JP2000095729A - シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法 - Google Patents

シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造方法

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JP2000095729A
JP2000095729A JP10269795A JP26979598A JP2000095729A JP 2000095729 A JP2000095729 A JP 2000095729A JP 10269795 A JP10269795 A JP 10269795A JP 26979598 A JP26979598 A JP 26979598A JP 2000095729 A JP2000095729 A JP 2000095729A
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methyl
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JP10269795A
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Ryoji Noyori
良治 野依
Yoshiaki Oda
佳明 織田
Makoto Yako
誠 八子
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造
法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) (R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ハロゲン、アル
キル、アルケニル等、R6はアルキル、アルケニル、フ
ェニル)で示されるシクロプロパンカルボン酸エステル
類と一般式(2)R7OH (2)
(式中、 R7は、ハロゲン、カルボニル、アルケニル
等)で示されるモノヒドロキシ化合物を一般式(3) (式中、X、Y、Zは、アルコキシル、アルキルチオ、
ハロゲン等。R8はアルキレン鎖、R9は水素、アルキ
ル)で示される有機錫化合物存在下に反応させる一般式
(4) で示されるシクロプロパンカルボン酸エステル類の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシクロプロパンカル
ボン酸エステル類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】シクロプ
ロパンカルボン酸類と各種アルコール類のエステル化合
物の一般的合成法としては、相当するシクロプロパンカ
ルボン酸の低級アルコールとのエステルを一旦加水分解
によりカルボン酸とし、酸塩化物に変換した後、相当す
るモノヒドロキシ化合物と反応させることにより所望す
るエステル化合物を得る方法がよく知られている。しか
しながらこの方法は工程が長く、耐腐食性材質の製造設
備を必要とするため工業的製法としては必ずしも満足で
きるものではなかった。一方、入手容易なシクロプロパ
ンカルボン酸の他アルコールとのエステルと所望のモノ
ヒドロキシ化合物とのエステル交換反応により短工程で
目的のエステルを得る方法も提案されている。従来のエ
ステル交換反応は、酸または塩基触媒存在下で実施され
ており、シクロプロパンカルボン酸エステル類の製造法
としては英国特許第15581/76号ではナトリウム
アルコキシド触媒が用いられている。またTi等の遷移
金属アルコキシド触媒についても数多くの報告がなされ
ている(英国特許第15582/76号、独国特許第2
822472号、英国特許第2005269号)。しか
しながら従来のエステル交換触媒を使用する方法では副
生成物が多く、触媒活性が低いことから目的のエステル
を得るためには高温且つ長時間反応を必要とし、工業的
製法としては必ずしも充分満足し得るものではなかっ
た。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(3)
で示される有機錫触媒(3)がエステル交換反応により
シクロプロパンカルボン酸エステルを製造するにあた
り、公知触媒に比べ高い活性を示し、温和な反応条件
下、高収率で目的とするシクロプロパンカルボン酸エス
テルを製造し得ることを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0004】すなわち本発明は、一般式(1) (式中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいア
ルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、アラル
キル基又はアリール基を示し、R6は置換されていても
よい炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、又は
フェニル基を示す。)で示されるシクロプロパンカルボ
ン酸エステル類と一般式(2) R7OH (2) (式中、 R7は、ハロゲン原子、カルボニル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基もしくは複素環基で置換されていてもよいアル
キル基;フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン
原子もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアラ
ルキル基;または、アルキル基、アルコキシ基もしくは
ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を示
す。)で示されるモノヒドロキシ化合物を一般式(3) (式中、X、Y、Zは、それぞれ独立して炭素数1〜1
0のアルコキシル基、アルキルチオ基、ハロゲン原子ま
たはアルキル基を示す。R8は炭素数2〜4のアルキレ
ン鎖であって、置換されていてもよく、また、鎖上の隣
り合う炭素原子が環の一部を形成していてもよい。R9
は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で示される有機錫化合物存在下にエステル交換反応させ
ることを特徴とする一般式(4) (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR7は前記と同じ
意味を示す。)で示されるシクロプロパンカルボン酸エ
ステル類の製造方法を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明は、シクロプロパンカルボン酸エステル類(4)を
エステル交換反応により製造するにあたり、シクロプロ
パンカルボン酸エステル類(1)とモノヒドロキシ化合
物(2)を有機錫化合物(3)存在下に反応させること
を特徴とする。本発明に用いられる有機錫化合物は一般
式(3)に示されるものであるが、式中X、Y、Zは、
それぞれ独立して炭素数1〜10のアルコキシル基、ア
ルキルチオ基、ハロゲン原子を示し、 R8は炭素数2〜
4のアルキレン鎖であって、置換されていてもよく、ま
た、鎖上の隣り合う炭素原子が環の一部を形成していて
もよい。R9は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を
示す。炭素数1〜10のアルコキシル基としては、例え
ば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポ
キシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブ
トキシ、シクロヘキソキシ等を例示することができる。
炭素数1〜10のアルキルチオ基としては、例えば、メ
チルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、i−プロピ
ルチオ、n−ブチルチオ等が挙げられる。好適にはメト
キシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n
−ブトキシが用いられる。R8はアミノ基が錫原子に配
位結合可能な範囲の炭化水素鎖であればよく、炭素数2
〜4のアルキレン鎖、例えば、エチレン、プロピレン、
ブチレン等が挙げられる。またアルキレン鎖は置換基を
有して鎖上の隣り合う原子が飽和炭化水素環、芳香環、
複素環のような環の一部を形成していてもよく、形成さ
れる環としては、例えば、シクロペンタン環、シクロヘ
キサン環、シクロヘプタン環、ベンゼン環、ナフタレン
環、フェナントレン環、フラン環、チオフェン環等が例
示される。R9は水素原子または炭素数1〜3のアルキ
ル基を表し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、
i−プロピルを挙げることができる。
【0006】一般式(3)で示される有機スズ化合物の
具体例としては、例えば、o−(1−アミノエチル)フ
ェニルスズトリ(メトキシド)、o−(1−アミノエチ
ル)フェニルスズトリ(エトキシド)、 o−(1−ア
ミノエチル)フェニルスズトリ(n−プロポキシド)、
o−(1−アミノエチル)フェニルスズトリ(i−プ
ロポキシド)、 o−(1−アミノエチル)フェニルス
ズトリ(n−ブトキシド)、o−(1−アミノエチル)
フェニルスズトリ(i−ブトキシド)、 o−(1−ア
ミノエチル)フェニルスズトリ(sec−ブトキシ
ド)、 o−(1−アミノエチル)フェニルスズトリ
(tert−ブトキシド)、o−(アミノメチル)フェ
ニルスズトリ(メトキシド)、o−(アミノメチル)フ
ェニルスズトリ(エトキシド)、 o−(アミノメチ
ル)フェニルスズトリ(n−プロポキシド)、 o−
(アミノメチル)フェニルスズトリ(i−プロポキシ
ド)、 o−(アミノメチル)フェニルスズトリ(n−
ブトキシド)、o−(アミノメチル)フェニルスズトリ
(i−ブトキシド)、 o−(アミノメチル)フェニル
スズトリ(sec−ブトキシド)、 o−(アミノメチ
ル)フェニルスズトリ(tert−ブトキシド)、3−
アミノプロピルスズトリ(メトキシド)、3−アミノプ
ロピルスズトリ(エトキシド)、3−アミノプロピルス
ズトリ(n−プロポキシド)、3−アミノプロピルスズ
トリ(i−プロポキシド)、3−アミノプロピルスズト
リ(n−ブトキシド)、3−アミノプロピルスズトリ
(i−ブトキシド)、3−アミノプロピルスズトリ(s
ec−ブトキシド)、3−アミノプロピルスズトリ(t
ert−ブトキシド)、3−(エチルアミノ)プロピル
スズトリ(メトキシド)、3−(エチルアミノ)プロピ
ルスズトリ(エトキシド)、3−(エチルアミノ)プロ
ピルスズトリ(n−プロポキシド)、3−(エチルアミ
ノ)プロピルスズトリ(i−プロポキシド)、3−(エ
チルアミノ)プロピルスズトリ(n−ブトキシド)、3
−(エチルアミノ)プロピルスズトリ(i−ブトキシ
ド)、3−(エチルアミノ)プロピルスズトリ(sec
−ブトキシド)、3−(エチルアミノ)プロピルスズト
リ(tert−ブトキシド)、3−(メチルアミノ)プ
ロピルスズトリ(メトキシド)、3−(メチルアミノ)
プロピルスズトリ(エトキシド)、3−(メチルアミ
ノ)プロピルスズトリ(n−プロポキシド)、3−(メ
チルアミノ)プロピルスズトリ(i−プロポキシド)、
3−(メチルアミノ)プロピルスズトリ(n−ブトキシ
ド)、3−(メチルアミノ)プロピルスズトリ(i−ブ
トキシド)、3−(メチルアミノ)プロピルスズトリ
(sec−ブトキシド)、3−(メチルアミノ)プロピ
ルスズトリ(tert−ブトキシド)、4−(エチルア
ミノ)ブチルスズトリ(メトキシド)、4−(エチルア
ミノ)ブチルスズトリ(エトキシド)、4−(エチルア
ミノ)ブチルスズトリ(n−プロポキシド)、4−(エ
チルアミノ)ブチルスズトリ(i−プロポキシド)、4
−(エチルアミノ)ブチルスズトリ(n−ブトキシ
ド)、4−(エチルアミノ)ブチルスズトリ(i−ブト
キシド)、4−(エチルアミノ)ブチルスズトリ(se
c−ブトキシド)、4−(エチルアミノ)ブチルスズト
リ(tert−ブトキシド)、4−(メチルアミノ)ブ
チルスズトリ(メトキシド)、4−(メチルアミノ)ブ
チルスズトリ(エトキシド)、4−(メチルアミノ)ブ
チルスズトリ(n−プロポキシド)、4−(メチルアミ
ノ)ブチルスズトリ(i−プロポキシド)、4−(メチ
ルアミノ)ブチルスズトリ(n−ブトキシド)、4−
(メチルアミノ)ブチルスズトリ(i−ブトキシド)、
4−(メチルアミノ)ブチルスズトリ(sec−ブトキ
シド)、4−(メチルアミノ)ブチルスズトリ(ter
t−ブトキシド)、2−(1−アミノエチル)シクロヘ
キシルスズトリ(メトキシド)、2−(1−アミノエチ
ル)シクロヘキシルスズトリ(エトキシド)、2−(1
−アミノエチル)シクロヘキシルスズトリ(i−プロポ
キシド)、2−(1−アミノエチル)ナフタレン−3−
イルスズトリ(メトキシド)、2−(1−アミノエチ
ル)ナフタレン−3−イルスズトリ(エトキシド)、2
−(1−アミノエチル)ナフタレン−3−イルスズトリ
(i−プロポキシド)、2−(1−アミノエチル)フラ
ン−3−イルスズトリ(メトキシド)、2−(1−アミ
ノエチル)フラン−3−イルスズトリ(エトキシド)、
2−(1−アミノエチル)フラン−3−イルスズトリ
(i−プロポキシド)、2−(1−アミノエチル)チオ
フェン−3−イルスズトリ(メトキシド)、2−(1−
アミノエチル)チオフェン−3−イルスズトリ(エトキ
シド)、2−(1−アミノエチル)チオフェン−3−イ
ルスズトリ(i−プロポキシド)、3−(エチルアミ
ノ)−2−メチルプロピルスズトリ(メトキシド)、3
−(エチルアミノ)−2−メチルプロピルスズトリ(エ
トキシド)、3−(エチルアミノ)−2−メチルプロピ
ルスズトリ(i−プロポキシド)等が挙げられる。X,
Y,Zの一部または全部がハロゲン原子またはチオアル
キル基である場合、前記同様の化合物を例示することが
できる。
【0007】これら有機錫化合物(3)の調製法は、以
下のようにして合成することができる。
【0008】(A)X、Y及びZが、すべてアルコキシ
ル基である有機錫化合物の場合(A−1)R8がアルキ
レン鎖である場合シクロヘキシルマグネシウムブロミド
と四塩化錫とをメタル交換反応を用いてテトラシクロヘ
キシル錫を合成した後、更にテトラシクロヘキシル錫と
四塩化錫とを反応させてトリシクロヘキシル錫クロリド
を合成する。
【0009】ハロゲン原子を有するアルカノールと有機
リチウム化合物との反応によって生成するジリチオ化合
物と、トリシクロヘキシル錫クロリドとを反応させてト
リシクロヘキシル(ヒドロキシアルキル)錫を合成し、
これをナトリウムアジドと反応させて、トリシクロヘキ
シル(アジドアルキル)錫を合成し、これを還元してト
リシクロヘキシル(アミノアルキル)錫を合成する。
【0010】トリシクロヘキシル(アミノアルキル)錫
と四塩化錫を反応させ、トリクロロアミノアルキル錫と
した後、ナトリウムアルコキシドと反応させて、目的と
するトリアルコキシ(アミノアルキル)錫を合成する。
【0011】合成原料となるハロゲン原子を有するアル
カノールとしては、例えば、3−ブロモプロパノール、
3−ブロモブタノール、4−ブロモブタノール、3−ブ
ロモペンタノール、4−ブロモペンタノール、3−クロ
ロプロパノール、3−クロロブタノール、4−クロロブ
タノール、3−クロロペンタノール、4−クロロペンタ
ノール等の一級アルカノール;1−メチル−3−ブロモ
プロパノール、1−メチル−3−ブロモブタノール、1
−メチル−4−ブロモブタノール、1−メチル−3−ブ
ロモペンタノール、1−メチル−3−クロロプロパノー
ル、1−メチル−3−クロロブタノール、1−メチル−
4−クロロブタノール、1−メチル−3−クロロペンタ
ノール等の二級アルカノール;1,1−ジメチル−3−
ブロモプロパノール、1,1−ジメチル−3−ブロモブ
タノール、1,1−ジメチル−4−ブロモブタノール、
1,1−ジメチル−3−ブルモペンタノール、1,1−
ジメチル−3−クロロプロパノール、1,1−ジメチル
−3−クロロブタノール、1,1−ジメチル−4−クロ
ロブタノール、1,1−ジメチル−3−クロロペンタノ
ール等の三級アルカノールが挙げられる。
【0012】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ハロゲン原子を有するアル
カノール系化合物を用いることにより、R8が置換基を
有するアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R
8が炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の
基で置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を
合成することもできる。
【0013】ハロゲン原子と他の置換基を有するアルカ
ノールとしては、例えば、3−ブロモ−1−メチルプロ
パノール、3−ブロモ−2−エチルプロパノール、3−
クロロ−1−エチルプロパノール、3−クロロ−2−メ
チルプロパノールの如きハロゲン原子と側鎖アルキル基
を有するアルカノール;3−ブロモ−1−フェニルプロ
パノール、3−ブロモ−2−フェニルプロパノール、3
−ブロモ−3−フェニルプロパノール、3−クロロ−1
−フェニルプロパノール、3−クロロ−2−フェニルプ
ロパノール、3−クロロ−3−フェニルプロパノールの
如きハロゲン原子と側鎖にフェニル基を有するアルカノ
ール等が挙げられる。
【0014】アルカノール分子の炭素原子の一部が酸素
原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換えられた構造を
有し、かつ、ハロゲン原子を有するアルカノール系化合
物としては、例えば、ブロモメチルオキシメタノール、
クロロメチルオキシメタノール、ブロモメチルチオメタ
ノール、クロロメチルチオメタノール等が挙げられる。
【0015】(A−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
【0016】上記(A−1)において、ハロゲン原子を
有するアルカノールに代えて、2−ブロモ−1−(ヒド
ロキシアルキル)ベンゼンを用いる以外は、上記(A−
1)と同様にして、目的とする2−(アミノアルキル)
フェニル錫トリアルコキシドを合成する。
【0017】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ハロゲン原子及
びヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用い
ることにより、R8が、有機鎖に結合した2つの置換基
が飽和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成した
アルキレン鎖である有機錫化合物を合成することもでき
る。
【0018】ハロゲン原子及びヒドロキシアルキル基を
有する各種環式化合物としては、例えば、1−ブロモ−
2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1−ク
ロロ−2−(2−ヒドロキシエチル)シクロヘキサンの
如きハロゲン原子及びヒドロキシアルキル基を有する飽
和炭化水素環化合物;1−ブロモ−2−(2−ヒドロキ
シエチル)ナフタレン、2−ブロモ−1−(2−ヒドロ
キシエチル)ナフタレン、1−クロロ−2−(2−ヒド
ロキシエチル)ナフタレン、2−クロロ−1−(2−ヒ
ドロキシエチル)ナフタレン、2−ブロモ−3−(2−
ヒドロキシエチル)ナフタレン、2−クロロ−3−(2
−ヒドロキシエチル)ナフタレンの如きハロゲン原子及
びヒドロキシアルキル基を有する芳香族縮合環化合物;
2−ブロモ−3−(2−ヒドロキシエチル)フラン、3
−ブロモ−3−(2−ヒドロキシエチル)フラン、2−
クロロ−3−(2−ヒドロキシエチル)フラン、3−ク
ロロ−3−(2−ヒドロキシエチル)フラン、2−ブロ
モ−3−(2−ヒドロキシエチル)チオフェン、3−ブ
ロモ−3−(2−ヒドロキシエチル)チオフェン、2−
クロロ−3−(2−ヒドロキシエチル)チオフェン、3
−クロロ−3−(2−ヒドロキシエチル)チオフェンの
如きハロゲン原子及びヒドロキシアルキル基を有する複
素環化合物等が挙げられる。
【0019】(B)X、Y及びZが、すべてハロゲン原
子である有機錫化合物の場合 (B−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(A−1)の合成中間体であるトリハロゲノアミノ
アルキル錫を用いる。
【0020】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0021】(B−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(A−2)の合成中間体であるトリハロゲノ(2−
アミノアルキルフェニル)錫を用いる。
【0022】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0023】(C)X、Y及びZが、すべてアルキルチ
オ基である有機錫化合物の場合 (C−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(A−1)において、ナトリウムアルコキサイドに
代えて、ナトリウムチオアルコキサイドを用いる以外
は、上記(A−1)と同様にして、目的とするトリ(ア
ルキルチオキシ)(アミノアルキル)鎖を合成する。
【0024】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0025】(C−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(A−1)において、ブロム原子を有するアルカノ
ールに代えて、2−ブロモ−1−(ヒドロキシアルキ
ル)ベンゼンを用い、ナトリウムアルコキサイドに代え
て、ナトリウムチオアルコキサイドを用いる以外は、上
記(A−1)と同様にして、目的とするトリ(アルキル
チオキシ)(2−(アミノアルキル)フェニル)錫を合
成する。
【0026】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0027】(D)Xがアルキル基であり、Y及びZが
アルコキシル基である有機錫化合物の場合 (D−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(B−1)で得たトリクロロアミノアルキル錫と二
等量のナトリウムアルコキシドを反応させた後、さらに
残存するハロゲン原子をアルキルリチウムと反応させて
目的とするジアルコキシモノアルキル(アミノアルキ
ル)錫を合成する。
【0028】アルキルリチウムとしては、例えば、メチ
ルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、
n−ブチルリチウム等が挙げられる。
【0029】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0030】(D−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(B−2)で得たトリハロゲノ(2−(アミノアル
キル)フェニル)錫と二等量のナトリウムアルコキシド
を反応させた後、さらに残存するハロゲン原子をアルキ
ルリチウムと反応させて目的とするジアルコキシモノア
ルキル(2−(アミノアルキル)フェニル)錫を合成す
る。
【0031】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0032】(E)Xがアルキル基であり、Y及びZが
ハロゲン原子である有機錫化合物の場合 (E−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(B−1)で得たトリハロゲノアミノアルキル錫と
等量のアルキルリチウムとを反応させて目的とするジハ
ロゲノモノアルキルアミノアルキル錫を合成する。
【0033】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0034】(E−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(B−2)で得たトリハロゲノ(2−(アミノアル
キル)フェニル)錫と等量のアルキルリチウムとを反応
させて目的とするジハロゲノモノアルキル(2−(アミ
ノアルキル)フェニル)錫を合成する。
【0035】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0036】(F)Xがアルキル基であり、Y及びZが
アルキルチオ基である有機錫化合物の場合 (F−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(B−1)で得たトリクロロアミノアルキル錫と二
等量のソジウムチオアルコキシドとを反応させた後、等
量のアルキルリチウムとを反応させて目的とするジアル
キルチオモノアルキル(アミノアルキル)錫を合成す
る。
【0037】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0038】(F−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(B−2)で得たトリハロゲノ(2−(アミノアル
キル)フェニル)錫と二等量のソジウムチオアルコキシ
ドを反応させた後、等量のアルキルリチウムとを反応さ
せて目的とするジアルキルチオモノアルキル(2−(ア
ミノアルキル)フェニル)錫を合成する。
【0039】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0040】(G)Xがアルキル基であり、Yがアルコ
キシル基であり、Zがハロゲン原子である有機錫化合物
の場合 (G−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(B−1)で得たトリクロロアミノアルキル錫と等
量のナトリウムアルコキシドを反応させた後、さらに等
量のアルキルリチウムを反応させて目的とするモノアル
コキシモノアルキルモノハロゲノ(アミノアルキル)錫
を合成する。
【0041】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0042】(G−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(B−2)で得たトリハロゲノ(2−(アミノアル
キル)フェニル)錫と二等量のナトリウムアルコキシド
を反応させた後、さらに等量のアルキルリチウムを反応
させて目的とするモノアルコキシモノアルキルモノハロ
ゲノ(2−(アミノアルキル)フェニル)錫を合成す
る。
【0043】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0044】(H)Xがアルキル基であり、Yがアルコ
キシル基であり、Zがアルキルチオ基である有機錫化合
物の場合 (H−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(B−1)で得たトリクロロアミノアルキル錫と等
量のナトリウムアルコキシドを反応させた後、さらに等
量のナトリウムチオアルコキシド、次いで等量のアルキ
ルリチウムを順次反応させて目的とするモノアルコキシ
モノアルキルチオモノアルキル(アミノアルキル)錫を
合成する。
【0045】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8が
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0046】(H−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(B−2)で得たトリハロゲノ(2−(アミノアル
キル)フェニル)錫と等量のナトリウムアルコキシドを
反応させた後、さらに等量のナトリウムチオアルコキシ
ド、次いで等量のアルキルリチウムを順次反応させて目
的とするモノアルコキシモノアルキルチオモノアルキル
(2−(アミノアルキル)フェニル)錫を合成する。
【0047】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0048】(J)Xがアルキル基であり、Yがハロゲ
ン原子であり、Zがアルキルチオ基である有機錫化合物
の場合 (J−1)R8がアルキレン鎖である場合 上記(B−1)で得たトリクロロアミノアルキル錫と等
量のナトリウムチオアルコキシドを反応させた後、さら
に等量のアルキルリチウムを反応させて目的とするモノ
アルキルチオモノアルキルチオモノハロゲノ(アミノア
ルキル)錫を合成する。
【0049】この反応において、ハロゲン原子を有する
アルカノールに代えて、ハロゲン原子と他の置換基を有
するアルカノール、あるいはアルカノール分子の炭素原
子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で置き換
えられた構造を有し、かつ、ブロム基を有するアルカノ
ール系化合物を用いることにより、R8が置換基を有す
るアルキレン鎖である有機錫化合物、あるいは、R8
炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子の如き2価の基で
置き換えられたアルキレン鎖である有機錫化合物を合成
することもできる。
【0050】(J−2)R8が、鎖上の隣り合う炭素原
子がベンゼン環の一部を形成したアルキレン鎖である場
合 上記(B−2)で得たトリハロゲノ(2−(アミノアル
キル)フェニル)錫と等量のナトリウムチオアルコキシ
ドを反応させた後、さらに等量のアルキルリチウムを反
応させて目的とするモノアルキルチオモノアルキルモノ
ハロゲノ(2−(アミノアルキル)フェニル)錫を合成
する。
【0051】この反応において、2−ブロモ−1−(ヒ
ドロキシアルキル)ベンゼンに代えて、ブロモ原子及び
ヒドロキシアルキル基を有する各種環式化合物を用いる
ことにより、R8が、有機鎖に結合した2つ置換基が飽
和炭化水素環、芳香環、複素環の如き環を形成したアル
キレン鎖である有機錫化合物を合成することもできる。
【0052】(K)R8がアルキレン鎖である場合 R8がアルキレン鎖、特にプロピレン鎖である化合物の
場合、以下に示す方法に従って製造することもできる。
【0053】すなわち、トリアルキルスズ水素化物を重
合開始剤の存在下に、アクリロニトリル誘導体と反応さ
せた後、水素化リチウムアルミニウム等を用いた還元反
応によってニトリル基をアミノ基としてトリアルキルス
ズプロピルアミン誘導体を合成する。次に、トリアルキ
ルスズプロピルアミン誘導体を四塩化スズと反応させて
トリクロロ化スズ誘導体とした後に、ナトリウムアルコ
キシドと反応させて、目的とする3−アミノプロピルス
ズ[トリ(アルコキシド)]を合成する。
【0054】この合成方法において用いるトリアルキル
スズ水素化物としては、例えば、トリメチルスズ水素化
物、トリエチルスズ水素化物、トリn−プロピルスズ水
素化物、トリi−プロピルスズ水素化物等が挙げられ
る。
【0055】また、この合成方法において、トリアルキ
ルスズ水素化物に代えて、トリシクロペンチルスズ水素
化物、トリシクロヘキシルスズ水素化物、トリフェニル
スズ水素化物等を用いることもできる。
【0056】この合成反応において用いるアクリロニト
リル誘導体としては、例えば、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、2−プロピオニトリル等が挙げられ
る。
【0057】また、トリアルキルスズ水素化物とアクリ
ロニトリル誘導体との反応において用いられる重合開始
剤としては、通常のラジカル反応における開始剤として
用いられる化合物であればよいが、具体的には、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビス−t−ブトキシル、過
酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシド、t−ブチル
ヒドロペルオキシド等が挙げられる。
【0058】以上の3−アミノプロピルスズ[トリ(ア
ルコキシド)]の合成方法は、一般式(3)において、
8がプロピレン鎖であって、X、Y及びZが共にアル
コキシル基である化合物以外の化合物、すなわち、X、
Y及びZが全てハロゲン原子またはアルキルチオ基であ
る化合物、Xがアルキル基であり、Y及びZがアルコキ
シル基またはハロゲン原子である化合物、Xがアルキル
基で、Yがアルコキシル基であり、Zがハロゲン原子ま
たはアルキルチオ基である化合物の合成にも準用するこ
とができる。
【0059】有機錫化合物(3)は、単離後反応に供し
てもよく、調製後、溶液のまま使用することもできる。
更に一旦調製した前記の有機錫化合物(3)と反応原料
のモノヒドロキシ化合物(2)を作用せしめ、反応原料
のヒドロキシドを含むアルコキシド触媒として使用する
こともできる。有機錫化合物(3)の使用量は特に制限
されないが、通常エステル基に対し0.001〜200
モル%であり、好ましくは0.1〜10モル%の範囲であ
る。
【0060】本発明において原料として用いられるシク
ロプロパンカルボン酸エステル類は、一般式(1)で示
されるものであるが、式中、R1、R2、R3、R4、R5
は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換されて
いてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニ
ル基、置換さていてもよいアルコキシル基、置換されて
いてもよいアラルキル基、置換されていてもよいアリー
ル基を示す。置換されていてもよいアルキル基として
は、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、それらは
直鎖、分岐鎖又は環状の何れであってもよく、例えば、
メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、メンチル、クロロ
メチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメ
チル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、1−クロロ
エチル、2−クロロエチル、1−ブロモエチル、2−ブ
ロモエチル、1,2−ジクロロエチル、1,2−ジブロ
モエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2
−トリブロモエチル、メトキシメチル、2−メトキシエ
チル等を挙げることができる。置換されていてもよいア
ルケニル基としては、ビニル、1−メチルビニル、1−
プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2,2−ジ
クロロビニル、2,2−ジブロモビニル、2−クロロ−
2−トリフルオロメチルビニル等を例示することができ
る。置換されていてもよいアラルキル基としてはベンジ
ル、ジフェニルメチル、フェニルエチル、ナフチルメチ
ル、ナフチルエチル等が挙げられ、及びこれらの芳香環
が前記のアルキル基及び/又はアルコキシル基あるいは
ハロゲン原子等で置換されたものを例示することができ
る。
【0061】芳香環を置換するアルコキシル基として
は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i
−プロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、te
rt−ブトキシ、シクロヘキソキシ等を例示することが
できる。置換されていてもよいアリール基としては、例
えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げ
られ、及びこれらの芳香環が前記のアルキル基及び/又
はアルコキシル基あるいはハロゲン原子等で置換された
ものを例示することができる。
【0062】一般式(1)中、R6は置換されていても
よい炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、又は
フェニル基を示す。置換されていてもよい炭素数1〜1
0のアルキル基としてはR8、R9、R10で表したものと
同様の基を例示することができる。置換されていてもよ
いアルケニル基としてはR8、R9、R10で表したものと
同様の基を例示することができる。置換されていてもよ
いフェニル基としては、R1、R2,R3、R4、R5で表
したものと同様の基を例示することができる。
【0063】原料となるシクロプロパンカルボン酸エス
テル(1)の具体的化合物としてはシクロプロパン酸メ
チル、2−フルオロシクロプロパン酸メチル、2,2−
ジクロロシクロプロパン酸メチル、シクロプロパン酸エ
チル、2−フルオロシクロプロパン酸エチル、2,2−
ジクロロシクロプロパン酸エチル、2,2−ジメチル−
3−(1−プロペニル)シクロプロパン酸エチル、2,
2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シ
クロプロパン酸エチル、2,2−ジメチル−3−(3−
メチル−2−ブテニル)シクロプロパン酸エチル、2,
2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロ
プロパン酸エチル、2,2−ジメチル−3−(2,2,
2−トリクロロエチル)シクロプロパン酸エチル、2,
2−ジメチル−3−(2,2−ジブロモビニル)シクロ
プロパン酸エチル、2,2−ジメチル−3−(2−クロ
ロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパン酸
エチル、2,2−ジメチル−3−(2−フェニル−1−
プロペニル)シクロプロパン酸エチル、2,2−ジメチ
ル−3−(2−フェニルビニル)シクロプロパン酸エチ
ル、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−3−フェニ
ル−2−ブテニル)シクロプロパン酸エチル、2,2−
ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロ
プロパン酸tert−ブチル、2,2−ジメチル−3−
(3−メチル−2−ブテニル)シクロプロパン酸ter
t−ブチル、2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロ
ロビニル)シクロプロパン酸tert−ブチル、2,2
−ジメチル−3−(2,2,2−トリクロロエチル)シ
クロプロパン酸tert−ブチル、2,2−ジメチル−
3−(2,2−ジブロモビニル)シクロプロパン酸te
rt−ブチル、2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−
2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパン酸te
rt−ブチル、2,2−ジメチル−3−(2−フェニル
−1−プロペニル)シクロプロパン酸tert−ブチ
ル、2,2−ジメチル−3−(2−フェニルビニル)シ
クロプロパン酸tert−ブチル、2,2−ジメチル−
3−(2−メチル−3−フェニル−2−ブテニル)シク
ロプロパン酸tert−ブチル、2,2−ジメチル−3
−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパン酸メ
ンチル、2,2−ジメチル−3−(3−メチル−2−ブ
テニル)シクロプロパン酸メンチル、2,2−ジメチル
−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパン酸メ
ンチル、2,2−ジメチル−3−(2,2,2−トリク
ロロエチル)シクロプロパン酸メンチル、2,2−ジメ
チル−3−(2,2−ジブロモビニル)シクロプロパン
酸メンチル、2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2
−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパン酸メンチ
ル、2,2−ジメチル−3−(2−フェニル−1−プロ
ペニル)シクロプロパン酸メンチル、2,2−ジメチル
−3−(2−フェニルビニル)シクロプロパン酸メンチ
ル、2,2−ジメチル−3−(2−メチル−3−フェニ
ル−2−ブテニル)シクロプロパン酸メンチル、2−メ
チル−2−エチル−3−(1−プロペニル)シクロプロ
パンカルボン酸エチル、2,2−ジエチル−3−(2,
2−ジクロロビニル)シクロプロパン酸tert−ブチ
ル、2−メチル−2−フェニル−3−(2−メチル−1
−プロペニル)シクロプロパン酸tert−ブチル等が
挙げられる。
【0064】本発明に用いられる一般式(2)で示され
るモノヒドロキシ化合物としては、置換されていてもよ
いアルキルアルコール、アラルキルアルコール、アリー
ルアルコール等が挙げられ、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペン
チルアルコール、ネオペンチルアルコール、アミルアル
コール 、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアル
コール、n−デシルアルコール、2−フリルメチルアル
コール、3−フリルメチルアルコール、5−プロパルギ
ル−2−フリルメチルアルコール、1−(2−プロペニ
ル)−3−ヒドロキシメチル−2,4−イミダゾリジン
ジオン、4−ヒドロキシ−3−メチル−2−プロペニル
シクロペンテン−1−オン、4−ヒドロキシ−3−メチ
ル−2−プロピニルシクロペンテン−1−オン、2−
(ヒドロキシメチル)―4,5,6,7−テトラヒドロ
イソインドール−1,3−ジオン、4−メチルヘプテニ
オール、(5−フェノキシ−3−フリル)メタノールな
どのアルキルアルコール、クロロメチルアルコール、ジ
クロロメチルアルコール、トリクロロメチルアルコー
ル、ブロモメチルアルコール、ジブロモメチルアルコー
ル、トリブロモメチルアルコール、フルオロメチルアル
コール、ジフルオロメチルアルコール、トリフルオロメ
チルアルコール、フルオロエチルアルコール、ジフルオ
ロエチルアルコール、トリフルオロエチルアルコール、
テトラフルオロエチルアルコール、ペンタフルオロエチ
ルアルコール、パーフルオロプロピルアルコール、ヘキ
サフルオロイソプロピルアルコール、パーフルオロブチ
ルアルコール、パーフルオロペンチルアルコール、パー
フルオロヘキシルアルコール、パーフルオロオクチルア
ルコール、パーフルオロデシルアルコールなどのハロゲ
ン化アルキルアルコールなどが挙げられる。
【0065】置換されていてもよいアラルキルアルコー
ルとしては例えば、ベンジルアルコール、3−フェノキ
シベンジルアルコール、2−ヒドロキシ−2−(3−フ
ェノキシフェニル)エタンニトリル、(2−メチルフェ
ニル)メチルアルコール、(3−メチルフェニル)メチ
ルアルコール、(4−メチルフェニル)メチルアルコー
ル、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアルコール、
(2,4−ジメチルフェニル)メチルアルコール、
(2,5−ジメチルフェニル)メチルアルコール、
(2,6−ジメチルフェニル)メチルアルコール、
(3,4−ジメチルフェニル)メチルアルコール、
(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアルコー
ル、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアルコ
ール、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアル
コール、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルア
ルコール、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル
アルコール、(2,3,4,5−テトラメチルフェニ
ル)メチルアルコール、(2,3,4,6−テトラメチ
ルフェニル)メチルアルコール、(2,3,5,6−テ
トラメチルフェニル)メチルアルコール、(ペンタメチ
ルフェニル)メチルアルコール、(エチルフェニル)メ
チルアルコール、(n−プロピルフェニル)メチルアル
コール、(イソプロピルフェニル)メチルアルコール、
(n−ブチルフェニル)メチルアルコール、(sec−
ブチルフェニル)メチルアルコール、(tert−ブチ
ルフェニル)メチルアルコール、(n−ペンチルフェニ
ル)メチルアルコール、(ネオペンチルフェニル)メチ
ルアルコール、(n−ヘキシルフェニル)メチルアルコ
ール、(n−オクチルフェニル)メチルアルコール、
(n−デシルフェニル)メチルアルコール、(n−ドデ
シルフェニル)メチルアルコール、(n−テトラデシル
フェニル)メチルアルコール、ナフチルメチルアルコー
ル、アントラセニルメチルアルコール、1−フェニルエ
チルアルコール、1−(1−ナフチル)エチルアルコー
ル、1−(2−ナフチル)エチルアルコールおよびこれ
らがフッ素、塩素、臭素原子などのハロゲンで置換され
たハロアラルキルアルコール、および前記ハロアラルキ
ルアルコールにおいてハロゲン原子をメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、
sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどに任意に変
更したアルコキシアラルキルアルコール、およびシアノ
アラルキルアルコール、ニトロアラルキルアルコール等
が挙げられる。
【0066】置換されていてもよいアリールアルコール
としては例えば、フェノール、1−ナフトール、2−ナ
フトール等、及びこれらの芳香環がアルキル基、アルコ
キシル基もしくはハロゲン原子等で置換されたものが挙
げられる。好ましくは、一級のアルコール類、ベンジル
アルコール類が挙げられる。かかるモノヒドロキシ化合
物(2)の使用量はシクロプロパンカルボン酸エステル
類(1)に対し通常、1当量以上であり、必要に応じ過
剰に用いてもよく、溶媒として使用することもできる。
一般に反応終了後、未反応の原料は、例えば蒸留等の操
作により回収することもできる。
【0067】シクロプロパンカルボン酸エステル類
(1)とモノヒドロキシ化合物(2)を有機錫化合物
(3)存在下に反応させるにあたっては、通常、アルゴ
ン、窒素等不活性ガスの雰囲気下で実施される。反応は
常圧、加圧及び減圧下、何れでも実施することができ
る。好ましくは常圧もしくは減圧下で実施され、エステ
ル交換反応は平衡が原料側に偏っているため、一般に低
沸点である原料のシクロプロパンカルボン酸エステル類
(1)由来のアルコ−ル類を反応系外に連続的に蒸留等
の方法により除去しながら行うとよい。反応は無溶媒も
しくは溶媒中で実施することができ、用いられる溶媒と
しては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエ
ーテル溶媒等が挙げられる。また原料のシクロプロパン
カルボン酸エステル類(1)由来のアルコール類と共沸
しうる溶媒を加えることによりアルコールのみを連続的
に除去することもできる。該反応温度は特に限定されな
いが、好ましくは20〜200℃の範囲である。かかる
反応で生成したシクロプロパンカルボン酸エステル類
(4)は水もしくは酸性水で洗浄等を行うことにより触
媒を除去することができ、必要に応じて蒸留等の通常の
操作を行うことにより、反応混合物から容易に分離する
ことができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、シクロプロパンカルボ
ン酸エステル類(4)を製造するにあたり、相当するシ
クロプロパンカルボン酸の他アルコールとのエステル類
と、相当するモノヒドロキシ化合物とを有機錫触媒
(3)の存在下、エステル交換反応させることにより温
和な反応条件下、短時間に、優れた収率で目的とするシ
クロプロパンカルボン酸エステル類(4)を製造し得る
ので、その工業的製法として有利である。
【0069】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0070】実施例1 窒素置換したシュレンク管に3−アミノプロピルスズト
リ(i−プロポキシド)0.07g(0.19mmo
l)、2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニ
ル)シクロプロパン酸メチル0.88g(3.95mmo
l)、3−フェノキシベンジルアルコール1.57g
(7.83mmol)を加えた後、90℃で6時間攪拌
した。反応混合物をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、(3−フェノキシフェニル)メチル 2,2−
ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロ
パンカルボキシレートの収率は83%であった。
【0071】比較例1 窒素置換したシュレンク管にテトライソプロポキシチタ
ン(IV)0.13g(0.4mmol)、2,2−ジメチ
ル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパン酸
メチル1.75g(8mmol)、3−フェノキシベン
ジルアルコール3.27g(16mmol)を加えた
後、90℃で6時間攪拌した。反応混合物をガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、(3−フェノキシフェ
ニル)メチル2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロ
ロビニル)シクロプロパンカルボキシレートの収率は5
0%であった。
【0072】{3−アミノプロピルスズ[トリ(メチル
エトキシド)]の合成} (1)スズテトラ(メチルエトキシド)の合成 攪拌器、還流冷却器及び等圧滴下ロートを備えた容量20
0mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下でナトリウム2.3
g(0.1モル)とイソプロピルアルコール60gを加えて、
ナトリウムイソプロポキシドを合成した。これに四塩化
スズ5.2g(0.02モル)を徐々に滴下し、滴下終了後、2
時間加熱還流した。反応終了後、室温まで冷却した反応
混合物に、1N塩酸を加えて、過剰のナトリウムイソプ
ロポキシドを中和した後、生成したNaClを濾別した。濾
液を減圧濃縮した後、残滓をイソプロピルアルコールか
ら再結晶させて精製してスズテトラ(メチルエトキシ
ド)6.4g(収率90.6%)を得た。
【0073】(2)トリ(メチルエトキシド)スズクロ
リドの合成 攪拌器、還流冷却器及び等圧滴下ロートを備えた容量20
0mlの四つ口フラスコに、上記(1)で合成したスズテ
トラ(メチルエトキシド)10.6g(0.03モル)及びn−
ヘキサン100mlを入れ、これに、混合物の液温を5℃以
下に保ち得る速度で、四塩化スズ2.6g(0.01モル)のn
−ヘキサン30ml溶液を滴下した後、10時間加熱還流し
た。反応混合物を冷却した後、生成した結晶を濾取し
た。濾取した結晶をn−ヘキサンを用いた洗浄した後、
乾燥させてトリ(メチルエトキシド)スズクロリド8.4g
(収率84.6%)を得た。
【0074】(3)トリ(メチルエトキシド)スズヒド
リドの合成 容量500mlのナス型フラスコに、上記(2)で合成した
トリ(メチルエトキシド)スズクロリド33.2g(0.1モ
ル)及びテトラヒドロフラン100mlを入れ、これに、混
合物の液温を10℃以下に保ちながら、水素化ホウ素ナト
リウム10.5g(0.27モル)のテトラヒドロフラン100ml溶
液を徐々に滴下した。滴下終了後、10℃で4時間攪拌を
続けた。反応終了後、反応混合物にアセトンを加えて、
過剰の水素化ホウ素ナトリウムを分解し、生じたNaClを
濾別した。濾液を30℃以下で減圧濃縮することによっ
て、トリ(メチルエトキシド)スズヒドリド19.7g(収
率66.5%)を得た。
【0075】(4)3−シアノエチル[トリ(メチルエ
トキシド)]スズの合成 容量200mlのナス型フラスコに、上記(3)で合成した
トリ(メチルエトキシド)スズヒドリド5.94g(0.01モ
ル)、アクリロニトリル5.3g(0.1モル)、アゾビス
(イソブチロニトリル)300mg及びトルエン50mlを入
れ、60℃で10時間加熱した。赤外線吸収スペクトルにお
いて、1800cm-1のニトリル基の吸収が消失したことを確
認した後、反応を終了させた。反応終了後、反応液中に
析出した固体を濾別し、濾液を減圧濃縮することによっ
て、3−シアノエチル[トリ(メチルエトキシド)]ス
ズ2.9g(収率81.6%)を得た。
【0076】(5)3−アミノプロピルスズ[トリ(メ
チルエトキシド)]の合成 容量100mlのナス型フラスコに、水素化リチウムアルミ
ニウム0.57g(0.015モル)及びエーテル20mlを入れ、こ
れに、混合物の液温を5℃以下に保ちながら、上記
(4)で合成した3−シアノエチル[トリ(メチルエト
キシド)]スズ3.5g(0.01モル)のエーテル20ml溶液を
徐々に滴下した。滴下終了後、5℃で1時間攪拌した。
反応終了後、反応混合物に、20%水素化ナトリウム水溶
液3ml及び水50mlを加えて、過剰の水素化リチウムアル
ミニウムを分解した。エーテル層を分離し、50mlの水を
用いて水洗した後、減圧濃縮することによって、3−ア
ミノプロピルスズ[トリ(メチルエトキシド)]2.7g
(収率77.1g)を得た。
【0077】{3−アミノプロピルスズ[トリ(メチル
エトキシド)]の合成} (1)トリフェニルスズヒドリドの合成 容量2000mlのナス型フラスコに、水素化ホウ素ナトリウ
ム3.9g(0.1モル)及びモノグライム70mlを入れ、−10
℃に冷却した。この溶液中に、トリフェニルスズクロリ
ド10.0g(0.026モル)のジグライム70ml溶液を30分間か
けて滴下した。滴下終了後、さらに−10℃で30分間攪拌
した。
【0078】反応混合物から、ジグライムを1mmHg以上
の減圧度で0℃で除去して得られた残留物をジエチルエ
ーテルで抽出し、さらにジエチルエーテルを減圧で留去
して、目的物のトリフェニルスズヒドリド9.1g(収率10
0%)を得た。
【0079】(2)3−(トリフェニルスズ)プロピオ
ニトリルの合成 攪拌器及び還流冷却器を備えた容量100mlの四つ口フラ
スコに、上記(1)で合成したトリフェニルスズヒドリ
ド9.1g(0.026モル)、アクリロニトリル2.8g(0.052モ
ル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル85mg及び
トルエン25mlを入れ、60℃で6時間加熱攪拌した。IR
8スペクトルを用いてSn-H結合の吸収が完全に消失した
ことを確認した後、析出した結晶を濾別した。濾液を減
圧濃縮することによって、目的物の3−(トリフェニル
スズ)プロピオニトリル10.5g(収率100%)を得た。
【0080】(3)3−(トリフェニルスズ)プロピル
アミンの合成 攪拌器及び等圧滴下ロートを備えた容量200mlの四つ口
フラスコに、水素化リチウムアルミニウム1.4g(0.038
モル)及びテトラヒドロフラン(以下、THFと省略す
る。)40mlを入れ、これに、上記(2)で合成した3−
(トリフェニルスズ)プロピオニトロル10.1g(0.025モ
ル)のTHF40ml溶液を0℃で1時間かけて滴下した。
滴下終了後、さらに0℃で45分間攪拌した。
【0081】次に、反応混合液に、5%水酸化ナトリウ
ム水溶液4ml及び水20mlを加えた後、0℃で30分間攪拌
した。攪拌終了後、析出した固体を濾別し、濾液を減圧
で濃縮した。残留物をトルエン50mlで抽出し、水50mlで
水洗した後、トルエンを減圧留去して目的物の3−(ト
リフェニルスズ)プロピルアミン7.1g(収率70%)を得
た。
【0082】(4)3−(トリクロロスズ)プロピルア
ミンの合成 容量100mlのナス型フラスコに上記(3)で合成した3
−(トリフェニルスズ)プロピルアミン2.0g(4.9ミリ
モル)及びトルエン25mlを入れ、これに四塩化スズ1.3g
(4.9ミリモル)を室温で徐々に滴下した。滴下終了
後、室温で18時間攪拌した。目的物の3−(トリクロロ
スズ)プロピルアミンを単離することなくトルエン溶液
のままで次工程に用いた。
【0083】(5)3−アミノプロピルスズ[トリ(メ
チルエトキシド)]の合成 容量200mlのナス型フラスコに金属ナトリウム0.57g(0.
025モル)及びイソプロピルアルコール80mlを入れて、
ナトリウムが完全に溶解するまで60℃に加熱した。この
溶液に上記(4)で合成した3−(トリクロロスズ)プ
ロピルアミン(4.9ミリモル)を含むイソプロピルアル
コール50mlの溶液を室温で滴下した。滴下終了後、70℃
で6時間加熱攪拌した後、上澄み液を分取した。この上
澄み液から溶媒を減圧留去して目的物の3−アミノプロ
ピルスズ[トリ(メチルエトキシド)]2.4g(収率59
%)を得た。
【0084】(1H-NMRスペクトル)δ値4.20〜3.80(m, 3
H, OCH3),1.94〜1.84(m, 2H, CH2N),1.38〜1.22(m, 2
H, CH2),1.22(d, 18H, CH3),0.94〜0.88(m, 2H, Sn-C
H2),0.34〜0.26(m, 2H, NH2)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA11 BA34 BJ20 BJ50 BM20 BM72 KA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、R1、R2、R3、R4、R5はそれぞれ独立し
    て、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいア
    ルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、アラル
    キル基又はアリール基を示し、R6は置換されていても
    よい炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、又は
    フェニル基を示す。)で示されるシクロプロパンカルボ
    ン酸エステル類と一般式(2) R7OH (2) (式中、 R7は、ハロゲン原子、カルボニル基、アルケ
    ニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
    ケニル基もしくは複素環基で置換されていてもよいアル
    キル基;フェノキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン
    原子もしくはアルコキシ基で置換されていてもよいアラ
    ルキル基;または、アルキル基、アルコキシ基もしくは
    ハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基を示
    す。)で示されるモノヒドロキシ化合物を一般式(3) (式中、X、Y、Zは、それぞれ独立して炭素数1〜1
    0のアルコキシル基、アルキルチオ基、ハロゲン原子ま
    たはアルキル基を示す。R8は炭素数2〜4のアルキレ
    ン鎖であって、置換されていてもよく、また、鎖上の隣
    り合う炭素原子が環の一部を形成していてもよい。R9
    は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
    で示される有機錫化合物存在下にエステル交換反応させ
    て得ることを特徴とする一般式(4) (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR7は前記と同じ
    意味を示す。)で示されるシクロプロパンカルボン酸エ
    ステル類の製造方法。
  2. 【請求項2】有機錫化合物が3−アミノプロピルスズト
    リイソプロポキシドまたはo−(1−アミノエチル)フ
    ェニルスズトリイソプロポキシドである請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(1)で示されるシクロプロパンカ
    ルボン酸エステル類のR6がメチル、エチルまたはビニ
    ルである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式(1)で示されるシクロプロパンカ
    ルボン酸エステル類が2,2−ジメチル−3−(2,2
    −ジクロロビニル)シクロプロパンカルボン酸エステル
    である請求項1または2に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式(1)で示されるシクロプロパンカ
    ルボン酸エステル類が2,2−ジメチル−3−(2−メ
    チル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エス
    テルである請求項1または2に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式(2)で示されるモノヒドロキシ化
    合物が一級アルコール類である請求項1〜5のいずれか
    に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】一般式(2)で示されるモノヒドロキシ化
    合物がベンジルアルコール類である請求項1〜5のいず
    れかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】一般式(2)で示されるモノヒドロキシ化
    合物が3−フェノキシベンジルアルコールである請求項
    1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011520827A (ja) * 2008-05-14 2011-07-21 シンジェンタ リミテッド エステル類の製造方法

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