチレン系
ブロック共重合体を構成する単量体成分と共重合させる
方法等が挙げられる。
【0027】具体的に述べると、主鎖末端にエポキシ基
を有するイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法と
しては、例えば、主鎖末端に二重結合を有するイソブチ
レン系ブロック共重合体を、過酢酸、m−クロロ過安息
香酸等の過酸、過酸化物等でエポキシ化する方法;主鎖
末端にフェノール基を有するイソブチレン系ブロック共
重合体にエピクロロヒドリンを反応させてエポキシ基を
導入する方法;クロロ末端のイソブチレン系ブロック共
重合体と水酸基を有するエポキシ化合物とを反応させて
エポキシ基を導入する方法等が挙げられる。
【0028】また、末端以外の主鎖にエポキシ基を有す
るイソブチレン系ブロック共重合体の製造方法として
は、例えば、ブタジエン、イソプレン等のジエン類又は
ジビニルベンゼン等を、イソブチレン系ブロック共重合
体を構成する単量体成分に添加して共重合を行い、末端
以外の主鎖に二重結合を有するイソブチレン系ブロック
共重合体を得た後、上記二重結合を過酢酸、m−クロロ
過安息香酸等の過酸、過酸化物等でエポキシ化する方法
等が挙げられる。
【0029】更に、グラフト鎖にエポキシ基を有するイ
ソブチレン系ブロック共重合体の製造方法としては、例
えば、ラジカル重合開始剤の存在下で、溶液又は溶融状
態のイソブチレン系ブロック共重合体に、不飽和エポキ
シ単量体、又は、不飽和エポキシ単量体及び他のビニル
系単量体を反応させてグラフト鎖を形成させる方法;イ
ソブチレン系ブロック共重合体を水性懸濁液中に分散さ
せ、ラジカル重合開始剤及び上記単量体類をイソブチレ
ン系ブロック共重合体に含浸させた後、重合を行いグラ
フト鎖を形成させる方法等が挙げられる。
【0030】上記グラフト共重合による製造方法におい
て用いられる不飽和エポキシ単量体としては特に限定さ
れず、例えば、不飽和グリシジルエステル類、不飽和グ
リシジルエーテル類等が挙げられる。具体的には、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタ
コン酸のモノ及びジグリシジルエステル、ブテントリカ
ルボン酸のモノ、ジ及びトリグリシジルエステル、シト
ラコン酸のモノ及びジグリシジルエステル、エンド−シ
ス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3
−ジカルボン酸のモノ及びジグリシジルエステル、エン
ド−シス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−
2−メチル−2,3−ジカルボン酸のモノ及びジグリシ
ジルエステル、アリルコハク酸のモノ及びジグリシジル
エステル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエステ
ル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエー
テル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン
−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、
3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3
−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテ
ン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、
5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサ
ンモノオキシド、N−[4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,5−ジメチルベンジル]アクリルアミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、共重
合性、粘着物性、コスト等の点から、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート、N−[4−(2,
3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジ
ル]アクリルアミド、アリルグリシジルエーテル及びビ
ニルグリシジルエーテルが好ましく使用される。
【0031】上記不飽和エポキシ単量体と共重合してグ
ラフト鎖を形成することができる他のビニル系単量体と
しては、上記不飽和エポキシ単量体と共重合するもので
あれば特に限定されず、例えば、芳香族ビニル系単量
体、アルキル基の炭素数が1〜22であるアクリル酸ア
ルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜22である
メタクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が
1〜22であるビニルアルキルエーテル、ビニルアルコ
ール、不飽和ニトリル化合物、不飽和アミノ化合物、ア
ルキル基の炭素数が1〜9であるマレイン酸ジアルキル
エステル、アルキル基の炭素数が1〜8であるアリルア
ルキルエーテル、ジエン化合物、無水マレイン酸、マレ
イン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、上記不
飽和エポキシ単量体との共重合性、コスト等の点から、
スチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸ブチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸アリル、酢酸ビニル及
びアクリロニトリルが好ましく使用される。
【0032】上記グラフト鎖を形成させる重合反応にお
いて用いられるラジカル重合開始剤としては、例えば、
有機過酸化物類、アゾ系化合物等が好ましく使用され
る。これらラジカル重合開始剤は、使用する単量体の種
類、グラフト重合条件、及び、得られるグラフト共重合
体の分子量、粘度等に応じて、所望の種類及び量を適宜
選ぶことができる。
【0033】上記官能基含有イソブチレン系ブロック共
重合体(A)を製造するための重合方法としては特に限
定されず、例えば、下記一般式(1)で表される化合物
の存在下で、イソブチレンを主成分とする単量体成分及
びイソブチレンを主成分としない単量体成分を共重合さ
せる方法等が挙げられる。 (CR12 X)n3 (1) 式中、Xは、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ
ル基及び炭素数1〜6のアシロキシル基からなる群より
選択される置換基を表す。R1 及びR2 は、それぞれ、
水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。
1 及びR2 は、同一であっても異なっていてもよい。
また、複数存在するR1 及びR2 は、それぞれ、同一で
あっても異なっていてもよい。R3 は、n個の置換基
(CR12X)を有することができる多価の芳香族炭
化水素基又は多価の脂肪族炭化水素基を表す。nは、1
〜6の自然数を表す。
【0034】上記ハロゲン原子としては、例えば、塩
素、フッ素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。上記炭素数
1〜6のアルコキシル基としては特に限定されず、例え
ば、メトキシ基、エトキシ基、n−又はイソプロポキシ
基等が挙げられる。上記炭素数1〜6のアシロキシ基と
しては特に限定されず、例えば、アセチルオキシ基、プ
ロピオニルオキシ基等が挙げられる。上記炭素数1〜6
の炭化水素基としては特に限定されず、例えば、メチル
基、エチル基、n−又はイソプロピル基等が挙げられ
る。
【0035】上記一般式(1)で表わされる化合物は重
合開始剤となるもので、ルイス酸等の存在下で炭素陽イ
オンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられ
る。本発明で用いられる一般式(1)の化合物の例とし
ては、次のような化合物等が挙げられる。(1−クロル
−1−メチルエチル)ベンゼン[C65 C(CH3
2 Cl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチ
ル)ベンゼン[1,4−Cl(CH 32 CC64
(CH32 Cl]、1,3−ビス(1−クロル−1−
メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CH 32
64 C(CH32 Cl]、1,3,5−トリス
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,
5−(ClC(CH32363 ]、及び、1,
3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(t
ert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CH32
Cl)2 −5−(C(CH33 )C63
【0036】なかでもより好ましいものは、1−クロル
−1−メチルエチルベンゼン[C6 5 C(CH32
Cl]、ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼ
ン[C 64 (C(CH32 Cl)2 ]、及び、トリ
ス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(Cl
C(CH32363 ]である。[なお、1−ク
ロル−1−メチルエチルベンゼンは、α−クロロイソプ
ロピルベンゼン、2−クロロ−2−プロピルベンゼン又
はクミルクロライドとも呼ばれる。ビス(1−クロル−
1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソ
プロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピ
ル)ベンゼン又はジクミルクロライドとも呼ばれる。ト
リス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ト
リス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2
−クロロ−2−プロピル)ベンゼン又はトリクミルクロ
ライドとも呼ばれる。]
【0037】上記重合反応においては、更にルイス酸触
媒を共存させることができる。このようなルイス酸触媒
としてはカチオン重合に使用できるものであれば特に限
定されず、例えば、TiCl4 、TiBr4 、BCl
3 、BF3 、BF3 ・OEt2 、SnCl4 、SbCl
5 、SbF5 、WCl6 、TaCl5 、VCl5 、Fe
Cl3 、ZnBr2 、AlCl3 、AlBr3 等の金属
ハロゲン化物;Et2 AlCl、EtAlCl2 等の有
機金属ハロゲン化物等が挙げられる。なかでも、触媒と
しての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、Ti
Cl4 、BCl3 、SnCl4 が好ましい。上記ルイス
酸触媒の使用量としては特に限定されず、使用する単量
体の重合特性、重合濃度等を鑑みて設定することができ
る。
【0038】上記重合反応においては、更に必要に応じ
て電子供与体成分を共存させることもできる。上記電子
供与体成分は、カチオン重合に際して、成長末端の炭素
カチオンを安定化させる効果があるものと考えられてお
り、分子量分布の狭くかつ構造が制御された重合体を得
ることができる。上記電子供与体成分としては特に限定
されず、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、ス
ルホキシド類、エステル類、金属原子に結合した酸素原
子を有する金属化合物等が挙げられる。
【0039】上記重合反応は必要に応じて有機溶媒中で
行うことができる。上記有機溶媒としてはカチオン重合
を本質的に阻害しなければ特に限定されない。具体的に
は、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化
エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n
−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベ
ンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式
脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブ
タン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−
トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキ
サン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製し
たパラフィン油等を挙げることができる。
【0040】上記有機溶媒は、上記官能基含有イソブチ
レン系ブロック共重合体(A)を構成する単量体の重合
特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮し
て、単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用い
てもよい。上記有機溶媒の使用量は、得られる重合体溶
液の粘度や除熱の容易さを考慮して、得られる重合体の
濃度が1〜50重量%となるように設定する。より好ま
しくは、3〜35重量%である。
【0041】実際の重合反応を行うにあたっては、冷却
下、例えば、−100℃以上0℃未満の温度で各成分を
混合する。エネルギーコストと重合反応の安定性から、
より好ましい温度範囲は、−80℃〜−30℃である。
【0042】本発明の粘着剤組成物には、上記官能基含
有イソブチレン系ブロック共重合体(A)のほかに、粘
着付与剤(B)及び軟化剤(C)を更に配合することが
できる。
【0043】上記粘着付与剤(B)は、粘着剤組成物及
び粘着剤製品のタック、粘着力及び保持力をバランス良
く調整するために添加する。上記粘着付与剤としては特
に限定されず、例えば、ロジン、ガムロジン、トール油
ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン等のロジン系樹
脂;テルペンフェノール樹脂;α−ピネン、β−ピネ
ン、リモネン等を主体とするテルペン樹脂;芳香族炭化
水素変性テルペン樹脂;脂肪族系、脂環族系、芳香族系
の石油樹脂;クマロン・インデン樹脂;スチレン系樹
脂;アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂等のフェノール系樹脂;キシレン樹脂等を例示するこ
とができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。これらの粘着付与剤
は、所望のタック、粘着力及び保持力が得られるように
適宜選択することができる。
【0044】上記粘着付与剤(B)の配合量は、官能基
含有イソブチレン系ブロック共重合体(A)100重量
部に対して20〜500重量部である。上記範囲を外れ
ると、バランスのとれた物性を有する粘着剤組成物を得
ることは難しい。好ましくは、30〜300重量部であ
る。
【0045】本発明の粘着剤組成物に配合される上記軟
化剤(C)としては特に限定されないが、通常、室温で
液体又は液状のものが好適に用いられる。また、親水性
及び疎水性のいずれの軟化剤も用いられる。このような
軟化剤としては、鉱物油系、植物油系、合成系等の各種
ゴム用又は樹脂用軟化剤が挙げられる。上記鉱物油系の
軟化剤としては、例えば、ナフテン系、パラフィン系、
芳香族系等のプロセスオイル等が挙げられる。上記植物
油系の軟化剤としては、例えば、ひまし油、綿実油、あ
まみ油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生
油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が挙げられ
る。上記合成系の軟化剤としては、例えば、ポリブテ
ン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリα−オレフ
ィン等の低分子量液状ポリマーが挙げられる。また、フ
タル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジブ
チル等の二塩基酸ジアルキルエステル等も用いられる。
以上の軟化剤のなかでも、他成分との相溶性や粘着物性
バランスの点から、パラフィン系プロセスオイル及びポ
リブテンが好ましく用いられる。これら軟化剤は、所望
の粘度及び物性を得るために、2種以上を適宜組み合わ
せて用いることもできる。
【0046】上記軟化剤(C)の配合量は、上記官能基
含有イソブチレン系ブロック共重合体(A)100重量
部に対して、0〜200重量部である。上記成分(C)
は、上記成分(B)とともに本発明の粘着剤組成物に配
合されてもよく、また、上記成分(B)のみであって、
上記成分(C)は配合しなくてもよい。上記範囲を外れ
ると、バランスのとれた物性を有する粘着剤組成物を得
ることは難しい。好ましくは0〜150重量部である。
【0047】また、本発明の粘着剤組成物には、粘着剤
のタック、粘着力及び保持力のバランスを調整する等の
目的で、イソブチレンを主成分とする単量体成分からな
る重合体ブロック及びイソブチレンを主成分としない単
量体成分からなる重合体ブロックから形成されるイソブ
チレン系ブロック共重合体であって上述の官能基を有し
ないものを更に配合することもできる。この官能基を有
しないイソブチレン系ブロック共重合体の配合量として
は、本発明の目的を本質的に妨げない範囲であれば特に
限定されず、通常、上記官能基含有イソブチレン系ブロ
ック共重合体(A)100重量部に対して、0〜100
重量部であり、好ましくは0〜50重量部である。
【0048】更に、本発明の粘着剤組成物には、充填材
を配合することもできる。上記充填材としては特に限定
されず、好適なものとしては、例えば、クレー、珪藻
土、シリカ、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、金属酸化物、マイカ、グラファイ
ト、水酸化アルミニウム等の麟片状無機充填材;各種の
金属粉、木片、ガラス粉、セラミックス粉、カーボンブ
ラック、粒状若しくは粉末ポリマー等の粒状又は粉末状
固体充填材;その他の各種の天然若しくは人工の短繊維
又は長繊維等が例示できる。その他にも、中空フィラ
ー、例えば、ガラスバルーン、シリカバルーン等の無機
中空フィラー;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニ
リデン共重合体からなる有機中空フィラーも挙げられ
る。
【0049】上記充填材の配合量は、本発明の粘着剤組
成物を構成する成分(A)〜(C)の合計量100重量
部に対して、0〜200重量部である。200重量部を
超えると、得られる粘着剤組成物の物性が低下する。好
ましくは0〜100重量部である。
【0050】更にまた、本発明の粘着剤組成物には、必
要に応じて、酸化防止剤及び紫外線吸収剤のうち少なく
とも1種を配合することができる。その配合量は、成分
(A)〜(C)の合計量100重量部に対して、0.0
00001〜20重量部であり、好ましくは0.000
01〜10重量部である。
【0051】更に他の添加剤として、難燃剤、抗菌剤、
光安定剤、着色剤、流動性改良剤、滑剤、ブロッキング
防止剤、帯電防止剤、架橋剤、架橋助剤等を添加するこ
とができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の粘着剤
組成物の性能を損なわない範囲であれば、各種物性を改
良する目的で、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィ
ン等の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、SEBSやSEP
S等のスチレン系エラストマー、ポリエステル系エラス
トマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エ
ラストマー等の熱可塑性エラストマー等を更に配合して
もよい。
【0052】本発明の粘着剤組成物の製造方法としては
特に限定されず、公知の方法を適用することができる。
例えば、ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、
ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いた機械的混合法;
攪拌機を備えた溶融釜又は一軸若しくは二軸の押出機を
用いて加熱混合することを特徴とするホットメルト法;
適当な溶剤に各成分を投入し、これを攪拌することによ
って粘着剤組成物の均一な溶液を得ることを特徴とする
溶剤法等が挙げられる。
【0053】本発明の粘着剤組成物は、通常、容易に溶
融して流動性になるので、それをフィルム状、シート
状、テープ状又はその他の形状を有する基材に塗布する
ことにより、粘着フィルム、粘着シート、粘着テープ等
の種々の粘着剤製品を得ることができる。上記基材とし
ては特に限定されず、例えば、紙、セロハン、有機重合
体フィルム、シート、布、金属箔等が挙げられる。ま
た、場合によっては、本発明の粘着剤組成物を溶剤に溶
かして溶液状にした後、上記基材に塗布することにより
粘着剤製品を製造してもよい。
【0054】このようにして得られる本発明の粘着剤製
品は、例えば、包装用、事務補修用、塗装用、電気用、
結束固定用、表面保護用、両面接着用、防水用、防湿
用、防音用、防塵用、防振用、医療用、ラベル用等の各
種用途に用いることができる。
【0055】また、本発明の粘着剤組成物は、基材に塗
布することなく、熱で溶融させるか又は適当な溶剤に溶
解させる等の方法で流動化させることによって、接着剤
又はシーラントとして使用することもできる。
【0056】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定さ
れるものではなく、その要旨を変更しない範囲において
適宜変更実施可能である。本実施例に示す分子量は、以
下に示すGPC分析装置及び方法で測定した。 システム:Waters社製510型GPCシステム。 移動相:クロロホルム(流量1mL/分)。 数平均分子量等はポリスチレン換算で表記した。
【0057】また、粘着特性、耐熱性及び耐候性は以下
に示す方法により評価した。 (1)粘着特性 JIS Z0237に従い、得られた粘着テープの、粘
着力(180度引きはがし法)、保持力、傾斜式ボール
タックを測定した。 (2)耐熱性 粘着テープを150℃に設定したオーブン中で24時間
処理した後、各サンプルの粘着力を測定し、処理前の粘
着力と比較し、保持率を算出した。 (3)耐候性 粘着テープをサンシャインウエザオメータで400時間
処理した後、各サンプルの粘着力を測定し、処理前の粘
着力と比較し、保持率を算出した。
【0058】参考例1 エポキシ基含有イソブチレン系
ブロック共重合体の製造 500mLのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置
換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラ
ーシーブスで乾燥したもの)120mL及び塩化メチレ
ン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)80mL、
及び、p−ジクミルクロライド(以下p−DCCと略
す)0.0876g(0.38mmol)を加えた。重
合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中に
つけて冷却した後、α−ピコリン0.071g(0.7
6mmol)を加えた。次に、イソブチレンモノマー3
3.9mL(419.9mmol)が入っている三方コ
ック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン製の送液チュ
ーブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒
素圧により送液した。更に四塩化チタン1.50mL
(13.7mmol)を加えて重合を開始した。重合開
始から1時間後、あらかじめ−70℃に冷却しておいた
スチレンモノマー12.15g(116.7mmo
l)、n−ヘキサン12mL及び塩化メチレン8mLの
混合溶液を重合容器内に添加した。該混合溶液を添加し
てから10分後に、アリルトリメチルシラン0.095
g(0.83mmol)を添加した。2時間後、約10
mLのメタノールを加えて反応を終了させた。
【0059】反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエ
ンに溶解し2回水洗を行った。更にトルエン溶液を多量
のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合
体を60℃で24時間真空乾燥することにより、アリル
基末端のイソブチレン系ブロック共重合体を得た。該ブ
ロック共重合体を塩化メチレンに溶解し、室温で小過剰
のm−クロロ過安息香酸と反応させた。1時間後、ポリ
マー溶液を2回水洗し、大量のメタノールに加えて沈殿
させた。得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥す
ることにより末端にエポキシ基を含有するイソブチレン
系ブロック共重合体(以下、ESIBSと略す)を得
た。得られたエポキシ基含有イソブチレン系ブロック共
重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mn
が119000、分子量分布Mw/Mnが1.25であ
った。
【0060】参考例2 エポキシ基を含有しないイソブ
チレン系ブロック共重合体の製造 アリルトリメチルシランの添加及びm−クロロ過安息香
酸との反応を行わない以外は製造例1と同様の操作によ
り、エポキシ基を含有しないイソブチレン系ブロック共
重合体(以下、SIBSと略す)を得た。得られたイソ
ブチレン系ブロック共重合体のGPC分析を行ったとこ
ろ、数平均分子量Mnが104000、分子量分布Mw
/Mnが1.20であった。
【0061】実施例1、比較例1〜3 参考例1で製造したエポキシ基含有イソブチレン系ブロ
ック共重合体(ESIBS)(実施例1)、参考例2で
製造したイソブチレン系ブロック共重合体(SIBS)
(比較例1)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(以下、SBSと略す。数平均分子量117
000)(比較例2)、及び、スチレン−エチレン/ブ
チレン−スチレンブロック共重合体(以下、SEBSと
略す。数平均分子量107000)(比較例3)につい
て、それぞれ、230℃におけるキャピラリー溶融粘度
を測定した。測定装置は東洋精機社製キャピラリーレオ
メーターであり、キャピラリー径は1mmとした。剪断
速度は1216sec-1である。その結果、ESIBS
は2580poise、SIBSは2400pois
e、SBSは5060poise、SEBSは8100
poiseであった。従って、エポキシ基含有イソブチ
レン系ブロック共重合体及びエポキシ基を含有しないイ
ソブチレン系ブロック共重合体は溶融粘度が低く、極め
て流動性に優れていることが判る。
【0062】実施例2、比較例4〜5 参考例1で製造したエポキシ基含有イソブチレン系ブロ
ック共重合体(ESIBS)、参考例2で製造したイソ
ブチレン系ブロック共重合体(SIBS)、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、SBS
と略す。数平均分子量117000)をそれぞれ100
重量部、粘着付与剤として脂肪族系石油樹脂(ESCO
REZ1201−U、トーネックス社製)100重量
部、酸化防止剤としてIrganox1010(チバガ
イギー社製)1部、及び、紫外線吸収剤としてTINU
VIN327(チバガイギー社製)1部をブラベンダー
で混合して、粘着剤組成物を作成した。得られた組成物
をポリエステルフィルムにコーティングして粘着テープ
を製造し、上記に示す方法により耐熱性及び耐候性を評
価した。評価結果を表1に示した。
【0063】
【表1】
【0064】表1から明らかなように、本発明の粘着剤
組成物を使用して製造した粘着テープは耐熱性及び耐候
性に優れている。
【0065】実施例3、比較例6 参考例1で製造したエポキシ基含有イソブチレン系ブロ
ック共重合体(ESIBS)、参考例2で製造したイソ
ブチレン系ブロック共重合体(SIBS)をそれぞれ1
00重量部、粘着付与剤樹脂として脂肪族系石油樹脂
(ESCOREZ1201−U、トーネックス社製)5
0重量部、軟化剤として液状ポリブテン(ポリブテン3
00H、出光石油化学社製)50重量部、及び、酸化防
止剤としてIrganox1010(チバガイギー社
製)1部をブラベンダーで混合し、粘着剤組成物を作成
した。得られた組成物をポリエステルフィルムにコーテ
ィングして粘着テープを製造し、上記に示す方法により
接着性を評価した。評価結果を表2に示した。
【0066】
【表2】
【0067】表2から明らかなように、本発明の粘着剤
組成物を使用して製造した粘着テープは、広い温度範囲
での接着性に極めて優れていることが判る。
【0068】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物及び粘着剤製品
は、上述の構成からなるので、耐熱性、耐候性及び広い
温度範囲での接着性に優れている。従って、包装用、事
務補修用、塗装用、電気用、結束固定用、表面保護用、
両面接着用、防水用、防湿用、防音用、防塵用、防振
用、医療用、ラベル用等の各種用途に利用可能である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 官能基を有するイソブチレン系ブロック
    共重合体(A)を含有してなる粘着剤組成物であって、
    前記官能基を有するイソブチレン系ブロック共重合体
    (A)の主鎖は、イソブチレンを主成分とする単量体成
    分からなる重合体ブロック及びイソブチレンを主成分と
    しない単量体成分からなる重合体ブロックから形成され
    るものであることを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 官能基を有するイソブチレン系ブロック
    共重合体(A)は、少なくとも1つの主鎖末端に官能基
    を有するものである請求項1記載の粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 官能基を有するイソブチレン系ブロック
    共重合体(A)は、末端以外の主鎖に官能基を有するも
    のである請求項1記載の粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 官能基を有するイソブチレン系ブロック
    共重合体(A)は、主鎖に結合したグラフト鎖に官能基
    を有するものである請求項1記載の粘着剤組成物。
  5. 【請求項5】 官能基は、エポキシ基、水酸基、アミノ
    基、アルキルアミノ基、エーテル基、カルボキシル基、
    エステル基、アミド基、酸無水物基、シリル基、アリル
    基及びビニル基からなる群より選択される少なくとも1
    種の基である請求項1、2、3又は4記載の粘着剤組成
    物。
  6. 【請求項6】 官能基は、エポキシ基である請求項5記
    載の粘着剤組成物。
  7. 【請求項7】 官能基を有するイソブチレン系ブロック
    共重合体(A)は、1分子当たり0.5〜50個のエポ
    キシ基を有するものである請求項6記載の粘着剤組成
    物。
  8. 【請求項8】 イソブチレンを主成分としない単量体成
    分からなる重合体ブロックは、芳香族ビニル系単量体を
    単量体主成分としてなるものである請求項1、2、3、
    4、5、6又は7記載の粘着剤組成物。
  9. 【請求項9】 芳香族ビニル系単量体は、スチレン、p
    −メチルスチレン、α−メチルスチレン及びインデンか
    らなる群より選択される少なくとも1種である請求項8
    記載の粘着剤組成物。
  10. 【請求項10】 官能基を有するイソブチレン系ブロッ
    ク共重合体(A)の主鎖は、芳香族ビニル系単量体を単
    量体主成分としてなる重合体ブロック−イソブチレンを
    単量体主成分としてなる重合体ブロック−芳香族ビニル
    系単量体を単量体主成分としてなる重合体ブロックから
    形成されるトリブロック共重合体、イソブチレンを単量
    体主成分としてなる重合体ブロック−芳香族ビニル系単
    量体を単量体主成分としてなる重合体ブロック−イソブ
    チレンを単量体主成分としてなる重合体ブロックから形
    成されるトリブロック共重合体、及び、芳香族ビニル系
    単量体を単量体主成分としてなる重合体ブロック−イソ
    ブチレンを単量体主成分としてなる重合体ブロックから
    形成されるジブロック共重合体からなる群より選択され
    る少なくとも1種である請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8又は9記載の粘着剤組成物。
  11. 【請求項11】 官能基を有するイソブチレン系ブロッ
    ク共重合体(A)100重量部に対して、粘着付与剤
    (B)20〜500重合部、及び、軟化剤(C)0〜2
    00重量部を含有してなる請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9又は10記載の粘着剤組成物。
  12. 【請求項12】 官能基を有しないイソブチレン系ブロ
    ック共重合体であって、イソブチレンを主成分とする単
    量体成分からなる重合体ブロック及びイソブチレンを主
    成分としない単量体成分からなる重合体ブロックから形
    成されるイソブチレン系ブロック系共重合体を更に含有
    してなる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10又は11記載の粘着剤組成物。
  13. 【請求項13】 充填剤を更に含有してなる請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12
    記載の粘着剤組成物。
  14. 【請求項14】 酸化防止剤及び紫外線吸収剤のうち少
    なくとも1種を更に含有してなる請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13記
    載の粘着剤組成物。
  15. 【請求項15】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11、12、13又は14記載の粘着剤
    組成物を基材に塗布して得られることを特徴とする粘着
    剤製品。
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